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図形の性質 数学 IA 補完ノート 2013 11 20

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図形の性質

数学 I・A補完ノート

2013 年 11 月 20 日

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第4章 図形の性質

4.1 内分と外分

線分ABについて,点 PがABの中にあり,AP : PB = m : nのとき,点 Pは線分ABをm : nに内分するとい

う.また,点Qが線分ABの延長にあり,AQ : QB = m : nのとき,点Qは線分ABをm : nに外分するという.

4.2 平行線と辺の比

一般に△ABCについて,辺AB,AC上またはその延長上にそれぞれ点 P,Qがあるとき,次の事柄が成り立つ.� �定理 4.1

△ABCについて,辺 AB,AC上またはその延長上にそれぞれ点 P,Qがあるとき,

1. PQ // BC ⇐⇒ AP : AB = AQ : AC

2. PQ // BC ⇐⇒ AP : AB = AQ : QC

3. PQ // BC =⇒ AP : AB = PQ : BC� �

1

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4.3. 角の二等分線と辺の比 2

4.3 角の二等分線と辺の比

三角形の内角や外角の二等分線と辺の比のついて,次のことがらが成り立つ.� �定理 4.2

△ABCの ∠Aの二等分線と辺 BCとの交点を Pとすると,

BP : PC = AB : AC

定理 4.3

△ABCにおいて,AB ̸= ACのとき,∠Aの外角の二等分線と辺 BCの延長との交点を Qとすると,

BQ : QC = AB : AC� �定理 4.2の証明:

辺 BAの延長上に AP // DCとなる点 Dを取ると,

BP : PC = BA : AD · · · · · · (1)

∠ADC = ∠BAP,∠ACD = ∠CAP

ここで,∠BAP = ∠ACDだから,

∠ADC = ∠ACD

したがって,

AC = AD · · · · · · (2)

(1),(2)より,BP : PC = AB : AC ■

4.4 三角形の外心

三角形の 3頂点をとおる円をその外接円といい,円の中心を外心という.� �定理 4.4

三角形の各辺の垂直二等分線は 1点で交わる.� �定理 4.4の証明:

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4.5. 三角形の内心 3

△ABCの辺 AB,BCの垂直二等分線の交点を Oとすると,

OA = OB, OB = OC

だから,

OA = OC

したがって,Oは辺 CAの垂直二等分線上にもある.

すなわち,3本の垂直二等分線は 1点 Oで交わる.■

4.5 三角形の内心

三角形の 3辺に接する円をその内接円といい,その中心を内心という.� �定理 4.5

三角形の内角の二等分線は 1点で交わる.� �定理 4.5の証明:

∠Aと ∠Bの二等分線の交点を Oとする.また,Oから三角形の各辺へ下した垂線の足を図のように

D,E,Fとする.このとき,

OE = OF, OE = OD

したがって,

OD = OF

よって,Oは ∠Cの二等分線上にもある.■

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4.6. 三角形の重心 4

また,三角形の面積は内接円の半径と各辺の長さで,次のように表せる.� �定理 4.6

△ABCの面積を S,内接円の半径を rとすると,

S =1

2r(BC + AC + AB)� �

4.6 三角形の重心

三角形の各頂点から向かい側の辺の中点を結んだ線分を中線という.また,3本の中線に対して,次のことが言

える.� �定理 4.7

三角形の三本の中線は 1点で交わり,その点によって,2 : 1に分けられる.� �定理 4.7の証明:三角形の BC,CA,ABの中点をD,E,Fする.まず,2本の中線 BE,CFを考え,その交点

を Gとする.中点連結定理により,

FE // BC, BC : FE = 2 : 1

で,△GBCと△GEFは相似で,相似比が 2 : 1である.よって,Gは 2 : 1に分ける点である.

次に,中線 BE,ADの交点を Hとすると,同様に Hは BEを 2 : 1に分ける点である.すなわち Gと Hは一

致する.■

4.7 三角形の五心

三角形の各頂点から,向かいの辺に下した垂線の交点を垂心,三角形の 1つの内角と,2つの外角の二等分線の

交点を傍心という.傍心を中心として三角形の一つの辺と 2つの辺の延長に接する円を傍接円という.さらに,傍

心は全部で 3つある.また,外心,内心,重心,垂心,傍心を合わせて,三角形の五心という.三角形の五心はま

とめると次のようになる.

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4.8. メネラウスの定理 5

� �外心 三角形の各辺の垂直二等分線の交点.三角形の外接円の中心.

内心 三角形の内角の二等分線の交点.三角形の内接円の中心.

重心 三角形の 3本の中線の交点.

