オープンデータの課題と展望/ Issues of Open Data 20121129

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オープン・データの課題と展望 オープン・データの課題と展望 国立情報学研究所 国立情報学研究所 客員准教授 客員准教授 クリエイティブ・コモンズ・ジャパン クリエイティブ・コモンズ・ジャパン 常務理事 常務理事 森・濱田松本法律事務所 森・濱田松本法律事務所 弁護士 弁護士 野口 野口 祐子 祐子 CC BY JP v2.1

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オ ープン・データの 課題と展望オ ープン・データの 課題と展望

国立情報学研究所国立情報学研究所 客員准教授客員准教授クリ エイティブ・コモンズ・ジャパ ンクリ エイティブ・コモンズ・ジャパ ン 常務理事常務理事

森・濱田松本法律事務所森・濱田松本法律事務所 弁護士弁護士

野口野口 祐子祐子

CC BY JP v2.1

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オ ープン・データの 経済効果

• いくつ か の 経済効果分析が 欧米で発表されている。たとえば、下記の もの– Commercial Exploitation of Europe’s Public Sector

Information (PIRA International, 2000)– Borders in Cyberspace: Conflicting Public Sector

Information Policies and their Economic Impacts (Peter Weiss, U.S. Department of Commerce, 2002)

– Review of Recent Studies on PSI Reuse and Related Market Developments (Graham Vickery, Information Economics, Paris, 2011)

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PIRA Study (EU, 2000)• EUが 本格的なPSIの 公開に 踏み出す前の 欧米比

較。政府情報に 著作権が なく、オ ープンデータを実行してきた米国と、データの 独占的な管理をしていた当時の EUとの 間での 経済効果を比較したもの 。– EUでは、1年の PSI投資コスト(PSI作成に 政府が 使う費

用)が 95億€、経済効果(PSIを利用した産業等の 活動からの 収入)は680億€。

– 一方、オ ー プン政策をとる米国では、PSI投資コストは190億€、経済効果は7500億€。

– 比較すると、PSIの 経済効率は米国が EUの 約5.5倍

– しか し、EUが 課しているPSIの 費用すべ てを経済効果による税収でまか なうため に は、経済効果の 拡大は現在のは2倍以下で足りる。

– すなわち、PSIはオ ープン化したほうが 結局政府の ため

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Weiss Study (US 2002)• EUが 本格的なPSIの 公開に 踏み出す前の 欧米比

較。政府情報に 著作権が なく、オ ープンデータを実行してきた米国と、データの 独占的な管理をしていた当時の EUとの 間での 経済効果を比較したもの 。– オ ープン化することに よる経済効果か らの 税収の ほうが

データ配布に おける直接の 対価よりはるか に 大きいことを、実際に 課金して失敗したUSやEUの 例を挙げて議論

– データの オ ープン化で情報サ ービ スの 重要性は高まっ ているところ、政府の 役割はデータ販売に よる市場との 競争ではなく、データ提供に よる市場サ ポートであるべ き

– 欧州の サ ービ ス・プロバ イダ ーは米国の サ ー ビ ス・プロバイダ ーと比べ て競争上不利な立場に おか れていることも指摘

– 中央政府は、各省に 課金に よる回収を求め るの ではなく、情報に つ いての 資金援助を行っ たうえでオ ー プン化を推進し、税収に よる回収をねらうべ き

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Vickery Study (EU, 2011)• PSIの もたらすEUにおける経済効果に つ いての 調

査研究報告書– 過去の 第三者研究実績に 基づく推論の 方式に よる

– PSIの 直接再利用市場は、現状で最低でもEU27で2008年で280億€、2010年で320億€であっ たと予想。公開方式が よりオ ープンに 、ア クセスを容易に 、徴収費用を限界費用に 改め れば400億€に なりうると予想

– 間接的な経済効果(効率化に よる国民の 時間節約等)を含め ると、現状でEU27に おいて約1400億€と予想。公開方式を改善していれば2008年でも2000億€(GDPの1.7%)まで増加しえた、と予想

