第330回 コレステロール塞栓症が疑われた腎不全急...

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142 北里大学病院CPC 北里医学 2018; 48: 142-145 330: コレステロール塞栓症が疑われた腎不全急性増悪の一症例 (2018.9.28) 佐野 (司会,主治医,腎臓内科),秋谷 昌史,梶田 咲美乃 (病理学)伊藤 恵以,稲木 秀英 (研修医) 臨床経過及び検査所見 症例: 76歳男性 主訴: 胸痛,呼吸困難,下肢痛 家族歴: 母親; 脳卒中 既往歴: 虫垂炎 (17) 嗜好: 不明 現病歴 50歳頃より高血圧,高脂血症,糖尿病で近医を通院 していた。X年○月○日頃から腹痛,便秘を認め,近 医を受診した。腹部レントゲンでニボーが認められ, 腸閉塞の疑いのため精査加療目的に○月○日に他院に 入院となった。S状結腸憩室による狭窄が原因と考え られ,保存的治療を行い改善したためX年○月○日に 退院した。 同年○月○日の夜,トイレに行った際に転倒した。 翌日より,両側大腿内側と下腿に疼痛が出現したため 救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルはJCS I-1血圧150/64 mmHg,脈拍数 102/minSAT 97% (RA)体温36.5℃だった。救急搬送中にモニターを装着した ところ心拍数 30/minを示し,呼吸困難が出現したため 当院へ緊急搬送となった。 入院時現症 意識: E4V5M6 体温: 35.2℃,血圧: 98/45 mmHg,脈拍数: 38/min 顔面: 眼瞼結膜貧血 (-),充血 (-),眼瞼結膜黄疸 (-) 頸部: 甲状腺腫大 (-),リンパ節腫脹 (-) 胸部: 呼吸音清,心音純 腹部: 平坦・軟,グル音 (減弱),圧痛あり,自発痛な 四肢: 浮腫 (-),両下肢末端側に網状皮斑あり,足背触知 (+) 入院時検査所見 : ; 18.3 × 10 3 / μl (; 82.3%好酸球; 1.0%,リンパ; 13.2%単球; 3.1%好塩基球; 0.4%); 3.72 × 10 6 / μl,血色素量; 10.5 g/ dlヘマ; 32.3%MCV; 86.8 fl,血小板 ; 34.6 × 10 4 / μl; 15,061/ μlリンパ; 2,416/ μl 凝固: PT-T; 10.8 secPT-INR; <1.00APTT; 33.1 secFIB; 579 mg/dl 生化: 総蛋白; 7.2 g/dlブミ; 3.1 g/dl総ビ; 0.2 mg/dl,尿素窒素; 99.7 mg/dlアチ ニン; 9.19 mg/dleGFR (18歳以); 5 ml/minAST; 27 U/lALT; 23 U/lフォスファター; 205 U/lLDH; 324 U/lCPK; 83 U/lCK-MB; <5 U/lアミラ; 60 U/l,血糖 (血清); 262 mg/dlHbA1c (NGSP); 6.9%総コステロール; 178 mg/dl浸透 ; 304 mOsm/kgトリウム; 123 mmol/l; 7.9 mmol/lクロール; 97 mmol/lシウム; 8.4 mg/dl無機リン; 7.8 mg/dlネシウム; 3.2 mg/ dlCRP定量; 8.80 mg/dl ガス: pH; 7.358PCO2; 18.9 TorrPO2; 98.4 TorrHCO3 - ; 10.4 mmol/lBE; -12.9 mmol/lLac; 48.3 mg/dl 免疫: IgG; 1,587 mg/dlIgA; 344 mg/dlIgM; 44 mg/ dlC3; 99 mg/dlCH50; 56 U/mlフェ; 1,177 ng/mlDNA; 2.0 IU/mlGBM; <2.0 U/ ml抗核抗ANA; <40CLβ 2GPI; 1.8 U/mlCL-IgG; 8 U/mlMPO-ANCA; <1.0 U/ml,ループス チコアント; 1.25PR3-ANCA; <1.0 U/ml 尿所見: 比重; 1.013pH; 7.0,タンパク質 (2+)ブド (1+)(-)ウロビゲン (+-)リル(-)トン体 (-)亜硝酸塩 (-),尿素窒素; 411 mg/ dlアチニン; 66 mg/dl浸透; 353 mOsm/kgトリウム; 56 mmol/lウム; 40 mmol/lクロ; 49 mmol/lNAG; 26.6TP/CRE; 1.48FENa; 6.34FEUN; 57.4TTKG; 4.36 画像所見 電図: 24 bpmRRP波消失ントTあり 下肢: 両下肢でDVT所見なし 腎血流超: 両側腎血で,部での腎 脈血拡張期途絶 循環器超: 体としてのcontraction問題なし,少量 の心!液貯留あり

