静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2....

20
静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト 2014 年度チーム企画書

Transcript of 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2....

Page 1: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト

2014 年度チーム企画書

Page 2: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

1.全日本学生フォーミュラ大会とは

すでにご存じの方もいらっしゃるかと存じますが、簡単に学生フォーミュラ大会の概

要、大会内容等を説明させていただきます。

1.1大会概要

会場 静岡県小笠山総合運動公園(エコパ)

期間 毎年 9月の第一週(5日間)

主催者 公益社団法人自動車技術会

※2014年は第 12回大会が開催されます。

Fig 1 昨年度大会集合写真

〈大会出場チーム〉

エンジン車(ICV) 約 80校(うち、毎年 10校程海外チームが参戦)

電気自動車(EV) 約 8校(ICVとのダブルエントリーチームも含む)

2013年度大会(第 11回大会)は、ICV参加校 78校、EV参加校 8校。

〈大会趣旨〉

主役である学生が自ら構想・設計・製作したフォーミュラカーによりものづくりの総合

力を競い,産学官民で支援して,自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を

育成する.

〈大会種目〉

●車輌を走行させ競技する動的審査

●デザインやコストの口頭試問やビジネスプランをプレゼンテーションする静的審査

の主に 2 つの審査に分かれています。

動的審査・静的審査得点の合計ポイントで大会の順位が付けられます。

また、動的審査に出場するためには、車検を通らなければなりません。

(1.3 にてご説明致します。)

1.2 車両について 車輌の規定について簡単にご説明致します。

①主な設計要件

・タイヤがカウルで覆われず、コックピットがオープンなフォーミュラスタイルの車両

・4サイクルピストンエンジンを使用し,排気量は 610cc以下,過給器の装着は可.

・リストリクター(最大直径 20mm)による吸気制限を受ける.

・ホイールベースは 1525mm以上、トレッドはフロント又はリアの大きい方に対して 75%

以上.

Page 3: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

・ホイールは 8インチ以上.

・排気音量は、排気口から水平面 45度、50㎝の位置で 110dB以下(所定の回転数).

②主な安全要件

・横転・衝突時などにドライバーを保護するために,コクピット周りなどの構造・材料

などが詳細規定さている.

・ドライバーの保護用具・シートベルトなどについて規定されている.

・ブレーキは 4輪全てに作動し,独立した 2系統の油圧回路を有すること.

③主な車両規定

・Formula SAEのルールおよび日本大会ローカル規則に準拠して製作されていること.

・過去の全日本 学生フォーミュラ大会に出場した車両は,参加できない.

これらを満たした車両の設計・製作をおこないます。

1.3 審査について

〈車検〉動的審査をおこなうための重要な審査になります。得点はつきません。

●技術検査

FSAE ルール、日本ローカルルールに定められた車両の規定、設計要件の適合性確認

のため審査員が車両の細部までチェックしていきます。

●チルト検査

車両を 45 度傾斜させて燃料漏れ確認、ドライバーを乗車させ 60 度傾斜させて転倒

しないことの確認をおこないます。

●騒音審査

所定の条件で騒音レベルを確認し、110dB 以下で騒音検査に通ります。

●ブレーキ審査

4 輪ブレーキ(4 輪ロック)の作動を確認、検査します。

●レインテスト ※EV のみ

EV フォーミュラに対し、水分から十分に絶縁されているかを確認します。

〈動的競技〉

●アクセラレーション

0-75mを走行し、加速性能を競います。

各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行します。(以下の競技も同様)

