建設業の人材確保・育成に向けて(令和3年度予算概算要求...

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建設業の人材確保・育成に向けて(令和3年度予算概算要求の概要) 1 魅力ある職場づくり 人材確保 人材育成 建設業の人材確保・育成をサポート 技能者の処遇を改善し 安心して働けるための環境整備 技能者の処遇を改善し 安心して働けるための環境整備 建設業への入職や定着を促すため、建設業の魅力 の向上やきめ細かな取組を実施 建設業への入職や定着を促すため、建設業の魅力 の向上やきめ細かな取組を実施 若年技能者等を育成する ための環境整備 若年技能者等を育成する ための環境整備 連携 建設産業の健全な発展を図る観点から、 建設業者団体や企業と連携し、就労環境の 整備や人材確保・育成に向けた取組、建設 工事請負契約の適正化等を実施 建設労働者の確保や雇用の安定を図る観点か ら、建設業者団体や企業が人材確保・育成等に 取り組む際の助成金の支給やハローワークにお いて就職支援を実施 建設業の技能者の約3分の1は55歳以上となっており、他産業と比べて高齢化が進行している。建設業が引き 続き「地域の守り手」として役割を果たしていくためには、将来の建設業を支える担い手の確保が急務となっている。に若者や女性の建設業への入職や定着の促進などに重点を置きつつ、働き方改革を更に促進し、魅力ある職場 環境を整備することにより、中長期的に人材確保・育成を進めていくことが重要である。 国土交通省・厚生労働省は、引き続き、両省で連携して建設業の人材の確保・育成に向けた取組を進めていく こととしており、令和3年度予算概算要求において所要の措置を講じる。

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  • 建設業の人材確保・育成に向けて(令和3年度予算概算要求の概要)

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    魅力ある職場づくり

    人材確保

    人材育成

    建設業の人材確保・育成をサポート

    技能者の処遇を改善し安心して働けるための環境整備技能者の処遇を改善し

    安心して働けるための環境整備

    建設業への入職や定着を促すため、建設業の魅力の向上やきめ細かな取組を実施

    建設業への入職や定着を促すため、建設業の魅力の向上やきめ細かな取組を実施

    若年技能者等を育成するための環境整備

    若年技能者等を育成するための環境整備

    連携建設産業の健全な発展を図る観点から、建設業者団体や企業と連携し、就労環境の整備や人材確保・育成に向けた取組、建設工事請負契約の適正化等を実施

    建設労働者の確保や雇用の安定を図る観点から、建設業者団体や企業が人材確保・育成等に取り組む際の助成金の支給やハローワークにおいて就職支援を実施

    建 設 事 業 者

    ◯ 建設業の技能者の約3分の1は55歳以上となっており、他産業と比べて高齢化が進行している。建設業が引き続き「地域の守り手」として役割を果たしていくためには、将来の建設業を支える担い手の確保が急務となっている。特に若者や女性の建設業への入職や定着の促進などに重点を置きつつ、働き方改革を更に促進し、魅力ある職場環境を整備することにより、中長期的に人材確保・育成を進めていくことが重要である。

    ◯ 国土交通省・厚生労働省は、引き続き、両省で連携して建設業の人材の確保・育成に向けた取組を進めていくこととしており、令和3年度予算概算要求において所要の措置を講じる。

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    ◇ 働き方改革推進支援助成金による支援 65.4億円◇ 働き方改革推進支援センターによる支援 66.8億円中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業の実施 96百万円雇用管理責任者等に対する研修の実施 1.0億円

    ◆ 「つなぐ」化事業の実施 30百万円◇ 労災保険特別加入制度の周知広報等事業の実施 1.1億円◆ 建設業における墜落・転落災害等防止対策推進事業 93百万円建設事業主等に対する助成金による支援(再掲) 57.2億円

    中小建設事業主等への支援 5.7億円建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練)の実施 1.2億円

    ◇ ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導 30.7億円◇ 短期間で取得でき安定就労に有効な資格等の取得支援 34.7億円建設事業主等に対する助成金による支援(再掲) 57.2億円

    建設事業主等に対する助成金による支援 57.2億円◇ ハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援 45.1億円◇ 高校生に対する地元における職業の理解の促進支援 36百万円

    国土交通省と厚生労働省の令和3年度予算概算要求の概要

    人材確保

    人材育成

    ※◆は建設業に特化した支援

    建設産業の働き方改革の実現 198百万円誰もが安心して働き続けられる環境整備 40百万円建設産業における女性の定着促進を通じた働き方改革社会保険加入の徹底・定着建設キャリアアップシステムの普及・活用 197百万円デジタル・ガバメントの推進 806百万円