垂心 三角形の各頂点から,向かいの辺に下した垂線の交点.

傍心 三角形の 1つの内角と,2つの外角の二等分線の交点.三角形の傍接円の中心.� �また,正三角形の重心,内心,外心,垂心について次の定理が成り立つ.� �定理 4.8

重心,外心,内心,垂心のうち,どれか 2つが一致する三角形は正三角形である.� �

4.8 メネラウスの定理

△ABCの辺 CA,BC,ABまたはその延長が三角形の頂点を通らない 1つの直線 ℓと,それぞれ点 P,Q,R

で交わるとき,次のメネラウスの定理が成り立つ.� �△ABCの辺 CA,BC,ABまたはその延長が三角形の頂点を通らない 1つの直線 ℓと,それぞれ点 P,Q,R

で交わるとき,AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

なお,直線 ℓは三角形と共有点を持たなくてもよい.� �

(証明)

点 Cを通り,lと平行な直線と,ABとの交点を Dとする.平行線と線分の比の関係から,

RD : AR = CQ : QA ⇐⇒ AR · CQ = RD ·QA

⇐⇒ AR

RD· CQQA

= 1

RB : RD = BP : PC ⇐⇒ RD · BP = RB · PC

⇐⇒ RD

RB· BPPC

= 1

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4.9. チェバの定理 6

これより, (AR

RD· CQQA

)·(RD

RB· BPPC

)=

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

また,メネラウスの定理の逆も成り立つ.� �△ABCの 3辺 BC,CA,ABまたはその延長上にそれぞれ点 P,Q,Rがあり,この 3点のうちの 1つまた

は 3つが辺の延長上にあるとき (P,Q,Rのうち,三角形の辺上にある点が 0個または 2個のとき),

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

が成り立てば,3点 P,Q,Rは同一直線上にある.� �

4.9 チェバの定理

メネラウスの定理が成り立っている事を用いて,次のチェバの定理も成り立つ事を確認しよう.� �△ABC の各頂点と,三角形の内部の任意の点Oを通る直線について,その直線と各頂点についての対辺との

交点をそれぞれ P,Q,Rとするとき,次の等式が成り立つ.

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

なお,点 Oが三角形の外部にある場合もこの定理は成り立つ.� �

(証明)

△ABPと直線 CRについて,メネラウスの定理を適用すると,

AR

RB· BCCP

· POOA

= 1

同様に,△APCと直線 BQにメネラウスの定理を適用すると,

AO

OP· PBBC

· CQQA

= 1

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4.10. 円周角の定理 7

したがって, (AR

RB· BCCP

· POOA

)·(AO

OP· PBBC

· CQQA

)=

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

また,メネラウスの定理同様に,チェバの定理もその逆が成り立つ.� �△ABCの 3辺 BC,CA,ABまたはその延長上にそれぞれ点 P,Q,Rがあり,この点の 1つまたは 3つが

三角形の辺上にあるとき,AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

が成り立ち,BQと CRが交わるなら,AP,BQ,CRは 1点で交わる.� �ここに書いたチェバの定理の逆は BQと CRが交わっているという制約を加えている.実際は BQと CRは必ず

交わっている必要はなく,△ABCの 3辺 BC,CA,ABまたはその延長上にそれぞれ点 P,Q,Rがあり,この

点の 1つまたは 3つが三角形の辺上にあるとき,

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

が成り立てば,AP,BQ,CRは 1点で交わるか,共に平行であるとしてもよい.

4.10 円周角の定理

既に知られている通り,次の円周角の定理が成り立つ.� �定理 4.9

1つの弧に対する円周角の大きさは一定であり,その弧に対する中心角は円周角の 2倍である.� �

また,円周角の定理の逆も成り立つ.� �定理 4.10

4点,A,B,P,Qについて,点 P,Qが直線 ABに関して同じ側にあって,

∠APB = ∠AQB

ならば,4点 A,B,P,Qは同一円周上にある.� �

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4.11. 円に内接する四角形の性質 8

4.11 円に内接する四角形の性質

一般に,多角形すべての頂点が 1つの円周上にあるとき,その多角形は円に内接するといい,その円を多角形

の外接円という.

三角形は必ず円に内接するが,三角形以外の多角形は必ずしも内接するとは限らない.ここでは円に内接する

四角形についてその性質を考えてみよう.

四角形について,1つの内角に向かい合う内角をその内角の対角という.円に内接する四角形について,次の定

理が成り立つ.� �定理 4.11

1. 四角形の対角の和は 180̊ である.

