デジタルフラッシュカードの作り方音が出てゲームもできる単語カードを

無料で作る！

清原文代（大阪府立大学 高等教育推進機構）

中国語教育学会 関西地区研究会（２０１２年７月１４日 関西大学千里山キャンパス）

今日はこれのデジタル版を作ります。

なぜフラッシュカード？単語は文脈の中で憶えるべきでは？

→入門初級段階ではまず語彙数を増やす必要あり。

単語の意味は一つではない。

→最初から全ての意味を把握できるわけではない。まずは第一歩を踏み出す。

なぜデジタル？文字＋音声＋画像のマルチメディア

単語リストを元に憶えるまで問題を出し続けてくれる。

学習履歴が残る。

カードの共有が簡単。

Quizlethttp://quizlet.com/

2005年カリフォルニアの高校生だった創業者が自分のフランス語学習のために作ったものが始まり。

カード制作にはQuizletのアカウントが必要。基本的な機能は無料で使える。

カードが公開されていれば、カードを使う側はアカウント必要なし。アカウントを取れば、学習履歴が残せる。

Quizletで何ができる？(1)

カードを見る

両面表示、片面表示の切替

合成音声で読み上げ

シャッフルして表示

教室で表示するのに便利なフルスクリーンモード

Quizletで何ができる？(2)勉強するスペラー（音声→文字の訓練）合成音声を聞いて入力練習。

学習（記憶の定着）同じ単語を2回正解するまで問題を出し続ける。

テスト（学習結果の測定）採点機能付き自動生成のテスト。記入問題、組み合わせ問題、選択問題、正誤問題を自由に組み合わせて何度でも出題できる。出題数の設定も可能。

Quizletで何ができる？(3)

ゲームで遊ぶ（単語に対する反応速度の向上）スキャターカードの表と裏を重ねて消す。全部消すまでの時間を争う。

スペースレース問題が画面を横切るまでに入力できると得点できる。総得点を争う。

サンプル中国語画像付きカード（動物）

問題を公開すると、共有するためのURLが提供される。

http://quizlet.com/_7mx28

このURLをメール等で学生や同僚に送って共有。

Quizletでカードを作るアカウントを取る（無料）。

必要なのはメールアドレスだけ。送られきたメールに書いてあるURLをクリックして登録完了。

Facebookのアカウントでもログイン可能。

お金（年15ドル）を払うと？

広告が消える。無料アカウントは広告が表示される。

自分が用意した画像を使える。無料アカウントはFlickrにあるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの画像のみ。

学習者グループの数に制限がなくなる。無料アカウントは８つまで。

カードの作り方(1)

カードセットの名称を決める。

閲覧可能な範囲を決める。（例）全員（ネット上で公開＆共有）

編集可能な人の範囲を決める。（例）自分のみ

セットに対するディスカッションを許可するかどうか決める。

カードの作り方(2)

カードの表と裏、それぞれの言語を設定する。（例）中国語、簡体字——中国語、ピンイン（例）中国語、簡体字——日本語

単語を入力する。

「セットを作成」をクリックする。

カードの作り方(3)

カードに画像を追加したい場合は、「画像を追加する」にチェックをつける。

Flickrを検索するためのボックスが開くので、そこにキーワードを入れて画像を検索。

気に入った画像があったら、「この画像を使用」をクリックする。

カードの作り方(4)あらかじめWordで作った単語リストを読み込むこともできる。

１行＝１カード、カードの表の単語と裏の単語の間にタブを入れる。

「データをインポート」をクリックする。

Wordで作ったデータをコピー＆ペーストする。

「インポート」をクリックすると、単語が欄に入る。

「セットを作成する」をクリックする。

Quizletは紙にも対応

教室にはパソコンもネットもない！→紙に印刷して使える。

カードの印刷（リスト形式、表形式、カード形式など計5種類）

テストの印刷。

Quizletの弱点日本語と中国語の漢字で微妙に字形が異なるものを区別できないことがある。

（例）写と�が区別できない。

これはUnicodeでは日本語と中国語の漢字のうち、字形の差異の小さいものは１つの文字コードに統合されているため。

TTSによる合成音声は100%正しいとは限らない。例えば、“儿化”が苦手で正しく発音できない。

既存のカードセットを利用カードセットが公開されていれば、簡単にデータを共有できる。

「エキスポート」をクリックして、単語リストをコピーする。→WordやExcelで単語表にする。

既存のセットをコピーして編集し、新たなセットを作る。

清原の作ったカード(1)

簡体字-日本語（約150個）http://quizlet.com/_6qm72

簡体字-pinyin（約150個）http://quizlet.com/_6qm6t

舌面音始まり簡体字-pinyin

http://quizlet.com/_6tz8d

そり舌音始まり簡体字-pinyin

http://quizlet.com/_6tz93

清原の作ったカード(2)

動詞　簡体字-日本語http://quizlet.com/_6qm7v

動詞　簡体字-pinyin

http://quizlet.com/_6qm7a

代名詞、疑問詞　簡体字-日本語http://quizlet.com/_6tz3j

代名詞、疑問詞　簡体字-pinyin

http://quizlet.com/_6tz37

清原の作ったカード(3)

他にもあります。Quizletの検索ボックスにkiyoharaと入れて検索してみてください。

単語リスト用を作るための材料を公開しています。科研基盤(C)一般（2010-2012年）課題番号22520574

「紙とｅ－Ｌｅａｒｎｉｎｇを繋ぐワンソース・マルチユース教

材の開発」

浦山あゆみ・方紅・田邉鉄・清原文代

『基礎中国語の単語と例文』http://xunyicao.iic.hokudai.ac.jp/kaken/

授業でどう活かす？今学期、入門クラス、入門クラスの再履修で使用。

１学期分の語彙として150個を指定。毎週20～30個を憶えるように促す。

LMSのMoodleに次週の分のQuizletへのリンクを貼る。

次週の授業でアナログでチェック。清原が単語を発音して簡体字で書き取らせる、日本語訳を言って、簡体字やpinyinを書かせる。単語リストの単語を使ってクリスクロス。

授業でどう活かす？皆様のお智慧を拝借できますか？

QuizletのTips(1)

Q: 単語に注をつけたい。但し、読み上げたり、テストの正解とはしたくない。

A: 注にしたい文字を（　）で囲むと括弧内の文字は読み上げない。テストやスペースレースでは、括弧内の文字を正解判定の際に無視する設定項目がある。

QuizletのTips(2)

Q: 答えを入力する際に候補の漢字をクリックして選ぶだけでは単純すぎる。直接キーボードから漢字を入力できないか？

A: 学習者のパソコンが中国語入力を備えていれば、解答欄にキーボードから入力できる。iPadは中国語手書き入力を持っているので、直接液晶画面に漢字を書いて入力できる。但し、iPadでQuzletを使うと、合成音声の再生開始に少し時間がかかる。

QuizletのTips(3)Q: iPhoneなどスマートフォンの小さい画面では、Quizletは使いにくい。

A: 他社製のアプリでQuizletのカードセットをダウンロードして使用できるものがある。http://quizlet.com/mobile/

iPhone向けのもので、私のオススメは、Flashcards Deluxe（350円）、カードセットに加えて、合成音声もダウンロード可、中国語フォント指定可。http://itunes.apple.com/jp/app/flashcards-deluxe/

id307840670?mt=8

みんなでQuizletでフラッシュカードを作って共有しませんか？