雇用と経済成長 -...

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Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 雇用と経済成長 第3回経済プロジェクション 2013年9月25日 研究理事 村上清明

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雇用と経済成長

第3回経済プロジェクション

2013年9月25日

研究理事 村上清明

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安倍総理「成長戦略スピーチ」平成25年4月19日 より

すべての人材が、それぞれの持ち場で、持てる限りの能力を活かすことが

できる「全員参加」こそが、これからの「成長戦略」の鍵であると思います。

高度成長時代の「所得倍増計画」を理論づけた下村治博士は、「経済成長

の可能性と条件」と題した論文の中で、こう論じています。

成長政策とは、「日本の国民が現にもっている能力をできるだけ発揮させ

る条件」をつくることだ、と。

下村博士は、当時4,500万人いた就業者が、「非常に高い潜在的な能力を

持っているにもかかわらず」、創造的な能力を「発揮できる機会が少ない」

ことを指摘し、「機会」さえしっかりと与えられれば、日本経済は成長でき

る、と説きました。

この下村博士の言葉は、現在も、普遍的な価値を持っていると考えます。

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雇用に関する各種施策

1. 正社員の解雇規制緩和

2. 非正規雇用の正社員化

3. 低賃金の引き上げ

4. 均衡処遇

5. 積極的労働政策

6. 高齢者の定年延長

7. 40歳定年制

8. 女性の労働力率の大幅引き上げ

9. 雇用ではない有償の働き方

効果の相反するものが乱立

対症療法(短期の緩和策)が多い。部分 適化(部分合理性)

現代社会では、雇用は経済的自立の生命線→全体適化を困難

基本的に富の分配に重点を置く労働政策の限界

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雇用問題へのシステムズ・アプローチ

1. 経済的に自立できる収入を確保できる(低次の欲求:生存)2. 仲間と楽しく働ける(親和の欲求)3. 個人が能力を十分発揮できる(承認、自己実現)4. 企業が持続可能、国民経済が長期的に継続的に成長する

目標GOAL

目的OBJECTIVES

代替案(解決策)ALTERNATIVES

評価EVALUATION

評価基準CRITERIOR

1. 働く意思のある人には、能力に応じた働く機会がある2. ライフステージに応じた柔軟な働き方ができる3. 労働の成果に対して公正な対価4. 産業の衰退や企業倒産のリスクを個人が負わなくても良い社会システム⇔流動性5. 働かないものは豊かにならない

代替策の視点 就業形態 雇用⇔雇用以外の就業 雇用(身分) 安定⇔流動 勤務(時間・場所) 固定⇔柔軟 就労期間 定年無し⇔定年(一定年齢) 延長⇔短縮(2毛作) 賃金の決定要因 身分・企業⇔職の内容・技術水準 低賃金 失業率を 小⇔一定水準の生活

多面評価(個人視点・企業視点・国視点) 可視化→全体合理性

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Q1.正社員の解雇規制の緩和

0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

若年層の雇用を改善するということが前提であれば、流動性を高めることは望ましいが、さまざまな条件が整備されることが必要。

どのような影響があるのか、私自身、十分に把握出来ないために、こうした回答にしました。

バブル経済崩壊、金融危機等から経済成長が失速し、非正規雇用といった新たな雇用形態が現出したが、企業にとっても雇用リスクの低減や人件費の削減に都合よく利用してきたが、別の角度では働かない若者が増えたり、ロイヤリティの低下等の問題を産み出したのではないか。尚更荒んだ労働環境に陥るのではないか。

正社員の解雇規制が緩和されると、一見競争力の弱い正社員が淘汰されるため企業全体の競争力が強化されるかとも思える。しかしながら、一正社員に対して近視眼的な見方で成果指標を設定する傾向が強まることも考えられ、その場合長期的な視野での成長が望めないのではと考える。

再就職の就業率が十分高いことが前提になってからでないと、効果なし。

雇用側の希望と被雇用者の意向が最後まで折り合わないような気がしますが・・・

解雇規制の強化は、中長期的な痛みの先送りに過ぎない(先送りの結果、過去のツケが現在に来ている)。

現状の雇用形態を見ていると、被雇用者側に有利に働いていると思われる。また、これによりかかることにより、生産性のない被雇用者が企業の中で見受けられる。しかし、このバランスにより、現在の社会が成立していることは否めない。

