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三菱ふそうトラック・パス株式会社 I 電子制御式トランスミッション INOMAT - I 通称名 | 車両型式 エン ジン型式 ふそうファイター 1 PA-FK6 6M6 1 概要(図 1-1) 適用時期 2004.6- 出典資料 工伝子制御J;:¥;; トランスミ ッション INOMAT -1 2032497C INOMAT -I システムは,機械式のクラッチ及びトランスミッションをエンジンと共に屯子制御すること で, クラッチ・ディスクの断按操作,ギヤ・チェンジ操作を|壬 l 動化 して弧繁な変述操作による逆転者の抜労 l 陛滅すると共に,マニュアル ・トランスミッション市と同等の走行燃費を得るための装m であり, 2 ペダ ル・オートマティック・ トランスミッションとなり 操作は発進も含めてアクセル操作だけで運転が可能で ある。また. 必要に応じてマニュアル操作も選択できる。 INOMAT -I は.チェ ンジ・レバーの1ft トランスミッションのギヤ・シフ ト及びセレクト 位世,アクセル |制度及 び車速などを検知lし ドライブ・ユ ニッ トに駆動信号をlI'tブJ し,ギヤ・シフト・ユニット .クラッチ ・コン トロール ・ユニットをコントロール する INOMAT-I ECU と,エンジン 1"1'1 ば述j 立,エンジン ・タイ ミング.冷却水il"L 1li :ili などを検j;11 されている 。 1 )変速 iDJ のドライブ ・レンジではアクセルの断み込み地及び ;Ili 速を検知l し, INOMAT -I ECU にあらか じめ記 憶された変述マップに従い 2 辿 -6 速の 1 リで (1 動変速される。変速段はメータ・クラスタ内のギヤ ・シフ ト・イン ジケータに表示される 。 変述タイミングは,変述マップ此び ドライパの傾向を反映するファジィ制御によって決定され. ドライパの 好みに近い II 動変J.iliが可能で‘ある 。 ホール ド・レン ジでは任意の変辿段に問l とされ白動変述は行わない。(停 'I( 時に|製り.2 速に変jA) ホールド・レンジでは i+J 位li' t l 段シフト・ア ップ.i -J1 i.L i 位で l 段シフ ト・ ダウンできる。 INOMA T-IECU11: 述,エンジン 川転速度,変J.ili段を 'li? に検出 しており,変A 後, 7j ー,オーバラン 7j- エンスト J 包こす危険があるときはi+J i 丘へ操作 してもシフト ・アップされない。 2) 停止 iDJ のドライブ ・レンジ, iRJ のリパース ・レンジ及びiHOLDJ のホールド ・レン ジで、は停止H 、?にエンスト 防止のため II 動でクラッチを切る制御を行っている。 ただし低ll r:速H 寺に急、制動するとエンストする場介が ある 。 -160-

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三菱ふそうトラック・パス株式会社

I 電子制御式トランスミッション INOMAT -II

通称 名 | 車両 型式 エンジン型式

ふそうファイター 1 PA -FK6 6M6系

1 概要(図 1-1)

適用時期

2004.6-

出典資料

工伝子制御J;:¥;;トランスミ ッション INOMAT -11

2032497C

INOMAT -IIシステムは,機械式のクラッチ及びトランスミッションをエンジンと共に屯子制御すること

で, クラッチ・ディスクの断按操作,ギヤ ・チェンジ操作を |壬l動化して弧繁な変述操作による逆転者の抜労

をl陛滅すると共に,マニュアル ・トランスミッション市と同等の走行燃費を得るための装mであり, 2ペダ

ル・オートマティック・ トランスミッションとなり 操作は発進も含めてアクセル操作だけで運転が可能で

ある。また. 必要に応じてマニュアル操作も選択できる。

INOMAT -IIは.チェ ンジ・レバーの1ft~J,クラッチ・ブースタのストローク iι クラッチ ・ ストローク,

トランスミッションのギヤ・シフ ト及びセレクト位世,アクセル|制度及び車速などを検知lし ドライブ ・ユ

ニッ トに駆動信号をlI'tブJし,ギヤ・シフト・ユニット .クラッチ ・コン トロール ・ユニットをコントロール

する INOMAT -II ECUと,エンジン1"1'1ば述j立,エンジン ・タイ ミング.冷却水il"L1li:iiliなどを検j;11し

燃料l噴射iι 燃料l噴射 11寺JUJ を制御するエンジン ECU 、ì~びに科ECU に各干曜日号を送受信するセンサ類で構成

されている。

1 )変速

iDJのドライブ ・レンジではアクセルの断み込み地及び;Ili速を検知lし, INOMAT -II ECUにあらか じめ記

憶された変述マップに従い2辿-6速の11リで(1動変速される。変速段はメータ・クラスタ内のギヤ ・シフ

ト・イン ジケータに表示される。

変述タイミングは,変述マップ此び ドライパの傾向を反映するファジィ制御によって決定され. ドライパの

好みに近いII動変J.iliが可能で‘ある。

ホール ド・レン ジでは任意の変辿段に問lとされ白動変述は行わない。(停'I(時に|製り .2速に変jA)

