資源開発環境調査カナダ Canada - JOGMEC金属資...

資源開発環境調査

カナダ

Canada

目次

第 1 部資源開発環境調査

1. 一般事情································································1

2. 政治・経済概要 ··························································2

3. 鉱業概要································································6

4. 鉱業行政······························································· 13

5. 鉱業関係機関 ··························································· 18

6. 投資環境······························································· 19

7. 地質・鉱床概要 ························································· 21

8. 鉱山概要······························································· 27

9. 新規鉱山開発状況 ······················································· 61

10. 探査状況······························································ 67

11. 製錬所概要 ···························································· 68

12. わが国のこれまでの鉱業関係プロジェクト実施状況 ························ 80

第 2 部地質解析

1. 地質・地質構造 ························································· 81

2. 鉱床··································································· 85

2-1. 鉱床生成区（鉱床分布の特徴） ········································· 85

2-2. タイプ別・時代別分布の特徴 ··········································· 87

3. 鉱床胚胎有望地域 ······················································· 90

参考（統計、法律、文献名、ＵＲＬ等） ······································ 91

- 1 - カナダ

第 1 部資源開発環境調査

1. 一般事情

1-1. 面積 997.1 万㎢

1-2. 人口 3,000.71 万人（2001 年）国勢調査

1-3. 首都オタワ

1-4. 人種イギリス系 28%、フランス系 23%、その他ヨーロッパ系 15%

アメリカ先住民 2%、その他（アジア系、アフリカ系、アラブ系など）

6%

混血 26%（World Factbook 2004）

1-5. 公用語連邦レベルでは英語、仏語が公用語

1-6. 宗教ローマン・カトリック教（加国民の半数近く）

1-7. 地勢等 1867 年英領北アメリカ条例により、カナダ自治成立

（初代首相：マクドナルド首相）

1926 年完全な主権国家としての地位獲得（バルフォア宣言）

1982 年カナダ自主憲法成立

第 1-1 図カナダ地図（The World Factbook 2004）

- 2 - カナダ

2. 政治・経済概要

2-1. 政体立憲君主制

2-2. 元首エリザベス 2 世女王

（但し、総督が女王を代表、総督アドリエンヌ・クラークソン）

2-3. 議会二院制（上院 105 名、下院 301 名）

2-4. 政治概況

政権発足直後、大幅な機構改革、閣僚人事の刷新、民主制度（議会運営等）改革を打

ち出したが、政府補助金の不正使用問題の発覚により、自由党支持率が急落した。2004

年 6 月 28 日に行われた総選挙では、マーティン首相率いる自由党が議席を減らしつつ

も下院第 1 党の地位を維持し、少数政権として政権を担うこととなった。カナダには連

立内閣の慣行がないため、今後新民主党と連携が成立しても閣外協力の形になると見ら

れている。

2-5. 主要産業金融、保険、不動産業、製造業、商業

2-6. GDP 12,146 億加ドル、一人当たり 38,401 加ドル（2003 年）

2-7. 通貨カナダ・ド（CAD）

2-8. 為替レート１US＄＝1.2299CAD（2005/02 現在）

年末 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年

１US＄＝ 1.4433 1.5002 1.5926 1.5796 1.2924

（International Financial Statistics 2004）

2-9. 貿易（2003 年加側統計）

輸出 3,807 億加ドル

：機械機器、自動車・関連製品、工業製品、

：エネルギー製品、林産品、農水産品

輸入 3,350 億加ドル

：機械機器自動車・関連製品、工業製品、

：その他消費財、農水産品

対加貿易（2003 年単位：億円財務省貿易統計）

輸出 8,546（2002 年：9,179）

：自動車・同部品、内燃機関、コンピュータ・電子部品

輸入 8,711（2002 年：8,950）

：木材、豚肉、石炭、菜種、パルプ、小麦、魚介類

- 3 - カナダ

2-10. 経済概況

カナダの主要経済指標の推移

年 2001 2002 2003

人口(万人) 3,102 3,136 3,163

G D P (億 C$) 10,404 10,745 10,929

G D P 伸び率(%) 1.9 3.3 1.7

貿易収支(億 C$) 709 578 598

輸出 4,215 4,143 4,012

輸入 3,506 3,565 3,414

経常収支(億 C$) 268.6 233.7 257.8

消費者物価上昇率(%) 2.6 2.2 2.8

為替レート(US ドル/C$) 0.6456 0.6368 0.7138

公定歩合(%) 4.31 2.71 3.19

失業率(%) 7.2 7.7 7.6

(注)GDP(1997 年価格) (出典：連邦政府統計資料他)

カナダの実質経済成長率は 1997 年以降、民間消費が活発化し、民間設備投資等の高

い伸びと米国の好景気を背景に 2000 年には 5.3%と好調だったが、2001 年は米国経済の

減速に加え、9 月 11 日に発生した米国テロ事件により更に悪化、第 3 四半期には、1992

年以来のマイナス成長を記録し、通年ベースでは 1.9%にとどまった。その後、低金利環

境下で消費者の消費意欲は高まり、加えて労働市場では前年比 3.7%増加の 56 万人の雇

用が創出されるなど、世界的な不況と先行き不透明感に直面しながらも政策は極めて良

好に運営され、2002 年の実質経済成長率は 3.3%となった。2003 年第 2 四半期では、重

症急性呼吸器症候群（SARS）や 8 月のオンタリオ大停電の影響を受けて、△1.0%と落ち

込んだが、第 4 四半期では、米国の強い成長に支えられて、3.8%と高い伸びを示し、こ

れは、2002 年以来もっとも急速な伸びであった。結果、2003 年の実質経済成長率は通

年ベースでは、1.7%となった。

なお、失業率は 1991 年以降 9%を超える水準にあったが、好景気を背景に 2000 年 6

月には 6.7%まで改善された。しかし、その後は徐々に上昇し 2001 年 12 月には 1999 年

前半以来の 8%を記録し、2002 年は活発な雇用創出にもかかわらず、多くの人が職を求

め、労働市場に進出したことなどにより、7.7%にとどまった。2003 年については、後半

の好景気により、2004 年 1 月までの 5 か月間で、正味 22 万人の新たな雇用を創出し、

12 月には失業率を 7.4%まで下げた。

カナダドルについては 2001 年前半には 0.65US ドル/C ドル前後で推移していたが、テ

ロ事件以降、一時的に 0.61US ドル/C ドル台も記録。2002 年は 0.63US ドル/C ドル後半

で推移していたが、2003 年になり米国との金利格差の拡大等を背景にカナダドルは急激

に回復、上昇し 5 月に入り 0.70US ドル/C ドル台を記録し、10 月には、1994 年 1 月以来

の 0.75US ドル/C ドル台を突破、2004 年 1 月には、0.77US ドル/C ドル台前半を記録す

るなど、堅調を維持している。

公定歩合は、2000 年にインフレ圧力への懸念から 6.0%近くまで上昇したが、2001 年

に入り、景気の低迷と米国テロ事件の影響等により、相次いで公定歩合の引き下げが実

施され、2002 年 1 月には 2.25%まで引下げが行なわれた。その後、予想を上回る景気回

復、インフレへの配慮などから、2002 年 4 月に 2.5%へと 1 年 11 か月ぶりに 0.25%の引

- 4 - カナダ

上げが実施され、2003 年 4 月までに 3.5%まで上昇した。その後、インフレ圧力の緩和、

重症急性呼吸器症候群（SARS）及び牛海綿状脳症（BSE）による経済活動への影響もあ

り、2003 年 7 月には、1 年半振りに 0.25%引下げ 3.25%とし、段階的に引下げて 2004 年

4 月までで 2.25%となっている。

また、貿易動向については、2003 年の輸出総額が前年比 3.2%減の 4,012 億ドルに対

し、輸入総額は前年比 4.2%減の 3,414 億ドルと輸入の減少率が輸出の減少率を上回った

ことから、貿易収支の黒字幅は、2002 年に比し 3.5%増の 598 億ドルとなった。2003 年

も依然として米国偏重型は変わりなく、輸出総額の約83%（対米国輸出前年比4.6%減）、

輸入総額の約 70%（対米国輸入前年比 6.2%減）を米国が占めている。なお、日本との

関係でみると、両国の経済状況などを反映し、輸出額は前年比 3.7%減の 99 億ドルと減

少したが、カナダ全体の輸出額も減少しているため、輸出総額に占める割合は 2.5%（前

年 2.5%）と変わらず、また、輸入額でみると 117 億ドルを超えた 2002 年より大きく減

少し、前年比 9.1%減の 107 億ドルに止まり、輸入総額に占める割合も 3.1%（前年 3.3%）

と減少に転じた。

- 5 - カナダ

商品別輸出構成 (単位：%)

輸出額 (百万 C ドル)

合計

米国

(ｼｪｱ)

日

本

(ｼｪｱ)

農水

産品

ｴﾈﾙｷﾞｰ

関連

製品

森林

製品

工業

製品

・材料

機械

機器

自動

車･

同部

品

その

他

2001

年

421,519 83.50% 2.40% 7.3 13.2 9.5 16.1 24.4 22.0 7.5

2002

年

414,305 83.80% 2.50% 7.5 12.0 9.0 17.0 23.5 23.4 7.6

2003

年

401,188 82.50% 2.50% 7.3 15.3 8.6 16.6 22.2 21.9 8.1

（出典：連邦政府統計資料)

連邦財政 (単位：10 億 C ドル、%)

2000 年度 2001 年度 2002 年度 2003 年度 2004 年度

歳入 178.6 171.7 177.6 181.1 187.2

歳出 161.5 163.5 170.6 179.2 183.3

経常支出 119.3 124.3 133.3 143.4 147.9

債務利息 42.1 39.3 37.3 35.8 35.4

引当金－－－ 1.9 4.0

財政収支 17.1 8.2 7.0 0.0 0.0

累積債務 547.4 507.7 510.6 510.6 510.6

対 GDP 比(%)

