IT人材白書2019 -...

47
Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, JapanIPA2019510独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター IT人材白書2019」概要

Transcript of IT人材白書2019 -...

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

2019年5月10日独立行政法人情報処理推進機構

社会基盤センター

「IT人材白書2019」概要

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

「IT人材白書」は、情報処理推進機構(IPA)が年に1度実施している「IT関連産業における人材動向の状況を把握すること等を目的とした調査」の結果を取りまとめた書籍である。本資料は、IT人材に関する白書として11冊目となる「IT人材白書2019」の概要である。

はじめに

2

人から始まるデジタル変革~イノベーションを生む企業文化・風土を作れ~

IT人材白書2019のサブタイトル

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

Ⅰ.「IT人材白書2019」の全体構成、実施調査一覧 ………… 4

Ⅱ.「IT人材白書2019」のサブタイトル、メッセージ……………… 7

Ⅲ.調査結果の重要なポイント…………………………………… 11

1・・・ IT人材の流動性

2・・・ デジタル化に携わる人材

Ⅳ.その他調査結果 ………………………………………………33

1・・・ 人工知能(AI)に携わる人材

2・・・ IT人材の“量”と“質”の経年変化

付録 …………………………………………………………………45

本資料の目次

3

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

Ⅰ. 「IT人材白書2019」の全体構成、実施調査一覧

第1部 「IT人材白書2019」の概要第1章 「IT人材白書2019」のメッセージとポイント第2章 わが国のIT人材の全体像第3章 「IT人材白書2019」調査事業概要

第2部 IT人材の現状と動向第1章 IT人材の流動性第2章 デジタル化に携わる人材第3章 人工知能(AI)に携わる人材

第3部 2018年度 調査結果第1章 IT企業におけるIT人材の動向第2章 ユーザー企業におけるIT人材の動向

=コラム=

IT企業への就職・転職の応募状況とIT資格・試験を活用している理由

IT 企業のIoT、ビッグデータ、AI 等の技術活用の進め方

デジタル系企業のデジタル化の現状

「AI 白書2019」と「2018年度調査」ユーザー企業の属性比較

4

日本の情報通信業の外国人雇用状況

労働力人口に占める高齢者の比率は上昇の一途

IT 企業の多様化するIT 人材のスキル把握

ユーザー企業の多様化するIT 人材のスキル把握

~「IT人材白書2019」目次~

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT人材動向調査 調査対象 回収数 概要編中マーク

IT企業向け調査・業界団体(JISA、JUAS 、CSAJ 、JEITA)の会員企業・地域の業界団体の会員企業・民間データベース登録企業(情報・通信に分類される企業)

1,206社/3,000社(40.2%)

ユーザー企業向け調査・業界団体(JUAS 、JEITA)の会員企業・地域の業界団体の会員企業・民間データベース登録企業(情報システム部門)

967社 /3,000社

(32.2%)ユーザー企業

IT企業

2018年度 実施調査一覧

5

Ⅰ. 「IT人材白書2019」の全体構成、実施調査一覧

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 6

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

Ⅱ.「IT人材白書2019」のサブタイトル、メッセージ

人から始まるデジタル変革

~イノベーションを生む企業文化・風土を作れ~

サブタイトルに込めた意図

7

デジタル技術があれば何らかの変革が進むわけではない。“人”こそがデジタル変革を牽引し、日本の産業競争力を高め、希望に満ちた明日を築く要である。デジタル変革は、我々に便利さや快適さをもたらすとともに、既成概念の破壊や、既得権益の放棄を迫る場面もあるだろう。それは社会や個人に多少の混乱を生じさせるが、そこから逃げたら変革はない。今こそ、社会の課題解決とともに新たな価値や新事業を生み出す人材の能力を高め、十分能力を発揮できる環境の整備が必要である。そのために、個人は能力向上に努めること、自分自身の能力を発揮できる場を見極めることが重要である。また、その機会は広がっている。企業は、多様な人材を採用して多様な考え方や意見が交流する文化・風土に自らを変える必要があり、それらの様々な経験値を持った人達が集まることにより、創造的な価値や事業が生み出されるのだ。当然ながら、人材が能力を十分に発揮し、より能力を高めていくために、リスクをとって新しいことにチャレンジできる環境を整備する必要もある。“人”は貢献したことが認められ、理解される機会が増えることで、やる気やモチベーションを上げ、より一層生産性を向上させていく。それは、人と組織がともに成長に貢献しあう関係(エンゲージメント)を高め、やがてイノベーションを起こしやすい組織となる。そうした文化・風土を作り、育むことができた企業こそが勝ち残り、発展していく。