ホールド・レンジではi+J位li'tでl段シフト・ア ップ.i -J1i.Li位でl段シフ ト・ ダウンできる。

INOMA T -II ECUは111:述,エンジン川転速度,変J.ili段を'li?に検出しており,変A後, 7jー,オーバラン

を起こす危険があるときはi- J位-ii/l':へ操作 してもシフト ・ ダウンされない。 また,変述後• 7j-,エンスト

をJ包こす危険があるときはi+J位i丘へ操作 してもシフト ・アップされない。

2) 停止

iDJのドライブ ・レンジ, iRJのリパース ・レン ジ及びiHOLDJのホールド ・レン ジで、は停止H、?にエンスト

防止のため II動でクラッチを切る制御を行っている。ただ し低llr:速H寺に急、制動するとエンストする場介が

ある。

-160 -

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INOMAT-n

ECU

エンジン

ECU

メータ・クラスタ

¢霊童ギヤ位鐙

レバ一位置

パーキング・ブレーキ録作

アクセル開度

ブレーキ・ペダル織作

-z遇置竃週'

チェンジ・レバー・

ユニット

d ゆキ

j…

ル丹、出

電気信号

フルー ド・ライン

一一一 工ア・ライン

電力

~チ車速

N位置

エンジン回転速度

アクセル開度

アクセル開度

車速

エンジン回転速度

エンジン制御

クラッチ・ストローク

シフト ・セレク卜 ・ストローク

クラッチ閲転速度

クラッチ摩耗ス トローク

パルス・ディパイダ

ム-'

インテリジェノト イノベーティプ , hエカル オートマティヮク トランスミッ y 司ン

※INOMA T: Intelligent & Innovative Mechanical Automatic Transmission

図 1-1 INOMAT-II

一 161-

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2 構造・機能

1) システム・ブロック図(図 1-2)

CAN通信

-~;B"

INOMAT -D ECU

-発進制御

・変遺跡l御・微速走行

・車両停止

・ギヤ・シフト・ユニット制御

・リトライ叡IJi3JI

ドライブ・ユニット

ギヤ ・シフト・ユニット

シフト ・センサ

シフト・ モータ

セレクト ・モータ

セレク卜・センサ

クラッチ・コントロール・

モータ 1,2

クラッチ ・シリンダ・

ストローク・センサ

クラッチ・フルード・レベル ・スイッチ

ニュートラル ・スタート・リレー

イージーゴ・

EZGOECU

ギヤ・シフト ・インジケータ

Dランプ

INOMATウォーニング・ランフ.

クラッチ・テ'ィスク・ウォーニング・ランプ

ウォーニング・ブザー

MUT(マルチ・ユース・テスタ)コネクタ

※エキプレ .エキゾースト・ブレーキEZGO:三愛イージ・スタート ・システム

図Iー 2 システム・ブロック図

-162 -

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-!!l-_'-

2) 構成部品の構造・機能

部 品 名 称 主な機能 ・作動

クラッチ ・ブースタ ・アングル ・センサ クラッチ ・ブースタのストローク量でクラッチの般紙状態を検出

クラッチ1111転センサ クラッチ・ディスク回転速度を検出

ストップ ・ランプ ・スイッチ ブレーキ・ ペダル踏み込み/縦しの検出

ABSエキブレ ・カッ ト・ リレー ABS作動H与のエキプレ ・カット状態の検出

ABS ECU ABSシステム ・ウォーニング信号をt食出

パーキング ・ブレーキ ・スイッチ ;{ーキング ・プレーキ作動の検出

ドア ・スイッチ ドア|品I1別状態を検出

E4-ZJG-zo,ーaメーン ・スイッチ EZGOリセット ・スイッチと組み合わせ.JEt-ZJGtSO ECUに送る疑似クラッチ信

l,j_を11¥))

EイーZGーOゴーリセ ット・スイッチEイーZジGーゴOーメーン ・スイッチと組み合わせ.イifZGゴo ECUに送る疑似クラッチ信号

をLBブJ

ドライブ ・ユニットシフト ・モータ.セレクト ・モータ.クラッチ ・コントロール ・モータ 1. 2 を作動させる

ニュートラル・スタート ・リレー ギヤ入り状態でのエンジン始動を制限し車両の飛び出しを防止する

イEーZジGーゴOーECU EZGOシステム ・ブレーキ解除点に必要な疑似信号の/JJ力

ギヤ ・シフ ト・インジケータ 現在の変i創立.wuえびダイアグノーシス ・コードを表示する

Dランプ チェンジ ・レバーrDJのとき点灯する

INOMATウォーニング ・ランプシステム災常11刺こ点灯し.巡!Iti;者に知 らせる.赤と般の2砲矧があり .赤は走

行イミ百J.授は必袋lti低|恨のffilJ術lを行い走行可能の状態である

クラッチ ・ディスク ・ウォーニング ・ランプクラッチ ・ディスクの厚さをクラッチ ・ブースタ ・アングル ・セ ンサより検出

し.クラッチ ・ディスクの交換l時刻]を知らせる

ウォーニング ・ブザー 運転cfi・が誤操作や危険な操作を行ったとき.運転者に知らせる

MUT(マルチ ・ユース ・テスタ)コネクタ MUTとの通1,¥及びダイアグノーシス ・コードの表示.m去

変述制御",はINOMAT -II ECUからの要求により作動然止とするが. シフ

エキプレ ・マグネット・パルプ ト・アップ11寺にエンジンとクラッチの回転速度JEが大きい場合は.両阿転迷J支差をl!11えるために作動する

. INOMAT -II ECUと各種信号のやり取りを行い.変辺i.走行がスムーズ

エンジンECUに行えるようにする

'CAN通信にて送受日する情報は. ENGOl. ENG02. ENG03のグループで行

※EZGO:三菱イージ ・スタート ・システム

-163 -

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-=c草蓋置書置・

(1) クラッチ ・コントロール(図 1-3)

