空間の曲面と接平面 - 九州大学(KYUSHU...

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B – p.1/18

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空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.1/18

空間の曲面と接平面[平面で定義された関数]平面の各点 P に対し実数 f(P )が唯一つ定まるとき、f(P )(又は単に f )は平面で定義された関数であるという。

平面上に原点と 軸 軸を定め点 をこの 座標を用いて と表すと は の二変数関数と考えることが出来る。

微分積分・同演習 B – p.2/18

空間の曲面と接平面[平面で定義された関数]平面の各点 P に対し実数 f(P )が唯一つ定まるとき、f(P )(又は単に f )は平面で定義された関数であるという。平面上に原点と x軸 y 軸を定め点 P をこの x-y 座標を用いて P (x, y)と表すと f(P ) = f(x, y)は x, y の二変数関数と考えることが出来る。

微分積分・同演習 B – p.2/18

空間の曲面と接平面[平面で定義された関数]平面の各点 P に対し実数 f(P )が唯一つ定まるとき、f(P )(又は単に f )は平面で定義された関数であるという。平面上に原点と x軸 y 軸を定め点 P をこの x-y 座標を用いて P (x, y)と表すと f(P ) = f(x, y)は x, y の二変数関数と考えることが出来る。

P3

-11

7

3-1

0.5

f(P)

P(x,y)3

-11

7

3-1

0.5

f(x,y)

x

y

O

微分積分・同演習 B – p.2/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.3/18

空間の曲面と接平面[平面で定義された関数のグラフ] f(P )を平面で定義された関数とするとき、空間内で P から平面に垂直に f(P )だけ(符合付で)離れた点の成す図形を f(P )のグラフとよぶ。

微分積分・同演習 B – p.4/18

空間の曲面と接平面[平面で定義された関数のグラフ] f(P )を平面で定義された関数とするとき、空間内で P から平面に垂直に f(P )だけ(符合付で)離れた点の成す図形を f(P )のグラフとよぶ。

P

f(P)

微分積分・同演習 B – p.4/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.5/18

空間の曲面と接平面[二変数関数のグラフが定める曲面]空間内に原点と、 x, y, z

軸を定め x-y 平面上の関数 f(x, y)を (x, y)の二変数関数と考えるとき、方程式 z = f(x, y)を満たす点が定める曲面はf(x, y)グラフ (つまり (x, y, f(x, y))の定める曲面)となる。

練習問題 、 、 が定める曲面の概形を求めよ。 ヒント を固定したときに 一定 の平面上に 、 、 が定める曲線を考える。

微分積分・同演習 B – p.6/18

空間の曲面と接平面[二変数関数のグラフが定める曲面]空間内に原点と、 x, y, z

軸を定め x-y 平面上の関数 f(x, y)を (x, y)の二変数関数と考えるとき、方程式 z = f(x, y)を満たす点が定める曲面はf(x, y)グラフ (つまり (x, y, f(x, y))の定める曲面)となる。[練習問題] z = x2 + y2、z = x2 − y2、z = xy が定める曲面の概形を求めよ。

ヒント を固定したときに 一定 の平面上に 、 、 が定める曲線を考える。

微分積分・同演習 B – p.6/18

空間の曲面と接平面[二変数関数のグラフが定める曲面]空間内に原点と、 x, y, z

軸を定め x-y 平面上の関数 f(x, y)を (x, y)の二変数関数と考えるとき、方程式 z = f(x, y)を満たす点が定める曲面はf(x, y)グラフ (つまり (x, y, f(x, y))の定める曲面)となる。[練習問題] z = x2 + y2、z = x2 − y2、z = xy が定める曲面の概形を求めよ。 (ヒント) z を固定したときに z =(一定)の平面上に z = x2 + y2、z = x2 − y2、z = xy が定める曲線を考える。

微分積分・同演習 B – p.6/18

空間の曲面と接平面[二変数関数のグラフが定める曲面]空間内に原点と、 x, y, z

軸を定め x-y 平面上の関数 f(x, y)を (x, y)の二変数関数と考えるとき、方程式 z = f(x, y)を満たす点が定める曲面はf(x, y)グラフ (つまり (x, y, f(x, y))の定める曲面)となる。[練習問題] z = x2 + y2、z = x2 − y2、z = xy が定める曲面の概形を求めよ。 (ヒント) z を固定したときに z =(一定)の平面上に z = x2 + y2、z = x2 − y2、z = xy が定める曲線を考える。

