海外地質構造調査概要（豪州・アイザックプレーンズイーストJV、カナダ・パリセイドJV、カナダ・パノラマノースJV）

平成30年6月18日

平成２９年度ＪＯＧＭＥＣ石炭開発部成果報告会海外炭探鉱支援等事業

⑤

海外地質構造調査の位置付け1

基礎調査段階

･地表踏査､物理探査､ﾎﾞｰﾘﾝｸﾞ等による地質構造把握、炭質性状調査等に基づき資源評価を実施

開発段階

・開発に必要なインフラを整備し､生産用施設を設置

事前調査段階

･既存地質情報収集､地表踏査､物理探査､ﾎﾞｰﾘﾝｸﾞ等による石炭賦存可能性評価を実施

詳細調査段階

･詳細地質調査を実施･収益計算､ｲﾝﾌﾗ･生産･人員等の計画に基づき事業化を判断

海外地質構造調査探鉱出資

(JOGMECは50%を上限に出

資)

債務保証(80%上限)

産炭国への支援（政策対話に基づき実施）

本邦企業等への各種支援

生産段階

・生産の拡張工事、周辺鉱区の新規権益取得等

事前段階 探鉱段階 開発段階 生産段階

石炭資源開発の流れ

海外地質構造調査のスキーム2

（１）共同調査• 新興国等のリスクの高い地域において、鉱区未設定地域、政府鉱区等を対象として当該国政府機関とMOUを締結して実施する共同調査。

• JOGMECが資金・技術を提供し調査を実施することで産炭国政府機関との関係を強化。あわせて排他的交渉権等を獲得。

• H29年度：ベトナム

（２）JV調査• JOGMECが海外企業と実施する共同探鉱。• JOGMEC獲得オプション権（権益、販売権、オフテイク権）については、有望な探査結果が得られ、日本企業の関心が高まった時点で入札を実施し、落札企業に譲渡•H29年度：豪州3件、カナダ２件、インドネシア1件

（３）日系JV調査• JOGMECが日本企業（共同調査会社）と実施するJV調査。•実施希望書の公募・審査を経て、案件を形成。•共同調査会社は、JOGMEC獲得オプション権に係る入札結果に対して、第一先買権を有する。•H29年度：豪州1件

③調査成果②共同調査

①MOU締結

調査地域提供

調査実施技術提供

調査地域

④探鉱・開発・操業

政府・政府系機関オペレーター

JOGMEC 政府機関等

日本企業

②JV調査

①JV契約締結

調査費用

鉱区所有者

⑤探鉱・開発・操業

③権益等オプション権獲得

オペレーター④入札・譲渡

海外企業、政府・政府系機関

JOGMEC 海外JV相手

日本企業

③JV調査調査費用

⑥探鉱・開発・操業

④権益等オプション権獲得

オペレーター⑤入札・譲渡

①公募・審査②JV契約締結

共同調査会社及びその親会社は入札結果に対して第一先買権を行使可能

JOGMEC

日本企業

共同調査会社

鉱区所有者

資本参加、石炭調達

資本参加、石炭調達

資本参加、石炭調達

機構HPにて実施希望書公募中

平成29年度海外地質構造調査プロジェクト3

豪州＜QLD州＞クリフォード (Stanmore Coal)アイザックプレーンズイースト (Stanmore Coal)ディンゴウエスト(Baralaba Coal)【終了】イースタンコール(MMI-Square)

インドネシアボス・ピービー (BOSS)

カナダ＜AB州＞パリセイド(Altitude)＜BC州＞パノラマノース(Atrum Coal)

ベトナムバクスイライ(VINACOMIN)

共同調査

JV調査

4カ国5地域 8プロジェクト

平成29年度海外地質構造調査プロジェクト4

プロジェクト【炭種、年次】

相手方【国・地域】

JOGMEC裨益・義務

主な成果

共同調査バクスイライ

【無煙炭、4年次】

VINACOMIN【ベトナム・クアンニン省】

裨益：無煙炭購入権事業期間：4年

ｺｸﾍﾞｰ地区：AMT法物理探査により地質構造を把握。挟炭層の浅部発達は限定的。ｶﾞｰﾊｲ 地区：ボ－リング調査により深部の炭層の連続性を把握し、高品位無煙炭が賦存することを確認。

