三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 WS-Vシリー …...516 10付録 10 付 録 8....

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516 10 付録 10 8. 短絡電流の計算 計算によって求める方法と早見表によって推定短絡電流を求める方法を示します。 (1)計算によって求める方法 付図1のような配電系統でS点で短絡が発生したと仮定します。 等価回路は付図2のようになりますので,各インピーダンスは次の値とし次例のように計算します。 三相短絡電流計算例 変圧器容量1500kVA,二次電圧420V, 50Hz,接続電線2×200mm 2 10mの地点における三相短絡電流対称値を計算すると付表1 のようになります。 付表1 三相回路の場合 配  電  系  統  図 等  価  回  路  図 付図1 3φ210V50Hz 3φ420V50Hz 二次側 電線 または バスダクト 一次側 M M 短絡点S ZL ZM ZT ZW 又はZB 短絡点S 付図2 ZL : 電源インピーダンス ZT : 変圧器インピーダンス ZM : 電動機インピーダンス ZW : 電線インピーダンス ZB : バスダクトインピーダンス 各インピーダンスの値 ZL :電源の短絡容量1000MVA XL/RL=25とする(NEMA AB 1による) ZT :付表2(三菱トップランナー油入変圧器Nシリーズ) ZM :短絡電流に寄与する電動機群の総容量は変圧器容量×0.8とする。 インピーダンスは25%としXM/RM=6とする(NEMA AB 1による) ZW, ZB :付表3, 4による(計算例と早見表は1Cケーブル密着とした) 電源短絡容量1000MVA, XL/RL=25と仮定する Z=(基準容量/短絡容量)×100=0.1 ZL=0.0040+j0.0999(%) 付表2より,%ZT=5.43%, X/R=6.44だから ZT=0.833+j5.366であるので 1000kVA基準換算では, ZT=0.556+j3.577(%) 付表3の値に電線長10mを乗じ,オーム値から 1000kVA基準のパーセントインピーダンス値に換算すると, ZW=1000×10 3 /420 2 ×1/2×(0.092+j0.084)×10 -3 ×10×100 =0.261+j0.238(%) 変圧器容量の0.8倍,%ZM=25, XM/RM=6 と仮定する ZM=4.11+j24.66 1000kVA基準換算では, ZM=3.425+j20.55(%) Z=ZS+ZW =0.742+j3.357=3.438(%) 電 源インピーダンス(ZLパーセントインピーダンス法(1000kVA基準) オーム法 計算項目 420 ×6.065×10 -3 IS備考(1)三相回路の単相短絡電流は,三相短絡電流の   倍になります。 3 ZS(ZL+ZT)ZM ZL+ZT+ZM (ZL+ZT)ZM ZL+ZT+ZM =0.481+j3.119(%) 1000×10 3 ×420×3.438 ×100 =40,000(A) IS電源短絡容量1000MVA,XL/RL=25と仮定する ZL=420 2 /(1000×10 6 )×100×10 2 ×10 3 =0.1764(mΩ) =0.0071+j0.1763(mΩ) 付表2より,%ZT=5.43%, X/R=6.44だから ZT=0.833+j5.366であり,オーム値に換算すると, ZT420 2 /(1500×10 3 )×(0.833+j5.366)×10 2 (Ω) =0.980+j6.310(mΩ) 付表3の値に電線長10mを乗ずると, ZW=1/2×(0.092+j0.084)×10 =0.460+j0.420(mΩ) 変圧器容量の0.8倍,%ZM=25, XM/RM=6と仮定する ZM=4.11+j24.66 オーム値に換算するとZM420 2 /(1500×10 3 ×0.8)×(4.11+j24.66)×10 2 (Ω) =6.042+j36.25(mΩ) Z=ZS+ZW =1.309+j5.922=6.065(mΩ) ZS=0.849+j5.502(mΩ) =40,000(A) 3 変圧器インピーダンス(ZT電動機インピーダンス(ZM電源総合インピーダンス(ZS電線インピーダンス(ZW三相短絡電流対称値 IS (sym) 全 イン ピ ー ダ ン ス(Z) 付図3 1500kVA 2 × 200mm 2 420V50Hz 短絡点S 二次側 = 10m

