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Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. キャッシュレス社会における地域通貨とブロックチェーン プラチナ社会研究会 講演資料 2018年6月12日

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キャッシュレス社会における地域通貨とブロックチェーン

プラチナ社会研究会 講演資料

2018年6月12日

Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 1

目次

1. キャッシュレス化の潮流 2

2. 仮想通貨といろいろなマネー 13

3. ブロックチェーン技術とは 18

4. 地域通貨 23

5. 地域通貨と経済活性化 27

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1. キャッシュレス(レスキャッシュ)化の潮流

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観光地としての日本の魅力と満足度

出所:「外国人旅行者に関する調査」 VISAhttps://www.visa.co.jp/about-visa/newsroom/press-releases/nr-jp-150107.html

出所:「世界の人気観光都市ランキング 2015」 Travel+Leisurehttp://www.travelandleisure.com/worlds-best/cities#intro

直近の旅行先で有意義な体験した都市は?

世界で最も魅力的な観光都市は?

外国人からみた日本は,世界有数の魅力ある都市

京都は2年連続世界一(2015年,2016年)

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他の都市と比較した場合の項目別満足度

出所:「外国人旅行者に関する調査」 VISAhttps://www.visa.co.jp/about-visa/newsroom/press-releases/nr-jp-150107.html

外国人観光客の不満は支払い手段(日本は現金社会)

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増え続ける現金 ~日米英とスウェーデンの通貨流通高対GDP比推移~

現金比率の変動要因はキャッシュレス支払い手段の普及とインフレ率、金利の上昇 米英は1990年以降、緩やかではあるが一貫して現金需要は増加傾向 スウェーデンは現金比率は一貫して下落傾向であり、足元(2015年)は1.7% 日本は現金比率が一貫して上昇。1993年以降は急激な増加。足元は19.4%まで上昇

出所:一橋ビジネスレビューより抜粋

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増え続ける現金 ~日本人は現金が大好き (各国比較)~

日本は現金流通額は世界1位、高額紙幣割合、一人当たりの現金保有高は世界2位 一万円札が大量の流通・保有されている社会 要因は「犯罪発生率の低さ」、「20年に亘る超低インフレ」、「高齢者の銀行不信」

出所:各国中央銀行,統計局をもとにMRI作成

1.45%

1.53%

1.80%

2.09%

2.29%

3.28%

3.42%

3.44%

3.64%

3.74%

4.07%

4.07%

4.15%

4.70%

5.41%

5.66%

5.76%

6.79%

7.38%

8.46%

9.00%

9.34%

9.37%

10.09%

11.14%

11.37%

12.51%

14.65%

18.61%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0%

ノルウェー

ナイジェリア

スウェーデン

アルゼンチン

ニュージーランド

デンマーク

南アフリカ

ブラジル

チリ

カナダ

イギリス

インドネシア

オーストラリア

トルコ

韓国

イスラエル

メキシコ

コロンビア

アメリカ

シンガポール

ロシア

中国

台湾

ユーロ圏

スイス

タイ

インド

香港

日本

現金流通額対GDP比

4.9%

6.2%

7.7%

18.5%

28.3%

28.9%

31.9%

32.5%

35.7%

37.2%

37.5%

39.9%

43.1%

45.7%

49.3%

52.0%

55.4%

62.0%

68.6%

71.7%

78.4%

84.2%

86.8%

88.0%

88.3%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

台湾

スウェーデン

メキシコ

イギリス

ユーロ圏

南アフリカ

チリ

トルコ

コロンビア

ニュージーランド

ブラジル

ノルウェー

シンガポール

オーストラリア

香港

デンマーク

カナダ

スイス

ロシア

イスラエル

アメリカ

タイ

中国

日本

アルゼンチン

現金流通額に高額紙幣の割合

40

41

132

147

171

201

234

405

444

521

620

685

721

769

910

974

1288

1501

1724

1823

1973

1999

2061

3391

4172

4352

6033

6456

8759

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

コロンビア

ナイジェリア

インドネシア

南アフリカ

インド

アルゼンチン

ブラジル

トルコ

チリ

メキシコ

タイ

ロシア

中国

ニュージーランド

スウェーデン

ノルウェー

韓国

カナダ

イギリス

デンマーク

イスラエル

台湾

オーストラリア

ユーロ圏

アメリカ

シンガポール

香港

日本

スイス

現金保有高/一人当(ドル)

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進む!キャッシュレス(レスキャッシュ)化 ~高額紙幣の廃止と法定通貨のデジタル化~

スウェーデン デンマーク インド

イギリス オランダ カナダ スウェーデン ロシア 中国

高額紙幣廃止

法定通貨デジタル化の議論と検討

高額紙幣廃止、中央銀行券の電子化は世界的な潮流!