2. 四角形の内角は,その対角の外角に等しい.� �

定理 4.11の証明:

四角形 ABCDが円に内接するとき,

∠DAB = α, ∠BCD = β

とすると,

(

BADに対する中心角は 2α,

(

BCDに対する中心角は 2β である.

2α+ 2β = 360̊

だから,

α+ β = 180̊

よって,定理 4.11の 1.は成り立つ.

また,頂点 Cにおける外角を ∠DCEとすると

∠DCE = 180̊ − β

これは,αと等しい.したがって,定理 4.11の 2.も成り立つ. ■

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4.12. 四角形が円に内接するための条件 9

4.12 四角形が円に内接するための条件

定理 4.11の逆も成り立つ.� �定理 4.12

1. 1組の対角の和が 180̊ である四角形は円に内接する.

2. 1つの内角が,その対角の外角に等しい四角形は円に内接する.� �なお,この定理の 1.と 2.同値である.なので,証明は 1.を証明すればよい.

定理 4.12の証明:

△ABCの外接円上の図のような点 Bを含まない

(

AC上に点 D′ を取る.このとき,四角形 ABCD′ は

円に内接するから,

∠ABC+ ∠CD′A = 180̊

ここで,

∠ABC+ ∠CDA = 180̊

ならば,

∠CDA = ∠CD′A

となり,円周角の定理の逆により,Dも△ABCの外接円上にある.つまり,4点 A,B,C,Dは同

一円周上にある.■

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4.13. 円の接線 10

4.13 円の接線

円 Oの周上を通る点 Aで接する直線 ℓについて,次のことが成り立つ.� �定理 4.13

直線 ℓが点 Aで接する⇐⇒ OAと ℓは垂直� �

また,円の外部にある 1点から一つの円に対して,接線は 2本引くことができる.円の外部の 1点から円に接

線を引いたとき,外部の 1点と接点の間との距離を接線の長さという.また,円の接線に対して,次のことが成

り立つ.� �定理 4.14

円の外部の 1点からその円に引いた 2本の接線の長さは等しい.� �

4.14 円の接線と弦の作る角

円の接線と弦が作る角について,次のことが成り立つ.

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4.14. 円の接線と弦の作る角 11

� �定理 4.15

円 Oの弦 ABと,その端点 Aにおける接線 ATが作る角 ∠BATは,その角の内部に含まれる(

AB に対する

円周角 ∠ACBに等しい.� �

定理 4.15の証明:

1. ∠BATが鋭角のとき

円Oの周上に,ADが円Oの直径となるように点Dをとる.このとき,ADとATは垂

直で,∠ABD = 90̊ である.したがって,

∠BAT = 90̊ − ∠BAD

∠ADB = 90̊ − ∠BAD

したがって,

∠BAT = ∠ADB

∠ACBと ∠ADBは

(

ABに対する円周角であるから,

∠ADB = ∠ACB

よって,

∠BAT = ∠ACB

2. ∠BATが直角のとき

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4.14. 円の接線と弦の作る角 12

ABは直径で,その円周角は直角で,なおかつ中心から接線へ引いた直線は垂直に交わ

ることから明らか.

3. ∠BATが鈍角のとき

Gを TAの Aを超える位置にとる.このとき,

(

BCAに対する円周角として図のように

Dをとると,∠ADBは鋭角で

∠BAG = ∠ADB

∠ACB+ ∠ADB = 180̊

∠BAG+ ∠BAT = 180̊

よって,∠BAT = ∠ACB.■

さらに定理 4.15の逆も成り立つ.� �定理 4.16

円 Oの

(

ABと半直線 ATが直線 ABの同じ側にあって,

(

ABに対する円周角 ∠ACBが ∠BATに等しいとき,直線 ATは円 O上の点 Aにおける接線である.� �

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4.15. 方べきの定理 13

定理 4.16の証明:

直線 AOと円の交点で,点 Aでない点を Dとする.条件より

∠ACB = ∠BAT

(

ABの円周角に対して

∠ACB = ∠ADB

よって,

∠BAT = ∠ADB

線分 ADは円の直径で,∠DBA = 90̊ である.よって,

∠ADB+ ∠DAB = 90̊

以上のことより,

∠DAB+ ∠BAT = ∠DAT = 90̊

したがって,直線 ATは円 O上の点 Aにおける接線である.■

4.15 方べきの定理

円の 2つの弦に対して,次の方べきの定理が成り立つ.� �定理 4.17 (方べきの定理 I)

円 Oの二つの弦 AB,CDの交点,もしくはそれらの延長との交点を Pとする.このとき,

PA · PB = PC · PD� �

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4.15. 方べきの定理 14

定理 4.17の証明:

△PACと△PDBについて,

∠APC = ∠DPB, ∠PAC = ∠PDB

2組の角が等しいから,△PACと△PDBは相似で

PA : PD = PC : PB

すなわち,

PA · PB = PC · PD

である.■

円とその円周上にない点 Pが与えられたとき,Pを通る直線と円の 2交点を A,Bとすると,線分の長さの積

PA · PBの値が直線の引き方によらず一定であり,その値は Pの位置と円で決まる.この一定の値を,この円に

関する点 Pの方べきという.