x

y

z

微分積分・同演習 B – p.6/18

空間の曲面と接平面

z

x

y

z=x +y2 2

微分積分・同演習 B – p.7/18

空間の曲面と接平面

x

y

z

z=x -y2 2

微分積分・同演習 B – p.8/18

空間の曲面と接平面

x

y

z

z=xy

微分積分・同演習 B – p.9/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.10/18

空間の曲面と接平面[二変数関数の一次関数による近似] x-y 座標を定められた平面で定義された関数 f(x, y)について、

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

が成り立つならば、 を の近くで一次関数

で近似すると、 が に近付くとき「余り」は の一次式より速く に近付く。 即ち

が 空間内に定める曲面は が定める曲面のでの接平面の方程式である。

微分積分・同演習 B – p.11/18

空間の曲面と接平面[二変数関数の一次関数による近似] x-y 座標を定められた平面で定義された関数 f(x, y)について、

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

が成り立つならば、

を の近くで一次関数

で近似すると、 が に近付くとき「余り」は の一次式より速く に近付く。 即ち

が 空間内に定める曲面は が定める曲面のでの接平面の方程式である。

微分積分・同演習 B – p.11/18

空間の曲面と接平面[二変数関数の一次関数による近似] x-y 座標を定められた平面で定義された関数 f(x, y)について、

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

が成り立つならば、 f(x, y)を (x0, y0)の近くで一次関数f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0)

で近似すると、(x, y)が (x0, y0)に近付くとき「余り」R(x, y)は x, y の一次式より速く 0に近付く。

即ち

が 空間内に定める曲面は が定める曲面のでの接平面の方程式である。

微分積分・同演習 B – p.11/18

空間の曲面と接平面[二変数関数の一次関数による近似] x-y 座標を定められた平面で定義された関数 f(x, y)について、

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

が成り立つならば、 f(x, y)を (x0, y0)の近くで一次関数f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0)

で近似すると、(x, y)が (x0, y0)に近付くとき「余り」R(x, y)は x, y の一次式より速く 0に近付く。即ち

z = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0)

が x-y-z 空間内に定める曲面は z = f(x, y)が定める曲面の(x0, y0, f(x0, y0))での接平面の方程式である。

微分積分・同演習 B – p.11/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.12/18

空間の曲面と接平面[例] z ≡ 0 (x, y によらずに z は常に 0)は z = x2 + y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)における接平面である。(この場合一次の係数 A = B = 0)

実際、点 と原点との距離は なので

即ち のとき

練習問題 は が定める曲面の原点における接平面であることを示せ。解答例 なので

微分積分・同演習 B – p.13/18

空間の曲面と接平面[例] z ≡ 0 (x, y によらずに z は常に 0)は z = x2 + y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)における接平面である。(この場合一次の係数 A = B = 0)実際、点 (x, y)と原点との距離は

x2 + y2 なので

(x, y) → (0, 0)即ち√

x2 + y2 → 0のとき x2 + y2

x2 + y2→ 0

練習問題 は が定める曲面の原点における接平面であることを示せ。解答例 なので

微分積分・同演習 B – p.13/18

空間の曲面と接平面[例] z ≡ 0 (x, y によらずに z は常に 0)は z = x2 + y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)における接平面である。(この場合一次の係数 A = B = 0)実際、点 (x, y)と原点との距離は

x2 + y2 なので

(x, y) → (0, 0)即ち√

x2 + y2 → 0のとき x2 + y2

x2 + y2→ 0

[練習問題] z ≡ 0は z = x2 − y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)

における接平面であることを示せ。

解答例 なので

微分積分・同演習 B – p.13/18

空間の曲面と接平面[例] z ≡ 0 (x, y によらずに z は常に 0)は z = x2 + y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)における接平面である。(この場合一次の係数 A = B = 0)実際、点 (x, y)と原点との距離は

x2 + y2 なので

(x, y) → (0, 0)即ち√

x2 + y2 → 0のとき x2 + y2

x2 + y2→ 0

[練習問題] z ≡ 0は z = x2 − y2 が定める曲面の原点 (0, 0, 0)

における接平面であることを示せ。[解答例] |x2 − y2| ≤ |x2| + |y2| = |x2 + y2|なので

x2 − y2

x2 + y2

≤x2 + y2

x2 + y2→ 0 (

x2 + y2 → 0)

