総合効率とGHG排出の分析WtTの解析結果 TtWの解析結果 WtWの解析結果 まとめ...

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総合効率とGHG排出の分析 企画実行委員会 総合効率検討作業部会 委員長 石谷 1

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総合効率とGHG排出の分析

企画実行委員会

総合効率検討作業部会

委員長 石谷 久

1

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

2

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

3

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58.2

35

23

15

9.4

23

49

14

22

0

158

100

131

80

125

0

61

95

0 50 100 150 200 250

高圧水素FCV

ガソリン

ガソリンHEV

ディーゼル

ディーゼルHEV

CNGV

BEV

プリウス

フィット

WtT

TtW

0.21

0.47

0.3

0.2

0.12

0.47

0.54

0.2

0.29

0.78

2.23

1.42

1.8

1.11

2.23

0.4

0.86

1.37

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

高圧水素FCV

ガソリン

ガソリンHEV

ディーゼル

ディーゼルHEV

CNGV

BEV

プリウス

フィット

WtT

TtW

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2005年度にFCVを含み各種車両のWell-to-Wheel総合効率を算定し,FCVの環境性能について第3者(大学研究所などのエネルギー,LCA専門家),並びにFCV,水素インフラ開発推進関係者による評価を実施した。しかし,その後5年以上が経過し,条件の変化および車両性能の向上の両方により見直しを行なう必要が生じた

CO2排出量【g・CO2/km】1km走行当たりのエネルギー【MJ/km】

2005年公開データ

作業部会立ち上げの経緯

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参加協力企業からデータの提供を受け、下記を実施• 総合効率基礎データの収集• ガソリン車・ガソリンハイブリッド車・

ディーゼル車・CNG車・BEV(Battery EV)の効率評価

• FCVの効率評価

期 間

メンバー

過去の取組内容

:平成11~14年度(Tank to Wheel中心):平成15~17年度(Well to Tank中心):専門家(エネルギー、LCA分野研究者),並びにJHFC参加企業,団体からの参加者

作業部会立ち上げの経緯

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• 一般に公表できるデータ• 日本の状況(燃料パス、自動車技術)に対する検討• 現状と将来(2030年頃)のデータ• 技術開発途上であり現在実績値がないデータは将来の期待値・目標値• JHFCプロジェクトで得られた実証データの利用

自動車側(Fuel Tank to Wheel)を中心とした取組みWell to Fuel Tank については既存文献結果を引用

平成11~14年度(旧JEVA取組み実績)

平成15~17年度(過年度特別委員会)燃料供給側 (Well to Fuel Tank) を中心としたデータ取得、文献調査、並びにJHFC実証データで検証、過去の取組みとあわせWell to Wheelの総合効率をまとめた

データ取得の考え方

JC08モード及び10・15モードを計算、特性を分析走行モード

平成22年度(本作業部会)

平成22年度に入手可能な範囲でのデータ更新

作業部会立ち上げの経緯

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

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作業部会のゴール

燃料電池自動車(FCV)を主とした、各種の高効率低公害車(代替燃料)乗用車の我が国(日本)固有の条件を考慮し、計算に用いる入力データは妥当性かつ透明性に配慮し,W t W (Well to Wheel)総合効率などのデータを検討し、外部研究者が検証可能な客観的な数値データとしてまとめる。

評価項目

W t W (Well to Wheel)の「総合効率」および「GHG(CO2)排出量」

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作業部会のゴール

FCVの低公害車としてのWell-to-Wheel性能確認

実証試験(さまざまなタイプの水素製造パス)結果を用いたWell-to-Wheel比較(現状実現技術による評価)

FCVのエネルギー効率,CO2削減ポテンシャルの明確化

作業部会の検討結果を用いてJHFCとしては…

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

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今回の作業部会での主な取り組み

【体 制】

関係分野の研究者,専門家に広く参加を依頼(関係者として実証研究連絡会メンバー参加)

企画実行委員会

総合効率検討作業部会

【メンバー】

エネルギー,LCA分野の専門研究者に広く認知されるデータ,及び評価結果の取得

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※JHFCとは独立した各界の有識者による評価委員会

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今回の作業部会での主な取り組み

【大学・研究所】

【団体等】

(社)新エネルギー導入促進協議会 東京工業大学 東京大学 横浜国立大学筑波大学 工学院大学 (独)国立環境研究所 (独)産業技術総合研究所(財)日本エネルギー経済研究所 (財)地球環境産業技術研究機構(RITE)