また,方べきの定理として,次のことも成り立つ.

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4.16. 方べきの定理の逆 15

� �定理 4.18 (方べきの定理 II)

円の外部の点 Pから円に引いた接線の接点を Tとする.また,点 Pを通る直線がその円の異なる 2点 A,B

で交わるとき

PT2 = PA · PB� �

4.16 方べきの定理の逆

方べきの定理の逆も成り立つ.� �定理 4.19 (方べきの定理 Iの逆)

平行でない二つの線分 ABと CDもしくはそれらの延長が点 Pで交わるとき

PA · PB = PC · PD

が成り立つならば,4点 A,B,C,Dは同一円周上にある.� �

定理 4.19の証明:

PA · PB = PC · PD

が成り立つから,

PA : PD = PC : PB

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4.17. 2つの円の位置関係 16

また,対頂角が等しいから

∠CPA = ∠DPB

したがって,△PACと△PDBは相似で,

∠PAC = ∠BDP

円周角の定理の逆から,4点 A,B,C,Dは同一円周上にある. ■� �定理 4.20 (方べきの定理 IIの逆)

線分 ABの延長上に点 Pがあり,直線 AB上ない点 Tについて,

PT2 = PA · PB

が成り立つとき,PTは△TABの外接円に接する.� �

定理 4.20の証明:

△PTAと△PBTについて,∠TPA = ∠BPT

PT2 = PA · PB

であるから

PA : PT = PT : PB

すなわち,△PTAと△PBTは相似である.したがって,

∠PTA = ∠PBT

よって,PTは△TABの外接円において接する.

4.17 2つの円の位置関係

半径が異なる 2つの円の位置関係には次の場合がある.

1. 一方が他方の外部にある場合.

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4.17. 2つの円の位置関係 17

2. 一方が他方の外部で接する.

3. 異なる 2点で交わる.

4. 一方が他方の内部で接する.

5. 一方が他方の内部にある.

半径が r′ > rである二つの異なる円について,中心間の距離を dとする.このとき dは 2つの円の位置関係によ

り,次の表のような関係がある.

2つの円の位置関係 中心間の距離と半径の関係

1.一方が他方の外部にある d > r′ + r

2.一方が他方の外部で接する d = r′ + r

3.異なる 2点で交わる r′ − r < d < r′ + r

4.一方が他方の内部で接する d = r′ − r

5.一方が他方の内部にある d < r′ − r

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4.18. 共通接線 18

4.18 共通接線

2つの円に一つの直線が接しているとき,この直線を 2つの円の共通接線という.共通接線の本数は 2つの円の

位置関係によって,次のように決まる.

1. 共通接線が 4本 (一方が他方の外部にある).

2. 共通接線が 3本 (一方が他方の外部で接する).

3. 共通接線が 2本 (異なる 2点で交わる).

4. 共通接線が 1本 (一方が他方の内部で接する).

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4.19. 垂線と角の二等分線の作図 19

5. 共通接線がない (一方が他方の内部にある).

4.19 垂線と角の二等分線の作図

定規とコンパスを用いて,

1. 与えられた 2点を通る直線を引くこと.

2. 与えらえた 1点を中心として,与えられた半径の円を描くこと.

のみで,与えられた条件を満たす図形を描くことを作図という.すなわち,この 2つの方法のみで直線や円を描

き,それらの直線や円との交点を逐次求めていくことである.したがって,2枚の三角定規を滑らせて平行線を描

くことは,上の意味での作図ではない.

垂線と角の二等分線の作図の方法を確認しておこう.これらの作図は全ての基本となる.

1. 直線 ABと AB上にない点 Pを通る ABと垂直な直線の作図

(a) 点 Pを中心として任意の半径の円を描く.

(b) この円と直線 ABとの交点から同じ半径の円を描く.

(c) (b)で描いた円の交点と点 Pを結ぶ.

2. 角の二等分線の作図

(a) 点 Aを中心として,任意の半径の円を描く.

(b) この円と直線 AB,ACとの交点から同じ半径の円を描く.

(c) (b)で描いた円の交点と点 Aを結ぶ.