クラッチ・コントロールの方式は,液圧・エア圧併用式である。

INOMAT -II ECUがドライ ブ ・ユニ ットにモータ駆動信号を出 し ドライブ・ユニットはクラッチ ・コ

ントロール ・ユニットへ電力を供給し,モータをコン トロールしている。

クラッチ ・コントロール ・ユニットはモータの駆動により液圧を制御してクラッチ・ブースタを作動させ.

クラッチの断接を行っている。

INOMAT-D ECU

モータ駆動制御信号

モータ駆動電力

液圧

クラッチ・コントロール ・ユニット

図1-3 クラッチ・コントロール

.

-164 -

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-;(' . .-

(2) トランスミッション(図 1-4)

INOMAT -II用ト ランスミッションは通常のマニュアル ・トランスミ ッションに対して次の点が異なる 0

.ギヤ・シフタ・アッパ及びパワー ・シフトの代わりにギヤ ・シフト・ユニットを装着している。

-自動変速|時のクラッチ ・ストローク及びクラッチ ・ディスク摩耗限度を検出するクラッチ・ブースタ・アン

グル ・センサを追加している。

・クラッチ回転速度を測定するクラッチ回転センサを装着している。

ギヤ ・シフト・ユニット

クラッチ ・ブースタ

クラッチ回転センサ

クラッチ ・ブースタ・アングル・センサ

図1-4 トランス ミッション

一165-

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-軍司照藍竃B

(3) ギヤ・シフト ・ユニット(図 1-5)

ギヤ ・シフト・ユニ ットはシフト操作部とセレクト操作部から成っており, ドライブ ・ユニットからの電気

信号によりシフト及びセレクト ・モータを駆動させ,スライデイング ・レバーを動かしアップ・シフト及

びダウン・シフトを行っている。

シフト及びセレクト・モータはDuty(デユーテイ)制御(位置フィード・パック制御含む)されている。Duty

制御とは,細かく ON/OFFを切り替えることでモータの平均回転速度を変化させる制御方法である。

c....,

ジョイント

ジョイン卜

B-B シフト・センサ c-c

フFロック

A-A

図1-5 ギヤ・シフト・ユニット

-166 -

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-I:fi哩置竃週'

(イ)ギヤ・ シ フト・ J~ターン (図 I -6)

変速段は,前進l速(1st)から6速(6th)と後退(リパー

ス)がある。

(ロ) ギヤ ・シフト&ギヤ ・セレクト(図 I-7)

シフ ト位世及びセレク ト位置はシフト及びセレクト・セ

ンサでtfil出し, INOMA T -II ECUにフィードパック

する。これにより目標位置へスライデイング・レバーを

移動させる。

-167 -

プロペラ・シャフト側

エンジン側

図 1-6 ギヤ ・シフト ・パターン

5.0

A' /

_,,1 /

シフ ト位置

電圧川山

。Rev, 2nd, 4th, 6th _J N 1 -N4 L. 1st, 3rd, 5th

シフ ト・センサ電圧

5.0

~ ¥

¥ ¥

¥ 卜

セレク卜位置

6th,N4

電圧mw

。Rev, N1, 1st _J 2nd, N2, 3rd 4th, N3, 5th

セレク卜・ センサ電圧

図 Iーア ギヤ ・シフ ト&ギヤ・セレク卜

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-:::t:_竃.

(4) クラ ッチ・コントロール ・ユニット(図 1-8)

クラッチ ・コントロール ・ユニットは. 2個のクラッチ ・コントロール・モータ,ウオ}ム ・ギヤ及びホ

イール ・ギヤ.マスタ ・シリンダ,クラッチ ・フルード・タンクから構成されている。

クラッチ・コントロール ・モータ l及び2はDuty制御(位置フィードパック制御含む)され.半クラッチの

状態も可能である。

通常時ではクラッチ ・コン トロール ・モータ l及び2が同時に駆動している。万一,故|邸時は片方で駆動す

るが.機能は失われない。

リザーパ ・キャップ

クラッチ ・フルード・レベル・スイッチ

図 1-8 クラッチ・ コントロール・ユニッ ト

ー 168-

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-ーヨ団温掴.