財政収入 16.9 15.7 15.4 14.9 14.8

累積債務 51.8 46.5 44.2 42.0 40.4

(注) ※1. 2003 年の引当金は、偶発債務引当金(Contingency Reserve)。2004 年

の引当金は、

予測変動引当金（Economic Prudence）10 億 C ドルと、偶発債務引当金 30 億 C ド

ルの合計。

※2. 計数は単純四捨五入のため一致しない。

2-11. 財政

1997 年度に 28 年ぶりの財政赤字からの脱却を達成し、6 年連続の財政黒字を記録。

2004 年度の連邦予算は経常支出ベースで 1,479 億ドルと前年の 3.2%増が計上され、

行動指針として、① 社会基盤の強化、② ダイナミックな 21 世紀経済の構築、③ 国際

貢献と 3 つテーマが示されている。

連邦政府は、2004 年の経済成長が緩やかに続くことを期待しつつも、カナダドルの急

激な上昇による経済的影響、米国の景気回復の維持能力など懸念材料があり、慎重な財

政運営を引き続き維持する立場を崩していない。なお、累積国家債務は対 GDP 比でピー

クだった 1995 年度の 68.4%から 2003 年度には 42%まで減少し、2005 年度までに 38%ま

で減少すると見込んでいる。

（JOGMEC 金属資源レポート 2004．5）

- 6 - カナダ

3. 鉱業概要

カナダは埋蔵量、生産量ともに世界の上位にランクされる多くの鉱物資源を有し、亜

鉛鉱石・地金（4 位、2 位）、ニッケル鉱石・地金（3 位、4 位）、銅鉱石（8 位）、鉛

鉱石・地金（6 位、8 位）とベースメタルの主要生産国であり、他にもウラン鉱石（第 1

位）、コバルト地金（第 2 位）、アルミニウム地金、白金鉱石、セレン地金、チタン鉱

石（それぞれ第 3 位）等、世界の主要生産国としての地位を有している。

また、探査活動も活発で、カナダ国内における探鉱投資は世界第 1 位（2003 年）と

主要探鉱対象国となっている。

3-1. 鉱産品目別生産量

3-1-1. 銅

銅の精鉱生産量（含有銅金属量）は、前年比 7.0%（40.9 千 t）減の 543.3 千 t とな

った。これは、2003 年 6 月から 8 月まで約 3 か月間の Inco 社サドバリー地区のストラ

イキによる生産減及び 2002 年に Bousquet 鉱山（ケベック州）、Ruttan 鉱山（マニト

バ州）が閉山したことなどが主要因。

3-1-2. 亜鉛

亜鉛の精鉱生産量（含有亜鉛金属量）は、前年比 18%（166.7 千 t）減の 757.2 千 t

と大幅に減少した。これは、2002 年 6 月に Ruttan 鉱山（マニトバ州）、9 月に Polaris

鉱山（ヌナバット準州）及び Nanisivik 鉱山（ヌナバット準州）がいずれも閉山したこ

とが主要因。

3-1-3. ニッケル

ニッケル精鉱生産量（含有ニッケル金属量）は、前年比 15.2%（27.3 千 t）減の 152.5

千 t と大幅に減少した。これは、Inco 社サドバリー地区のストライキによる生産減及

び Crean Hill 鉱山が 2002 年 6 月に閉山したことが主要因。

3-1-4. 金

金生産量は、前年比 7.5%（11.3t）減の 140.6t となった。これは、2001 年の終わり

に 35 鉱山が金を生産していたが、2002 年の終わりには、27 鉱山となり、Bousquet 鉱

山（ケベック州）や Keina 鉱山（ケベック州）など 8 鉱山が休止または閉山したことが

主要因。

- 7 - カナダ

第 3-1 表カナダの主要非鉄金属の生産量（2003）

鉱種カナダ（A）世界（B） (A)/(B)(%) ランク

銅鉱石（千 t） 557.6 13,675.6 4.1 8

銅地金（千 t） 454.9 15,236.7 3.0 11

鉛鉱石（千 t） 81.3 2,850.5 2.9 6

鉛地金（千 t） 223.2 6,864.7 3.3 8

亜鉛鉱石（千 t） 788.3 9,167.6 8.6 4

亜鉛地金（千 t） 761.2 9,806.5 7.8 2

ニッケル鉱石（千 t） 162.8 1,284.2 12.7 3

ニッケル地金（千 t） 124.4 1,208.0 10.3 4

アルミニウム地金（千 t） 2,791.9 28,001.3 10.0 3

金鉱石（t） 141.5 2,349.4 6.0 8

銀鉱石（t） 1,309.3 18,207.5 7.2 6

アンチモン鉱石（t） 88 154,538 0.1 12

カドミウム地金（t） 1,759 16,873 10.4 4

モリブデン鉱石（千 t） 8.8 127.4 6.9 5

ビスマス鉱石（t） 145.0 4,472.6 3.2 7

コバルト地金（t） 6,620 43,028 15.4 2

マグネシウム地金（千 t） 35.0 503.0 7.0 3

白金鉱石（t） 7.4 195.7 3.8 3

セレン地金（t） 253.0 2,264.5 11.2 3

テルル地金（t） 40.0 255.8 15.6 3

チタン鉱石（千 t TiO2） 767.0 4,221.0 18.2 3

ウラン鉱石（t） 9,906 35,372 28.0 1

出典：World Metal Statistics Yearbook 2004

- 8 - カナダ

3-2. 埋蔵量

2001 年の埋蔵量については、4 鉱山が閉山し、新たに生産開始したのは、1 鉱山だっ

たこと、また、現存の鉱山における新たな鉱石の発見も不十分だったことから、カナダ

の銅、ニッケル、亜鉛、鉛、モリブデン、銀そして金の埋蔵量はそれぞれ減少した。こ

の減少傾向は、ベースメタルが 1980 年代初旬から、金は 1980 年代後半から始まってい

る。

なお、Voisey’s Bay のニッケル・銅・コバルトの埋蔵量は、2002 年 6 月に生産移行

が決定されたため、2001 年の埋蔵量に含まれていない。2002 年には、Voisey’s Bay

プロジェクトにより銅 52.4 万 t、ニッケル 89.3 万 t 埋蔵量が増加する見込み。

3-2-1. 銅

2001 年 12 月の銅推定埋蔵量は、670 万 t で 1 年前と比較すると 75.3 万 t（10%）減少。

減少の原因は、供給分を埋め合わせる新鉱床が発見されなかったため。

3-2-2. 鉛

2001 年の鉛埋蔵量は 25%減量し、年末の埋蔵量は 97 万 t。92 年間続いたブリティシ

ュ・コロンビア州の Sullivan 鉱山が閉山。加えて Polaris 鉱山と Nanisivick 鉱山も

2002 年に閉山したことが主な要因。

3-2-3. 亜鉛

2001 年の亜鉛埋蔵量は 110 万 t（12%）減量し、年末の埋蔵量は 780 万 t。ブリティシ

ュ・コロンビア州の Sullivan 鉱山とマニトバ州の Ruttan 鉱山が閉山したうえ、ほとん

どの亜鉛生産企業の埋蔵量は減少した。2001 年、埋蔵量の増量を報告したのは、マニト

バ州の 777 鉱山（4.6 万 t）、ブリティシュ・コロンビア州の Myra Falls 鉱山（7.6 万

t）とケベック州の Bell Allard 鉱山（24.4 万 t）のみ。

3-2-4. ニッケル

2001 年 12 月のニッケル埋蔵量は 430 万 t、1 年前と比較すると 9%減少。この主な原

因は、ニッケル価格の低迷のため、Inco 社におけるオンタリオ州とマニトバ州の生産体

制の見直し（24.3 万 t 減）及び Falconbridge 社も同様オンタリオ州の操業を見直した

ことによる。

2001 年末時点で、Inco 社はカナダ全体のニッケルの 80%（350 万 t）を所有している。

今後、Voisey’s Bay の銅・ニッケル・コバルト開発が進み、カナダで採掘可能なニッ

ケル埋蔵量は 89.3 万 t 増加する予定。

3-2-5. 金

2001 年 12 月時点で金の埋蔵量は 1,070t。これは 2000 年 12 月に比べ、6%減少。減少

の主な理由は、金の低価格のための減産と枯渇鉱山に代替する新たな金鉱山開発がなか

ったことによる。金埋蔵量が増加したのはレッドレーク鉱山（＋22t）とウイリアム鉱

山（＋13t）のみ。

- 9 - カナダ

第 3-2 表カナダの主要鉱物資源埋蔵量

出典：Mineral Commodity Summaries 2004 年

鉱種カナダ（A）世界（B） (A)/(B)(%) ランク

銅（千 t） 20,000 940,000 2.1 11

鉛（千 t） 9,000 140,000 6.4 4

亜鉛（千 t） 31,000 460,000 6.7 5

ニッケル（t） 15,000,000 140,000,000 10.7 3

金（t） 3,500 89,000 3.9 5

銀（t） 35,000 570,000 6.1 7

ビスマス（t） 30,000 680,000 4.4 3

カドミウム（t） 100,000 1,800,000 5.6 4

セシウム（kg） 73,000,000 110,000,000 66.4 1

コバルト（t） 300,000 13,000,000 2.3 8

リチウム（t） 360,000 11,000,000 3.3 6

モリブデン（t） 910 19,000 4.8 4

白金族金属（kg） 390,000 80,000,000 0.5 4

希土類（t） 1,000,000 150,000,000 0.7 5

レニウム（kg） 1,500,000 10,000,000 15.0 3

セレン（t） 10,000 170,000 5.9 3

テルル（t） 1,500 47,000 3.2 3

トリウム（t） 100,000 1,400,000 7.1 5

タングステン（t） 490,000 6,200,000 7.9 2

イットリウム（t） 4,000 610,000 0.7 8

イルメナイト（t） 36,000 740,000 4.9 6

インジウム（t） 2,000 6,000 33.3 1

鉄鉱石（百万 t） 2,500 150,000 1.7 11

- 10 - カナダ

3-3. 輸出量

2002 年は、亜鉛精鉱の輸出量が 399 千 t と、対前年比 64 千 t の減となっているが、

これは主として、ベルギー（－19 千 t）、フィンランド（－10 千 t）及びイタリア（－

10 千 t）等への輸出減が主要因。一方、亜鉛地金の輸出量は、598 千 t と対前年 103 千

t の増となり、米国（＋90 千 t）、台湾（＋8 千 t）、マレーシア（＋6 千 t）、フィリ

ピン（＋5 千 t）などへの輸出増が主要因。

カナダの主要金属埋蔵量推移

銅鉛亜鉛ニッケル金年末

(千 t) (千 t) (千 t) (千 t) (t)

1980 16,714 9,637 27,742 8,348 826

1985 14,201 8,503 24,553 7,041 1,373

1990 11,261 5,643 17,847 5,776 1,542

1991 11,040 4,957 16,038 5,691 1,433

1992 10,755 4,328 14,584 5,605 1,345

1993 9,740 4,149 14,206 5,409 1,333

1994 9,533 3,861 14,514 5,334 1,513

1995 9,250 3,660 14,712 5,832 1,540

1996 9,667 3,450 13,660 5,623 1,724

1997 9,032 2,344 10,588 5,122 1,510

1998 8,402 1,845 10,159 5,683 1,415

1999 7,761 1,586 10,210 4,983 1,326

2000 7,419 1,315 8,876 4,782 1,142

2001 6,666 970 7,808 4,335 1,070

2002 6,774 872 6,871 4,920 1,023

(出典：連邦政府天然資源省年報 2003)

カナダの主要金属輸出量

輸出

年精鉱地金

対日

シェ

ア対日

シェ

ア

銅 2001 340 246 72.4 309 - -

(千 t、%) 2002 288 173 60.1 238 - -

2003 171 119 69.6 222 - -

鉛 2001 58 - - 125 0 0.1

(千 t、%) 2002 42 - - 142 0 0.0

2003 8 - - 128 0 0.0

亜鉛 2000 319 45 14.2 603 5 0.8

(千 t、%) 2001 463 32 6.9 495 4 0.9

2002 399 46 11.4 598 2 0.4

ニッケル 2000 - - - 105 5 5.0

(千 t、%) 2001 - - - 111 3 2.7

2002 - - - 104 5 4.8

金 2001 5 4 73.2 143 1 0.4

(t、%) 2002 3 1 24.8 155 2 1.3

2003 9 7 77.0 158 - -

(出典：連邦政府天然資源省年報 2002)

