人材像WG 参考資料集 · 2018-11-07 ·...

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人材像WG 参考資料集 平成29年12月 産業人材政策室 参考資料

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人材像WG参考資料集

平成29年12月産業人材政策室

参考資料

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1.社会人基礎力関係

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「社会人基礎力」提唱の背景

【ビジネス環境の変化】 国内産業の成熟化による右肩上がりの成長の終焉、市場ニーズの多様化、商品サイクルの短期化 IT化の進展による単純作業の機械化【教育環境の変化】 家庭や地域社会の教育力の低下、大学進学率の上昇と大学全入時代の到来

90年代以降のビジネス・教育を巡る環境変化

若者が学校卒業後にスムーズに職場に定着できないことが社会問題化(いわゆるニートなどの「学校から職場への移行」の問題)

【企業の経営課題の変化】既存の成功モデルの踏襲 新しい価値の創出

【求められるようになった能力】 新しい価値創出に向けた課題発見、関係者からのアイディア収集、実現のための試行錯誤 多様な人々との協働による課題解決活動など、チームワークが求められる度合いの高まり

職場等で求められる能力の明確化

従来、十分に意識されていなかった「職場等で求められる能力」をより明確にし、意識的な育成や評価を可能としていく必要。

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「社会人基礎力」の定義平成18年1月に経済産業省が主催した産学の有識者による委員会(座長:諏訪康雄法政大学大学院教授(当時))により、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力(=3つの能力・12の能力要素)」として定義。

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意見の違いや立場の違いを理解する力

自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

主体性物事に進んで取り組む力

働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力

実行力目的を設定し確実に行動する力

創造力

課題発見力

新しい価値を生み出す力

現状を分析し目的や課題を明らかにする力

課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

計画力

前に踏み出す力 (アクション)~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~

考え抜く力 (シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~

チームで働く力(チームワーク) ~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力

柔軟性

情況把握力規律性 社会のルールや人との約束を守る力

ストレスの発生源に対応する力ストレスコントロール力

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4(出典) 9月11日 第1回「人生100年時代構想会議」 リンダ・グラットン議員プレゼン資料

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5(出典) 9月11日 第1回「人生100年時代構想会議」 リンダ・グラットン議員プレゼン資料

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“The Fourth Industrial Revolution“(2016 クラウス・シュワブ著)

「社会人基礎力」の3つの能力をより高次元で実践することを求めていることに加えて、周囲にいる人も含めた健康や幸福の追及・維持を求めている。

① 状況把握の知性(精神)―知識を理解し、応用する能力 新たなトレンドを予想し、全体像を組み立てる能力 多様性のあるネットワークの価値を理解する

② 感情的知性(心)―思考や感情を処理し、統合する能力。あるいは自分自身とそれらを関連づけたり、それら同士を関連づけたりする能力 状況把握を補完する存在 自己認識、自己統制、モチベーション、共感、ソーシャルスキルの重要な基盤

③ 啓示的知性(魂)―公益のために変化をもたらし、行動するための個人および共通の目的意識や信頼感、その他の美徳を活用する能力 共通の運命感に基づく新たな集団的意識や道徳的意識へと、創造的な欲求を伸ばし、人間性を高めることを目指す

連帯によって共通の目的意識を持ち、共通利益を目指した意思決定を常態化することによる信頼の獲得・維持

④ 物理的知性(肉体)―自身の健康や幸福だけでなく、個人及びシステム双方の変革に必要なエネルギーを注ぐ、私たちの周りにいる人々の健康や幸福の追求と維持をする能力 個人の健康や幸福の維持・追及 健康な体とプレッシャーの下でも動じない心

有識者

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The Center for Curriculum Redesign(CCR)の枠組み 世 界

カリキュラム・リデザイン・センター

DeSeCo(OECD)

キー・コンピテンシー(EU)

21世紀型スキル(ATC21S)

知識 道具を相互作用的に活用する

外国語によるコミュニケーション数学、科学技術デジタルコンピテンシー起業家精神

情報リテラシーICTリテラシ-

スキル 異質な集団で交流する

母国語によるコミュニケーション

創造性とイノベーション批判的思考、問題解決、意思決定コミュニケーション協働(チームワーク)

人間性 自律的に活動する 社会的能力と市民としての能力自発性文化的意識と表現

人生とキャリア発達シチズンシップ(地域と世界)文化的意識と文化的能力個人の責任と社会的責任

メタ学習 省察性 学び方の学習 学び方の学習メタ認知

メタ認知どのように省察し、どのように適応するか

知識何を知り、

何を理解しているか

スキル知ってることをどのように使うか

人間性どのようにふるまうか

どのように世界と関わるか

学際的知識伝統的知識(例:数学)現代的知識(例:起業家精神)テーマ(例:グローバルリテラシー)

創造性批判的思考力コミュニケーション協働

マインドフルネス好奇心勇気レジリエンス倫理リーダーシップ

メタ認知成長的思考態度

21世紀の学習者

(出典)C・ファビル他著、岸学監訳「21世紀の学習者と教育の4つの次元」 北大路書房

CCR(The Center for Curriculum Redesign):21世紀における幼稚園から高校までの教育のスタンダードを再設計することによって、人間の能力を拡大し、集団的な反映をもたらすことを目指した国際的組織、研究センター

CCR(The Center for Curriculum Redesign)では、各国の教育機関や専門機関などによって作られた既存の枠組みや様々な産業のCEOへの調査を基に、21世紀コンピテンシーの枠組みとして、「知識」、「スキル」、「人間性」、「メタ認知」を挙げている。

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経済団体が求める資質・能力 経済団体が求める資質・能力としては、「社会人基礎力」に示す資質・能力のうち、主体性と課題発見力、多様性を尊重し価値観の異なる相手との協働が強調されている。

また、「社会人基礎力」では示されていない、リベラル・アーツ、情報活用能力、双方向で真摯に学び合う対話力などが示されている。

「今後の教育改革に関する基本的考え方」日本経済団体連合会(2016.4.19)

これからの時代に求められる素質・能力 自ら課題を設定し主体的に解を見出す能力、自らの意見を論理的に発信する力、外国語によるコミュニケーション能力、リベラル・アーツ、多様性を尊重して他者と協働して事業を遂行する能力

理工系であっても人文社会科学系を含む幅広い分野の科目を学ぶことや、人文社会科学系であっても、先端技術や理数系の基礎的知識を学ぶこと

質の高い情報を取捨選択し、情報を課題解決のために使いこなす情報活用能力

「これからの企業・社会が求める人材像と大学への期待」

経済同友会(2015.4.2)

企業が求める人材像と必要な資質能力 変化の激しい社会で、課題を見出し、チームで協力して解決する力(課題設定力・解決力)

困難から逃げずにそれに向き合い、乗り越える力(耐力・胆力)

多様性を尊重し、異文化を受入れながら組織力を高める力

価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力(コミュニケーション能力)

経済界

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2.リカレント教育関係

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(就職氷河期世代)

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就職氷河期世代(1993年~2005年大卒)の労働者数

11

3374 3355 3345 3302 3288 3317 3367

1763 1812 1816 1910 1967 1986 2023

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

22 23 24 25 26 27 28

非正規 正規

就職氷河期世代(35~44歳)386万人

就職氷河期世代(35~44歳)933万人

うち不本意非正規62万人

2023万人

3367万人

平成28年

(万人)

(出典)総務省「労働力調査」2016年(年平均)長時系列表10より

5138【34.4%】

5167【35.1%】

5161【35.2%】

5213【36.7%】

5256【37.4%】

5303【37.5%】

5391【37.5%】

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就職氷河期世代(1993年~2005年大卒)について 非正規に加え、正社員についても、20代の能力開発経験が少ない。また、「社会的ひきこもり」など生活や就労に困難を抱える層が存在。

前の世代と比べ、賃金・格差意識などに「断絶」があり、スキルアップ・キャリアアップが不十分。

きまって支給する現金給与額(基本給)の変化

(出典)新たな就職氷河期世代を生まないために 連合総合研究所(平成28年11月)

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就職氷河期世代(定義:1993年~2005年大卒)に関する有識者の分析

○慶応義塾大学法学研究科 樋口美雄教授不本意非正規のまま残っている問題と、働くことを諦めて無業になってしまっているという問題。日本は非正規雇用が繰り返し更新され長期化しやすい。なかなか正社員になれない、キャリアアップできないことから無業になっている。

○東京大学社会科学研究所 玄田 有史教授若い頃に上司や先輩からの指導や、勤め先での教育訓練を受けた経験が少ない。激務をこなしてきた経験が、スキルの蓄積につながっていない。たまたま不況期に就職をしたことで、能力開発が十分になされていない。

○クレイア・コンサルティング 執行役員 ディレクター 橋本 卓氏不況期に多くの企業が採用抑制をしたため、後輩や部下をマネジメントした経験が少ない。マネジメントの経験不足というハンディを抱えながら、上下の世代との厳しい競争にさらされている。また、 業務遂行力やコミュニケーション能力が芳しくないため、結果として社内の多くの部署をわたり歩いている人が多い。専門性が身に付かず、マネジメント能力も高くないため、昇格が遅れたケースが多い。

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NewsPicks 世耕大臣インタビュー記事(抜粋)──経産省では、今、「人生100年時代のリカレント教育」に関する「人材力研究会」を立ち上げ、とりわけ、30代~40代のミドル層の学び直しが重要と議論していますが、その理由とは。

30代40代は、「就職氷河期」の影響を受けた人がたくさんいるからです。中には、まだ非正規雇用のままでいる人もいれば、やむを得ず、自分の望んでいない分野に就職して、不満を抱えながら働いている人たちもいます。ずっと非正規だった人や、正社員でも、仕事をする中である特定のスキルは高まってきているにもかかわらず、マネジメントやコミュニケーション・交渉の経験がないだけに、その能力が不足し、ずっと非正規のままだったり、会社にしがみつくという場合も多い。我々経産省は、彼らがそのままの状態で高齢になるのを避けるためにも、あるいは学校から社会への移行を潤滑化するためにも、社会人として求められる基礎力を定義した「社会人基礎力」というものを10年前に打ち出しました。この社会人基礎力を、「人生100年時代」の時代の要請に合わせて再定義し、それに則った民間の研修や、副業・出向などを通じた学びなどを増やすことで、たまたま不況期に就職したことで、マネジメントやコミュニケーションなどの能力開発が十分になされていない人の再教育に貢献したい、という思いがあります。また、基礎力はすでに十分な人でも、今や「人生100年時代」ですから、30代、40代で、いったん自分のスキルについて振り返り、将来に向けて足りない要素を学び直す必要があると思っています。