JV調査クリフォード

【一般炭、5年次】

Stanmore Coal 60%【豪州・クイーンズランド州】

権益：40%過年度調査により有望鉱区（ｸﾞﾗﾝｼﾞ、ﾘﾊﾞﾃｨ ）で資源量630百万ｔを確認したほか（参入時点では100百万ｔ）、開発概念調査により予備的開発・生産コストを把握。2017年3月、A$4.5M拠出完了により権益40％を獲得。

JV調査ディンゴウエスト【PCI炭、4年次】

Baralaba Coal 75%【豪州・クイーンズランド州】

権益：25%ボーリング調査により揮発分、低硫黄分のPCI 炭～一般炭を確認したものの、経済性を有する資源の探鉱余地は限定的との評価に至り、2017年7月、事業終了し、権益を放棄。

JV調査パリセイド

【原料炭、3年次】

Altitude Resources 49%【カナダ・アルバータ州】

権益：51%拠出：C$4.8M(4年)

ボーリング調査により資源量を22. 8百万ｔに更新。地質構造と 炭層分布状況の確度は高まったが、資源量は2016年度末（25. 8百万ｔ）から若干減少（参入時点では14百万ｔ）。2017年3月、A$3.0M拠出完了により権益31.875％を獲得。

JV調査ボス・ピービー

【一般炭、3年次】

BOSS 100%【インドネシア・東カリマンタン州】

販売権：200万ｔ拠出：US$3.0M(3年)

ボーリング調査によりBOS鉱区について資源量500万ｔ（うち埋蔵量240万ｔ）、PB鉱区について資源量1,230万ｔ（うち埋蔵量800万ｔ）を把握。2018年1月、PB鉱区が開発段階に移行。2018年3月、US$3. 0M拠出完了により、販売権200万tを獲得（2016年6月、販売権を日本企業現地法人に譲渡済）。

JV調査パノラマノース

【無煙炭、2年次】

Atrum Coal 65%【カナダ・BC州】

権益：35%拠出：C$5.0M(3年)

ボーリング調査により無煙炭の賦存を確認。地質モデル構築および資源量計上にはさらなるボ－リング調査が必要。2018年3月、C$3.0M拠出完了により権益21％を獲得。

JV調査ｱｲｻﾞｯｸﾌﾟﾚｰﾝｽﾞｲｰｽﾄ【原料炭、2年次】

Stanmore Coal 100%【豪州・クイーンズランド州】

引取権：150万ｔ拠出：A$3.0M(2年)

ボ－リング調査によりI PE地区（露天）資源量29. 7百万ｔ、I P地区（坑内）資源量52.5百万tを把握。露天採掘埋蔵量（既開発鉱区含む）として16.4百万tを計上。2018年1月、IPE地区（露天採掘）が開発段階に移行。7月、生産移行見込み。2018年3月、A$3.0M拠出完了により、オフテイク150万tを獲得。

日系JV調査イースタンコール【一般炭、2年次】

三井松島産業 24.1％Square 58.3％

【豪州・クイーンズランド州】

権益：17.6%拠出：A$2.0M(2年)

ボ－リング調査により露天採掘対象の概測資源量を把握したほか、予備的経済性調査により開発生産コストを把握。2018年2月、A$2.0M拠出完了により、権益17.6％を獲得。

平成29年度海外地質構造調査プロジェクト5

地質構造・

炭層賦存状況の把握資源量把握

埋蔵量把握

経済性評価

FS

開発・生産移行石炭安定供給

共同調査 政府機関

関係強化

JV調査裨益獲得

（権益）

裨益獲得

（権益）

裨益獲得

（権益）

裨益獲得（販売権）

裨益獲得

（ｵﾌﾃｲｸ）

企業支援

（権益）

日系JV調査

原料炭 一般炭

バクスイライ地域

[ｺｸﾍﾞｰ、ｶﾞｰﾊｲ]