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)8

企業に向けたメッセージ

IT企業

ユーザー企業

様々な業種の企業が、ITに携わる人材の中途採用に動いている。IT企業にとっては人材流出であり、放置すれば企業価値や競争力の毀損を招く。IT企業はこのことを強く意識し、IT人材から見た経営力の向上に努めることが求められる。具体的には、自社の経営ビジョンを提示し、人材の自主性を尊重し、異文化を持つ人や既存の人材とは異なる資質、気質を持った人も採用し、社内を活性化することが必要である。そしてIT人材がリスクをとって新しいことにチャレンジできる環境を整備する。IT人材同士が切磋琢磨しながら学び合い、成長できる企業が支持されるだろう。

デジタル化に取り組んでいる企業は、ITの内製化で、自社のビジネスにITを繋ぐことを武器に成果を収めるだろう。また、事業部門のデジタル人材も今後活躍の幅が拡がる可能性があり、大きな力となるだろう。たとえ失敗しても、IT人材がそこから何かを学べるよう挑戦を促すことが必要だ。挑戦はモチベーションを上げる。挑戦できる文化・風土がある企業が、デジタル化の成果を出している。IT人材の重要性が一層増し、IT企業からユーザー企業への人材の移動が進んでいる。リスクをとって新しいことにチャレンジできるようにするなど、人材の活躍の場を広げよう。人を引き寄せる魅力を持つことが、事業を成功へ導く。

Ⅱ.「IT人材白書2019」のサブタイトル、メッセージ

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 9

IT人材個人に向けたメッセージ

活躍の場に立っているだろうか。IT人材への社会からの期待は高まり続け、活躍の場も広がっている。受け身の姿勢ではなく、前向きに、貪欲に知識を吸収し、新しいことにチャレンジしよう。ITの知見を生かしながら「ビジネス企画力(事業デザイン力、マーケティング力など)」を身につけ、デジタル変革に参画することも可能だ。個人の能力を最大限に発揮できるよう、キャリアプランに応じた多様な働き方や個々の能力を発揮する場を見つめなおそう。自分自身の幅を広げたい、もっと成長したい、様々なチャレンジをしたいと思ったら動こう。明るい未来に向かって!

Ⅱ.「IT人材白書2019」のサブタイトル、メッセージ

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 10

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 11

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

人材を生かす企業文化と、

流動化するIT人材の獲得が、

デジタル変革の成否を分ける。

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 12

世界的にデジタル変革が進展↓

わが国においてもデジタル変革を推進し、産業競争力の維持・向上を図らねばならない

↓IT企業・ユーザー企業間でIT人材の流動性を高め適材適所で能力を発揮できるようになることが必要

また、IT人材が流動する状況においては、優秀な人材の獲得・確保がより一層重要になる

この状況を踏まえ、IT企業及びユーザー企業に対して、IT人材の流動性とデ

ジタル化に携わるIT人材の動向という観点から、企業やIT人材の現状を調査。

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

2018年度調査(今回の調査)と2013年度調査の比較によって、IT企業からユーザー企業への人材流動化が進んでいることが明らかになった。

1・・・ IT人材の流動性

13

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

IT企業からユーザー企業へのIT人材の流動化が高まる

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT企業からユーザー企業へのIT人材の流動化が高まる

14

IT人材の流動性

IT人材を中途採用したユーザー企業に「中途採用したIT人材の直前の勤務先業種として最も多いもの」を尋ねた2018年度と2013年度の調査結果を比較する。もっとも多い直前の勤務先がIT企業である割合は、2013年度調査の51.5% から2018年度調査の59.6%と、8.1ポイント上昇した。