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4.20. 平行線の作図 20

4.20 平行線の作図

直線 AB上にない点 Pを通り,ABに平行な直線の作図をしてみよう.

1. 点 Pを通り,直線 ABに垂直な直線を引く.

2. 引いた直線に垂直な点 Pを通る直線を引く.

このような手順で作図した直線は ABと平行な直線である.

4.21 内分点と外分点の作図

平行線の比に関する性質を利用して,線分を内分する点や外分する点を作図してみよう.

• 線分 ABを 3 : 1に内分する点を作図する.

1. 点 Aを通り,ABと平行でない直線 ℓを引く.

2. ℓ上に 3 : 1になるような点 C,Dを取る.

3. 点 Cと点 Bを結ぶ

4. 点 Dを通り,BCと平行な直線と ABとの交点 Pが 3 : 1に内分する点である.

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4.22. 指定された長さの線分の作図 21

4.22 指定された長さの線分の作図

長さが指定されている線分の作図について,考えてみよう.

• 長さ 1の線分 ABと,長さ a,bの線分が与えられたとき,長さb

aの線分を作図する.

1. 点 Aを通り,直線 ABとは異なる直線を引く.

2. 長さが AC = a,CD = bとなるような点 C,Dをとる.

3. Dを通り,BCに平行な直線を引き,直線 ABとの交点を Eとする.このとき,線分 BEは

AB : BE = a : b

つまり,

1 : BE = a : b

なので,BE =b

aである.

• 長さ 1の線分 ABと,長さ aの線分が与えられたとき,長さ√aの線分を作図する.

1. ABの延長上に BC = aとなる点 Cを取る.

2. 直径 ABの円を描く.

3. 点 Bを通り ACと垂直な直線を作図する.

4. この直線と円の交点を D,Eとすると,BD =√aである.

これは,弦 DEの垂直二等分線は直線 ABで,方べきの定理より,

BD2 = AB · BC

= a

である.よって,BD =√aとなる.

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4.23. 空間上の 2直線の位置関係 22

4.23 空間上の2直線の位置関係

空間上にある 2つの直線の位置関係には次のものがある.

1. 1点で交わる.

2. 平行である.

3. ねじれの位置にある

2直線が 2点で交わるとき,できた角を 2つの直線のなす角という.また,なす角が 90̊ のとき,2つの直線は

垂直であるといい,例えば,直線 ℓとmが垂直であれば,記号で ℓ ⊥ mと書く.特に,垂直な 2直線が交わると

き,それらは直交するという.また,直線 ℓ上にない点 Pから ℓへ垂線を下したとき,ℓとその垂線の交点を垂線

の足という.さらに,次のことが成り立つ.� �平行な 2直線の一方に垂直な直線は他方にも垂直である.� �

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4.24. 直線と平面の位置関係 23

4.24 直線と平面の位置関係

直線 ℓと,平面 αの位置関係は次の 3つである.

1. ℓは α上にある.

2. 平行である.

3. 1点で交わる.

直線 ℓが,平面 α上のすべての直線に垂直であるとき,平面 αと直線 ℓは垂直である,または直交するといい,

ℓ ⊥ αと書く.また,ellを平面 αの垂線といい,次のことが成り立つ.

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4.25. 2平面の位置関係 24

� �平面 αの上にある 2つの直線m,nの双方に垂直な直線 ℓは平面 αに垂直である.� �

また,次のことも成り立つ.� �直線 ℓと平面 αがあり,ℓが α上にある平行でないmと nに垂直なとき,ℓは α上にある任意の直線に垂直

である.� �

4.25 2平面の位置関係

2つの平面 α,β には次のような関係がある.

1. 2平面が交わる.

2. 2平面は平行である.

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4.26. 三垂線の定理 25

2つの平面が交わるとき,その共有する直線を交線という.また,2つの平面 α,βが平行なとき,α // βと書く.

交わる 2平面の交線上の点から各平面上に,交線に引いた垂線のなす角を 2平面のなす角という.特に平面 α

と β が垂直なとき,2平面は垂直である,または直交するといい,α ⊥ β と書く.

また,2平面の垂直に関して次のことが成り立つ.� �直線 ℓが平面 αに垂直なとき,ℓを含む平面 β は αと垂直である.� �平面 αに垂直な直線を ℓとする.ℓを含む平面を β とすれば,ℓと αの交点から直線mをひくと,mと ℓは垂

直だから,平面 αと β も垂直である.