カナダ イギリス

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進む!キャッシュレス(レスキャッシュ)化 ~小額硬貨の廃止とコインレス化~

スウェーデン デンマーク

小額コインの廃止

コインレス化

小額コインも廃止する国が続々。韓国はコインレス化も

ノルウェー ニュージーランド アメリカ

韓国

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キャッシュレス化はメリットがいっぱい ① ~個々の経済主体~

キャッシュレス(レスキャッシュ)化は良いことがいっぱい!

原材料・加工に係るコスト不要。環境負荷もゼロ

輸送・保管コストは2兆円とも。利用にもコストが

偽造対策コストは1兆円との試算も

お金はトイレよりも汚いという研究結が

決済時間・締め時間の大幅な短縮

「簡単」,「便利」,「お得」,「楽しい」決済へ

紙幣、硬貨の製造・メンテナンスコストフリー

輸送・保管・利用にかかるコストフリー

偽造対策コストフリー

公衆衛生上の問題解消(お金は汚い)

決済の迅速化・効率化

顧客体験としての通貨(パーソナル化、シームレス化)

メリット 詳細

個々の経済主体にとってのメリット

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キャッシュレス化はメリットがいっぱい ② ~経済全体への波及効果~

キャッシュレス(レスキャッシュ)化は社会コストを下げ経済を大きくさせる

日本でも10%が地下経済。税収にもプラス

貧困層への容易な金融サービスアクセス手段として

経済取引全てが記録。マーケティングやリスク管理に

マイナス金利でデフレ克服。決済リスクの低下

給付金,手当ての使途の明確化。EBPMの実践

インセンティブ通貨は経済を活性化。GDPの向上

脱!現金の闇(地下経済,犯罪,テロ)

金融包摂の促進

取引データを使った新たな価値の創造

金融政策,金融危機の防止

政策の透明化

消費・雇用の拡大と経済厚生の向上

メリット 詳細

経済全体に波及するメリット

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正しいキャッシュレス化の方策は

日本のキャッシュレス化の唯一の政策はクレジット・カード普及促進による政策 海外カードのATM利用促進は現金を増やしキャッシュレスとは逆行 カード型のキャッシュレス手段(クレジット,デビッド,電子マネー)は導入コスト高 モバイル決済は低コスト,通貨の電子化,体験型通貨としてキャッシュレス化の大本命

キャッシュレス化の手段 理由

日本の利用は限定的

CCは導入コスト高,ATMは現金促進

通貨の電子化。「簡単」、「便利」、「お得」、「楽しい」

導入コスト高

クレジット・カードとATM

デビッド・カード

電子マネー

モバイル決済

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現金の闇 ~キャッシュレスの恩恵を受ける一番の国は日本?~

円の大半が国内で保有1

巨額な公的債務(増税、歳出削減で解決)2

桁外れの高額紙幣残高(地下経済、特に脱税は巨額)3

新たな金融政策手段(マイナス金利政策)による脱デフレ4

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2. 仮想通貨といろいろなマネー

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仮想通貨って何? ~仮想通貨の法的定義~

「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの。」(資金決済法2条5項1号)

仮想通貨とは~ 決済手段であることを定義

汎用性の定義 転々流通性の定義

「不特定の者を相手方として(前号に掲げるものと)相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの。」(資金決

済法2条5項2号)

仮想通貨と交換可能なものを2号仮想通貨と定義

仮想通貨の性質をずばり定義したものではない

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いろいろな通貨(マネー)の特徴比較

特徴および性質

法定通貨 電子マネー

企業通貨(ポイント)

分散型仮想通貨

中央型仮想通貨

地域通貨

発行

発行主体 日本政府日本銀行

電子マネー事業者

電子マネー事業者民間企業

PFによる自動発行

自治体民間企業

自治体経済団体

NPO

機能面

価値尺度 ○ ○ △ × ○ ○

支払い手段 ○ ○ ○ △ ○ △

価値保蔵手段 ○ × × × ○ △

属性面

決済完了性 ○ ○ ○ ○ ○ ○

転々流通性 ○ × △ ○ ○ ○

匿名性 ○ ○ × ○ △ ○

効果面

強制通用力 ○ × × × × ×

無利子 ○ △ △ ○ ? ○

時効がない ○ △ × ? ? △

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3. ブロックチェーン技術とは

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信頼の仕組み ~BC技術が「インターネットの再発明」と騒がれる背景~

事後対処ではなく、事前予防の技術と期待される

新たな課題

インターネット誕生

FUTURE

Eメール

クラウド AI

.com企業 IoT

SNS

Big Data

web

ブロックチェーン

情報交換のコストダウン

・コラボレーション・検索がしやすい

インターネットと現実世界の融合

ネットビジネスの概念が誕生

・メディア・エンタメ・組織・店舗の変容・革新的なベンチャー

・インターネットに生活が接続される

信頼性の担保

・アイデンティティ・第三者が担保する

・なりますまし・プライバシー侵害・ハッキングetc

ネット犯罪の誕生

ネット基盤社会を狙った犯罪

・身代金ウィルス・クレカ偽造etc.

