【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業...

16
【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月 【鏡山から望む特別名勝「虹の松原」と唐津湾 (写真提供:(一社)佐賀県観光連盟)】

Transcript of 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業...

Page 1: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

【県道肥前呼子線道路整備事業】

令和2年2月

【鏡山から望む特別名勝「虹の松原」と唐津湾 (写真提供:(一社)佐賀県観光連盟)】

Page 2: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

目 次

1 はじめに………………………………………………………………………………………………

(1)佐賀県における玄海原子力発電施設の概要…………………………………………………

2 事業地域の特性………………………………………………………………………………………

(1)事業地域…………………………………………………………………………………………

(2)事業地域の概要…………………………………………………………………………………

(3)人口及び産業の状況……………………………………………………………………………

(4)県財政の状況……………………………………………………………………………………

3 地域振興計画に基づく個別事業の基本計画及び内容…………………………………………

(1)地域振興計画に基づく事業の基本計画………………………………………………………

(2)事業主体………………………………………………………………………………………

(3)交付金事業の交付対象経費及び交付金額(令和2年度)………………………………

(4)事業実施スケジュール(令和2年度)………………………………………………………

(5)事業実施場所……………………………………………………………………………………

(6)箇所図……………………………………………………………………………………………

4 地域振興計画の必要性………………………………………………………………………………

5 地域振興計画に対する事業地域の住民の要望及び意見の反映…………………………………

6 地方自治体で作成される長期的な計画との関係………………………………………………

(1)佐賀県総合計画 2019……………………………………………………………………………

7 他の類似事業との比較……………………………………………………………………………

8 事業の実施により整備された施設等の維持運営体制…………………………………………

9 地域振興計画に掲げる事業が原子力発電施設の長期的な運転の円滑化に資する理由………

10 地域振興計画の事業地域の住民への公開及び周知方法………………………………………

11 地方自治体及び事業地域の住民の協力・支援体制……………………………………………

12 期待される効果……………………………………………………………………………………

1 1 1 1 2 3 5 6 6 7 7 7 8 9 11 11 12 12 12 12 13 13 13 14

Page 3: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

1

1 はじめに

(1)佐賀県における玄海原子力発電施設の概要

佐賀県には玄海原子力発電所が昭和 46 年 3 月に着工され、昭和 50 年 10 月に営業運転

を開始された 1号機を始めとして、増加する電力需要に併せて、2号機、3号機、4号機

が建設され、出力 347 万 8 千 kW の九州最大の原子力発電所となった。

< 設備概要>

区分 電気出力 設置許可 着工 初臨界 運転開始

1号機※ 55 万 9 千 kW 昭和45年12月 昭和 46 年 3 月 昭和 50 年1月 昭和50年10月

2号機 55 万 9 千 kW 昭和 51 年 1 月 昭和 51 年 6 月 昭和 55 年 5 月 昭和 56 年 3 月

3号機 118 万 kW 昭和59年10月 昭和 60 年 8 月 平成 5年 5月 平成 6年 3月

4号機 118 万 kW 昭和59年10月 昭和 60 年 8 月 平成 8年 10 月 平成 9年 7月

所 在 地 :佐賀県東松浦郡玄海町今村 出典:『佐賀県の原子力発電』

原子炉型式 :加圧水型軽水炉(PWR)

