出荷センター
オランダの施設園芸 と 我が国の次世代施設園芸
オランダの施設園芸
● 産学官連携によるクラスター形成。
● 機械化、ICTの活用の追求。
● トマト収量10aあたり50t以上(日本平均11t)。
● 豊富な天然ガスを活用し、熱、電気、CO2を供給。
集積された施設
自動化された生産(コチョウランを移動させる様子)
日本オランダ
日本型にアレンジ
木質バイオマス等の地域資源
ハウスの柱を太くする(台風被害を懸念)
収穫量を求めながらも食味・品質にもこだわる
天然ガス
ハウスの柱を細くする(日照量の確保)
収穫量の向上が第一の目標
<エネルギー>
<施 設>
<生 産>
次世代施設園芸
● 施設を大規模に集積し、木質バイオマス等の地域資源によるエネルギー供給から生産、調製・出荷までを一気通貫して行う拠点を整備。
● 化石燃料からの脱却を図るとともに、コスト削減や地域雇用の創出。
● ICT等他産業の知識やノウハウの活用のため、産業界と 農業界が連携。
● 高度な環境制御により周年・計画生産を実現。
農林水産省において
「次世代施設園芸導入加速化支援事業」を創設 平成25年度補正予算額:30億円
平成26年度当初予算額:20億円平成27年度予算概算要求額:63億円
★日本型へのアレンジポイント
種苗供給センター
完全人工光型植物工場 大規模な温室
先端技術導入[例]遠隔管理による大規
模施設の環境制御技術
集積された団地
先進技術導入
[例]トマトの一段密植養液栽培
エネルギー供給
種苗 木質バイオマス等の地域資源エネルギー
出荷センター
次世代施設園芸導入加速化支援事業 実施地区
7.高知県(四万十町)
トマト(4.3ha)木質バイオマス
4.静岡県(小山町)
トマト(3.2ha)ミニトマト(0.8ha)木質バイオマス
3.埼玉県(久喜市)
トマト(4ha)木質バイオマス
2.宮城県(石巻市)
トマト(1.2ha)パプリカ(1.2ha)木質バイオマス、地下水
1.北海道(苫小牧市)
イチゴ (4ha)木質バイオマス
5.富山県(富山市)
トマト(2.9ha)トルコギキョウ等花き(1.2ha)廃棄物由来燃料
6.兵庫県(加西市)
トマト(4ha)木質バイオマス
9.宮崎県(国富町)
ピーマン(2.3ha)きゅうり(1.8ha)木質バイオマス
8.大分県(九重町)
パプリカ(2.4ha)温泉熱
エネルギー供給センター
○木質バイオマス等地域の未利用エネルギーの活用。
・木質バイオマスエネルギー等、地域のエネルギーを活用し、抜本的な化石燃料からの脱却を推進。・エネルギー供給センターを設置し、団地にエネルギーを供給することで、個別のハウスに燃料を輸送する経費を削減することも可能。
種苗供給センター
○植物工場でクリーンな苗を生産。・環境が制御された苗供給センターを活用。多品目で構成される団地に年間を通じて計画的に種苗を供給。
施設園芸団地における生産
・トマトやピーマン、花き等の多品目、大規模な施設園芸団地を集結。・環境制御システムや新技術導入を行い、生産性向上。・周年雇用を実現し、地域の農地整備等、集落機能の維持にも活用。
出荷センター
・団地に出荷センターを併設。・調製・出荷コスト削減や生産情報管理による有利販売を実現。・企業と直結した出荷を実現。
ペレットボイラー
苗生産施設トマト苗
トマト レタス
収集・運搬
出荷
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ハウス団地
※高収量を実現するトマトの新たな栽培技術である一段密植養液栽培では、年間を通して苗が必要となるため、完全人工光型植物工場を活用し、クリーンで高品質な苗を計画的に生産。
林地残材
ペレット
種苗
次世代施設園芸導入加速化支援事業
エネルギー
生産技術
種苗供給
流通販売
・安定生産に良質な苗の供給が不可欠。・完全人工光型植物工場である「苗テラス」は、温度、光、CO2を制御し、20~30日で苗を生産。
・気象条件に左右されないため、計画的に、病害虫に侵されないクリーンな苗の安定供給を実現し、新たな栽培技術の要となる。
