FWDのたわみに及ぼす影響0/18 アスファルト舗装下の空洞が FWD...

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アスファルト舗装下の空洞が FWDのたわみに及ぼす影響 22回舗装工学講演会_20171207 河村 直哉 坪川 将丈 国土技術政策総合研究所 空港研究部

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0/18

アスファルト舗装下の空洞が FWDのたわみに及ぼす影響

第22回舗装工学講演会_20171207

河村 直哉 坪川 将丈

国土技術政策総合研究所 空港研究部

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1/18 背景

・ 地震が発生し,空港の基礎地盤が液状化した場合,舗装に空洞が生じているおそれがある

・ その場合、施設の供用を再開する前に、 舗装の支持力の評価に加えて、 空洞有無の確認をしたい

コンクリート版

路盤

空洞

舗装支持力 空洞有無

FWD ○ ?

地中レーダ × ○

・ 地震直後は、FWDと地中レーダの両方を準備することは難しい

・ FWDで空洞有無も確認できない

か?

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2/18 背景(FWDによる空洞検出方法)

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.00.6

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

正規

化た

わみ

ND

1500

たわみ時間差 ∆t1500

(ms)

空洞有り 空洞無し

コンクリート舗装の空洞検出方法として、 FWDで得られる “正規化たわみ”と“たわみ時間差”を用いる方法を提案

被災した 仙台空港の コンクリート舗装 での評価例

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3/18 目的

正規化たわみとたわみ時間差が アスファルト舗装の空洞検出にも適用できるか? → 人為的に空洞を設けたアスファルト試験舗装 を製作し、FWD調査を行った

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4/18 2指標の定義

①正規化たわみNDx ②たわみ時間差Δtx

=Dx/D0

Dx: 載荷板中心から距離xの最大たわみ D0: 載荷板中心の最大たわみ (DxをD0で正規化)

ND0(=1.0)

空洞あり

空洞なし

FWD荷重

空洞があると大きくなる

ND1500

1500mm

=tx - t0

tx : Dxとなる時間 t0 : D0 となる時間

時間

たわみ時間差

∆txD0

Dx

空洞なし

時間

∆txD0Dx

空洞あり

空洞があると小さくなる

t0 tx

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5/18 目次

1.背景、目的 2.空洞を有するアスファルト試験舗装の概要 3.FWD調査

3-1. 空洞の存在が FWDのたわみに及ぼす影響

3-2. 空洞の位置に対する載荷地点の位置がFWDのたわみに及ぼす影響

4.まとめ

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6/18 製作した試験舗装

屋内試験場で舗装構築 ・舗装厚 アスコン層:31cm (表基層・上層路盤) 粒状下層路盤:64cm ・空洞諸元 全て路床上部

:空洞 単位:m 【平面図】

【断面図】

空洞幅 空洞厚

A2, B1 1.0m 0.4m

A3 2.0m 0.4m

A4 1.0m 0.2m

アスファルト混合物層

下層路盤

路床 厚さ0.4

幅1.0

厚さ0.4

幅2.0

厚さ0.2幅1.0

A2, B1 A3 A4

0.95

4.0 1.0 2.5 2.0 2.5 1.0

2.5

2.5

施工目地A2 A3 A4

B1

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7/18 空洞の製作方法

・ 路床施工後に一部掘削し、水の入ったゴムバッグを設置 ・ 路盤、表基層を施工 ・ バッグから立ち上げた塩ビ管から鉄筋を刺し破裂 ・ 水が抜けて空洞の完成

手順

ゴムバッグ

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8/18 目次

1.背景、目的 2.空洞を有するアスファルト試験舗装の概要 3.FWD調査

3-1. 空洞の存在が FWDのたわみに及ぼす影響

3-2. 空洞の位置に対する載荷地点の位置がFWDのたわみに及ぼす影響

4.まとめ

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9/18 FWD調査(空洞の存在の影響)

・調査位置: A2、A3、A4、C1(空洞なし) ・載荷条件: 196kN、φ450mm ・たわみ計測位置: 載荷板中心, 300, 450, 600, 900, 1500, 2500mm ・評価指標: 最大たわみ、正規化たわみ、たわみ時間差

:空洞 :FWDの載荷地点 【平面図】

4.0 1.0 2.5 2.0 2.5 1.0

2.5

2.5

施工目地A2 A3 A4

C1B1

単位:m

A2, A3, A4 C1調査

1回目走行試験未実施

調査2回目

200回

走行後

調査3回目

500回

走行後

調査4回目

1500回

走行後

調査5回目

2500回

走行後

走行試験未実施

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10/18 最大たわみに関する結果

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

Dx

(mm

)