私たちの世界を変えたこと

出所:ダイヤモンド社「ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」ドン・タプスコット (著), アレックス・タプスコット (著), 高橋 璃子 (翻訳)を元に、三菱総合研究所が作成

・第三者の代わりにプロトコルが信頼を保証してくれる

信頼できるインターネット

ブロックチェーンNEW

BC技術は全てを解決する特効薬ではないが、インターネットを大きく変える技術(思想)として期待されている!

インターネットの再発明と言われる

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ブロックチェーン技術とは

「ブロックチェーン」

ビットコインの基盤技術。価値記録の取引を第三者機関不在で実現する仕組み

第三者機関による中央集権型管理で信頼性を担保 全ての取引履歴を皆で分散共有することで信頼性担保

各取引履歴は、順番にブロックに格納 各ブロックが直前のブロックとつながることで改ざんが困難な仕組みを導入

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BC技術の要素技術 ~枯れた技術と新しい仕組みの組み合わせ~

出所:リックテレコム「ブロックチェーン仕組みと理論」赤羽喜治・愛敬真生(編著)の図を三菱総合研究所が加筆・修正

スマートコントラクト

NEW

P2Pネットワーク

OLD

POW(コンセンサスアルゴリズム)

NEW(革新的!)

電子署名ハッシュ関数

OLD

◎PC同士が同じ目的で接続し、ネットワークを形成する方式。

◎どのコンピュータも同じ処理を行えるため、1台が停止しても、システム全体に影響を与えずに済む。

◎P2Pネットワーク等の分散ネットワーク上で、合意形成を行うためのアルゴリズム。

◎ブロックチェーンを複数ノード共有するためにも最も重要な仕組みである。

◎取引(トランザクション)を発行する人の正当性を保障する仕組みである。

◎ブロックチェーンの改ざん防止、暗号化等、セキュリティーに関する仕組みである。

◎ブロックチェーン上で動作するプログラム。

◎ブロックチェーンの基盤の中では、プログラム言語によって、非常に自由度の高い処理を記述出来る。

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さまざまなコンセンサスアルゴリズム ~用途(PF)に応じて~

出所) NTTデータ経営研究所「ブロックチェーン(分散型台帳技術)講演資料」 https://www.mof.go.jp/pri/summary/topics/cy2017/201701a.pdf

◎取引の正当性を、ネットワークの参加者自身が検証・承認する事で、管理者を介さずに価値の移転が可能とする仕組み。

◎トランザクションを承認するノードはマイナー(採掘者)と呼ばれ、ブロック生成にはマイニング(採掘)という非常に多くのコンピュータ・リソースを要する作業が必要である。改ざんには膨大なコンピュータ・リソースが必要となり、事実上不可能である。

◎PoWを応用したアルゴリズム。コインの保有量・保有期間が大きいほどマイニングの難易度を低くする事でPoWのコンピュータ・リソースの無駄遣いが改善される。

◎大量コイン保有者が常に有利になる為、彼らがコインを使わなくなる懸念

◎PoW・PoSを応用したコンセンサスアルゴリズムである。

◎コイン保有量・保有期間に加え、直近の頻度の高さでマイニングの難易度を低くする事でPoSにて想定される大量コインの保有者によるコインのため込みを是正する。

◎特定ノードにブロックの作成権限を集中させる合議制である。(2/3以上合意で承認される)

◎特定ノードは信頼できる機関により運営される必要がある。特定ノードで障害発生時、ネットワーク全体に影響を与える。

◎PoW、PoS、PoIのような「管理者を介さずに合意形成する」特徴は無いが、迅速確実な価値の転移が可能である。

PBFTPractical Byzanine

Fault Tolerance

PoWProof-of-Work

パブリック型ブロックチェーン 許可型ブロックチェーン

PoSProof-of-Stake

PolProof-of-Importance

PoW PoS

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BC技術の類型 ~ポイントは管理者が存在するかどうか~

ブロックチェーンを形成するノードの参加方法に応じて大きく3つの分類が存在

出所) 経済産業省平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)(平成28年4月28日)http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160428003/20160428003-1.pdf を基にMRI作成