微分積分・同演習 B – p.13/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.14/18

空間の曲面と接平面[定義] f(x, y)が (x0, y0)で一次関数で近似できるとき

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

は で全微分可能であるという。 このとき明らかに、 は以下で求まる。

定義

を各々 の によるまたは による における偏微分係数とよぶ。

微分積分・同演習 B – p.15/18

空間の曲面と接平面[定義] f(x, y)が (x0, y0)で一次関数で近似できるとき

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

f(x, y)は (x0, y0)で全微分可能であるという。

このとき明らかに、 は以下で求まる。

定義

を各々 の によるまたは による における偏微分係数とよぶ。

微分積分・同演習 B – p.15/18

空間の曲面と接平面[定義] f(x, y)が (x0, y0)で一次関数で近似できるとき

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

f(x, y)は (x0, y0)で全微分可能であるという。 このとき明らかに、A,B は以下で求まる。

A = limx→x0

f(x, y0) − f(x0, y0)

x − x0

, B = limy→y0

f(x0, y) − f(x0, y0)

y − y0

定義

を各々 の によるまたは による における偏微分係数とよぶ。

微分積分・同演習 B – p.15/18

空間の曲面と接平面[定義] f(x, y)が (x0, y0)で一次関数で近似できるとき

f(x, y) = f(x0, y0) + A(x − x0) + B(y − y0) + R(x, y)

lim(x,y)→(x0,y0)

R(x, y)√

(x − x0)2 + (y − y0)2= 0

f(x, y)は (x0, y0)で全微分可能であるという。 このとき明らかに、A,B は以下で求まる。

A = limx→x0

f(x, y0) − f(x0, y0)

x − x0

, B = limy→y0

f(x0, y) − f(x0, y0)

y − y0

[定義]∂f

∂x(x0, y0)=lim

x→x0

f(x, y0)−f(x0, y0)

x − x0

,∂f

∂y(x0, y0)=lim

y→y0

f(x0, y)−f(x0, y0)

y − y0

を各々 f の xによるまたは y による (x0, y0)における偏微分係数とよぶ。

微分積分・同演習 B – p.15/18

空間の曲面と接平面

微分積分・同演習 B – p.16/18

空間の曲面と接平面[練習問題]次の曲面の接平面の方程式を求めよ。(1) z = x2 + y2 の点 (1, 1, 2)での接平面。(2) z = x2 − y2 の点 (1, 1, 0)での接平面。(3) z = xy の点 (1, 0, 0)での接平面。

解答例に を代入して

に を代入して

に を代入して

微分積分・同演習 B – p.17/18

空間の曲面と接平面[練習問題]次の曲面の接平面の方程式を求めよ。(1) z = x2 + y2 の点 (1, 1, 2)での接平面。(2) z = x2 − y2 の点 (1, 1, 0)での接平面。(3) z = xy の点 (1, 0, 0)での接平面。[解答例]

(1)∂z

∂x= 2x,

∂z

∂y= 2y に x = 1, y = 1を代入して

z = 2 + 2(x − 1) + 2(y − 1) = 2x + 2y − 2

に を代入して

に を代入して

微分積分・同演習 B – p.17/18

空間の曲面と接平面[練習問題]次の曲面の接平面の方程式を求めよ。(1) z = x2 + y2 の点 (1, 1, 2)での接平面。(2) z = x2 − y2 の点 (1, 1, 0)での接平面。(3) z = xy の点 (1, 0, 0)での接平面。[解答例]

(1)∂z

∂x= 2x,

∂z

∂y= 2y に x = 1, y = 1を代入して

z = 2 + 2(x − 1) + 2(y − 1) = 2x + 2y − 2

(2)∂z

∂x= 2x,

∂z

∂y= −2y に x = 1, y = 1を代入して

z = 2(x − 1) − 2(y − 1) = 2x − 2y

に を代入して

微分積分・同演習 B – p.17/18

空間の曲面と接平面[練習問題]次の曲面の接平面の方程式を求めよ。(1) z = x2 + y2 の点 (1, 1, 2)での接平面。(2) z = x2 − y2 の点 (1, 1, 0)での接平面。(3) z = xy の点 (1, 0, 0)での接平面。[解答例]

(1)∂z

∂x= 2x,

∂z

∂y= 2y に x = 1, y = 1を代入して

z = 2 + 2(x − 1) + 2(y − 1) = 2x + 2y − 2

(2)∂z

∂x= 2x,

∂z

∂y= −2y に x = 1, y = 1を代入して

z = 2(x − 1) − 2(y − 1) = 2x − 2y

(3)∂z

∂x= y,

∂z

∂y= xに x = 1, y = 0を代入して

z = (y − 0) = y微分積分・同演習 B – p.17/18

宿題

問題集191~194ページ、 (例題と演習A)

微分積分・同演習 B – p.18/18