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静岡茶市場の課題
グループ1
伊藤望、王海麗、キムソジョン、
黒川吉隆、ジョセツケイ、範田英治、
森野雄喜、香取広和
目次
2
会社概要
現状分析
課題
提案
01
02
03
04
3
会社名 川村翠香園
所在地 〒170-8424 静岡県牧之原市細江4621-5
設立 1912年
主な事業 緑茶(生葉を蒸して乾燥させた“荒茶”を仕上げ焙煎する)
資本金 1500万円
設備高度なレベルでお茶製造のオートメーション化が実現された、翠香園の設備特徴
会社概要
現状分析 〜茶産業〜
• 少子高齢化とともに、担い手不足
• 茶栽培面積、荒茶生産量、茶産出額に減少傾向
• リーフ茶の消費が減少し、ペットボトル飲料の消
費が上がり。
• 茶事業では消費者によりおいしくて安全なお茶を
お届けするため、生産者組織・JA・関係機関ととも
に、環境に優しく効率的な栽培指導・荒茶加工の生
産指導を行う。
• 静岡県は全国のお茶のおよそ5割のシェアを占める。
4
現状分析 〜市場の変化〜
5
リーフ茶の需要低迷
世帯構成の変化世帯構成
リーフ茶需要の減少
消費構造の変化購入場所専門店 → スーパー・量販店
大家族 → 核家族、単身世帯の増加
飲用形態急須 → ペットボトル飲料
リーフ茶の需要は低下傾向にあるが、消費者アンケートや総務省家計調査の結果では、茶を好む人が大半を占めており、リーフ茶の潜在需要は大きいと考えられる。
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1000
2000
3000
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2000 2005 2010 2013 2014 2015 2016 2017
急須茶 ペットボトル
現状分析 〜需要の変化〜
・急須で入れるお茶の需要が徐々に減少・ペットボトル茶飲料の需要が増加・ペットの需要増と共に鹿児島の成長が伺える
0
20000
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1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2016 2017
全体 鹿児島 静岡
鹿児島の成功要因
7
大震災以降、それまで全国の
取引を独占していた静岡から
九州へ移行。
その気候から一番茶の摘採時
期が早く、他市場で参照され
ている
価格支配力
九州ならではの平坦な土地を
活用し、機械化を早めから導
入し大規模生産による低コス
化を実現
大規模/低コスト
緑茶飲料メーカーとの取引関
係強化の為に簡素化した電子
取引を使用
電子入札
ペットボトル用お茶として緑
茶飲料メーカーとの取引拡大
B to Bの実現
静岡
鹿児島
お茶農家
お茶農家
丸紅 市場 卸問屋
BtoB
BtoC
電子取引・決済
生産 流通 販売
静岡・鹿児島の違い〜流通〜
相対取引多様な茶葉
品質が均一的
課題;お茶の消費トレンドが変化しているにも関わらず静岡は生産・流通・販売における対応ができていない
生産量日本一
茶葉品質日本一
ブランド力日本一
生産面積日本一
相対取引
静岡お茶農家
丸紅 市場 卸問屋 BtoC
静岡の課題
共有地の悲劇(協力のインセンティブなし)
販売問題:ホールドアップ
リスク非対称情報による特殊な取引
生産 流通 販売
静岡お茶農家
丸紅 市場 卸問屋 BtoC
静岡の課題
販売問題:ホールドアップ
リスク
相対取引
非対称情報による特殊な取引
共有地の悲劇(協力のインセンティブなし)
生産 流通 販売
生産問題共有地の悲劇
協力 非協力
協力 5, 5 6, 2
非協力 2, 6 3, 3
高品質農家 (A)
低品質農家( )
《 高級茶葉農家 VS 安価な茶葉農家 》
静岡の茶農家様々な土地、サイズからなる農家がある為、茶葉の品質と生産量がバラバラ。⇨協力しにくい状況
B
静岡お茶農家
丸紅 市場 卸問屋 BtoC
相対取引
静岡の課題
共有地の悲劇(協力のインセンティブなし)
販売問題:ホールドアップ
リスク非対称情報による特殊な取引
生産 流通 販売
流通問題相対取引と取引コスト 電子取引
取引コスト小
大規模農家が多く、平坦な農地 茶葉の味わい、質の平準化 価格差が起こりにくい 情報の非対称性が低い
鹿児島茶葉市場
静岡における特殊な茶葉取引
相対取引取引コスト
大
静岡茶葉市場
急峻な農地、異なるサイズ 茶葉の味わい。質も違う 価格差有り 情報の非対称性が高い
取引も大口メーカーに対応する余地がある
相対取引
静岡お茶農家
丸紅 市場 卸問屋 BtoC
静岡の課題
販売問題:ホールドアップ
リスク非対称情報による特殊な取引
共有地の悲劇(協力のインセンティブなし)
生産 流通 販売
販売問題ホールドアップ問題(メーカー側視点)
サプライヤー: 九州農家 メーカー: 伊藤園
・九州だけの取引には大きなリスクが発生する、その視点から静岡へBtoB契約の交渉を展開。
《リスク分散》
メーカー側にとって静岡との取引を増やすメリットは大いにある。
・ペットボトルの茶葉取引は現在九州の農家だけ。これは特殊関係契約であり、ホールドアップ問題を内包する。(競合他社が農家に対して、伊藤園よりも高い価格の売買契約を持ち込む場合の乗り換えリスク等。)
・更には、災害時のリスクもあり、十分な供給を受けることができない可能性もある。
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外食チェーン
健康・美容
飲料・酒
提案〜小規模家族経営から大規模化〜
BtoB販路拡大(中短期目標)
丸紅 市場問屋翠香園
BtoC
丸紅問屋翠香園
・低コスト・均質
BtoB営業部署
昔馴染み
翠香園・・・顧客(BtoC, BtoB)への営業
相対取引
農家× n
農家× n
・高品質
生産 流通 販売
BtoW販路拡大(中長期目標)
ASIA EU USA
販路拡大(中長期): Go Abroad
日本の人口は減少傾向にある為、長期的成長を目標とした海外進出が必要とされる
世界中の日本文化普及に便乗するex)アニメで登場人物がお茶を飲む場面と結びつけ
販促に活用する!