※平成27年4月27日運転終了

2 事業地域の特性

(1) 事業地域

原子力発電施設等立地地域特別交付金交付規則第2条第2号に定める事業地域は、玄海

町及び唐津市である。

玄海原子力発電所

Page 4: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

2

(2)事業地域の概要

① 自然的条件

玄海町及び唐津市で構成される事業地域は、佐賀県の北西部に位置し、北部は玄界灘、

東部は福岡県及び佐賀市、西部は伊万里湾を経て長崎県、南は多久市、武雄市及び伊万

里市の各市にそれぞれ境を接し、総面積は 523.49km2(全県比 21.5%)である。

中央部及び東部は、脊振山系が唐津湾に向かってなだらかに傾斜し、その裾野は緑豊

かな田園地帯になっている。中央部には、松浦川が流れ、松浦川が流れ込む唐津湾は、

白砂青松の「虹の松原」と相まって見事な景観を呈している。東部の玉島川の上流部は、

緑豊かな森林地帯となっており、樫原湿原や観音の滝など山村特有の美しい自然景観を

形成している。

南東部は、脊振・北山県立自然公園及び天山県立自然公園の森林地帯が広がり、清流

の厳木川、見帰りの滝や蕨野の棚田など豊かな自然が存在している。

北部は玄界灘に、西部は伊万里湾に面しており、地形は「上場」(うわば)と称され

る丘陵性の玄武岩台地により形成されている。また、雄大な玄界灘に面した美しく変化

に富んだリアス式海岸は玄海国定公園に指定されている。

気候は、対馬暖流の影響を受けて比較的温暖で、寒暖の差が少ない海洋性気候の特徴

であるが、上場台地上はやや冷涼で冬期には北西の季節風が強い。

② 経済的条件

事業地域の生活、経済を支える交通インフラについては、鉄道は、JR筑肥線、唐津

線がそれぞれ福岡市、佐賀市へ連絡する重要な路線となっており、事業地域と福岡市、

佐賀市との結びつきを強めている。

道路は、主要な幹線道路として、西九州自動車道を始め、福岡市及び長崎市と結ぶ

国道 202 号、佐賀市に延びる国道 203 号、さらに半島のほぼ海岸線に沿って周回する

国道 204 号がある。また、これらの国道を補完し、地域内を連絡する道路として主要

地方道、一般県道、市町村道が道路網を形成している。

港湾は、重要港湾である唐津港のほか、地方港湾である呼子港、仮屋港、星賀港が

ある。現在、唐津港は、物流のほか、地域振興や交流活動の中核的な役割を果たす観

光港、多様な海洋性スポーツ・レクレーション活動の拠点、建設資材や石油類等の供

給基地、水産物の供給及び水産加工や食料品を中心とした生産拠点という総合的な港

湾を目指し、唐津港港湾計画に基づいた整備が進められている。呼子港は、緊急時の

船舶の避難港に指定されているとともに、県内離島航路の発着点となっている。仮屋

港は石材の取扱港であるとともに水産関連の船舶に利用され、星賀港は穀物や鋼材を

輸送する貨物船の基地港であるとともに水産関連の船舶に利用されるなど、それぞれ

重要な機能を果たしている。

Page 5: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

3

(3)人口及び産業の状況

① 人口

近年の国勢調査の結果によると、事業地域の人口は減少し続けており、これは県全体

の傾向と概ね同様であるが、事業地域の県全体に占める人口シェアについても低下を続

けている。

人口減少の大きな要因は、雇用の場を求めて流出する若年層の社会減であるが、平成

15 年から県全体で自然減の局面に入り、社会減、自然減ともに近年拡大傾向にある。

(単位:人)

平成2年 平成7年 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年

唐津市 139,888 137,436 134,144 131,116 126,926 122,785

旧唐津市 79,207 79,575 78,945 128,564 - -

浜玉町 10,224 10,296 10,415 - - -

七山村 3,125 2,869 2,698 2,552 - -

厳木町 6,854 6,341 5,815 - - -

相知町 9,752 9,199 8,853 - - -

北波多村 5,199 4,925 4,736 - - -

肥前町 10,551 10,009 9,125 - - -

鎮西町 7,971 7,522 7,402 - - -

呼子町 7,005 6,700 6,155 - - -

玄海町 7,515 7,737 6,986 6,738 6,379 5,902

地域計 147,403 145,173 141,130 137,854 133,305 128,687

県内割合 16.8% 16.4% 16.1% 15.9% 15.7% 15.5%

県計 877,851 884,316 876,654 866,369 849,788 832,832

出典:国勢調査

Page 6: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

4

② 産業

平成 27 年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業 12.5%、第2次産業

22.9%、第3次産業 62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が 4.1%

高い。

また、年々第3次産業の比率が高まってはいるものの、依然として、事業地域の基幹

産業としては、第1次産業としての農業、水産業が中心であり、その他食品加工、機械

金属等の工業、建設業、観光などが主な産業となっているが、地域全体を牽引する産業

としては集積に乏しい。また、近年の農・水産業を取り巻く経営環境の悪化から、地域

の経済は厳しい状況に置かれている。

【事業地域における産業別就業人口構成】 (単位:人)