パノラマノースJV

パリセイドJV

クリフォードJV

[そのほか] [グランジ、リバティ]

ボスピービーJV

[PB鉱区] [ボス鉱区]

イースタンコールJV

[坑内] [露天]

アイザックプレーンズイーストJV

[IP鉱区坑内] [IPE鉱区露天]

ﾄﾚﾝﾁ調査ボ－リング調査

ボ－リング調査

鉱区維持・引継ぎ検討

地震探査ボ－リング調査

物理探査ボ－リング調査

ボ－リング調査

ボ－リング調査等

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE ）

7

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE）①

概要

【位置】オーストラリア・クイーンズランド州東部ボーエン堆積盆中部

【炭種】弱粘結炭（約90%）、一般炭（中揮発分、低硫黄分）

【共同調査相手側】Stanmore Coal社とその子会社QLD州で6案件の石炭案件を所有する石炭探鉱・開発ジュニア会社。2016年よりアイザックプレーンズ（IP）炭鉱の操業を手掛ける。所在地はブリスベン。2008年設立。2009年にASX上場。

【鉱区】4鉱区（ML、MDL、EPC含む）→全て2018年3月にML転換済、ML5鉱区、34.1km2

【インフラ】I P 炭鉱の鉄道設備及びCHPP が使用可能。港はDalrymple 港を使用。

【JV契約締結日】2017年3月6日

【契約内容】JOGMECが4 年間でA$300万を拠出し、総量150万トン分の石炭オフテイク・オプション権を獲得。

ML70342

ML700019

ML

700018

ML700017

ML700016

8

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE）②

地質構造：・Mimosa向斜構造の西翼・北北西―南南東走向、東緩傾斜・スラストにより東側が上昇→炭層が2列浅所分布

・西側がアイザックプレーンズ（IP）・東側がアイザックプレーンズイースト（IPE）

夾炭層：Rangal夾炭層・炭層はLeichhardt炭層（上部二畳系）・部分的に分層、層厚計3.5m

炭層の浅所分布域

スラスト

模式断面図

▼IP炭鉱ピット（採掘済み） ▼IPE露天採掘予定地

IP坑内採掘予定地

←IP IPE→

西 東

9

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE）③

調査量

試錐：2015年以降、400本を超える試錐うち、機構負担で109本、4,436.61m

物探：地震探査・鉱区全体2D探査、計21測線（04、16年）・IP坑内地区対象3D、6.4km2、計921測線

（2017、機構負担）

IP IPE 総掘進長

チップ コア チップ コア LOX

2015/2016 66 10 13 12 100 13,887.96m

2016/2017

(機構負担)14 5

(2)

28

(27)

9

(9)

71

(71)

5,814.91m

(4,436.61m)

2017/2018 14 17 24 5 24 ―

計 94 32 65 26 195 ―

試錐位置

・機構参入後

・それ以前

地震探査測線図

試錐位置図

試錐量

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE）④

資源量：両地区計約8,220万トン

Area Category Mt

IP Inferred 9.0

Indicated 21.3

Measured 22.2

Total 52.5

IPE Inferred 8.0

Indicated 8.8

measured 12.9

Total 29.7

Grand Total 82.2

Raw Coal IP IPE

水分(% ad) 2.5 2.3

灰分(% ad) 16.6 13.8

揮発分(% ad) 24.5 24.1

固定炭素(% ad) 56.4 59.8

硫黄分(% ad) 0.39 0.48

炭質：弱粘結炭及び一般炭【中揮発、低硫黄分】

資源量：2017年12月JORC準拠埋蔵量：2017年8月JORC準拠

Area Category Mt

IP Probable 1.35

Proven 3.97

Total 5.32

IPE Probable 1.86

Proven 7.10

Total 11.09

Grand Total 16.41

埋蔵量：両地区計約1,641万トン

11

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE）⑤

JVスキーム

Stanmore社

②JV調査オフテイク権

獲得

JOGMEC

⑥対価支払いα(A$／t)× T(t)

