1 授業モデルと授業実践 · 2009-01-14 · -1-補助資料 1 1 授業モデルと授業実践 (1)学習指導対象 高等学校2年生 (2)学習指導領域 高等学校学習指導要領・世界史B
学習指導案の作成 - keiei.edu-c.open.ed.jpkeiei.edu-c.open.ed.jp/ong5.pdf ·...
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学習指導案の作成
1 学習指導案
(1)学習指導案とは
ある特定の授業について、その学習目標を子どもが習得しやすいように工夫した
計画案で、学習内容・方法・形態などの諸要素を指導意図に基づいて整理し、そ
れを時系列で明記した指針文書である。
①授業の前に、生徒の変容を想定し、実施案として作成されたもの。
②実際の指導の過程において、修正が必要となる場合がある。授業展開の中で臨
機応変に対応できるゆとり、弾力性をもっておくことも大切である。
③学習指導案には略案と細案がある。
(2)学習指導案をつくる意義
①授業に責任を持つ
・生徒の学習を保証するため
・少なくとも、場当たり的な授業にならないようにするため
②自分自身を磨く
・教材についての知識や解釈を深めることができる。
・生徒の考え方や行動などを予想することにより、生徒に対する理解を深める
ことができる。
③お互いを高める
・授業を見直し、よりよい授業改善につなげることができる。
・他の人の指導案と授業から学ぶことができる。
2 学習指導案の作成
(1)仮説としての学習指導案
①研究授業や授業公開の際には必ず準備される。それは、参観者や共同研究者が
共同してよりよい授業に改善していく手立てとして活用し、授業の仮説として
利用するためである。
②授業の計画:仮説の設定(Plan) → 授業の実施(Do)
→ 授業の検討、改善(Check) → 次の仮説(Action)
(2)作成にあたって留意すること
①計画する学習で、生徒のどのような変容をねらっているのか、明確な目標を設
定する。
②実践しやすい指導案であること。
③修正し、改善することを念頭に置く。
④年間指導計画と整合性があること。
3 指導案作成のポイント
(1)指導案に記載する主な項目
①単元名(あるいは題材名、主題名)
②単元の目標
③設定の理由(生徒の実態、単元についてのとらえ方、目指す生徒像)
④単元の評価規準及び学習活動における具体の評価規準
⑤教材・教具、資料
⑥単元の指導計画(単元の構成)
⑦本時の指導計画(ねらい、展開、本時の評価方法)
⑧板書計画 など
(2)指導案作成までの手順
①各教科等の指導目標に沿って計画を立てる(各学年の系統性)。
教科の目標、学年の目標、内容との関連など。
②指導内容の重点化を図り、教材を選択する。
学校・地域の実態、生徒の特質、教材の開発・選択など。
③生徒の興味・関心や意欲を高める学習活動を工夫する。
多様な学習活動、問題解決的な学習、体験的な学習など。
④授業時数を適切に配分する。
基礎的・基本的な事項の徹底、生徒の発達特性など。
補助教材と授業展開の工夫
1 補助教材選定
補助教材とは、文字通り教科書を補助する教材である。以下の点に留意して選定
工夫し、授業に役立てる必要がある。
①学習指導要領に準拠し、学校の教育課程に適合しているか。
②内容が正確、公平、公正であり、表現が正確、適正であるか。
③生徒の発達段階や学習の進度に対応しているか。
④生徒の学習の負担、保護者の経済的な負担にならないか。
2 使用に当たっての工夫や留意点
①教科書などの主教材とあわせて適切に活用することができるように、補助教材の
内容、活用法等を吟味し、指導計画に位置づける。
②副読本や資料集などの印刷教材ばかりではなく、写真やスライド、ビデオなどの
視聴覚教材や、観察調査発表等の生徒の主体的活動を支える補助教材も活用する。