年 就業人口

総数

1次産業 2次産業 3次産業

就業人口 構成比 就業人口 構成比 就業人口 構成比

昭和 60 70,967 16,201 22.8% 18,118 25.5% 36,648 51.6%

419,636 79,005 18.8% 116,497 27.8% 223,838 53.3%

平成 2 71,093 13,908 19.6% 19,114 26.9% 38,071 53.6%

426,775 66,142 15.5% 124,120 29.1% 236,360 55.4%

平成 7 72,697 11,931 16.4% 21,024 28.9% 39,742 54.7%

443,037 56,788 12.8% 129,952 29.3% 255,991 57.8%

平成 12 69,139 10,465 15.1% 17,978 26.0% 40,590 58.7%

431,457 49,601 11.5% 118,528 27.5% 262,407 60.8%

平成 17 67,260 9,950 14.8% 15,752 23.4% 41,273 61.4%

423,379 46,533 11.0% 104,795 24.8% 270,243 63.8%

平成 22 63,506 8,516 13.4% 13,946 22.0% 39,790 62.7%

409,277 38,002 9.3% 98,448 24.1% 260,396 63.6%

平成 27 62,166 7,786 12.5% 14,236 22.9% 39,002 62.7%

410,237 34,634 8.4% 96,255 23.5% 266,782 65.0%

出典:国勢調査

(注1)上段は事業地域、下段は佐賀県全体の人口構成

(注2)就業人口総数には、分類不能の産業従事者を含む。

Page 7: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

5

(4)県財政の状況

財政関係指標をみると、経常収支比率については、全国平均よりも健全であるものの、

概ね 90%で推移しており、財政構造は硬直化している。また、財政力指数については全国

平均を下回っており、税収が伸び悩む中、地方交付税が歳入の 30%を超えるなど、地方交

付税に依存している状況である。

このような状況の中で、佐賀県では、平成 27 年 7 月に「佐賀県行財政運営計画 2015」

(以下、「行財政運営計画 2015」)を策定し、行財政運営に取り組んできた。

この結果、計画策定時に目標としていた平成 30 年度末における財源調整用基金残高 135

億円を確保できた。

今後も、県政運営の土台となる行財政運営を強化する必要があることから、「佐賀県行

財政運営計画 2019」を策定し、行財政運営に取り組んでいくこととしている。

「佐賀県行財政運営計画 2019」

⇒ 時代に即した様々な施策を時機を逃さず実施していくため、県政運営の土台とな

る行財政運営を強化することが必要であることから、2019 年度~2022 年度におけ

る行財政運営の目標を新たに掲げる計画

〈目標〉

◆期間 2019 年度〜2022 年度(4年間)

【経常収支比率】 (単位:% ) H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

佐賀県 91.1 90.5 90.3 91.6 92.2 93.4 93.3 全国平均 94.8 94.9 94.0 94.2 95.3 96.7 96.3 ※全国平均は、東京都を除く

【財政力指数】 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

佐賀県 0.31442 0.30209 0.30663 0.31223 0.35528 0.34442 0.34358 全国平均 0.45446 0.44640 0.45486 0.46356 0.50406 0.49986 0.50199

※全国平均は、東京都を除く

( 出典:総務省 HP http://www.soumu.go.jp/iken/ruiji/index.html )