- 11 - カナダ

銅精鉱の輸出量は、2002 年に大きく変化しているが、表(注)の通り統計方法の変更によ

り発生したもので、対前年実績との比較は省略。また、銅地金の輸出量は、238 千 t と対

前年 71 千 t 減少したが、これは、米国（－36 千 t）、英国（－23 千 t）などへの輸出量

の減が主要因。

3-4. カナダ企業の国外鉱業活動

2002 年、全世界の探鉱支出総額は、前年の 22 億 US ドル（34 億 C ドル）から 19 億 US

ドル（30 億 C ドル）と 12%以上減少した。また、年間 300 万 US ドル（470 万 C ドル）以上

の規模の探鉱支出を計画した企業数も、前年の 98 社から 2002 年には 96 社になり、2 社減

少した。また、1997 年の 279 社よりも 66%もの減少であった。

年間 300 万 US ドル（470 万 C ドル）以上の探鉱費用を支出する企業の 2002 年における

探鉱支出計画額は、合計で 14 億 US ドル（21 億 C ドル）であり、これは全世界の探鉱支出

額の約 7 割に相当することから、以下、当該企業を｢大手鉱山会社｣と定義し、カナダ企業

の海外における探鉱動向を概観する。

カナダは、世界でも探鉱企業数が多く、金属価格の低迷にもかかわらず、年間 300 万

US ドル（470 万 C ドル）以上の探鉱費用を支出した企業数は、前年の 32 社から 37 社に増

加した。2002 年、これらの企業が世界各地で計画した探鉱開発は約 670 百万 C ドルで世界

全体の 32%を占めた。このほかアフリカが 17%、ヨーロッパ及びオーストラリアが 16%であ

った。この結果、過去 10 年間で 1992 年から 2001 年まではオーストラリアがその位置に

あったが、2002 年、カナダは初めて世界の資源開発産業において大の探鉱投資国となっ

た。こうしたカナダの発展の要因は、カナダや世界各国において小規模な企業が資源開発

に貢献したことによる。

カナダの大手鉱山会社における 2002 年の海外探鉱支出額は、2002 年の全探鉱支出予算

（670 百万 Cドル）のうち 3 分の 2にあたる 445 百万 Cドル強と見込まれるが、これは 2001

年の支出額（550 百万 C ドル）に比べ、20%弱の減少となった。なお、1992 年の海外探鉱

費比率は 40%であった。

2002年末現在、カナダ証券取引所に上場された鉱山会社は、全世界で100か国以上、6,100

件以上の権益を有しており、そのうち 40%強にあたる 2,700 件以上がカナダ以外の海外の

権益に係わるものである。

海外の各地域での探鉱活動状況は、以下のとおり。

3-4-1. 米国

2002 年の米国における世界の大手鉱山会社の探鉱支出額は、約 160 百万 C ドル（全世界

の大手鉱山会社支出総額 21 億 C ドルの 8%）と、2001 年に比べ 40 百万 C ドル減少。大手

カナダ鉱山会社の米国における 2002 年の探鉱支出額は、2001 年実績（110 百万 C ドル）

よりも約 40%減の 65 百万 C ドルと見込まれる。また、2002 年米国におけるカナダの大手

鉱山会社の探鉱支出に占めるシェアは前年の 55%から 45%に減少した。

2002 年のカナダ証券取引所に上場している全鉱山会社の米国内での権益件数は、前年と

- 12 - カナダ

ほぼ同規模の約 575 件であった。カナダ鉱山会社は 1990 年代初以降、探鉱活動をラテン

アメリカ、アフリカ、アジアへと拡大してきているが、米国は依然として、カナダ鉱山会

社の重要な探鉱活動先であり、2002 年末現在、カナダ証券取引所に上場している全鉱山会

社が所有する海外権益のうち、20%以上を米国が占めている。

3-4-2. ラテンアメリカ及びカリブ海地域

2002 年のラテンアメリカ及びカリブ海地域における世界の大手鉱山会社の探鉱支出総

額は 600 百万 C ドル以上（全世界の大手鉱山会社支出総額 21 億 C ドルの約 3 割）と見込

まれる。

2002 年の大手カナダ鉱山会社の探鉱支出額は 154 百万 C ドル以上と見込まれるが、これ

は 2001 年の実績に比べ 25 百万ドルの減（約 13%）となった。1991 年から 2002 年までの

12 年間で世界の鉱山会社は、当該地域で 72 億 US ドル以上を探鉱支出してきたが、カナダ

証券取引所に上場している鉱山会社が、その 3 分の 1 を占めている。そして、カナダ国内

に次いで当該地域はカナダの鉱山会社がも探鉱活動を実施している地域となった。

2002 年末現在、カナダ証券取引所に上場された鉱山会社は、2001 年と同様当該地域に

約 1,000 件の権益を有している。

内訳は以下のとおり。

・メキシコ：約 250 件

・南米：約 600 件以上（アルゼンチン 150 件以上、ペルー 140 件、ブラジル、チリ各 75

件以上、ボリビア約 30 件以上、ベネズエラ、ギアナ、エクアドル各 25 件以上）

・中央アメリカ：約 80 件（ホンジュラス、グアテマラ、パナマ各 15 件以上）

・カリブ海：約 40 件（主として、ドミニカ共和国）

3-4-3. ヨーロッパ及び旧ソビエト連邦

2002 年のヨーロッパ及び旧ソビエト連邦における世界の大手鉱山会社の探鉱支出総額

は 190 百万 C ドル（全世界の大手鉱山会社支出総額 21 億 C ドルの約 9%）と見込まれる。

これは、2001 年に比較し、55 百万 C ドル増加している。しかし、これは 2002 年にこれら

地域の活動情報が初めて公開されたことによる。また、カナダ大手鉱山会社の探鉱支出額

は約 40 百万 C ドルと見込まれ、同地域の総探鉱支出額の約 20%を占めている。

2002 年末現在、カナダ証券取引所に上場された鉱山会社は、当該地域に約 200 件の権益

を有している。


・西欧：約 90 件（スウェーデン約 30 件、グリーンランド 15 件以上、ポルトガル、スペ

イン各 10 件以上）

・東欧：約 55 件（トルコ約 30 件、ルーマニア、ギリシャ各 10 件以上）・旧ソ連邦：約

50 件（ロシア 25 件以上）

3-4-4. アフリカ

2002 年のアフリカ及び中東における世界の大手鉱山会社の探鉱支出総額は約 330 百万 C

- 13 - カナダ

ドル以上（全世界の大手鉱山会社支出総額 21 億 C ドルの約 15%）と見込まれる。このうち、

325 百万 C ドルがアフリカに支出されている。

2002 年末現在、カナダ証券取引所に上場された鉱山会社は、アフリカ大陸の 35 の国々

に 530 件以上の権益を有している。


・南アフリカ 80 件

・ブルキナファソ、ガーナ、タンザニア各 40 件以上

・マリ、ザンビア各 30 件以上

3-4-5. アジア太平洋地域

2002年のアジア太平洋地域における世界の大手鉱山会社の探鉱支出総額は490百万 Cド

ル（全世界の大手鉱山会社支出総額 21 億 C ドルの約 25%）で 2001 年より 130 百万 C ドル

減少した。これは、オーストラリアの探鉱活動が前年に比べ単独国としては大の 80 百

万 C ドル以上減少したことが主要因。また、カナダ大手鉱山会社の探鉱支出額は、当該地

域全体の 23%を超える 111 百万 C ドルで、2001 年に比べ約 5%増加した。

2001 年末現在、カナダ証券取引所に上場された鉱山会社は、当該地域に 350 件の権益を

有しており、前年の実績から大きな変化はない。


・東南アジア：150 件以上（インドネシア約 70 件、フィリピン 40 件以上）

・東アジア：約 50 件（中国）

・南太平洋：約 130 件（オーストラリア約 117 件）

(注)上記海外探鉱活動状況は、連邦政府天然資源省資料（2003）から引用

4. 鉱業行政

4-1. 鉱物・金属資源行政における連邦政府の役割

鉱物資源の探鉱、開発、採掘、鉱山の建設、管理、跡地再生及び閉鎖等は州政府が管轄

しており、連邦政府が管轄する分野は主に次に関連したものである。

・開発援助を含む、国際問題、貿易及び国際投資

・財政及び金融政策

・科学技術

・先住民問題

・国有企業及び国有地

・環境保護及び保全（州政府との共同責任による）

・海洋関連活動の統合管理

・漁業及び魚類生息地の管理

・保健医療（州政府との共同責任による）

・ウラン採掘を含む原子力エネルギー

- 14 - カナダ

・準州における鉱物資源開発関連の活動全般に対する監督規制

・金属資源等の統計・情報

4-2. 連邦政府の行政方針

1992 年 9 月、カナダ鉱業協会（The Mining Association of Canada）は、鉱業が直面す

る課題を検討する場として、利害関係者による多極的協議をカナダ全国の州・連邦政府の

鉱山担当大臣に提唱した。各大臣はこれを受けて、政府、産業、労働、先住民、学界、環

境保護団体を集めた WMI （White - horse Mining Initiative）を共同主催することに同

意し、1994 年には、関係者の間で、｢政府及び地域社会のコンセンサスに基づく、社会的、

経済的及び環境的に持続可能で、かつ豊かな鉱業｣というビジョンの共有をうたった WMI

Leadership Council Accord（リーダーシップ評議会合意書）が調印された。WMI は、カナ

ダの鉱物･金属資源セクターにおいて、利害関係者の多極的なパートナーシップ方式によ

る社会的、経済的、そして環境における持続可能な開発の実施に弾みをつけた。

1996 年に連邦政府は、既存の政策イニシアチブを拡充し、政府の役割、目標及び戦略を

説明した｢鉱物・金属資源政策：持続可能な開発へのパートナーシップ｣（Minerals and

Metals Policy：Partnership for Sustainable Development）を明らかにした。これは、

国連の環境と開発に関する世界委員会 - 通称｢ブルントランド委員会｣（World Commission

on Environment and Development）が決定した持続可能な開発の定義を採用し、その上で、

政策の基本理念として以下のポイントを取り入れることによって、持続可能な開発の概念

を鉱物･金属資源に適用している。

・可能な限りも効率的、競争的、かつ環境保護上効果的な高の実践方法を用いて、鉱

物･金属製品を発見、採取、生産し、付加価値を高め、利用及び再使用、リサイクルし、

不必要になった時に廃棄処分すること。

・資源利用者すべてのニーズと価値観を尊重し、政府の意思決定においてこれらニーズと

価値観を考慮すること。

・現在及び未来の世代のために、生活の質と環境を保全し、さらに高めること。

・意思決定において利害関係者、個人及び地域社会の関与と参加を確立すること。

また、これらの基本理念のもとカナダ政府は、鉱物･金属資源政策につき次の 6 項目の

基本政目標を掲げている。

① 持続可能な開発の概念を鉱物･金属資源分野に関わる連邦政府の意思決定に取り入れ

る。

② 開かれたグローバルな貿易と投資の枠組の中で、カナダの鉱物･金属産業の国際競争力

を確保する。

③ 持続可能な開発の概念を他の諸外国、多国的機関及び団体とのパートナーシップを通

して国際的レベルで推進する。

④ 鉱物・金属資源及びその関連製品の安全利用促進において、グローバル･リーダーとし

てのカナダの地位を確立する。

- 15 - カナダ

⑤ 鉱物･金属資源に関連する活動において先住民の関与を促進する。

⑥ 鉱物･金属資源産業の競争力と環境保護管理者としての地位を高めるために、科学技術

の開発と応用の枠組を作る。

特に、③の持続可能な開発問題に関しては、世界のオピニオンリーダー的な存在であり、

金属鉱物の重要性・有用性を世界に認知させるべく政府レベルでのグローバルな合意形成

に向けてのフレーム創りを積極的に各国政府に提唱している。

また、これらの政策目標は、カナダ政府の財政目標との整合性を図りながら行われるこ

ととなっている。

4-3. カナダの鉱業税制

カナダの鉱業事業は原則として 3 つのレベルで課税対象となる。

・鉱業により生じる課税所得に課される連邦所得税。

・連邦所得税の課税所得と同一（または同様）に課される州所得税。

・別途計算する生産利益、収入等に対して課される州及び準州の鉱業税、ロイヤルティ。

4-3-1. 連邦所得税

連邦の鉱業所得に対する基本税率は、1988 年以来、他産業と同様の 38.0%から 28.0%（付

加税前）と 10.0%の軽減が行われている。この 10.0%の軽減税率は、州及び準州の州所得

税負担見合いとして設定されたものである。連邦の 2002 年実効税率は、軽減後の 28.0%

に付加税（4%（28.0%の 4%で 1.12%））を加えた 29.12%となっている。

なお、2004 年までに特定の所得に対して、基本税率を 7%下げるという法律が議会を通

過しているが、カナダの資源から発生する利益は、この減税の対象となっていない。但し、

このカナダの資源から発生した利益に対しては、付加税前税率 28.0%を、2003 年に 27.0%

に引き下げ、2007年までに 21.0%になるよう段階的に引き下げる措置が別途なされている。

これにより、2003 年実行税率は、28.12%となっている。

このような措置のほか、連邦政府は、鉱業が非常にリスクの高い産業であるとともに各

州による鉱業活動への税負担が大きいため、鉱業所得に対する以下のような特別な優遇措

置（控除等）を認め、税負担の軽減を図っている。

・投資税額控除（Investment Tax Credits – ITC）

この投資促進税制としての投資税額控除（ITC）は、カナダ国内で発生した特定の科学

調査に要する費用などに適用されるなど一部例外を除き、昨今、段階的に廃止されつつあ

るが、一方で新しい法律により、2000 年 10 月 18 日～2004 年 12 月末までにフロースルー

株式に投資した個人投資家は、15%の投資税額控除を受けることができ、また、探鉱会社

はグラスルーツ段階の探鉱費など特定の費用に対し、2003 年 5%、2004 年 7%、2005 年～2007

年 10%の投資税額控除を受けることができる新たな制度が 2003 年 7 月に制定された。

・減価償却（Capital Cost Allowances － CCA）

鉱山開発に使用する施設、設備類のほとんどを種類別にクラス分類し、資産の取得価格

（取得年度は 1/2）を累積し、各クラス毎の累積残高に償却率（25%）を乗じて算出。ただ

- 16 - カナダ

し、新規鉱山で生産開始前に取得した資産または、既存鉱山の大規模拡張のために取得し

た特定の設備等で、鉱山収入の 5%を超える場合には、高で 100%の償却率が認められる。

・カナダ探鉱費用（Canadian Exploration Expense – CEE）

カナダ国内で発生した鉱物資源の存在、場所、埋蔵量、品位等を確認するための探鉱費

用、生産前開発費で、当年度の課税所得まで控除できる。また、当年度に控除しなかった

額は累積カナダ探鉱費用（CCEE）として累積され、無期限に繰越が可能である。

・カナダ開発費用（Canadian Development Expense – CDE）

カナダ国内の鉱物資産取得費用及び生産開始後に発生した坑道、運搬坑道、その他の類

似の地下施設等の費用で、カナダ探鉱費用同様、累積カナダ開発費用（CCDE）として累積

され、会計年度末の残高の 30%を限度として控除できる。なお、無期限の繰越が可能であ

る。

・資源償却控除（Resources Allowance）

カナダ国内の鉱物資産等により生じる資産利益（採石、選鉱、溶錬、精錬による収入及

びロイヤルティ）の 25%まで控除できる。この控除により、連邦所得税の実効税率は 29.12%

から 21.84%へ引き下げられる。しかし、新たな制度の導入により、2003 年からは 22.5%

（90%×25%）の控除率となり、連邦所得税の実効税率は 28.12%から 21.79%へ引き下げら

れることとなった。今後、2007 年まで 5 年間かけて控除率を 0%に減少させる一方、州及

び準州の鉱業税とロイヤルティについては、控除率を 5 年間かけて 10%から 100%まで増や

していく制度が 2003 年 7 月に制定された。

・フロースルー株式制度

個人投資家が株式を購入した場合、企業が控除放棄した探鉱費用、開発費用相当額を個

人投資家に還元し、個人投資家の所得税の課税対象額から控除（株式投資額の 100%まで）

できる。なお、2000 年 10 月 18 日～2004 年 12 月末までに株式を購入した個人投資家には、

更に 15%の投資税額控除の上乗せが認められている。

4-3-2. 州所得税

各州、準州とも基本的に連邦所得税の課税所得を基礎に下記のとおり独自の税率（8.9%

～17%程度）により所得税を課している。連邦課税所得のうち、各州に割り当てられた所

得に対して税率を適用するのが一般的であるが、アルバータ州、ブリティッシュ・コロン

ビア州、オンタリオ州、ケベック州、サスカチュワン州では、異なる課税所得の計算を使

用している。

- 17 - カナダ

州税率

連邦と州との合計

税率

一般鉱業

アルバータ州 12.5% 36.62% 31.48%

マニトバ州 16.0% 40.12% 34.19%

ﾆｭｰﾌﾞﾗﾝｽﾞｳｨｯｸ州 13.0% 37.12% 31.87%

ﾆｭｰﾌｧﾝﾗﾝﾄﾞ･ﾗﾌﾞﾗﾄﾞｰ

ﾙ州 14.0% 38.12% 32.64%

ノバスコシア州 16.0% 40.12% 34.19%

オンタリオ州 11.0% 36.62% 30.32%

ケベック州 8.9% 33.02% 28.69%

サスカチュワン州 17.0% 41.12% 34.97%

ﾉｰｽｳｴｽﾄ･ﾇﾅﾌﾞﾄ準州 12.0% 36.12% 31.09%

ユーコン準州 15.0% 39.12% 33.42%

なお、上記の税率は連邦及び州税率を基本として、法律上の州税率に 22.5%の資源控除

と考慮後の連邦税率を合計したものである。

この他、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州、サスカ

チュワン州、ノバスコシア州では、資本に対して州資本税（0.25%～0.64%）が課されてい

る（なお、ブリティッシュ・コロンビア州では 2002 年 9 月に廃止）。

4-3-3. 州鉱業税、ロイヤルティ

州鉱業税等については、課税所得の計算上、加工控除（Processing Allowance）が認め

られる等、連邦及び州所得税の計算とはかなり異なり、また各州によっても異なっている。

- 18 - カナダ

5. 鉱業関係機関

・カナダ天然資源省：Natural Resources Canada

・カナダ地質調査局：The Geological Survey of Canada (GSC)

・カナダ鉱業・冶金・石油研究所：The Canadian Institute of Mining, Metallurgy &

Petroleum (CIM)

・カナダ探鉱者・開発業者協会：The Prospectors and Developers Association of Canada

(PDAC)

・カナダ鉱業協会：The Mining Association of Canada (MAC)

- 19 - カナダ

6. 投資環境

6-1．投資法

カナダ投資法の目的は、経済成長と雇用拡大に貢献できる、カナダ人と外国人によるカ

ナダへの投資を促進し、さらに同国の利益を確保するために、外国人による大型カナダ投

資に関する審査手続きを決定するものである。

カナダ投資法は、資産、カナダでの事業、法人、ジョイントベンチャー、カナダの新規

事業、WTO 投資家といった事柄を定義している。さらに、同法の構成と目的、除外事項、

届け出の必要な投資、審査対象となる投資、事業体の管理に関する規定、救済処置、違反

と処罰、変更や終結果によって起こる修正、施行開始に関する条件や規則の要綱を定め

ている。

カナダ投資法は「カナダ人の管理による事業体」を以下のいずれかに当てはまるもので

あると定義している。

①カナダ人 1 名、またはカナダ人である議決権保持者グループの構成員 2 人以上が、事業

体の議決権の過半数を所有する。

②事業体の議決権保持者の過半数をカナダ人が保有していて、1 人の非カナダ人、または

非カナダ人構成員が、議決権グループが所有する事業体の半分以上の議決権を所有して

いる場合でも、実質的にはその事業体が管理されていないことが証明できる。

「非カナダ人事業体」とは、1 人の非カナダ人、または議決権グループの構成員である

2 人以上の非カナダ人が事業体の議決権益の過半数を所有するものと定義されている（詳

細な定義と説明については、カナダ投資法第 26 条を参照）。

同法の第 3 条は、適用例外事項の定義および概略、届け出を必要とする投資の説明、届

け出手続き、審査の対象となる投資の概略、WTO 投資家の制限を規定している。カナダ投

資規定(SOR/85-611) はこの法に基づいて施行中の関連規制である。

カナダ産業省のホームページからは、次の用紙が入手できる。

①既存カナダ事業の管理権取得の届け出

②新規カナダ事業を設立する届け出

③審査申請書

対カナダ投資関連の法と規定、決定事項や報告もこのサイトで要約を閲覧できる。

- 20 - カナダ

6-2. 労働

カナダでは鉱山、採石、石油生産業が週給額がも高い業種にランクされている。1998

年の統計によると、鉱物資源産業における勤労収入は週平均 1,102 ドルで、直接雇用され

ているカナダ人は 367,000 人にのぼっている。鉱業はカナダ全国 128 市町村の大雇用者

となっている。

鉱物資源産業の雇用統計を分析すると、雇用労働数 367,000 人のうち、55,000 人が鉱山

採掘、60,000 人が精錬・精製、252,000 人が鉱物および金属製品の製造に携わっている。

カナダの鉱山労働者の平均的な就業経験は 21 年で、人口全体の平均 14.5 年を大きく上回

っている。

生産性については、採掘業は他のすべての産業セクターを抑えて首位にある。1990 年の

統計では、鉱山セクターでは生産高 100 万ドルを得るのに約 4.2 人の従業員を必要とした

の対し、カナダ経済全体では平均 9.2 人を必要としていた。

カナダ鉱山業の労働要員の雇用に関する法律と規定は元は連邦と州の両レベルの政府

から進化したものである。税務、安全、公正賃金、差別防止、雇用保険、雇用均等、雇用

年令に関する連邦法と規定は、州と準州政府レベルで補足される。

- 21 - カナダ

7. 地質・鉱床概要

7-1. 地質概略

カナダは、地質的に 5 つの地域にわかれ、さらに 14 の地質区に細分されている。

地域地質区

ベア(Bear)