●スキッドパッド

8の字コースを走行し、コーナリング性能を競います。

各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行します。

●オートクロス

直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約800mの複合コースを1周走行

Page 4: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

し、走行性能を競います。

各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行します。

●エンデュランス・燃費

オートクロスのコースを周回して約20km走行し、耐久性、燃費を競います。

2ドライバー制で各々のドライバーが 10km を担当し,2人の総合タイムの早い順に、

得点が与えられます。コースから外れたり、パイロン(三角コーン)をはねたりした

場合は減点となり、タイムから与えられた得点から引かれます。

〈静的審査〉

●コスト

学生に実際の生産現場のコスト観念を身につけるのが狙い。

生産 1000 台を仮定したコストテーブルに基づき、自分たちが製作した車両の「コス

トレポート」を事前に提出します。大会当日は、「リアルケースシナリオ」として大

会直前に指定された部品の製造工程などの口頭試問をおこない、それらの妥当性・知

識・理解度を評価します。

●デザイン

自ら設計・製作した車両のコンセプトや車両性能、信頼性、整備性などをまとめたレ

ポートを事前に提出、大会当日は車両を見ながらの審査員による口頭試問をおこない

ます。

●プレゼンテーション

学生のプレゼンテーション能力をつけさせるのが狙い。

自分たちのチームを会社に見立て、自ら設計・製作した車両を商品として製造・販売

するためのビジネスケースを、事前に簡単にまとめ提出、大会当日審査員に対しプレ

ゼンテーションします。

事前に提出する資料と大会当日の審査で得点が与えられます。

動的審査 配点:675 点

アクセラレーション 75 点

スキッドパッド 50 点

オートクロス 150 点

エンデュランス 300 点

燃費 100 点

静的審査 配点:325 点

コスト 100 点

デザイン 150 点

プレゼンテーション 75 点

合計 1000 点(満点)

Fig2 アクセラレーション Fig3 エンデュランス Fig4 コストリアルケース Fig5 デザイン審査

Page 5: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて

静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006 年に全日

本学生フォーミュラ大会の会場が静岡県袋井市/掛川市の小笠山総合運動公園(エコパ)

に移転したのをきっかけに発足しました。チーム発足当初から ICV は単気筒エンジン

にスーパーチャージャを搭載し過給する方法や、電流によって減衰力を変えることので

きる磁性流体を用いた MR ダンパの採用をしております。

2009 年からは EV の製作を始め、2011 年の EV デモ大会、2012 年の EV プレ大会

を経て、2013 年の第 11 回全日本学生フォーミュラ大会での正式な EV 本大会で EV 部

門総合優秀賞を頂くことが出来ました。2012 年度からは学生フォーミュラの大会に

ICV、EV の 2 台体制で出場しています。

2.2 過去 8 年間のマシン紹介(写真)

Fig6 2006 年初出場(第 4 回大会) Fig7 2007 年(第 5 回大会)

Fig8 2008 年 (第 6 回大会) Fig9 2009 年(第 7 回大会)

Fig10 2010 年(第 8 回大会) Fig11 2011 年(第 9 回大会)

Page 6: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

Fig12 2012 年(第 10 回大会) Fig13 2013 年(第 11 回大会)

2.3 本学チームの特徴

本学チームの特徴の1つは、前述した、ICV、EV の 2 台での出場です。EV 製作の

発足が全国の学フォーミュラチームの中で最も早い 2009 年からとなります。2013 年

度(2013 年 9 月)大会時点では、ICV、EV の 2 台での出場は全国で静岡理工科大学の

みとなり、日本の中でも珍しいチームです。

2 つ目の特徴は、静岡理工科大学の所在が、大会会場であるエコパに全国で最も近い

大学であるということから、他大学、海外チームとの交流や大会主催側のお手伝い、エ

コパでのボランティア等を活動の中で数多く行なっているということです。大会期間中

は、他大学さんに本学の工房や工具、用具の貸出などにも協力させていただいておりま

す。また、本学のチームは、地域・技術イベントへの参加数、静岡県高校生エコランや

学内外の教育イベントのボランティア参加も大変多く、イベント会場、マシン展示会場

の場で私共の活動やマシンの PR をさせていただいております。

Fig14 第 11 回大会の様子 Fig15 エコパ周辺の地図

Fig16 大会期間中の本学工房 Fig17 小学生向けイベントの手伝い

Page 7: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

Fig18 学生フォーミュラ PR 活動 Fig19 地元イベントでのマシン展示

3. 2014 年度チームについて

2013年 9月に行われた第 11回全日本学生フォーミュラ大会終了後に 4年生が引退し、

現在 3 年、2 年、1 年のメンバーで活動に励んでおります。本年度チームについてご説

明させていただきます。

3.1 チームメンバー数

3 年生…2 名、2 年生…4 名、1 年生…16 名

合計 21 名(機械工学科 18 名、電気電子工学科 2 名、情報学部 1 名)