載荷板中心から計測点までの距離x(mm)

A2(空洞幅1.0m,厚さ0.4m)

A3(空洞幅2.0m,厚さ0.4m)

A4(空洞幅1.0m,厚さ0.2m)

C1(空洞なし)

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

空洞

部の

Dx

C1の

Dx

載荷板中心から計測点までの距離x(mm)

A2(空洞幅1.0m,厚さ0.4m)

A3(空洞幅2.0m,厚さ0.4m)

A4(空洞幅1.0m,厚さ0.2m)

・ 空洞あり(A2、A3、A4)でのDxは、 空洞なし(C1)より大きい

・ 特にD900、D1500が 比較的大きくなる傾向

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11/18 正規化たわみに関する結果

0.0

0.5

1.0

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000N

Dx

載荷板中心から計測点までの距離x(mm)

A2(空洞幅1.0m,厚さ0.4m)A3(空洞幅2.0m,厚さ0.4m)A4(空洞幅1.0m,厚さ0.2m)C1(空洞なし)

空洞ありでのNDxは、空洞なしより少し大きい

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12/18 たわみ時間差に関する結果

空洞ありでのΔtxは、空洞なしより小さい

-202468

10

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

∆t x

(ms)

載荷板中心から計測点までの距離x(mm)

A2(空洞幅1.0m,厚さ0.4m)A3(空洞幅2.0m,厚さ0.4m)A4(空洞幅1.0m,厚さ0.2m)C1(空洞なし)

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13/18 最大たわみとたわみ時間差の関係

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0 1 2 3 4 5 6

D15

00(m

m)

∆t1500(ms)

A2(空洞幅1.0m,厚さ0.4m)A3(空洞幅2.0m,厚さ0.4m)A4(空洞幅1.0m,厚さ0.2m)C1(空洞なし)

空洞の有無や空洞幅の違いが表れる

D1500とΔt1500の関係

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14/18 目次

1.背景、目的 2.空洞を有するアスファルト試験舗装の概要 3.FWD調査

3-1. 空洞の存在が FWDのたわみに及ぼす影響

3-2. 空洞の位置に対する載荷地点の位置がFWDのたわみに及ぼす影響

4.まとめ

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15/18 FWD調査(載荷点の位置の影響)

:空洞 :FWDの載荷地点 単位:m 【平面図】

調査1回目

調査1回目

走行試験未実施

調査2回目

調査2回目

200回

走行後調査

3回目調査

3回目500回

走行後調査

4回目調査

4回目1500回

走行後調査

5回目2500回

走行後

30回

走行後

C1B1

・調査位置:B1付近、C1 ・載荷条件:前述に同じ ・評価指標:D1500、 Δt1500

4.0 1.0 2.5 2.0 2.5 1.0

0.5間隔

2.5

2.5

A2 A3 A4

B1 C1

0.56

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16/18 D1500に関する結果

0.2

0.3

0.4

-3 -2 -1 0 1 2 3 4

D15

00(m

m)

載荷地点の位置(空洞中央を原点)(m)

測定値

平均値

C1

空洞

範囲

・空洞中央でのD1500が最大 ・空洞の外側でも、C1よりも大きい値

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17/18 Δt1500に関する結果

0

1

2

3

4

5

6

-3 -2 -1 0 1 2 3 4

∆t 15

00(m

s)

載荷地点の位置(空洞中央を原点)(m)

測定値

平均値

C1

空洞

範囲

異常値

・ 空洞中央でのΔt1500が最小 ・ 空洞の外側に関しては、 D1500の場合のように、

C1との明確な違いは確認されず

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18/18 まとめ

(1) 路床に空洞がある場合、最大たわみは大きく、たわみ時間差は小さくなることを示した。 特に、 D1500とΔt1500の関係に基づくと、空洞の有無や空洞幅の違いが表れる。

(2) 載荷地点が空洞上の場合、特に、空洞中央の場合には、D1500は大きく∆t1500は小さくなる。

また、D1500は、載荷地点が空洞周辺の場合でも大きくなる。

空洞の存在および空洞の位置に対する載荷地点の位置がFWDのたわみに及ぼす影響を調査した。得られた知見は以下のとおり。