スレーブ(Slave)

チャーチル(Churchill)

ネイン (Nain)

スペリオル(Superior)

サザン(Southern)

グレンヴィル(Grenville)

先カンブリア楯状地

ハドソン(Hudson)

内陸(Interior) 平野地域

セントローレンス(St. Lawrence)

コルディレラ地域コルディレラ(Cordillera)

アパラチア地域アパラチア(Appalachian)

北極圏(Arctic) 北極圏地域

イヌイット(Inuit)

- 22 - カナダ

第 7-1 図カナダの地質別地域

（JOGMEC 金属資源情報センター：カナダ鉱業・鉱物資源投資ハンドブック）

地質別地域 1 先カンブリア

地質別地域 2 平野地域

地質別地域 3 コルディレラ地域

地質別地域 4 アパラチア地域

地質別地域 5 北極圏地域

- 23 - カナダ



- 24 - カナダ

7-2. 主要鉱床分布図

第 7-3 図カナダで操業中の卑金属鉱山


- 25 - カナダ

第 7-4 図カナダで操業中の鉄鉱山


- 26 - カナダ

第 7-5 図カナダで操業中のウランと貴金属鉱山


- 27 - カナダ

8. 鉱山概要

8-1. 操業鉱山

8-1-1. Kemess South Copper/Gold Mine

地域 :British Columbia

名前 :Kemess South Copper/Gold Mine

位置 :Smithers の北 260Km

緯度・経度 :北緯 57 度 1 分、西経 126 度 45 分

会社名（権益比率）:Northgate 95%

鉱床鉱種 :Cu Au Ag

埋蔵鉱量・品位:

1）109.360 百万 t 0.23％Cu 0.710g/tAu

Raw Materials Data August 2004

2）Kemess South のみの確定鉱量（2003 年末）

91.715 百万 t 0.23%Cu 0.70g/tAu infomine

鉱床タイプ :ポーフィリー銅・金

地質概要 : モンゾナイト貫入岩を母岩とする。鉱化は石英のストックワークと鉱

染状に、平らな広がりを持って起こっている。カリ変質と後期のセリサ

イト変質が見られる。鉱石鉱物は黄銅鉱、斑銅鉱、磁鉄鉱、黄鉄鉱およ

び少量のモリブデナイトよりなる。深成鉱床帯および浅成鉱床帯が存在

し、金は浅成鉱床帯で赤鉄鉱に伴って細粒にて産す。

周辺に、Kemess North 鉱床、Sovereign 帯、Kemess East 帯、Kemess West

と 4 鉱化帯が知られている。Kemess North 鉱床の F/S が 2004 年 10 月に

終了している。環境関連許可の取得中で 2006年の開発を目指している。

生産量（直近 5 ヵ年）生産開始年：1998

金属生産量ｔ年粗鉱生産量

Mt

品位

% Cu Cu Au

1999 14 0.20 20,000 6.600

2000 14.1 0.22 22,900 7.029

2001 15.361 0.25 30,100 8.619

2002 17.308 0.24 33,100 8.781

2003 18.633 0.24 34,600 9.148


採鉱法 :OP。剥土比 1.30：1

選鉱法 :SAG ミル浮遊選鉱計画実収率；82％Cu, 78％Au

副産物等 :Au(約 9ｔ/年) Ag

- 28 - カナダ

8-1-2. Huckleberry

地域 :British Columbia 州

名前 :Huckleberry

位置 :British Columbia 州 Houston の南西 123Km。

緯度・経度 :北緯 53 度 40 分、西経 127 度 11 分

会社名（権益比率）: Imperial Metal 50%

Mitsubishi Mat. 31.3%

Dowa 6.3%,

Furukawa 6.3%,

Marubeni 6.3%

鉱床鉱種 :Cu

埋蔵鉱量 :

1) 25.018 百万 t 0.51％Cu Raw Materials Data August 2004

2) (2002 年末、East Zone のみ)

36.719 百万 t 0.50%Cu, 0.06g/tAu, 2.88g/tAg 0.01%Mo

http://infomine.com

鉱床タイプ :ポーフィリー銅

熱水性脈（Raw Materials Data August 2004）。

地質概要 :地域の地質はジュラ紀の火山岩類と海成砕屑岩よりなり、下部第三紀

の花崗閃緑岩ないし石英閃緑岩が貫入している。鉱床は Main Zone と

East Zone の 2 鉱床がある。East Zone 鉱体は貫入岩体の東側に貫入岩

体を包み込むような形で長さ 500ｍ、幅 150ｍ、深さ 300ｍのいんげん豆

のような形を示す。East Zone は尾鉱堆積場のそばに試錐により発見さ

れ、長さ 900ｍ幅 200－300ｍ、深さ 300ｍ以上を示す。鉱化は構造に

支配され Main Zone では主に貫入岩近くの変質した中性凝灰岩の割れ目

に沿って、East Zone では貫入岩体の枝分かれした指状部分やシルを含

めておこっている。鉱石は網状、脈状、角礫状、鉱染状を示す。

http://infomine.com

- 29 - カナダ


年粗鉱生産量

Mt

品位

%

金属量

t

回収率

%

1999 6.952 0.59 37,000t 90.9*

2000 7.146 0.50 33,500 93.3*

2001 7.416 0.52 36,400

2002 7.422 0.53 35,000

2003 6.999 0.54 32,800


*http://infomine.com

採鉱法 :OP

選鉱法 :浮遊選鉱

副産物等 :Au、Ag（銅精鉱中）、Mo 精鉱

- 30 - カナダ

8-1-3. Highland Valley Copper Mines


名前 :Highland Valley Copper Mines

位置 :Logan Lake。Kamloops の南西 80Km.

緯度・経度 :北緯 50 度 30 分、西経 120 度 48 分

会社名（権益比率）:Teck Cominco 50%, BHP Billiton 33.6%

鉱床鉱種 :Cu

埋蔵鉱量 :295.8 百万 t 0.42％Cu

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構

(2004):非鉄メジャーの動向 2003

鉱床タイプ :ポーフィリー銅・モリブデン

地質概要 :プレート境界セッティング、グラニトイド母岩、モンゾナイト

鉱化作用の年代:第三紀（2－65Ma）


年粗鉱生産量品位金属量

t Cu

1999 30.165 0.40 109,600

2000 49.694 0.43 190,600

2001 48.892 0.43 186,700

2002 49.868 0.41 181,300

2003 49.868 0.41 170,400


採鉱法 :OP


副産物等 :Mo（2,000－3,000ｔ/年）、Au（200－500Kg/年）

- 31 - カナダ

8-1-4. Louvicourt Base Metal Mine

地域 :Quebec

名前 :Louvicourt Base Metal Mine

位置 :VAL D’OR の東 24Km

緯度・経度 :北緯 48 度 6 分、西経 77 度 30 分

会社名（権益比率）: Novicourt (Noranda 58.5%) 45%

Aur Resources (Teck6.5%) 30%

Teck Cominco 25%

鉱床鉱種 :Cu Zn Ag

埋蔵鉱量 :

1）2.6 百万 t 2.97％Cu, 1.93% Zn

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機

構 (2004):非鉄メジャーの動向 2003

2）2003 年末確定・推定鉱量

1.641 百万 t 2.0％Zn 2.74％Cu 0.85g/tAu 24g/tAg

Raw Materials Data August 2004/infomine

鉱床タイプ :火山性塊状硫化物鉱床

地質概要 : 珪長質火山岩類を母岩とする。鉱床は塊状ないし準塊状の黄銅鉱、閃

亜鉛鉱、黄鉄鉱よりなる 6つの近接したレンズ状鉱体により構成される。

走向延長 550ｍ、厚さ 3－60ｍを示す。鉱床は北に 68－85 度の傾斜で、

垂直深度 300－900ｍが確認されている。更に下部にオープンである。


年粗鉱生産量

Mt

品位

%

品位金属量

1999 1.612 4.16

1.4

Cu

Zn

62,800

16,900

2000 1.586 3.31

1.4

Cu

Zn

50,800

18,200

2001 1.571 3.40

1.4

Cu

Zn

51,500

17,900

2002 1.485 3.13

1.8

Cu

Zn

45,000

20,000

2003 1.260 3.20

1.7

Cu

Zn

39,200

17,900


- 32 - カナダ

採鉱法 :UG


副産物等 :Zn Ag

- 33 - カナダ

8-1-5. Inco Sudbury

地域 :Ontario

名前 :Inco Sudbury

位置 :Sudbury、Ontario 州、Toronto の北西約 400ｋｍ。

緯度・経度 :北緯 46 度 28 分、西経 81 度 11 分

会社名（権益比率）:Inco

鉱床鉱種 :Ni Cu Co PGM Au

埋蔵鉱量 :

1）193 百万ｔ 1.28% Ni, 1.38 % Cu

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資

源機構 (2004):非鉄メジャーの動向 2003

2）230 百万 t、 1.42％Ni 1.18％Cu 1.290g/tPGM


鉱床タイプ : 斑レイ岩、ノーライトを母岩とする正岩漿性硫化鉱床。

地質概要 : Sadbury 複合岩体に伴うニッケル鉱床である。この複合岩体はヒュー

ロン湖の北方、Sadbury 市の北に位置する長径 60ｋｍ、短径 25ｋｍの楕

円状を示す大規模岩体で、その断面は上に開いたロート状を示す。複合

岩体の下盤の始生代の岩石は普遍的に著しい破砕を受けているのに対

し、上盤の層群は破砕を受けていないこと、および複合岩体周辺のどの

岩層とも対比されないことから、始生代末における大規模な隕石の衝突

がこの複合岩体形成の引き金になったものとされている。

この複合岩体を構成するノーライトは厚さ 1,000ｍ以内であるが、そ

の下盤付近には、Ni と Cu の硫化物に富み下盤岩石や超塩基性岩を捕獲

した、いわゆる“Sublayer”鉱体が断続的に発達する。また、下盤岩石

中に貫入するものもあり、それらは“Offset”鉱体と呼ばれる。これら

が Sudbury 鉱床を形成する。

Ni-Cu 硫化物を含む硫化物溶融体は地殻深所のマグマ溜りにおいて、

珪酸塩マグマの不混和現象によって分離していたもので、それが隕石の

衝突によって生じた割れ目を通じて上昇し、始生代の母岩中および複合

岩体と下盤母岩との境界部付近に定置したものと考えられている。

鉱化作用の年代 :原生代

発見の経緯 :1883 年鉄道建設中に偶然発見された。

- 34 - カナダ

生産量（直近 5 ヵ年）＜Sudbury および Thompson＞

生産開始年：1883

年粗鉱生産量品位品位金属量

t

1999 10 1.56

1.22

Ni

Cu

133,000

116,300t

2000 11 e 4.56

1.20

Ni

Cu

143,600

114,400

2001 10 e 1.56

1.20

Ni

Cu

143,000 e

116,300

2002 10.5 e 1.56

1.20

Ni

Cu

134,000 e

111,800

2003 9 e 1.56

1.20

Ni

Cu

117,000

91,100


採鉱法 :UG

副産物等 :Cu, Au, Co、PGM

備考：Sudbury 鉱床帯では 7 鉱山が操業中である。

- 35 - カナダ

8-1-6. Raglan-Ungava

地域：Quebec

名前：Raglan-Ungava

位置：Deception Bay の南 65ｋｍ

緯度・経度：北緯 61 度 39 分、西経 73 度 41 分

会社名（権益比率）：Noranda

鉱床

鉱種：Ni Cu Co PGM

埋蔵鉱量:

