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69 ウインドウズ オブ Wind (風の窓) NEDO 風力発電故障・事故対策調査の紹介 ~ 次世代風力発電技術研究開発事業(自然環境対応技術等 (故障・事故対策調査))~ イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社 加藤 秀樹、中尾 徹 はじめに NEDO 技術開発機構では、平成 16~18 年度の 3ヶ年に亘って、風力発電施設の利用率向上を 図ることを目的として「風力発電利用率向上調 査委員会」を設立し、当該委員会のもとに風車 の故障・事故に関する情報収集・整理を行う「故 障・事故調査分科会」(平成 17 年度からは「風 力発電故障・事故等調査委員会」)を組織して、 風車の故障事故等に関するデータのとりまと めを行ってきた。当該調査において一定の成果 は得られたものの、基本情報としての故障・事 故データの継続したさらなる蓄積が必要であ り、また、得られた情報を開示して風力発電の 利用率向上を図ることが重要であることが指 摘された。そこで、平成 19 年度には「風力発 電施設の故障・事故情報収集・解析業務」、平 成 20 年度には「次世代風力発電技術研究開発 事業(自然環境対応技術等(故障・事故対策調 査))」を実施し、引き続いて風力発電施設の故 障・事故データを収集分析するとともに、故 障・事故情報データベースや故障・事故対策事 例集の作成を行ってきた。 弊社は、平成 16 年度以降 NEDO より本調査を 受託(注:平成 19 年度については(株)風力エ ネルギー研究所と共同実施)し、委員会の運営 ならびに調査の取りまとめを行ってきた。以下 では、平成 20 年度調査の概要を紹介する。 故障・事故調査の概要 本調査では、風力発電施設の利用率向上を目 指し「風車の故障・事故に係る正確な情報を広 く収集し、それらに対して公平な評価・分析を 行い、風力発電の利用率向上と導入促進に資す る情報を提供する」ことを目的とした「風力発 電故障・事故調査委員会」(学識経験者を主体と する 10 名で構成、 委員長は(株) HIKARUWIND.LAB 代表取締役(産業技術総合研究所 客員研究員) 松宮煇先生)を設立して、その指導の下で調査 を進めた。本調査における実施/調査項目を以 下に示す。 ①「風力発電故障・事故調査委員会」の設立お よび運営 ② 風力発電故障・事故情報の収集・整理 ③ 風力発電の故障・事故に関するデータベー スの作成 ④ 風力発電故障・事故対策事例集の作成 ⑤ 技術開発課題等の抽出と取りまとめ なお、以下紹介する調査内容と調査結果の概 要は「第 9 回風力エネルギー利用総合セミナー テキスト」で講演したスライドから抜粋したも のである。詳細は今後 NEDO ホームページにて 公開予定の本調査の報告書 1) を参照されたい。 おわりに 本調査の実施と報告書の取りまとめにあた り、風力発電事業者による故障・事故速報をは じめとして、事業者や風車メーカ等から多くの 貴重な故障・事故事例に関する詳細情報や関連 資料を提供いただくことができたので、ここに 心よりお礼申し上げます。 参考文献 1) イー・アンド・イー ソリューションズ㈱ (2009): 次世代風力発電技術研究開発事業 (自然環境対応技術等(故障・事故対策調 査))報告書(NEDO 委託調査). *:本原稿は、「第 9 回 風力エネルギー利用総合セミナー」 (2009 年 6 月 19-20 日、足利工業大学)にて 講演されたものである。

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    ■ ウインドウズ オブ Wind (風の窓)

    NEDO風力発電故障・事故対策調査の紹介* ~ 次世代風力発電技術研究開発事業(自然環境対応技術等

    (故障・事故対策調査))~

    イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社 加藤 秀樹、中尾 徹

    はじめに

    NEDO 技術開発機構では、平成 16~18 年度の

    3ヶ年に亘って、風力発電施設の利用率向上を

    図ることを目的として「風力発電利用率向上調

    査委員会」を設立し、当該委員会のもとに風車

    の故障・事故に関する情報収集・整理を行う「故

    障・事故調査分科会」(平成 17 年度からは「風

    力発電故障・事故等調査委員会」)を組織して、

    風車の故障事故等に関するデータのとりまと

    めを行ってきた。当該調査において一定の成果

    は得られたものの、基本情報としての故障・事

    故データの継続したさらなる蓄積が必要であ

    り、また、得られた情報を開示して風力発電の

    利用率向上を図ることが重要であることが指

    摘された。そこで、平成 19 年度には「風力発

    電施設の故障・事故情報収集・解析業務」、平

    成 20 年度には「次世代風力発電技術研究開発

    事業(自然環境対応技術等(故障・事故対策調

    査))」を実施し、引き続いて風力発電施設の故

    障・事故データを収集分析するとともに、故

    障・事故情報データベースや故障・事故対策事

    例集の作成を行ってきた。

    弊社は、平成 16年度以降 NEDOより本調査を

    受託(注:平成 19 年度については(株)風力エ

    ネルギー研究所と共同実施)し、委員会の運営

    ならびに調査の取りまとめを行ってきた。以下

    では、平成 20年度調査の概要を紹介する。

    故障・事故調査の概要

    本調査では、風力発電施設の利用率向上を目

    指し「風車の故障・事故に係る正確な情報を広

    く収集し、それらに対して公平な評価・分析を

    行い、風力発電の利用率向上と導入促進に資す

    る情報を提供する」ことを目的とした「風力発

    電故障・事故調査委員会」(学識経験者を主体と

    する 10 名で構成、委員長は(株) HIKARUWIND.LAB

    代表取締役(産業技術総合研究所 客員研究員)

    松宮煇先生)を設立して、その指導の下で調査

    を進めた。本調査における実施/調査項目を以

    下に示す。

    ①「風力発電故障・事故調査委員会」の設立お

    よび運営

    ② 風力発電故障・事故情報の収集・整理

    ③ 風力発電の故障・事故に関するデータベー

    スの作成

    ④ 風力発電故障・事故対策事例集の作成

    ⑤ 技術開発課題等の抽出と取りまとめ

    なお、以下紹介する調査内容と調査結果の概

    要は「第 9回風力エネルギー利用総合セミナー

    テキスト」で講演したスライドから抜粋したも

    のである。詳細は今後 NEDO ホームページにて

    公開予定の本調査の報告書 1)を参照されたい。

    おわりに

    本調査の実施と報告書の取りまとめにあた

    り、風力発電事業者による故障・事故速報をは

    じめとして、事業者や風車メーカ等から多くの

    貴重な故障・事故事例に関する詳細情報や関連

    資料を提供いただくことができたので、ここに

    心よりお礼申し上げます。

    参考文献

    1) イー・アンド・イー ソリューションズ㈱

    (2009): 次世代風力発電技術研究開発事業

    (自然環境対応技術等(故障・事故対策調

    査))報告書(NEDO委託調査).

    *:本原稿は、「第 9 回 風力エネルギー利用総合セミナー」 (2009 年 6 月 19-20 日、足利工業大学)にて

    講演されたものである。

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