・高知県内に142台、熊本県内には60台の木質バイオマスボイラーが導入済み。今後、更なる転換を推進していく体制。(H24年度時点)・両県ともに、燃料の安定確保のため、県や原料供給業者、燃料製造業者、利用者等で構成される協議会で円滑な運営に繋げる。
●1000kcalあたり単価
A重油: 9.5円(H24年の年平均単価を基に計算)木質ペレット:9.25円前後木質チップ:4.4円前後※計算に用いたペレット、チップの価格は
高知県内に流通する単価を使用
左:チップ 右:ペレット
ペレットボイラー
・JA全農の一段密植養液栽培の様子。現在、トマトの全国平均収量は約11t/10aであるが、苗テラスを活用したこの栽培システムにより、約20t/10aを達成。・その他、栽培方法は異なるが、(株)誠和は、ハウス内の環境を制御することで、約50t/10aを達成。
・オランダでは、集約された施設に出荷センターが併設されている。
・流通コストを削減するばかりではなく、生産状況を素早く且つ正確に把握することで有利販売に繋げている。
→ 化石燃料依存からの脱却 → クリーンな苗を安定供給
→ 高収量で所得アップ → 流通コスト削減、有利販売
• 次世代施設園芸団地を実現させるためには、これらを集結させ、拠点となる地域で実証するのみ。
実際にある具体的なアプローチ例
参考①:林大臣オランダ視察(グリーンポート・ワーヘニンゲンUR)
日 時:平成25年5月31日場 所:オランダウエストランドのパプリカ農場(Valster Brothers社)、ワーヘニンゲン大学研究センター
● グリーンポートの一つであるウエストランドにおいてパプリカ農場を視察。その後、民間と連携して技術の実用化に向けた強力な産学官連携を行っているワーヘニンゲン大学研究センターを視察。
オランダの国内5カ所に設置されているグリーンポート
ウエストランドにて、パプリカ農場を視察
作業台車に乗り説明を受ける林大臣 作業者の労務管理にICTを活用 ワーヘニンゲン大学研究センターで研究内容の説明を受ける林大臣
参考②:安倍総理オランダ視察(グリーンポート)
林大臣と同じ視察先を訪問
シャロン・ダイクスマ農相の挨拶を受ける安倍総理ほか
温室で作業台車に乗る安倍総理
日 時:平成26年3月25日(火) 現地時間16:40~17:20場 所:オランダウエストランド パプリカ農場(Valster Brothers社)
● 核セキュリティサミット後、施設園芸農場を訪問。当日は、室内説明の後、パプリカを栽培する温室を視察。総理は、パプリカの試食や高所作業台に乗り温室内を一望し、天然ガスエンジンとICT技術の活用に高い関心を示された。
平成25年 資料:自由民主党政務調査会作成
9月25日 (自)花き振興法案検討作業チーム第1回会合(10/3第2回会合、10/25第3回会合、11/15第4回会合)
11月26日 (自)花き振興法案検討作業チーム第5回会合12月4日 (自)農林部会等合同会議
平成26年2月6日 (公)農林水産部会2月13日 (公)政調全体会議2月20日 (自)政調審議会2月21日 (自)総務会
与党政策責任者会議3月5日 (民)農林水産部門会議で団体ヒアリング4月8日 (民)幹部と花き関係団体との意見交換5月29日 (生)法案審査5月30日 (民)、(維)、(結)法案審査6月5日 (衆)本会議 (6/4 (衆)農林水産委員会(委員長提案、可決)) 6月20日 (参)本会議 (6/19 (参)農林水産委員会((衆)委員長趣旨説明、可決))6月27日 公布(平成26年法律第102号)
平成25年 資料:自由民主党政務調査会作成
9月25日 (自)花き振興法案検討作業チーム第1回会合(10/3第2回会合、10/25第3回会合、11/15第4回会合)
11月26日 (自)花き振興法案検討作業チーム第5回会合12月4日 (自)農林部会等合同会議
平成26年2月6日 (公)農林水産部会2月13日 (公)政調全体会議2月20日 (自)政調審議会2月21日 (自)総務会
与党政策責任者会議3月5日 (民)農林水産部門会議で団体ヒアリング4月8日 (民)幹部と花き関係団体との意見交換5月29日 (生)法案審査5月30日 (民)、(維)、(結)法案審査6月5日 (衆)本会議 (6/4 (衆)農林水産委員会(委員長提案、可決)) 6月20日 (参)本会議 (6/19 (参)農林水産委員会((衆)委員長趣旨説明、可決))6月27日 公布(平成26年法律第102号)