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(参考)厚労省 平成30年度 概算要求(就職氷河期関連)2 若者や就職氷河期世代の活躍促進 590億円(295億円)

(2)就職氷河期世代への支援【一部新規】 77億円(79億円)の内数• いわゆる就職氷河期に就職時期を迎えた不安定就労者等に対し、職業訓練の実施や雇い入れた事業主に対する助成を行うとともに、担当者制によるきめ細かい就職支援等を実施する。

• 地域若者サポートステーションにおいて、就職氷河期世代の無業者の自立に向けた総合的サポートのモデル実施に着手する。

(5)若年無業者等の社会的・職業的自立のための支援の推進【一部新規】424億円(126億円)の内数

• 地域若者サポートステーションと関係機関との連携強化等による、高校中退者等をはじめとする若年無業者等に対する切れ目のない就労支援の推進に加え、就職氷河期世代の無業者の自立に向けた総合的サポートのモデル実施に着手する。(再掲)

• 若年無業者等が企業で実際に働きながら、基礎レベルから実習等の訓練を受け、専門分野の一人前として定着することを目指し、業界団体等と連携して人材育成を支援する事業を新たに実施する。

• 非正規雇用労働者等を対象として、国家資格の取得等を目指し、正社員就職を実現する長期の離職者訓練を推進する。

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(産業分野別)

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議論を深めるため、個別の産業界ごとに分析した上で、全体を俯瞰 付加価値の源泉が「カネ」から「ヒト」へと移っていく中で、各産業界が必要な能力・スキルを持つ人材を育成していくことが重要。

業種・職種によっても打ち手となる施策が異なるため、全体を俯瞰しながら効果的な施策を打っていく必要がある。

自動車

情報通信産業

メディア/コンテンツ

通信

A B

金属/鉱業

消費財

航空機

製造業

産業機器ケミカル

素材

自動車

巨大な産業規模を誇る一方で、今後の産業構造変化に対応が必要な業界

• 産業としての裾野が広く、日本の経済を背負って立つ存在

• 現在の経済規模・国際競争力を維持する上で、今後の大きな産業構造の変化に対応が求められる状況

– 自動運転、シェアリング 等

対象業界 選定理由

業界の全体像 深掘り対象業界

航空機

航空機産業は、日本の基幹産業として今後育成すべき主要産業

• 産業としての裾野が広いため、国内完成機市場が立ち上がれば、日本経済へのインパクトは大きい

• 技術面での波及効果も期待可能

• 現在は、日系企業による完成機市場への参入可否を分ける重要な局面

素材(化学)

産業規模が大きく、また自動車/航空機等の

組み立て型製造業とは異種の技術革新が起きる可能性あり

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業界固有の環境変化 業界によって異なるが、グローバル競争の中で、「技術革新とビジネスモデル変革の相互影響」、「デジタル化」、「応用分野への波及」が鍵を握る。

自動車 航空機 素材(化学)

3.Connected5.自動運転

4.サービス化(シェアリング 等)

2.電動化6.事業のデジタル化

1. 技術の広範囲化

技術革新とビジネスモデルの変革が相互に関連し業界構造が

大きく変化

完成機市場の動向

• Single Aisleセグメントが市場を主導

• 中でも、最も大きい180-Seatクラスが大きく成長

• 地域ではAsiaPacific/Chinaが市場を牽引

• 民間航空機の市場拡大に貢献する技術革新は次の15年は起きないとの見立て

• 一方、デジタルは大きな影響を与える可能性

+日本固有の課題

• Tier-1 (構造体) 、完成機事業共にチャレンジが続く見通し

• チャレンジを乗り越えて航空機産業が競争力を保つには人材を含めたケイパビリティの底上げ必須

航空機市場固有の環境変化

グローバルではデジタル化が進むが、日本には市場立ち上げに向けた固有の課題が存在

Feedstock & Energy

Environment & Regulations

Digitalization

Agrochemicals

Construction

Plastics

• 化学原料の地域特性はほぼ不変• 各地域における化学原料の違いには、ガスの優位性が背景にある

• エネルギー資源効率は、事業や経済の将来的な競争力の要

• 化学業界が直面している共通の課題、特にプロセス効率、はデジタルソリューションで解決可能

• 農薬市場は引き続き成長するが、市場の成長を支えるドライバーは大きく変化しない見込み

• 建築用化学製品及びプラスチック市場規模は2011年で~1,500億USD規模で、新たなニーズとチャンスを形成される

• プラスティックの需要は、グローバルで安定的に5%成長し、PP及び、LIDPE、PETへと転換

化学業界における技術の変化が多くの応用分野を変革

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各業界の企業、大学関係者等へのヒアリング結果○産業全体・業種横断での人材育成の重要性 自社だけで人材育成を行うよりも、産業全体や業種横断で協力して人材育成を行う方が効率が良い分野が存在(サイバーセキュリティ、システム全体を設計できるアーキテクチャ人材、他業界を巻き込んで将来シナリオを描く人材など)

社内で十分に活用できていない人材リソースを、人材育成に投資することで再活用する意向は存在する。

○産学官が連携したプログラムの有用性 国が主体となり、企業と連携して育成プログラムを体系的に組んだ上で、適切な教員を大学から派遣すれば、水準が高い教育プログラムが実現する可能性。

但し、日本の大学は実務経験に乏しいため、開発全体に関わる教育プログラムを設計/提供するのは企業側からも人を出すべき。

○国の支援の在り方 国は新しい取組に対して積極的に支援してはくれるものの、3~5年程度で打ち切られる傾向。支援が切られてしまった場合、プロジェクトが継続しない。

永続的・継続的にプロジェクトを進めるためには、大学側も国だけに頼るのではなく、企業が資金・人材を大学に提供し、産学共同で育成プログラムを構築する等の取組が必要。

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航空機・自動車産業での検討をもとに、国全体で強化すべき人材像を特定

専門知識/スキル ビジネススキル

グローバル人材(含むコミュニケーション能力)

経営TOP人材

中堅層(30代・40代)

新人

マインド

基礎スキル

新人においては基礎スキルがボトルネックとなる場合がある

マインドがボトルネックという人材というのは不足はしていない

サイバーセキュリティ

IoT / アナリティクス

Additive manufacturing

サイバーセキュリティー

組込SW

サイバーセキュリティー

自動運転

IVI

IoT / アナリティクス

業務自動化

自動車

自動化・ロボティクス

組込SW

Additive manufacturing

自動制御

深堀業界で必要な知識/スキル 業界横断で必要な知識/スキル

航空

IoT / アナリティクス

大規模プロジェクトマネジメント 大規模プロジェクトマネジメント

* 素材(化学)は現在調査のためのインタビューを実施中

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参考)定義された7つの知識/スキルは製造業を中心に幅広く需要が存在4 各業界における環境変化と求められる人材像 ②求められる人材・スキル

【凡例】• ○ :特に重要• △ :重要• - :重要だが、限定的

Source: 総務省統計局『平成24年経済センサス-活動調査 産業別集計 (製造業) 「産業編」統計表データ』

知識/スキル

自動化・ロボティクス

サイバーセキュリティ

自動制御

Additive manufacturing

IoT/アナリティクス

組込SW

大規模プロジェクトマネジメント

製造業 (付加価値額の大きい産業を抽出) その他

産業

自動車

航空 化学

既に一定レベルで自動化済

製造工程等で活用機会有

サイバー攻撃のリスクはあるが限定的

活用可能範囲は限定的

複雑だが既に一定のノウハウ有

定義に該当する製品がない

定義に該当する製品がない

電部部品/回路/デバイス

既に一定レベルで自動化済

製造工程等で活用機会有

サイバー攻撃のリスクは低い

パッケージング等、限定的だが活用可

開発/製造の規模/複雑さ:中

定義に該当する製品がない

デバイスに組込SWを利用

食料品

製造工程で一層の自動化余地有

マーケ/製造工程等で活用機会有

サイバー攻撃のリスクはあるが限定的

活用可能範囲は限定的

開発/製造の規模/複雑さ:小

定義に該当する製品がない

定義に該当する製品がない

生産用機械

製造工程で一層の自動化余地有

マーケ/製造工程等で活用機会有

販売製品のハッキンクグリスク有

生産用機械の部品製造に活用

開発/製造の規模/複雑さ:中

自動車同様、機会は大きい

生産用機械に組込SWを利用

金融

事務作業等で自動化余地有

マーケ分野等で活用機会有

金融サービスのハッキングリスク有

活用可能範囲は限定的

システム開発は大規模・複雑

定義に該当する製品がない

定義に該当する製品がない

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分析により得られた示唆

① IoT/アナリティクス、自動化・ロボティクス、サイバーセキュリティ分野は、業種横断的に能力・スキルが求められている一方、人材需給が一致しておらず、まずは人材プールを増やす取組(大学等における人材育成)が急務。

② 各産業内の企業全体で、また、業種横断的に人材育成に取り組むことで効率的な人材育成が可能。具体的には、産学官で連携して実践的な人材育成に向けたカリキュラム開発等を行うことが有効か。

③ 上記を実現していくためには、企業が大学等の場を活用した人材育成にコミットし、働き手が学び直す環境を整えていく必要がある。また、大学等も企業や地域と連携した人材育成の機能を十分に備えていく必要がある。

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(IT)

