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高速向流クロマトグラフを用いた 高速向流クロマトグラフを用いた 高速向流クロマトグラフを用いた 高速向流クロマトグラフを用いた 動物医薬品分析の前処理 動物医薬品分析の前処理 動物医薬品分析の前処理 動物医薬品分析の前処理 及び 及び 及び 及び 残留農薬・動物医薬品分析へ 残留農薬・動物医薬品分析へ 残留農薬・動物医薬品分析へ 残留農薬・動物医薬品分析へ の活用法の検討 の活用法の検討 の活用法の検討 の活用法の検討 110 2015.10.30 クツワ産業㈱ 岡田 靖則 理想は 実際は 連続分液ロートがあれば Craigモデル 1950年代 現在は

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高速向流クロマトグラフを用いた高速向流クロマトグラフを用いた高速向流クロマトグラフを用いた高速向流クロマトグラフを用いた動物医薬品分析の前処理動物医薬品分析の前処理動物医薬品分析の前処理動物医薬品分析の前処理

及び及び及び及び   残留農薬・動物医薬品分析へ   残留農薬・動物医薬品分析へ   残留農薬・動物医薬品分析へ   残留農薬・動物医薬品分析へ

の活用法の検討の活用法の検討の活用法の検討の活用法の検討

110 食品衛生学会 食品衛生学会 食品衛生学会 

食品衛生学会 2015.10.30

クツワ産業㈱岡田 靖則

理想は

実際は 連続分液ロートがあれば

Craigモデル 1950年代 現在は

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高速向流クロマトグラフとは

チューブ式の連続分液ロート

高速向流クロマトグラフ:HSCCC 

High-Speed Counter-Current Chromatography 同一溶媒で順相、逆相が可能

CCCクリーナップシステム固定相にアセトニトリル抽出液

ソルベントフロントの脂(油)が出たら停止

脂(油)と医薬品の競争(今回ダミーなし)

HSCCCはチューブ式の連続分液ロート ソルベントフロント油(牛脂)をUVでモニター油(牛脂)が通過したらHSCCC停止

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CCCクリーンアップ作業手順• HSCCC全体をヘキサンで満たす    1分• 2mlサンプル(アセニト抽出液)をインジェクション

• ヘキサンを約2~2.5cc送液       1分    サンプルをHSCCC内へ送り込む• HSCCC開始 1200RPM    ヘキサンを0.5ml/minで精製    6分• 油(牛脂)溶出確認後 HSCCC停止   • HSCCC内のサンプルを回収       1分    (N2 or ヘキサン)       合計10分

メカニズム(コイルプラネットJ型)  

• カラムは公転軸を中心に2ωで自転、カラ

ムP点は中、外を繰り返す

• 毎分1000回転• 激しく攪拌(16公転/秒) 

• 細かい液滴で液液分配 

カラム内部重い下層が外側に移動

アルキメデスの

スクリュー効果

回転すると 固定相が逆流カラムはローター1公転(ω)で2自転(2ω)

動的平衡が取れると固定相は保持され保持率は安定する

チューブ内径

で変わる

分離能

処理量と

反比例

極性物質(医薬品)と無極性物質(油)

の同時定量システム (その2)

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医薬品溶出後 脂を反転溶出 分液ロートで精製

HSCCCで精製 結果

SF(ソルベントフロント)の油(牛脂)

を除去するだけ油(牛脂)以外はすべて残っている

アセトニトリル中の

油(牛脂)は1111////20 に減少した。

ガスクロ項目でも (その3)残留農薬精製例 (その4)

(主成分が邪魔になる場合)

黒コショウ中のピペリンを単離(除去)アセトニトリルに分配する為、除去が難しい

溶媒調整

ヘキサン:アセトニトリル:水=4:1:4~4:1:3(早めに溶出)

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分取目的の溶媒調整

1.上相と下相の分配係数(K=0.5~1)なる様に溶媒を調整する。 (Aは K=1)

2. K=1の溶媒を作れば溶出位置が決まってくる

  固定相量と移動相量が等しい    所に溶出 (分配係数の順)

 HSCCCならでわの分離

  1個の分液ロートでは苦労するところで威力  容易に単離!

    カラム容量4ml~100L(実績) 

     スケールアップで大量分取

主成分を除去ピペリン(黒コショウ)+農薬MIX

• Azamethiphos• Oxycarboxin• トリフミン• ダコニール1000• スミチオン• メフェナセット70• クロルピリホス

市販の農薬含む

HSCCCは粗精製で分離可

• Amprolium

• Ciprofloxacin

• メブロニル

• オルトラン

• スミレックス

各1mg or 1uL

添加 /10mlアセトニトリル+2ml水

ピペリン+農薬(MIX) ELSD ピペリン(スペクトル)+農薬MIX PDA 

ピペリン(隣接ピーク)+農薬(MIX) PDAピペリン+農薬MIX 分離条件

• サンプル ピペリン 1.7ml (8mg/20ml) (アセトニトリル5ml+水15ml)• 農薬 MIX 0.5ml 各1mg or 1uL (アセトニトリル10+水2ml)ループ 2ml• カラム容量 75ml ID1.0mm• 流速 移動相下層 1.0ml/min     58分から上層(押出) 2.0ml/min HSCCC回転数 1200RPM

• ELSD NEB50℃ EVAP75℃ ガス流量1.5

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ターゲット農薬精製  (その5)精製後の夾雑物が少ない

CCC_SEP-PAK (応用 その6)

固体充填剤を使わないSEP-PAK(固定相回収できる)

• SEP-PAK C18 ヘキサン 1cc(任意)を固定相に粗分離• SEP-PAK Silica 水層を固定相に

   サンプル溶液 ヘキサン、ヘプタン、ブタノール サクエチ tBMEなど

• SEP-PAK PS-2 ジクロロメタンを固定相に水(検体)

     移動相で濃縮 ジクロロメタンに直接分配させる   ジクロロメタン1ml(固定相) 水(検体:移動相) 100mlで100倍濃縮

• SEP-PAK MY-BREND  自在に調整  酸他

• 分配係数を出すのに便利 (2層溶媒のどちらも注入可能)

まとめ

• 回収率100%    精製過程で吸着等のロスがない。

• 牛脂を1/20に減らせた• 極性物質と脂(油)の同時定量が可能• 主成分の除去が可能   分取して除去、他を回収 

• ターゲット農薬  農薬100%回収(逃がさない)

   単離溶媒(例 K=1)なら他の物と重なりにくい

豚肉脂身アセトニトリル抽出液(追加)逆相 

2層溶媒の例 (付録)おわり

 ご清聴ありがとうございました

             クツワ産業株式会社       岡田 靖則 

     [email protected]                www.kutuwa.com