(社)日本自動車工業会 FCCJ 燃料電池実用化推進協議会 石油連盟電気事業連合会

【企 業】トヨタ自動車

日産自動車

本田技研工業

GM

ダイムラー

スズキ

マツダ

JX日鉱日石エネルギー

コスモ石油

昭和シェル石油

東京ガス

岩谷産業

大陽日酸

ジャパン・エア・ガシズ

新日鉄エンジニアリング

出光興産

栗田工業

伊藤忠エネクス

シナネン

大阪ガス

東邦ガス 合計35団体

〔オブザーバー〕経済産業省、NEDO、(株)新日石総研 〔事務局〕PEC、ENAA、JGA、JARI、調査会社

は実証試験推進委員会メンバー以外

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エネルギーパスの概念

埋蔵1次エネルギ資源

資源採掘

現地プロセス(精製,液化)+貯蔵

長距離輸送(船舶等)

国内大規模プロセス(精製,気化,改質,

高圧圧縮)

国内短距離輸送

(水素生成前)燃料貯蔵

Well to Charge Tank

Charge Tank to Fuel Tank(Station Process)

燃料充填車両の

燃料タンク

オンサイトプロセス

(圧縮,改質)車両走行

Fuel Tank to Wheel

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燃料の製造から,自動車の走行までにおけるエネルギー消費量およびCO2排出量を対象とする。

原則としてWell to Wheelのエネルギー消費量,並びにCO2排出量のみを対象とする。

原料・燃料の輸送に必要な燃料(重油,軽油)については,その燃料の製造・輸送も加味する。

今回の作業部会での主な取り組み

分析の範囲

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起源 最終消費燃料

原油 ガソリン,軽油,ナフサ,LPG ,電力,圧縮水素,

天然ガス 都市ガス,LPG,電力,メタノール,DME,FT軽油(GTL),圧縮水素

副生水素 圧縮水素

再生可能エネルギー 電力,圧縮水素

バイオマス バイオディーゼル(BDF),エタノール混合ガソリン,ETBE混合ガソリン,CH4,圧縮水素

CCS有機ハイドライド輸送

主な追加パス(2005年度公開時と比較して)

対象とした燃料パス

今回の作業部会での主な取り組み

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ヒアリング・文献調査実績

■国 内 : NEDO報告書、PEC報告書 等々

■国 外 : LBST(GM) 等々

訪問先 主なヒアリング内容

平成22年度

新日本製鐵および新日鉄エンジニアリング

製鉄所における副生ガスの定数・効率

日本CCS調査 CCSに要するエネルギー,CO2原単位

RITE CCSに要するエネルギー,CO2原単位

石油産業活性化センター 製油所におけるCCSに関するエネルギー

石油連盟 石油関連のデータ更新の要否

電事連 電源種別燃料定数・発電効率、送配電効率

日本ガス協会都市ガス業界全般情報、燃料定数・効率都市ガス利用でのCCSに関するエネルギー

エネルギ経済研究所 CCSに要するエネルギー,CO2原単位

関西電力 CCSシステム構成

【ヒアリング】

【文献調査】

主にCCSに関する調査を実施

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プロセス効率の設定

以下の方針で標準プロセス効率値を設定

国内文献(国内条件)を優先

複数データが候補として残った場合は,中位値を採用

前提条件の明確な文献,ヒアリングで得た情報を優先

年次:2010年9月現在

LHVベースの数値を基本とする

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※ただし,一部,2005年度に使用したデータから更新できなかったものあり

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プロセス効率の設定

CCSについては3パターンを導入

製油所での水素製造時に行う分離CO2を前提

(オフサイト型ステーション)

→主に石油業界で適用が検討されている。

オンサイト型ステーションでのCO2回収を前提

→主にガス業界で適用が検討されている。※ステーションから貯留サイトまではローリー輸送

排ガス回収(分離・回収:化学吸収法)

→主に石炭火力発電所の適用が検討されている。

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検討エネルギーパスの条件

FCV対象車両小型乗用車

比較対象車両市販車:ガソリン車,ディーゼル車,ガソリンハイブリッド車,

電気自動車デモ車:プラグインハイブリッド車仮想車:CNG車

対象燃料(燃料水素のエネルギー源)原油,天然ガス(都市ガス),LPG,副生ガス,再生可能エネルギ,バイオマス

FCVタイプ純水素形

水素の形態圧縮

想定年次市販車は現状技術,その他は2030年頃を想定

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充填圧力のエネルギー比較

ディスペンサー蓄圧器

プレクール

70 MPa35 MPa

圧縮水素

高圧圧縮機

消費電力の増大: 高圧圧縮機(80MPa以上)