– 公開方式の 改善(費用の 改善、ライセンス条件の 統一等)でアクセスを伸ばしたり、データ形式を改善したり、技術・知識を普及すれば10-40%の 経済効果増が 望め る

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オ ープン・データの 課題

• 対象となるデータの 特定

• 対象となるデータの 権利関係の 整理

• 対象となるデータの 公開条件の 整理(法的・技術的)

• データ公開場所の 明確化・統一化

• データを公開する政府機関の 手続の 明確化と支援

• オ ープン・データの 利用者へ の 支援

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対象となるデータの 特定

• データの 棚卸し・把握が 第一

• 創作時期

– 豪は、原則としてオ ープン・データ・ポリ シー策定後に 作られたデータか らポリ シーを適用。(過去の もの に つ いては、国民か らの リ クエストが あっ たもの か ら対応)

• 対象範囲

– 行政文書そ の 他行政庁が 作成したデータ(財政情報、地理空間情報、交通情報、気象情報等)

– 公的資金に よる研究で得られた生データや論文などの 公開に 対象を広げる動きも欧米で顕著(EU Horizon 2020、US NIH Open Access Policy(2009)など)

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対象となるデータの 権利関係の 整理

• 第三者権利が ないか ?– 第三者の 著作権等の 場合は、譲渡やライセンスを検討– 譲渡やライセンスで対処できないもの は公開対象か ら除

• 個人情報、営業秘密、国家安全保障等に関する情報を含む もの 、法令に 反するもの は除く– 個人情報に つ いては、匿名化措置を講じて公開すること

は可能だが 、匿名化が 完全か どうか に つ いて注意を促す(英国、NZなど )

• 商業的・文化的に センシティブな情報(豪・NZ)(たとえば、先住民の 伝統的知識等)は除く

• 検討過程であり、公表することが 誤解・誤導を生むもの は除く(豪・NZ)

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対象となるデータの 権利関係の 整理

• 政府調達や委託事業等で生じる(第三者が 実際の創作を行う)知的財産に 関しては、そ の 帰属の 取り扱いポリシーを定め るところか ら、オ ープン・データ戦略との 整合性、統一性の 観点が 必要– 例:NIH Open Access Policyや Horizon 2020では、公的

資金の 提供条件として、公的資金に よる研究論文の 著作権の 帰属は著者だが 、広く公開することを義務付け

• 改変されていない唯一の データの 存在が 公共の 利益に か なう場合に は、改変禁止の ライセンスを採用することを検討する、とする例もある(NZ)

• 著作権の ないデータ等、知的財産権の 無いもの には、著作権ライセンスをつ けず、”No known rights”と明記すべ し(NZ)

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対象となるデータの 公開条件の 整理

• 著作権の 利用条件

– 原則として自由な再利用を認め る利用条件(ライセンス)の 採用を推奨。利用条件は、自由で分かりやすい内容の もの を明確に 提示すべ し(OECD原則 #1、2)

– 異なるライセンスで提供されているコンテンツ同士は、プログ ラムでの 一括処理や組み合わせ利用が 困難なため 、ライセンス条件は(国際的な)統一または互換性確保が 必須(分か りやすさでは不十分)

– ライセンスの メタ・データの 必要性(検索エンジン対応)

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対象となるデータの 公開条件の 整理

• 著作権条件(続き)– Creative Commons BY Licenseをデフォル トで推奨する

例も先端事例では多く見られる(豪、NZ、米国White Houseなど)

• 氏名表示は、実はか なりの 負担となる場合が ある

• どの ような表示をすべ きか 、具体的に 例示すべ し

• 氏名表示の 要件は放棄できる(NZ)。特に 、組み合わ せ 等で利用される場合に 氏名表示が 負担となるおそ れが ある場合に は、放棄または 最小限の 表示にとどめることを考慮すべ き

– 欧州では、CC BY License v3.0が 欧州の データベース権をライセンスではなく放棄するように 定め ている関係で、CC BYライセンスに 類似した内容の 独自ライセンスを採用する国も(英・仏)。ただし、そ の 場合でもCC BY Licenseと相互互換性を担保したライセンスとし、利用者の 便宜を図っ ている

