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1 目標管理について 作成者 藤田 一枝 編集:多羅尾美智代 執筆:三木市民病院看護部

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目標管理について

作成者 藤田 一枝

編集:多羅尾美智代 執筆:三木市民病院看護部

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目標管理は正しくは「目標による管理」

組織目標を踏まえて、自らの意欲と能力に応じた自己目標を設定し、自らやる仕事を明らかにして主体的に取り組み、自ら評価して達成していくやり方

○ アメリカの経営学者ピーター・ドラッカー、ダグラス・マクレガーらに

よって提唱されたマネジメントの方法論

個人の自己実現欲求を引き出し、動機

づけをするための手段として目標を利用

ダグラス・マクレガーのX-Y理論

1.仕事は、元来大多数の人にとっていやなものである。

2.大多数の人は、仕事に抱負や責任をもたず、ただ命令されることを好む。

3.大多数の人には組織上の問題を解決するだけの想像力がない。

4.生理的欲求や安全欲求レベルでのみ、人は動機付けられる。

5.大多数の人には厳格に統制し、時には組織目標の達成を強制する必要がある。

X 理 論

ダグラス・マクレガーのX-Y理論

1.仕事は条件次第で、遊びと同じく自然で楽しいものである。

2.自治もしくは自律が、組織目標の達成に不可欠である

3.組織問題の解決に必要な創造力を、多くの人が持っている。

4.人は所属と愛の欲求、自尊欲求、自己実現欲求などの人間的欲求でも動機づけられる。

5.人は正しく動機づけされるならば、仕事の上でも自立的、創造的になれる。

Y 理 論

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群集

集団

組織

群がり集まった大勢の人・仲間意識がない

相互関係がある・目的がある

共通の目的・目標がある

組織は目的・目標達成のために作り上げられたもの

なぜ、目標管理なのか

1)目標管理の普及の経緯

・目標管理は昭和30年代にドラッカーの

「現在の経営」の出版によって紹介

・日本は、昭和39~40年の不況を境に導入

・昭和48年の石油ショック以降厳しい経営

環境下において見直し

・昭和60年頃から重要性が再認識され、

平成の時代に入っても導入する企業が多い

2)不況から脱却するための具体的方法

として目標管理を徹底 ・ 昭和39から40年の不況で、年功主義から

能力主義への転換

・ 能力主義では、能力評価や人事考課が

必要となり目標管理を導入

3)高度成長時代になって 意欲・動機づけが大きな課題

経済の高度成長

働く人々の意識の変化

進学率の上昇による高学歴化

価値観の多様化

4)バブル崩壊で平成7年以降 企業の経済低迷

年功賃金制度

能力主義・成果主義人事への切り替

目標達成度 = 業績評価

人事評価と目標管理を連動

経済の構造変化は、終身雇用、年功序列の変革を迫ることになる

5)病院も経営管理のための マネジメント手法として目標管理を導入

病院も永遠に存続は保障できない時代

医療職も、患者のことだけ考えていればいい

という時代でなくなった

漫然とした経営では成り立たたない

優秀な事務長を公募し、

看護部長を副院長への時代

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平成9年頃の看護部の概要

目標管理の導入動機

看護師の平均年齢 36.5歳

•卒後10年以上 62%

•離職率 7%

○ 現任教育の問題

○ 自己啓発の意識が低く主体的でない

○ マンネリ化した職場風土

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目標管理の導入動機

職場風土の活性化

看護の質を上げるには

主体的に取り組める 体制の構築

影響力の強い経験豊富な ベテラン看護師の

意識改革・資質の向上

・主体的に行動できる。 ・自己のやりがいに つながる。 ・職場が活性化し、生 き生き仕事ができる。

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①自分の目標が明確

②内発的モチベー ション高まる

③目標に向かって進

もうと意欲がわく

④達成感がやりがい

になって動機づけ

⑤更に高い目標に

チャレンジ

目標を持つこと

がやりがいの

出発点

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組織目標と個人目標の関連

看護部の 活動方針

所属の 年度目標

個人の 年間目標

私たちは、相互に やりがいを支援し、 専門職として自己 実現を目指します

チーム

目標

看護部理念

病院の理念

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キャリア開発と目標管理

個々のナースが、組織の目標を踏まえて各個人の能力及びライフサイクルに応じて組織の支援を受けながら、

臨床実践能力の向上に自ら取組むこと。

愛知県立看護大学 平井さよ子先生

キャリア開発とは

当院のキャリア開発の定義

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キャリアをデザインする

キャリアをデザインするとは、

節目(移行期)をデザインすること。

節目の時でさえ、デザインするという発想を、

もしももたなかったら、

一生ドリフト(漂流)したままになるかもしれない。

金井壽宏:働くひとのためのキャリア・デザイン,

PHP研究所,2002

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節目をしっかりデザインする

自分は何が得意か?

自分はいったい何がやりたいのか?

どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるのか?

≪シャインの提唱する3つの問い≫

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キャリア開発に向けた中・長期目標を 目標管理に連動

看護実践能力の向上

自己実現

組織目標の達成 やりがい

自己のライフサイクルにすり合わせて

5年後にはどの分野での強みを持つか設定

3年後はどこまで達成するか

1年間の目標に落とし込む

中長期目標の設定