※2014 年度チームメンバー紹介にて、一人ひとりの氏名、担当を掲載致します。

3.2 現在のチーム状況、課題

2014 年度本学チームは、2013 年 9 月の大会を終えた直後より、3 年生 2 名、2 年生

4 名、1 年生 13 名の 19 名で活動を行なっております。現本学チームは、上級生(2、3

年生)が前チームに比べて少なく、下級生(1 年生)の人材育成を行わなければならな

い、ということ、一人ひとりの技術力が未熟であるということが懸念点として挙げられ

ております。その為、一人ひとりの意識を見直し、メンバー全員が責任を持って活動を

行なうことをより強化していくため、チーム内の情報の共有化、報告連絡相談、安全へ

の意識を持つということの呼びかけなどのチーム運営に力を入れています。また、マシ

ンの設計・製作も、チームの工数や 1 年生の技術教育、さらには現在大変苦しい状態と

なっているチーム内の資金等を考慮し、2014 年度チームのマシンづくりの方針を決定

いたしました。こちらにつきましては、次項の 2014 年度マシンコンセプトで説明させ

ていただきます。私共 2014年度チームで 2014年 9月の大会まで活動をして参ります。

3.3 本年度車両コンセプト

「シンプルなマシン」

2012 年度大会(平成 24 年 9 月)では、マシンの信頼性、扱いやすさに考慮し設計をお

こなうことで、全種目完走と各種目でも過去最高のタイム・得点を残すことが出来まし

Page 8: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

た。ただ、2012 年度マシンの大会中に起きたクラック等の故障やコース走行中の車両

挙動などの改善をするべく、2013 年度大会(平成 25 年 9 月)に出場したマシンはコン

セプトを「正常進化~信頼性と車輛性能の向上」とし、設計・製作を行いました。しか

し、2013 年度大会では、ICV、EV ともエンデュランスリタイアとなってしまい、日ご

ろの整備、マシン不具合への対応不備など、マシン単体での不具合という以上に細かな

ヒューマンエラーが目立つ結果となりました。

2013 年度マシン自体は、2012 年度マシンよりも低重心化、インリフト改善をおこな

っていたため、2014 年度マシンは、2013 年度マシンの評価の良い点は残しつつ、より

「シンプル」ということを念頭に置き、構想しております。「シンプルなマシン」をコ

ンセプトとし、自分たちが設計・製作・整備しやすいマシンということに加え、ドライ

バーが運転しやすく、扱いやすいマシンづくりを目指します。

また、このコンセプトは学生フォーミュラ大会の FSAE レギュレーションに掲示さ

れている『チームはアマチュアのサンデードライバ向けのモータースポーツ用マシンを

構想・設計・生産すると仮定する』という前提に基づいております。顧客であるアマチ

ュアのドライバにとって手の届く価格で運転しやすいということ、自分たちチーム(企

業)が車両を製作・整備したり、それらを依頼したりする場合、作業者にとって低コス

トで、加工しやすく、整備しやすいということ、両方の目線での「シンプル」を追求し

てこそ、良い製品なのではないかと考えたためです。実際の学生フォーミュラ大会の競

技として考えても、大学生である本学チームドライバにとって運転しやすいマシンづく

りを目指せば競技に対し大変有利であると考えました。前項で説明させていただいた

2014 年度チームの工数不足、基礎技術力教育を考慮しても、「シンプルなマシン」をコ

ンセプトに設計することで、部品の構造がシンプルで加工しやすいということ、加工手

順が少なくなるということが大きなメリットとなります。マシンの整備者も私共ですの

で、自分たちが整備、セッティングのしやすいマシンづくりを目指すことも目的です。

「シンプルなマシン」をコンセプトに置くことで、学生フォーミュラの前提である「販

売マシン」、私共が参戦する「競技マシン」の最適化を図ることが出来ると考えました。

3.4 第 12 回大会目標

「ICV と EV マシンの完走」⇒「チームの上位入賞」

やはり、第一に 2 台のマシン大会出場と全種目完走を目標とします。

以下に目標総合順位、点数を記載致します。

〈ICV〉

アクセラレーション 21 位(48.9)、スキッドパッド 10 位(29)、オートクロス 3 位(142)、

エンデュランス 7 位(250)、コスト 10 位(70)、プレゼン 3 位(67)、デザイン 10 位(97)