【参考】 花きの振興に関する法律の検討経過○(自)フラワー産業議員連盟(※)が、(自)農林部会等に花きの振興に関する法案の制定に向けた取組を要望。○これを受けて、(自)農林部会野菜・果樹・畑作物等対策小委員会の中に、坂本哲志議員(畑作小委委員長)を座長とす
る「花き振興法案(仮称)検討作業チーム」を組織し、中谷元議員(農林水産戦略調査会長)、齋藤健議員(農林部会長)、河村建夫議員(フラワー議連会長)等がメンバーとなって議員立法を検討(検討作業チーム第2回会合まで座長を務めた葉梨康弘財務大臣政務官はオブザーバーとして出席)。
※フラワー議連は、江藤隆美議員(故人)が昭和62年に設立。現在は、会長が河村建夫議員、幹事長が江藤拓農林水産副大臣。
● 世界に拡がる国産花き
● 花き産業への多くの新規参入者
● 輸入切り花の増大● 花き需要の減少
3.基本方針等
1.目的
花き産業の健全な発展と心豊かな国民生活の実現(1条)
○ 農林水産大臣は、花き産業及び花き文化の振興に関する基本方針を策定(3条)
○ 都道府県は、花き産業及び花き文化の振興に関する計画を策定(4条)
○ 国、地方公共団体、事業者、研究機関等の連携の強化(5条)
4.国及び地方公共団体の施策
【花き産業に対する施策】○ 生産者の経営の安定(6条)○ 生産性及び品質の向上の促進(7条)○ 加工及び流通の高度化(8条)○ 鮮度保持の重要性への留意(9条)○ 輸出の促進(10条)○ 種苗法の特例(13条)○ 研究開発の推進(15条)
法律背景
『農林水産業・地域の活力創造プラン』
⇒ 農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増
必要性
国際競争力の強化「国産シェアの奪還」と「輸出の拡大」
課題
花きの振興に関する法律(平成26年法律第102号)の概要
2.定義
「花き」:観賞の用に供される植物(2条1項)
「花き産業」:花きの生産、流通、販売又は新品種の育成の事業
(2条2項)【花き文化に対する施策】○ 公共施設における花きの活用の推進等
(16条1項)○ いわゆる「花育」の推進(16条2項)○ 日常生活における花きの活用の推進等
(16条3項)
【その他の施策】○ 博覧会の開催等(17条)○ 花き産業及び花き文化の振興に寄与し
た者の顕彰(18条)○ 振興計画の円滑な実施に向けた国の
援助(19条)○ 花き活用推進会議の設置(20条)
(衆)法制局作成
国産花きイノベーション推進事業
【参考】 国産花きイノベーション推進事業の取組状況26年度予算額 5億円
○ 本事業により、全国47都道府県で、花き業界関係者が一体となった協議会設立。○ 全国で関係者の連携、物流効率化、フラワーコンテスト、花育活動等を実施。○ 花き振興法とともに国内花き産業の活性化を推進。
3.国産花きの需要拡大2.国産花きの強みを活かす
生産・供給体制の強化1.花き関係者の連携
○技術交流会の開催
・リレー出荷等、産地間連携を推進するため、他県産地の生産者等との技術交流会を開催(北海道、福岡県等)
○生産技術マニュアルの作成
・他県産地とのリレー出荷を行うにあたり、品質向上・均一化を図るため生産技術マニュアルを作成(北海道、長崎県等)
○園芸資材リサイクルシステムの検討・実証
・使用済みプラ鉢、培養土のリサイクルシステムの検討・実証(新潟県、愛媛県)
・鉢物(バラ)のリサイクルシステムの検討・実証(山口県)
○物流効率化の検討・実証
・統一規格の出荷箱の試作・試験利用の検討・実証(埼玉県、香川県、長崎県等)
○花文化と併せた国産花きの情報発信
・フランスで行われる観光展において、県産花きを使った「寄せ植え華道」作品を展示・PR(岐阜県)
○フラワーコンテスト、展示会等の開催
・大型商業施設での花の祭典、アレンジコンテスト等の開催(宮崎県)
・テーブルウェアフェスティバルでのテーブル装花の展示・PR(東京都)
・ウェディングブーケデザインコンテスト(秋田県)