③開発・操業

オペレーター

日本企業

④入札

オフテイク権の譲渡

①JV契約

探鉱費拠出

⑤生産物オフテイク価格：（基準炭調整価格 － 割引額 β (A$/t）× 取扱量 T(t)

3MA$（1.5MA$ ×2年）

T=1.5Mt

メリット=（β-α）A$/t × 取扱量 T(t)

（OC.UG 各々0.15Mt × 5年）

【炭鉱の現状と予定】 対象鉱区はQLD州Bowen堆積盆に位置し、Rangal夾炭層が広

く分布。Stanmore社はIP・IPE両地区において炭鉱を実施するほか、IP地区ではIP露天採掘を操業中。

JV対象となるのはIPE露天採掘地区及びIP坑内採掘地区。 Rangal夾炭層に属するLeichhardt炭層がターゲット 資源量は8,220万ｔ（IP・IPE合計） 中揮発分低硫黄分、弱粘結炭(約90%)及び一般炭(約10%)

対象鉱区の環境許認可は取得済みで、MDL・EPCは全てMLに転換済み。

2018年7月にもIPE露天採掘を開始予定。IP坑内採掘は2020年初頭に開始を目指す。

【入札について】 2017年3月までにJOGMECは300万豪ドルの拠出を終え、総量

150万トンの石炭製品オフテイク・オプション権を獲得済み。 IPE露天採掘の開発が決定されたため、本オプション権を日本

企業へ引き継ぐべく入札を実施へ（6月7日公告済み） 今後の予定 7月11日：現地見学会 7月25日：入札参加締切 7月31日：入札 2019年2月：オフテイク開始

海外地質構造調査結果概要（アイザックプレーンズE ）⑥

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）

概要

【位置】カナダ・アルバータ州西部（ヒントンの北西35km）

【炭種】原料炭（低揮発分、低硫黄分、低リン分）

【共同調査相手側】Altitude Resources社アルバータ州にて3 件の石炭探査案件を保有する探鉱ジュニア企業。所在地はカルガリーで2012年設立され、2013年にTSX-Vに上場。

【鉱区】6鉱区・1申請鉱区（117km2）

【インフラ】鉱区西側12kmにCN鉄道、港に接続

【JV契約締結日】2015年4月8日

【契約内容】①J O G ME Cが4 年間で C$ 4 8 0 万を 拠出し 、 権益オ プショ ン （5 1 % ）を 獲得（1 年次：C $ 1 5 0 万、 2 年次：C$150万、3年次：C$110万、4年次：C$70万）

②オペレーターはAltitude Resources社

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）①

パリセイドJV調査位置図

他社鉱区

ヒントン

CN鉄道

【広域地質】 夾炭層は、下部白亜紀のGrand Cache層。・Luscar層群に含まれる・石炭を含む細粒砂岩・泥岩

夾炭層中に、上位から以下の3炭層が賦存。・Moosehorn炭層・Hoff炭層・Solomon炭層（最も厚い）

褶曲が発達 ⇒ 褶曲軸部で厚い炭層が発達

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）②

15 パリセイドJV調査地域の模式柱状図

A

A’