〈EV〉

全動的審査種目 EV 部門 1 位、静的種目得点は上記の ICV と同じ得点を目指す。

Page 9: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

表1 過去 2 年間の大会でのタイムと、第 12 回大会の目標タイム

4. 2014 年度チームの取り組み

昨年度のチームの良かった点、反省点を踏まえ、2014 年度チームでの取り組みについ

て説明させていただきます。

4.1 マシン設計・製作について

コンセプトは前述致しましたように「シンプルなマシン」です。2013 年 10 月 16 日

にデザインレビュー0(DR0)、12 月 25 日にデザインレビュー1(DR1)を開催し、自

分たちのマシンコンセプトから各部品の設計へ反映するレビューを説明致しました。

4.1.1 フレーム設計

2014 年度マシン(以下、SFP14)のフレームは、一昨年度、昨年度と同様に ICV、

EV の共通化により、設計、製作時間の短縮を図ります。「シンプルなマシン」という

コンセプトの「扱いやすさ」の面では、故障が少なく、整備性の良いシャシーの設計に

落とし込みます。また、「生産性」の面では、ICV、EV の共通以外にも、作業工程の単

純化を目指し、溶接箇所やパイプの加工本数を減らす斜視の設計を行いました。パイプ

数は昨年度マシン(SFP13)に比べ 21 本減らし、軽量化も図っています。パイプ数を

減らしたことによる強度不足の不安点は、パイプの肉厚を厚くすることにより補います。

Fig20 SFP13 のフレーム Fig21 SFP14 のフレーム

Page 10: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

4.1.2 サスペンション設計

SFP14 のサスペンションは、チーム全体の加工技術等を考慮し、SFP13 での不具合

点の改善、及びコンセプトから信頼性・整備性・生産性のよいマシンづくりを目指し設

計を行いました。SFP13 の問題点であったタイヤの異常摩耗はスクラブ半径というタ

イヤと路面との抵抗に関係する数値を 0mm に合わせ、剛性が必要なパーツの機構変更

や固定方法を変えました。溶接箇所の減少、信頼性を高めるため、ブラケットを鉄パー

ツ部品の溶接からアルミの削り出しにし、ボルト固定位置を引張・圧縮のかからない位

置に設定しました。ダンパは例年同様 MR ダンパを採用し、電流を流して磁性流体に

よるダンパ減衰比を走行中に変えられるような制御を行います。ダンパは学生フォーミ

ュラのセッティングに多い、ベルクランク機構ではなく、ダンパの直付けを行うことで、

加工部品を少なくし、シンプルな機構に設定しました。

Fig22 トーコントロールバーの設計 Fig23 MR ダンパ直付け

4.1.3 パワートレイン、電装

大会では 1 周約 1km のジムカーナ競技のようにコーナの多いコースを走行すること

となるため、「扱いやすさ」には低速域でのトルクが必要であると考え、例年同様、ス

ズキ LT-R450 の単気筒エンジンにスーパーチャージャによる過給を行う形を取りまし

た。SFP13 ではスーパーチャージャのマウント固定にずれが生じる機構だったものを、

マウントをアジャスタ化することで調整の数値化を可能にしました。ディスク形状の単

純化、デフマウントの整備性の良さなど、「扱いやすさ」と「生産性」をパワートレイ

ン部品1つひとつに落とし込みを行いました。

電装部品も信頼性や整備性を高めるため、LT-R450 の純正部品の使用や、バッテリ

の選定を行います。

EV パワートレインに関しては、SFP13 の不具合部分を洗い出し、修正を行う形で、

制御、駆動の大きな変更は行いません。SFP13 で問題となった駆動操作用タッチパネ

ルの水没(車検でのレインテストにて)や、アクセル制御系の不具合などの改善を行い

たいと思います。現状では、チームメンバーの EV に関しての知識が不足しているため、

電気電子の知識や EV の FMEA を勉強しながら、EV の製作に取り組みます。また、

SFP13 に引き続き、EV パワートレイン EV バッテリケースチタンにし、バッテリ、モ

ータの搭載位置の低重心化を図ります。

Page 11: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

Fig24 エンジンユニット Fig25 ブレーキディスク Fig26 純正バッテリケース

4.1.4 インテリア・エクステリア

マシンのインテリア部分であるシフターをプッシュアウター式にし、シフトワイヤー

を取り付ける際の曲げを少なくし、ワイヤーの信頼性を高めました。アクセル、ブレー

キペダルも過度な肉抜きを行わず、構造も単純化し、信頼性・生産性・整備性を重視し

た設計を行いました。

Fig27 シフトワイヤーの取り回し Fig28 シフターのプッシュアウター式

Fig29 全体アセンブリ図(ICV)