○学校・福祉施設等での花育体験推進
・小中学校等でのフラワーアレンジメント教室、寄植え教室(茨城県、愛知県、鹿児島県等)
・特別養護老人ホームでのフラワーアレンジメント教室(佐賀県等)
○花き振興方策等の検討
・県及び花き業界関係者が一体となった協議会において、地域の花き振興策等について検討(47都道府県)
○日持ち性向上対策の実証(全国推進事業)・切り花の日持ちを向上させるための採花
後の管理方法、出荷方法、日持ち保証販売等の実証(全国35産地・小売30社以上参加)
【参考】都道府県別花き産出額(平成24年) (単位:億円)
都道府県 産出額 主に生産されている花き 県の花 都道府県 産出額 主に生産されている花き 県の花
北 海 道 107 スターチス②、カーネーション③、ユリ ハマナス 滋 賀 12 洋ラン(鉢)、キク、バラ シャクナゲ
青 森 23 キク、トルコキキョウ、バラ リンゴ 京 都 12 バラ、花木類(鉢)、切り枝 シダレザクラ
岩 手 46 リンドウ①、キク、ユリ キリ 大 阪 19 庭園樹苗木、キク、ユリ ウメ・サクラソウ
宮 城 26 キク、バラ、洋ラン(鉢) ミヤギノハギ 兵 庫 52 カーネーション、キク、庭園樹苗木 ノジギク
秋 田 26 キク、トルコキキョウ、リンドウ フキノトウ 奈 良 42 キク、切り枝、バラ ナラのヤエザクラ
山 形 64 バラ、ストック②、ユリ ベニバナ 和 歌 山 65 スターチス①、キク、カスミソウ② ウメ
福 島 62 キク、トルコキキョウ、カスミソウ③ ネモトシャクナゲ 鳥 取 23 芝②、ストック③、パンジー 20世紀ナシ
茨 城 133 芝①、切り枝①、キク バラ 島 根 18 キク、シクラメン、トルコキキョウ ボタン
栃 木 65 キク、洋ラン(鉢)、シクラメン ヤシオツツジ 岡 山 30 洋ラン(鉢)、バラ、切り枝 モモ
群 馬 51 バラ、キク、シクラメン レンゲツツジ 広 島 30 キク、洋ラン(鉢)、バラ モミジ
埼 玉 194 ユリ①、洋ラン(鉢)③、花木類(鉢)② サクラソウ 山 口 28 キク、バラ、ユリ ナツミカン
千 葉 254 ストック①、街路樹苗木②、洋ラン(鉢) ナノハナ 徳 島 43 洋ラン①、洋ラン(鉢)、ユリ スダチ
東 京 63 切り葉①、観葉植物、シクラメン ソメイヨシノ 香 川 34 キク、花木類(鉢)、カーネーション オリーブ
神 奈 川 61 洋ラン(鉢)、バラ、パンジー② ヤマユリ 愛 媛 32 バラ、切り枝、洋ラン(鉢) ミカン
新 潟 98 ユリ②、チューリップ①、花木類(鉢) チューリップ 高 知 70 ユリ③、切り枝、トルコキキョウ ヤマモモ
富 山 10 チューリップ(球根)①、チューリップ③、デルフィニウム チューリップ 福 岡 237 庭園樹苗木①、キク③、ガーベラ② ウメ
石 川 7 キク、洋ラン(鉢)、切り枝 クロユリ 佐 賀 32 バラ、ユリ、キク クスノキ
福 井 8 キク スイセン 長 崎 77 キク、洋ラン(鉢)、カーネーション ウンゼンツツジ
山 梨 30 洋ラン(鉢)、バラ、シクラメン フジザクラ 熊 本 109 洋ラン(鉢)、カスミソウ①、キク リンドウ
長 野 152 カーネーション①、トルコキキョウ①、シクラメン① リンドウ 大 分 58 キク、バラ、スイートピー② ブンゴウメ
岐 阜 71 観葉植物、花木類(鉢)、洋ラン(鉢) レンゲソウ 宮 崎 83 洋ラン(鉢)、スイートピー①、芝③ ハマユウ
静 岡 177 ガーベラ①、バラ②、切り枝② ツツジ 鹿 児 島 140 キク、観葉植物③、ユリ ミヤマキリシマ
愛 知 608 キク①、洋ラン(鉢)①、花木類(鉢)① カキツバタ 沖 縄 94 キク②、切り葉②、洋ラン(鉢) デイゴ
三 重 76 庭園樹苗木②、観葉植物②、街路樹苗木③ ハナショウブ 合 計 3,761
資料:農林水産省「生産農業所得統計」「花木等生産状況調査」※「主に生産されている花き」欄の囲い数字は、全国における順位。上位3位までを表示。
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