1）19.28 百万 t 3.14%Ni, 0.88%Cu, Pt Pd に富む。

住鉱コンサルタント株式会社(2001): 世界のニッケ

ル－資源の実態とその問題点―

2）17.663 百万 t 2.86％Ni 0.78％Cu


鉱床タイプ :正岩漿性鉱床

地質概要 : コマチアイトを母岩とする。鉱化作用は東西少なくとも 60ｋｍにわた

って認められる。

鉱化作用の年代 :原生代（570－2500Ma）

- 36 - カナダ


年粗鉱生産量品位品位金属量

t

1999 0.784 2.96 Ni

Cu*

19.500

4,900

2000 0.936 2.94 Ni

Co*

Cu*

23.100

290

6,300

2001 0.961 2.94 Ni

Co*

Cu*

24.600

320

6,900

2002 0.868 3.35 Ni

Co*

Cu*

24.600

671

6,500

2003 0.868 3.35 Ni

Cu*

25.100

6,600


*www.infomine.com

採鉱法：坑内掘り

選鉱法：浮遊選鉱

副産物等：Cu Co

- 37 - カナダ

8-1-7. Thompson Mines

地域 :Manitoba

名前 :Thompson Mines

位置 :Thompson の南 5Km。

緯度・経度 :北緯 55 度 43 分、西経 97 度 51 分

会社名 :Inco

鉱床鉱種 :Ni Cu Co PGM Au

埋蔵鉱量：37 百万ｔ、

品位：2.14%Ni, 0.14％Cu

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (2004):非鉄メジャーの動向

2003

鉱床タイプ :正岩漿性硫化物鉱床。

地質概要 :超塩基性岩に伴って生成された鉱床である。この地域には Tompthon 鉱

床のほかにもいくつかの鉱床が集まっており主要なニッケル産出地域

となっている。鉱化帯は約 150Km にわたって伸びており、鉱床は変成し

た堆積岩（黒雲母片岩など）、片麻岩を貫く超塩基性岩帯の中、および

周りの変成岩中に大小のレンズ状の鉱床として産する。塩基性岩中の鉱

床の品位はあまり高くなく、変堆積岩中の鉱床の方が一般に品位が高い。

鉱化作用の年代 :原生代

発見の経緯 :1883 年鉄道建設中に偶然発見された。

生産量（直近 5 ヵ年）

＜Thompson および Sudbury＞

年金属量

Cu t

1999 120,000t e

2000 118,000 e

2001 117,000 e

2002 113,000 e

2003 93,000 e

非鉄金属鉱山データ＆マップ世界の主要な鉱山銅 2004 年 3 月（社）日本メタル経

済研究所

非鉄金属鉱山データ＆マップ世界の主要な鉱山銅 2002 年 3 月（社）日本メタル経

済研究所

採鉱法 :UG

副産物等 :Ni（2003 年 30,785ｔ、2002 年 36,971ｔ）、Cu, Co、PGM

- 38 - カナダ

備考：Thompson鉱床帯ではBirchtree, Thompsonの2鉱山が操業中であるが、

現在 Thompson から Birchtree に生産を移しつつある。Birchtree では深

部への拡張工事が進められており、2004 年にフル操業を予定している。

- 39 - カナダ

8-1-8. Longlois

名前 :Longlois

会社名 :Breakwater

鉱床鉱種 :Zn Ag Au

埋蔵鉱量 :3,323 百万 t 10.8％Zn Raw Materials Data August 2004


年金属量

Zn t

1999 28,300

2000 22,000 e

2001 -

2002 -

2003 -


採鉱法 :UG

- 40 - カナダ

8-1-9. Bouchard-Hebert (Mobrun Mine)

地域 :PQ

名前 :Bouchard-Hebert (Mobrun Mine)

位置 :Rouyn-Noranda の北東 30Km

緯度・経度 :北緯 48 度 22 分、西経 78 度 54 分

会社名（権益比率）:Breakwater

鉱床鉱種 : Zn Cu Ag Au

埋蔵鉱量 :1.126 百万 t

品位 :6.1％Zn 0.4％Cu Raw Materials Data August 2004

鉱床タイプ :火山性塊状硫化物鉱床。

地質概要 : Superior 地方の始生代のグリーンストン・ベルトの南部に位置する。

鉱床は安山岩質および流紋岩質溶岩流と珪長質火砕岩からなる累層中

に胚胎される。鉱床は 8 つの塊状硫化物レンズにより構成される


生産開始年：1987（露天掘り開始）

年粗鉱生産量

Mt

品位

％

金属量

Zn t

1999 1.055 4.3 37,700

2000 0.543 4.8 28,000 e

2001 1.045 4.5 41,200

2002 1.050 5.6 51,200

2003 1.083 5.6 53,800


採鉱法 :UG、OP

選鉱法 :浮遊選鉱銅精鉱および亜鉛精鉱を生産。

副産物等 :Cu（3,000-7,000t/年）、Ag

備考：2005 年に閉山が検討されている。

- 41 - カナダ

8-1-10. Kidd Creek Polymetallic Mine

地域 :Ontario

名前 :Kidd Creek Polymetallic Mine

位置 :Timmins の北 15Km

緯度・経度 :北緯 48 度 40 分、西経 81 度 23 分

会社名 :Falconbridge（Noranda 54.9%） 100％

鉱床鉱種 :Zn Cu Ag

埋蔵鉱量 :

1）23.7 百万 t 2.11％Cu, 6.30%Zn

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (2004):

非鉄メジャーの動向 2003

2）20.824 百万 t 6.2％Zn 2.01％Cu


鉱床タイプ :火山性塊状硫化物鉱床。細脈帯。

地質概要 : 流紋岩質火山岩中に胚胎され、上盤側は玄武岩質の噴出岩で覆われて

いる。鉱床付近には大 10％の炭素を含む“Graphite horizon”と呼ば

れる岩石が発達している。銀の品位が高い。

鉱化作用の年代 :始生代（＞2,500Ma）

発見の経緯 :Airborne-EM 調査で発見された。

- 42 - カナダ



年粗鉱生産量

Mt

品位

%

品位金属量

ｔ

1999 2.436 2.90

5.0

Cu

Zn

67,400t

96,300

2000 2.275 2.51

4.4

Cu

Zn

54,900

82,700

2001 2.139 2.31

5.4

Cu

Zn

42,300

81,700

2002 2.245 2.12

5.9

Cu

Zn

45,400

104,100

2003 2.245 2.12

5.9

Cu

Zn

46,400

75,500


採鉱法 :UG


副産物等 :Ag(80-110t/年)

- 43 - カナダ

8-1-11. Myra Falls


名前 :Myra Falls

位置 :Campbell River の南西 90Km。

緯度・経度 :北緯 49 度 34 分、西経 125 度 35 分

会社名 :Boliden Ltd

鉱床鉱種 :Zn Cu Pb Au Ag

埋蔵鉱量 :確定・推定鉱量（2003 年末） 7.75 百万 t

品位 :6.3％Zn 1.20％Cu 0.5%Pb 1.2g/tAu 37.5g/tAg

Raw Materials Data August 2004/Infomine

鉱床タイプ :塊状硫化物鉱床

地質概要 : 地域には延長 6Km 以上にわたり、厚さ 450ｍの流紋岩、安山岩などの

珪長質岩で構成される Sicker Group が分布し、鉱床の母岩となってい

る。鉱山は H-W 鉱体、Lynx 鉱体などより構成される。



年粗鉱生産量

Mt

品位品位金属量

ｔ

1999 0.740 5.7

1.60

Zn

Cu

37,900

10,400

2000 1.167 5.0

1.70

Zn

Cu

52,200

17,500

2001 0.979 6.5

1.60

Zn

Cu

57,900

13,200

2002 0.774 7.3

1.20

Zn

Cu

50,400

6,800

2003 1.036 6.5

1.40

Zn

Cu

57,400

10,700


採鉱法 :UG

選鉱法 :浮遊選鉱。亜鉛精鉱および含金銀銅精鉱を生産。

副産物等 :Cu Au(600-800Kg/年)

- 44 - カナダ

8-1-12. Selbaie

地域 :PQ

名前 :Selbaie

位置 :Joutel

緯度・経度 :北緯 49 度 48 分、西経 78 度 59 分

会社名 :Billiton

鉱床鉱種 :Zn Cu Au

埋蔵鉱量・品位:

1）6.2 百万 t 1.22% Zn, 0.30% Cu



2）貯鉱 4.2 百万 t 0.27％Cu 1.12%Zn 0.25g/tAu 22g/tAg

Infomine


生産開始年：1981(UG), 1986(OP)

年粗鉱生産量

Mt

品位

%Zn

金属量

Zn t

1999 3.462 2.0 55,300

2000 2.5 e 2.0 43,000

2001 2.3 e 2.0 34,400

2002 4.076 1.3 33,000

2003 4.076 1.3 27,300


採鉱法 :OP（2002 年 10 月終了）


副産物等 :Cu(4,000-19,000t/年)、 Au（1－2ｔ/年）、Ag(50-80t/年)

閉山：2004 年 2 月閉山。

- 45 - カナダ

8-1-13. Bell Allard (Matagami)

地域 :PQ

名前 :Bell Allard (Matagami)

位置 :Matagami の南西 10Km

緯度・経度 :北緯 49 度 40 分、西経 77 度 44 分

会社名 :Noranda

鉱床鉱種 :Zn Cu

埋蔵鉱量 :

1）0.689 百万 t 15.3％Zn 1.08% Cu


2）1.5 百万 t 14.33％Zn

JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機

構（2004）:非鉄メジャーの動向 2003




年粗鉱生産量

Mt

品位

％

金属量

Zn t

1999 0.14 13.0 18,100

2000 0.14 e 13.0 55,900

2001 0.2 e 13.0 88,800

2002 0.2 e 13.0 84,800

2003 0.3 13.0 109,700


採鉱法：UG。ロングウォール・ストーピング

選鉱法：Zn 実収率 91％

副産物等：Cu（5,000－9.000ｔ/年）

閉山：2004 年 10 月閉山。

- 46 - カナダ

8-1-14. Hudson Bay

地域 :Manitoba

名前 :Hudson Bay

位置 :Manitoba

会社名 :Hudson Bay Mining & Smelting (Anglo American 100%)

鉱床鉱種 :Zn Cu

埋蔵鉱量 :

1）2002 年 18 百万ｔ 1.99% Cu, 4.98% Zn

非鉄メジャーの動向 2003 平成 16 年 3 月 JOGMEC 金属資源情報

センター

2）16.4 百万 t 4.9％Zn 2.07％Cu



鉱化作用の年代 :白亜紀後期（69Ｍａ）


年粗鉱生産量

Mt

品位品位金属量

t

1999 3.600 3.0

1.50

Zn

Cu

82,800

50,300

2000 3.8 e 3.0

1.50

Zn

Cu

82,500

37,500

2001 3.558 3.3

1.50

Zn

Cu

78,400

53,100

2002 3.005 4.1

1.70

Zn

Cu

102,100

42,900

2003 2.207 5.0

1.90

Zn

Cu

93,100

39,400


採鉱法 :UG

- 47 - カナダ

8-1-15. LaRonde

地域 :PQ

名前 :LaRonde

位置 :VAL D’OR の西 56Km。

緯度・経度 :北緯 48 度 15 分、西経 78 度 26 分

会社名 :Agnico Eagle

鉱床鉱種 : Zn Cu Au Ag

埋蔵鉱量・品位：（2003 年末）確定・推定鉱量

37.741 百万 t 2.32％Zn 0.31%Cu 4.46g/tAu 50g/tAg

Infomine

地質概要 : いくつかのレンズ状の鉱体が分布している。その内の Zone 20 North

は深度 800ｍ－3000ｍの深度に賦存し、走向延長 450ｍ確認されている。

Zone は亜鉛に富んだ上部と金・銅に富んだ下部の 2 帯に分けられる。亜

鉛帯は垂直方向 780ｍ、水平方向 570ｍの広がりを持ち厚さは 30ｍに達

する。金・銅帯は垂直方向 1300ｍ、水平方向 450ｍ、厚さ 15－22ｍを示

す。

亜鉛帯は亜鉛・銀の鉱化を受けており塊状を呈す。鉱石鉱物は細粒の

黄鉄鉱を主とし、閃亜鉛鉱を伴う。金・銅帯は細粒鉱染状あるいは塊状

の黄鉄鉱を主とし黄銅鉱、閃亜鉛鉱を伴う。肉眼で見える金も認められ

る。金品位は銅品位と正の関係があるようである。



年粗鉱生産量品位金属量

Zn t

1999 0.724 1.2 4,400

2000 0.723 23,000

2001 1.284 57,300

2002 1.780 4.6 49,000

36,945*

2003 2.221 3.1 45,500

24,968*

Raw Materials Data August 2004 *Infomine

採鉱法 :UG

選鉱法 :浮遊選鉱および CIP(Carbon in pulp)リーチング。

副産物等 :Cu（2,000－9,000ｔ/年） Au（5-7t/年）Ag

- 48 - カナダ

8-1-16. Brunswick

地域 :New Brunswick 州

名前 :Brunswick

位置 :州北部の Bathurst の南西 27Km。

緯度・経度 :北緯 47 度 28 分、西経 65 度 53 分

会社名 :Noranda

鉱床鉱種 :Zn Pb Ag

埋蔵鉱量 :

1）21.1 百万 t 9.12%Zn, 3.64%Pb



2）19.182 百万 t 9.1％Zn 3.7％Pb



地質概要 : 地域には、変成された砕屑岩、塩基性噴出岩、火山砕屑岩、“Augen

Schist”などからなるオルドビス紀の火山性堆積岩層が広く分布する。

このうち“Augen Schist”と呼ばれているのは、実際には石英の斑晶を

残している変成された酸性の火山性砕屑岩である。鉱床はこの“Augen

Schist”によく伴っている。No.12 鉱床、No.6 鉱床などいくつかの鉱床

がある。鉱石は一般に塊状で、主要鉱石鉱物は黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、方鉛

鉱、黄銅鉱、四面銅鉱、斑銅鉱である。

生産量（直近 5 ヵ年）生産開始年:1964

年粗鉱生産量

Mt

品位

％

品位金属量

t

1999 2.9 8.6

3.4

Zn

Pb

250,600

68,900

2000 3.0 e 8.9

3.4

Zn

Pb

264,700

71,300

2001 3.3 e 8.9

3.4

Zn

Pb

303,900

83,100

2002 3.0 e 8.9

3.4

Zn

Pb

277,400

76,200

2003 3.0 e 8.9

3.4

Zn

Pb

286,500

77,700


- 49 - カナダ

採鉱法 :UG


副産物等 :Pb Ag

- 50 - カナダ

8-1-17. Nanisivik

地域 :NU,Baffin 島北部

名前 :Nanisivik

位置 :Baffin 島北部 Borden 半島。Arctic Circle の北 750Km。

緯度・経度 :北緯 73 度 3 分、西経 85 度 26 分

会社名 :Breakwater

鉱床鉱種 :Zn Pb Ag

埋蔵鉱量 :2001 年確定・推定鉱量 0.772 百万 t

品位 :7.43％Zn， 0.40％Pb， 30g/tAg Infomine

鉱床タイプ :ミシシッピーバレー型

地質概要 : 付近の地質は Aphebian の片麻岩、ミグマタイト、花崗岩類を基盤と

し、その上の Bylot 累層群（火山岩および堆積岩類）、古生界、中世界、

および第三系から成る。鉱床は Bylot 累層群 Society Cliffs 層中にあ

る。Society Cliff 層は主としてドロマイトからなる。ドロマイトはカ

ルスト化によりケーブが形成された。鉱化作用はこれに引き続いて行わ

れ、ケーブを硫化物と炭酸塩鉱物が充填している。鉱床には塊状鉱床、

裂罅充填鉱脈および鉱染鉱床がある。主要鉱石鉱物は黄鉄鉱、白鉄鉱、

閃亜鉛鉱、方鉛鉱である。


生産開始年： 1977 年

年金属量

Zn t

1999 58,300

2000 59,400

2001 51,500

2002 49,500


採鉱法 :UG

備考：2002 年 9 月操業を終了しリクラメーション作業を行っている。

- 51 - カナダ

8-1-18. Trout Lake

地域 :MB

名前 :Trout Lake

位置 :Flin Flon の北東 4Km。

緯度・経度 :北緯 54 度 48 分、西経 101 度 50 分

会社名（権益比率）:Hudson Bay Mining & Smelting (Anglo American 100%)