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Q2. 非正規雇用・派遣雇用者の正社員化0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

本人の希望が大前提として、ある一定期間勤務している非正規社員は正社員になる仕組みがあるべき。

個人と企業とでは見解が分かれる施策だと思う。

働かない若者やニートと呼ばれる人種を多数輩出した元凶とも思われ、企業もデフレ経済の中で企業に都合よく利用してきた感が否めない。

雇用安定が、将来への見通しにつながるため正社員化は必要かと思います。金銭的な負担は企業にかかるとおもいますが、成長させる責任が生じ、それにより企業の成長力が増すのではないかと思います。

非正規社員は、比率を上げると将来への社会不安が広がり、経済が停滞する。

これまでのように、福利厚生面での待遇が薄いままでいいのかどうか・・・?

解雇規制の緩和とセットで考える必要があるので、個別の施策で答えるのは限界がある

適正な能力・モチベーションを保持している派遣社員等は、企業の一定の条件付けにより、正社員への登用を行うべきである。しかし、国からの規制で、「派遣継続2年以上の職員については正社員にする」などの一律押しつけの方策は望ましくない。

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Q6. 高齢者の定年延長0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

単純な定年延長は企業の活力をそぐ。

個人的には、老後の不安もあるので、強化して欲しい。しかし、企業にとっては、難しい問題だとも認識している。

我国の人口動態は2006年の1.27億をピークに人口減少カーブに入り、最初は穏やかであるが2020年には数十万人から数百万人前後の大きな減少を迎える。よって、これからは就労人口の減少と共に高齢者や女性の活用が労働力の確保の重要な担い手になると考える。

定年延長なのか?若者の職を奪わない新たな雇用が生まれると良い

仕方のないことかなと考えます。雇用を延長というものもいいですが、もう一度義務教育をして社会適応力を高めてみることが本当はいいのではないかと思います。

定年は延長する必要が有るが、同時に早期定年も併せて考える必要あり。

年金の高年齢雇用継続給付や在職老齢年金の維持など、バッファの保障も重要だと思います。

高齢者の単純雇用延長では、若手の起用や職場の人間関係の新陳代謝を阻害しかねない。他方で、高齢で労働が続けられる環境づくりは必須なのは明らかなので、次に掲げている「40歳定年制」的な考えに基づく複線的キャリアパスを用意する必要がある。

定年延長という定義が適当とはいいがたい。定年延長だけでは、社会保障政策のコストを企業に押し付けているにすぎない。年齢による雇用差別を確実になくすだけで十分なのでは。

定年を迎えたら、判断力・体力・能力が一気に低下するわけではいのに今の制度には疑問を感じる。就業人口も低下しつつある中、定年を迎えた人たちを活用する必要はあると思う。

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Q7. 40歳定年制0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

40歳では早すぎる気が。子育てなどのことを考えると、50歳ぐらいでは?

正直言って、どのような効果をもたらすのか?、不明なところがあります。

いくつの定年であっても良いが、定年を迎えた時にセカンドキャリアを漕ぎ出す原資が果たしてあるのか。40歳で定年時に原資がある人間が我が国の雇用形態にあって、どれだけの人間がいるのかが大いに疑問。企業の退職金制度の設計が追いつくのか疑問。

40歳定年制というように決めるのではなく、ヨーロッパのようにいつでも勉強し直して、新たな仕事につける社会を目指したい。いらなくなった産業を無理に残すのではなく、新たな産業創出と新たな雇用を簡単に作り出せる仕組みが良い。

40代定年制は若年の労働環境が厳しい目線にさらされ、晩婚化がすすみ(セカンドキャリアに子育てを)、高齢出産による少子化がすすんでしまうのではないかと思います。定年を理由にご退職勧告できるという意味では企業にとっては悪くないのかもしれませんが…

セカンドキャリアの考え方は必要と思うが、40歳と決めることには賛成出来ない。40から60の間くらいであれば、同意できる。

セカンドチャンス創造のための受け皿(雇用訓練など)を整備しないと成り立たない思います。

賛成はするが、具体性がよく見えない。

企業としての人材不足の問題が生じる恐れがある。ベンチャー企業だらけ、零細企業だらけでは、国際競争力がなくなっていく。

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解雇規制緩和

速やかな生産調整

企業のコスト削減

余剰人員を抱え込まないことによる企業内活力の活性化

投資の増加

採用のリスクが減り、採用増

解雇された人財が成長力の高い産業に移動できれば、経済成長を促進→人財の流動化

賃金水準の高く、再教育の困難な高齢者の解雇→失業増

若年労働者の使い捨て(法の悪用)

衰退企業の延命

新規事業開拓の経営努力減退

社会保障コストの増大?