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 北里大学病院CPC 北里医学 2018; 48: 142-145 

第330回: コレステロール塞栓症が疑われた腎不全急性増悪の一症例(2018.9.28)

佐野 隆 (司会,主治医,腎臓内科),秋谷 昌史,梶田 咲美乃 (病理学),

伊藤 恵以,稲木 秀英 (研修医)

臨床経過及び検査所見

症例: 76歳男性

主訴: 胸痛,呼吸困難,下肢痛

家族歴: 母親; 脳卒中

既往歴: 虫垂炎 (17歳)

嗜好: 不明

現病歴

 50歳頃より高血圧,高脂血症,糖尿病で近医を通院

していた。X年○月○日頃から腹痛,便秘を認め,近

医を受診した。腹部レントゲンでニボーが認められ,

腸閉塞の疑いのため精査加療目的に○月○日に他院に

入院となった。S状結腸憩室による狭窄が原因と考え

られ,保存的治療を行い改善したためX年○月○日に

退院した。

 同年○月○日の夜,トイレに行った際に転倒した。

翌日より,両側大腿内側と下腿に疼痛が出現したため

救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルはJCS I-1,

血圧150/64 mmHg,脈拍数 102/min,SAT 97% (RA),

体温36.5℃だった。救急搬送中にモニターを装着した

ところ心拍数 30/minを示し,呼吸困難が出現したため

当院へ緊急搬送となった。

入院時現症

意識: E4V5M6

体温: 35.2℃,血圧: 98/45 mmHg,脈拍数: 38回/min

顔面: 眼瞼結膜貧血 (-),充血 (-),眼瞼結膜黄疸 (-)

頸部: 甲状腺腫大 (-),リンパ節腫脹 (-)

胸部: 呼吸音清,心音純

腹部: 平坦・軟,グル音 (減弱),圧痛あり,自発痛な

四肢: 浮腫 (-),両下肢末端側に網状皮斑あり,足背動

脈触知 (+)

入院時検査所見

血算: 白血球数; 18.3 × 103/μl (好中球; 82.3%,好酸球;

1.0%,リンパ球; 13.2%,単球; 3.1%,好塩基球;

0.4%),赤血球数; 3.72 × 106/μl,血色素量; 10.5 g/

dl,ヘマトクリット; 32.3%,MCV; 86.8 fl,血小板

数; 34.6 × 104/μl,好中球数; 15,061/μl,総リンパ球

数; 2,416/μl

凝固: PT-T; 10.8 sec,PT-INR; <1.00,APTT; 33.1 sec,

FIB; 579 mg/dl

生化学: 総蛋白; 7.2 g/dl,アルブミン; 3.1 g/dl,総ビリ

ルビン; 0.2 mg/dl,尿素窒素; 99.7 mg/dl,クレアチ

ニン; 9.19 mg/dl,eGFR (18歳以上); 5 ml/min,AST;