鉱床鉱種 :Zn Cu Au Ag

埋蔵鉱量 :1998 年確定・推定鉱量 4.6 百万 t

品位 :5.0％Zn 1.7％Cu Infomine


地質概要 : 鉱床は北西―南東方向に 500ｍ離れた 2 つの主要鉱体から構成される。

鉱体は塊状あるいは細脈状の硫化物からなるレンズ状を呈す。

生産開始年： 1982

生産量（2003 年）:粗鉱生産量 872,700t

Zn 品位 4.8%

Cu 品位 1.2%

出典：Metals Economics Group

採鉱法 :UG オープンストーピング

副産物等 :Cu

- 52 - カナダ

8-1-19. Eskay Creek

地域：BC

名前：Eskay Creek

位置：Smithers

会社名：Barrick

鉱床

鉱種：Au

埋蔵鉱量：0.841 百万 t, 34.800g/tAu

鉱床タイプ：角礫化、塊状硫化物鉱床

地質概要：珪長質火山岩類に関係し、ジュラ紀の堆積岩中に胚胎する。



年 Au 金属量(t) Ag 金属量(t)

1999 9.610 408.85

2000 10.364 458.40

2001 9.978 482.00

2002 11.200 552.50

2003 10.951 530.00


採鉱法：UG

選鉱法：重力選鉱、浮遊選鉱

- 53 - カナダ

8-1-20. Hemlo Gold

地域：ONT

名前：Hemlo Gold

位置：Marathon

会社名 :Barrick, Teck Comonco

鉱床

鉱種 :Au

埋蔵鉱量 :35.783 百万 t, 3.670g/tAu


年金属生産量

t Au

1999 -

2000 -

2001 -

2002 16.737

2003 16.664


採鉱法 :UG

- 54 - カナダ

8-1-21. Porcupine

地域：ONT

名前：Porcupine

位置：South Porcupine

会社名：Placer Dome, Kinross Gold

鉱床

鉱種：Au

埋蔵鉱量：55.433 百万 t, 1.700g/tAu


年金属生産量

t Au

1999

2000

2001

2002 6.216

2003 14.216


- 55 - カナダ

8-1-22. Red Lake

地域：ONT

名前：Red Lake

位置：Balmerton

会社名：Goldcorp

鉱床

鉱種：Au

埋蔵鉱量：3.143 百万 t、 50.700g/tAu

地質概要：グリーンストンベルト中に位置する。


年金属生産量

t Au

1999 -

2000 2.647

2001 15.657

2002 16.358

2003 16.548


選鉱法 :浮遊選鉱、重力選鉱

- 56 - カナダ

8-2. 休廃止鉱山

8-2-1. Bousquet

地域：ケベック州

鉱山名：Bousquet

鉱種：Au

休廃止時期：2002 年

8-2-2. Keina


鉱山名：Keina

鉱種：Au

休廃止時期：2002 年

8-2-3. Mount Polly

地域：British Columbia

鉱山名：Mount Polly

鉱種：Cu・Au

所有者：Imperial Metals

休廃止時期：2001

8-2-4. Bousquet


鉱山名：Bousquet

鉱種：Cu


8-2-5. Gaspe


鉱山名：Gaspe

鉱種：Cu

所有者：Noranda


- 57 - カナダ

8-2-6. McLeese Lake

地域：ブリティッシュ・コロンビア州

鉱山名：McLeese Lake

鉱種：Cu

所有者：Gibraltal


8-2-7. Ruttan

地域：マニトバ州

鉱山名：Ruttan

鉱種：Cu・Zn

所有者：Anglo American


8-2-8. Green Hill

鉱山名：Green Hill

鉱種：Ni

休廃止時期：2002 年 6 月

8-2-9. Sullivan

地域：ブリティシュ・コロンビア州

鉱山名：Sullivan

鉱種：Pb・Zn

所有者：Cominco


8-2-10. Caribou

鉱山名：Caribou

鉱種：Zn

所有者：Breakwater


- 58 - カナダ

8-2-11. Faro

鉱山名：Faro

所有者：Anvil Range

鉱種：Zn


8-2-12. Flin Flon

鉱山名：Flin Flon

鉱種：Zn

所有者：Hudson Bay Mining & Smelting (Anglo American 100%)


8-2-13. Gallen

鉱山名：Gallen

鉱種：Zn

所有者：Noranda


8-2-14. Heath Steele

鉱山名：Heath Steele

鉱種：Zn

所有者：Noranda


8-2-15. Matagami

鉱山名：Matagami

鉱種：Zn

所有者：Noranda


8-2-16. Nanisivik

地域：ヌナバット準州

鉱山名：Nanisivik

鉱種：Zn

休廃止時期：2002 年 9 月

- 59 - カナダ

8-2-17. Polaris

地域 :NWT

名前 :Polaris

位置 :Resolute の北西 130Km。

緯度・経度 :北緯 75 度 22 分、西経 96 度 56 分

会社名（権益比率）:Teck Cominco

鉱床鉱種 :Zn Pb


生産量

年品位金属量

t

1999 Zn

Pb

147,200

38,500

2000 Zn

Pb

135,300

34,200

2001 Zn

Pb

123,100

30,600

2002 Zn

Pb

78,600

17,600


採鉱法 :UG

備考：2002 年 9 月に鉱量枯渇により閉山した。（Infomine）

- 60 - カナダ

8-2-18. Snow Lake

鉱山名：Snow Lake

鉱種：Zn

所有者：Anglo American


8-2-19. Winston Lake

鉱山名：Winston Lake

鉱種：Zn

所有者：Inmet

休廃止時期：2001 (1999-2000 生産量 0.0)

- 61 - カナダ

9. 新規鉱山開発状況

9-1. Carmacks

地域：Yukon

名前：Carmacks

会社名：Teck Cominco

鉱床鉱種：Cu Au

埋蔵鉱量：資源量 14.06 百万 t

品位：0.510g/tAu 1.01％Cu

開発計画：開発資金支援待ち

開発の概要：年間 16,000ｔCu(生産能力)

開発費：US$40 百万

採鉱法：OP. 剥土比；4.25 年間採掘量 1.90 百万 t

選鉱法：SX-EW

9-2. Minto

地域：Yukon

名前：Minto

会社名：Grupo Mexico

鉱床鉱種：Cu Au

埋蔵鉱量：資源量 8.818 百万 t 0.480g/t Au, 8g/tAg, 1.73%Cu

鉱量 6.51 百万 t 0.620g/t Au, 9g/tAg, 2.13%Cu

開発計画：2002 年建設工程の予定だったが許可が遅れていることと、当時の銅

価低迷により延期。

開発の概要：年間 12,000ｔCu(生産能力)。

開発費：US$16 百万

採鉱法：OP. 剥土比 4.90、カットオフ 0.50% Cu

（*原典は Au となっているが Cu の誤りと思われる。）

年間採掘量 0.56 百万 t

- 62 - カナダ

9-3. Victor

地域：Sudbury

名前：Victor

会社名：Inco Ltd.

鉱床鉱種：Ni Cu

埋蔵鉱量・品位：2,745ｍから上部の２鉱体

Main zone 6.6 百万ｔ、2.26％Ni, 0.54％Cu,

Deep Footwall zone 7.3 百万 t、 1.9%Ni, 5.1%Cu,

住鉱コンサルタント株式会社(2001):世界のニッケル－資源の実態とその問題点－

鉱床タイプ：正岩漿性硫化物鉱床

地質概要：Sudbury 複合岩体の縁辺域の深部に位置する。

- 63 - カナダ

9-4. Voisey’s Bay

地域：Newfoundland

名前：Voisey’s Bay

位置：Newfoundland Labrador 北部

緯度・経度：北緯 56 度 20 分、西経 62 度 05 分

会社名：Inco Limited (Voisey’s Bay Nickel Company Limited)

鉱床鉱種：Ni Cu Co

埋蔵鉱量・品位：Ovoid 鉱体； 31.7 百万 t 2.83%Ni, 1.68%Cu, 0.12%Co

Eastern Deeps 鉱体； 50 百万 t 1.36%Ni, 0.67%Cu, 0.09%Co

総資源量・鉱量； 871.8 百万 t 1.8%Ni, 0.99%Cu

A.J.Naldrett et al.(1996)

鉱床タイプ：正岩漿性、ニッケル銅硫化物鉱床

地質概要：鉱床は始生代の片麻岩類に貫入した原生代のトロクトライト質 Reid

Brook 貫入岩に関連して生成したものである。貫入岩類は花崗岩、斜長

岩、鉄閃緑岩、トロクトライトから構成される。（注：トロクトライト

(troctolite)；輝石をほとんど含まない橄欖石斑レイ岩）。

鉱床は西から Western Extension, Ovoid, Eastern Deeps の主要 3

鉱体から成る。Western Extension 鉱体は 3ｋｍも連続する厚さ 30～100

ｍのシート状トロクトライトの下部に生成されている。鉱体はほぼ東西

の走向、北へ傾斜するレンズ状で、塊状鉱体は 60～100％の硫化鉱物か

らなり、その周辺のトロクトライトも 10～60％の硫化鉱物で鉱染されて

いる。

Ovoid 鉱体は南北方向に伸びる厚い塊状硫化物鉱体とその下位に位置

する角礫状硫化物鉱体からなり、その延長は 270ｍ、厚さは 80ｍに達す

る。

Eastern Deeps 鉱体は地下 250～850ｍの深さに位置し、その傾斜延長

は 1,500ｍに達する。鉱体は角礫状鉱および塊状鉱からなり、厚さは 100

ｍ以内である。

鉱石鉱物は磁硫鉄鉱、ペントランダイト、黄鉄鉱、キュ－バナイト、

磁鉄鉱を主とする。白金族元素は極めて少ない。

鉱化作用の年代：原生代

発見の経緯：現在“Discovery Hill”として知られているゴッサンが 1993 年に二人の

プロスペクターにより発見される。

開発の概要：世界大級の未開発ニッケル鉱床。当初インコ社は山元で精鉱まで生

産し精鉱をオンタリオかマニトバで製錬する計画を立てていたが、ニュ

ーファウンドランド州政府の理解を得られなかった。その後インコ社は

- 64 - カナダ

開発計画を改定し、湿式製錬によるニッケル生産のためのパイロットプ

ラントを同州内に建設することを提案したが、州政府は商業生産を行う

製錬所の建設を保証することを要求したため、1999 年末に交渉は決裂し

た。2001 年 6 月に公式協議が再開され、2002 年 6 月に開発に関する基

本協定が締結された。これにより同鉱床の開発が本格化することとなっ

た。2005 年末までに生産施設の準備が整い 2006 年には生産が開始され

る予定。

採鉱法：Ovoid 鉱体；露天掘り

- 65 - カナダ

9-5. Tulsequah Chief

地域：Atlin, British Columbia

名前：Tulsequah Chief

会社名：Redfern

鉱床鉱種：Zn Ag Pb


2.530g/tAu,108g/tAg,1.31%Cu,6.6%Zn,1.2%Pb

鉱量 7.6 百万 t

2.510g/tAu,105g/tAg,1.32%Cu,6.6%Zn,1.2%Pb

鉱床タイプ：多金属塊状鉱床

開発計画：2009 年に生産開始予定。

開発の概要：年間 50,000ｔZn（生産能力）

開発費：US$ 96 百万

採鉱法：UG。年間採掘量 0.90 百万 t

選鉱法：2,250t/d

- 66 - カナダ

9-6. Stronsay

名前：Stronsay

会社名：Teck Cominco, Young Poong

鉱床鉱種：Zn Pb


品位：7.9％Zn, 2.2％Pb

鉱床タイプ：塊状硫化物鉱床

開発計画：FS 実施中

採鉱法：UG

- 67 - カナダ

10. 探査状況

カナダ国内における鉱物資源の探鉱費用（石油は除く）は、1988 年以降下降線を辿って

きたが、1992 年の 385 百万 C ドルを底に反転し、1996 年には 895 百万 C ドルまで回復し

た。その成果として世界大級の Voisey’s Bay（ニッケル、銅、コバルト）鉱床、15 の

ダイヤモンド鉱床が発見された。しかしながら、1997 年以降は、金属市況の低迷を反映し

て減少傾向に転じ、1997 年 820 百万 C ドル（684 社）だった探鉱費用は、2000 年には、497

百万 C ドル（541 社）まで落ち込んだ。その後 2001 年には 513 百万 C ドル（553 社）と増

加に転じ、2002 年は、573 百万 C ドル（586 社）と対前年度比 6%（60 百万ドル）増となっ

た。

- 68 - カナダ

11. 製錬所概要

11-1. CCR (Montana East) Copper Refinery

地域：Quebec

名前：CCR (Montana East) Copper Refinery

会社名：Noranda

主要生産金属：Cu

生産量（直近 5 ヵ年）生産開始年

年 Cu（金属量千トン）

精錬

Au（金属量トン） Ag（金属量トン）

1999 310.6 37.390 1287.3

2000 313.4 34.900 1380.6

2001 323.0 38.440 1335.7

2002 244.3 32.040 1257.8

2003 235.4 35.210 942.8

製錬方法：

精錬：ELR

出典：Raw Materials Data

11-2. Copper Cliff (Sudbury) Nickel/Copper Smelter/Refinery

地域：Ontario

名前：Copper Cliff (Sudbury) Nickel/Copper Smelter/Refinery

会社名：Inco

主要生産金属 :Cu

生産量（直近 5 ヵ年）生産開始年

Cu 金属量千トン Ni 金属量年

製錬・溶錬精錬千トン

1999 97.0 e 107.0 e 95.5e

2000 96.0 e 115.0 e 106.0e

2001 115.0 e 116.3 111.0e

2002 115.0 e 111.8 112.8

2003 -- 91.1 93.3

製錬方法：

製錬・溶錬：Inco

精錬：ELR


- 69 - カナダ

11-3. Falconbridge Sudbery Nickel/Copper Smelter

地域：Quebec

名前：Falconbridge Sudbery Nickel/Copper Smelter

会社名：Noranda



Cu （金属量千トン）年

製錬・溶錬

1999 20.2

2000 15.2

2001 17.9

2002 20.5

2003 20.8

製錬方法 :