Page 8: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

6

3 地域振興計画に基づく個別事業の基本計画及び内容

(1)地域振興計画に基づく事業の基本計画

本計画は、原子力発電施設等立地地域特別交付金交付規則第3条第3項に定める地域振興計

画として策定するものである。この地域振興計画に基づき事業地域である玄海町及び唐津市か

ら西九州自動車道の北波多インターチェンジへのアクセス道路となる「県道肥前呼子線道路整

備事業」を実施することにより、企業誘致や地域振興を図り、西九州自動車道の効用を波及さ

せ、活力ある地域を育む道づくりを促進し、併せて豪雨などによる大規模災害時の避難・救援

道路として地域住民の安全・安心に寄与するものである。

アクセス道路は、事業地域である玄海町役場から北波多インターチェンジを結ぶ路線として

「町道長倉藤平線」、「県道肥前呼子線」及び「県道唐津北波多線」がある。

町道長倉藤平線は、玄海町が核燃料サイクル交付金交付規則に基づく地域振興計画により、

平成22年度から事業を行い整備が完了している。

県道唐津北波多線は、県が社会資本整備総合交付金(国交省所管)を活用し、平成24年度

から計画的に整備を行っている。

本計画は、県道肥前呼子線の道路整備を行い、活力ある地域を育む道づくりを促進すること

を目的とする。

路線名 区間 概要 事業地域 県道

肥前呼子線

唐津市

竹木場~大良

北波多インターチェンジアクセス道路の整備を

目的に、

・工事

・用地補償

・調査設計

を実施

唐津市、

玄海町

Page 9: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

7

(2)事業主体

佐賀県

(3)交付金事業の交付対象経費及び交付金額(令和2年度)

(単位:千円)

路線名 区間 内容 事業費

(交付金充当額)

県道

肥前呼子線

唐津市

竹木場~大良

○工事

・道路改良工、橋梁工、舗装工

○用地補償

○調査設計

・設計、測量、補償調査、積算委託

600,000

(600,000)

(4)事業実施スケジュール(令和2年度)

実施事業

内容

4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月

調査設計

用地補償

工事

Page 10: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

8

(5)事業実施場所

県道肥前呼子線道路整備事業

佐賀県唐津市竹木場・唐川、小十、梨川内、大良、八永

県道肥前呼子線道路整備事業

北波多インターチェンジ

福岡高速道路に接続

福岡空港

Page 11: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

9

(6)箇所図

Page 12: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

10

Page 13: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

11

4 地域振興計画の必要性

本計画に基づく県道肥前呼子線道路整備事業は、事業地域である玄海町及び唐津市から西九

州自動車道の北波多インターチェンジへのアクセス道路の整備を行い、西九州自動車道の効果

を広く地域に波及させ、企業誘致や地域振興を図る地域に必要な事業である。

また、併せて豪雨などによる大規模災害時の避難・救援道路としても最適な道路であり、地

域住民の安全・安心の向上に寄与するものである。

このアクセス道路は、本計画の事業区間以外に、町道長倉藤平線、県道唐津北波多線がある。

アクセス道路のうち町道長倉藤平線については、玄海町において平成22年度から核燃料サ

イクル交付金等により事業が行われ整備が完了している。

また、県道唐津北波多線は、佐賀県において平成24年度から社会資本整備総合交付金を活

用して整備を行っているが、事業完了までには一定の期間を要する状況である。

このため、本計画を策定し、県道肥前呼子線の道路整備を行うことで、アクセス道路全体を

早期に完成させ、企業誘致や地域振興、また、地域住民の安全・安心の向上に寄与するもので

ある。

5 地域振興計画に対する事業地域の住民の要望及び意見の反映

本計画の作成にあたっては、原子力発電施設の所在地をはじめとする関係市町からの要望内

容を踏まえて、実施事業を決定した。

本計画に位置付けられた道路整備事業は、電源地域住民ひいては県民の活力ある地域を育む

道づくりとして、重要な事業となるものである。

本計画の実施に当たっては、県、市町で連携を図りながら、事業の着実な実施に努め、地域

住民への理解促進を図っていく。

Page 14: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

12

6 地方自治体で作成される長期的な計画との関係

(1)佐賀県総合計画 2019

(計画年度 令和元年度~令和4年度)