③活用した成果や課題を適切に評価し、次の指導に生かす。
④副読本、資料集、学習帳、問題集など、生徒一人一人の学習具として使用する補
助教材は、事前に教育委員会に届け出る(承認を得る)ことが必要である。
⑤市販されている教材は、発行元に著作権があり、複製して使用することは禁じら
れている場合もあるので注意する。
3 グループ学習の活用
*著作権法第 35 条
学校その他の教育機関において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程
における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表さ
れた著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに複製の部数
及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することになる場合には、この限りでない。
指導目標の明確化
指導目標の重点化
教材の構成
学習活動の工夫
授業時数の配分
グループ学習とは、数名のグループをつくって学習課題を生徒達の力で追求させ、
解決させる学習形態である。生徒と主体性を育て、問題解決能力を養うとともに、集
団における人間関係についても学ぶことができる。効果的なグループ学習を進めるた
めに、以下のポイントを押さえよう。
①学習課題のとらえ方、協力の仕方、発言の仕方など、グループ学習の方法を生徒
に理解させる。
②話し合いを中心としたグループ学習の体験を通して集団的思考を高めさせる。
③グループ学習の目的、形態を工夫し、多くの生徒とふれ合うことで対人関係のあ
り方を学ぶ。
④授業の中で終わることなく、日常生活にも応用できるようにする。
⑤教師自身がグループ学習の中に入り、学習に参加したり見守ったりしながら、人
間関係や学習の成果を学ぶようにする。特に、役割分担への配慮や、グループ間
の協力・助け合いへの助言などに留意する。
⑥グループ学習の成果をクラス全体で共有し、質問や議論することで学習効果を高
める工夫をする。
〈参考文献〉 2011 初任者研修実務必携 第一法規
日 時:平成○○年○月○日( )
場 所:○○○○高等学校 音楽室
時 間:2・3校時 10:10~12:00
対 象:1年2組 ○名
(男子○名・女子○名)
授業者:○○○○
教科書:○○○○
1 題材名 カンツォーネを味わう ~豊かな表現力を追求しよう~
2 題材の目標
(1) 『サンタ ルチア』の曲想とイタリア語による歌詞の内容及び楽曲の背景との関わりに関心
を持ち、イメージをもって歌う学習に主体的に取り組める。 〔音楽への関心・意欲・態度〕
(2) イタリア語の発音の特徴、旋律と歌詞とのかかわりや音色、リズム、速度、強弱とそれら
の働きが生み出す雰囲気などを知覚・感受しながら、音楽表現を工夫することができる。
〔音楽表現の創意工夫〕
(3) イメージをもって音楽表現をするために、発声、言葉の発音、読譜の仕方を身に付けて歌
唱することができる。 〔音楽表現の技能〕
3 題材設定の理由
○題材観
学習指導要領「音楽Ⅰ」の目標に、「音楽の幅広い活動を通して,生涯にわたり音楽を愛好す
る心情を育てるとともに,感性を高め,創造的な表現と鑑賞の能力を伸ばし,音楽文化について
の理解を深める。」と示され、内容A表現の解説では、「歌唱の特徴は、自らの声によって音楽
を表現することにある。また,言葉を伴いながら表現するという特徴もある。このような歌唱の
特徴を生かして,音楽体験を豊かにし,表現しようする意欲を育てるとともに,創造的な表現の
能力を伸ばすことをねらいとしている。」と明示されている。
本題材「カンツォーネを味わう ~豊かな表現力を追求しよう~」では、イタリア語の特徴や歌
詞の内容、背景となる文化や歴史との関連を理解させながら、カンツォーネに親しませていく。