解雇された人が成長産業へ移動できることが重要

専門・職種の転換可能性のある人財を流動化の対象

解雇ルールの必要性? スウェーデンでは、Last in First Out

年功序列型賃金は適合性が低い→均衡処遇

再教育のコストとその間の生活保障→積極的労働政策

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Q4. 低賃金の引き上げ0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

個人と企業とでは見解が分かれる施策だと思う。

不安無く、生きられる社会にしたい

最低賃金を引き上げることで景気活性が図られるわけではないと思います。

最低賃金労働者が生活保護受給者より苦しい生活になるのは不適切な構造。

ベースアップでも賞与(一時金)でもいいからアップされることが望まれます。それが消費活性化に繋がると言われ続けて20年・・・。

内閣府の分析でも、デフレの要因として賃金デフレが要因として強く出ているため。社会政策的にも行うべき

多種な業種があるが、労働集約型の産業においては、デフレスパイラルが続いており、国からの強い強制力において、最低賃金の引き上げを推し進めてほしい。

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Q5.均衡処遇0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

企業における人的資産の客観的な分析をする意味で、こうした施策を行うのが必要なのでは、と思う。

原則妥当であるが、現実の問題として企業や組織への帰属意識はどうなるのか?どこに所属しても変わらなければ帰属する意味が見出せるのか?そのような中で、企業間の競争力意識は果たして醸成されるのか?

これにより、個人のライフステージに合わせて働けるようになるといい

将来の不安につながるため、雇用者にとっては望ましくないのではと思います。将来への不安(若いときと同じようには働けない)が経済不安をもたらすのではないでしょうか・・

同じ仕事でもアウトプットで差異がないとおかしくなる。水準内の格差巾にもよる。

完全な年功序列の崩壊に、誰もが耐えられるでしょうか?

正規・非正規の社会保険をはじめとした、社会保障政策における対応の格差は制度創設時の理念とはかけ離れており、即刻是正すべき

競争力低下・品質低下を招く

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均衡処遇(同一労働・同一賃金)

賃下げで収益の回復は不可

正社員の賃下げを誘導

世帯間の収入格差が拡大?

経験の少ない若年労働者の賃金が割高になり、就職に不利

高度人財の給与が割安に設定

低技能労働(家事支援のようなサービス産業)は成立しにくい

雇用者の納得性が高い

賃金水準が、勤続年数によらないため、ライフステージに応じた働き方が容易

女性の就業率を向上させる

従業員の高齢化に伴うコスト増大のリスクが回避

高齢者はリストラのリスクが軽減

人件費削減以外の生産性向上を促進

産業の構造転換を加速

同じ業界で生産性の低い企業から高い企業への転職・移動を促進

非効率企業の淘汰→人財流動化→解雇規制

既得権益の打破: 正社員・高齢者員の好待遇の是正

労働の価値と賃金がバランスされることで解雇リスクの軽減

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Q9. 積極的労働政策0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

不良債権を増やすよりは、処理の方向に向かうべき。

日本企業の国際競争力確保の意味でも、望ましいものと思います。

人口減少に伴い、労働力の低下は直接、経済に大きく影響する。人口が減少する中ではもはや規模の経済は期待できない。よって一人あたりのGDPを如何に上げていくかが課題になると考える。その為にも産官学共同の高度な教育や職業訓練が重要になると考える。

失敗しても何度でもやり直せる社会に

生活保護を下げるのか?という話はあるものの、対象によっては生活保護をうけたほうが利があり、働く意欲をそぐ内容になっている現状をみると、就業促進を強化したほうが望ましいと考える。

就業率を高める政策は重要。

政策に呼応した官民の職業教育機関の整備や人材の確保が急務と言えます。

賛成だが、現在の日本政府に対応能力があるように見受けられない。

昨今の制度悪用による、不正受給などが明るみになる中、福祉重視もどうかとは思うが、それは、取り締まる側がしっかりと行い運用すればよい。一方、若者のニートも大きな問題であり、就業する意味などが見いだせない中でのこのような状況と考える。

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積極的労働政策

既得権益者(生活保護、)の反対

弱者切り捨ての世論?

