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インターネットを活用した経済分析 - フリーソフト …...富山大学経済学部...
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富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
インターネットを活用した経済分析フリーソフト Rを使おう
山本 雅資 1 伊藤 岳 1
1 富山大学 極東地域研究センター
2017年 2月 15日
2017 年 2 月 15 日 1/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
本日の講義内容
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
2017 年 2 月 15 日 2/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
2017 年 2 月 15 日 3/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
本講義について
▶ 本講義は経済学部の 2-4年生に向けの講義。
▶ 経済学を学ぶ上で有用な情報処理技術の習得を主たる目的とする。
▶ 教員の専門は環境経済学 (山本)、国際関係論 (伊藤)。
▶ 講義とハンズオントレーニングを交互に行う。
▶ 成績評価は、グループプロジェクト (80%)、講義中の課題(20%)とする。
2017 年 2 月 15 日 4/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
履修上の注意
▶ 単位として認められるためには、事前の登録が必要(締切済)。
▶ シラバスにある通り、ノート PCの持ち込み及び学内無線LANへの接続を前提とする。
▶ 経済学入門で講義されている内容および微分の基礎は知っているものとして講義する。
▶ 分析は Rと呼ばれるソフトウェアを使用する。
2017 年 2 月 15 日 5/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
大まかなスケジュール
▶ 初日はインストールから始め、最低限のことが一人出来るように基礎的な使い方を学ぶ。
▶ なるべくハンズオンの時間を増やす。▶ 演習問題を解く時間は設けるが提出は翌日の朝にハードコピーを持参する。
▶ 二日目は、Rを使うことのメリットが最大限に享受できるような、より応用的な内容を行う。
▶ 最終日は Rを利用したグループワークとそのプレゼンにあてる。
2017 年 2 月 15 日 6/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
グループプロジェクトについて
▶ 2日目の最後に 3-4人のグループに教員が割り振る。
▶ 3日目の前半はグループで作業を行い、午後は成果のプレゼンを行う。
▶ テーマは社会科学的課題に対して経済学をベースとした政策提言とし、必ず Rによる分析を含むこと。必要に応じて教員が助言を行う。
▶ プレゼン時間は 15分+質疑とし、なるべく全メンバーが均等に発言すること。
2017 年 2 月 15 日 7/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Rとは何か?
▶ 統計データを処理し、視覚化することを得意とするオープンソースのソフトウェア。
▶ 経済学部で広く使用されている類似のソフトウェアに、STATAや Eviews、MATLABなどがある。
▶ STATAなど既存のソフトウェアは大変高額であり、卒業後に使用することは困難であるが、Rは無料である。
2017 年 2 月 15 日 8/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
汎用の表計算ソフトで出来ること・出来ないこと
▶ エクセルに代表される表計算ソフトは簡単な統計分析も可能で大変便利。
▶ 少し複雑な分析を行おうとすると大きな手間が必要になる。
▶ 描くことのできるグラフも限られる(地図はほぼ不可)。
▶ Rは同じ作業を繰り返し行うことが簡単にでき、効率が良い。
2017 年 2 月 15 日 9/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Rのインストール
▶ RはWindows、Mac、Linuxのいずれの環境でも利用可能である。
▶ Rを開発しているコアチームのウェブサイト「ComprehensiveR Archive Network」 (CRAN:シーランあるいはクランと呼ばれている)のミラーサイトにアクセスする。
例:統計数理研究所のミラーサイト� �http://cran.ism.ac.jp/� �
2017 年 2 月 15 日 10/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
統計数理研究所のミラーサイト
2017 年 2 月 15 日 11/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
実際にインストールしてみよう!
2017 年 2 月 15 日 12/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Rを操作する上での注意▶ Rに限らず、パソコンを操作する上で、全角文字「A」と半角文字「A」は違うことをよく理解すること。
▶BとBも異なる。
▶ コンピュータは全角文字を我々が見ているものとは違うものとして認識する。
▶ 思わぬエラーにつながるので、必ず半角文字で入力すること(スペースも)。
▶ なお、マイクロソフトWordなどのワープロソフトは、文字以外の情報も含んでいるので、コードの記録には用いない方が無難。
2017 年 2 月 15 日 13/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Rを起動してみよう
▶ 起動はデスクトップのアイコンをクリックするだけ。
▶ まずは四則演算をやってみよう。掛け算の記号は?割り算の記号は?べき乗の記号は?