その際、音楽を形づくっている要素やそれらの働きが生み出す特質や雰囲気などを知覚・感受さ
せながら、曲想を歌詞の内容や楽曲の背景と関わらせて感じ取らせ、表現を工夫し、どのように
歌うかについて表現意図をもって歌う能力を育てたいと考え本題材を設定した。
○教材観 教材名:『サンタ ルチア』 作詞・作曲:T.コットラウ
イタリアでは、歌、特にポピュラーソングのことをカンツォーネといい、そのルーツはイタリ
ア南部の都市ナポリで古くから歌われてきたナポレターナ(ナポリの方言による民謡)である。
ゆったりとした3拍子は、ナポリの穏やかな青い海を連想させ、跳躍の多い旋律は、聖ルチア
に対する熱い思いが表現されている。また、イタリア語の歌詞は、発音が簡易で歌いやすく、原
語による歌唱の導入に相応しい。さらに、歌詞の意味と旋律を関連させた表現の特徴を捉えやす
い楽曲である。
学習内容と活動が生徒にもはっきりとイメージできる名称が望ましい。
題材の指導全体を通したねらい。この題材で育てたい力や身に付けさせたい力を具体的に記述する。
題材の目標を実現するため、どうしてこの教材を選択したかを記述する。指導要領に示された教材選択の観点と関連も考慮する。
題材の目標は、学習指導要領の内容に基づき、国研資料にある「評価規準に盛り込むべき事項」と同じレベルにし、題材の評価規準の役割ももたせる。(国研資料 P117~参照) 「身に付けさせたい力」として、4点〔音楽への関心・意欲・態度〕〔音楽表現の創意工夫〕〔音楽表現の技能〕〔鑑賞の能力〕の育成を基本とする。また、生徒の実態を踏まえ、学習経験と繋がりを持たせて書き、適切な評価ができるように、精選して簡潔に書く。
公開授業等では、参観者への 配慮として日時、表時、実施クラス等を記載する。
音楽科学習指導案の形式(例)
○生徒観
本学級の生徒は、男女ともに歌唱活動に積極的で、これまで楽しく歌うことに喜びを感じな
がら、歌詞の内容を味わいながら、強弱などの記号や休符を生かした表現の工夫を行う学習に
取り組んできた。今回は、イタリアのカンツォーネを取り上げ、イタリア語の発音の特徴と声
の響きやフレーズを意識させながら、訳詞では味わえない旋律と歌詞とのかかわりに着目させ、
音楽表現の工夫を図る学習に取り組ませたい。
○指導観
指導にあたっては、個人、ペア、グループ学習を取り入れながら、ワークシート、ICT 機器等
を活用して学習を深めていく。日本語による訳詞で歌唱した中学校での経験を踏まえ、今回はイ
タリア語による歌唱を行うことで、生徒に興味・関心を持たせていく。
導入時では、ペア学習でイタリア語の特徴から醸し出される楽曲の雰囲気を感じ取らせ、生徒
が楽しみながらカンツォーネに親しむことができるようにしたい。また、グループ活動で音楽を
形づくっている要素(音色、リズム、速度、旋律、強弱)を知覚させ、それらの働きが生み出す
特質や雰囲気などを感受させていく。さらに、音楽表現を工夫する活動に繋げるために、既習曲
『夏の思い出』との比較を通して、曲想が歌詞の内容や楽曲の背景とかかわっていることに気づ
かせ、歌詞と旋律のかかわりを感じ取りながら、音楽表現をするために必要な歌唱技能の習得を
図っていく。最後は個に戻り、自分がどのように歌いたいかの表現意図を持つことができるよう
に指導を工夫していく。
4 評価規準
題材における学習指導要領の内容
【A表現(1)】
ア 曲想を歌詞の内容や楽曲の背景とかかわらせて感じ取り,イメージをもってうたうこと。
イ 音楽を形づくっている要素を知覚し、それらの働きを感受して歌うこと。
音楽への関心・意欲・態度 音楽表現の創意工夫 音楽表現の技能
○『サンタ ルチア』の曲想と歌
詞の内容や楽曲の背景との関
わりに関心を持ち,イメージ
をもって歌う学習に主体的に
取り組もうとしている。
○『サンタ ルチア』の音楽を形
づくっている要素(音色,リ
