原子力資料情報室(CNIC)| 原発のない世界をつくろう。た …Created Date...
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六ヶ所再処理工場とプルサーマル問題ー再処理工場と原発の危険な関係ー
2005年12月3日 水戸澤井正子(原子力資料情報室)
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なぜプルサーマルなのか?
・プルサーマルはどんなこと?・なぜプルトニウム燃料なのか?・プルサーマルの危険性・問題点は?
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日本の原子力政策=燃料核サイクル(建前)プルトニウム利用計画:原発の使用済み燃料からプルトニウムを再処理工場で分離し、
資源の少ない日本で準国産エネルギーとして利用する。
【資源エネルギー庁ホームページから】
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Q.「再処理工場って何するところ?」
→プルトニウムを取り出す工場です。
Q.「プルトニウムはどこで作られるの?」
→原子力発電所の核燃料の中です。
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Q.どうしてプルトニウムができるの?
A.ウラン238が中性子を吸い込んでプルトニウム239になる
燃えにくいウランなど【劣化ウラン】
プルトニウム 4~13%
【再処理工場から】
燃えやすいウラン(ウラン235)約0.7%
燃えにくいウラン(ウラン238)約99.3 %
燃えやすいウラン3~5%
燃えにくいウラン
約97~95%
燃えやすいウラン約1%
プルトニウム約1%
核分裂生成物約3%
燃えにくいウラン約95%
天然ウランウラン燃料(発電前)
ウラン燃料(発電後)
MOX燃料
【日本原燃ホームページから作成】
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プルサーマルは余剰プルトニウム対策■本来の目標 再処理工場でプルトニウムを分離し、「高速増殖炉もんじゅ(福井県)」の燃料にする。 →英・仏の再処理工場でプルトニウムをドンドン分離(使用済み燃料約7100t) →英・仏にプルトニウム約40トンが貯蔵中(実態は余剰プルトニウム) ⇨核燃料サイクルの破綻■緊急措置⇨余剰プルトニウムでないという言い訳のため、普通の原子力発電所の燃料に プルトニウムを混ぜて燃やす(プルサーマル計画)■六ヶ所再処理工場の稼働=六ヶ所のプルトニウムは最初から余剰プルトニウムである ⇨プルサーマル自体が目的となる!(目的と手段が転倒)
六ヶ所再処理工場
【原子力資料情報室作成】 プルサーマル
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進まないプルトニウム利用計画
進まないプルサーマル計画1.英・仏の再処理工場にあるプルトニウムの利用計画
2.六ヶ所再処理工場のプルトニウム利用計画=不明? (プルトニウムの分離の前までに10電力会社から計公表の予定)
玄海3審査終了
【原子力資料情報室作成】
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日本の原発と核燃料施設
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プルサーマルの実績??
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プルサーマルの問題点(1)
試験なしに商業炉(100キロワット級)で実施日本にMOX燃料の装荷実績はない!
MOX燃料の原発への装荷実績と計画□ウラン燃料■MOX燃料
敦賀1号炉でのMOX燃料装荷実績(装荷燃料全体308体のうち2体のみ)
福島第一原発3号炉でのMOX燃料装荷計画(装荷燃料全体548体のうち240体をMOX燃料に!)