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Page 1: 三菱ノーヒューズ遮断器・漏電遮断器 WS-Vシリー …...516 10付録 10 付 録 8. 短絡電流の計算 計算によって求める方法と早見表によって推定短絡電流を求める方法を示します。(1)計算によって求める方法

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付録

8. 短絡電流の計算

計算によって求める方法と早見表によって推定短絡電流を求める方法を示します。

(1)計算によって求める方法付図1のような配電系統でS点で短絡が発生したと仮定します。等価回路は付図2のようになりますので,各インピーダンスは次の値とし次例のように計算します。

三相短絡電流計算例

変圧器容量1500kVA,二次電圧420V, 50Hz,接続電線2×200mm210mの地点における三相短絡電流対称値を計算すると付表1のようになります。

付表1

三相回路の場合

配  電  系  統  図 等  価  回  路  図

付図1

3φ210V50Hz 3φ420V50Hz

二次側

電線 または

バスダクト

一次側

M M短絡点S

ZLZM

ZT

ZW又はZB

短絡点S 付図2

ZL : 電源インピーダンス ZT : 変圧器インピーダンス ZM : 電動機インピーダンス ZW : 電線インピーダンス ZB : バスダクトインピーダンス

各インピーダンスの値

ZL :電源の短絡容量1000MVA XL/RL=25とする(NEMA AB 1による)ZT :付表2(三菱トップランナー油入変圧器Nシリーズ)ZM :短絡電流に寄与する電動機群の総容量は変圧器容量×0.8とする。

インピーダンスは25%としXM/RM=6とする(NEMA AB 1による)ZW, ZB :付表3, 4による(計算例と早見表は1Cケーブル密着とした)

電源短絡容量1000MVA, XL/RL=25と仮定する Z=(基準容量/短絡容量)×100=0.1 ZL=0.0040+j0.0999(%)

付表2より,%ZT=5.43%, X/R=6.44だから ZT=0.833+j5.366であるので 1000kVA基準換算では, ZT=0.556+j3.577(%)

付表3の値に電線長10mを乗じ,オーム値から1000kVA基準のパーセントインピーダンス値に換算すると, ZW=1000×103/4202×1/2×(0.092+j0.084)×10-3×10×100 =0.261+j0.238(%)

変圧器容量の0.8倍,%ZM=25, XM/RM=6と仮定する ZM=4.11+j24.66 1000kVA基準換算では, ZM=3.425+j20.55(%)

Z=ZS+ZW =0.742+j3.357=3.438(%)

電源インピーダンス(ZL)

パーセントインピーダンス法(1000kVA基準) オ ー ム 法計 算 項 目

420  ×6.065×10-3IS=

備考(1)三相回路の単相短絡電流は,三相短絡電流の   倍になります。

3

ZS= (ZL+ZT)ZM ZL+ZT+ZM

(ZL+ZT)ZM ZL+ZT+ZM

=0.481+j3.119(%)

1000×103  ×420×3.438 ×100

=40,000(A)

IS=

電源短絡容量1000MVA,XL/RL=25と仮定する ZL=4202/(1000×106)×100×10-2×103 =0.1764(mΩ) =0.0071+j0.1763(mΩ)

付表2より,%ZT=5.43%, X/R=6.44だから ZT=0.833+j5.366であり,オーム値に換算すると, ZT=4202/(1500×103)×(0.833+j5.366)×10-2(Ω) =0.980+j6.310(mΩ)

付表3の値に電線長10mを乗ずると, ZW=1/2×(0.092+j0.084)×10 =0.460+j0.420(mΩ)

変圧器容量の0.8倍,%ZM=25, XM/RM=6と仮定する ZM=4.11+j24.66 オーム値に換算すると,ZM=4202/(1500×103×0.8)×(4.11+j24.66)×10-2(Ω) =6.042+j36.25(mΩ)

Z=ZS+ZW =1.309+j5.922=6.065(mΩ)

ZS=

=0.849+j5.502(mΩ)

=40,000(A)3

変圧器インピーダンス(ZT)

電動機インピーダンス(ZM)

電源総合インピーダンス(ZS)

電線インピーダンス(ZW)

三相短絡電流対称値 IS (sym)

全インピーダンス(Z) 付図3

1500kVA

2 × 200mm2

420V50Hz

短絡点S

二次側

= 10m