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Share Styles ―覚王山シェアタウン計画― A07AB109 原田彩也子 背景 家族形態の多様化・縮小化 ライフスタイルの多様化 近隣住人とのコミュニケーションの希薄化 ライフスタイル・家族形態の多様化や縮小化により 個々が重視された住まい方へ 単身者世帯・高齢者のみ世帯など少人数世帯の増加、一般的な家族像の消失 地域交流や安全の面での問題 目的 多様なライフスタイル・変化する家族形態 「life style」×「share」=Share Styles! これからの住まい方は、「シェア」を取り入れることで多様なライフスタイルが可能になる新しい住まい方を提案する。 家族機能 ( 子育て、介護 ) の外部化や単身者世帯の増加 により、個人の自立性を重視したライフスタイルの増加へ 着眼点 シェアの定義 シェアを広い意味で捉えることで新しいシェアのスタイルを生み出す シェアとは、ものを共有すること。空間をシェアする場合、共有した者同士のコミュニティの場になる。 さらに一人で使用すればライフスタイルの拡大にもなると考えられる。 シェア空間 コミュニティの場 としての利用 個人空間拡大 としての利用

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Share Styles―覚王山シェアタウン計画―

A07AB109 原田彩也子

背景

家族形態の多様化・縮小化

ライフスタイルの多様化

近隣住人とのコミュニケーションの希薄化

ライフスタイル・家族形態の多様化や縮小化により個々が重視された住まい方へ

単身者世帯・高齢者のみ世帯など少人数世帯の増加、一般的な家族像の消失

地域交流や安全の面での問題

目的

多様なライフスタイル・変化する家族形態「life style」×「share」=Share Styles!

これからの住まい方は、「シェア」を取り入れることで多様なライフスタイルが可能になる新しい住まい方を提案する。

家族機能 ( 子育て、介護 ) の外部化や単身者世帯の増加

により、個人の自立性を重視したライフスタイルの増加へ

着眼点

シェアの定義

シェアを広い意味で捉えることで新しいシェアのスタイルを生み出す

シェアとは、ものを共有すること。空間をシェアする場合、共有した者同士のコミュニティの場になる。

さらに一人で使用すればライフスタイルの拡大にもなると考えられる。

シェア空間

コミュニティの場としての利用

個人空間拡大としての利用

分析事例研究では、「シェア」、「多様なライフスタイルに適応した形」をキーワードに 3種類の住居を分析し、シェアに関わる要素を抽出 【文献:日経アーキテクチュア 日経 BP 社 2000/05/29~2010/01/25 号/住宅特集 新建築社 2001/05~2009/06 号】

01. 事例研究1.「共同」に特徴のある集合住宅・共同住宅 2.近年のライフスタイルに対応した集合住宅 3.二世帯住宅

02. 共用の分類

コミュニティ重視機能重視

空間の共有度・低

空間の共有度・高

事例から以下のように” シェアの目的・コミュニティの有無” の違いで 4種類に分けられる

リビング型シェアホテル型シェア

客間型シェア 通路型シェア

偶然の出会い、コミュニティが生まれる。また、考え方を変えると二つの間に距離をつくることにもなる。比較的ゆるやかなつながりをつくり出す空間。

利用する人・機能が時間で変化することからホテルのようなシェア空間という。一人では得られない空間・機能を得るのが目的なため共通のある人たちが集まる。

多目的な空間であり人が集まるための空間なため、コミュニケーションがつくられやすいシェア。くつろぐ事や会話をしに人が集まるため、さまざまな人と交流ができる。

個人的空間の拡大シェア 多目的コミュニティシェア

外から招くシェア

シェアの対象を外部の人とし、外から人を招く形のシェア。カフェ・SOHOなど人を招くことでシェアが成立する。初めてこの地に来た人や、地域の人など住人以外の人との交流ができ、外に開かれたシェア空間。