(イ) シリンダ・ス トローク(図 1-9)

クラッチ ・コン トロール・モータ1. 2の回転運動 {ピストン後退時}

は,ウォーム・ギヤ及びホイール ・ギヤを介してピ

ス トンの往復運動に変換される。

これらの作動は,従来(3ペダル・マニュアル・ト

ランスミッション車)のクラッチ・ペダルを人が操

作しクラッチ・マスタ・シリンダの油圧を制御する

動きを電子制御化したものであり,ピス トン後退時

はクラッチ・ペダル開放時,フル ・ストローク時は

クラッチ・ペダ、ル全閉時に相当する。

これらの作動によりクラッチ・ブースタのストロー

クを制御してクラッチの断接操作を行っている。

(口) ストローク ・センサ電圧(図 Iー10)

ピストンのストロークは クラッチ・シリンダ ・ス

トローク ・センサで検出しINOMAT -II ECUに

フィードパックする。

ピストンのス トローク註は従来(3ペダル・マニュ

アル ・トランスミッション車)のクラッチ・ペダル

の踏み込みiltに相当する。

クラッチ ・シリンダ・ストローク ・センサには,

メーン信号(SVCl)とサブ信号(SVCO)の2系統に分

かれており,片方が故障した場合はもう 一方で制御

する。

クラッチ断H寺のストローク ・センサ電圧は,半クラッチ学習によって変化する。

{フル・ストローク時〉

図1-9 シリンダ ・ストローク

電圧制

、¥svcl、o、、 レSVC1

> /¥/ ¥

/γ ~ "-

4.0

1.0

0

クラッチ接‘

25

砂断

ピストンのストローク量(mm)

図 1-10 ストローク ・センサ電圧

-169 -

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-=司置竃週'

(6) クラッチ・ブースタ(図 1-12)

クラッチ・ブースタは.クラッチ ・コントロール・ユニットからの液圧を受け,エア圧により力を併WIさせ

てクラッチの断扱ーを行っている。

ザ、,, カhr

‘ースゾキエ

パンヤチアヱ

リレー・ピストンスプリング

ポベット・パルプ

ピストン・プレート

シリンダ ・シェル

図1-12 クラッチ・ブースタ

(イ) オー ト・アジャス ト(自動調整)機能(図 1-13)

ピストン ・プレートはスプリングの力で常にイiMに押されており クラッチ ・ディスク新11111111寺はシリンダ ・

シェルの中央付近に位世している。

その後,ク ラッチ ・ディスクの摩耗分だけピストン・プレー トが左側に移動し摩耗限度まで自動的に澗挫

を行うオー ト・アジャスト(白助訓整)機能が小jいている。

図1-13 オート・アジャス 卜(自動調整)機能

-171 -

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.聾司書竃.

(7) チェンジ・レバー・ユニット(図 1-14)

レバーを操作するとロッドに組み込まれたシフト・シャフトとアームが連動する。

シフト・シャフトとアームは,シフト・スイッチ又は,セレクト・スイッチのロータにスナップ・ピンで固

定されているので, レバーのポジションを変化させると各スイッチは, INOMAT -II ECUにレバー・ポ

ジションの信号を送る。

レバー レバー

スナップ・ピン スナップ・ピン

口ータ

シフト ・シャフト

図 1-14 チェンジ・レバー・ユニット

-172 -

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3)

(1)

INOMAT-lI制御

発進制御(図 1-15)

ー軍司置書置B

チェンジ ・レバーがiNJ位置の状態では, ギヤ位世iNJ.クラッチは完全接の状態で待機している。(図中

A)

チェンジ・レバーがiDJ位置(ドライブ・レンジ)の操作時に,

にギヤ入れする。(医|中B)

クラッチを断し, ギヤを発進段(2nd:2速)

ギヤ入れ完了後はアクセル・ペダルが踏まれるまでクラッチは「待機点」で待機し発進に備える。(匝l中C)

アクセル・ペダルが踏まれ次第, クラッチを「半クラッチ開始点」まで接し,その後,半クラッチの制御を行

う。([き|中D)

エンジン回転速度と クラッチ回転速度が同期し次第, クラッチを完全接し発進を完了する。(図中E)

発進時にエンジン制御は行わない。(アクセル・ペダルに追従)イージーゴー

EZGOに対しては疑似のクラッチ ・ストロークを出力する。

エンジン ・クラッチ

回転速度

クラッチ・

ストローク

1葺

A

断点 ・

接点

B i C、: D 、〕r: r:

エシジン回制度 / / 一一一一つ:./ メど i

一一一 -ーーマ戸 ./ヘ¥クラッチ自転速度

目標クラウチ・スjトローク

! ~... 待機点l 川、 約一始点

、h"-",,,=. ..,~ l 実クラ ツ号ス ト?ーク

時間 ーーーー+

図 Iー 15 発進制御

-173 -

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-晶君置..