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Ⅱ-A-2 教育・人材力の抜本強化

◆IT専門人材 ITベンダーで販売管理のシステムを古い言語(COBOL等)で開発していたが、30歳代半ばで、e-learningにより新しいプログラミング言語を習得。転職先の会社で、顧客の好みにカスタマイズしたサービスを提供できる新たなシステムの開発を先導し、海外の同業者と比べても遜色のない給料で活躍中。◆ 若手 小学校でのプログラミングの授業をきっかけに、10年後の社会で自動走行車やロボットが日常生活に溶け込んでいる姿を自分で設計したいと思い、大学の工学部に進学。情報工学、機械工学のみならず、経営学など他分野も専攻した後、ベンチャー企業を創業。大手企業との共同研究に邁進している。

働いていく上で求められる能力やスキルは常に変化していく中、「生涯学び直し」を続けられる人材の厚みが生まれている。あらゆる産業でITとの組み合わせが進行し、日本で働く全ての人が「IT力」を備え、全ての企業人が、それぞれのニーズに応じた「IT力」を身につけ、「IT力」を活用した付加価値の創造を絶え間なく行うようになる。

50%

変革後の生活・現場

目指す姿

個々のドライバーのアクセルやブレーキを踏むクセをデータ化し、個々の顧客の性向を自動車保険料算出に反映

IoTを駆使して、受注・生産管理・配送管理を行い、個々の注文者のニーズに応じた製品を効率よく生産し、出荷する生産システムを実現

旅館で宿泊客の好みなどの情報をクラウドで共有し、個別の宿泊客のニーズに合ったおもてなしサービスを提供

スーパーのレジ係

製造ラインの工員

定型・低額の保険商品の販売

労働需要が増加する仕事

保険分野

データ入力過去のデータ分析パターン化・反復継続

の作業

AI・ロボット等で代替

AI・ロボット等を使いこなし、高付加価値でカスタマイズされた商品・サービスを提供

中間層崩壊の危機

質の高い雇用創出のチャンス

第4次産業革命による仕事の変化 付加価値の源泉は、資本(「モノ」・「カネ」)から「ヒト」、「データ」へ。「IT力」をコアとした人材力の抜本的強化が不可欠(「IT力」 × 「各分野の専門知識」× 「課題設定・解決力」)

24

目指すべき社会(「未来投資戦略2017」より)

労働需要が減少する仕事

ものづくり分野

サービス分野

保険商品ご案内○○コース

急加速が少ない保険料DOWN

急ブレーキ多用保険料UP

保険分野

ものづくり分野

サービス分野

出典:未来投資会議(第10回)配付資料6「『未来投資会議2017』概要」より引用

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25出典:未来投資会議 金丸委員プレゼン資料を一部加工

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圧倒的に不足しているIT・データ人材を中心に、新しいスキルやコンピンテンシーを装備するための、人材育成・教育エコシステムを国を挙げて構築する

生涯たゆまない学び直し・スキルのアップデート

• 未踏人材、IoT推進ラボ• 指定国立大学、卓越大学院• 産学官連携の加速• 経営人材育成ガイドライン• トップ外国人(セキュリティ等)等

・IT人材需給・ITスキル標準の抜本改訂• 人材育成の抜本拡充等

• 小中高プログラミング教育必修化• 新たな実践的高等教育機関• 数理・データサイエンス教育強化等

内外トップレベルのITテクノロジスト、ビジネスプロデューサー

①基礎(ITリテラシーの標準装備)

②ミドル(IT人材の抜本的な能力・スキル転換)

③トップ(トップ人材の創出・獲得)

各産業における中核的IT人材

全てのビジネスパーソンに基礎的ITリテラシー

初等中等教育・高等教育等を通じて日本人全体のIT力を底上げ

分野横断的スキル

産業・専門別スキル

IT

・データ

デザイン

サービス

製造業

金融業

イノベーション施策と一体で

育成

第4次産業革命下の

ITリテラシーの標準装備

• 大学等とも連携したIT・データスキルの学び直し等

課題と対応の方向性: 第4次産業革命の下で求められる人材

26

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(参考)求められるスキル・コンピンテンシー(人材育成推進会議資料より)1) 課題設定力、目的設定力・自ら課題を設定する力、仮説を立てる力

2)データ活用やITにかかる能力・スキル◇データを分析する力(例:データサイエンティスト等)・STEM・ビジネス課題の解釈、統計手法を用いた分析モデルによる解決策の導出を行う力・課題設定を行って、必要なデータを収集する能力・データ処理ができるようにデータのクリーニングをする力・データ分析をする際に必要となる数学・統計学的アプローチ◇データを活用する力・改善施策や新規提案など、自分の業務に必要となる課題設定や仮説を立て、データの発注をし、分析結果が仮説に合っているか検証する能力。・AIが出してきた答えを信用して良いか判断する力・現場業務への深い理解や、ITによってより効果を出すためのシナリオ作成、落とし込み手法を検討出来る力◇コンピュータ等のITリテラシー・コンピューターサイエンス・プログラミング能力

3)コミュニケーション能力・語彙力・主張、反論をするディベート力

4)分野を超えて専門知や技能を組み合わせる実践力・個人と組織・業態を超えた繋がりを作っていくための論理的思考力

5)リーダーになる資質・明確なゴールイメージ・ビジョン、妥協しない強い意志・こだわり、周囲を動かす力 27

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(参考)人材育成・活用の効果的な在り方(人材育成推進会議資料より)

1)現在の人材育成の問題点○課題解決力・実務解決力を伸ばせていない、仮説を立てる訓練が足りない○教育機関側に、教える材料となるデータや課題が不足○画一的な教育・育成システムになっており、現場とのリンクが足りない○一旦社会に出た後の再チャレンジ・学び直しした人のニーズに十分対応できていない○文系・理系が分かれすぎている○大学で社会人向けの講座をつくるインセンティブがない(寄付講座などがあっても、教授や研究者個人にはお金が入らない仕組みになっている)

2)効果的な人材育成の方向性○育成していくべき能力・スキルの明確化(スキル標準や、課題設定力等のコンピテンシーなど)○産学連携によるPBLなど実践的な教育の充実(民間企業からデータ等を提供、分野を横断)○コンテスト方式の手法の導入○文理を問わないデータ活用・数理教育、分野横断による工学教育の改革○アクティブラーニングや、個々人の課題にカスタマイズされた個別学習○初等教育段階からのプログラミング教育、語学教育○社会人の学び直し、オンライン(MOOC)の活用○職能開発の雇用型訓練スキームを、将来必要なスキル開発に向けて拡大

28

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①IT分野⇒ AI、IoT、クラウド、データサイエンス 等 【将来成長が見込める新技術・システムの習得】(デザイン思考、アジャイル開発等の新たな開発手法との組み合わせを含む)

⇒ 高度なセキュリティ 等 【必須スキルの習得】

② IT利活用分野(今後、分野の拡大を予定)⇒ 自動車分野のモデルベース開発 等 【(製造業向け等)ITによる高度化対応】

■今後のスケジュール(IT分野、IT利活用(自動車分野のモデルベース開発))

経済産業大臣が認定した教育訓練講座のうち、厚生労働省が定める一定の要件を満たすものは、「専門実践教育訓練給付」の対象となる。

■経済産業大臣認定の対象分野・目標

第四次産業革命スキル習得講座認定制度について

10月28日 申請受付締切り(現在、審査中)12月 経産大臣認定講座の認定

平成30年4月 認定講座の受講開始

民間事業者が社会人向けに提供するIT・データ分野を中心とした専門性・実践性の高い教育訓練講座について、経済産業大臣が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を2017年7月に創設(告示公布:7月31日)。

現在、認定の申請があった講座を審査中。本年12月中に講座を認定し、平成30年4月から認定講座の受講を開始。引き続き、対象分野の拡大を検討する。

29

11/8未来投資会議構造改革徹底推進会合 経産省資料

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未踏人材について

未踏IT人材発掘・育成事業とは、いままで見たこともない「未踏的な」アイディア・技術をもつ「突出した人材」を、産学界のトップで活躍する方をプロジェクトマネージャー(PM)として登用し、PM独自の観点で発掘・育成する事業。

今年度より、未踏卒業者等を対象とした、事業化・起業支援の人材育成プログラム「未踏アドバンスト」を創設。チャレンジ精神溢れ将来への起業へとつながる人材を年間100名の輩出することを目指し、来年度より事業を拡充予定。

2017年度未踏PM

竹内 郁雄 氏東京大学名誉教授

夏野 剛 氏

慶應義塾大学大学院特別招聘教授

首藤 一幸 氏

東京工業大学准教授

石黒 浩 氏

大阪大学教授(特別教授)

藤井 彰人 氏

KDDI株式会社副本部長 兼 クラ

ウドサービス企画部長

竹迫 良範 氏

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ専門役員

五十嵐 悠紀 氏

明治大学専任講師

30

11/8未来投資会議構造改革徹底推進会合 経産省資料

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○公共職業訓練(離職者、在職者、学卒者、障害者)<実施主体:国(※)、都道府県>※独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が国の業務を代行

訓練施設内・民間委託による訓練の実施障害者に対する職業訓練の実施

○求職者支援制度による職業訓練(離職者)<実施主体:民間教育訓練機関>・雇用保険を受給できない方等に対する職業訓練・訓練期間中の給付等の支援

職業能力の開発・向上

国際

協力

職業能力評価

・技能振興

一般教育訓練給付、専門実践教育訓練給付キャリアコンサルティング施策の推進(キャリアコンサルタント登録制度)

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)、キャリアアップ助成金、認定職業訓練制度

技能検定、職業能力評価基準の策定等

技能五輪等の推進、卓越した技能者(現代の名工)の表彰、ものづくりマイスター等

技能評価システム移転促進事業アジア太平洋地域人材養成協力事業 等

ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施

事業主等の行う教育訓練の推進

労働者のキャリア形成支援

職業能力評価制度

技能の振興

技能実習制度

政府間の技術協力、国際機関等を通じた技術協力

ジョブ・カード制度

若者の雇用対策

ジョブ・カード(生涯を通じたキャリア・プランニング及び職業能力証明のツールとして生涯を通して活用)

・若年者雇用対策・地域若者サポートステーション事業

人材開発施策の概要

離職者の能力開発

国・都道府県

に責務

在職者の能力開発

事業主に一次的な責務

国・都道府県は必要な援助

等実施

○「第10次職業能力開発基本計画」(実施目標、基本事項等を定めた5ヵ年計画)に基づき実施

(技能五輪全国大会での精密機械組立職種)