製錬・溶錬：電気炉


11-4. Flin Flon Zinc/Copper Complex

地域：Manitoba

名前：Flin Flon Zinc/Copper Complex

会社名：Anglo American

主要生産金属：Zn


Zn 年

（金属量千トン）

1999 82.8

2000 98.9

2001 88.4

2002 108.1

2003 117.9

製錬方法 :

製錬・溶錬：反射炉


- 70 - カナダ

11-5. Horne Copper Smelter

地域：Quebec

名前：Horne Copper Smelter

会社名：Noranda



Cu（金属量千トン）年

製錬・溶錬

1999 184.7

2000 182.4

2001 188.1

2002 147.0

2003 132.7

製錬方法 :

製錬・溶錬：Noranda


11-6. Kidd Creek Copper/Zinc Smelter/Refinery

地域：Ontario

名前：Kidd Creek Copper/Zinc Smelter/Refinery

会社名：Noranda

主要生産金属：Cu


Cu（金属量千トン） Zn 金属量年

製錬・溶錬精錬（千トン）

1999 123.0 121.3 131.1

2000 124.5 123.0 141.4

2001 132.1 127.8 140.1

2002 144.1 146.5 145.3

2003 131.4 132.4 94.7

製錬方法：

製錬・溶錬：三菱炉

精錬：ELR


- 71 - カナダ

11-7. Trail

名前：Trail

会社名：Cominco (Teck Cominco)

主要生産金属：Zn, Pb


年 Zn（金属量千トン）

製錬・溶錬

Pb（金属量千トン）

1999 288.7 75.7

2000 272.9 91.3

2001 168.1 55.2

2002 269.0 80.7

2003 283.1 87.8

製錬方法：

製錬・溶錬：ELR


11-8. Valleyfield

名前：Valleyfield

会社名：Canadian Electrolytic Zinc (Noranda)

主要生産金属：Zn


生産量（金属量千トン）年

製錬・溶錬

1999 259.1

2000 263.7

2001 265.5

2002 271.1

2003 267.3

製錬方法：

製錬・溶錬：ELR


- 72 - カナダ

鉱山製錬所位置図

- 73 - カナダ

- 74 - カナダ

- 75 - カナダ

- 76 - カナダ

- 77 - カナダ

- 78 - カナダ

操

業鉱山

Canada-CuAuAg Kemess South Copper/Gold Mine 北緯 57 度 1分、西経 126 度 45 分

Canada-CuAuMo Huckleberry 北緯 53 度 40 分、西経 127 度 11 分

Canada-CuMoAu Highland Valley Copper Mines 北緯 50 度 30 分、西経 120 度 48 分

Canada-CuZnAg Louvicourt Base Metal Mine 北緯 48 度 6分、西経 77 度 30 分

Canada-NiCuAu Inco Sudbury 北緯 46 度 28 分、西経 81 度 11 分

Canada-NiCuCo Raglan-Ungava 北緯 61 度 39 分、西経 73 度 41 分

Canada-NiCuPd Falconbridge Sudbury Nickel/Copper Mines 北緯 46 度 35 分、西経 80 度

48 分

Canada-NiCu Thompson Mines 北緯 55 度 43 分、西経 97 度 51 分

Canada-ZnAgAu Longlois～Langlois Langlois Mine, located 40 kilometres north-east of

Lebel-sur-Quévillon. http://www.lebel-sur-quevillon.com/emeconomi.htm

Canada-ZnCuAg-Bouchard-Hebert Bouchard-Hebert (Mobrun Mine) 北緯48度22分、西

経 78 度 54 分

Canada-ZnCuAg Kidd Creek Polymetallic Mine 北緯 48 度 40 分、西経 81 度 23 分

- 79 - カナダ

Canada-ZnCuAu Myra Falls 北緯 49 度 34 分、西経 125 度 35 分

Canada-ZnCuAu Selbaie 北緯 49 度 48 分、西経 78 度 59 分

Canada-ZnCu Bell Allard (Matagami) 北緯 49 度 40 分、西経 77 度 44 分

Canada-ZnCu Hudson Bay Mining & Smelting Co.,Ltd(Chisel North mine) Snow Lake

Manitoba

Canada-ZnCuAu LaRonde(El Coco) 北緯 48 度 15 分、西経 78 度 26 分

Canada-ZnPbAg Brunswick 北緯 47 度 28 分、西経 65 度 53 分

Canada-ZnPbAg Nanisivik 北緯 73 度 3分、西経 85 度 26 分

Canada-Zn Polaris 北緯 75 度 22 分、西経 96 度 56 分

Canada-Zn Trout Lake 北緯 54 度 48 分、西経 101 度 50 分

探鉱開発

Canada-CuAu Carmacks Whitehorse 北 120Km(NNW160Km?Carmacks: 北緯 62 度 5 分、西

経 136 度 16 分)

Canada-CuAu-Minto Minto rations Ltd/ASARCO, 75km NW of Carmacks)

[ http://www.emr.gov.yk.ca/mining/aam.html]

Canada-NiCu Victor Sudbury

Canada-NiCuCo Voisey’s Bay 北緯 56 度 20 分、西経 62 度 05 分

Canada-ZnAg Tulsequah Chief Tulsequah(?北緯 58 度 38 分、西経 133 度 32 分)

located 160 kilometres north of Atlin

[http://www.firstnationsdrum.com/Winter02/BizMines.htm]

Canada-ZnAu Triple Seven（777） Manitoba Flin Flon 近傍

Canada-ZnPb Stronsay(Cirque) Canada, British Columbia Lat: 56 ゜ 35 “N Long 124゜

0”W

精錬所

Canada-Cu CCR (Montreal East) Copper Refinery

Canada-Cu Copper Cliff (Sudbury) Nickel/Copper Smelter/Refinery

Canada-Cu Falconbridge Sudbury Nickel/Copper Smelter

Canada-Cu Flin Flon Zinc/Copper Complex

Canada-Cu Horne Copper Smelter Rouyn-Noranda, Quebec

Canada-Cu Kidd Creek(Timmins) Copper/(Zinc Smelter)/Refinery (Falconbrudge)

Canada-Zn Flin Flon

?Canada-Zn Kidd Creek

Canada-Zn Trail

Canada-Zn Valleyfield located in Salaberry-de-Valleyfield, Quebec

(http://my.noranda.com/Noranda/Corporate/Our+Businesses/Zinc/Operations/C

EZinc.htm)

- 80 - カナダ

休廃止鉱山

Canada-Au Bousquet (between Val d'Or and Rouyn) Lat 48 °15“N, Long 78 ゜30”W Canada-Au Kiena (10Km W frm Val-d’Or) Lat 48゜07“N,Long 77゜55”W

Canada-CuAu Mount Polly(NE 56 Km frm Williams lake

[http://www.imperialmetals.com/s/MountPolley.asp])

Canada-Cu Bousquet Q 40 km W frm MALARTIC , Lat 48゜15“N,Long 78゜30”W

Canada-Cu Gaspe Gaspé copper smelter located in Murdochville) 2002.Apr.~

Canada-Cu McLeese Lake Lat 52゜25“N,Long 122゜ 18”W

Canada-CuZn Ruttan Lat 56゜ 28“N,Long 99゜ 26”W

Canada-Ni- Crean Hill ONT. Lat 46゜ 25 “N,Long 81゜21”W

Canada-PbZn- Sullivan .BC. Lat 49゜ 41 “N,Long 116゜00’W

(http://www.em.gov.bc.ca/Mining/Geolsurv/Aris/purcell/sullivan.htm)

Canada-Zn-Caribou Caribou NB. Lat47゜33´31.1″N,Long66゜17´37.8″W

(http://www1.gnb.ca/0078/GeoscienceDatabase/index.htm)

Canada-Zn- Faro(Grum & Vangorda) Yukon

(http://www.emr.gov.yk.ca/mining/info/maps.html )

Canada-Zn Flin Flon Manitoba Lat54゜46´0″N,Long101゜52´0″W (町)

(http://www.gov.mb.ca/iedm/mrd/index.html,http://atlas.gc.ca/site/english

/maps/economic/rdc96)

Canada-Zn Gallen Q. Rouin- Noranda 近傍 (info mine? Lat: 48゜19 ´ (N) 、Long: 78

´ 57 ´ (E?W)2000,1

Canada-Zn Heath Steele ’99.10 NW 50Km frm New Castle Lat:47゜17’N,Long:66゜ 04’W

Canada-Zn Matagami SW10Km frm Matagami Lat:49゜41’N,Long:77゜ 44’W

Canada-Zn Nanisivik Nunavut 北極圏 N750Km Lat:73゜03’N,Long:85゜ 25’W

Canada-Zn Polaris NT. NW130Km frm Resolute Lat:75゜23’N,Long:96゜56’W

Canada-Zn Snow Lake[(?Chisel North Mine)] (tailing) Lat:54゜53’N,Long:100゜02’W

Canada-Zn Winston Lake ONT. E220Km frm Thunderbay. Lat:48゜59’N,Long:87゜22’W

12. わが国のこれまでの鉱業関係プロジェクト実施状況（金属鉱業事業団、JMEC 等）

海外地質構造調査（実施）

1969～1970 年度カナダ北西部

1973～1980 年度カナダ B.C.北部

- 81 - カナダ

第 2 部地質解析

1. 地質・地質構造

カナダは、地質的に 5 つの地域にわかれ、さらに 14 の地質区に細分されている。

地域地質区

ベア(Bear)

スレーブ(Slave)

チャーチル(Churchill)

ネイン (Nain)

スペリオル(Superior)

サザン(Southern)

グレンヴィル(Grenville)

先カンブリア楯状地

ハドソン(Hudson)

内陸(Interior) 平野地域

セントローレンス(St. Lawrence)

コルディレラ地域コルディレラ(Cordillera)

アパラチア地域アパラチア(Appalachian)

北極圏(Arctic) 北極圏地域

イヌイット(Inuit)