4.26 三垂線の定理

平面 α上に直線 ℓがあって,α上にない点A,ℓ上の点 B,ℓ上にない α上の点Oについて,次の三垂線の定理

が成り立つ.� �定理 4.21 (三垂線の定理)

1. AB ⊥ ℓ, OB ⊥ ℓ, OA ⊥ OB =⇒ OA ⊥ α

2. OA ⊥ α, OB ⊥ ℓ =⇒ AB ⊥ ℓ

3. OA ⊥ α. AB ⊥ ℓ =⇒ OB ⊥ ℓ� �

定理 4.21の 1.の証明:

AB ⊥ ℓ,OB ⊥ ℓより,直線 ℓは平面 OABに垂直だから,

OA ⊥ ℓ

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4.27. 多面体 26

また,OA ⊥ OBなので,OAは α上の交わる 2直線 ℓと OBに垂直なので,

OA ⊥ α ■

4.27 多面体

三角錐や六角柱,直方体などの多角形で囲まれる立体を多面体という.また,多面体のうち,どの 2つの頂点を

結んだ線分も多面体の中に含まれるような,へこみのない多面体を凸多面体という.また,凸多面体で,各面が合

同な正多角形で,各頂点に集まる面,辺の数が等しいものを正多面体という.正多面体には次の 5種類しかない.

平面上でいくつかの多角形の面を辺で貼りあわせてできる図形について,それぞれの多角形を面という.この

ような図形の頂点の数を v,辺の数を e,面の数を f として1,これらの関係について考えてみよう.1つの多角形

の場合は,面の数は 1,頂点の数と辺の数は等しいので

f + v − e = 1

が成り立つ.

この多角形に,もう 1つの多角形を辺で張り合わせて面を一つ増やすとき,頂点と辺の数がどのように変わる

か考えよう.

1f : face,e : edge,v : vertex の頭文字を取っている.

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4.27. 多面体 27

どの場合にも,面が一つ増える時には元の図形の 2つの頂点をつなぐ折れ線が加わるから,面が 1枚増えると,増

えた頂点の数は,増えた辺の数より 1少ない数である.つまり,増えた頂点の数を v′,増えた辺の数を e′とすると,

1 + v′ − e′ = 0

であり,

(f + 1) + (v + v′)− (e+ e′) = 1

である.これは,面の数をいくら増やしても,1枚増やすごとに,増えた頂点の数と辺の数の差は常に 1で,(面

の数) + (頂点の数)− (辺の数) = 1の関係は同様に成り立つ.

次に,空間において,凸多面体の辺の数 e,頂点の数 v,面の数 f の関係について考えてみよう.立体の頂点の

辺のつながりだけを考えて,図のような平面に表わす.

すると,元の立体を頂点と辺のつながりだけで表した平面図形は頂点の数と辺の数は変わらず,面の数は元の立

体より 1枚少ない.ここで,面の数が f 個,辺の数が e個,頂点の数が v個の凸多面体の辺と頂点のつながりだ

けで表した平面図形は,面の数が f − 1,辺の数は e,頂点の数が vで,平面上でいくつかの多角形の面を貼りあ

わせてできる図形について,(面の数) + (頂点の数)− (辺の数) = 1が成り立つから,

(f − 1) + v − e = 1

と表せる.したがって,凸多面体の面の数 f,頂点の数 v,辺の数 eについて,次のオイラーの多面体定理が成り

立つ.� �定理 4.22 (オイラーの多面体定理)

凸多面体の面の数を f,頂点の数を v,辺の数を eとするとき,

f + v − e = 2

が成り立つ.� �

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4.28. 演習問題 28

一般に凸多面体について,凸多面体の一つの頂点に集まる面の数は 3以上で,凸多面体の 1つの頂点に集まる

角の大きさの和は 360̊ より小さい.つまり,凸多面体になる正多角形の 1つの内角の大きさは 360̊ ÷ 3 = 120̊

より小さくなければならない.したがって,凸多面体の面になる正多角形は正三角形,正方形,正五角形以外に

無いことがわかる.

4.28 演習問題

1. 下の図で,線分 ABを 3 : 1に内分する点 P,外分する点 Qを図示せよ.

2. 定理 4.1で 3.の逆

AP : AB = PQ : BC =⇒ PQ // BC

は成り立たない.そのような例を 1つ挙げよ.

3. AB > ACであるような△ABCについて,定理 4.3が成り立つことを証明せよ.

4. △ABCにおいて,AB = 7,BC = 5,CA = 3とする.∠Aの内角の二等分線,外角の二等分線と直線 BC

との交点をそれぞれ D,Eとするとき,次の問いに答えよ.

(a) BD : DCを求めよ.

(b) 線分 DCの長さを求めよ.

(c) 線分 CEの長さを求めよ.

