O CH C CH C CH O CH O CH - 山形大学大学院理工学研究...

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第7回 前回の問題: 次の化合物の HーNMRスペクト ルについて以下の問に答えよ ① 等価なプロトンの組み合わせを示せ ② 各プロトンのピークの予想されるおよその ケミカルシフトを答えよ ③ 各ピークの分裂パターンを示せ ④ 各ピークの積分比を示せ CH 3 CH 2 C O CH 2 CH 3 O 1 第7回 前回の問題: 次の化合物の HーNMRスペクト ルについて以下の問に答えよ ①  ②  2 隣はCH2のみ 隣はCH2のみ 隣はCH3とC(=O)O 一応確認すると・・・ 隣はO とCH3 CH 3 CH 2 C O CH 2 CH 3 O 第7回 ③  CH 3 CH 2 C O CH 2 CH 3 O 3 (分裂したピークごとの積分比の場合そのように書かれる) ④  第7回 実際のスペクトル  CH 3 CH 2 C O CH 2 CH 3 O SDBSより a b c d a d b c 1.14 ppm 1.26 ppm 2.32 ppm 4.13 ppm t, 3H, J = 7.6 Hz q, 3H, J = 7.2 Hz q, 2H, J = 7.6 Hz q, 2H, J = 7.2 Hz カップリング定数 (J)が等しい 4

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第7回

前回の問題: 次の化合物の1HーNMRスペクトルについて以下の問に答えよ

① 等価なプロトンの組み合わせを示せ② 各プロトンのピークの予想されるおよその  ケミカルシフトを答えよ③ 各ピークの分裂パターンを示せ④ 各ピークの積分比を示せ

CH3 CH2C

OCH2 CH3

O

1

第7回

低磁場になる(ppmが大きくなる)方を重視

前回の問題: 次の化合物の1HーNMRスペクトルについて以下の問に答えよ

① 

② メチル(アルキル)0.7-1.3ppm

エステル2.0-2.4ppm

アルコール、エーテルエステルなど(O-C-H)3.3-4.5ppm

メチル(アルキル)0.7-1.3ppm

2

隣はCH2のみ 隣はCH2のみ隣はCH3とC(=O)O

一応確認すると・・・ 隣はOとCH3

CH3 CH2C

OCH2 CH3

O

第7回

③ 

隣は2Hのみ

CH3 CH2C

OCH2 CH3

O

3 2 2 3

2+1=3三重線(t)

隣は3Hと0H

3+1=4四重線(q)

隣は2Hのみ

2+1=3三重線(t)

隣は3Hと0H

3+1=4四重線(q)

3

各ピークの積分比 → プロトン比(分裂したピークごとの積分比の場合そのように書かれる)

④ 

第7回

実際のスペクトル 

CH3 CH2C

OCH2 CH3

O

SDBSより

a b c d

ad

bc1.14 ppm1.26 ppm

2.32 ppm4.13 ppmt, 3H, J = 7.6 Hz

q, 3H, J = 7.2 Hz

q, 2H, J = 7.6 Hz

q, 2H, J = 7.2 Hz

カップリング定数(J)が等しい

4

第7回

HbHa

より複雑なスピン-スピン分裂パターン③直接結合している炭素に非等価なプロトンがある場合互いに電子的環境が異なるのでカップリングが生じる

5

CHb

Ha

R1

o,m-置換は一般に複雑な分裂となる

キラル化合物     アルケン       環状化合物

CR2

R1 ≠ R2ならHaと Hb は非等価(回転しないので)

JHa-Hb

例:スチレンの場合

HaHc

Hb全部ddになる(ただしJHa-Hbは一般に小さい)

C CHb

Ha

R1

R2

OJHa-Hb

スペクトルは山形大学工学部のECX-400で測定(ちょっと状態が悪かったのでいまいちなスペクトル・・・・)

OHC C CH3

H3C

H*

JHa-Hb

abun

danc

e0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

1.2

X : parts per Million : 1H8.0 7.9 7.8 7.7 7.6 7.5 7.4 7.3 7.2 7.1 7.0 6.9 6.8 6.7 6.6 6.5 6.4 6.3 6.2 6.1 6.0 5.9 5.8 5.7 5.6 5.5 5.4 5.3 5.2 5.1 5.0

Hc

HaHb

カップリングがある側の分裂が高くなる

第7回

実際にはどう分裂するの? 6

HbHa

OH

CC

CHc3H3C

Hd

*

JHb-Hc

JHb-Hd

JHa-Hb

JHa-Hc

JHa-Hd

Hb

HdHc1H → 1+1=2 → d3H → 3+1=4 → q1H → 1+1=2 → d

ddq大体解析できなくて、

多重線(m, multiplet)と表記される

dd

ddq

ddq

d

第7回

参考:論文などでのNMRデータの記述方法 7

o,m-置換は一般に複雑な分裂となる

CH3、 CH2、CHが複数種あるが、判別できるように記述してある。昇順、降順は雑誌によったり、個人の好みによったりする。かなりマニアックな化合物ですが、参考まで・・・・

1H NMR (d6-DMSO, 400 MHz, ! in ppm): 4.18–4.05 (m, 2H, —COOCH2—), 3.53 (dd, J = 3.2 and 3.6 Hz, 2H, —OCHCOO—), 2.91 (dd, 1H, J = 3.6 and 6.4 Hz, —OCH2CHCOO—), 2.83 (dd, 1H, J = 3.2 and 6.4 Hz, —OCH2CHCOO—), 1.60–1.50 (m, 1H, CH3CH2CH<), 1.35–1.24 (m, 2H, —CH(CH2CH3)(CH2)3—), 0.87 (3H, t, J = 6.8 Hz, —CH(CH2CH3)), 0.86 (3H, t, J = 7.6 Hz, —(CH2)3CH3). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz, ! in ppm): 169.4 (>C=O), 67.8 (—COOCH2—), 47.3 (—CHCH2— in epoxy ring), 46.2 (—CHCH2

— in epoxy ring), 38.6 (CH3CH2CH<), 30.2 (CH3CH2CH2CH2—), 28.8 (CH3CH2CH2—), 23.6 (CH3CH2CH<), 22.9 (CH3CH2CH2

—), 14.0 (CH3(CH2)3—), 10.9 (CH3CH2CH<).

abun

danc

e0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

X : parts per Million : 1H4.4 4.3 4.2 4.1 4.0 3.9 3.8 3.7 3.6 3.5 3.4 3.3 3.2 3.1 3.0 2.9 2.8 2.7 2.6 2.5 2.4 2.3 2.2 2.1 2.0 1.9 1.8 1.7 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6

abun

danc

e0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

1.8

1.9

2.0

2.1

2.2

2.3

2.4

2.5

2.6

2.7

2.8

2.9

3.0

3.1

3.2

3.3

3.4

3.5

X : parts per Million : 13C170.0 160.0 150.0 140.0 130.0 120.0 110.0 100.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0

第7回

中間試験(11/25)について

•教科書類(解答付き機器分析の問題集を除く)、プリント、ノート類、電卓の持ち込みOK

•入室制限は試験開始45分後まで(逆に終わった人は45分後以降退室OK)

•携帯電話(インターネット)などの使用は認めない(電卓機能も含む)

•持ち込みなりの難易度

8