    建設職人の安全・健康の確保の推進 17百万円建設産業の働き方改革の実現(再掲) 198百万円適正な工期設定・施工時期の平準化等による働き方改革の推進建設技術者の働き方改革の推進誰もが安心して働き続けられる環境整備(再掲) 40百万円デジタル・ガバメントの推進(再掲) 806百万円建設業許可等の電子申請化に向けた調査・検討建設キャリアアップシステムとマイナンバーカード・

    マイナポータルの連携構築建設関連業者登録システムの電子申請システムの構築

    地域建設産業の生産性向上及び持続性の確保 14百万円建設産業の働き方改革の実現(再掲) 198百万円誰もが安心して働き続けられる環境整備(再掲) 40百万円建設キャリアアップシステムの普及・活用(再掲)197百万円専門工事企業の施工能力等の見える化技能者の定着促進、技能習得・研鑽

    魅力ある職場づくりの推進

  • 国土交通省の令和3年度予算概算要求の概要

    人材確保

    ◆ 建設産業の働き方改革の実現 198百万円 (92百万円)

    ○ 適正な工期設定・施工時期の平準化等による働き方改革の推進【継続】

    ・改正建設業法等を踏まえ、引き続き、適正な工期設定や施工時期の平準化の推進、生産性向上の取組強化等に向けて以下の施策を実施。

    ・ 「工期に関する基準」について、民間発注工事における当該基準の活用状況の調査・分析や活用事例等の周知、内容拡充等の要否の検討。

    ・全地方公共団体の入札契約適正化の取組状況を調査・公表するとともに、個別団体への改善支援及び進捗状況・取組の「見える化」等を通じ

    た施工時期等の平準化を推進 等。

    ○ 建設技術者の働き方改革の推進【継続】

    ・建設業の担い手確保・育成や長時間労働の是正のため以下の施策を実施

    ・新設された「専門工事一括管理施工制度」や「監理技術者補佐制度」の効果検証を行うとともに、ICT技術の活用等を生かした制度の拡充を

    検討 等。

    ◆ 誰もが安心して働き続けられる環境整備 40百万円 (31百万円)

    ○ 建設産業における女性の定着促進を通じた働き方改革【継続】

    ・「新たな日常」に向けた建設産業のデジタル化・スマート化等の動きも踏まえつつ、令和2年1月に国土交通省及び業界団体等が共同で策定し

    た「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」に基づき、建設業における女性の定着促進に向けた取組を行う。

    ○ 社会保険加入の徹底・定着【継続】

    ・社会保険未加入企業に対し建設業許可・更新を認めない仕組みとする建設業法施行を受け、法定福利費を適正に行き渡らせるための施策と

    労働者単位での社会保険加入の徹底・確認強化を図るため、建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会(関係省庁、業界団体等で構成)の

    開催、法定福利費の更なる見える化の推進や法定福利費等の支払い状況実態調査の実施、社保加入要件化に伴う一人親方化の実態把握、

    偽装請負防止に必要な取組を実施。

    ◆ 建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージの推進 197百万円 (新規)

    ◆ デジタル・ガバメントの推進 806百万円 (新規)3

    ※()内は令和2年度当初予算額

  • ◆ 地域建設産業の生産性向上及び持続性の確保【継続】 14百万円 (9百万円)

    ・中小・中堅建設企業の生産性向上は必要不可欠であるが、個社レベルでは投資資金・人材が限られており、またノウハウが十分に蓄積され

    ておらず、取組が進捗していない。そのため、技術革新への対応や企業活動の継続促進に関する相談支援等を行うことで、地域における中小・中堅建設企業の生産性向上と持続性確保を推し進めるとともに、新型コロナを契機としたデジタル化に向けた普及啓蒙を通じて、建設業におけるDXを促進。

    ◆ 建設産業の働き方改革の実現(再掲) 198百万円 (92百万円)

    ◆ 誰もが安心して働き続けられる環境整備(再掲) 40百万円 (31百万円)

    ◆ 建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージの推進(再掲) 197百万円 (新規)

    ○ 専門工事企業の施工能力等の見える化及び技能者の定着促進、技能習得・研鑽【新規】

    ・CCUSや建設技能者の能力評価制度と連動した専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度の普及・活用を目指し、説明会やPR活動を