Page 12: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

4.2 静的審査対策

4.2.1 2013 年度大会の反省

2013 年度の静的審査では、EV の本大会が始まったことで、EV の静的審査が正式な

競技対象となり、その際に、ICV と EV の 2 台参戦体制における留意点が挙げられまし

た。静的審査後に行われた審査員のフィードバックや自分たちの分析から以下のような

ことを注意し、2014 年の対策に臨む必要があります。

(1) ICV・EV の共通点、相違点を明確にし、「何故共通化したのか」「ICV と EV そ

れぞれの専用設計は何か」等を詳しく説明出来るようにする。

(2) ICV・EV の審査(コストリアルケース、プレゼンテーション)が全く同じ回答

ではなく、ICV・EV それぞれの特徴や長所・短所に応じたレポートや説明をす

る。

(3) チーム内での審査担当の割り振りに偏りがあり、特定の人に審査対応の仕事が

偏ることがあった。

(4) 2 台分の審査レポート、大会当日の口頭試問を受けることで、審査対応の準備時

間が足りなくなってしまった。

これらの反省点を踏まえ、2014 年度チームでは、全静的審査の勉強会を開き、メンバ

ー全員が各審査について理解し、チーム全体で審査に取り組みます。全員で審査に対応

する部分と、各パート設計班や各静的審査班に分かれて審査に取り組む部分とを分け、

特定の人しか審査についての回答が出来ないということを防ぎ、かつ自分の担当した審

査を責任持ってレポート、口頭試問が出来る体制とします。また、昨年度の反省を元に

各静的審査の取り組みを見直していきます。

4.2.2 コスト審査

(1)コストレポートの裏付け資料を用意する

(2)ICV、EV 実車とコストレポートの相互性の確認を念入りに行う

(3)コストレポートの部品番号分類にチーム内のルールを設け、レポートを整頓しや

すく、かつ見やすいレポートを作成する

(4)いままでは、すべて英語表記でレポート作成を行なっていたが、分かりにくいと

ころは日本語のガイドラインを作成する

単にマシンのコスト算出レポートではなく、設計図、配線図、加工工程を載せるから

には「実車の製作マニュアル」のように正確に、見る人にとって見やすいレポートでな

ければならないと考えています。

Page 13: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

4.2.3 デザイン審査

(1)コンセプトから各パート設計、部品への反映を明確にする

(2)ICV・EV のそれぞれの特徴を生かした設計をする

(3)デザインレポート作成に向け、各パート班でレポートを作成する。各パート班の

レポートを1つのレポートにまとめることで、設計の考え方や全体設計のストー

リーが整頓でき、設計者自身も大会当日のデザイン審査に対応しやすくなる。

(4)大会前に本学チームの OB に、大会の模擬審査を実施していただき、マシンのア

ピールの仕方を練習する。また、疑問点を指摘していただくことで、自分たちが

気づかなかった部分の修正が行える。

デザイン審査は、昨年度 15 位という順位をいただき、審査員からのフィードバックで、

コンセプトから各セクション、各セクションから部品への設計の反映が出来ていたとい

う評価をいただきました。一方で、ICV、EV の違いを考慮した設計・セッティングを

活かせるとよいという指摘をいただきました。SFP14 のマシンでは、ICV、EV それぞ

れの特徴をデザイン審査のレポートや当日の審査でアピール出来るように、評価方法、

走行のセッティング出しの時間を多く確保したいと考えています。

4.2.4 プレゼンテーション審査