A A’Coal Hill

200m

【地質構造】 褶曲や断層が発達し地質構造が

複雑。 褶曲軸は南東方向にプランジ。 スラストの影響でLuscar層群が

複数回繰り返す。

【炭層】 炭層が地表付近に賦存する3有望

地 区 を 抽 出 （ Coal Hill,Central area, South area）。

Luscar層群（Grande Cache層を含む）

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）③

パリセイドJV調査地域の地質構造図12

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）④

13

Coal Hill

【平成29年度調査目標】• North areaでの探査• Coal Hillから南東方向へ連続する炭層の確認• 資源量の増大を図る

Luscar層群（Grande Cache層を含む）

パリセイドJV調査地域の地質構造図2Km

North area

Cetral area

探査年 実施体制 トレンチ ボーリング（チップ）

ボーリング（コア）

～1991 前鉱区権者 21 5 23

2013 Altitude 25 27 3

2015

JV

24 22 3

2016 8 25 8

2017 4 24 4

合計 82 103 41

１孔のボーリング長：最大230m

層厚(m)（Max）

層厚(m)（Min）

層厚(m)（平均）

Moosehorn 4.80 0.20 1.60

Hoff 3.20 0.20 1.21

Solomon 5.49 0.20 1.19

※見かけ層厚

対象鉱区での調査量

ボーリングにより捕捉された炭層厚※

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）⑤

18

薄層かつ急傾斜

Coal Hill

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）⑥

2Km

North area

13

A

B

A

B

褶曲軸が南東方向へプランジしており、地表から200m以深で採掘に適さず

石炭分析（精炭分析）：原料炭【低揮発分、低硫黄分、低リン分】

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）⑦

SeamThickness

(m)

Raw

Ash%

Float

SG

Clean Coal Proximate AnalysisParting

Yield % Ash % VM % S % P % FSI

Moosehorn 1-2.5 35.6 1.6 34 10.29 20.11 0.53 0.014 7 No

Hoff 2-4 26.5 1.5 64 9.14 18.33 0.59 0.010 6.5 1-4m

Solomon* 2-5 - 1.6 - 10 18.5 0.60 0.020 8 -

SeamIn-Place Coal Resources (TONNES) Stripping Ratio Cut-off 20:1

ASTM Group Measured Indicated Inferred

Moosehorn Mid-Volatile Bituminous 960,000 575,000 535,000

Hoff Low-Volatile Bituminous 3,570,000 2,000,000 2,630,000

Solomon Low-Volatile Bituminous 5,720,000 3,080,000 3,710,000

Total Property 10,260,000 5,660,000 6,880,000

資源量：約2,280万トン

20

Solomon炭層は2試料のみ。そのため代表性状は未だ不明。

【現状】

資源量は合計22.8Mt。

高FSI、低S、低Pのコークス向け低～中揮発分瀝青炭であ

ることが確認された。

Coal Hill南側及びCoal Hill背斜の東翼部では、 Grande

Cache夾炭層が期待された形で地表付近に分布せず、背

斜軸のプランジによって地表から200m以深に分布するこ

とから採掘に適さない事がわかった。

North Extension areaは複数の炭層が確認されたが、い

ずれも薄層かつ急傾斜であり、採掘に適さず資源量の増

加とはならなかった。

【今後の予定】

鉱区中央部は追加探査を実施しても大幅には資源量の増

大が見込めないため、2013年以降探査を中断していた

South areaで実施する。

Scoping Studyは2019年度に持ち越す方針。

海外地質構造調査結果概要（パリセイドJV）⑧

21

パリセイドJV調査地域におけるボーリング位置図※実施予定を含む

Central area

South area

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）

概要

【 位置】 カナダ・BC州Bows er 堆積盆北東部（Atr um Coal

Lt d. 社が開発中のGr oundhog案件（無煙炭坑内掘）の近隣）。

【炭種】無煙炭

【共同調査相手側】Atrum Coal社ASX上場の豪州（シドニー）の石炭開発会社で2011 年10 月に設立。カナダB C州及びAl bert a州において、石炭の探査・ 開発プロジェクトを4 件保有。本鉱区近隣のGr oundhog案件は同社の旗艦プロジェクト。