プレクール設備(水素ガスを-20℃~-40℃に冷却)

圧力(MPaG)

単位水素ガス1 kg当たりの保有エネルギー(LHV)

発熱量 圧力エネルギー 合計

70 MJ/kg

120

8 128

35 MJ/kg 7 127

大気圧 MJ/kg 0 120 20

35MPaと70MPaの圧力のエネルギー差は1[MJ/kg]大気圧から35MPaに昇圧することでエネルギー差は7[MJ/kg]

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電力2.33kWh

都市ガス3.75 kg

(4.59 m3(nor))187 MJ(LHV)2017MJ(HHV)

電力4.82 kWh

水素製造装置

都市ガス

圧縮機 ディスペンサー蓄圧器

70 MPa系

圧縮機

ディスペンサー

蓄ガス設備

プレクール

35 MPa

70 MPa

水素1.0 kg [11.1Nm3]供給時

電力(共用ユーティリティ、制御等)1.07 kWh

水素温度 : -20 ℃

測定:2009年9月

電力1.37 kWh

JHFC千住水素ステーション(都市ガス水蒸気改質 70MPa・プレクールあり)

消費電力量(実測値)

ステーション設備の起動・停止及び待機に係るエネルギーは含まず

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(内訳)0 →40MPa圧縮機 3.75 kWh40→80MPa圧縮機 1.07 kWh

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充填圧力のエネルギー効率への影響

(JHFC千住STデータ、2009年測定値)

Charge Tank to Fuel Tank(Station to Tank)で定義した実証水素ステーションのエネルギー効率(LHV基準)

電力のエネルギー: 3.6 MJ/kWh 原料のエネルギー: 発熱量および圧力エネルギー (高圧ガスの場合)

充填圧力 条件 エネルギー効率

35MPa プレクールなし・低圧圧縮機のみ 60.0%

70MPa プレクール -20℃・低圧&高圧圧縮機 58.0%

充填圧力を35MPaから70MPaに上昇させると、エネルギー効率は2ポイント低下する。

エネルギー効率値を基に、WtW効率、WtW-CO2排出量を算出する。

22

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

23

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使用データの概要

文献値等

・JHFC実証実測値・実用化段階計算値

Charge Tank to Fuel TankWell to Charge Tank

「 旧 JEVA 取 組 み 結 果 」 と「FCVについてはJHFC実証データを踏まえた予測値」

文献値等

・JC08モード/10・15・試験値(平均、トップランナー)

Fuel Tank to Wheel

Well Charge Tank Fuel Tank

車両の燃料タンク

Wheel

ステーションでの燃料受入れタンク

JHFC実証データ

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算出値の定義

Well to Wheel : 1km走行当り一次エネルギ投入量 (MJ/km)

① Well to Fuel Tank :

【効率】【効率】

【CO2】【CO2】

Well to Wheel :1km走行当り総CO2排出量 (g-CO2/km)

① Well to Fuel Tank :CO2排出量(g-CO2)

車載燃料エネルギ(MJ)*

*車載時の水素保有エネルギについては、本計算では120MJ/kg(大気圧25℃)を使用

② Fuel Tank to Wheel : 1km走行時燃料消費エネルギ *(MJ/km)

② Fuel Tank to Wheel : 1km走行当りCO2排出量 (g-CO2/km)

Charge Tankto Fuel Tank

Well to ChargeTank

Fuel Tankto Wheel

① ②

一次エネルギまでさかのぼって、自動車1km走行当り「一次エネルギ投入量(MJ/km)」「CO2総排出量(g-CO2/km )」を算出

一次エネルギ投入量(MJ)

車載燃料エネルギ(MJ)*=a

=a×b

=b

=c

=d

=b×c+d

一次燃料投入原単位(単位車載エネルギ当り) =

25

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「Well to Fuel Tank」 計算条件

対象燃料(水素ソース)原油,天然ガス(都市ガス),LPG,副生ガス,再生可能エネルギ,バイオマス

水素の形態圧縮

比較対象自動車搭載燃料ガソリン,ディーゼル,CNG,電気

電力の電源構成(下記の2通りを計算)「日本の平均電源構成」「同一燃料起源による電源」(例:天然ガス起源のパスでは天然ガス火力)

想定年次現状、2030年(CCS導入)