▶ プロンプトと呼ばれる以下の記号が入力待ちを意味する。� �> (ここに命令を入力)� �
▶ 閉じ括弧を忘れるなど命令が途中であると、+記号が表示される。抜け出したい場合は、escキーを押す。
2017 年 2 月 15 日 14/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
少し進んだ計算 (1): 変数の利用
計算結果を記録して再利用する。� �> x <- 1.5+2.5 # xに右側の演算結果が保存> x
[1] 4
> 2.5* x
[1] 10
� �
2017 年 2 月 15 日 15/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
少し進んだ計算 (2): 行列計算
行列計算はどのように行えば良いだろうか?� �> y <- c(1,2,3) # yに右側のベクトルが保存� �つまり、y =
[1 2 3
]。このとき、� �
> y * y
[1] 1 4 9� �となり、各要素の積となる。
2017 年 2 月 15 日 16/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
少し進んだ計算 (2): 行列計算
y × y′ =[1 2 3
]×
123
= 1× 1 + 2× 2 + 3× 3 = 14
は以下のように計算する。� �> y %*% y # %で囲むことで行列の積となる[1] 14� �� �> z <- c(1,2,3,4,5,6)
> z.mat <- matrix(z,nrow=2,ncol=3)
> z.mat
[,1] [,2] [,3]
[1,] 1 3 5
[2,] 2 4 6� �2017 年 2 月 15 日 17/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
データ要素へのアクセス
前スライドの2行3列のマトリックスは、変数に保存された各要素へのアクセスを理解する上で参考になる。� �> z.mat[1,]
[1] 1 3 5
> z.mat[,2]
[1] 3 4
� �2017 年 2 月 15 日 18/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
少し進んだ計算 (3): 微分
微分を行うことはできるだろうか?� �> f <- expression(x^2)
> D(f,"x")
2*x� �� �> h <- expression(x^2+3*x*y)
> D(h,"x")
2*x+3*y� �2017 年 2 月 15 日 19/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
計算結果の図示
� �> testfunction<- function(x^2)
> x<-seq(-5,10,0.1)
> plot(x,
testfunction(x),type="l")� �▶ より高機能なグラフを作ることのできる ggplot2というパッケージがある。
-5 0 5 10
020
4060
80100
xtestfunction(x)
図 1 : y = x2 のグラフ
2017 年 2 月 15 日 20/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Rにパッケージを追加しよう
▶ インストールした Rはいわば「骨組み」であり、自分の行いたい分析に応じて「肉付け」をしていくことができる。
▶ この「肉付け」はパッケージと呼ばれるものを追加することで行う。
▶ 現在、CRANには公式パッケージが約 8,000あると言われている。
▶ この中を検索すれば、自分のやりたいことを効率よく行うパッケージが見つかることが多い。
2017 年 2 月 15 日 21/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
パッケージのインストール:
図 2 : パッケージのインストール画面
2017 年 2 月 15 日 22/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
パッケージの例: Nippon パッケージ
▶ 三重大学の谷村晋教授が作成。
▶ このパッケージを利用すると、日本地図の塗り分けが簡単に行うことができる。
▶ 通常の塗り分け以外にもカルトグラムなど特殊な地図も作成可能。
▶ 統計数理研究所の資料 (https://prs.ism.ac.jp/useRjp/)の 2013年度に谷村氏による解説資料あり。
▶ 沖縄を含めた離島の表示に工夫がある (地図の正確性を犠牲に見やすさを追求)。
2017 年 2 月 15 日 23/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
Nippon パッケージのコード例前ページの谷村 (2013)を参考に作成� �
> setwd("/users/XXXX/r/GIS/NipponPackage")
# 最低限必要なパッケージ> library(Nippon)
> library(RColorBrewer)
> library(maptools)
> library(classInt)
# データ(都道府県別大学数)を読み込む> data<-read.table("NipponPackageTest.csv",sep=",",header=TRUE)
> op <- par(bg = "skyblue") # 地図の背景色# 地図をプロットする関数: データなし。境界が表示> p <- JapanPrefecturesMap(col = "ivory")
> colleges <- data$colleges # プロットに使用するデータ# 一つ目のデータインターバル (使う色を決めている)> cols <- rev(brewer.pal(5, "RdYlBu"))
#以下の n を変更することで区切りの数を変更。スタイルは区切り方> c1 <- classIntervals(colleges, n = 5, style = "fisher")
> colcode1 <- findColours(c1, cols, cutlabels = FALSE) #変更の必要なし# 凡例 1 を作成する (変更の必要なし)> legtext1 <- paste0(names(attr(colcode1,"table")), " (", attr(colcode1, "table"),")")