ユーザー企業

ユーザー企業の中途採用でもっとも多い直前の勤務先(2018年度調査、2013年度調査)

「IT人材白書2019」図表2-1-31より P.52

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

1・・・ IT人材の流動性(IT企業)IT人材の流動化が進む中、「就職・転職の応募の増減」状況から、就職・

転職の応募が増えたIT企業は、「採用方法を多様化」、「IT人材を採用する上で強みとなる自社の文化や風土、魅力」を持っていることが明らかになった。

15

就職・転職の応募が増えたIT企業は、

「助け合う土壌、リスクをとってチャレンジする」

を強みや魅力としている

Ⅲ.調査結果の重要なポイントIT企業

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 16

IT企業

IT人材の流動性

IT人材の流動性の動向を捉えるため、IT企業への就職・転職の応募状況を尋ねた。IT企業全体としては応募が減少している傾向が見られる。従業員規模別に比較すると、従業員規模が大きくなるに従って「2~3年前より応募が増えた」割合が高くなっているものの、「2~3年前より応募が増えた」が「2~3年前より応募が減った」を上回っているのは301名以上1,000名以下の企業のみとなっている。

IT企業への就職・転職の応募状況 無回答を除く

全体的に応募が減少。「2~3年前より応募が増えた」が「2~3年前より応募が減った」を上回ったのは、301名以上1,000名以下の企業のみ

「IT人材白書2019」図表2-1-2/2-1-3よりP.28

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT企業に「過去1年間にIT人材を獲得・確保した方法」を尋ねた。「中途採用(キャリア採用)」と回答した企業で「2~3年前より応募が増えた」が、「2~3年前より応募が減った」よりも11.4ポイント高くなっている。「関連会社(親会社・情報子会社)からの転籍、出向」も8.5ポイント、「外国人採用」も5.4ポイント高くなっており、採用方法を多様化させている企業に応募者が増えている傾向が見える。

17

IT企業

IT人材の流動性

IT企業が過去1年間でIT人材を獲得・確保するために行った方法【就職・転職の応募状況別】無回答を除く

「IT人材白書2019」図表2-1-10よりP.33

採用方法を多様化させている企業に応募者が増えている傾向Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)18

就職・転職の応募が増えた企業は「助け合う土壌、リスクをとってチャレンジする」を強みや魅力としている

IT人材の流動性

就職・転職状況を「2~3年前より応募が増えた企業」と「2~3年前より応募が減った企業」を比較した。全体的に「2~3年前より応募が増えた企業」 の数値が高く、「おたがい成長する・学びあう、育てる、助け合う土壌がある」で11. 5ポイント、「リスクをとって新しいことにチャレンジする」は8.8ポイント高くなっている。

IT企業

「IT人材白書2019」図表2-1-15よりP.38IT企業がIT人材を採用する上での自社の強みや魅力 【2~3年前より応募

が増えた企業と2~3年前より応募が減った企業の割合を比較】

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

実線枠

破線枠

多くの企業が持つ強みや魅力

応募が増えた企業と減った企業の割合の差異が高いもの

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

1・・・ IT人材の流動性(ユーザー企業)IT人材の流動化が進む中、「就職・転職の応募の増減」状況から、就職・

転職の応募が増えたユーザー企業は、「人材の再配置や、中途採用を積極的に実施」、「IT人材を採用する上で強みとなる自社の文化や風土、魅力」を持っていることが明らかになった。

19

Ⅲ.調査結果の重要なポイントユーザー企業

就職・転職の応募が増えたユーザー企業は、

「社内の風通しがよく、多様性を重んじ、リスクをとってチャレンジする」

を強みや魅力としている

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 20

IT人材の流動性

ユーザー企業

IT人材の流動性の動向を捉えるため、ユーザー企業のIT部門への就職・転職の応募状況を尋ねた。「IT部門配属を前提の採用はしてない」企業の割合が52.3%と最も高くなっている。若干「2~3年前より応募が減った」企業の割合が高くなっているが、IT企業と比較するとユーザー企業のIT部門への応募状況の変化は少ない。

ユーザー企業のIT部門への就職・転職の応募状況 無回答を除く

「IT人材白書2019」図表2-1-16/2-1-17よりP.40

ユーザー企業は52.3%が「IT部門配属を前提の採用はしていない」Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