(1)ビジネス展開をするに当たって、全国あるいは世界の市場について調査する。

(2)プレゼンテーション審査対応に割く時間、人数が他の審査に比べて少ない。チー

ム全体で資料づくりや調査をして、一体となって審査に取り組む。1、2 名の目

線ではなく、さまざまな目線からビジネスプランを練り、完成させていく。

(3)ICV、EV それぞれの市場調査、ビジネスプランを考える。

(4)一般の人たちにアンケート、インタビュー等を行い、モータースポーツやレース

カー(小型フォーミュラカー)の現状を把握する。そのデータをプレゼンテーシ

ョンに反映させる。

プレゼンテーション審査は一昨年度の第 10 回大会で、全体 6 位という成績をいただき、

その審査で評価されたビジネスプランやアンケートによりユーザーの意見を汲み取っ

た点を引き続き昨年度の審査でも行ないました。加えて昨年度は、一昨年度に足りなか

った全国的な市場調査をインターネットの統計データを元に予想だて、数年先も見据え

たビジネスプランのプレゼンテーションを実施しました。しかし、昨年度は、前述した

ICV・EV の共通点・相違点の明確化が足りず、ICV・EV それぞれの市場調査やユーザ

ーの需要が汲み取れていなかった点を指摘されました。また、ここ最近、プレゼンテー

ション審査はどの大学も市場調査やビジネスプラン構想、プレゼンテーション方法など

が多様化し、プレゼンテーションレベルが上がり、点数差のつきにくい競技となったと

いう実感があります。市場調査、ビジネスとしての利点があることをアピールすること

だけでなく、他とは違う特徴や、審査員が「ビジネスに賛同したい」と思えるような売

り込み方を考えなくてはならないと痛感しました。

Page 14: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

4.3 チーム運営

2014 年度チームは、いままでメンバー個々の技術で出来ていたマシン設計や製作の知

識、技術を、技術報告書などの資料に残す形で、下級生や後々の代に伝承していけるよ

うにしていきたいと思います。1 人ひとりの技術、知識が未熟である程、チーム全体で

の情報共有、作業分担が大切であると考え、各班での話し合いやミーティングの場、作

業の状況確認を例年よりも多く設けることにしました。また、安全への意識や「チーム

全員で活動をしている」という意識をより一人ひとりが持つことや、チーム内での学年

の枠を越えたコミュニケーションを大切にしていきたいと思います。チームメンバーか

らアドバイザーの先生方、上級生から下級生、下級生から上級生への「報告・連絡・相

談」を普段から身に付ける体制を目指して活動して参ります。

Page 15: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

5. 2014 年度行事(2013 年 9 月中旬~2014 年 9 月上旬)

■2013 年 9 月 14 日・・・・・・・・・キッズものづくりワンダーランド

■2013 年 9 月 21 日・・・・・・・・・静的審査公聴会(プレゼンテーション)

■2013 年 9 月 22 日・・・・・・・・・電気で動くのりものフェスタ in 福田漁港

■2013 年 10 月 12~13 日・・・・・・関東支部走行会

■2013 年 10 月 13~14 日・・・・・・EV 展示&セグウェイ試乗 in エコパ

■2013 年 10 月 16 日・・・・・・・・デザインレビュー0

■2013 年 10 月 19 日・・・・・・・・学生委員会・参戦報告会

■2013 年 10 月 22~25 日・・・・・・自動車技術会秋季大会

■2013 年 11 月 09~10 日・・・・・・学生フォーミュラデモラン(鈴鹿サーキット)

