西豪州 LNG Kimberley 液化ハブサイト …¼Ž...

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更新日:2009/01/16 調査部: 坂本茂樹 西豪州 LNGKimberley 液化ハブサイト・Wheatstone ガス田液化サイト、定まる (Platts、Energy Inteligence、JOGMEC シドニー事務所情報) 西豪州政府は 2008 12 月、Kimberley 海岸の液化基地ハブとして、同海岸北西部の James Price Point を選定した。Woodside など沖合 Browse 地域に LNG 事業化を検討するガス田を持つ企業は、 液化基地として同地を使用する検討に入る。 また、西豪州北西大陸棚で Wheatstone ガス田を発見し、同 LNG 案件の液化基地サイトを検討して いた Chevron 2008 12 月、ピルバラ海岸 Onslow 近郊の Ashburton North を液化基地サイトに 選定した。 西豪州沖合の大型 LNG 案件は、液化基地サイトが定まらないことから事業進展が遅れていたが、こ の度の液化基地サイト決定により、速やかな事業化進展が期待される。 1. Kimberley海岸液化ハブサイト決定 (1) 液化基地ハブサイトの決定(2008 12 月) 西豪州政府は 2008 12 月下旬、Kimberley 地域北西の James Price Point を同地域で唯一の 液化基地バブサイトに選定した。James Price Point は、Kimberley 海岸の液化基地サイト選定に当 たった Northern Development Taskforce 10 月に提出した最終 4 候補地の中から、将来の液化 設備拡張余地、環境への影響等の観点から選ばれた。 西豪州 Barnett 首相は、Kimberley 沖合の Browse 地域にガス田を保有する Woodside 等企業が、 James Price Point LNG 液化基地として選定することへの希望を表明した。西豪州政府は、2009 3 月までに、液化基地ハブ建設に必要となる土地を地権者から購入する。Barnett 首相は土地購入 に際して地権者との合意が難しい場合、強制力を行使して該当地域を接収することを表明して、液化 基地ハブ実現への強い意志を窺わせた。 Browse 堆積盆地は Carnarvon 堆積盆地と並ぶ西豪州の主要ガス田地域であり、Woodside Broese ガス田群(Torosa, Brecknock, Callia)、INPEX Ichthys ガス田、Shell Prelude ガス 田等、併せて約 30Tcf のガス埋蔵量が確認されている。今後の探鉱によって、ガス埋蔵量は更に増加 する可能性が高いと考えられている。 - - Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含ま れるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの 投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責 任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1

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Page 1: 西豪州 LNG Kimberley 液化ハブサイト …¼Ž Chevron社Wheatstoneガス田液化基地サイト、Pilbara海岸Onslowへ Chevron は2008 年12 月下旬、西豪州北西大陸棚で発見したWheatstone

更新日:2009/01/16

調査部: 坂本茂樹

西豪州 LNG: Kimberley 液化ハブサイト・Wheatstone ガス田液化サイト、定まる (Platts、Energy Inteligence、JOGMEC シドニー事務所情報)

西豪州政府は2008年12月、Kimberley海岸の液化基地ハブとして、同海岸北西部のJames Price Point を選定した。Woodside など沖合 Browse 地域に LNG 事業化を検討するガス田を持つ企業は、

液化基地として同地を使用する検討に入る。 また、西豪州北西大陸棚で Wheatstone ガス田を発見し、同 LNG 案件の液化基地サイトを検討して

いた Chevron は 2008 年12 月、ピルバラ海岸Onslow 近郊の Ashburton North を液化基地サイトに

選定した。 西豪州沖合の大型 LNG 案件は、液化基地サイトが定まらないことから事業進展が遅れていたが、こ

の度の液化基地サイト決定により、速やかな事業化進展が期待される。

1. Kimberley海岸液化ハブサイト決定

(1) 液化基地ハブサイトの決定(2008 年 12 月)

西豪州政府は 2008 年 12 月下旬、Kimberley 地域北西の James Price Point を同地域で唯一の

液化基地バブサイトに選定した。James Price Point は、Kimberley 海岸の液化基地サイト選定に当

たった Northern Development Taskforce が 10 月に提出した最終 4 候補地の中から、将来の液化

設備拡張余地、環境への影響等の観点から選ばれた。

西豪州Barnett首相は、Kimberley沖合のBrowse 地域にガス田を保有するWoodside等企業が、

James Price Point を LNG 液化基地として選定することへの希望を表明した。西豪州政府は、2009

年3月までに、液化基地ハブ建設に必要となる土地を地権者から購入する。Barnett首相は土地購入

に際して地権者との合意が難しい場合、強制力を行使して該当地域を接収することを表明して、液化

基地ハブ実現への強い意志を窺わせた。

Browse 堆積盆地は Carnarvon 堆積盆地と並ぶ西豪州の主要ガス田地域であり、Woodside の

Broese ガス田群(Torosa, Brecknock, Callia)、INPEX の Ichthys ガス田、Shell の Prelude ガス

田等、併せて約 30Tcf のガス埋蔵量が確認されている。今後の探鉱によって、ガス埋蔵量は更に増加

する可能性が高いと考えられている。

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投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責

任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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図 1 Browse 地域ガス田群と LNG 液化基地へのガスパイプライン・ルート

(出所)各種情報・報道

(2) Browse 地域ガス事業者の反応

Browse 地域 3 ガス田(Torosa, Brecknock, Calliance)に約 20Tcf のガス埋蔵量を保有する

Woodside は、西豪州政府の Kimberley 液化基地ハブサイト決定を受けて、NWS LNG 液化基地のあ

るBurrup半島等との比較調査を行った後に、2009年6月までにBrowse LNG液化基地サイトを決定

する意向を明らかにした。現在、Prelude ガス田の洋上液化事業化を検討している Shell も、James

Price Point を Prelude ガス田液化基地として検討する模様である。

なお、Ichthys ガス田を保有する INPEX は、2008 年 9 月に、同ガス田液化基地を Kimberley 海岸

ではなく、北部準州ダーウィン市近郊に建設することを決めている。

2. Chevron社Wheatstoneガス田液化基地サイト、Pilbara海岸Onslowへ

Chevron は 2008 年12 月下旬、西豪州北西大陸棚で発見した Wheatstone ガス田の液化基地サイ

トとして、ピルバラ海岸 Onslow 近郊の Ashburton North を選定した(ガス田の南方約 200km)。同社

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は最大で液化能力 2,500 万トン/年の設備建設が可能な敷地に、当初は 500 万トン/年の液化設備 2

トレーンの建設を目指す。Wheatstone LNGの最終投資決定を2010年10-12月期に予定し、2015年

の LNG 生産開始を目標とする。

図 4 西豪州北西大陸棚の LNG 案件

また Chevron が並行して事業化を検討している Gorgon LNG 案件は、2009 年に最終投資決定、

2014 年に LNG 生産開始を目標としている。

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