(ジョブカードくん)

(地域若者サポートステーション)(情報通信工学)

(金属加工)

11/8未来投資会議構造改革徹底推進会合 厚労省資料

31

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11/8未来投資会議構造改革徹底推進会合 文科省資料

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今後大学等の高等教育機関に求められること

急速に産業構造が変化していく中で、また、「人生100年時代」を迎えるにあたって、求められる人材像も変化していく。そのような中で、高等教育機関には、以下のような対応が求められるのではないか。① 人生の各ステージにおいて開かれた「学びの場」として、個人の主体的なキャリア

デザインの実現に貢献すること② 産業界や地域と連携し、新しい学びのニーズに対応しつつ、社会全体で「人づく

り」をする場となるため、産業界等の人材を教員に登用するなど、多様な学びを可能とすること

同時に、産業界や地域においても、求める人材像の明確化や、産学連携の深化による人材の流動化を実現していくことが求められているのではないか。

(出典)第2回 中央教育審議会大学分科会将来構想部会(平成29年6月28日) 経済産業省提出資料を一部修正

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(その他)

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構造改革徹底推進会合(雇用・人材) 有識者プレゼン概要【日本総研 山田久理事プレゼン】 「生産性向上につながる人材投資・労働市場改革」

• 日本の生産性低迷は、生産性の高い部門に労働移動していないことも原因。

• 欧米では企業外に職業教育インフラが存在。日本はそれが貧弱。専門職比率を高めることで、専門スキルが向上し、職のセーフティネット提供を通じて事業転換が促進されるため、生産性向上に寄与。

• 最終的には、教育改革と連動して産業界の人材育成・活用の在り方が変わるかどうかが重要。

• ①長期インターンなど学校から職場への移行に新たなルール、②職業人生の早期からキャリアの棚卸し実施、③プロ人材と大学教員の相互交流加速が必要。

【日本人材機構 小城社長プレゼン】 「地方経済圏への人材移動の重要性 重要な成長分野」

• 3大都市圏以外の地方のGDPは日本の6割。ポテンシャルは高いが生産性が低い。地方中小企業のオーナーに経営の「右腕人材」がいれば変革の可能性は高い。

• 東京の大企業で働いている人の中で、ベンチャーや中小企業での実践経験がある層は、中小企業で「右腕」として十分活躍可能。複数の地方中小企業に非常勤として月5回など務める(複業する)ことで、収入も一定程度確保可能。

• 大企業の働き手に聞くと、やり直せるなら転職を選択。大企業の人事部が選抜結果を言っていないことが問題。大企業はもっと早い段階で働き手をリリースすべき。

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11.8%

9.1%

29.5%

27.0%

18.0%

24.2%

17.3%

27.9%

27.2%

12.2%

24.0%

45.8%

47.1%

53.4%

60.4%

63.7%

58.3%

49.0%

36.2%

28.7%

29.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

17年度

15年度

13年度

10年度

07年度

04年度

01年度

どんな国・地域でも働きたい 国・地域によっては働きたい

海外では働きたいと思わない

若者の内向き志向と英語力

出典:学校法人産業能率大学「第7回 新入社員のグローバル意識調査」(2017年9月)

新人社員に対する海外就業の意識調査

将来グローバルな活躍が期待されるはずの若者は、約6割の新入社員が、「海外では働きたくない」と回答し、内向き傾向。

TOEFLスコアの国別ランキングでは、アジアの中では28か国中25位と低位置に甘んじている。

<TOEFL(iBT)アジア内順位>(28か国中)

Test and Score Data Summary for the TOEFL iBT Tests – ETS(January 2016 - December 2016 Test Data)※ TOEFLは欧米の大学や大学院の入学に必要な試験。大学入学には80点以上、大学院入学には100点以上が必要とされている。69点は英検2級程度。

順位 国 名 Reading Listening Speaking Writing Total1 シンガポール 24 25 24 24 96

2 インド 22 23 23 24 93

8 韓国 22 21 20 21 84

11 ベトナム 20 20 20 22 82

17 中国 20 19 19 20 79

25 日本 18 17 17 19 71

28 タジキスタン 14 16 19 17 66

36

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高等教育機関における25(30)歳以上入学者の割合の国際比較日本の短期高等教育機関、「学士」課程及び「修士」課程における社会人入学者の割合は、低いものにとどまっている。

出典:OECD Education at a Glance(2016)(諸外国)及び「平成28年度学校基本統計(日本)。日本の数値は2016年。日本以外の諸外国数値については、高等教育段階別の初回入学者の割合(留学生を含まない)。日本の数値については、それぞれ①単位大学、②学士課程、③修士課程及び専門職学位課程、④博士課程として算出(留学生を含む)。

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首都圏管理職の就業意識調査2016上半期版 同年代の中で『活躍している人は3割以下』が55%。 自社に次世代リーダー(経営幹部候補)を『選抜する仕組みがある』と回答した管理職は68%。そのうち『40歳までに選抜対象が絞られる』と回答した割合は63%。

同期のうち選抜対象に入る割合について『1割』と回答した人は50%、『2割』と回答した人を含めると全体の76%

同年代の中で『活躍している人』の割合

経営幹部候補を選抜する仕組みの有無

選抜が行われる年齢

同期のうち選抜対象者の割合

【調査概要】調査母集団:年齢35歳~65歳、従業員規模500人以上(サービス業)1000人以上(製造業)、

一都三県に在住し東京に勤務している正社員管理職(課長職以上)調査方法:インターネットモニター調査、調査実施期間2016年6月3日~10日、回収数1,640件 出典:日本人材機構「首都圏管理職の就業意識調査2016上半期版」 38

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首都圏管理職の就業意識調査2016上半期版

非選抜者のうち63%が現在の勤務先では満足したキャリアを築けないと考えている。 非選抜者に対して結果を通知し、キャリアを考える機会を企業側から提供していると回答したのは

22%。

Q:今後、現在の勤務先で満足したキャリアを築けますか

勤務先でのキャリア形成 非選抜者に対するキャリアを考える機会の提供

出典:日本人材機構「首都圏管理職の就業意識調査2016上半期版」 39

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キャリアを棚卸しする機会は従業員規模が小さくなるほど少なくなる。 約60%が「今後の自身のキャリアの在り方」について「目標がない」と回答。 40%以上が「副業または出向をステップとした転職制度」に「興味がある」と回答。

首都圏管理職の就業意識調査2016下半期版

出典:日本人材機構「首都圏管理職の就業意識調査2016下半期版」

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(参考)専門職と労働生産性11/8未来投資会議 構造改革徹底推進会合 日本総研山田理事プレゼンより抜粋

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(参考)専門職と労働生産性11/8未来投資会議 構造改革徹底推進会合 日本総研山田理事プレゼンより抜粋

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3.働き手向けアンケート調査

43

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今回のアンケートの対象者 : 潜在的転職者

転職を意識したことがあるが、実際に転職までできていない層(潜在的転職者)が対象。

転職したことがある(転

職が既に決まった)

51.3%

転職を意識したこ

とはあるが、特に

転職に向けた活動

は行っていない

15.7%

転職に向けた情報収集

や転職会社への登録

等は行っていた(行って

いる)が、応募や面接

等は行っていない

4.7%

転職に向けて応募や面

接等を行っていた(行っ

ている)が、転職できて

いない

2.8%

転職を意識したことは

ない

25.5%

問.あなたの転職意向の有無・転職活動の状況等について教えてください。

(n=70002)

潜在的転職者

調査方法 インターネット調査

調査実施機関

インターネット調査会社

調査時期 平成29年10月

対象者

スクリーニング調査【条件】• 民間企業にてフルタイムで勤務する、30歳~59歳の働き手

【回収数】• 67,425名

本調査【条件】• 30歳~59歳の働き手• 「転職に関心があるが未経験(※)」の層

【回収数】・1,307名 44

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45

「仕事・会社に対する考え方」に関する分析(前提)

30個の選択肢に対する回答を分析(因子分析)し、背後にある6つの価値観を抽出。

•仕事と生活のバランスがとれることが重要だ•同じ仕事に安定して取り組みたい•大きく稼げるよりも収入が安定していることが重要だ•将来にわたって解雇や倒産などの不安がないことが重要だ•今の家から通勤しやすい職場で働けることが重要だ•毎日楽しく仕事がしたい•手に職をもって安定して働きたい•仕事内容よりも福利厚生が整っている会社で働きたい•残業は絶対にしたくない

•幅広い知識ではなく専門知識や能力を向上させたい•なによりも社会や地域に貢献するために働きたい

•同僚や関係者との関係がなによりも重要だ•会社の風土・職場の雰囲気がなによりも重要だ•優れた社員・従業員と一緒に高め合って働きたい•アットホームな職場で働きたい•性別に関わらず働きやすい職場で働きたい•社の理念・経営戦略に賛同できるところで働きたい•教育体制の充実している職場で働きたい•プライベートでも職場の人と仲良くありたい

•知名度が高い会社で働きたい•歴史の長い会社で働きたい•友人・知人に自慢できる会社で働きたい•出世・昇進がなによりも重要だ•CSRの取り組みが充実している会社で働きたい

•生涯年収をとにかく高めたい•稼げる時に大きく稼ぎたい•自分の実績は常にきちんと評価される職場で働きたい

•趣味の一環で仕事がしたい•華やかな仕事がしたい•次々に新しい仕事をしたい

①安定重視 ②人間関係重視

③企業名重視 ④報酬・評価重視

⑤社会貢献重視 ⑥楽しさ重視

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-0.20

-0.10

0.00

0.10

0.20安定重視

人間関重視

企業名重視

報酬・評価重視

社会貢献重視

楽しさ重視

年代別 影響の大きさ

30代 40代 50代 30代 40代 50代 46

各年代ごとの「仕事・会社に対する考え方」

①安定重視

②人間関係重視

③企業名重視

④報酬・評価重視

⑤社会貢献重視

⑥楽しさ重視

30代は「楽しさ」「企業名」「報酬・評価」重視の傾向。

50代は「人間関係」を重視する一方、「楽しさ」「報酬・評価」は極端に低い。

(n=67,425)