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対象となるデータの 公開条件の 整理

• 著作権条件(続き)– 営利利用・非営利利用を問わないことを原則とするが 、特

別の 理由が 在る場合に は非営利利用の みに 限定してもよい(英国では、非営利利用の み認め るライセンスも別途準備。豪でもBYライセンス以外も採用の 余地を認め る)

– 多くの 国で、理由が ある場合に は、ほか の ライセンス条件(改変禁止等)を加えることを認め ている

– DRMをか けてはならないことに 言及する国も(NZ)• 著作権の 利用条件の 違いが もたらす経済効果に 関

するEUの 研究結果に つ いては後述

• 技術的なフォーマッ トに つ いても方針を定め る(再利用・相互互換性などを考慮して)

• 公開側の 無保証が 原則(CCライセンス、英国のOGL等)

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オ ープン・データでの 費用徴収• 無料が 望ましい。有料の 場合、データの 配布に か か る限界

費用の 徴収を推奨(OECD #8)

• POPSIS(Pricing of PSI Study)(EU,2011)– オ ー プン・データ配布の 際の 費用徴収の インパ クトに 関する研究(21

の ケーススタデ ィに よる)

– 費用徴収をゼロ(または限界費用)に することで、再利用は10倍か ら100倍の 規模に 増加

– 大幅に 費用を安くすると需要が 増加し(最高で70倍)、トー タル の 収入が 増加する場合もある

– 費用をゼロに すれば、請求事務や遵守監視等の 行政側の 取引費用も節約できる

– アクセスが 増加しユ ー ザ ーと の 結び つ きが 向上すると、デ ー タの 誤り等に 関するフィードバ ッ クが 増え、結果としてデータの 品質管理の 部分的なアウ トソースが 可能と なる

– 一方、費用を徴収しても、需要が 低いこと か らそ の 収入額は低額に とどまり、当該行政機関の 予算の 1%に 満たないケースが 半数

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データ公開場所の 明確化・統一化

• データ公開サ イトを立ち上げ、ワ ン・ストッ プなデータ提供を実施するの が 通常

• 未公開データの リ クエスト機能(豪・NZ)や リ クエストに 対する投票機能(NZ)

• データ公開の 方法(サ イトの 構成、探しやすさ、公開フォーマッ ト、利用条件、徴収費用額等)に より、もたらされる経済効果は異なる– EUでは、これらの 改善に より10-40%も経済効果

が 拡大すると提言(Vickery Study, 2011)

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データを公開する政府機関の 手続の明確化と支援

• 公開に 向けて、公開に 際しての 原則、原則を遵守するため の 具体的対処方法、手続、情報創作・委託の際の 知的財産ル ール 等に つ いての ガイドラインの 作成・公表(多くの 国が 、方針を打ち出してか ら1~2年後に 公表)

• ポータル サ イトでの 公開を手助けするツール (アップローダ ー、ライセンス・アダ プター等)の 公開

• 担当者向け法的知識の 解説(著作権とは?ライセンスとは?)

• 担当部署、問い合わせ窓口等の 設置

• 目標設定、ロードマップ、達成評価等の 実施

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オ ープン・データの 利用者へ の 支援

• ポータル サ イトの 開設、データや アプリ の 提供

• 利用者向けAPIの 提供

• FAQ• ポリ シー 公開、解説コーナー

• ディスカッ ション・フォーラム やコメントに よるフィードバ ッ ク

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外国の 事例 EU• Directive on the re-use of public sector information

(2003)。2011年12月に改正案を提示し、現在議論中– 対象を図書館(大学図書館を含む )、美術館、ア ー カイブ等へ 拡大

– 費用徴収を限界費用に 限定

– 再利用条件の 監視 など を盛り込んでいる

• Horizon 2020-The Framework Programme for Research and Innovation (Nov. 2011)