35.7万kW 78.4万kW
実績
実績 実績
計画
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1)制御棒の効きが悪くなる
2) 原子炉のコントロールが難しくなる
3)燃料の破損が起きやすくなる
4)運転中の放射性ガスの放出量が増える
5)事故の被害がウラン燃料の場合より 大きくなる
プルサーマルの問題点(2)
様々な危険性が増大
【東海第2原子力発電所】
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米軍三沢基地(三沢空港)
六ケ所村
むつ市使用済み燃料中間貯総施設
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■再処理工場
青森県六ヶ所村核燃料サイクル施設
【日本原燃ホームページから作成】
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プルトニウム社会が始まる!!(1)ー情報の非公開:六ヶ所再処理工場『ウラン試験報告書(1)』ー
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プルトニウム社会が始まる!!(2)ー情報の非公開:六ヶ所再処理工場『ウラン試験報告書(1)』ー
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2025年度⇩
2350年度
¥ 4,741,263,397,000
2005年度
2369年度
プルトニウム社会が始まる!!(3)【東京電力】
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2016年度 ⇩2349年度
プルトニウム社会が始まる!!(4)
2005年度
2369年度¥ 955,548,040,000 の一部
【日本原子力発電】
¥ 4,741,263,397,000+
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核燃料サイクル全体のコスト:19兆円?再処理工場関連が約7割⇒使用済み燃料直接処分の選択肢を選択するべき
ウラン濃縮工場
解体等
2400億円
MOX燃料加工
1兆1900億円使用済燃料
中間貯蔵
1兆100億円
HLW輸送
1900億円
返還LLW管理
5700億円
返還HLW管理
30 00億円
再処理
11兆円
使用済燃料輸送
9200億円
HLW処分
2兆5500億円
TRU廃棄物
地層処分
8100億円
*HLW : 高レベル放射性廃棄物LLW : 低レベル放射性廃棄物
×
×
×建設費:2兆1400億円運転・操業:0円解体・廃棄物:?
【原子力資料情報室作成】
◆欠落しているコスト◆MOX使用済燃料対策費第2再処理工場、他
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⇦ITER候補地
石油備蓄基地むつ小川原ウインドファーム
■MOX燃料加工工場
×再処理工場
六ヶ所核燃料サイクル基地の現状■使用済燃料の年間処理能力:800トン プルトニウムの生産量:8トン(8000キロ) 1993年4月 :建設開始 2004年12月 :ウラン試験開始(劣化ウラン) 2005年12月→2006年2月:アクティブ試験延期(使用済燃料) 2007年 5月→7月 :操業開始延期
■核燃料サイクルは、・燃料のリサイクルではない・温暖化対策にはならない ⇨エネルギーの大量生産・大量諸費政策を 生み出す (オール電化住宅・深夜電力利用の奨励など)・六ヶ所工場は余剰プルトニウムを作り出す
■再処理工場のアクティブ試験中止し ⇨プルトニウム利用計画の放棄を! ⇨プルサーマル計画の中止を!
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2005年11月4日(金)「東奥日報」
◆日本原燃の兒島伊佐美社長は四日の定例会見で、六ケ所再処理工場で計画している最終段階の試運転(アクティブ試験)について「十二月開始は難しいと判断し、今後の工程について検討している」と述べ、工程を延期することを表明した。
◆アクティブ試験の延期は、二〇〇七年五月開始予定の本格操業の繰り延べや、再処理工場の総工費(約二兆一千九百億円)の増加にも波及する可能性があるという。
⇨更にコストの増大が確実!
アクティブ試験延期
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プルトニウム社会が始まる!!(5)
国民保護法と核テロ◆福島県の県民保護計画 :原子炉停止、知事が直接要請・国民保護法では、原子炉の停止は経済産業相が命令することができ、知事は国に対して停止措置の要請ができるにとどまっている。しかし、原発が被害を受けた場合は一刻の猶予もないため、知事が直接電力会社に要請する項目を盛り込んだ。
・原子炉本体以外が破壊される場合:運転中の原発の方が大きな事故を引き起こす蓋然性が高い(制御系統機能不能、タービンが破壊→冷却不能、配管破壊→冷却水が喪失→原子炉の空だき状態他
・運転停止中でも,使用済み燃料プールなどが攻撃されれば,内蔵している放射能が多い分,原子炉1基だけが攻撃されるより被害が大きくなる可能性
⇨プルサーマル実施の場合: 被害はより大きくなる
福島第一原子力発電所(6基)
福島第二原子力発電所(4基)