人材の再配置や、中途採用を積極的に実施する企業に応募者が増えている傾向

21

IT人材の流動性

ユーザー企業

ユーザー企業が過去1年間にIT人材を獲得・確保した方法を尋ねた。「他部門からの異動」と回答した企業で「2~3年前より応募が増えた」が「2~3年前より応募が減った」よりも25.7ポイント、「中途採用(キャリア採用)」も24.3ポイント高く、自社内での人材の異動や、中途採用を積極的に実施している様子が見られる。

「IT人材白書2019」図表2-1-22より

P.43

ユーザー企業が過去1年間でIT人材を獲得・確保するために行った方法【就職・転職の応募状況別】 無回答を除く

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)22

IT人材の流動性

就職・転職状況を「2~3年前より応募が増えた」企業と「2~3年前より応募が減った」企業を比較した。全体的に「2~3年前より応募が増えた」企業の数値が高く、 IT企業の調査(P.18)よりも差が大きい。強みとなる自社の文化や風土を持ったユーザー企業が求人の応募を増やしていることがわかる。

ユーザー企業

「IT人材白書2019」図表2-1-25よりP.46

就職・転職の応募が増えた企業は「社内の風通しがよく、多様性を重んじ、リスクをとってチャレンジする」を強みや魅力としている

ユーザー企業がIT人材を採用する上での自社の強みや魅力【2~3年前より応募が増えた企業と2~3年前より応募が減った企業の割合を比較】

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

実線枠

破線枠

多くの企業が持つ強みや魅力

応募が増えた企業と減った企業の割合の差異が高いもの

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

2・・・ デジタル化に携わる人材(IT企業)デジタル化への取り組みが進む中、「企業のデジタル化への取り組み」状

況からデジタル化で成果が出ているIT企業は、「採用方法や待遇を工夫」、「IT人材を採用する上で強みとなる自社の文化や風土、魅力」を持っていることが明らかになった。

23

Ⅲ.調査結果の重要なポイントIT企業

デジタル化で成果が出ているIT企業は、

「ビジョンを持ち、助け合う土壌と多様性を重んじ、チャレンジする」

を強みや魅力としている

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

デジタル化に取り組んでいるIT企業の割合は42.3%

24

デジタル化に携わる人材

IT企業のデジタル化への取り組みとして「ユーザー企業に対する提案、支援、またはユーザー企業との協業でデジタル化に取り組んでいるか」を尋ねた。「取り組んでおり、成果が出ている」企業は6.6%、「取り組んでおり、成果が出始めた」企業は14.8%、「取り組んでいるが、成果がまだ出ていない」企業は20.9%であり、その合計(デジタル化へ取り組んでいるIT企業の割合)は42.3%となっている。

IT企業

「IT人材白書2019」図表2-2-1よりP.56

IIT企業のデジタル化への取り組み状況 無回答を除く

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

デジタル化への取り組み度が高い企業ほど、人材の採用方法や待遇を工夫している

25

デジタル化に携わる人材

デジタル化へ取り組んでいるIT企業に「デジタル化に携わる人材を採用する上での工夫」を尋ねた結果を、デジタル化への取り組み成果状況で比較すると、「テクノロジーの選択権(柔軟な選択を容認)」は、「取り組んでいるが成果がまだ出ていない」に較べて、特に「取り組んでおり、成果が出ている」の割合が高い(20.3%)。また「柔軟なワークスタイル(週3-4日勤務や自宅勤務)」も高くなっている。

IT企業

「IT人材白書2019」図表2-2-10P.67

IT企業がデジタル化に携わる人材を採用する上での工夫【デジタル化への取り組み成果状況別】 その他、無回答を除く

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 26

デジタル化に携わる人材

デジタル化に「取り組んでおり成果が出ている」企業と、「取り組んでいるが成果がまだ出ていない」企業を比較した。「自社のビジョンや価値感が従業員に行き渡っている」は「取り組んでおり成果が出ている」企業の方が10.9ポイント高くなっている。