つなげる通路・階段をシェア

全体計画

個 /シェア空間を層に分ける

個室

店舗などの施設で地域交流をはかる

シェア

個室

塀を取り除き路地空間をつくる 共用通路の拡大による

コミュニティ空間

リビング空間の共有

土間空間による可変性のある空間

エントランスをつなぐ専用の中庭 中庭を可変空間へ

中 庭

【住居に自由な空間を加える】

【住居に必要な要素のみを加える】

特定の機能をシェア

広い庭をシェア

→週末住宅や平日のみ利用する 住居 ( セカンドハウス)など 住まう目的を限定したもの。

世帯間に適度な距離を保つ空間のつなげ方に着目。キッチン、ダイニング、リビングなど家族が集まる場をシェアする場合が多く、各世帯の個が確立しているため世帯間をゆるやかにつなげる空間の確保が多くみられる。

キッチン

階段

中庭

ダイニング

リビング

1・2・3よりシェア空間に必要な要素を出し、計画のキーワードとする

     多様性/可変性/選択性/公共性/流動性

住居

コモン

スペース

空中

通路

まちに

開いた機能

弘法堂弘法堂 ( 移築 )

中庭

共用度

シェアタウンを 3つのゾーンに分ける AB

C

Bzone plan

Azone plan

コミュニティキッチン…各棟 ( 施設 ) に置かれ、上階に住む人が主に利用する。コモンリビング

音楽

菜園

オフィスカフェ

工房

ゲストハウス 図書空間

店舗

ギャラリー

アトリエ

子ども部屋宿泊

教室

ホールサロン

SOHOカーシェア

店舗

オフィス

キッチン

「中庭に集まるシェア」

Azone へ

Azone へ

Czone へ

弘法堂ホール1:スポーツ系の教室 を開くホール

出入り自由な休憩室

ホール2:展示、教室等で 貸し出される

コミュニティキッチン

ゲストハウス

まちに開かれた図書空間

音楽を共通に したシェア棟

居室

店舗

参道

中央に中庭を設ける。周りの施設が中庭へ向いて置かれることで利用目的が様々な人の集まる空間へ。

中庭

コミュニティキッチン

居室 居室

図書室

ホール

音楽棟

居室

ゲストハウス

店舗

中庭とのつながり

「居室を中心としたシェア」

Azone へ

Bzone へ

居室

居室

店舗

店舗

サロン

オフィス

貸し教室

コモンリビングキッチン

参道

Azone へ

店舗店参道

居室

オープンスペース(通路)

貸し教室オフィス コモンキッチン・リビング

サロン

「参道に開いたシェア」

参道

Bzone へ

Bzone へ

Czone へ

居室

店舗

店舗

カフェ

SOHO

プレイルーム

ギャラリー

アトリエ

展示

工房

宿泊施設

貸し教室

オフィス

参道

店舗

宿泊施設

コモンキッチン・リビング

カフェオフィス

工房

貸し教室

ギャラリー

SOHO

プレイルーム

アトリエ

展示

カーシェア

コモンキッチン・リビング

居室居室 居室

居室

参道方向に向けて開いたつながり

参道に沿ってオフィス、店舗などの施設を、奥に行くにつれ居室などのプライベート空間を置く。

居室居室 居室

居室

居室

居室

居室居室

コミュニティコミュニティキッチン

音楽棟

コモンキッチン・リビング

コモンキッチン・リビングコモンキッチン・リビング

アトリエ

プレイルーム

カーシェア

宿泊施設SOHO

展示

ギャラリー

貸し教室 店舗カフェ

オフィス

工房

貸し教室オフィス

サロン

図書室

ホール

店舗

ゲストハウス

単身者用居室を配置。仕事などで比較的滞在時間の短い利用者が住まう。オープンスペースにより適度な距離が保たれる。

Czone plan

空間計画シェアの対象が様々なため、高さによって公共度・共用度を分ける。中庭や空中通路によってシェア

をゆるやかにつなげる。シェアタウン内のみでコミュニティ・シェアを完結にせず、まちに開くこと

によりコミュニティを広げていく。

空中通路により他のシェア棟へ自由にアクセスできる

concept

より豊かな生活を送られるような空間のシェア。一人では得られないものを共有し、多様な生活スタイルに適応。時間によってシェアの形が変化。

ある時は…個人 ( 家族 ) で利用

ある時は…みんな ( 住人 ) で利用

ある時は…地域の人と利用

ある時は…短期で住む人も利用

Share Styles今後の多様化したライフスタイル・家族形態に対応するため、シェアの対象を家族から地域住民まで様々な人とシェアする関係を持つことが出来るように計画。