- 82 - カナダ



地質別地域 1 先カンブリア

地質別地域 2 平野地域

地質別地域 3 コルディレラ地域

地質別地域 4 アパラチア地域

地質別地域 5 北極圏地域

- 83 - カナダ



- 84 - カナダ

ここでは岩波講座地球科学16世界の地質の中で第3章北アメリカ及び14地表の資源/地

表の開発第4章大陸、島弧の発展と鉱床の形成に記載されている内容から、その概要を述

べる。

北アメリカ大陸の東北部にカナダ楯状地(Canadianshield)と呼ばれる地域がある。ここ

には始生代や原生代前・中期などの先カンブリア時代の変成岩や花崩岩が広く露出してい

る。カナダ楯状地の大部分はカナダにあるが、その南端部がSuperior湖付近とAdirondack

山地とでアメリカ合衆国に突き出している。理想的な楯状地は、盾をふせたように、ゆる

やかに上に凸な地形をしている。しかし、カナダ楯状地はそうではなくて、中央部が低く

なって海面下に没し、Hudson湾になっている。楯状地の現在の東北端であるLabrador海岸

やBaffin島は海抜1000～2500mもの山地になっている。白亜紀にグリーンランドが北アメ

リカ大陸から分裂するまでは、カナダ楯状地はグリーンランドを経て、スコットランドに

ある先カンブリア地域まで続いていた。

カナダ楯状地は、数個の地質区(geological provinces)に分けられる。個々の地質区は、

それに特有の一般構造方向や岩石をもち、ある1つの主な造山期をもっている(Fig.3・7-1)。

このカナダ楯状地の西南側を取り巻くように、内陸低地(Interior Lowlands)と呼ばれ

る地域がある。ここにはカナダ楯状地と同じような先カンブリア時代の変成岩や花崗岩の

基盤からできているのであるが、その上に顕生代のほとんど水平な地層がのっており、先

カンブリア岩類は露出していない。

カナダ楯状地と内陸低地とは、顕生代にはいつも安定地域(Craton)であった。

これらを取り巻くように、顕生代の造山帯ができている。東南側に大西洋に沿って走って

いるのがアパラチア造山帯(Appalachian organic belt)であり、一方、西側を取り巻いて

いる広大な山脈地帯をコルディレラ(Cordillera)という。この造山帯の東端はロッキー山

脈で、西端は太平洋岸に沿う海岸山脈である。

- 85 - カナダ

2. 鉱床

2-1. 鉱床生成区（鉱床分布の特徴）

2-1-1. 先カンブリア楯状地

先カンブリア楯状地は先カンブリア代の岩石でできた地質で、ハドソン湾を囲んでカナ

ダの陸塊の半分以上を占めている。

ベア地質区は鉱染による銅鉱化物を含む古代の溶岩でできているが、商業的な鉱山の開

発はまだされたことはない。この地質区ではラジウムおよびウラン鉱床も発見されている。

スレーブ地質区は金鉱が多いことで知られ、カナダで初めて産出できるダイアモンド鉱

床が発見されている。

チャーチル地質区はハドソン湾をまたいで広大な地域を占めている。この地質区では、

西部が銅、鉛、亜鉛、ウラン、ニッケル、コバルト、タングステンの各鉱床、東部が鉄と

ニッケル鉱床の母体になっている。ラブラドル半島ヴォイシーズ湾にニッケル鉱床の発見

があり、東に隣接するネイン地質区での探鉱活動が活発化すると予想されている。

ハドソン湾の南から南東に広がるスペリオル地質区には銅、亜鉛、金および銀の鉱床が

ある。

サザン地質区にはウラン採掘のエリオットレーク鉱山があったが現在は枯渇している。

サドベリー採掘キャンプで、サザン地質区を母体とする銅、ニッケル、コバルトおよびプ

ラチナを産出している。

グレンヴィル地質区はオンタリオ州南部とラブラドル半島の間にあり、ウラン、亜鉛、

鉛の鉱床のほか、チタン鉱床と鉄鉱石鉱山があり、すべて操業中である。

2-1-2. 平野地域

内陸地質区は西のコルディレラ地域、東の先カンブリア楯状地に挟まれ、石油ガス埋蔵

の可能性が最もよく知られているところである。アルバータ州北部には石油を埋蔵するア

サバスカオイルサンドがある。炭酸カリウムおよび石膏の鉱床も現存する。

セントローレンス地質区は先カンブリア楯状地の東、アパラチア地質区の西に位置して

いる。この地質区では早くから石油と塩類が発見され、オンタリオ州南部では今日も生産

が続いている。この一帯の特徴は、堆積物が一度も手をつけられていない状態で埋蔵して

いることである。

2-1-3. コルディレラ地域

コルディレラ地質区はコルディレラ地域に広がる区域で、南米からアラスカまで延びる

山系の一部をなしている。銅、鉛、亜鉛、モリブデン、銀、金などの鉱床の母体となって

いる。

2-1-4. アパラチア地域

アパラチア地質区はカナダの最も東にある地質区で、アパラチア地域全体に広がってい

る。現在、この地域には鉛、亜鉛、銅、銀、金、石膏、石炭が産出しており、またスズ、

インジウム、アンチモン、タングステン、モリブデン、ニッケル、コバルトの存在母体で

- 86 - カナダ

もある。石油と天然ガスは陸地で採掘されていたが、過去 10 年間に海域での採掘も始め

られました。

2-1-5. 北極圏地域

北極圏地質区では石灰岩層に付随して鉛と亜鉛の鉱床が見られる。この地質区では活発

に石油・ガスの探査が行われてきたが、生産可能なものはまだ発見されていない。

イヌイット地質区はカナダ北極圏最北部の諸島からグリーンランド北部にかけて広が

っている。この区域ではポラリス鉛・亜鉛鉱山が発見され、さらに石膏、石炭、石油およ

び天然ガスの存在も知られている。

- 87 - カナダ

2-2. タイプ別・時代別分布の特徴

・カナダ楯状地始生代

Superior区はハドソン湾を中心に五大湖地方にかけて広がる始生代の1大構造区で、花

崗岩類やミグマタイトの露出している部分が大きいがね表成岩を中心としてみると、堆積

岩(主にグレイワッケ、頁岩)を主とする地域と火山岩を主とする地域とが、ほぼ東西に延

びた帯状をなして交互に分布している。このSuperior区における主要な鉱化作用は火山性

塊状硫化物鉱床（Noranda type）、コマチアイトに伴うニッケル鉱床、Algoma型鉄鉱層お

よび金鉱床で、これらの他Grenville区に接するChibougamou地域ではアノーソサイト中の

破砕帯に銅-金の鉱床が知られている。いずれも火山岩を主とする地帯に見出されている。

始生代の火山帯はグリーンストン帯として知られ、コマチアイトを含む玄武岩-安山岩-

デイサイト-流紋岩の海底火山活動の産物からなる。これらの火山岩は、下位から上位へ

塩基性から酸性へ変化する1回ないし数回のサイクルを示している。

ニッケル鉱床は、コマチアイトや超塩基性貫入岩体に伴われている。

・カナダ楯状地原生代カナダ楯状地における始生代と原生代の境は2500MaのKenoran造山運動の時代におかれ

ている。原生代の堆積物は一般にオーソコーツァイト、砂岩、炭酸塩岩などを主とし、安

定地塊上の浅海堆積物の特徴を示している。火山活動は始生代に比べておとろえ、ソレア

イト質玄武岩を主とするものに変わった。巨大な層状貫入岩体の貫入やアノーソサイトの

活動もまたこの時代を特徴づける火成活動である。カルクアルカリ質の中-酸性火山岩の

発達する地域（カナダのLynn Lake-Snow Lake地域、合衆国のJerome地域、年代はいずれ

も1800Ma前後）には始生代のものとよく似た火山性塊状硫化物鉱床が生成されたが、その

他の原生代の鉱床は上記のような堆積・火成作用の違いを反映して始生代のものと異なっ

た成因をもつものが多く、また濃集した金属種にも大きな違いがある。

カナダ楯状地の主要な原生代の鉱化作用には、次のようなものがある。

(1)3種類のウラン鉱床、すなわちBlind River地域の礫岩型鉱床、楯状地北西部の鉱脈な

いし鉱染型ピッチブレンド鉱床、およびGrenville区のベグマタイト鉱床

(2)スペリオル型の縞状鉄鉱層

(3)Sudbury貫入岩体中のニッケル-銅鉱床

(4)Cobalt地方のNi-Co-Ag-As鉱床

(5)5大湖地方のKeewatin玄武岩中およびその周辺の銅鉱床

(6)Sullivanの層状鉛-亜鉛鉱床

(7)Grenville区のアノーソサイト岩体中のチタン鉄鉱鉱床

北米大陸は2000Ma前後と1200Ma前後に大規模なリフト帯の活動があった（Burke & Dewey，

1973）。2000Ma近くのリフト活動に伴っては、Labrador Troughが生成され、そこには縞

状鉄鉱層が沈殿した。同じ時期には、5大湖地方にも有名なMesabi等を含む縞状鉄鉱層を

- 88 - カナダ

伴う堆積作用があった。オンタリオ州Cobalt地域では、この時期のリフト活動の先駆的活

動と思われるNipissing輝緑岩脈（2150Ma）の周辺に、鉱脈が形成された。

1200Ma前後のリフト活動もまた重要な鉱床形成をもたらした。5大湖地方には、

Keweenawan層で代表される厚いソレアイト質の台地玄武岩が噴出した。この種の玄武岩は

一般に高い銅含有量を示し、高い塩濃度をもつ層間水、あるいは変成水によって玄武岩か

ら抽出された銅は、玄武岩層上部や上位の堆積岩中に濃集した。このような成因をもつ鉱

床はミシガン州White PineやUpper Michiganのものが有名であるが、カナダ北部の

Coppermine River地域にも未開発ながら同様な鉱化作用が知られている。

リフト帯の中軸には、上記の台地玄武岩と同源のマグマから生じた巨大な塩基性岩体が

貫入しており、ニッケル、銅、クロマイトの濃集がある。1200Ma前後の北米大陸では5大

湖地方のDuluth岩体、カナダ北部のMuscox岩体がその例であり、前者には銅、ニッケルの

鉱化作用が、後者にはクロマイトの濃集が知られている。

世界最大のニッケル-銅鉱床を含むSudbury貫入岩体の成因は、Dietz(1964)の阻石衝突

説(Astrobleme)が有力であるが、その形成の時代(1950Ma)が、前後のリフト活動の時代と

一致しているため、Sudbury岩体をDuluthやMuscoxなどのようなリフト帯中軸部の貫入岩

体とみなす人もいる。

・内陸低地

北米大陸の内陸低地には、先カンブリア時代の基盤の上に古生代初めから何回か海進・

海退がくりかえされ、ほとんど変形していない顕生代の地層が堆積している、ここには石

油・石炭を初め、岩塩、砂岩型ウラン鉱床、ミシシッピーバレー型Pb-Zn鉱床などが形成

された。

・アパラチア造山帯

原生代の末期に北米大陸とユーラシア大陸が分離をはじめ、古大西洋を生じ、その大洋

が古生代の間にしだいに閉じていく過程の間にアパラチア造山帯およびカレドニア造山

帯ができた。アパラチアにおける主な造山期は、Avalonian(原生代最末期～カンブリア紀)、

Taconian(オルドビス紀)、Acadian(デボン紀)である。

ニューファンドランドの中央部からニューブランズウィックとケベックの州境界を通

り、ニューイングランド地方に延びた北部アパラチア帯には、カンブリア～オルドビス紀

の島弧性火山岩が広く分布しており、その中に多くの火山性塊状硫化物鉱床が見出されて

いる。アパラチア帯はオルドビス紀後期のTaconian造山運動、デボン紀のAcadian造山運

動を受け、デボン紀末には古大西洋は完全に閉じたとされている。この2つの造山運動は

花崗岩の貫入を伴っているが、特にAcadian造山運動によって貫入した花崗岩には、銅・

モリブデン・ホタル石などの鉱化作用が伴われている。この中でケベック州のGaspe Copper

はアパラチア帯唯一の斑岩銅型鉱床として知られており、ニューファンドランドの

- 89 - カナダ

St.Lawrence鉱床もホタル石鉱床として重要である。古大西洋が閉じるに伴い大陸地殻上

に衝上した海洋地殻は、ニューファンドランド北部からケベック州東部に続くオフィオラ

イト帯を形成している。この中にはBetts Coveなどの小規模なサイプラス型鉱床やポディ

フォームクロマイトの鉱化作用が知られている。またケベック州のThetford、Asbestosは

世界最大のアスベスト鉱山地域である。

Avalonian帯のオルドビス紀初期の浅海堆積物中には、Wabanaの赤鉄鉱鉱床がある。

大西洋が再び開き出したのは中部大西洋で約180Ma(ジュラ紀)とされている。この時の

リフト活動によって北米大陸の東側には数多くの地溝が形成された。これらの地溝の中や

その周辺には三畳紀を中心に玄武岩質の溶岩や岩脈の活動があった。有名なPalisade岩床

はその1つである。このような岩脈が下部古生代の石灰岩を切る場合には、石灰岩中に少

量の銅を含むCornwall型の磁鉄鉱鉱床が形成されている。カナダ楯状地にもこの時代のリ

フト帯のfailed armとされている地溝があり、その中にカーボナタイトやキンバーライト

の活動がみられる。北米最大のニオブ鉱床であるケベック州のOka鉱床は、そのようなカ

ーボナタイトの中にある。

この時代以降、アパラチア帯はいわゆる大西洋型の大陸縁を作り、目ぼしい金属鉱化作

用は行われていない。

・コルディレラ帯

コルディレラ帯の先カンブリア時代から中生代にかけての地史は、リフト帯の生成、海

洋プレートの沈み込みに伴う島弧と縁海の形成、微小大陸や島弧の衝突など、複雑な歴史

をたどった。この時代に生じた主な鉱床は、島弧火山岩中の塊状硫化物鉱床と斑岩型銅鉱

床である。

島弧火山岩中の塊状硫化物鉱床のうち、カリフォルニア州のEast Shasta地域の銅-亜鉛

鉱床はデボン紀の生成であり、近接のWest Shasta地域には三畳紀の生成の鉛・重晶石に

富む鉱床がある。

コルディレラ帯はNevadan造山運動(ジュラ紀)、Laramide造山運動（白亜紀後期～第三

紀初期）によって地背斜化するが、この上昇地塊からもたらされた陸成の砕屑性堆積物が

コロラド高原やワイオミングベーズンのウラン鉱床の母岩となっている。

Nevadan造山運動により変形と変成作用を生じ、多くの巨大な花崗岩質バソリスの貫入

をもたらした。Laramide造山は東方の前地の種々の変形を与え、小規模な花崗岩質岩体を

形成したが、バソリスの貫入は伴っていない。

アメリカ合衆国の最も重要な鉱物資源の1っである斑岩型銅鉱床は、このLaramide期の

小規模な花崗岩質岩体に主に伴われている。年代測定によると鉱床に関係する貫入岩類の

ほとんどは80-35Maを示す。

カナダ西部の斑岩型銅鉱床も、同じように小規模な花崗岩質岩体が存在する

Intermontane帯に主に分布し、大規模なバソリスの貫入岩体がある両側のCoast

- 90 - カナダ

Crystalline帯、Omineca Crystalline帯にはほとんど存在しない。鉱床はアルカリ岩系花

崗岩類に伴われる斑岩銅・金鉱床、カルクアルカリ岩系花崗岩類に伴われる斑岩銅または

銅-モリブデン鉱床からなる。前者は三畳紀後期～ジュラ紀早期(200-175Ma)に限定され、

後者の生成期はジュラ紀早期(200-175Ma)、同後期(155-140Ma)、白亜紀後期～古第三紀

(80-35Ma)および新第三紀(26-18Ma)に分けられる。資源的にはジュラ紀早期と白亜紀後期

～古第三紀が重要である。

新生代のコルディレラ帯は、中新世初期までの中性と酸性の火山活動、第三紀末と第四

紀の玄武岩質火山活動、そしてBasin and Range地形を作った伸張性のテクトニクスで特

徴づけられる。このような火成活動とテクトニクスの急激な変化は、太平洋にあった中央

海嶺が、第三紀の中頃に北米大陸の下に沈み込み始めたためといわれている。

Basin and Range地区の始新世・漸新世・中新世初期の中性～酸性火山活動は、主とし

てイグニンブライトを噴出し、多くのカルデラを作っている。これらのカルデラ内には数

多くの浅熱水性金-銀鉱脈が形成されている。

第四紀の火山活動に伴う温泉のいくつかは、水銀・銀・アンチモンなどに富む温泉沈殿

物を作っている。

3. 鉱床胚胎有望地域

カナダ楯状地のリフト帯の中軸には、巨大な塩基性岩体が貫入しており、ニッケル、銅、

クロマイトの濃集がある。1200Ma前後の北米大陸では5大湖地方のDuluth岩体、カナダ北

部のMuscox岩体がその例であり、前者には銅、ニッケルの鉱化作用が、後者にはクロマイ

トの濃集が知られている。両者とも品位、立地条件、環境問題などの制約のためにまだ未

開発であるが将来の有力なポテンシャル資源である。

- 91 - カナダ

資料（統計、法律、文献名、URL 等）

・金属鉱業事業団資源情報センター（2003）：カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州鉱

物保有法及び鉱山法

・金属鉱業事業団（2002～）：MMAJ ニュース・フラッシュ

・金属鉱業事業団（1999～）：海外鉱業情報世界の鉱業の趨勢

・金属鉱業事業団資源情報センター（1996）：カナダにおける鉱業関連法規と税制

・地質解析委員会報告書（1980）：－北米大陸の地質の概要、主要金属鉱床（銅、鉛、亜

鉛、ウラン等）－

・JOGMEC 金属資源情報センター：カナダ鉱業・鉱物資源投資ハンドブック

・国際鉱物資源開発協力協会（2004）：平成 15 年度世界の PGM 資源の探査・開発・技

術動向の調査・情報提供事業

・日本メタル経済研究所（2004）：非鉄金属鉱山データ＆マップ世界の主要な鉱山銅

2004 年 3 月

・住鉱コンサルタント株式会社（2001）:世界のニッケル－資源の実態とその問題点―

・日本メタル経済研究所（2002）：非鉄金属鉱山データ＆マップ世界の主要な鉱山銅

2002 年 3 月

・都城秋穂(編)、岩波書店（1979）：岩波講座地球科学 16，世界の地質

・A. J. Naldrett et al.（1996）：Voisey’s Bay, Canada: Implications for exploration,

Nickel: 1996 Commodity meeting

・Metals Economics Group

・Raw Materials Group：Who Owns Who in Mining 2001

・Raw Materials Group：Raw Materials Data

・http://www.infomine.com

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