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-0.20

-0.10

0.00

0.10

0.20安定重視

人間関重視

企業名重視

報酬・評価重視

社会貢献重視

楽しさ重視

企業規模別 影響の大きさ

50人未満 50~1000人未満 1000人以上 47

企業規模ごとの「仕事・会社に対する考え方」

①安定重視

②人間関係重視

③企業名重視

④報酬・評価重視

⑤社会貢献重視

⑥楽しさ重視

規模が大きい方が「人間関係」「企業名」「社会貢献」を重視。

1000人未満は「楽しさ」を重視する一方、1,000人以上は「楽しさ」が極端に低い。

(n=67,425)

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-0.30-0.20-0.100.000.100.20安定重視

人間関重視

企業名重視

報酬・評価重視

社会貢献重視

楽しさ重視

転職経験別 影響の大きさ

転職経験あり 潜在転職者 転職を意識したことなし転職経験あり 潜在転職者 転職を意識したことなし 48

転職経験ごとの「仕事・会社に対する考え方」

①安定重視

②人間関係重視

③企業名重視

④報酬・評価重視

⑤社会貢献重視

⑥楽しさ重視

転職経験者や、転職を検討しているが実行に移していない潜在転職者に比べ、転職を意識したことのない働き手は「企業名」以外の全ての数字が低い。

(n=67,425)

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49

転職経験のある働き手の半数以上は年収400万円未満である。また、約4割は従業員数50人以下の中小企業に勤務している。問.あなたの直近の個人年収(税込み額)をお答えください。 (n=67,425)

問.あなたが現在お勤めの会社の従業員数をお答えください。 (n=67,425)

51.6%

40.0%

33.5%

44.3%

29.0%

32.3%

28.2%

29.6%

11.3%

15.9%

18.7%

14.3%

4.5%

6.8%

10.3%

6.5%

3.6%

4.9%

9.3%

5.3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

転職経験あり

潜在転職者

転職を意識したことなし

全体

400万円未満 400-600万円未満 600-800万円未満800-1000万円未満 1,000万円以上

40.4%

29.3%

30.4%

35.3%

27.3%

25.4%

21.3%

25.3%

12.6%

15.8%

13.0%

13.5%

12.9%

19.3%

20.1%

16.2%

6.7%

10.3%

15.2%

9.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

転職経験あり

潜在転職者

転職を意識したことなし

全体

50人未満 50~300人未満 300~1,000人未満

1,000~10,000人未満 10,000人以上

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45%

46%

9%

転職意向をもったきっかけ

(キャリアアップ等)ポジティブな理由での転職(勤め先への不満等)ネガティブな理由での転職その他

50

約4割の働き手が、キャリアアップ等のポジティブな理由から転職を検討している。

問.あなたが転職意向をもったきっかけ(理由)について、もっとも当てはまるものを一つお答えください。(n=1307)

0 50 100 150 200 250 300

自分のキャリアアップに繋がる

評価や待遇、報酬がより良くなる

労働環境が良くなる

成長企業で働きたい

ポジティブな理由(内訳)

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51

3分の2の働き手が、「特定分野のスペシャリスト」を志向。

4.1

6.5

6.7

8.3

15.6

18.8

24.2

19.1

39.3

51.6

48.7

36.8

32.2

34.6

23.0

28.5

32.5

41.9

17.8

9.7

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

仕事重視志向

グローバル志向

独立志向

異なる職場経験志向

スペシャリスト志向

キャリアパスに対する考え

とても当てはまる どちらかというと当てはまるどちらかというと当てはまらない まったく当てはまらない

問.あなたのキャリアパスに対する考えについて教えてください。(当てはまるものそれぞれ1つずつ)(n=1307)

スペシャリスト志向:67.2%

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52

どの年代も、「兼業・副業志向」は高く、「独立志向」は低い。

問.兼業・副業などの異なる職場経験をしたい

問.いずれ独立したい(会社をつくる、フリーランスになるなど)

8.3

10.3

8.2

6.1

39.3

37.9

40.5

39.5

34.6

36.5

32.9

34.5

17.8

15.3

18.4

20.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体

30代

40代

50代

年齢

とても当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない まったく当てはまらない

6.7

6.8

6.1

7.4

19.1

20.8

17.8

18.9

32.2

29.5

32.7

34.7

41.9

42.9

43.4

38.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体

30代

40代

50代

年齢

とても当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない まったく当てはまらない

各世代とも概ね半数が前向き

各世代とも概ね4分の3が後ろ向き

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将来取り組みたいことは、「趣味や生活に関する学び」。

人生100年時代を見据えて将来取り組みたいことは、「趣味や生活に関する学び」「キャリア自律やスキルアップを図る研修」「兼業・副業」の順。

一方、「大学院進学等のための自己啓発休業」は最下位。

問.人生100年時代とも言われる中、今後の「社内での活躍」を見据えて、将来取り組みたいことをお選びください。(それぞれいくつでも (n=1307)

28.2

23.6

22.7

16.6

16.4

16.1

15.4

14.3

13.8

11.4

8.6

7.4

3.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

趣味や生活に関する学び

キャリア自律やスキルアップを図る研修

兼業・副業

ライフプランを設計する研修

社外コミュニティーへの参加

読書等からの学び

当てはまるものは特にない

業務時間外に通学・通信学習等

OJTによる先輩や同僚からの指導

出向等、困難な職務を体験する修羅場経験

活躍/キャリアチェンジ/定年以降のキャリアを考えたことがない

大学院や留学などへの企業からの派遣

大学院進学等のための自己啓発休業

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「仕事に関して何らかの志向を持っている」働き手の方が、学び直しに積極的。

問.人生100年時代とも言われる中、今後の「社内での活躍」を見据えて、将来取り組みたいことをお選びください。(それぞれいくつでも)(n=1307)

45.1

83.8

84.3

88.3

88.4

90.5

54.9

16.2

15.7

11.7

11.6

9.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

上記にあてはまるものはない

スペシャリスト志向

仕事重視志向

グローバル志向

異なる職場経験志向

独立志向

学びなおしの意向あり 学びなおしの意向なし

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55

半数以上の働き手は、講座受講や勉強会などの「社外活動」を何もしていない。

問.あなたは現在、次の社外活動をしていますか。当てはまるもの全てお答えください。(いくつでも) (n=1307)

51.3

18.2

11.7

10.8

9.8

8.0

7.9

4.4

3.7

1.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

社外活動はしていない

資格取得等に向けた講座受講など

習い事や趣味の集まり

町内会・PTAなど地域活動

(職業上のスキルや専門的知識と関係のある)セミナー・勉強会参加

(職業上のスキルや専門的知識とは直接関係のない)兼業・副業

(職業上のスキルや専門的知識を活かした)兼業・副業

(職業上のスキルや専門的知識と関係のない)セミナー・勉強会参加

上記以外のボランティア活動

プロボノの活動(職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動)

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ダイバーシティが高い、兼業・副業が認められている、社内教育訓練が充実しているほど、「働き手が社外活動を行っている」。

一方、転勤が無い企業、中途採用の従業員が少ない企業など、人材の流動性が乏しい企業に勤めている働き手は、社外活動に積極的ではない。

問.あなたは現在、社外活動をしていますか。(赤:している、青:していない)(n=1307)

37.1

37.4

41.0

41.7

52.7

57.1

65.7

77.8

62.9

62.6

59.0

58.3

47.3

42.9

34.3

22.2

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

上記に当てはまるものはない

役員・管理職は9割以上男性である

転勤がない

中途採用の従業員はほとんどいない

年功序列賃金制度である

終身雇用の慣行がある

社内教育訓練が充実

兼業・副業が認められている

勤めている会社のタイプ

している していない

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7割の働き手は、「キャリア・スキルの棚卸しをしたことがない」。

7割の働き手は、「自分のキャリアやスキルを棚卸しした経験がない」。残りの2割は自力で棚卸ししているが、研修等の機会に恵まれている割合は極端に少ない。

71.5

21.0

2.4

4.0

1.9

3.9

0.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ない

自力で行った

友人・知人に相談して行った

棚卸しに関する企業内研修によって行った

キャリアコンサルタント等のプロに相談して行った

転職サイト等への登録によって(入力フォームへの記入など)

その他【 】

問.現在、自分のキャリアやスキルについて、棚卸し(これまで携わってきた全ての仕事、身に付けた全てのスキルについて書き出し、整理すること)をしたことがありますか。※棚卸しを行った方は、実施した手段を全てお選びください。(いくつでも) (n=1307)

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学び直し始める理想年齢は「30代以前」。

人生100年時代に学び直し始める理想年齢は、30代よりも前が半数以上。 40代以上は、自分の年代よりも「早く学び直したかった」割合が非常に高い。

全体:30代以前が56.2%

問.人生100年時代の中で、生涯活躍するために、何歳くらいをスタート地点として次のキャリアを見据えた学び直しに取り組むことが望ましいですか。 (n=1307)

8.2

12.7

8.4

12.9

14.2

17.8

12.6

12.6

19.0

14.4

17.8

21.9

45.2

22.1

17.0

15.4

22.3

19.2

32.0

22.8

21.5

19.5

12.2

16.3

28.2

21.5

6.8

17.9

10.1

6.8

19.3

12.5

5.9

1.8

9.4

14.5

24.0

13.4

7.0

2.3

3.2

10.3

14.5

6.3

4.0

1.0

1.4

0.9

4.1

3.8

3.6

2.0

1.4

0.9

1.4

2.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

50代後半

50代前半

40代後半

40代前半

30代後半

30代前半

全体

年代

20代後半 30代前半 30代後半 40代前半 40代後半 50代前半 50代後半 60代以降

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多くの働き手は、「1日1時間~3時間」なら学び直しに使える。