IT企業

IT企業のIT人材を採用する上での自社の強みや魅力【デジタル化に取り組んでおり成果が出ている企業と

取り組んでいるが成果がまだ出ていない企業の割合を比較】 「IT人材白書2019」図表2-2-14P.70

デジタル化で成果が出ている企業は、「ビジョンを持ち、助け合う土壌と多様性を重んじ、チャレンジする」を強みや魅力としている

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

実線枠

破線枠

多くの企業が持つ強みや魅力

成果が出ている企業と成果が出ていない企業の割合の差異が高いもの

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

2・・・ デジタル化に携わる人材(ユーザー企業)デジタル化への取り組みが進む中、「企業のデジタル化への取り組み」状況から

デジタル化で成果(収益)が出ているユーザー企業は、「処遇やワークスタイルを工夫」、「IT人材を採用する上で強みとなる自社の文化や風土、魅力」を持っていることが明らかになった。

27

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

デジタル化で成果(収益)が出ているユーザー企業は、

「仕事を楽しむ姿勢、社内の風通しがよく、助け合う土壌」

を強みや魅力としている

ユーザー企業

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 28

デジタル化に携わる人材

IoTやビッグデータ、AIなどといったデジタルテクノロジーを用いた、ビジネスプロセスの改善や新たな事業領域への進出、既存のビジネスモデルの転換を「デジタル化」と定義。ユーザー企業に、自社の事業(業務)のデジタル化への取り組み状況を尋ねた。「取り組んでおり、成果(収益)が出ている/出始めた 」企業は11.6%、「取り組んでいるが、成果(収益)がまだ出ていない」企業は24.4%であり、その合計(デジタル化へ取り組んでいるユーザー企業の割合)は36%となっている。

ユーザー企業

ユーザー企業のデジタル化への取り組み状況 無回答を除く

「IT人材白書2019」図表2-2-15 P.72

デジタル化に取り組んでいるユーザー企業の割合は36%

N=966

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

デジタル化の成果を出している企業ほど処遇やワークスタイルを工夫

29

デジタル化に携わる人材

デジタル化へ取り組んでいるユーザー企業に「デジタル化に携わる人材を採用する上での工夫」を尋ねた。その結果をデジタル化への取り組み成果状況で比較すると、「特に何もしていない」を除き、「柔軟なワークスタイル(週3-4日勤務や自宅勤務)」、「例外的な処遇を提示(通年採用とは異なる処遇)、人事制度の改定(期間を限定した契約社員採用など)」で、「成果が出ている/出始めた企業」と「成果がまだ出ていない企業」の差が大きくなっている。デジタル化の成果を出している企業ほど処遇やワークスタイルを工夫している可能性がある。

「IT人材白書2019」図表2-2-27P.79

ユーザー企業がデジタル化に携わる人材を採用する上での工夫【デジタル化への取り組み成果状況別】 その他、無回答を除く

ユーザー企業

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 30

デジタル化に携わる人材

デジタル化に「取り組んでおり成果が出ている、出始めた」企業と、「取り組んでいるが成果がまだ出ていない」企業を比較した。全体的に「取り組んでおり成果が出ている、出始めた」企業が高くなっている。 「取り組んでいるが成果がまだ出ていない」企業との差は、IT企業(P.26)と比較しても顕著である。デジタル化の取り組みで成果が出ている企業ほど、IT人材を採用する上での強みや魅力が自社にあると考えている傾向が強いことが明らかになった。

ユーザー企業

ユーザー企業のIT人材を採用する上での自社の強みや魅力【デジタル化に取り組んでおり成果(収益)が出ている/出始めた企業と取り組んでいるが成果がまだ出ていない企業の割合を比較】