■2013 年 11 月 19 日~12 月 01 日・・東京モーターショーEV 展示

■2013 年 11 月 23 日・・・・・・・・基礎技術交流会Ⅲ

■2013 年 11 月 23~24 日・・・・・・御前崎産業祭

■2013 年 11 月 24 日・・・・・・・・富士スプリントカップ

■2013 年 11 月 30 日・・・・・・・・静的交流会,車検講習会

■2013 年 12 月 14 日・・・・・・・・基礎技術交流会Ⅳ

■■2013 年 12 月 15 日・・・・・・・スズキ支援校合同勉強会

■2013 年 12 月 16 日・・・・・・・・榛葉鉄工所様 2014 年度支援打ち合わせ

■2013 年 12 月 17 日・・・・・・・・小楠金属工業所様大会報告・2014 年度支援願い

■2013 年 12 月 18 日・・・・・・・・ダイキン工業大会報告・2014 年度支援願い

■2013 年 12 月 25 日・・・・・・・・デザインレビュー1

■2013 年 1 月 4 日・・・・・・・・・チーム内、「走り初め」

■2014 年 1 月 11 日・・・・・・・・・チームエントリー

■2014 年 1 月 25 日・・・・・・・・・中部学術研究講演会、学生委員会

■2014 年 3 月・・・・・・・・・・・エコパ走行会

■2014 年 4 月下旬 ・・・・・・・・中部支部学生委員会

■2014 年 4 月下旬・・・・・・・・・新生ものづくりセミナー

■2014 年 5 月中旬・・・・・・・・・エコパ走行会

■2014 年 5 月 26 日・・・・・・・・IA レポート,等価構造

■2014 年 6 月下旬・・・・・・・・・エコパ走行会

■2014 年 6 月中旬・・・・・・・・・コストレポート,デザインレポート提出

■2014 年 7 月中旬・・・・・・・・・エコパ走行会

■2014 年 8 月上旬・・・・・・・・・富士走行会

■2014 年 8 月 23 日・・・・・・・・基礎技術交流会(プレゼンテーション審査模擬)

■2014 年 9 月 02~06 日・・・・・・第 12 回全日本学生フォーミュラ大会

■・・・・・大会関係 ■・・・・・走行会

■・・・・・イベント ■・・・・・勉強会

■・・スポンサー関係 ■・・・チーム内行事

Page 16: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

6.2014 年度チームメンバー紹介

●宮野 公美子 ●千頭和 優斗 ●石井 はるか

チームリーダー兼 サスペンション班リーダー サスペンション班 兼

マネジメントリーダー 機械工学科 2年 マネジメント

機械工学科 3年 機械工学科 1年

●見原 滉ニ ●佐藤 樹 ●川合 貴士

サブリーダー 兼 パワートレイン班リーダー シャシー班 兼

インテリア/エクテリア 兼マネジメント マネジメント

班リーダー 機械工学科 2年 機械工学科 1年

機械工学科 3年

●外山 祐輔 ●鈴木 一史 ●杉山 尚也

フレーム班リーダー インテリア/エクテリア班 インテリア/エクステリア班

機械工学科 2年 機械工学科 2年 兼 マネジメント

機械工学科 1年

Page 17: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

●鈴木 和輝 ●高橋 秀仁 ●堀江 貴博

サスペンション班 インテリア/エクステリア班 フレーム班

機械工学科 1年 機械工学科 1年 機械工学科 1年

●鈴木一輝 ●高林 賢太 ●松本 和也

パワートレイン班 電装班 電装班 兼

機械工学科 1年 機械工学科 1年 マネジメント

機械工学科 1年

●鈴木 恭介 ●竹内 佑真 ●望月 拓也

パワートレイン班 兼 パワートレイン班 パワートレイン班

マネジメント 機械工学科 1年 機械工学科 1年

機械工学科 1年

Page 18: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

●山本 匠 ●木村 駿吾 ●和田 裕人

パワートレイン班 兼 サスペンション班 パワートレイン班

マネジメント 機械工学科 1年 機械工学科 1年

機械工学科 1年

〈お世話になっている先生方〉

土屋 高志 先生 高林 新治さん

機械工学科 准教授 情報センター課長

自動車部顧問 FA(フィディカル・アドバイザー)

お二人には、日々の活動の監督やご指導ご鞭撻を頂いております。

Page 19: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

7.2014 年度チーム体制

上級生がマシン設計・製作のセクションごとに各パート(班)リーダーとなり、全員が

マシン設計・製作班に分かれて活動しています。それぞれのマシン製作班に属しながら、

静的審査で審査対応の主体となる担当を割り振り、動的審査、静的審査両方に関われる

ような体制をとります。また、チームマネジメントの為のマネジメント班を設定し、各

マシン製作班から一人以上メンバーを兼任させてマネジメントについても1、2人では

なく、班として活動でき、上級生から下級生に伝達・伝承出来る形をとります。

以上が2014年度のチーム企画書となります。

Page 20: 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト Team proposal.pdf2. 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクトについて 静岡理工科大学フォーミュラプロジェクト(以下、本学チーム)は、2006

ご協賛いただいているスポンサーの皆様 ※順不同

関ものづくり研究所