ズム,速度,旋律,強弱)を
知覚し,それらの働きが生み
出す特質や雰囲気などを感受
しながら,曲想を歌詞の内容
や楽曲の背景と関わらせて感
じ取り,音楽表現を工夫し,
どのように歌うかについて表
現意図をもっている。
○『サンタ ルチア』の曲想を歌
詞の内容や楽曲の背景と関わ
らせて感じ取り,イメージを
もって音楽表現をするために
必要な歌唱の技能(発声,言
葉の発音,読譜の仕方)を身
に付け,創造的に表している。
※ 国立教育政策研究所「評価規準の作成のための参考資料」参照
生徒の関心・意欲・態度、育成を目指す能力についての現在までの実態、日常の取組み、生徒や学級の実態などを分析的に記述する。
○A「表現」については 「音楽への関心・意欲・態度」 「音楽表現の創意工夫」 「音楽表現の技能」
○B「鑑賞」については 「音楽への関心・意欲・態度」 「鑑賞の能力」で評価
なぜこのような題材を設定したのかについて、 学習指導要領の内容との関連で述べる。
5 指導と評価の計画(全3時間)
時
学習活動
指導上の留意点
学習活動
に即した
評価規準
主な評価の
観点
評価方法
第
一
次
ね
ら
い
☆イタリア語の発音の特徴や歌詞の内容に関心を持つことができる。
☆音色を知覚・感受し、表現の工夫を考えることができる。
☆イタリア語の発音の特徴を捉えて、歌唱することができる。
関
心
創
意
技
能
第
1
時
●『サンタ ルチア』を鑑賞する
CD〔1 回目〕
●本時のめあてを確認する
●『サンタ ルチア』を鑑賞する
CD〔2 回目〕
【ペア】【全体】
●イタリア語の発音練習と原語歌
詞の意味を確認する
●『サンタ ルチア』を歌唱する
●訳詞と原語歌詞を比較する
【ペア】【全体】
●本時の学習を振り返る
●中学校で学習した内容を振り返
り、楽曲への関心を高める。
●ワークシートに記入する。
●イタリア語の発音の特徴につい
て気づいたことをペアで確認
し、全体で共有する。
●単語の意味の確認及び R、L、B、V、
M、Nや同じスペルが 2つ続く場合
の発音に気をつけながら、単語
を発音する。
●単語の母音同士が繋がる発音部
分、第 2 母音のアクセントを意
識しながら、歌詞を音読する。
●発音に気をつけて歌唱する。
●第 3 時で比較するため録音する
●感じ取った音色の違いをペアで
考える。
●いくつかのペアに発表させ、全
体で共有する。
●イタリア語の特徴に振り返り、
感受したこと、知覚したことを
関連させ、生徒に楽曲のイメー
ジを持たせる。
●今日の学習で学んだことや習得
したいことを確認する。
○
【関・意・態】
行動観察
ワークシートⅠ
目標に示している観点と整合性をもたせて、それぞれの学習のまとまりにおける中心的な評価場面について、おおむね満足できる状況(B)の具体的な姿を示す。 学習対象や学習活動に応じて、評価する対象を想定し、必要な評価機会に位置づける。
生徒主体の表記と記述を書く。
活動やめあての確認について書く。
予想される生徒の発言や行動を
書き込むことも有効
日本語との違いは? 予想される解 ⇒ 巻き舌、子音が明確、母音の明るい響き
イタリア語の歌詞の内容を知り、原語で『サンタ ルチア』を 歌おう
イアリア語だと? 予想される解 ⇒ より明るい響き、華やかな響き、力強い響き
イタリア語の特徴、イタリア語だとより明るく響く声になる等
イタリアの音楽、カンツォーネはポピュラーソング等
第
一
次
ね
ら
い
☆歌詞の内容と楽曲の背景の関わりに関心を持つことができる。
☆リズム、速度、旋律を知覚・感受し、表現の工夫を考えることができる。
☆楽曲の背景をイメージしながら、音色、リズム、速度、旋律に気をつけて
歌唱することができる。
関
心
創
意
技
能
主な評価の
観点
評価方法
第
2
時
●前時の学習の振り返り
●本時のめあてを確認
●『オ ソーレ ミオ』と『サンタ
ルチア』を鑑賞する
CD〔3 回目〕