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WtT計算結果

2005年度からの変化点

電源構成変化にともなうグリッド電力の単位エネルギー当たりのCO2排出量が増加

27

⇒中越地震の影響で柏崎原子力発電所の稼動率が下がり,原子力発電比率が下がり石炭火力発電比率がが増えたため

⇒これにより他のエネルギーパスのCO2排出量も増加

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WtT計算結果(実証試験比較)

35MPaのステーションの効率

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WtT計算結果(実証試験比較)

70MPaのステーションの効率

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

30

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「Fuel Tank to Wheel」 計算条件

FCV対象車両

純水素形(圧縮)の小型乗用車

比較対象車両

市販車:ガソリン車,ディーゼル車,ガソリンハイブリッド車,

電気自動車

デモ車:プラグインハイブリッド車,仮想車:CNG車

想定年次

現状技術

基本性能にかかる主な前提条件

・全ての車種の基本性能・形状等は原則同等(例外:EV走行距離等)

・共通部分の重量は原則同等(FCV等は、ICEVと差がある各種

構成部品をまとめて基本重量に加算)31

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TtWの計算対象

車両車両サイズサイズ

航続距離航続距離

大大

小小

小型・短距離用途のBEVとFCVは共存して普及拡大が可能と考えられる→この領域の車両(小型車)を想定して算出

短 長

32

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TtW 計算結果(効率(10-15モード))

市販車は全車種,着実にエネルギー消費率が小さくなっている

33

0 0.5 1 1.5 2 2.5

ガソリン車

ディーゼル車

ハイブリッド車

プラグインハイブリッド車

電気自動車

燃料電池車

エネルギー消費率[MJ/km]

上段:2005年度下段:2010年度

プラグインハイブリッド走行

デモ車

市販車

計算モデル

※1 2005年度データと比較のため10-15モードを表示※2 プラグインハイブリッドは2010年度のみ

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

34

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WtW計算結果まとめ(本年度10-15モード)

さまざまなエネルギーパス,ケース,車種について計算

35

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WtW計算結果まとめ(本年度10-15モード)

さまざまなエネルギーパス,ケース,車種について計算

36

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WtW計算結果まとめ(本年度10-15モード)

燃料電池車は効率、CO2排出量ともに高性能

37

1km

走行

当たりCO2排

出量

[g-C

O2/

km]

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]※1 燃料電池車の1次エネルギーは天然ガス(オフサイト)※2 電気自動車は国内2009年度の電源構成

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WtW計算結果まとめ(燃料パス比較)

FCVは様々な燃料パスでCO2削減のポテンシャルが高い

CCS適用時

38

1km

走行

当たりCO2排

出量

[g-C

O2/

km]

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]

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化石燃料(オフサイト)で比較すると...

エネルギーパス比較(FCV v.s. BEV)

天然ガス石油

水素製造 発電輸送 圧縮・充填

発電 送電 充電

CO2回収

CO2回収分離回収・地中貯留に必要なエネルギー2.92GJ/kgCO2

分離回収・地中貯留に必要なエネルギー0.48GJ/kgCO2

モータ

発電効率60%

発電効率45~57%

充電効率80~92%

消費電力量7.26kWh/kgH2

39

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天然ガス起源(オンサイト)で比較すると...

エネルギー消費率比較(FCV v.s. BEV)

車種 TtWエネルギー消費率 WtWエネルギー消費率

FCV 159.2 km/kgH2 3.3 km/kWh

BEV 10 km/kWh 3.8(3.0) km/kWh

水素1.0 kg [11.1Nm3]供給時 9.6 kWh/kg・H2

水素1.0 kg [11.1Nm3]当たりの保有エネルギー

35.6 kWh/kg・H2

NG発電トップ(平均)効率 57.4%(46.1%)

現時点でBEVとほぼ同等。水素充填時の消費電力量を下げること。

今後のFCVの課題

40

※()内は平均値

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WtW計算結果まとめ(石油起源)

CCSと組み合わせることで,FCVのCO2排出量の削減ポテンシャルは高い

41

0

20

40

60

80

100

120

140

0 0.5 1 1.5 2

ガソリン車

ハイブリッド車

ディーゼル車

FCV(ナフサ改質)

FCV(LPG改質)

BEV(石油火力充電)

CCS適用時

ポテンシャル

1km

走行

当たりCO2排

出量

[g-C

O2/

km]

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]