【鉱区】12鉱区（73.59km2）

【インフラ】Stewart港まで約200km

【JV契約締結日】2016年8月24日

【契約内容】①J OGME Cが3 年間でC$ 500 万（1 年次：C$ 150 万、

2 年次：C$ 1 5 0 万、3 年次：C$ 2 0 0 万）を 拠出することで、権益オプション（35%）を獲得。

②パノ ラ マウェ スト 案件に 対し て、 契約発効日から 4 年間の独占交渉権を獲得。

③オペレータはAtrum Coal Panorama Inc.社。Groundhog North開発坑口周辺イメージ

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）①

23

パノラマノースJV調査位置図

【地質構造】

褶曲・断層が発達し地質構造が複雑。

機構参入以前は鉱区内でボーリング調査が行われたことはない。

Groundhog鉱区と同じ地層が、本鉱区まで連続している

可能性がある。

【炭層】

夾炭層は、ジュラ紀～白亜紀のCurrier層（上方粗粒化する砂泥互層）

・9炭層の賦存

・炭層厚は0.4～2.9m

全9炭層を確認できる露頭があり、炭層厚は合計9.1mに

達する。

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）②

鉱区内で見られる地質構造

24 パノラマノースJV調査地域の模式柱状図

【2016年実績】

コア試錐４孔を実施。

計画では8孔を掘削する予定であったが、予想よ

り早く降雪が始まったことから調査を終了。

本地域で初めて実施されたボーリング調査で

あり、複数の炭層を確認。

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）③

Drill Hole IDTotal Depth（m）

Total Coal（m）

Thickest Seam（m）

DHPN-16-01 326 6.85 1.90

DHPN-16-02 260 9.87 2.05

DHPN-16-03 325 10.75 2.30

DHPN-16-04 269 11.80 1.70

ボーリングにより捕捉された炭層厚※

※見かけ層厚

25

パノラマノースJV調査地域におけるボーリング調査位置図

未実施実施済

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）④

【2016年調査】

探査許可を取得していた一部エリ

アでのみ調査を実施。

【201７年調査目標】

鉱区全体を対象とした探査許可を取得

でき、全域で調査が可能となった。

尾根沿い又は沢沿いにて地質踏査を

実施し、ボーリング調査地点の選定

最大８か所でのボーリング調査。

鉱区全体の地質構造把握。

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）⑤

探査年 実施体制 トレンチ ボーリング（フルコア）

2016JV

0 4

2017 2 5

合計 2 9

１孔のボーリング長：最大335.4m

※見かけ層厚

対象鉱区での調査量

ボーリングにより捕捉された炭層厚※

Drill Hole IDTotal Depth（m）

Total Coal（m）

Thickest Seam（m）

DHPN-17-01 317.0 9.99 2.43

DHPN-17-02 219.5 7.20 0.97

DHPN-17-03 286.5 11.62 3.80

DHPN-17-04 156.0 4.99 1.98

DHPN-17-05 248.5 3.39 0.70

炭層コア回収率は約80％。炭質分析用にコア・サンプル224個を採取（石炭コア：133個、炭層

上下盤コア：91個）。これ以外に、ジオテクニカル試験用岩石サンプル6個を採取した。

ASTMに基づく炭質分析結果からGroundhog North鉱区の無煙炭と類似した性状を確認した。

Groundhog North鉱区の主要炭層Duke Horizonに対してClaw A～E炭層が対比できる可能性が

あるが、鍵層はまだ未確認である。

過年度を含めてボーリング調査は9孔のみであり、地質モデルの構築は難しい状況で、現在までパ

ノラマノースの資源量の計上には至っていない。

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）⑥

SeamName

Thick-

ness

(m)

Raw

Ash (%AD)

Yield@1.7SG

Moist.(%AD)

Ash(%AD)

VM(%AD)

Fixed

Carbon(%AD)

TS(%AD)

Kcal/Kg(DAF)

Claw A 0.95 38.3 46.2 0.9 16.1 7.2 75.8 0.48 8,248

Claw B 1.67 25.2 64.8 0.9 13.7 7.3 78.1 1.1 8,267

Claw C 0.87 31.1 56.7 0.9 15.9 6.5 76.8 0.6 8,187

石炭分析（精炭分析・平均）

28

海外地質構造調査結果概要（パノラマノースJV）⑦

【現状】

本JV調査によって、対象鉱区にお

いて9孔のボーリング調査が実施さ

れた。

高品位の無煙炭が確認され、隣接

するGroundhog North鉱区と対比

できる可能性がある。

【今後の予定】

パノラマノースにおける層序と炭

層の広がりの確認及び炭質データ

ベース拡充するため、鉱区境界ま

で広げてボーリングを実施し予定

（8孔、掘削深度は300m以上）。

JORCベースの資源量評価の実施。

29

ご清聴ありがとうございました。