    実施。

    ・見える化評価制度の普及・定着に向けて、利便性向上や評価申請者の負担軽減の方策等について調査検討を実施。

    ・技能者を対象に、建設技能のスキル向上を図るための「特別講習」の実施、ICTを活用した熟練技能者の技能・技術の見える化により、効率

    的な技能習得・研鑽を推進。

    ・能力評価制度の活用を進め、技能に応じた処遇実現・モチベーション向上・定着促進。

    ※()内は令和2年度当初予算額

    国土交通省の令和3年度予算概算要求の概要

    人材育成

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  • ◆ 建設職人の安全・健康の確保の推進【継続】 17百万円(11百万円)

    ・建設工事の現場での災害により、いわゆる一人親方等を含めた建設工事従事者全体で年間約400人もの尊い命が失われている。このような状況の中、「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律(平成28年法律第111号)」に基づく基本計画(平成29年6月9日閣議決定)が策定され必要な施策を展開しているところである。

    ・今年度は基本計画について施策の進捗状況の点検・評価を行っており、来年度は計画の点検・評価を踏まえ、安全衛生経費の着実な支払いに必要なツール、安全衛生推進のためのテキストの作成、安全衛生経費の重要性や必要性を認知させるための戦略的広報ツールの作成等を行い、建設職人の安全・健康の確保の推進を図る。

    ◆ 建設業の働き方改革の実現(再掲) 198百万円 (92百万円)◆ 誰もが安心して働き続けられる環境整備(再掲) 40百万円 (31百万円)

    ◆ デジタル・ガバメントの推進(再掲) 806百万円 (新規)

    ○ 建設業許可等の電子申請システムの構築【継続】

    ・申請者・許可行政庁双方にとって大きな事務負担となっている、建設業許可等の申請手続を合理化するために、他省庁のシステムとバック

    ヤード連携することで、事務負担の軽減と添付書類の簡素化が可能な電子申請システムを構築。

    ・事業者団体との連携によって提出書類をさらに簡素化するための方策の調査・検討を実施。

    ○ 建設キャリアアップシステムとマイナンバーカード・マイナポータルの連携構築

    ・建設キャリアアップシステム(CCUS)とマイナポータルの連携に向けたシステム改修を実施することにより、登録情報の自動入力、マイナンバー

    カードやそれと連携した各種資格証等との一体化など、CCUSの登録申請手続きの効率化や利便性向上を図る。

    ○ 建設関連業者登録システムの電子申請システムの構築

    ・現行システムの耐用年数到来による移行に併せて、サーバーをクラウドへ移行。

    ・Web申請環境を高度化し、在宅でも簡易に申請・受付事務ができる環境を整備。

    ・登記事項証明書等の電子化に対応したシステム改修を行い、提出書類の簡素化による申請者の利便性向上を図る。

    ※()内は令和2年度当初予算額

    国土交通省の令和3年度予算概算要求の概要

    魅力ある職場づくりの推進

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  • ※◆は建設業に特化した支援()内は令和2年度当初予算額

    厚生労働省の令和3年度予算概算要求の概要

    人材確保

    ◆ 建設事業主等に対する助成金による支援【継続】 57.2億円(61.8億円)

    ・ 雇用管理改善や人材育成に取り組む中小建設事業主等に経費や賃金の一部を助成する。助成目的別に人材確保等支援助成金、人材開発支援

    助成金及びトライアル雇用助成金がある。

    ・ 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)について、建設キャリアアップカード登録者については賃金助成額を1.1倍にする。(令和3年度

    まで延長)。

    ◇ハローワークにおける人材不足分野のマッチング支援

    【拡充】 45.1億円(38.6億円)

    ・ 医療・福祉、建設、警備、運輸などの雇用吸収力の高い分野へのマッチング支援を強化するため、ハローワークに「人材確保対策コーナー」を設置

    し、関係機関等と連携した人材確保支援を実施。

    ・ 「人材確保対策コーナー」においては、求人者への求人充足に向けた助言・指導、求職者に対する担当者制によるきめ細かな職業相談・職業紹介、

    関係機関、業界団体等との連携によるセミナー、事業所見学会、就職面接会等を開催。

    ◇ 高校生に対する地元における職業の理解の促進支援 【継続】 36百万円 (15百万円)

    ・ 建設等も含めた多様な業種に関しての職業理解を進めるため、業界団体や地元企業による高校内企業説明会等を実施する。

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  • 中小建設事業主等への支援【継続】 5.7億円 (6.3億円)