(2) 変速制御(図 Iー16)

|ヌ|は3rd(3速),アクセル開度50%の状態から 4th(4述)へシフ ト・アップする際の様子である。

変速マップ及びチェンジ ・レバー操作により変速指示があった坊ー合,アクセル開度によるドライパ要求燃料

l噴射iHの、らエンジンIL¥力トルク Oとなるゼロ ・トルク燃料l噴射i止までINOMAT-11要求燃料l噴射盆を変化

させる。(園中F)

INOMAT -11 要求燃料l噴射祉がゼロ・トルク燃料I~'t射量に到達したと阿H寺にクラ ッチが断となる よう,ク

ラッチ断指示を行う。(園中G)

クラッチが断し次第,ギヤ ・シフト ・ユニットにより変速動作(ギヤ抜き.セ レクト動作,ギヤ入れ)を行う

と共に燃料1噴射社指示によりエンジンlul!1伝述度制御を行う。

シフト ・アップ時に|出りエンジン回転速度の低下を1Jt:進するためにエキブレを用いる。(図司'H)

ギヤ入れ完了,かつ.エ ンジン ・ク ラッチ|叫転速度差が規定他以下となり次第,クラッチを「半クラッチ開

始点Jまで接し,その後,変辿l時の半クラッチ制御によりクラッチを接していく 。(闘中1)

クラッチが規定ストロークまで接し次第,燃料噴射社指示によりエンジンIII力トルク Oの状態から, ドライ

パ要求燃料l噴射立まで'11噴射i止を戻し変速を完了する。(I豆|中J)

エンジン ・クラッチ回転

速度

費型料噴射量

エキプレ作動

要求(ON/OFF)

( 3rd→4th)

時間 一一→

図 I-16 変速制御

-174 -

. ι.

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-耳ヨs..

(3) 微速走行(図 Iー17)

クラッチを断し,発進段(2nd:2速)へギヤ入れを行い,

Cと同様)

クラッチ「待機点」で待機。(図中 K:発進制御のA,

B,

アクセル・ペダルが踏まれ次第, クラッチを「半クラッチ開始点」まで接 し,その後.半クラッチの制御を行

う。(図中L)

アクセル・ペダルが更に踏まれ,車速増加(クラッチ回転速度増加)に伴い,

回転速度が同期し次第,クラッチを完全接する 。 (I~I 中 M)

エンジン回転速度及びクラッチ

アクセル・ペダルを開放した場合はクラッチを待機点まで断する。

半クラッチ制御中はクラッチI吸収エネルギを計算し積算イii!が規定値を超えた場合,

及びクラッチ ・ディスク・ウォーニング ・ランプρ点滅により瞥報を出力する。

エンジンクラッチ回転速度

T 断

クラッチ ・

ストローク

f豊

一~-~. . - ---i ~fン回転速度 :

jどでご:jij¥ー一一一/-一--{ヘ;:二::〉「下¥ーィペ

LK±クラ(分開始点

時間一一一+

図 1-17 微速走行

-175 -

ウォーニング・ブザー

t量点

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-:::('.zc竃週'

(4) 車両停止(図 Iー18)

図は3rd(3速), プレーキ・ペダルを解放したまま車両を停止させた場合である。

ブレーキ・ペダルを解放したまま車両が停止する場合は,エンジン・クラッチ凪転速度がアイドル凶転述度

より規定回転速度低い回転速度となった場合にクラッチ断を開始する。(凶~I'N)

アイドル回転速度より低い回転速度でクラッチ断する場合は.駆動系のねじれ振動によるショックを抑える

ため半クラッチを行い,ねじれを開放しながらクラッチを断する。(医|中0)

再加速に備えて,クラッチは「待機点」で待機。

アクセル・ペダルが踏まれた場合は「発進制御J~こより再加速する。 (図 I:I'P , R)

クラッチを断点まで切り, 3rd (3述)→2nd(2述)シフト・ダウンを行う。(図r:jlQ)

ブレーキ・ペダルを踏んで車両が停止する場合は,アイドル凶11伝速度より規定回転速度目い、巨|転速度を.

ンジン・クラッチ!日|転速度が下1"1った場合にクラ ッチを待機点まで断する。

エンジン ・

クラッチ

回転速度

クラッチ・

ストローク

m 1量点

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時間一一一+

図1-18 車両停止

- 176 -

Page 18: 電子制御式トランスミッション INOMAT - IIkiroku.bufsiz.jp/gijyu/H17/gat/fuso.pdfINOMAT -II 用トランスミッションは通常のマニュアル・トランスミッションに対して次の点が異なる0.ギヤ・シフタ・アッパ及びパワー・シフトの代わりにギヤ・シ

(5)

(6)

-境遇置..

ギヤ ・シフト ・ユニット制御(図 1-19)

図は3rd(3述)から4th(4述)にシフト・アップする|踏のギヤ・シフト・ユニット制御の様子である。

現ギヤ段の目標シフト・セレクト位置にして,実際のシフト・セレクト位置が規定の範囲内であればギヤ位

置の制御は行わず,現ギヤ位fR(現シフト ・セレクト位置)を保持する。(図中S)

変速マップ及びチェンジ・レバーより変速指示があった場合,クラッチを断し, iNJ位置までのギヤ抜きを

開始する。(図rl'T)

ギヤ抜きによりシフト ・ストロークがニュートラル目標位置の規定範囲内となり次第, セレクト動作を附始

する。(医|中U)

セレク ト位置がセレクト目標位置の規定範囲内となり次第,ギヤ入れ動作を開始するO

この際, シフト目標位置には図のように速度をもたせ,過剰なギヤ入れ速度によるギヤ入れショック (急速

な同期による駆動系のショック)が発生することを抑制している。(図中V)