家族シェアタウン内住人

地域覚王山に訪れた人

様々な「シェア」が混在する” Share Town”

適度な距離を保つ

多世帯の居住・近居をシェア空間で考える。

シェア空間を持つことで住みやすさを生む。

共有によるコミュニティ生活の中で必要な一人では得られない

空間を共有する

公共性この地に訪れた人が利用可能な場を設け、外に開かれたまちづくりを形成する

地域交流覚王山の地域性を活かした施設の設置

現在のまちづくりを向上させる

個人

【シェアの対象・関係性】

シェアタウン内

・開放スペースによる 活動的なまちづくり

・夜間利用による安全面 からの明るいまちづくり

・覚王山へ訪れた人と地域 がつながりを持つ

・既存のイベント拡大の場の提供

ゲストハウス

教室を開く店舗の出店

教室に参加

短期で宿泊

展示する

アートに触れる

イベントを行う

休憩する本を読む

まちづくり・地域

訪問者

開放された施設の利用

空間の貸出

多世帯で住む

人を招く

周辺の学校が教室として利用

図書室

ギャラリー中庭

仕事場をつくる

友人と住居をシェアする

たまに料理をする

共通するものがある人と集まる

制作する

個人空間の拡大

コミュニティ空間をつくる

コミュニティキッチン

SOHO

アトリエ

ホール ギャラリー

多目的に利用可能な教室

中庭

site

【計画地】 名古屋市覚王山地区 日泰寺参道沿い【面積】 10809 ㎡ (a:5247 ㎡ b:3427 ㎡ c:2135 ㎡ )

1:2500

a bc

地下鉄 覚王山駅

日泰寺参道

対象敷地

日泰寺

【覚王山商店街 /日泰寺参道】 参道沿いの覚王山商店街は伝統的な商業と新たな商業 ( 飲食店、雑貨など ) が  混在したレトロな雰囲気をもつ街。また、参道を利用し毎月 21 日には弘法縁日 が行われる。参道を展示スペースとした参道ミュージアムなど外から訪れる人で にぎわい、活性化のためのまちづくりが行われている。

【覚王山の構成要素】

歴史伝統的な商業日泰寺・揚煇荘八十八か所巡り

イベント 坂の多い地形住む街 アート弘法縁日

参道ミュージアム春祭・夏祭

高低差のある土地参道沿い以外は住宅街

ものづくり手作り教室ギャラリー

伝統的な商業と新たな商業の店舗が混在し並ぶ

覚王山のまちづくり

地域に開いた部分

住居共用空間

share space→覚王山の特質と住居のシェアの 共存をはかる

【敷地読み取りからの計画】

配置図 1:1000地下鉄覚王山駅

日泰寺

日泰寺参道

Azone

Bzone

Czone

それぞれの利用を共有するシェア空間

【住戸タイプ】

ワンルームタイプ

ゲストハウス ( 個室 ) タイプ

メゾネットタイプ

/個室には浴室・トイレ・ミニキッチンが設置される面積:25~33 ㎡

/ 家族以外にも友人とシェアし住むことも可能。2階にテラス付の住戸もある。面積:70~100 ㎡

/ 個室には浴室・トイレが設置される。キッチン・リビングはシェアする。面積:15㎡

【シェアタウンを利用した多様な住み方】

二世帯の近居

コモンリビング

夫婦 夫婦+子

友人との近居

私 友人

→ それぞれメゾネットタイプに住み、食事の時にキッチン ( シェア空間 ) を利用

→ 二人でメゾネットタイプをルームシェア。もしくは別々に住むことで、コモンリビングのコミュニティが広がる。

同じ生活スタイルの人とコミュニティをつくる

私タウン内の住人

→ 日中は外出しており、シェア空間の利用は夜間の方が多い。そういった同じ生活スタイルの人々が偶然居合わせ自然なコミュニティをつくる。

広いキッチンを利用

家族同士での近居

夫婦+子 夫婦 +子

→ たまに広いキッチン ( シェア空間 ) を利用し料理をしてみる。開講していた料理教室に興味を持ち、参加してみる。

→ それぞれメゾネットタイプに住み、SOHO・プレイルーム ( シェア空間 ) を利用。

体験で住む

私 ゲストハウス

これから住み始める

→ 住む場所を探しており、まちの雰囲気をつかむ為地域との交流ができるゲストハウスに短期で住んでみる。

→ 覚王山に住み始めるので、初めての地になじめるよう住む。

夫婦+子私

タウン内の住人

【メリット】

コミュニティキッチン( 料理教室 )