「IT人材白書2019」図表2-2-30P.82

デジタル化で成果(収益)が出ている企業は「仕事を楽しむ姿勢、社内の風通しがよく、助け合う土壌」を強みや魅力としている

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

実線枠

破線枠

多くの企業が持つ強みや魅力

成果が出ている企業と成果が出ていない企業の割合の差異が高いもの

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)31

Ⅲ.調査結果の重要なポイント

流動性(と人材不足)の高まりを背景に、

企業の文化や風土、魅力によって人材の確保に大きく

明暗が生まれ、新たな取り組み(デジタル化)に差が

生まれることが明らかになった。

企業が生き残り、発展していくためには、

自社の文化や風土を変革することが必要である。

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 32

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

Ⅳ.その他調査結果

33

人工知能(AI)に携わる人材

1・・・ 人工知能(AI)に携わる人材 IPAでは、2018年度調査において、“人工知能(AI:Artificial Intelligence)とは、機械学習、画像処理、音声処理、自然言語処理及び最適化等の技術を用いて学習・認識・推論などの人間の知的能力を人工的に実現したソフトウェアやシステムを指すもの”とした。また、“人工知能(AI)に携わる人材”を調査を行った。

経済産業省は、「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査- 調査報告書」において、AI人材の需給ギャップ解消に向け、AI人材の供給強化とともに、企業内育成・確保の視点でスキル転換の有効性について言及。 (なお、同調査では、IPAの「IT人材動向調査」の調査データを一部活用している)

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 34

人工知能(AI)に携わる人材

AI人材の需給ギャップの解消に向けて、AI人材の供給を強化する必要があるが、特に高度なAI人材に関しては、大学等の専門教育を拡充していくことが有効であると考えられる。また、企業では、AIの実装を担う人材(AIエンジニア)やAIの活用を牽引する人材(AIプランナー)の育成を図る必要がある。さらに、AIの浸透が進めば、AI活用のアプリケーションを提供する人材に加えて、活用する人材(AIユーザー)も必要になり、AIの活用能力を高めるための教育・育成機会が必要となる。少子高齢化による人口減少が見込まれる我が国において、ITの活用は、様々な産業の生産性向上や社会課題の解決の鍵を握っている。我が国の未来像でもある2030年のIT人材需給の姿は、今後、我が国の企業がIT活用の高度化やデジタルトランスフォーメーションを実現し、さらなる発展を遂げるための設計図ともいえる。将来のIT人材育成に向けた取組は、我が国の産業・企業が未来の競争力を獲得するためのきわめて重要な取組である。今回の調査分析がこうした取組の加速・強化に向けた一助となることを強く期待したい。

※ IPAの「IT人材動向調査」ではAIエンジニアは、AI開発者、 AIプランナーはAI事業者として調査している

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

人工知能(AI)に携わる人材

経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査- 調査報告書」 「第6章 おわりに」より抜粋

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

人工知能(AI)に携わる人材(AI人材の定義)

Ⅳ.その他調査結果

「IT人材白書2019」図表2-3-1よりP.87

人工知能(AI)に携わる人材の定義

35

人工知能(AI)に携わる人材

2018年度調査では、 “人工知能(AI)に携わる人材”を下記に示すように分類し、調査を行った。

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

P.35で定義したAI人材全体についてIT企業に尋ねた。IT企業の14.3%が「AI人材はいる」と回答し、28.4%が「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」、57.3%が「AI人材はいない。獲得・確保の予定はない。未検討」と回答した。

人工知能(AI)に携わる人材(人材の獲得・確保)

36

人工知能(AI)に携わる人材

「IT人材白書2019」図表2-3-2よりP.88

IT企業

IT企業のAIに携わる人材の獲得・確保 状況 無回答は除く

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT企業に今後重点的に取り組む予定のAI人材の獲得・確保方法を尋ねた結果を、「AI人材はいる企業」と「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している企業」で比較する。ともに「社内の人材を育成して確保する」割合が最も高く、次いで「即戦力として中途採用で獲得・確保する」割合が高くなっている。

「外部委託で確保」の割合は、「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」企業のほうが10.1ポイント高くなっている。

人工知能(AI)に携わる人材(人材の獲得・確保)

37

人工知能(AI)に携わる人材

IT企業

※「AI人材はいる」、「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」のクロス集計「AI人材はいない。獲得・確保の予定はない。未検討」は除く

IT企業の今後重点的に取り組む予定のAI人材の獲得・確保方法【 AIに携わる人材の獲得・確保状況】

その他、無回答は除く※

Ⅳ.その他調査結果

「IT人材白書2019」図表2-3-8よりP.91

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

ユーザー企業のIT部門に、P.35で定義したAI人材について尋ねた(※)。ユーザー企業の5.6%が「AI人材はいる」と回答し、12.4%が「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」、82%が「AI人材はいない。確保・獲得の予定はない。未検討」と回答した。