> p <- JapanPrefecturesMap(col = colcode1) # 地図のプロット (変更の必要なし)# 区切りその1の凡例の重ね合わせ (変更の必要なし)> legend("bottomright", legend = legtext1,fill = cols, title = "Colleges",bg = "white")� �
2017 年 2 月 15 日 24/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
都道府県別の大学数
Collegesunder 8.5 (22)8.5 - 20.5 (14)20.5 - 38.5 (7)38.5 - 97.5 (3)over 97.5 (1)
2017 年 2 月 15 日 25/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第1回:イントロダクション
課題 (1)
� �Nipponパッケージを使用して、別のデータを日本地図にプロットしてみよう。� �参考サイト:総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた」http://www.stat.go.jp/data/k-sugata/naiyou.htm#mokuji2
2017 年 2 月 15 日 26/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
2017 年 2 月 15 日 27/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
生産関数
▶ 経済学では企業を利潤を最大化する主体として定義する。
▶ 利潤 (π)とは売上 (単価に生産量をかけたもの:P × Y )から費用 (C(Y ))を引いたものである。
▶ このとき、企業の行動は以下のように定式化できる。
maxY
π = PY − C(Y ) (1)
▶ Y は労働力と資本で決定されると考え、これを生産関数と呼ぶ。
2017 年 2 月 15 日 28/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
生産関数の特定
▶ Hoover(2012, P331)1によると、2008年のアメリカの経済は以下のような形でうまく表現できるという。
Y = 9.63L0.67K0.33 (2)
▶ ただし、Y は生産量、Lは労働力、K は資本である。
▶ このように、Y = ALaK1−aのような形で表される関数をコブ・ダグラス型生産関数という (Aは技術水準)。
1Hoover, KD(2012) Applied intermediate macroeconomics, Cambridge University Press.
2017 年 2 月 15 日 29/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
コブ・ダグラス型生産関数(三次元)
� �>
plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L&K,
A=5,xlim=range(0,21),
ylim=range(0,100),
filled=FALSE, surface=TRUE )� �▶ 今回使用したmosaic以外にも三次元のグラフを描くパッケージはいくつか存在。
▶ 自分で使い易いものを見つけよう。
LK
A *
(L^0
.7) *
(K^0
.3)
2017 年 2 月 15 日 30/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
生産・労働平面からみるコブ・ダグラス型生産関数� �> library(mosaic)
> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L,K=20,A=5,xlim=range(-1,21),
ylim=range(-5,105))� �
L
A *
(L^0
.7) *
(K^0
.3)
0
20
40
60
80
0 5 10 15 20
2017 年 2 月 15 日 31/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
Kの変化のY への影響� �> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L,K=20,A=5,xlim=range(-1,21),
ylim=range(-5,151))
> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L, K=40 ,A=5,xlim=range(-1,21),
ylim=range(-5,151), lty=2,add=TRUE )� �
L
A *
(L^0
.7) *
(K^0
.3)
0
50
100
0 5 10 15 20
2017 年 2 月 15 日 32/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
Aの変化のY への影響� �> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L,K=20,A=5,xlim=range(-1,21),
ylim=range(-5,151))
> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L,k=20, A=10 ,xlim=range(-1,21),
ylim=range(-5,151), lty=2,add=TRUE )� �
L
A *
(L^0
.7) *
(K^0
.3)
0
50
100
0 5 10 15 20
2017 年 2 月 15 日 33/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 2 回: 企業行動の理論と R
等量曲線� �> plotFun(A*(L^0.7)*(K^0.3)~L&K,A=5,xlim=range(0,21),
ylim=range(0,100), filled=FALSE)� �
L
K
20
40
60
80
5 10 15 20
20
40
60
80
100
120
140
160
2017 年 2 月 15 日 34/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
2017 年 2 月 15 日 35/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
家計行動
▶ 経済学では、家計は予算制約の下で効用 (U)を最大化する主体である。
▶ 財が2つである場合の効用最大化条件は以下のようになる。
Ux(x, y)
px=