位置づけ:6 自発の地域づくり-(2)交通-②くらしに身近な道路の整備

目指す将来像:日々の生活を営む上で利用される「くらしに身近な道路」については、ユ

ニバーサルデザインを考慮した道路の改良や歩道の整備等が進み、だれも

が安全・安心、快適に移動できる環境が整うことでくらしの下支えとなっ

ている。

「佐賀県総合計画 2019」

⇒ 時代の潮流や佐賀県の特徴を踏まえ、将来(10 年後)の佐賀県の姿を見据えな

がら、その実現のために取り組むべき政策をまとめたもの。県政運営の基本であり、

県をはじめ、県民、企業、CSO、市町等が参加、協働して取り組んでいくための共

通の指針となる。「安全・安心のくらし」「楽しい子育て・あふれる人材」「人・社

会・自然の結び合う生活」などの6分野について、施策ごとに目指す姿や主な取組

等を明記している。

7 他の類似事業との比較

事業の実施に当たっては、道路法の道路として本県が通常行う事業と同じ基準(佐賀県道

路法施行条例、土木工事標準積算基準書、設計業務等標準積算基準書・土木工事等共通仕様

書、設計・調査・測量業務共通仕様書、佐賀県が施行する公共事業に伴う損失補償基準)に

従って実施する。

8 事業の実施により整備された施設等の維持運営体制

整備した施設の維持管理については、県が道路法に基づき適切な管理を実施する。

Page 15: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

13

9 地域振興計画に掲げる事業が原子力発電施設の長期的な運転の円滑化に資する理由

原子力発電施設の長期的な運転の円滑化のためには、安全性の確保はもとより、地域住民

の理解を深めるための取組を通じて、地域住民が安心して暮らせる環境づくりが必要と考え

ている。

事業地域は、高速交通体系の恩恵を受けにくい位置にあり、産業や観光の発展のうえで、

また、他地域との交流や連携を図るうえでも広域的な交通網の整備が課題となっていること

から、県道肥前呼子線の整備は、地域振興を図るうえで必要不可欠である。

事業の実施により、唐津地域での北波多と玄海町を結ぶ都市軸(広域交流軸)の形成に寄

与するとともに、北波多インターチェンジのアクセス道路の早期整備を求める住民の切実な

要望に直接応えるものである。

本計画をもって、県土の均衡な社会資本整備を図り、多くの地域住民が地域振興の利益を

享受できる。さらに、大規模災害の際には、広域幹線道路ネットワーク(西九州自動車道)

へのアクセス道路として、重要な道路にあたることから、社会資本整備に対する交付金の充

当として理解が得られやすく、自治体財政へ寄与するとともに、ひいては原子力発電に関す

る地域住民の理解促進や安心感の醸成に繋がり、原子力発電施設の長期的な運転の円滑化に

資することができる。

10 地域振興計画の事業地域の住民への公開及び周知方法

本事業については、地元関係自治体の議会及び佐賀県議会による審議や、これに関連した

マスコミを通じた報道等もなされている。今後、佐賀県のホームページに本計画を掲載する

ことにより、地域住民に対して周知を図ることとしている。

11 地方自治体及び事業地域の住民の協力・支援体制

本事業については、かねてから地元自治体である唐津市及び玄海町から要望活動等がなさ

れている。このため、事業実施にあたっては、関係自治体及び地域住民による、調査・測量

及び用地買収に対する協力や支援が得られる。

Page 16: 【県道肥前呼子線道路整備事業】 令和2年2月...4 ② 産業 平成27年の事業地域における産業別就業人口は、第1次産業12.5%、第2次産業 22.9%、第3次産業62.7%となっており、県全体と比較して、第1次産業の割合が4.1%

14

12 期待される効果

事業地域は、事業の推進により、玄海町では、北波多インターチェンジへの最短ルートと

して、唐津市では、西九州自動車道の最西端インターチェンジとして、福岡地域、佐賀地域、

将来的には、長崎方面への産業振興道路として、平成25年3月に供用した西九州自動車道

北波多インターチェンジの効用を波及させ、この地域の活力を育む効果がある。

加えて、事業地域の交通安全に寄与するとともに、本事業が完成した際には大規模災害時

の避難・救援道路としても、最適な路線となることから、あわせて、地域の安全・安心につ

ながるものである。

<道路利用者>

成果目標①:県道肥前呼子線の自動車交通量を 1,650 台/日とする。

成果指標①:県道肥前呼子線の自動車交通量

(※現況交通量=878 台/日)

※出典)平成 27 年度全国道路・街路交通情勢調査

評価年度①:令和12年度(供用5年後)

<観光客数>

成果目標②:玄海町への観光客数を 450 千人とする。

成果指標②:玄海町への観光客数

(※現況観光客数=395.7 千人)

※出典)平成 29 年佐賀県観光客動態調査(平成 31 年 3 月佐賀県)

評価年度②:令和12年度(供用5年後)