※1 10-15モードで算出※2 電力は石油火力発電のみから供給

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0

20

40

60

80

100

120

140

0 0.5 1 1.5 2 2.5

CNG車

ディーゼル車

BEV(LNG火力充電)

FCV(都市ガス改質(オンサイト))

FCV(NG改質(オフサイト))

WtW計算結果まとめ(天然ガス起源)

天然ガス起源ではBEVが1番,次いでFCV CCSと組み合わせることで,FCVのCO2排出量の削減

ポテンシャルは高い

CCS適用時

42

1km

走行

当たりCO2排

出量

[g-C

O2/

km]

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]

※1 10-15モードで算出※2 電力はNG火力発電のみから供給

Page 43: 総合効率とGHG排出の分析WtTの解析結果 TtWの解析結果 WtWの解析結果 まとめ 目次 2 作業部会立ち上げの経緯 ... 70MPa プレクール-20 ・低圧&

自然エネルギー(オンサイト)で比較すると...

エネルギーパス比較(FCV v.s. BEV)

自然エネルギー発電

発電水素製造 圧縮・充填

送電 充電

モータ

発電効率60%

充電効率80~92%

消費電力量7.26kWh/kgH2

効率 60~80%43

FCVから見たメリットCO2排出量激減自然エネルギーからの発電は不安定⇒余剰発電分を水素として蓄えられ,輸送可能

FCVから見たデメリット電気⇒水素(製造・高圧化)⇒電気でFCVのパスはエネルギーロスが大きい

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自然エネルギー起源で比較すると... (FCV v.s. BEV)

エネルギー消費率比較

車種 TtWエネルギー消費率 WtWエネルギー消費率

FCV 159.2 km/kgH2 3.0 km/kWh

BEV 10 km/kWh 7.6 km/kWh

水素製造時の水電解効率を上げ、水素充填時の消費電力量を下げること

今後のFCVの課題

FCVはBEVに比べWtWエネルギー消費率が約2.5倍(トップランナー比)

44

※TtWエネルギー消費率はトップランナー値

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WtW計算結果まとめ(自然エネルギー)

0

20

40

60

80

100

0 0.5 1 1.5

燃料電池車(水力発電オンサイト)

燃料電池車(風力発電オフサイト)

電気自動車(風力発電)

エネルギー消費率[MJ/km]

CO2排

出量

[gCO2/

km]

自然エネルギー適用でBEV,FCVともにCO2削減効果大

45

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作業部会立ち上げの経緯

作業部会のゴール

今回の作業部会での主な取り組み

WtTの解析結果

TtWの解析結果

WtWの解析結果

まとめ

目 次

46

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WtW計算結果まとめ

0

50

100

150

200

250

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

ガソリン車

ディーゼル車

ハイブリッド車

FCV

BEV

PHEV

2005年度

2010年度

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]

1km

走行

当たり

CO2排

出量

[g-C

O2/

km]

2005年に市販されていた車種についてはエネルギー投入量,CO2排出量が減り,性能が向上していることが確認できた

47

※1 2005年度と比較のため10-15モート結果で表示

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0

50

100

150

200

250

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

ガソリン車

ディーゼル車

ハイブリッド車

FCV

BEV

WtW計算結果まとめ(ポテンシャル)

1km走行当たり一次エネルギー投入量 [MJ/km]

1km

走行

当たり

CO2排

出量

[g-C

O2/

km]

・自然エネルギー・原子力発電比率向上

CCS導入

CCS導入,原子力発電比率増で劇的なCO2削減が可能であることを示せた

※1 2005年度と比較のため10-15モート結果で表示

48

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WtW計算結果まとめ

エネルギー投入量に差はあるが,FCVは様々なエネルギーパスでCO2削減のポテンシャルが高いことがわかった(エネルギー多様化にFCVは対応可)

燃料電池車は電気自動車と同レベルのCO2削減ポテンシャルがあることがわかった

化石燃料+CCSで水素製造すれば、豊富な燃料を供給でき、CO2削減を実現できる可能性を示せた

49

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まとめ

FCVを中心とした各種の高効率低公害乗用車の、我が国固有の条件を考慮し、専門家の評価,利用に耐えうる客観的な情報を収集,分析し、WtW 「総合効率」および「CO2排出量」 を算出

JHFC実証データに基づき、現状技術による「総合効率」および「CO2排出量」 を算出

【成果】

【今後】

取り組み結果を体系的に報告書にまとめ上げ、Web等で結果を公表(予定)

FCVの得意分野(中型・大型車)での検討が必要50