プライベート型ブロックチェーン

パブリック型ブロックチェーン

コンソーシアム型ブロックチェーン

◎ネットワーク参加者が誰にでも開かれている。

◎悪意を持ったユーザを排除するために、合意形成が必要となる。

◎企業グループ等、信頼のおけるメンバーでコンセンサスを形成してブロックチェーンを利用する。

◎身元が明らかな参加者しかおらず、合意形成が取りやすい。

◎特定組織の内部でブロックチェーンを利用する。

◎自社内に閉じており、合意形成は取りやすい。

A社

B社

C社D社

E社

企業内

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ブロックチェーンの主な適用分野

信頼された第三者を仲介せず、虚偽の無いデータのやりとりを保障する仕組み

ブロックチェーン

通貨 組織

権利サプライチェーン

株式証券

仮想通貨

不正防止

電子国家

真のシェア経済

著作権のフェアトレード

小売 トレーサビリティ

スマートコントラクト サプライ

チェーン

スマートガバナンスFintech

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4.地域通貨

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地域通貨の変遷

2002年をブームのピークにその後は下火に 2008年以降は毎年20近くの新たな地域通貨が発行 トータルとしては過去800強の地域通貨が国内で発行されてきた

出所:Kobayashi, Miyazaki, Yoshida, 2017, ”Historical Transition of Community Currencies in Japan.”

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地域通貨の悲しい過去(その特徴と5年生存率)

全国の地域通貨

地域 件数 割合

北海道 48 7.3%

東北 59 8.9%

関東 124 18.7%

北陸・甲信越 75 11.3%

東海 55 8.3%

近畿 111 16.8%

中国・四国 93 14.0%

九州 80 12.1%

全国版 17 2.6%

全国 662 100%

通貨の形態

形態 件数 割合

紙幣・コイン 489 73.8%

通帳 96 14.5%

カード・その他 62 9.3%

借用書・チケット 16 2.4%

地域通貨発行の目的

目的 件数 割合

コミュニティ活性化 422 63.8%

地域経済活性化 137 20.7%

環境問題・ごみ問題 74 11.2%

地産池消・農業関連 3 0.4%

里山保全、森林保護、自然保護関連 22 3.3%

その他(雇用創出等) 100 15.1%

地域経済活性化目的の場合の通貨発行主体

発行主体 件数 割合

自治体(市町村) 11 7.9%

経済団体(商工会議所、商工会等) 25 18.0%

NPO法人、まちづくり会社等 40 29.2%

商業者、事業経営者 9 6.7%

その他(未法人化ボランティア団体、生協等) 52 38.2%

全体 137 100.0%

発行後5年の生存率

生存通貨数 248

全体 662

生存率 37.4%

出所:「地域通貨全リスト」をもとにMRI集計http://cc-pr.net/list/データは2011年現在

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地域通貨が定着しない理由

目的が曖昧(経済の活性化か、コミュニティの再生・活性化か・・・)1

発行主体の継続性(ボランティア主体の場合は特に)3

使われない(使うインセンティブが低い or 使う場所がない)⇒滞留問題7

告知が不十分で認知されない8

法定通貨との兌換の問題(ほとんどの地域通貨は交換できない)5

関係者(参加者)の利益・便益が曖昧2

活動における財政基盤が脆弱4

地域規模の設計ミス(通貨の発行量と商圏規模のミスマッチ)6

失敗の理由

「制度」、「運営主体」、「収益計画」、「滞留」、「告知」

問題の所在

地域通貨定着には

上記の問題を解決した上で導入すれば、地域通貨は制度として定着する可能性大

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5. 地域通貨と経済活性化

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「経済を大きくするには」 フィッシャーの交換方程式

貨幣数量説と異次元緩和

お金の量を増やせば物価が上がり経済成長するはず

実体経済

経済活性化には貨幣の流通速度(お金が財布から財布へ渡るスピード)を上げることが不可欠 価値が下がる(減価する)貨幣はその処方箋

「お金がどれだけ回転したか」

「ものがどれだけ売れたか」 名目GDP お金の量を増やしてもお金を使わない(回らない)ため経済は大きくならない

お金の価値を下げてあげればよい!

貨幣保有税 !(マイナス金利政策)

物価の上昇は限定的

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【参考】デジタル通貨とマイナス金利

経済活性化の処方箋はマイナス金利の導入 それには電子的な通貨が必要

出所:ロイター

経済の継続的な低成長(デフレ)の原因は名目金利を0以下にできないから(非負制約)

電子的な通貨を発行しマイナス金利政策を導入するしかない!

イングランド銀行 チーフエコノミスト

ホールデン理事 2015/9

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未来の通貨はどうなるか? デジタル地域通貨による経済活性化

地方自治体プレミアムの付与

地域商業施設発行、資金管理、換金

地域コイン発行 ブロックチェーン技術 地域商店街

ポイント付与

地域金融機関

原資

換金手数料

地域コインと企業ポイントの連携(交換)

域内企業コインと変換地域経済活性化による税収増加

地域経済活性化による融資増

消費活性化により売上増

囲い込み効果増大

観光・インバウンドコイン発行

デジタル地域通貨経済圏

地域通貨を電子化し流通を促進 地域の特性にあわせた機能設定で、地域活性化に寄与

購買データ蓄積

ポイントと変換

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