• Scientific data: open access to research results will boost Europe’s innovation capacity (July 2012)– 年間870億€の 研究開発費の リ ターンを最大化するため 、まずは研究

成果論文の オ ー プンアクセスを確保

– 研究に よれば、論文公開に より、中小企業の イノベーションスピードが 最大で2年ほど 短縮される可能性

– 研究成果の データに つ いても、現在は 25%しか 公開されていないが 、プライバシーや 一定の 商業利益等に 配慮しつ つ 公開を促進する

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外国の 事例 英国• 2005年PSI再利用法(Re-Use of Public Sector

Information Regulations 2005)。「再利用(re-use)」の 定義等を定め るが 、教育・文化・研究機関等を対象か ら除外するなど、一定の 限定的な範囲の もの

• オ ープン・データ政策の 本格的な推進は、2010年以降、政府の 公共サ ービ ス改革の ひとつ の 目玉として、透明性を高め る目的か ら、3度に わ たる政策提言の 中で推進されてきた。(Prime ministerial letters to government departments in May 2010 and July 2011, and the Chancellor’s Autumn Statement, in November 2011)。毎回、ターゲ ッ トデータ等を具体的に 指示する方式を採用している

• UK Government Licensing Framework (2010年9月か ら)• Open Government License (OGL) を公開(2010年9月)• 政府機関む けガイドライン(2010.7)• データを公表するサ イト: Data.Gov.uk (2010年1月開設),

8759データが 公開済み(2012年11月時点)

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外国の 事例 英国• 監査局(National Audit Office)が 2012年4月にレビ ュー報告

書。公開が 進んだことを評価しつ つ 、費用対効果の 面に おいて、効果を有効に 測定し評価する手法の 確立に 課題

• 費用– データの 公開の た め に 政府機関が 使うスタッ フの 時間を費用に 換算

すると年間£53,000 か ら £500,000 と 推定される

– Data.gov.ukの 運営費用は 年間£2m– 犯罪マ ッ プは、セッ トアッ プに £300,000、年間運営費用が £150,000

• アクセス実態– Data.gov.ukは2010年1月に 開設されてか ら175万ビ ュー を獲得した

が 、そ の 82%が データに ア クセスせずに サ イトを去っ ている。そ の 原因として、サ イトの 作り方(デ ー タの 見せ 方)に 課題が ある、と指摘

– 全体の 傾向として、一定の サ ービ ス内容を持つ デ ー タに は 高い関心が 集まっ ているが 、一般的な行政データ等にはあまりアクセスが 無い。犯罪マ ッ プは2011年2月か ら12月までに 4700万ビ ューを獲得。また 、学校評価等に 関する比較情報は前年比84%の 伸びを示す。これに対して、教育省の 透明性確保の ページは月平均600ビ ュ ーの み

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外国の 事例 英国

• 監査局(National Audit Office)の 報告書(続)

• 期待される経済効果– 気象データ(現状は特別なライセンスに 基づいて有償配布)などの 、

ビ ジネス・ユースの 期待できる分野の データ公開が 進め ば、20年で£11m の コストに 対して、£60mの 経済効果(プラス £6m か ら £27mの 社会的利益)を生む と 予想される

– そ の ため に 、より経済効果の 高いと考えられるデータの 公開を積極的に 進め るべ き(たとえば、高齢者介護サ ービ スの 評価データ、気象データ、不動産評価額データ等が 具定例として挙げられている)

• そ の 他の 注意点– 再犯罪率データの 公開等に あたっ て、個人情報保護へ の 配慮が 必

要であっ た

– 政府調達データの 公開に より、政府か ら調達先へ の 支払を横取りしようとする詐欺の 試みが 増加し、2010年か ら11年に か けて合計で£7mの 詐欺計画が 報告されているため 、確実な政府支払い手続きに注意を要する

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外国の 事例 オ ーストラリ ア

• Engage: Getting on with Government 2.0 (2010)に おいて、Creative Commons BY Licenseを原則の ライセンスとして推奨