平日夜、休日日中・夜であれば、約半数は1時間~3時間未満を使うことができる。

39.7

36.8

17.0

27.6

13.6

42.2

50.3

48.2

2.9

5.5

19.4

10.1

0.4

1.1

2.1

1.5

43.4

14.4

11.1

12.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平日の朝

平日の夜

休日の日中

休日の夕方以降

問.仕事をしながら学び直す場合、どのくらい時間を使うことができますか。

1時間未満 1時間~3時間未満 3時間~10時間未満 10時間以上 使える時間はない

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60

アンケート結果より得られた示唆

① 30歳~59歳が考える「理想の学び直し開始年齢」は「30代より前」が半数以上。一方で、7割以上は「自分自身のキャリアやスキルを棚卸しした経験」がない。⇒働き手の大半はキャリアを見つめ直す機会に恵まれてこなかった一方で、早い段階で行動することが必要と自覚。

② 3分の2は特定分野のスペシャリストを志向。一方で、学び直したい内容は「趣味や生活に関する学び」が一番多く、 「大学院進学等のための自己啓発休業」は最下位。⇒スペシャリストという理想と、学びたい内容のギャップが存在。キャリアの棚卸しができていないことも原因である可能性。

③ 他方で、半数近くが兼業・副業や出向などに前向き。また、約半数の働き手は、平日夜、休日日中・夜であれば、1時間~3時間未満を学び直しに使うことができる。⇒時間の使い方次第で、学び直しや兼業・副業、出向も可能となるか。

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4. 企業向け調査

①キャリアオーナーシップ醸成に向けたヒアリング調査

②賃金制度改革に関する企業向けアンケート調査

61

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「人生100年時代」に高付加価値労働主体として活躍し続ける必要性 「人生100年時代」の中、「生涯を通じた高付加価値労働」実現が必要。 そのためには、個人がオーナーシップを持ち、社内外の広い選択肢を視野に入れてキャリア開発することが必要。

これまで これから

就職

定年退職

社内での低付加価値労働

社内での継続的な高付加価値労働

他社への転進独立

就職キャリアオーナーシップ醸成

終身雇用が前提

キャリアは会社が作ってくれる

定年後は再雇用しか道がない

キャリアは自分で作るもの社外転進も

視野に入れる

生涯に渡って求められる人材に

社会全体での人材最適活用

景気の悪化に対応しきれない

環境変化に耐えられる

キャリア設計を

• 定年で終わり、という意識の社員が多い(大手化学メーカー)

• 会社がすべてを決める文化であり、社員も言われたことをやればいいと考えがち(大手化学メーカー)

• 予期せぬ社内環境変化なども起こるため、専門領域で個人の市場価値を向上させる必要性が高まっている(大手食品メーカー)

企業の声

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従業員に対する企業の役割変化 企業の役割も 「雇い続けることで守る」から、「社会で活躍し続けられるよう支援することで守る」に、変容が求められているのではないか。

「自社で雇う」ことの保障(1対1の関係性)

「社会で活躍できる」ことの保障(N対Nの関係性)

働き手

企業

定年まで仕事を与える

企業

企業

働き手

キャリア開発を支援する

社外人材を活用する

働き手定年後も社内で継続雇用する

これまで これから

• 言われたことだけやれば定年までいられる、という意識が根付いていた(大手化学メーカー)

• 社外でも活躍できる人材を育成する必要がある(大手インフラ企業)

• 中高年への社外転進という選択肢の提示は、日本全体にとって有益(大手機械メーカー)

企業の声

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企業が従業員に向けて取り組むべき3つのポイント 個人が活躍し続けられるよう支援するために、企業は「キャリア開発支援」「リテンションの強化」「新たな関係性の構築」に取り組む必要があるのではないか。

企業にとって 産業/社会にとって細字は企業の声

•エンゲージメント・生産性の向上- キャリア開発施策が成長意欲や会社へのコミットメント向上に寄与等の統計結果あり(大手機械メーカー)

•事業環境変化に強い人材の育成- M&Aの増加やAIの普及など、事業環境変化に伴い事業ポートフォリオも変化するため、各個人の「対応力」強化が求められる(大手機械メーカー)

•企業の状況に依らず働ける人材の創出- (事業環境の悪化なども含めた)急速な事業環境変化に耐えられるように、自分でキャリアを構築していける人材の育成は重視されている(大手インフラ企業)

①キャリア開発支援

•労働力不足のフォロー- 社内55歳以上の人数比率の更なる上昇が予想され、高齢者の最適活用が重要となる(大手機械メーカー)

•後継者の育成/技術・ノウハウの社内継承- 次世代の育成が不十分であるため、企業としても再雇用を好意的に受け止めており、必要なポストで活用している(大手化学メーカー)

•労働力不足のフォロー- 日本の企業、特に製造業の課題として、高齢社員の増加が挙げられ、有効活用が望まれる(大手機械メーカー)

•働き手の不安解消- 年金受給年齢の引き上げにより、従業員も自分の生活のために65歳まで働くことが当たり前になってきた(大手インフラ企業)

②リテンションの強化

•社外転進者を巻き込んだ広いネットワーク形成による事業拡大

- 退社社員との継続的なネットワーク構築で、事業拡大に繋げている企業もあり、見習いたい(大手化学メーカー)

•「囲い込む企業」のレピュテーションリスク回避- 社外交流促進支援が、今後は新卒採用等でのブランディングの一つとして重視されうる(大手機械メーカー)

•社会全体での人材の最適配置の実現- 社内にはあまりマッチしない人材でも、社外ではうまくはまる事例もあり、社会全体でのマッチングは重要(大手機械メーカー)

•産業全体での知見共有・成長- 日本全体での成長を考えたときには、個社ではなく産業レベルで人材を有効活用していく必要がある(大手機械メーカー)

③新たな関係性の構築

64

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65

企業に求められる役割を担うための要諦や具体策(全体像) キャリア開発支援・リテンションの強化・新たな関係性の構築いずれも、複数の施策を同時に実施することで一層の効果が見込まれる。

① 社内外での研修② (キャリア自律につながる)人事制度の整備③ (兼業・出向等)他企業での修羅場体験に一体的に取り組むことが必要

実現の要諦 取り組みの具体策

① 多様なポジションの用意② ダイバーシティマネジメントの浸透③ (本人の)マインドセット変革に向けた早

い段階からの面接/研修に一体的に取り組むことが必要

① 働き手の処遇の整備② 転進先の紹介・マッチング③ 業界横断での環境・ネットワーク整備に一体的に取り組むことが必要

• キャリアオーナーシップも含めた社会人基礎力の醸成

• 多様なキャリア選択肢の把握• 働き手個々人の自律的なスキル把握と醸成

• (モチベーションを維持できる)多様なポジションの用意

• 職場の意識改革• 働き手の意識改革

• 働き手の社外転身の不安解消• 多様な転職先の提示• 企業メリット最大化

①キャリア開発支援

②リテンションの強化

③新たな関係性の構築

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「キャリア開発支援」に関する取組事例(一覧) 各社社内外でのキャリア研修やスキル研修の設置に加え、人事制度の整備や、研修・他企業での修羅場体験等、多面的なキャリア開発支援も始まっている。

キャリア開発支援

✅35歳~「自律」に向けた生涯設計研修+各種

スキル研修

✅30歳から10年毎にキャリアセミナー

✅「定年まで企業に依存し人生設計できない」回避の為、35歳から約10年に1回生涯設計研修

✅役割・成果や能力に応じた給与・昇格設定

✅従業員個人が自身のキャリアプランに沿って希望部署へ直接アピール

できる制度を用意

✅管理職だけでなく、一般社員にも役割成果や能力に応じた給与・昇格設定

✅個人の成長に資する前向きな兼業/副業の支援

大手機器メーカー

大手食品/飲料メーカー

✅若手の

グループ外への1年間出向+シニアの兼業検討

✅30代~キャリアプラン研修

✅「時間切れ再雇用」を避けるべく

55歳でキャリアワークショップ

✅30歳から10年毎にキャリア研修・情報

提供を実施+独立・開業支援自主研修など

✅入社時から定期的に

キャリア教育を実施

(30代でワークショップ

実施

仕事機軸への人事制度転換

(グローバルグレード・グローバルパフォーマンスマネジメント)

- -

✅高齢社員の兼業/副業への休暇・金銭的支援

富士ゼロックス

日立製作所

NEC

✅高齢社員の

セカンドライフに向けて兼業を認める制度

(1年だが延長可能)

✅個人の成長や

会社への価値創出に資する前向きな兼業/副業の支援を検討

*各社いずれも二次情報やインタビューで確認できたもののみを掲載。「-」部分は必ずしも取り組みがないわけではない

社内外での研修

(キャリア自律につながる)人事制度の整備

(兼業・出向等)他企業での修羅場体験

✅30歳~キャリアプラン研修+各種

スキル研修

✅30歳から10歳毎に自分の強みを知るキキャリアプラン研修+社外ビジネススクール・セミナー派遣や自社研修(塾)

✅昇進昇格等での

手挙げ人事

✅昇進昇格等での手挙げ人事採用

✅30歳から10年毎にキャリアカウンセリング/セミナーを実施+キャリアビジョンに合わせ約200種の研修講座受講可能

高島屋積水化学工業

✅50歳でキャリア形成支援セミナー+以降も面談等でフォローアップ(40代に引き下げ

検討)

大日本住友製薬

✅30歳~キャリアプラン研修+各種

スキル研修

✅30歳から10歳毎に自分の強みを知るキキャリアプラン研修+社外ビジネススクール・セミナー派遣や自社研修(塾)

✅昇進昇格等での

手挙げ人事

✅昇進昇格・異動

等での手挙げ人事採用

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キャリア開発支援

(兼業・出向等)他企業での修羅場体験

(キャリア自律につながる)人事制度の整備

社内外での研修

67

「キャリア開発支援」に関する取組事例① 大手食品/飲料メーカーではセミナーでのキャリア意識醸成に加え、希望異動先へのアピール制度や社外出向制度等を通じ、自律的キャリア開発を支援。

キャリア開発支援の取組事例

自身のキャリアを踏まえた手挙げ異動希望者は毎年90~100名社外出向者も働くモチベーションを一層強くもてるように

希望異動先へのアピールの場用意• 従業員個人が自身のキャリアプランに沿って希望部署へ直接アピールできる制度を用意(ダイレクトアピール)