    ・ 建設労働者育成支援事業・・・離転職者、新卒者、学卒未就職者等を対象とした、訓練カリキュラムの策定、訓練生募集、職業訓練の実施、就職支

    援をパッケージで業界団体が行う事業を実施する。

    ・ 認定職業訓練・・・認定職業訓練及び広域団体認定訓練に要する経費について補助を実施する。

    建設分野におけるハロートレーニング(職業訓練)の実施【継続】 1.2億円 (2.9億円)

    ・ 建設機械等の運転技能だけでなく、パソコンスキル講習等と組み合わせたハロートレーニング(職業訓練)を引き続き実施する。

    ◇ ものづくりマイスター制度による若年技能者への実技指導【継続】 30.7億円 (35.5億円)

    ・ ものづくりマイスターを中小企業等に派遣し、若年技能者への実技指導を実施する。

    ・ 資格取得を促進し、賃金アップにつながる取組を進める中小企業等に対して実技指導を強化する。

    ◇ 短期間で取得でき安定就労に有効な資格等の取得支援【継続】 34.7億円 (34.7億円)

    ・ 就職氷河期世代の方向けに創設した「短期資格等習得コース」において、 短期間で取得でき、安定就労につながる資格等の習得を支援するため、

    人材ニーズの高い業界団体等に委託し、訓練と職場体験等を組み合わせ、正社員就職を支援する出口一体型の訓練を行う。

    ◆ 建設事業主等に対する助成金による支援【継続】 (再掲) 57.2億円 (61.8億円)

    厚生労働省の令和3年度予算概算要求の概要

    人材育成

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    ※◆は建設業に特化した支援()内は令和2年度当初予算額

  • ◇働き方改革推進支援助成金による支援【一部新規】 65.4億円 (72.9億円)

    ・ 中小企業・小規模事業者が時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む場合において、

    中小企業や傘下企業を支援する事業主団体に対する助成を行う。

    ◇ 働き方改革推進支援センターによる支援【一部新規】 66.8億円 (91.0億円)

    ・ 47都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、長時間労働の是正・同一労働同一賃金の実現・生産性向上による賃金引上げ・人手不足の

    緩和などの労務管理に関する課題について、ポスト・コロナの時代の新しい働き方(リモートワークを前提とした労働環境における働き方等) も踏まえ

    ながら、労務管理等の専門家による個別企業に対するコンサルティング、商工団体等と連携した出張相談会やセミナーに加え、新たに業種別団体に

    対し専門家チームによる支援を行う。

    ◆ 中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業の実施【継続】 96百万円(1.1億円)

    ・ 安全衛生管理能力の向上のための集団指導・技術研修会、パトロール、個別指導等を実施する。

    ◆ 雇用管理責任者等に対する研修の実施【継続】 1.0億円 (91百万円)

    ・ 雇用管理に関する基礎的な知識を習得する「基礎講習」に加え、若年者の職場定着を高めるため、熟練労働者と若年労働者とが円滑なコミュニ

    ケーションを取りながら働くことのできる環境づくりの手法等を学ぶ「コミュニケーションスキル等向上コース」を建設業の雇用管理責任者に対して実

    施する。

    ◆ 「つなぐ化」事業の実施【継続】 30百万円 ( 30百万円)

    ・ 若年者の建設業に対する理解や定着促進を図るため、高等学校(工業科、普通科)や高等専門学校の先生・生徒と建設業界がつながる機会として、

    出前授業や現場見学会等を実施する。

    厚生労働省の令和3年度予算概算要求の概要

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    魅力ある職場づくりの推進

    ※◆は建設業に特化した支援()内は令和2年度当初予算額

  • 厚生労働省の令和3年度予算概算要求の概要

    魅力ある職場づくりの推進

    ◇ 労災保険特別加入制度の周知広報等事業の実施【一部新規】 1.1億円 (1.1億円)

    ・ 関係機関や関係団体を通じた周知広報のほか、労災保険に特別加入している一人親方等に対する安全衛生教育、一人親方等が入場している工

    事現場への巡回指導を実施する。

    ◆ 建設業における墜落・転落災害等防止対策推進事業【継続】 93百万円 (1.3億円)

    ・ 足場からの墜落・転落災害の防止対策の充実強化のための専門家による診断の実施、診断結果に基づく現場に対する指導・支援等を実施する。

    ◆ 建設事業主等に対する助成金による支援【継続】 (再掲) 57.2億円 (61.8億円)

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    ※◆は建設業に特化した支援()内は令和2年度当初予算額