シフト・セレクトが目標位置の規定の誤差範囲内に規定時1m位置している場合, ギヤ位置の制御を終了するO

(医|中W)

シフト位置,

目僚位置

セレクト位置,

自律位置

リトライ制御

(3rd→4th)

hシフ 吋1V! y

時間一一一+

図 Iー 19 ギヤ・シフ ト・ユニッ ト制御

w t 、』

r

リトライ制御はギヤ入れが完了しなかった|緊, INOMA T -II ECU 1l!1Jで再度ギヤ入れを試みる機能である。

(リトライは21百|まで5式みる)

リトライ制御は車速にI,t;じてダブル・クラッチと他段へのギヤ入れがある。

ダブル・クラッチは111速が2km/h以上のときに実行され,

とトランスミッション側回転速度を合わせる制御を行う。

他段へのギヤ入れは車述が2km/h未満のときに実行され.

クラッチを断→按→断してエンジン側回転速度

ギヤ入れ不良11寺のギヤ段に応じて変更ギヤ段を

選択し ギヤ入れを行う。

- 177 -

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-:;:t,na週'

不良川ギヤ段 変~ギヤ段 不良川ギヤ段 公~ギヤ段

Rev(後J1!) 1st ( I !ili) 4th( 4!ili) 5th( 5述)

1st ( l!ili) 2nd (2!ili) 5th( 5述) 4th (4!ili)

2nd( 2述) 3rd (3泌) 6th (6述) 5th( 5述)

3rd (3!ili) 2nd (2述)

3 点検・整備のポイント

1) 故障診断機能

名センサなどが故防で、あるかどうかをスタータ・スイッチONII寺,常時診断しており.故障と判断した場合

はメータ・クラスタに興常情報が表示されi逆転手?に女11らせると共に異常i:iij所をダイアグノーシス・コードと

して記'隠しi:夜間 H、11の制御を Im~れする 。

故障時の制ftlJil1はシステムの機能を制限し,車両及び211転者の安全を雌保する。また記憶されたダイアグ

ノーシス・コードはギヤ・シフト・インジケータによる点灯でH千び出すことができる。

(1) ダイアグノーシス ・コードの読み取り及び消去

(イ) ダイアグノーシス ・コード

ダイアグノーシス ・コードには税収と過去の2種類がある。

(a) 現在のダイアグノーシス・コード

スタータ・スイッチ ON後 (ECU屯ìJJU党入 " 1 ) に発生した J'~. ';;~~ により_ ECUがlic'隠するダイアグノーシス・

コードで.過去になる前の状態である。

(b) 過去のダイアグノ ーシス・コード

現在のダイアグノーシス・コー ドが~ü%} Y..はスタ ータ ・ スイッチを OPF後. IlfびONにしたときに;pj1~-の

ダイアグノーシス・コードとなり ECUにl記憶する。

(ロ) ダイアグノーシス・コー ドの読み取り及び消去(図 1-20)

ダイアグノーシス ・スイッチ及びメモリ ・クリア・スイッチのON/OFFは. ~llJfJコネクタの取り外し取

り付けによって行われ,ダイアグノーシス ・スイッチ.メモ リ・ クリア ・スイッチを使ってダイアグノーシ

ス ・コードをぷノj之させる。

医罰ダイアグノーシス コードの,b'eJ,&.J収IJ))t Uri'i1、例|制:冬 f後は コネクタをもとにかJしておく 。

ダイアグノーシス ・スイッチ

ギヤ ・シフト インジケータ

図 1-20 ダイアグノーシス ・コードの表示

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-z哩saw

(a) ダイアグノ ーシス・ コードの読み取り(図 Iー21)

ダイアグノーシス・コードの読み取りは,ギヤ・シフ

ト・インジケータの点灯により行う 。

例)コード12.34の場合.図のように点灯する。

ダイアグノーシス ・コードはl回ずつ新しい順に繰り返

し表示される。

その後,新たなコードがなければ,再び最初のコードに

戻り.同様に 1回ずつ表示される。

システムが正常な場合はダイアグノーシス ・コー ド01

0.2秒

仕畳一盛巴1

図 Iー21 ダイアグノーシス ・コードの読み取り

を表示する。ダイアグノーシス・スイッチを接続すると.ECUは直ちにコード表示を停止(終了)する。

(b) 現在のダイアグノーシス・コード

スタータ・スイッチを ONにする。

ダイアグノーシス ・スイッチを外す。

ダイアグノーシス ・コードをギヤ・シフト・インジケータの点灯で表示する。

(c) 現在及び過去のダイアグノーシス ・コード

現在のダイアグノーシス・コード読み取り後(ダイアグノーシス・スイッチは外した状態).メモリ・クリ

ア・スイッチをタトすと,再びギヤ・シフト ・インジケータが点灯を始める。

この点灯で現在及び過去のダイアグノーシス・コードを表示し,コードの識別により異常筒所を把握する。

(d) ダイアグノーシス・コードの消去(図 1-22)