増加する海外観光客に向けた緑茶試飲会開催ex) お台場のガンダムで週末に外国人観光客向けお茶体験会開催ex) 日本の伝統的な宿泊施設でお茶によるおもてなし体験
目標:静岡お茶産業の更なる発展Make Shizuoka Great Again!
Shizuoka Union
SUとは:時代の流れを鑑み、高級茶葉
市場を守りつつ、ペットボトルメー
カーのニーズに応えるべく、生産農家
における役割分担、中卸における流通
システム改善、問屋におけるBtoB販路
拡大を同時多発的に行う静岡茶葉市場
全体の関係者からなる合同会社
Thank you!
Any questions?
APPENDIX
悪循環22
フロー
小規模農業
協力のインセンティブなし
.
➊品質の良い茶葉の取れる畑の所有者(農家)
VS
品質の悪い茶葉の取れる畑の所有者(農家)
取引コスト増加
.
相対取引
➋品質バラバラ(情報の非対称性).
➋脱共有地の悲劇とSU
品質バラバラ(情報の非対称性)↓
相対取引↓
取引コスト増加↓ 導入後
SU (Sizuoka Union)
小規模農家から構成される生産組合を設立する
↓
ー規模の経済の実現ー均質で大量で安価なB2B市場向け荒茶の供給
↓
ー取引コストの削減(相対取引の廃止)
翠香園
<立場ごとのメリット>*農家ー放棄農地をSUを経由して自分の農地に組み込むー放棄しようと考えている農地を他の村人もしくは翠香園に引き取ってもらえる(農業の高齢化と後継者不足)ー長期的また安定的に茶葉納入から収入を得ることができるー肥料費と共益費に関して敏感になることで、コスト削減ができる。
*斡旋業者(丸紅)ー大口取引先を獲得することができる。ーB2C向けの茶葉需要の減少に対処することができる。ー相対取引に加えて、定額一括納入をすることで手間の削減
*仲卸(翠香園)ー均一で大量で安価な荒茶を安定的に供給してもらえる。ー飲料メーカーとの大口の仕上げ茶の取引が可能になる。
潜在ニーズを探る:海外進出24
2017年日本茶の輸出先としては米国が第一位であり、
台湾、シンガポール、カナダ、ドイツなどがある
まだ海外でお茶を淹れて飲むという風習はまだ普及していない
世界的な健康志向の高まりから、各国における緑茶の需要が増加してきてお
り、他国産に比べてブランド力がある日本茶が進出しやすい状況。
特に最近日本へのインバウンド観光客の多いヨーロッパ(ドイツ等)、タイ、
シンガポール、米国などの、ある程度経済規模の大きい国の現地人を
ターゲットにする、既存ドイツの茶市場では日本茶あまり置いてない
(中国は元々お茶文化が普及されているため、一応除外)
ex)欧米のベジテリアん食堂をターゲットにする
ex)ヘルシー意識の高い人をターゲットに、特に米国はダイエット需要高いと思わ
れるのでそこを攻略。米国は、「緑茶は健康」というイメージがあり、肥満・糖尿
病等を背景に市場が増加している。
茶の輸出額の目標(農林水産省)
2012年:
50.5億円
2020年:
150億円
相対取引
静岡お茶農家
丸紅 市場 卸問屋BtoCBtoB
静岡の課題
共有地の悲劇(協力のインセンティブなし)
販売問題:ホールドアップ
リスク非対称情報による特殊な取引
生産 流通 販売
26
結論
静岡お茶
農家× n丸紅 市場 卸問屋 BtoC
生産 流通 販売
静岡お茶
農家× n BtoB丸紅 卸問屋
NEW!!
27
静岡お茶
農家× n BtoB丸紅 卸問屋
均質で安価なペットボトル用茶葉を年間継続的に供給できる農家グループを作り対応
販路拡大の為の専門部署を構成し未開拓な大型
BtoB市場に対する販路を拡大。海外展開も視野に入れ各国に対する国際認
証取得を進める。
九州の電子取引に対応する為、年間契約サブスクリプション取引で低コストで安定した供給のニーズに応える
結論 〜BtoB~
生産 流通 販売