30歳からキャリアセミナー実施• 30歳から10年毎にキャリアセミナーを実施

• 他にキャリアカウンセリングやベテラン社員によるアドバイス制度も実施

若手の出向(社外武者修行)実施• グループ外に1年間出向し、仕事するプログラムを用意、他社からも受入

• 加えて、再雇用のシニアを中心に兼業解禁も検討開始

成果

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「キャリア開発支援」に関する取組事例② 大手機器メーカーでは成果・能力を重視した評価制度を導入し、キャリアやスキルを醸成する機会も用意。更に兼業副業についても前向きに検討中。

キャリア開発支援

(兼業・出向等)他企業での修羅場体験

(キャリア自律につながる)人事制度の整備

社内外での研修

キャリア開発支援の取組事例

(各種制度の整備を行ったばかりであり、今後成果に注目)

成果・能力を重視した評価制度• 職能資格制度から、役割・成果、能力に根差した評価に方針を転換

• 管理職だけでなく一般社員に対しても役割・能力評価を重視

キャリア研修・スキルアップ支援• 45歳でのキャリア検討、50歳でのセカンドキャリア研修を実施

• 通信教育やeラーニング受講費用補助などの自己啓発支援制度も用意

兼業副業の検討• 価値創出・個人成長に結びつくような、「前向きな」兼業副業を支援する制度を検討中

成果

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「リテンションの強化」に関する取組事例(一覧) 「リテンションの強化」では、高齢になってもモチベーションをもって働き続けることのできる処遇も含めた多様なコース設定、ダイバーシティマネジメント研修や50代後半でのマインドセット研修も散見。

リテンションの強化

✅再雇用では

能力・意識等を踏まえて柔軟に対応

大手機器メーカー

大手食品/飲料メーカー

✅再雇用に関し従業員の意見を聞いてマッチング(ジョブマッチ支援制度)

+コース分け検討

✅50代のセミナーでマインドチェンジの必要性理解を

促進

✅再雇用では

各人の状況・意向を踏まえて、

職務提示・マッチング

✅各自のモチベーションに合わせた多様なコース(現役と同等の目標設定+

実績連動など)

✅40代からのライフプラン研修の実施

(定年迄に概ね3回実施)

✅管理職全員に対するコーチング研修の実施

✅55歳研修で

社内外の環境認識とマインドチェンジの必要性理解を

促進

富士ゼロックス

日立製作所

✅55歳研修で役割・処遇変化への意識の持ち方を指南

NEC

✅多様な人材マネジメントに関する研修

*各社いずれも二次情報やインタビューで確認できたもののみを掲載。「-」部分は必ずしも取り組みがないわけではない

多様なポジションの

用意

ダイバーシティマネジメントの浸透

(本人の)マインドセット変革に向けた早い段階からの面接/研修

✅管理監督者に対するマネジメント研修・評定研修

の実施

✅50歳・55歳時のセミナーによるマインドチェンジの必要性に対する段階的な理解の促進

高島屋

✅各自の能力・意欲に合わせた多様な再雇用コース(フル/短時間・財務/営業/技術等専門コースなど)

積水化学工業

✅50代のセミナーで現役層のシニア継続雇用への理解を促進

✅50代のセミナーでマインドチェンジの必要性理解を

促進

大日本住友製薬

✅週休数・勤務時間等に関する

複数選択肢の用意+インセンティブ

の支給

✅57歳研修で

「覚悟と働き甲斐」をテーマに

65歳までを見据え働くマインドセットを醸成

✅(年上の部下等)多様な人材のマネジメントに関する研修

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「リテンションの強化」に関する取組事例① 高島屋では、能力・意思に合わせた多様な再雇用コースを用意する一方、セミナーで働き手に再雇用時のマインドチェンジの必要性理解を促進。

多様なポジションの用意

ダイバーシティマネジメントの浸透

(本人の)マインドセット変革に向けた面接/研修

リテンションの強化

リテンションの強化の取組事例

能力・意思に合わせた多様なコース• 各自の能力・意思に合わせた多様な再雇用コースを用意(フル/パートだけでなく、財務や営業/修理等の専門等)

• 現役時評価により選択幅が決まる

マインドチェンジの必要性説明• 50/55歳のライフプランセミナーで、定年後を含めたキャリア・ライフ分析を行い、再雇用時のマインドチェンジの必要性理解を促進

ダイバーシティマネジメント施策• 取引先の職員を含め多様な雇用形態が協働していることから、ダイバーシティマネジメントの重要性を認識し、管理監督者に対しての研修を実施

現在1,400名以上が再雇用(全体の約1.5割)、対象者の約8割が制度を活用

30歳からキャリア研修+スキル強化• 10年毎にキャリアカウンセリング実施キャリアビジョンに合わせて受講可能

• な200の研修講座(「商い塾」)

ベースとなるキャリア開発

成果

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「リテンションの強化」に関する取組事例② 富士ゼロックスは働き甲斐のある会社を目指し、モチベーションに合わせた再雇用コースを設定。働き手・受け入れ側双方の意識改革にも注力している。

多様な継続雇用ポジションの用意

ダイバーシティマネジメントの浸透

(本人の)マインドセット変革に向けた面接/研修

リテンションの強化

リテンションの強化の取組事例

モチベーションに合ったコース設定• 各自のモチベーションに合わせたコースを選べるよう、実績連動コース等も含め広く再雇用ポジションを用意(元々は一律再雇用の形式だった)

マインドチェンジの必要性説明• 55歳研修で、社内外の環境認識と定年後のマインドチェンジの必要性理解、会社の社員への期待理解を進めている

ダイバーシティマネジメント施策• ダイバーシティ研修やe-learningを実施• ダイバーシティWeb調査や、再雇用者の周りへのアンケート等も行っている

富士ゼロックス・関連会社で1,200人以上の定年再雇用従業員が勤務(2016年度)

年1キャリア面談+相談室の用意• これまでの経験を振り返り、強みや弱みを見つめ直し、マネージャーと次のキャリアを主体的に描く面談実施

・キャリア相談室で個別にサポート

ベースとなるキャリア開発

成果

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「新たな関係性の構築」に関する取組事例(一覧) 「新たな関係性の構築」では、転職等を行う従業員にも手厚い支援を行い、継続的に良好な関係性を維持できるような取り組みをする企業も増加。

事業変化に対応するための、社内新陳代謝を促す効果もある。

新たな関係性の構築

大手機器メーカー

大手食品/飲料メーカー

--

富士ゼロックス

日立製作所 NEC

- - -

✅キャリア面談の機会等に本人意向を把握・希望により転進先等を紹介

✅社外転進サポートプログラムの提供とオープンな情報開示(転職・起業準備、

休暇制度+転職支援金加算)

✅60歳以降のコース選択中に再就職支援会社の利用コース用意

✅起業・独立への準備休職

(Max2年・金銭的支援)

✅従業員からの要望で45歳~転職・起業準備有休(賃金保障)+退職金上積み

✅転進専任の

チームを設置し、転身先開拓+従業員へのアドバイス

✅45歳以上の早期退職者への退職金上積み(Max3年分・独立/転職不問)

✅社外転進/出向の希望者に対し、上司の同意の下社内キャリアセンター

による転進先提示

✅40歳以上の早期退職者への退職金上積み

✅40歳以上への転職先斡旋

(再就職支援会社)

業界横断での環境・

ネットワーク整備

働き手の処遇の整備

転進先の紹介・マッチング

*各社いずれも二次情報やインタビューで確認できたもののみを掲載。「-」部分は必ずしも取り組みがないわけではない

高島屋

✅45歳での早期退職希望者への退職金上積み

+50~58歳での転職先斡旋+退職金上積み

✅支援制度利用者に対する

50~58歳での転職先斡旋

(再就職支援会社)

積水化学工業

大日本住友製薬

✅同活動が社外に認知され、

同業他社と求人案件情報を共有+出向先との

ネットワーク形成

✅50歳代の幹部は籍を置いたまま定年まで出向可+「出向は褒章」という雰囲気醸成

✅転進専任の

チームを設置し転身先開拓+従業員との

マッチングを担当

✅キャリア転換準備のための休暇・支援金の支給

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「新たな関係性の構築」に関する取組事例① 大日本住友製薬では50代幹部社員を対象とする外部企業出向を円滑にすべく、セミナーのほか、出向先とのマッチング、身分保障等のサポートを実施。

転進先の紹介・マッチング

働き手の身分・立場保障

業界横断での環境・ネットワーク整備

新たな関係性の構築

新たな関係性の構築の取組事例

50歳でのキャリア形成支援セミナー• 今までの会社人生を振り返り、定年後にグループ外で通用するキャリアを身に着けるための中長期展望を検討

ベースとなるキャリア開発定年までの身分を保証

• 定年までの間、同社に籍を置いたまま、出向先企業で働くことができる

• 経営層が出向を「報償」と紹介、社内でもプラスのものとして認識されている

年間70~80名程度が出向(全幹部社員のうち年間5%程度)・総数130社年齢層も50歳前半に引き下がっている

出向先開拓・マッチング実施• 出向のための専門部署を創設、グループ外の求人の開拓と維持に積極的に取り組んでいる社員と出向先企業マッチングも実施

成果

業界横断での活動支援• 出向支援活動は社外にも認知され、他製薬企業とも求人案件を情報共有するなど、業界全体でシニア社員の活躍の場を広げている

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各取組を進めて行く上での共通する阻害要因 各取組を企業内で進めていく上で、相互に深く連関する阻害要因が存在。 それぞれの個別解決だけでなく、全体の関係性を意識したアプローチが必要。

取り組みの阻害要因

相互連関

相互連関

相互連関

相互連関

社会

産業・企業

個人

1. 個々人のキャリア意識の低さや視野の狭さ(と変えにくさ)

・非Job型での就労経験・新卒一括採用/終身雇用の文化

5. 流動性の低さ故の、社会システムの未整備

・社会保障面・家庭/地域環境面

3. “自社で雇い続けることで守る”を貫いてきた企業の経営姿勢

・(社会の公器としての)雇用重視・手厚い補助(労働分配)