メモリ・クリア・スイッチを一度外し再び接続するこ

とでECUに記憶されているすべてのダイアグノーシ

ス ・コードが消去される。

直室ヨ ダイアグノーシス・コードはメモリ・クリア ・スイツ

チの操作で消去されるため注意する。

記憶内符を消去したくない場合は,スタータ・スイッ

チを OFFにした後.メモリ ・クリア ・スイッチを接

続する。

-179 -

1秒以上 3秒

開放 l_j こιクリアされる

図 1-22 ダイアグノーシス・コードの消去

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-zι_.-

(2) 点検手III買(図 1-23)

システムの点検の純紅lは故障現象とダイアグノーシス ・コー ドの確認により以ー|、ーに大別される。

. ECUが記憶しているダイアグノーシス・コードごとの点検

・一過性故障への対応

I!r I而j人 1'](

ダイアグノーシス ・コード読み取り(3. 1). (1)参l!日)

!J~',:i~コード 111)) liU後正常 正常コードIJI))コードI.ll))

|ダイげノーシス日 発l'一削減附への対応 (3.3) ~IKO I 民|刈をlt!払!し.点検する

|必行テス ト |

• .&1 i"テストq,(こダイアグノーシス ・コードが発'1:した場合は.戸il.1rコード発生袈l刈を他射し.点検を行う.

..&1fテストliijにECUが,記憶していたダイアグノーシス・コードが定行テストでは発令しなかった場合は.ダイアグノーシス ・コードに対応した点検と併せて一過性政問への対応も1fう.

ダイアグノーシス・コードを消去する

図Iー 23 点検手順

(3) 点検時の注意事項

バッテリ屯圧が制定'tllJEである。

ハーネス及び機加の各コネクタが級んでいないか雌認する。また.コネク夕をl取|収記 り外す|際際はス夕一夕 .ス

イツチを LOCαKf位ι川i甘ji

j点.'X{!検食イ作乍業は!防j五.;U川l川リとしてス夕一夕 .スイツチをLOCαKf位立u:1附「町[にしてカか、ら行うが. 作業戸、j符によってはON似i泣で

行う場合もある。この場合は,各コネクタの端子111J1えびボデーとのショー トには卜分注立する。

各構成部品の}lWG11/fは il~U立やテスタのNIJ.主によって拶特を受けるので. 必ずしも),~ìV~イI f(の範聞に人らない場

介もある。 なお,本文'1 1の点検数イIfiは 'ì;\'iln'dk~~ (10 -35"()を条件としている。

見常がwnì'í された場介. 故障時のHJIJ御からの円動復制の1Ij"行はダイアグノ ーシス ・コ ー ド(民Fì;\"i~~iJmによっ

て異なる。また.復帰した場合ウォーニング・ランプは消灯する。

(1動復仰の行われない筒所に故|部が'1-:じた場合,故防H寺のll,IJ御から復帰させるにはダイアグノーシス・コー

ドを消去する。

災常が解消し. 1'1 [ijJfaL帰した場合でも故防問所のダイアグノーシス ・コードはECUの過去のコー ドに記憶

されるので,修Jlll後はMUT又はメモ リ・クリア・ スイッチでダイアグノーシス・コードを消去する。

スタータ ・スイッチOFF時にメモリ ・クリア ・スイッチを接続すると, ダイアグノーシス・コー ドは消去

されない。

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-z司置..

2) ダイアグノーシス・コード一覧

コード メッセージ 幸之.7J' コード メッセージ 表示

P1702 ABS異常検1+1 02 P1733 セレクト・モータ ~I~m功不可異常 33

P1703 クラッチ制御ユニットi夜i訂正下 03 P1734 CCUモータ I駆動不可奥常 34

P1704 プレーキ信号オン問者 04 P1735 CCU モータ a~動不可異常 35

P1705 ABS作動的調lff'r初~ J 回,,ví' 05 P1736 CCU両モータ駆動不可興,};~ 36

P1706 ドライブ ・ ユニット ・ メインai:iJJ;l興~:;~. 06 P1737 発進待機放世有り 37

P1707 ドライブ ・ ユニット ・ サブ屯淑呉';i~' 07 P1738 前進段ギヤ入れ不可 38

P1708 CCUサプ ・センサ異常 08 P1739 エンジン制御モード突入不可典常 39

P1709 CCUメイン ・センサ典?;t 09 P1740 エンジン制御モード解除不可災~,};~. 40

P1710 CCUメイン ・サブ'双方災協 10 P1741 ENGOl(CAN)受・伝なし 41

P1711 クラッチ ・ レリーズ ・ レバー ・ センサ典'li~' 11

P1712 GSU シフト・センサ拠'li~' 12 P1742

ENG01 (CAN)受伝な し&パック ・アッ プ42

~~1~'

P1713 GSU セレク ト・センサ災';i~' 13 P1743 エンジン ・リンプ ・モー ド受信 43

P1714 'Ii述イ|白興 'ji~' 14 P1744 ENG03(CAN)受信なし 44

P1715 生Ir:速入力11¥1,し典'出' 15 P1745 補助ブレーキmlJ御輿? 45

P1716 1ド:iili入力'"断ORII':輪ロック 16

P1717 クラッチ回転数入力J!!r,し拠常 17 P1746

ドライブ・ユニット・ サブ電源イニシャル46

興'i~'