菜園

案内所兼カフェ

カーシェア(Bzone  シェアシーンへ )

(Bzone シェアシーンへ )

(Azone シェアシーンへ )

(Bzone シェアシーンへ )(Azone  シェアシーンへ )

(Azone シェアシーンへ )

(Azone シェアシーンへ )プレイルーム (Azone シェアシーンへ )

既存店舗の利用拡大

Bzone 2 階平面図 S=1:300

Bzone 1階平面図 S=1:300Bzone 3 階平面図 S=1:300

Bzone 4 階平面図 S=1:300

B zone シェアシーン

参道沿いの休憩室×シェア覚王山へ訪れた人も自由に休憩ができる場/弘法堂が隣接されており、また毎月行われる縁日の時には参拝者が集まる場となる。

ホール×シェア中庭に開いたホール /展示室、教室利用を目的とし、短期的に貸すかたちのシェア。大空間なので幅広く利用できる。

展示×ホール

講演会×ホール

ヨガ教室×ホール

コミュニティキッチン×シェアまちに開かれたキッチン/住人が食事・調理空間の拡大利用料理教室など短期的に貸す事も出来る。

ゲストハウス短期滞在のシェア

ホール×シェア中

弘法堂

音楽×シェア音楽を身近に感じられるシェア棟/ 1階のリビングに演奏する場を設ける。中庭によって開放されており参道ミュージアムなどのイベント時には小さなコンサート会場に変化する。

参道側

料理教室

利用していると住人と会う

↑仕切りによって 3つに分けられ、教室利用時も使うことができる利用中

ホール裏にある小さな図書館/上階の居室は単身者用でコモンリビングも置かれているが、図書館もリビングのように気軽に寄ることも出来る。

まちの図書館×シェア

Azone 1 階平面図 S=1:300

Azone 2 階平面図 S=1:300

A zone シェアシーン

01 手作り教室×シェア

02 店舗・教室×シェア

手作り教室を兼ねている店舗・貸し教室

/定期的にものづくり教室を行う。奥の

教室は様々な種類の教室を開講する。空

間の拡大で両方で一つの教室が開かれる

こともある

居室

1階

2階

3~4 階

プレイルーム コモンリビング

店舗兼工房

ものづくり教室 参道側中庭

▲キープラン

0102

0304

05 06

04 カフェ・オフィス棟 まちに開いたカフェ・オフィス /参道にあり

覚王山を訪れた人への案内所にもなっている。

▲参道沿いのカフェ

03 菜園×シェアア

参道側

時間帯によって利用方法を変える店舗

貸し教室

▲夜間時の利用 店舗が住人の集まる場へ

▲縁日などイベント・休日時の利用 店舗から中庭へ通ることができ普段教室として利用していた場所を 販売の場に変え開放する

▲平日の昼 店舗は参道側のみに開く

Azone 東立面図 S=1:300 Bzone 西立面図 S=1:300

Azone 3階平面図 S=1:400

Azone 4階平面図 S=1:400

Czone 1階平面図 S=1:300

Czone 2階平面図 S=1:300

Czone 2階平面図 S=1:300

C zone シェアシーン

オープンスペース

キッチンシェア

Czone 立面図 S=1:300

ものづくり教室

05 アトリエ・ギャラリー棟

アトリエ兼ギャラリー空間のある住まい方 /ギャラリー空間をシェアする ▲ギャラリー

06 SOHO・プレイルーム×シェア中庭を挟み SOHOとプレイルームをシェア /SOHOから子どもの遊ぶ様子が見える。

夜は部屋の仕切りを無くし、リビングの拡大。昼と夜で利用を変化させる。

2階プレイルーム

1階

3~4階 ( 居室 )

SOHO

キッチンダイニング

夜はリビングへ