5. 鈍角三角形,直角三角形の外心の位置はどこか確かめよ.

6. 定理 4.6を証明せよ.

7. 三角形の各頂点から,向かいの辺へ下した垂線は 1点で交わることを証明せよ.なお,定理 4.4を用いて

よい.

8. △ABCにおいて,∠Aの内角と ∠B,∠Cの外角の二等分線は 1点で交わることを証明せよ.

9. 定理 4.8のうち,重心と内心が一致する三角形は正三角形になることを確かめよ.

10. AB = 3,BC = 5,CA = 4である△ABCの内心を Iとし,直線AIと辺 BCの交点をDとする.このとき,

AI : IDを求めよ.

11. △ABCの ∠B,∠Cの二等分線が辺AC,ABと交わる点を,それぞれD,Eとする.EDと BCが平行であ

るとき,△ABCは二等辺三角形であることを証明せよ.

12. △ABCにおいて,辺 ACを 2 : 1に外分する点を E,辺 ABを 1 : 2に内分する点を Fとする.直線 EFと

BCの交点を Dとするとき,BD : DCを求めよ.

13. △ABCにおいて,辺 BCに平行な直線と辺 AB,ACの交点を,それぞれD,Eとする.BE,CDの交点を

Oとすると,直線 AOは辺 BCの中点を通ることを証明せよ.

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4.28. 演習問題 29

14. メネラウスの定理の逆� �△ABCの 3辺 BC,CA,ABまたはその延長上にそれぞれ点 P,Q,Rがあり,この 3点のうちの 1つ

または 3つが辺の延長上にあるとき (P,Q,Rのうち,三角形の辺上にある点が 0個または 2個のとき),

AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

が成り立てば,3点 P,Q,Rは同一直線上にある.� �が成り立つことを証明せよ.

(ヒント)

線分 PRと線分 CAまたはその延長との交点を Q′ とすれば,メネラウスの定理より,

AR

RB· BPPC

· CQ′

Q′A= 1

が成り立つ.この事実と仮定から点 Qと Q′ が辺 CAを同じ比に分けることを言えばよい.

15. チェバの定理の逆� �△ABCの 3辺 BC,CA,ABまたはその延長上にそれぞれ点 P,Q,Rがあり,この点の 1つまたは 3

つが三角形の辺上にあるとき,AR

RB· BPPC

· CQQA

= 1

が成り立ち,BQと CRが交わるなら,AP,BQ,CRは 1点で交わる.� �が成り立つことを証明せよ.

(ヒント)

点 Q,Rの両方が三角形の辺上にあるか,または両方ともないとき,点 Pは辺 CA上にある.こ

のとき,BQと CRの交点をOとするとき,直線AOと辺 CAとの交点を P′とすれば,チェバの

定理より,AR

RB· BP

P′C· CQQA

= 1

が成り立つ.この事実と仮定から点 Pと P′ が辺 CAを同じ比に分けることを言えばよい.

16. 次の図の θの値をを求めよ.

(a)

(b)

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4.28. 演習問題 30

(c)

17. 下の図のように,AB > ACである△ABCの辺 BC上に AD = ACとなる点Dをとり,△ADCの外接円と

辺 ABとの交点を Eとする.このとき,△ADEと△ABDが相似であることを証明せよ.

18. 下の図のように,四角形 ABCDと四角形 DCFEがそれぞれ円に内接している.直線 ABと直線 EFの交点

を Pとするとき,4点 P,A,D,Eは同一円周上にあることを証明せよ.

19. 下の図において,∠DAS = ∠BAP,∠ABP = ∠CBQ,∠CDR = ∠ADS,∠DCR = ∠BCQである.このとき,4点 P,Q,R,Sは同一円周上にあることを証明せよ.

20. 定理 4.14が成り立つことをを証明せよ.

21. 円 Oは ∠Cが直角である△ABCの内接円で,各辺との接点を D,E,Fとする.BF = 10,CE = 2のと

き,AB,ACの長さを求めよ.

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4.28. 演習問題 31

22. ATは円の接線である.以下の図の xの大きさを求めよ.

(a)

(b)

23. 点 Aから円 Oに引いた 2つの接線の接点を B,Cとする.また,円 Oの

(

BC上の任意の点を Pとし,BP

が△ABCの外接円と B以外で交わる点を Dとする.このとき,AD // PCであることを証明せよ.

24. 定理 4.14が成り立つことをを証明せよ.

25. 円 Oは ∠Cが直角である△ABCの内接円で,各辺との接点を D,E,Fとする.BF = 10,CE = 2のと

き,AB,ACの長さを求めよ.