教育・訓練プログラムがプアだと機能しない

働く意欲、教育効果の無い人には効果はない

社会保障費の抑制

高福祉による求職活動のインセンティブ低下の防止

個人の尊厳 施しよりも自立

納税者の納得感 「働かざるもの豊かになるべからず」(SW)

人財の有効活用→潜在成長力を顕在化

子育てリスクの軽減→出生率回復

同制度導入の先進国であるスウェーデンでは90年代以降は効果が減少

知識社会に相応しい教育・職業訓練→大学をより実学志向

労働政策は労働力の 適配分機能→全体の雇用のパイを拡大策(産業政策)が不可欠

包括的対策=労働政策(厚労省)☓高度人財の教育訓練(文科省)☓新産業創造(経産省)

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Q8. 女性の労働力率の大幅引き上げ(男女同等)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

日本の経済を強くすると思うので。ただし、専業主婦に対してもアンイドワークを評価するような仕組みが必要だと思う。

日本企業の国際競争力確保の意味でも、望ましいものと思います。

前述の通り、出産後の女性等、超高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者と女性の活用は減り続けるであろう労働力を補い、我国j経済を支える上で、充分に検討強化すべきと考える。その為の職住接近型のワークプレイスと交通の整備やITインフラの整備、託児所・病院等社会インフラの整備が必要ではないか。

女性の活躍できる社会に変わって欲しい。妊娠出産などのパワハラもなくさないと、さらに少子化が進む。

労働人口減少に加え、SNEPと呼ばれる働かない方々が増えているなか労働人口の確保は必要。しかしながら、男女差のない就業率を目指すというより、女性の子育て期間のサポート体制を労働人口以外に効果的に負担させる仕組みが望ましいのではと思う。

育児期に離職、休職することはある程度必要。男女差がないということは、女性の就業率が上がる分、男性の就業率のM字化が顕著になるだけではないか。

男性の育休も奨励するなど、相補的体制が必要だと思います。

国として最優先に取り組むべき事項。移民政策に取り組めないのであれば、なおのこと、女性の活用を率先して考えるべき。(ただし、その際には、働く女性を持つ家庭が育児を安定して継続しやすい環境を政府や自治体、各企業幹部が率先して支援しないと画餅に)

最優先事項。

企業の子育て支援策について、制度としては整備され始めたが、実態としては、その制度を利用しずらい状況がある。もっと、女性が産後に職場復帰でき易い社会にしていかなくてはいけないと思う。女性の企業にとっての戦力化は大きな課題と考える。

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Q3.雇用に縛られない有償の働き方0% 20% 40% 60% 80% 100%

(個人)

被雇用者としての評価

個別企業の

競争力からの評価

国全体の経済成長

・雇用からの評価

望ましい/強化する どちらかと言えば望ましい/強化する

どちらとも言えない どちらかと言えば望ましくない/損なう

望ましくない/損なう

回答の選択理由等(自由記述)

こうした自由な雇用形態は、企業並びに個人の活性化を生み出すのでは。

我国の人口動態の変化や個人の価値観の多様化により、雇用に縛られない生き方を臨む人たちもいるのではないか?戦後、驚異的な復興で世界第二の経済大国まで既に到達した我国では、他国に比べ、既に十分に豊かになり、物質的な豊かさより、心の豊かさやゆとりを求める人間も増えていて、ワークライフバランス等の新たな価値観を持つ人間も急速に増えているのではないか。

クリエイティブな仕事は、プロジェクトベースで働くことで大きな成果を生むのではないか?

特殊技能が雇用しなくても手に入るという点ではいいのではないかと思いますが、内容によっては雇用不安をひきおこしかねないと思います。

雇用の定義を十分に理解できてないかもしれませんが、有償の働き方の多様性は必要。

トライしてみたい領域ではないでしょうか。ただ個人が保有するスキルにより給与・待遇に大きな差が生じると思います。

いいたい事はわかるが、制度的に具体的なイメージがわきにくい。

各企業がコアビジネスに特化し、その周辺業務をアウトソーシングするというビジネススキームはなじみつつある。しかし、雇用自体を縛らずに働くということは、業務量の増減による収入の変動などのリスク、優勝劣敗が明確となってしまい、日本にはなじまないと思う。