人工知能(AI)に携わる人材(人材の獲得・確保)

38

人工知能(AI)に携わる人材

ユーザー企業

「IT人材白書2019」図表2-3-15よりP.94

ユーザー企業のAIに携わる人材の獲得・確保状況 無回答は除く

※ユーザー企業のIT部門に対して、他部署(課)と連携して回答することを依頼してAI人材に関する調査を実施した。

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

ユーザー企業に、今後重点的に取り組む予定のAI人材の獲得・確保方法を尋ねた。「AI人材はいる」企業も、「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」企業も、「社内の人材を育成して確保する」の割合が6割台半ばと、最も高く、次いで「即戦力として中途採用で獲得・確保する」のが5割台半ばと高くなっている。

人工知能(AI)に携わる人材(人材の獲得・確保)

39

人工知能(AI)に携わる人材

ユーザー企業の今後重点的に取り組む予定のAI人材の獲得・確保方法【AIに携わる人材の獲得・確保状況】その他、無回答は除く※

「IT人材白書2019」図表2-3-21よりP.99

※「AI人材はいる」、「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」のクロス集計「AI人材はいない。獲得・確保の予定はない。未検討」は除く

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

Ⅳ.その他調査結果

40

人工知能(AI)に携わる人材

2・・・ IT人材の“量”と“質”の経年変化

毎年、IT企業、ユーザー企業に対してIT人材の“量”に対する過不足感と“質”の不足感を尋ねている。5年間の変化を掲載する。

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT企業におけるIT人材の“量”に対する過不足感について5年間の変化を示したものである。IT人材の“量”に対する不足感は2016年度でやや緩和したものの、2017年度に「大幅に不足している」割合が急激な高まりを見せたが、2018年度はわずかな上昇に留まった。

IT企業IT人材の“量”に対する過不足感【過去5年の変化】

41

IT企業のIT人材の“量”に対する過不足感【過去5年の変化】

「IT人材白書2019」図表3-1-5よりP.109

IT人材不足の

の経年変化

IT企業のIT人材の“量”に対する不足感【過去5年の変化】

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

IT企業におけるIT人材の“質”に対する不足感について5年間の変化を示したものである。IT人材の“質”に対する不足感は2016年度でやや緩和し、2017年度に「大幅に不足している」割合が再度高まりを見せたが、2018年度はわずかな上昇に留まった。

IT企業IT人材の“質”に対する不足感【過去5年の変化】

「IT人材白書2019」図表3-1-7P.110

IT人材不足の

の経年変化

42

IT企業のIT人材の“質”に対する不足感【過去5年の変化】

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

ユーザー企業におけるIT人材の“量”に対する過不足感について5年間の変化を示したものである。IT人材の“量”に対する過不足感の割合を経年で見ると、2018年度調査結果では「大幅に不足している」割合が1.8ポイント上昇と、上昇幅は小さくなっているものの年々高くなる傾向にある。

IT人材の“量”に対する過不足感【過去5年の変化】

43

ユーザーのIT人材の“量”に対する過不足感【過去5年の変化】IT人材不足の

の経年変化

「IT人材白書2019」図表3-2-14P.160

ユーザー企業

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

ユーザー企業におけるIT人材の“質”に対する不足感について5年間の変化を示したものである。2017年度調査と比較すると、「大幅に不足している」割合は0.9ポイント、「やや不足している」割合は0.2ポイントと若干上昇している。

IT人材の“質”に対する不足感【過去5年の変化】

44

ユーザーのIT人材の“質”に対する不足感【過去5年の変化】IT人材不足の

の経年変化

「IT人材白書2019」図表3-2-16P.161

ユーザー企業

Ⅳ.その他調査結果

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 45

付録

IT人材の動向IT企業

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA) 46

付録

IT人材の動向ユーザー企業

Copyright © 2019 Information-technology Promotion Agency, Japan(IPA)

「IT人材白書2019」について

(IPAウェブサイト)

URL:https://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

47