Uy(x, y)
py(3)
▶ ただし、Ux(x, y) ≡ ∂U(x,y)∂x , Piは第 i財の価格である。
2017 年 2 月 15 日 36/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
例題: 効用最大化問題 (1)
▶ 価格が px = 1, py = 2である2財について、ある消費者の効用関数を以下のように仮定する。
U = x+ 2√x · y + y (4)
▶ このとき各財の限界効用は以下のようになる。
Ux = 1 + x−12√y, Uy = 1 +
√x · y−
12 (5)
▶ これを (3)式に代入して整理すると以下を得る。
y12
x12
=1
2(6)
2017 年 2 月 15 日 37/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
例題: 効用最大化問題 (2)
▶ 予算制約式: pxx+ pyy = m (ただし、mは所得)
▶ これを (3)式に代入して整理することで以下の需要関数を得る。
x =mpy
px(px + py), and y =
mpxpy(px + py)
(7)
▶ m = 6のとき、x = 4、y = 1が効用を最大化する消費の組み合わせとなる。
2017 年 2 月 15 日 38/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
式を Rで見える化する
▶ この効用最大化問題は以下のように定式化できる。
max U = x+ 2√x · y + y (8)
s.t. x+ 2y = 6 (9)
▶ この解は、x = 4、y = 1である。
2017 年 2 月 15 日 39/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
式を Rで見える化する1 x<−seq(0,5,1) # 0から 5まで 1刻みの数列を生成2 y<−seq(0,5,1) # 0から 5まで 1刻みの数列を生成3 g<−function(x,y) x+2∗sqrt(x∗y)+y # 効用関数4 z<−outer(x,y,g) # xと yの全てに関数 gを適用する5 contour(x,y,z) # x-y平面に等高線の表示6 par(new=T) # 画像の重ね合わせ7
8 contour(x,y,z,level=9) # x-y平面に z=9の等高線の表示9 par(new=T)
10
11 gg<−function(x,y) x+2∗y # 予算制約式12 z<−outer(x,y,gg) # xと yの全てに関数 ggを適用する13 contour(x,y,z,level=6, col="red",lwd=3,xlab="X", ylab="Y")14
15 abline(h=1,lty=2) # x=1の直線 (点線)
16 abline(v=4,lty=2) # y=4の直線 (点線)
2017 年 2 月 15 日 40/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第 3 回: 家計行動の理論と R
無差別曲線と効用最大化点
0 1 2 3 4 5
01
23
45
0 1 2 3 4 5
01
23
45
X
Y
0 1 2 3 4 5
01
23
45
2017 年 2 月 15 日 41/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
2017 年 2 月 15 日 42/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
再生可能資源とは
再生可能資源� �採取・利用された後に自ら再生することが可能な資源� �▶ (人間生活の時間軸の範囲で)再生できない場合、再生不可能資源と呼ぶ。
▶ 再生可能資源の典型例は、生物資源である。▶ 再生可能資源は過剰に採取しない限り、繰り返し使用することができる。
▶ もちろん、利用方法を誤れば、枯渇する。
2017 年 2 月 15 日 43/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
課題 (2b)の図
0 20 40 60 80 100
01
23
45
Stock
h
2017 年 2 月 15 日 44/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
課題 (2c)の図
0 10 20 30 40 50
510
1520
Time
Stock
2017 年 2 月 15 日 45/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
グラビティモデル
▶ グラビティモデル(重力モデル)とは、天体の間の引力が質量に比例し、その距離に反比例するように、2国間の貿易額も経済規模とその距離に影響をうけると考えるモデルである。
▶ 2国 i, jについて、貿易額をR、距離をD、経済規模をGDPとすると以下のように定式化できる。
Rij =GDPiGDPj
Dij(10)
▶ 以下のように対数をとれば、実証的な分析が可能である。
lnRij = β0 + β1 lnGDPi + β2 lnGDPj − β3 lnDij + ϵ (11)
2017 年 2 月 15 日 46/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
データの入手▶ 貿易額は、国連の「UN Comtrade」が無償で入手できる。フランスの経済研究機関 CEPIIがより使いやすいデータベース(BACI)を有償で公開している。
▶ 日本のデータのみであれば、財務省の貿易統計が無償でダウンロード可能。
▶ GDPは世界銀行の「World Development Indicators」に含まれており、Rのパッケージである WDIを通じて無償でアクセスできる。
▶ 2国間の距離は、CEPIIから「The CEPII Gravity Dataset」が無償でダウンロード可能。
2017 年 2 月 15 日 47/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
最小二乗法とは I
▶ 実際の社会・経済から観察されたデータに最もよくあてはまる直線がどのようにして得られるかを考える。
Y = α+ βX (12)
▶ 観察されたデータに対して当てはまりが良い直線は実際の経済メカニズムをよりよく反映しているものと考えられるが、完全にあてはまる直線が得られることはないので、当てはまりの良さを判断する基準が必要となる。
▶ 最小二乗法とは,残差の 2乗和を最小にすることを当てはまりの基準としたものをいう。