26. ATは円の接線である.以下の図の xの大きさを求めよ.

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4.28. 演習問題 32

(a)

(b) AB // CD

27. 点 Aから円 Oに引いた 2つの接線の接点を B,Cとする.また,円 Oの

(

BC上の任意の点を Pとし,BP

が△ABCの外接円と B以外で交わる点を Dとする.このとき,AD // PCであることを証明せよ.

28. 定理 4.18が成り立つことを証明せよ.

29. 以下の図の x,yの大きさを求めよ.

(a)

(b)

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4.28. 演習問題 33

30. 以下の図において,2つの円の共通な弦 ABの延長上に点 Pをとり,そこからそれぞれの円に接線を引き,

円との接点を C,Dとする.このとき,PC = PDであることを証明せよ.

31. 下の図で,円 Oと O′ の共通な接線の交点をそれぞれ A,Bとし,Oと O′ の間の距離を d,Oの半径を r,

O′ の半径を r′ とする.ただし,r < r′ である.このとき,ABを r,r′,dで表せ.

32. 下の図のように,直線は円 Oと O′ にそれぞれ A,Bで接している.円 Oの半径が 4,円 O′ の半径が 7,

OO′ = 15であるとき,線分 ABの長さを求めよ.

33. 中心間の距離が 9である 2つの円O,O′がある.円Oの半径 rと円O′の半径 r′が次のような値のとき,2

つの円の位置関係を答えよ.

(a) r = 8, r′ = 5

(b) r = 7, r′ = 2

(c) r = 4, r′ = 3

34. 下の図のように,点 Pで内接する 2つの円がある.点 Pを通る直線が 2つの円とそれぞれ A,Bおよび C,

Dで交わるとき,AB // CDであることを証明せよ.

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4.28. 演習問題 34

35. 底角が 30̊ である二等辺三角形を作図せよ.

36. 線分 ABが与えられたとき,ABを 1辺とする正方形を作図せよ.

37. 線分 ABを 4 : 1に内分する点 Pと 4 : 1に外分する点 Qを作図せよ.

38. 線分 ABの長さを 1とするとき,√3の長さの線分を作図せよ.

39. 下の長方形と同じ面積の正方形を作図せよ.

40. 立方体 ABCD− EFGHについて,次の問いに答えよ.

(a) 辺 ABとねじれの位置にある辺を答えよ.

(b) 辺 CDと平行な辺を答えよ.

(c) ABと DHのなす角を求めよ.

(d) ABと EGのなす角を求めよ.

(e) ACと FHのなす角を求めよ.

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4.28. 演習問題 35

41. 正四面体 ABCDにおいて辺 CDの中点をMとするとき,次のことを証明せよ.

(a) 辺 CDは平面 ABMに垂直である.

(b) 辺 ABと CDは垂直である.

42. 空間内の異なる平面 α,β,γ と異なる直線 ℓとmについて,次の記述のうち,常に正しいわけではないも

のを選べ.

(a) α ⊥ β, β ⊥ γ =⇒ α // γ

(b) α ⊥ β, β // γ =⇒ α ⊥ γ

(c) ℓ ⊥ m, ℓ // α =⇒ m ⊥ α

(d) ℓ // α, ℓ // β =⇒ α // β

(e) ℓ ⊥ α, ℓ // β =⇒ α ⊥ β

43. 正多面体について,次の表を完成させよ.

正多面体 面の数 面の形 1頂点に集まる面の数 頂点の数 辺の数

正四面体

正六面体

正八面体

正十二面体

正二十面体

44. オイラーの多面体定理と,多面体の一つの頂点に集まる面の数は 3以上で,凸多面体の 1つの頂点に集まる

角の大きさの和は 360̊ より小さいことを用いて,次のことを説明せよ.

(a) 一つ一つの面が正五角形であるとき,その立体は正十二面体である.

(b) 一つ一つの面が正方形であるとき,その立体は立方体である.

(c) 一つ一つの面が正三角形であるとき,その立体は正四面体,正八面体,正二十面体のいずれかである.

45. 1辺の長さが aである正四面体と正八面体の体積を求めよ.

46. 下の図は 1辺の長さが 1である立方体である.図のように,3つの各面の対角線の交点を P,Q,R,S,T,

Uとし,平面 PQR,PRS,PST,PQT,URS,UST,UTQ,UQRで切り取られた図形の体積を求めよ.

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4.28. 演習問題 36

47. 図は 1辺が aの正四面体で,各辺の中点を結ぶ平面で正四面体の 4つの角を切り落としてできた図形と元の

正四面体の体積の比を求めよ.