【ペア】【全体】
●4拍子や速度の違う『サンタ ル
チア』との比較を行う
【グループ】【全体】
●『夏の思い出』を歌唱する
【グループ】【全体】
●『サンタ ルチア』を歌唱する
●本時の学習を振り返る
●日本語とイタリア語の声の響き
方や音色の違いを確認する。
●原語歌詞の発音練習を行う。
●生徒が習得したいことをパワー
ポイントで提示し、全体で確認す
ることで学習意欲を高める。
●ワークシートに記入する。
●別のカンツォーネと歌詞の内容
を比較し、ペアで共通する部分を
考える。
●自主的な発表を促し、2~3 のペア
の考えを全体で共有する。
●教師が演奏を行い、リズムや速度
に焦点化を図り、生徒の気づきを
促す。
●既習曲の日本の歌と比較するた
め、『夏の思い出』を歌唱する。
●イメージの違いを明確化するた
め、比較するポイントを教師で決
めておく。
●教師は各グループの考えを確認
し、答えの違うグループを選出し
発表させ、全体で共有する。
●歌詞のイメージを表現するため
に、イタリア語の発音、リズム、
音の跳躍に気をつけることを確
認する。
●今日の学習で学んだことを確認
する。
○
【創意工夫】
ワークシートⅡ
『サンタ ルチア』の背景を知り、曲のイメージを表現している エッセンスを見つけよう
3拍子や Moderato だと? 予想される解 ⇒ 3拍子は波が揺れている感じを表現 Moderato は、穏やかな海を走る船や心地よい風 を表現
共通するイメージは? 予想される解 ⇒ 明るい太陽や穏やかな海といったイタリアの
自然が描かれている。 女神や好きな女性に対する想いを歌っている。
イタリア語の特徴、イタリア語 だとより明るく響く声になる等
他のカンツォーネを聴きたい イタリアの他の音楽を知りたい イタリアについて知りたい等
『夏の思い出』と比較すると? 予想される解 ○イタリア 情熱的、明るい⇒付点のリズム、跳躍した旋律 ○日 本 優しい、穏やか⇒規則的な 8 分音符、滑らかな旋律
リズムや旋律が音楽の表現に影響している等
第
二
次
ね
ら
い
☆旋律と歌詞のかかわりに関心を持つことができる。
☆旋律、強弱を知覚・感受し、表現の工夫を考えることができる。
☆音色、リズム、速度、旋律、強弱の役割を考えながら、発声、発音に気を
つけて歌唱することができる。
関
心
創
意
技
能
主な評価の
観点
評価方法
第
3
時
●前時の学習を振り返る
●本時のめあてを確認する
●『サンタ ルチア』を鑑賞する
CD〔4 回目〕
【グループ】
●歌詞と旋律のかかわりから音
楽の表現方法を考える
【グループ】
●前打音・半音・16 分音譜がない
旋律との比較を行う
【グループ】
●『サンタ ルチア』の表現方法
について考える
●『サンタルチア』を歌唱する
●『サンタ ルチア』の音色、リズ
ム、速度、旋律と曲のイメージ
とのかかわりについて確認する。
●技能面で向上したことを挙げ、更
に良くなるための視点をフィー
ドバックし学習意欲を高める。
●ワークシートへ記入する。
●音楽表現のための新しい情報を
楽譜にチェックする。
●パワーポイントで楽譜を提示し、
全体で確認できるようにする。
●発表を促し、全体で共有する。
●強弱記号と奏法記号の役割を考
えるグループに分け、それぞれで
考えたことを発表し、全体で共有
する。
●教師が演奏を行い、前打音・半音
・16 分音譜の効果に焦点化を図
り、生徒の気づきを促す。
●これまでの学習を振り返ること
で、自分なりの表現意図を持たせ
る。
●演奏を録音して、第1時の演奏と
比較することで表現技能の変化
を確認する。
○
○
【創意工夫】
行動観察
ワークシートⅢ
【技能】
比較聴取
●本時の学習を振り返る ●今回の学習で学んだことを確認
Rの巻き舌やSやVの子音が 明確になっている。母音の響 きを繋げるように歌唱すると、 声の響きが統一される等