2017 年 2 月 15 日 48/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
最小二乗法とは II
▶ 残差とは、実際に観測されたデータと直線によって与えられる理論値との垂直方向の乖離の大きさをいう。
▶ すなわち、ある観察データの組 (Xi, Yi)があるとき、残差 µi
は以下のように定義される。
µi = Yi − α− βXi (13)
▶ 単純に残差の和のみを対象とした場合、プラスのものとマイナスのものがあることから相殺されてしまう部分があるので2乗和としているのである。
2017 年 2 月 15 日 49/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
最小二乗推定量の導出 (1)
▶ 残差の二乗和 J を最小にする α及び βの値は以下を α及び βで偏微分してゼロとおくことで得られる。
J =∑
µ̂i2 =
n∑i=1
(Yi − α− βXi)2 (14)
∂J
∂α=
n∑i=1
[−2(Yi − α− βXi)] = 0 (15)
∂J
∂β=
n∑i=1
[−2Xi(Yi − α− βXi)] = 0 (16)
2017 年 2 月 15 日 50/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
最小二乗推定量の導出 (2)
整理すると以下を得る。
β̂ =
∑ni=1(Xi −X)(Yi − Y )∑n
i=1(Xi −X)2(17)
α̂ = Y − β̂X (18)
この α̂及び β̂を最小二乗推定量と呼ぶ。
2017 年 2 月 15 日 51/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
データ取得: GDPWDIから GDPデータを取得する
1 library(WDI) # WDIを扱うパッケージ2
3 WDIsearch(string="GDP") # データベースの中でGDPを含むものを探す
4
5 dat <− WDI(indicator=’NY.GDP.MKTP.CD’, country=c(’JP’,’KR’,’CN’), start=1980, end=2012)
6 # 日本、韓国、中国について、1980-2012年のGDPを取得7
8 library(ggplot2) # グラフを描くパッケージ9
10 ggplot(dat, aes(year, NY.GDP.MKTP.CD/1000000000, color=country)) + geom line() +
11 xlab(’Year’) + ylab(’GDP␣(current␣billion␣US$)’)
2017 年 2 月 15 日 52/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
日本、中国、韓国のGDP推移
0
2500
5000
7500
1980 1990 2000 2010Year
GD
P (c
urre
nt b
illio
n U
S$)
countryChina
Japan
Korea, Rep.
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第4回: 環境問題・貿易理論と R
Rで最小二乗法: グラビティモデル (1)
▶ データセット作成過程で明らかなように、ここでは中国による輸出のみを対象としている。
▶ 以下のコードはあくまでも回帰分析を行うだけであり、前述の仮定を満たしているかどうかの検定は別途行う必要がある。
1 trade.lm<−lm(log(Trade)˜log(GDP)+log(GDP.china)+log(distance), data=dataset)
2 # OLSの実行3
4 summary(trade.lm) # 結果の出力
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第4回: 環境問題・貿易理論と R
Rで最小二乗法: グラビティモデル (2)
1
2 Coefficients:3 Estimate Std. Er. t−value Pr(>|t|)4 (Intercept) 0.06266 2.09973 0.030 0.976355 log(GDP) 1.14907 0.16279 7.059 2.05e−08 ∗∗∗6 log(GDP.china) 0.72680 0.05279 13.768 2.39e−16 ∗∗∗7 log(distance) −1.47430 0.41052 −3.591 0.00093 ∗∗∗8 −−−9 Signif. codes: 0‘∗∗∗ ’0.001‘∗∗ ’0.01‘∗ ’0.05‘ . ’0.1‘ ’1
10
11 Residual standard error: 0.1927 on 38 degrees of freedom12 Multiple R−squared: 0.9716, Adjusted R−squared: 0.969413 F−statistic: 433.4 on 3 and 38 DF, p−value: < 2.2e−16
2017 年 2 月 15 日 55/64
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第4回: 環境問題・貿易理論と R
統計的仮説検定 (1)
▶ 分析対象全体を母集団といい、そのうち観察できるものを標本と呼ぶ。
▶ 標本から母集団に関する仮説を判定することを検定という。
▶ 棄却したい仮説を帰無仮説 (null hypothesis)と呼ぶ (H0)。その逆を対立仮説と呼ぶ (H1)。
▶ 帰無仮説が一定の有意水準で棄却できれば、対立仮説を採択する。
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富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
統計的仮説検定 (2)
▶ H0が真であるのに、H0を棄却することを、「 第1種の誤り 」と呼ぶ。
▶ H1が真であるのに、H0を採択してしまうことを、「 第2種の誤り 」と呼ぶ。
▶ 二つの誤りの可能性をゼロにすることはできないので、第1種の誤りについて許容する確率を 有意水準 と呼ぶ。
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富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
課題 3a
OLSによるグラビティモデルに関する分析結果からどのようなことを言えるだろうか?