P1718 エンジン回転数(パルス)以常 18 P1747 後進段ギヤ入れ不可 47

P1719 アクセル|制度(パルス)異':;~ 19 P1748 クラッチ lul ilii;数拠'ii~' 48

P1720 バッテリ m証拠I,:i~ 20 P1749 )j(述&クラッチ!日|転数双方入力 1!!~ し 49

Pl721 B fÍJ:屯iJf,l;[i:J:l:メイン典',:;~' 21 P1750 スタータ作動可.前「子iJ問若 50

P1722 B直也iJf,lHi:圧サプ呉常 22 P1751 クラッチ滑り発生 51

P1723 B白:HtiJf,l¥l.t圧メイン ・サブ拠'iit 23 P1752 CCUセンサ ・メイン・サブIl山17if 52

P1724 M桜}~(mL[ メイン災'i;~' 24 P1753 T クラッチ IJf.J~fì/~初期設定未完}jfu 53

Pl725 M1主.',1.(屯正サブ災? 25 P1754 GSU ギヤ位、fi/l~初期Jf&定米尖絡 54

Pl726 スタータ作動可否「可J同才i 26 P1755 チェンジ ・レパ-N以外でPTO操作祈り 55

Pl727 ~Yf1liブザ一兆常 27 P1756 クラッチ断11i報11.1力以常 56

Pl728 メモリ ・クリアSW(DCS)走行'I'ON 28 P1758 ENG02(CAN)受告iなし 58

Pl729 ワーニングij¥,W'i;¥' 29 P1759 31立リトラ イ災施後もギヤ入れ不rr]" 59

P1730 ワーニング符拠I;Î~' 30 P1776 チェ ンジ・ レバー i'úl:F~(走行IIJ能) 76

P1731 クラッチウエアワーニ ングS~'ì;~ 31 P1777 チェンジ ・レパ_j'次郎(走行不可) 77

P1732 シフト ・モータ駆動不IIJ異常 32

3) 一過性故障への対応(図 1-24)

一過性故障は,ある特定の状況下で発生する場合が多く,その状況を突き止めれば,原岡の推定は容易にな

る。一過性故|町の状況を突き止めるには, まず,故1~!;1発生H寺の走行状態,天候, 発生頻度及び故障現象を顧

客に詳しく I-Lij診し,故障現象を再現させる。

次に故障発生H寺の状況によりその原因が振動,温度,又はその他のものによるかを見極める。

j京閃が振動であると考えられる場令は, コネクタ単品なとさに次の点検を行い故防現象が現れるかどうかを確

認する。

・コネクタを11珪く上下,左右に振る0

・ワイヤリング・ハーネスを軽く上下,左右に振る 0

・各種センサ,機器などを手で11呈く揺らす。

-サスペンションなど可動部にあるワイヤリング ・ハーネスを軽く振る。

ここで、点検を行う対象は,'1',ブJされたダイアグノーシス・コードや故障現象に対する点検=rJllnでの批定故|町民(

悶や},H食手Jm中に山てくるコネクタや単1171で、ある。

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-Z週間~aw

傷付

コネクタをi昂る ワイヤリング・ハーネスを綴る例 各種センサ.微音量などをj昌らす例

図 1-24 一過性故障への対応

4) INOMAT -n ECUシステム初期設定

INOMAT -IIシステムの初期設定は,各ギヤ位置,半クラ ッチ位置のセンサ屯圧値を INOMAT -II ECU

に記憶させる作業であり ,各種雄怖を行った場合に必ず行う 。 また, 通常走行に異常があるとき.初WJ設定

を行うと不具合が解消する場合がある。初期設定は下表の項 11がある。

方i 目 l勾 守宅 尖施 H寺 J~J

ギヤ ・シフ ト・ユニッ トのシフト ・セ ン -ギヤ・シフト ・ユニット)悦治時

ギヤ位',n初期j設定 サ,セレク ト・センタの作ギヤ位i丘にお -ト ランスミッション交{央II~~・

けるmU:1ltlの,i己憶 . INOMAT -n ECU交換11寺

-クラッチ本体又はフライホイール交換l侍

-クラッチ・コントロール ・ユニット交換11年

半クラッチIm!lfi点初JUJ設定クラッチ ・シリンダ ・ストローク ・セン トランスミッ y ヨン附時のクラッチ ブきルー叫ドーサのと1:'クラッチIJf.J始..,¥のmlJJ!l(の記憶 ラインl仮り外し11;¥'

-ブレーキ液(クラッチ系統)の交換.エア抜

. INOMAT -U ECU交J臭H寺

(1) 初期設定モード待機状態

各初期設定は初JVJ設定モード待機状態にしてから行う。

. TI~I帽を下記状態、にする

. Ir(両'fl:~J I:

-パーキング・ブレーキ作動

-チェンジ ・レバーfNJ位置

-スタータ ・スイッチON(エンジンは停止)

-メモリ・クリア ・スイッチOFF(コネクタ切り肉Itし)

ギヤ ・シフト・インジケータf1Jが点滅し,初期設定モード待機状態

となる

ギヤ位置初期設定作業下クラッチIJf.J始点初期設定

作業

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