2. 人事に関する経営意識・戦略意識の希薄さ

・短期目線や人材管理への終始・雇用前提/年功序列等の思考前提

4. 産業全体としての最適化に対するモーメンタムの弱さ

・業界内での非競争領域の少なさ・個社で最適化された業務への依存

•「会社が全て決める」「社員は言われたことをやればいい」という文化•同じ企業に長く勤めると、汎用スキルや自身の客観評価が欠如する•昇進は自己申告制であるものの、入社年次ごとの横並び意識が目立つ•職位変化に対応できず、以前の立場の目線で周囲に接してしまう人も

•中長期的には人材余剰も課題となりえるため検討が必要だが、現在は社内が人材不足であるため高齢者を活用する面ばかりに注力している

•一定期間社外経験を積むことは重要だが、人手不足で実施できない•多くの企業は個人の評価を明確な根拠をもって行えていない

•定期人事異動もあり、特定領域の深い知見がないジェネラリストが多い•社外転進を正式に後押しすると肩たたきと捉えられかねない•会社の本音としては優秀層に会社を去られたくないが、今後は社外交流を支援できなければ、採用で優秀層を取りこぼすことにつながりうる

•「会社の仕事は社員でやるものだ」という意識が強い•自社発展のためのネットワークとして社外転進者を活用する考えが根付いていない

•海外では同業への転職は多いが、日本では背反行為とみなされがち

•転職先の処遇等が社内残留よりも悪く、転職の妨げになる場合が多い•日本全体で制度や文化の見直しを進めることが大前提であるはずなのに、多くの人が社内課題レベルで議論してしまっている

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(参考) 「キャリア開発支援」に関するインタビューコメント 「キャリア開発支援」の阻害要因として、終身雇用や年功序列等を背景とする個人/人事両方のキャリア醸成の重要性認識の欠如などが挙げられる。

キャリア開発支援

•「社員は言われたことをやればいい」という文化•昇進は自己申告制だが、横並び意識あり•長期勤務で汎用スキルや自身の客観評価が欠如•定年前に連続して考えてもらうためとはいえ、セカンドライフへの研修が遅くなってしまっている

•現在は人材不足なので高齢者を活用するが、中長期的には人材余剰も課題で何か考える必要はある

•社内に中途活躍例が少なくイメージが湧きにくい•社外に目を向ける機会の導入は課題である•兼業の必要性は感じるが労働法の観点で課題あり•一般的には社外転進に対してはレールから外れたというネガティブな印象を持たれがち

•言われたことだけやれば定年までいられる、定年で終わりという意識が根付いていた

•多くの企業は根拠をもった評価が十分できておらず、個人が自身のスキルを把握できない

•「どんな課題を解決してきたか」ということに主眼をおいた思想の採用が不足していた

•若手が活躍する場を用意できていない企業が多い•再雇用において、事務系は汎用的なスキルがあまりなく、活用が難しい

•社外からの転身者やヘッドハント等のきっかけの少なさ(1, 5)

• M&Aや社外連携、兼業等社外接点の少なさ(1,4)•ラダー型のキャリアパス前提の昇進システム(梯子から外れることへの忌避)(2)

•終身雇用環境下での「勤め上げ」を前提とした「定年/65歳まで残れる」という危機感のなさ(3)

•(社会全体での)標準化されたスキル・強み/弱みのものさしの欠如(4, 5)

•非Job型様式下でのスキル定義のない人事評価(2)•能力評価よりも年功序列が問われる人事パス(2)•(将来キャリアに)自信を持てる場の欠如(1,2)•標準化されていない業務プロセス(属人的、現場的)が故の、汎用スキルの必要性の低さ(2)

•非Job型採用・育成に伴うキャリア意識の欠如(1)•終身雇用前提でのキャリア思考停止 (1,2)•横並び人事によるキャリア開発必要性不足(1,2,3)•人事側の教育インセンティブ不在・転進リスク(2)•目の前の課題解決にのみ注力しがちな人事(2, 5)

実現の要諦 インタビューコメント要諦を満たすために解決すべき個別課題の掘下げ

阻害要因(仮説)

キャリアオーナーシップも含めた

社会人基礎力の醸成

多様なキャリア選択肢の把握

働き手個々人の自律的なスキル把握と醸成

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(参考) 「リテンションの強化」に関するインタビューコメント 「リテンションの強化」の阻害要因として、社内リソース前提での人事計画や、受け入れ・働き手両方の経験・学び直しの場の不足が挙げられる。

リテンションの強化

(モチベーションを維持できる)

多様なポジションの用意

職場の意識改革

働き手の意識改革

インタビューコメント要諦を満たすために解決すべき個別課題の掘下げ

阻害要因(仮説)実現の要諦

•任用解除後の新たな役割への適応とモチベーションの維持は直近の課題

•言われたことだけやれば定年までいられる、定年で終わりという意識が根付いていた

•定年後異なる部署で若手育成にあたり、教育を学んでもらってはいるものの研修補助等は未実施

•年功序列での働き方の染みつき(1)•「60歳定年」をゴールと考えてしまう意識の低さ(1)

•自分の役割変化における意識改革・モチベーション維持のきっかけの不足(1)

•新たな役割を担ううえでのスキルの学び直しの場の不足(1, 5)

•再雇用等により、経験のない(年上上司も含めた)多様な人材のマネジメンが必要となった

•(社外からの転身者に対しても含めて)多様性をマネジメントする経験の不足(3)

•大きな事業変化がない中モチベーションを保てるポストを自社で全員分用意するのは難しい

•「会社の仕事は社員でやるもの」という意識が強い

•再雇用制度導入時は一律の機会を与えることが目的だったが、次第に各自の意識に会社が応えることでより働き甲斐のある会社を目指すように

•新事業の創出力の弱さや(組織改革を伴う)構造改革の弱さ(3)

•常に「社内リソースのみの前提」で解こうとしてきた人事計画(2,3,4)

•モチベーション・スキルレベルに合わせた段階的な処遇・役割設計の不足(一括管理)(2)

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「新たな関係性の構築」の阻害要因として、悪評や優秀層流出リスクへの恐れの他、転職先の処遇・退職金受給期間条件等の金銭面での枷が挙げられる。

(参考) 「新たな関係性の構築」に関するインタビューコメント

新たな関係性の構築

多様な転進先の提示

(送り出し)企業のメリットの最大化

働き手の社外転進の不安の解消

インタビューコメント要諦を満たすために解決すべき個別課題の掘下げ

阻害要因(仮説)実現の要諦

•転職先処遇が悪い、一定期間勤めないと企業内退職金が出ない、等が社外転進の妨げになっている

•東京に持ち家がある、子どもが小さい、親の介護がある等の理由で移住できない場合が多い

•産業別マーケットが現状、国内に存在しないため、人材流動が進んでいない

•優秀層に社外転進させインフルエンサーとすべき

•転職先の処遇が(送り出し元に比べ)低い(1,5)•企業内退職金などの制度の枷による社外転進ハードルの存在(1, 5)

•マイホームや介護等(立地的な)社会的負担(5)•(同業でも)企業毎に異なる働き方への懸念(3,4)•優秀層の社外転進者事例に触れる機会の不足に伴う漠然とした不安の存在(1)

•社外転進を正式に後押しすると肩たたきと捉えられかねない

•自社発展のためのネットワークとして社外転進者を活用する考えが根付いていない

•会社の本音としては優秀層に会社を去って欲しくないため、兼業制度の広報は未実施

•「人材輩出=リストラ」としての悪評や財務評判リスクへの恐れ(3,4)

• OBとのその後のネットワーキングの欠如(に伴う、社外接点の断線)(4)

•優秀層の流出リスクを恐れての及び腰の姿勢(と将来的な逆の流出リスクへの認識の欠如)(4)

•海外では同業他社への転職は一般的だが、日本では背反行為のように扱われがち

•自分の強みを示す実績は言えても、その強みを言語化できる人材は少ない

•(業界の非競争領域の狭さゆえの)特に同業界での転進への心理的ハードルの高さ(3,4)

•自己の能力/経験を(他所との接点を見いだせるように)抽象化して語る能力の欠如(1)

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賃金制度改革に関する企業向けアンケート調査結果(速報)

職務・役割ベースの等級制度/報酬制度を導入している企業を対象。※職務・役割ベースの等級制度/報酬制度とは、職能給等の職能資格(職務遂行能力に基づく資格)をベースにした人事制度ではなく、働き手がアサインされている職務(仕事)や役割に応じて報酬等が決定される人事制度を指す。

調査方法 インターネット調査

調査実施機関

インターネット調査会社

調査時期 平成29年10月~11月

対象企業

回答企業全232社のうち、職務・役割ベースを導入している153企業内訳:日系企業…79企業外資系企業…74企業

78注)速報値であり、最終調査結果とは内容が異なる場合があります。

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職務・役割ベースの人事制度の導入は、能力・スキルアップへ向けたインセンティブとして有効

73.86%60.13%

34.64%24.18%

13.07%11.76%

10.46%6.54%

5.88%5.88%5.88%

1.31%

職務・役割に応じた報酬水準の適正化

年功によらない人材の抜擢、適正配置

優秀人材のモチベーション向上

外部からの優秀人材の中途採用

グローバルレベルでの適材適所

リーダー層の選抜、育成の取組み促進

海外拠点における報酬ガバナンスの強化

同一労働同一賃金を促進

働き方の柔軟化、業務効率の向上

職務の明確化による働き方の効率化

特にない

その他

(n=153)

職務・役割ベースを導入したことによるメリット・効果を質問したところ(複数回答)、 「職務・役割に応じた報酬水準に適正化できた」(年功によらず市場価値に応じた報酬)との回答が最多。

次いで、「年功によらない人材の抜擢・適正配置」や「優秀人材のモチベーション向上」につながったとの回答が多数。

⇒総じて、年功制を廃して能力・スキルに応じた処遇へつながっており、能力・スキルのアップへ向けたインセンティブとなっている。※なお、導入によるデメリットに関する質問においても、「キャリアに対する閉塞感の醸成」や「能力向上に対するインセンティブの低減」との選択肢を選んだ回答は少数だった。