2017 年 2 月 15 日 58/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
Rで最小二乗法: 高校と大学の成績 (1)
大学の成績 (colGPA)と高校の成績 (hsGPA)や入試 (ACT)は関係があるだろうか?
1 library(foreign) # R以外のデータを読むために必要2
3 html<−"http://fmwww.bc.edu/ec-p/data/wooldridge/gpa1.dta" # ダウンロードする場所
4
5 gpa1<−read.dta(html) # データの読み込み6
7 GPAres<− lm(colGPA˜hsGPA+ACT, data=gpa1) # 分析実行8
9 summary(GPAres) # 結果表示
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第4回: 環境問題・貿易理論と R
Rで最小二乗法: 高校と大学の成績 (2)
1 Call:lm(formula = colGPA ˜ hsGPA + ACT, data = gpa1)2
3 Residuals:4 Min 1Q Median 3Q Max5 −0.85442 −0.24666 −0.02614 0.28127 0.853576
7 Coefficients:8 Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)9 (Intercept) 1.286328 0.340822 3.774 0.000238 ∗∗∗
10 hsGPA 0.453456 0.095813 4.733 5.42e−06 ∗∗∗11 ACT 0.009426 0.010777 0.875 0.38329712 −−−13 Signif. codes: 0‘∗∗∗ ’0.001‘∗∗ ’0.01‘∗ ’0.05‘ . ’0.114
15 Residual standard error: 0.3403 on 138 degrees of freedom16 Multiple R−squared: 0.1764, Adjusted R−squared: 0.1645
2017 年 2 月 15 日 60/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第4回: 環境問題・貿易理論と R
課題 3b
前ページのOLSによる成績の分析結果からどのようなことを言えるだろうか?
2017 年 2 月 15 日 61/64
富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第5回: 特別講義:RESAS について
第1回:イントロダクション
第 2回: 企業行動の理論と R
第 3回: 家計行動の理論と R
第4回: 環境問題・貿易理論と R
第5回: 特別講義:RESASについて
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富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第5回: 特別講義:RESAS について
RESASについて▶ 安倍政権による地方創生を支援するためのツールとして、「RESAS」が開発されました。
▶ RESASはこれまでデータ収集が困難であった各地方自治体のデータをまとめたサイトです。
▶ また、単に集めてあるだけでなく、視覚的な理解もしやすい工夫がなされています。
▶ 今回は RESAS開発の一翼を担っているシンクタンクから特別に利用方法の講義をしてもらいます。
▶ 最終日のグループワークのテーマになるヒントがたくさんあります。
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富山大学経済学部 集中講義 (第1日)
第5回: 特別講義:RESAS について
参考文献▶ Dayal, Vikram (2015) An Introduction to R for Quantitative Economics:
Graphing, Simulating and Computing, Springer.
▶ Heisss, Florian (2016) Using R for Introductory Econometrics, www.URfIE.net.(書籍版もあり)
▶ 河田幸視 (2008)『生物資源の経済学入門』、大学教育出版.
▶ 武隈慎一 (2000) 『ミクロ経済学 増補版』、新世社.
▶ 田中鮎夢 (2012)『国際貿易と貿易政策研究メモ』、RIETI ホームページ(http://www.rieti.go.jp/users/tanaka-ayumu).
▶ 星野匡郎・田中久稔 (2016) 『R による実証分析 - 回帰分析から因果分析へ -』,オーム社.
▶ 山本拓 (1995)『計量経済学』、新世社.
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