『サンタ ルチア』の歌詞のイメージを表現するための旋律の役割を知り、音楽表現を高めよう
楽譜にある新しい情報は? 予想される解 ○強弱記号 ⇒ mf、f、mp、デクレシェンド ○演奏記号 ⇒ アクセント、フェルマータ
強弱記号と奏法記号の表現の意図は? 予想される解 ○強弱記号 f ⇒女神に来て欲しいと思う強い気持ち mp ⇒女神に優しく呼びかけている
デクレシェンド ⇒穏やかな気持ちの変化を表現 ○演奏記号 アクセント ⇒女神を船に来させたい強い気持ち
フェルマータ ⇒女神への強い想い
前打音、半音があると? 予想される解 ○前打音 ⇒星が銀色に輝いている、小舟が揺れている ○半音 ⇒波の穏やかさ、自分のアピール ○16 分音譜 ⇒女神を誘う優しい声
する。
6 学習の展開(3/3時間)
(1)本時の目標
『サンタ ルチア』の歌唱において、音楽を形づくっている要素(音色、リズム、速度、旋律、
強弱)の働きが生み出す雰囲気を知覚・感受することで、カンツォーネにふさわしい音楽表現
を工夫しながら、明るく表情豊かに歌唱しようとする。
《授業仮説》
学習形態の工夫や ICT を活用することにより、生徒が主体的に活動に取り組むことができる
であろう。また、鑑賞や楽譜を活用することで、音楽を形づくっている要素を知覚し、それら
の働きが生み出す特質や雰囲気を感受することで、音楽表現の創意工夫を図りながら、イメー
ジをもって音楽表現に必要な歌唱の技能を身に付ける学習に取り組むことができるであろう。
時
間
過
程
学習活動
【学習形態】 指導上の留意点
評価
観点 評価方法
第
3
時
ね
ら
い
☆旋律と歌詞のかかわりに関心を持つことができる。
☆旋律、強弱を知覚・感受し、表現の工夫を考えることができる。
☆音色、リズム、速度、旋律、強弱の役割を考えながら、発声、発音
に気をつけて歌唱することができる。
関
心
創
意
技
能
導
入
5
分
●前時の学習を振り返る
●本時のめあてを確認する
●『サンタ ルチア』の音色、リズ
ム、速度、旋律と曲のイメージ
とのかかわりについての確認。
●技能面で向上した点を挙げ、更
に良くなるための視点をフィー
ドバックし学習意欲を高める。
●ワークシートへ記入する。
展
開
40
分
●『サンタ ルチア』を鑑賞する
CD〔4 回目〕
【グループ】
●音楽表現のための新しい情報を
楽譜から読み取る。
●パワーポイントで楽譜を提示し
全体で確認できるようにする。
●発表を促し、全体で共有する。
楽譜にはいろんなヒントがあり、歌詞のイメージを表現する要素 を見つけると、楽しく歌える。 原語歌詞で旋律を考えると表現の工夫がわかりやすい等
本時の 評価規準
生徒が学習の見通しが持てる
ように具体的に示す
Rの巻き舌やSやVの子音が明 確になっている。母音の響きを 繋げるように歌唱すると、声の 響きが統一される等
『サンタ ルチア』の歌詞のイメージを表現するための旋律の 役割を知り、音楽表現を高めよう
楽譜にある新しい情報は? 予想される解 ○強弱記号 ⇒ mf、f、mp、デクレシェンド ○演奏記号 ⇒ アクセント、フェルマータ
言語活動と音楽活動
の往還を図りながら
ねらいに迫る授業展
開を工夫する。
話し合い活動が 15
分以上にならないよ
う気をつける。
第
3
時
展
開
40
分
●歌詞と旋律のかかわりから音
楽の表現方法を考える
【グループ】
●前打音、半音、16 分音譜のない
旋律との比較を行う
【グループ】
●『サンタ ルチア』の表現方法
について考える
【個人】
●『サンタ ルチア』を歌唱する
●強弱記号と奏法記号の役割を考
えるグループに分け、それぞれ
で考えたことを発表し、全体で
共有する。
●教師が演奏を行い、前打音、半
音 16 分音譜の効果に焦点化を
図り、生徒の気づきを促す。
●これまでの学習を振り返ること
で、自分なりの表現意図を持た
せる。
●演奏を録音して、第1時の演奏