• Guidelines on Licensing Public Sector Information for Australian Government Agencies (2012) – Australian Government Intellectual Property Manual

(2012)• ライセンスの ため の ポータル サ イト:AusGOAL

(Australian Governments Open Access and Licensing Framework)

• データを公表するサ イト: Data.Gov.au

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外国の 事例 ニ ュ ージーランド

• ポリ シー策定文書:NZ GOAL(2010)– 再利用可能で、もっ と もオ ー プンで、オ ンラインで、が 原則– 原則として、Creative Commons BY Licenseを推奨– 著作権の 無いもの に は ”No known rights”と明記すべ し– 指示(Directed)されているが 、義務ではない(Not mandatory)

• ライセンスの ため の ポータル サ イト: NZ GOAL (New Zealand Government Open Access and Licensing Framework)– Online quick guide for agencies, users– FAQ– Online tool for “review and release process”

• データを公表するサ イト:data.govt.nz– データ検索– データリ クエスト制度(+投票)– ディスカッ ション・フォーラム 、コンタクトリスト

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外国の 事例 米国• もともと政府著作物に は 著作権が ないの で、著作権の ライセ

ンス条件をどうするか 、という問題はない

• しか し、そ れ以外の データを整理して公開するプロセスに 関する課題は他国と共通

• オ バ マ政権が 目玉の 一つ として実施(Open Government Directive, Dec. 2009)– オ ンラインで、ダ ウ ンロード可能、再利用可能な形式で速やか に 公開

せよ

– 45日以内に 、各行政機関は 、過去ダ ウ ンロード形式で提供されていなか っ た価値の 高いデータセッ トを3つ Data.govに 登録せ よ、と具体的に 指示

– 60日以内に 、各行政機関が ウ ェブサ イトを開設し、公開を望む デ ー タの リ クエストや 、ユーザ ーか らの フィードバ ッ クを可能に せ よ、と指示

– 各行政機関は オ ー プン・ガバ メントに 向けての プランを策定し、2年ごとに 更新すること (プランに 含まれるべ き内容に つ いても詳細に 規定)、そ の 評価の 仕組み等に つ いても言及

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外国の 事例 米国

• Data.gov– 再利用可能な形式の データが 1年で25万セッ ト、

3年で45万セット公開された、と報告

– Open Government API, アプリ 等も公開

• NIH Open Access Policy– NIHか ら研究助成を受けた論文に つ いては、発

表後1年以内に NIHの デジタル ・アーカイブPubMed Central(PMC)に 登録し、広くアクセス

できる(読め る)ことが 担保されている

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クリ エイティブ・コモンズとは?

• 人間が 読ん で分か る「マーク」と「証書」

作り手の名前を適切に表示すること

[表示](BY)

作り手の作品でお金儲け

をしないこと[非営利]

(NC)

作り手と同じライセンスで発表すること

[継承](SA)

作り手の作品を改造しないこと[改変禁止]

(ND)

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ライセンスの 組合せ(ライセンス・ボタン)

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コモンズ 証

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internationalization

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ライセンス条項

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metadataMetadata

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公共データWGへ の 提言• 公開範囲に つ いては、経済効果(再利用価値)の 高

いもの 、課題の 少ないもの か ら優先的に公開– 透明性を高め るため の 行政データも政府資金の 使途の

検証に 役立ち、中期的に は行政効率化に 役立つ ため タイム スケジュール を決め て進め ていく

– 法的課題の 多いデータに つ いては、対処方針をガイドライン化し、問題の ない形に できたもの か ら公開していく

• 利用条件に つ いては、できるだけオ ープンに– 費用は原則無償(または配布に か か る実費の み)。有償

配布に よる費用回収を狙うことはしない

– 著作権ライセンスは 、国際標準化しており、英・仏等の ライセンスとも相互互換性の あるCC-BYライセンスを採用することで、海外データとの シナジーが 取れるように する

– 著作権の 権利の 無いもの に つ いては、そ の 旨を明記する

• データ公開サ イトは出来の よいもの を!

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Thank You!Thank You!

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