と比較することで表現技能の変
化を確認する。
○
○
【創意工夫】
行動観察
ワークシートⅢ
【技能】
比較聴取
終
末
5
分
●本時の学習を振り返る ●今回の学習で学んだことを確認
し、自己評価を行う。
評価は、
本時の目標と
対応させる。
評価場面は
1~2か所
強弱記号と表情記号の表現の意図は? 予想される解 ○強弱記号 f ⇒女神に来て欲しいと思う強い気持ち mp ⇒女神に優しく呼びかけている
デクレシェンド ⇒穏やかな気持ちの変化を表現 ○演奏記号 アクセント ⇒女神を船に来させたい強い気持ち
フェルマータ ⇒女神への賞賛
前打音、半音があると? 予想される解 ○前打音 ⇒星が銀色に輝いている、小舟が揺れている ○半音 ⇒波の穏やかさ、自分のアピール ○16 分音譜 ⇒女神を誘う優しい声
「おおむね満足できる」状況(B)ワークシートⅢ 『サンタ ルチア』の曲想を歌詞の内容や楽曲の背景とかかわらせて感じ取った事を基にして、音色、リズム、速度、旋律、強弱などに触れながら、どのように歌いたいかの表現意図について〈ワークシートⅢ〉と楽譜への書き込みができているか。
「十分満足できる」状況(A)の記述例 ワークシートⅢ 付点のリズムや 16 分音譜に気をつけて星の輝き、穏やか波に揺られる船を表現したい。女神を船に誘いたい強い気持ちをアクセントで表し、女神の名前は優しく呼びかけ、最後はフェルマータで賞賛の気持ちを力強く歌いたい。
ワークシートⅠ、Ⅱ
に書いた内容を手掛
かりにさせる。
つまずきが見られる
生徒については、楽
曲の一部分に絞って
考えさせる。
楽譜にはいろんなヒントがあり、 歌詞のイメージを表現する要素 を見つけると、楽しく歌える。 原語歌詞で旋律を考えると表現 の工夫がわかりやすい等
※本事例で用いるワークシートの例(実際は以下の内容をA4版3枚で作成)
1年 音楽 歌唱 カンツォーネを味わう ~豊かな表現力を追求しよう~
年 組 № 氏名
【ワークシートⅠ】
1 『Santa Lucia』を聴いて、クイズに答えよう。
問1 どこの国の音楽?
問2 どこの町の情景が歌われている?
問3 カンツォーネって何?
2 本時のめあて
3 『Santa Lucia』を聴いて、イタリア語の特徴を探そう。【ペア活動】
イタリア語の発音の特徴 その特徴と関連する曲のイメージ
【ワークシートⅡ】
1 イタリア語の特徴を確認しよう。
2 本時のめあて
3 2つのカンツォーネを聴いて、共通するイメージを
探そう。【ペア活動】
描かれている背景 誰に対しての歌?
Santa Lucia
‘O sole mio
4 拍子や速度が何を表現しているかを考えよう。【グループ活動】
5 『Santa Lucia』と『夏の思い出』の音楽的特徴を比べて、表現の違いを考えよう。【グループ活動】
曲名 音楽を形づくっている要素から受ける
曲のイメージ 旋律の特徴 リズムの特徴
サンタ ルチア
夏の思い出
【ワークシートⅢ】
3拍子や Moderato は、
を表現している
1 『Santa Lucia』の音楽的特徴を確認しよう。
2 本時のめあて
3 『Santa Lucia』を聴いて、音楽表現に繋がる新しい
情報を見つけ、楽譜に印をつけよう。【グループ活動】
4 新しい情報の表現について考えよう。【グループ活動】
記号名 表現したい曲のイメージ
強弱
Mf(メッゾフォルテ)
f (フォルテ)
mp(メッゾピアノ)
デクレシェンド
奏法
アクセント
フェルマータ
5 前打音、半音、16 分音符が何を表現しているのかを考えよう。【グループ活動】
表現したい曲のイメージ
前打音
半音
16 分音符
6 グループとして目指す表現を受けて、自分はどのように
歌いたいかについて書こう。また、楽譜にも書き込もう。
【個人】
7 第1時の演奏を振り返り、表現につぃて良くなったことを
簡潔に書こう。【個人】
私 は 、
自己評価 全体評価