27 U/l,ALT; 23 U/l,アルカリフォスファターゼ; 205

U/l,LDH; 324 U/l,CPK; 83 U/l,CK-MB; <5 U/l,

アミラーゼ; 60 U/l,血糖 (血清); 262 mg/dl,HbA1c

(NGSP); 6.9%,総コレステロール; 178 mg/dl,浸透

圧; 304 mOsm/kg,ナトリウム; 123 mmol/l,カリウ

ム; 7.9 mmol/l,クロール; 97 mmol/l,カルシウム; 8.4

mg/dl,無機リン; 7.8 mg/dl,マグネシウム; 3.2 mg/

dl,CRP定量; 8.80 mg/dl

動脈ガス: pH; 7.358,PCO2; 18.9 Torr,PO2; 98.4 Torr,

HCO3-; 10.4 mmol/l,BE; -12.9 mmol/l,Lac; 48.3 mg/dl

免疫: IgG; 1,587 mg/dl,IgA; 344 mg/dl,IgM; 44 mg/

dl,C3; 99 mg/dl,CH50; 56 U/ml,フェリチン; 1,177

ng/ml,抗DNA抗体; ≤2.0 IU/ml,抗GBM抗体; <2.0 U/

ml,抗核抗体ANA; <40,抗CL・β2GPI; 1.8 U/ml,

CL-IgG; ≤8 U/ml,MPO-ANCA; <1.0 U/ml,ループス

アンチコアグラント; 1.25,PR3-ANCA; <1.0 U/ml

尿所見: 比重; 1.013,pH; 7.0,タンパク質 (2+),ブド

ウ糖 (1+),潜血 (-),ウロビリノゲン (+-),ビリルビ

ン (-),ケトン体 (-),亜硝酸塩 (-),尿素窒素; 411 mg/

dl,クレアチニン; 66 mg/dl,浸透圧; 353 mOsm/kg,

ナトリウム; 56 mmol/l,カリウム; 40 mmol/l,クロー

ル; 49 mmol/l,NAG; 26.6,TP/CRE; 1.48,FENa;

6.34,FEUN; 57.4,TTKG; 4.36

画像所見

心電図: 24 bpm,RR整,P波消失,テント上T波あり

下肢静脈超音波: 両下肢でDVT所見なし

腎血流超音波: 両側腎血流は乏血流で,左腎門部での腎

動脈血流は拡張期途絶

循環器超音波: 全体としてのcontraction問題なし,少量

の心!液貯留あり

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下肢動脈超音波: 右後脛骨動脈に狭窄疑い,左前脛骨動

脈に閉塞疑い

胸部レントゲン: CTR; 54%,CP-angle sharp,肺野異常

陰影はなし

頸骨盤造影CT検査: 胸部大動脈shaggy aorta,粥状潰瘍

を認める。胸部下行大動脈に一部炎症性変化の可能

性があり小さな!状を認める。

入院後経過

 入院時より病歴,検査結果から,徐脈は慢性腎不全

急性増悪による高K血症が原因と考え,ペースメー

カー,カルチコール投与,GI療法を行った。翌○月○

日に自己脈が出現するようになったためテンポラリー

抜去となった。下肢痛に対しては,両側下肢に blue toe

を認めたためコレステロール塞栓症を疑い同日皮膚生

検を施行し,コレステロール塞栓症の診断となった。

また尿量低下を認めるようになったため○月○日に血

液透析を開始した。その後,尿量増加を認め,また血

液検査でもK上昇,アシドーシスを認めなかったため

○月○日に透析離脱した。また同日より38℃台の発熱

が出現し,尿培養検査でMRSAを認めたため○月○日

よりミノマイシンを開始した。○月○日に誤嚥を認

め,その後から頻呼吸となり,胸部Xp検査上,右下葉

に浸潤影,肺門部血管陰影増強を認め,誤嚥性肺炎を

契機とした心不全増悪が疑われた。禁食,輸液管理と

し,抗生剤をミノマイシンからゾシンへと変更,また

バンコマイシンも追加投与したが呼吸状態が悪化した

ためハイフロー療法 (HFT) を開始した。ラシックス投

与による除水を試みたが反応性に乏しく○月○日より

血液透析を再開した。その後は除水により,呼吸状態

も改善し○月○日にHFT離脱した。○月○日より再度

のWBC,CRP上昇をきたし,尿路感染症を疑われたた

めセフトリアキソンを開始したが,尿培養で真菌が検

出されていたため○月○日からファンガードに変更し

抗菌薬加療を継続した。○月○日より上腹部の疼痛を

認め,コレステロール塞栓による腸管虚血も疑われ,

禁食と輸液管理,抗生剤加療を行った。○月○日に体

幹部CT検査を施行したところ,腹腔内膿瘍を認め,そ

の後も抗生剤加療を継続したが徐々に血圧,意識レベ

ルが低下し,X+1年○月○日午前○時○分死亡した。

臨床診断

#1. コレステロール塞栓症

#2. 慢性腎不全急性増悪

#3. 尿路感染症

#4. 誤嚥性肺炎

#5. 敗血症ショック

#6. 腹腔内膿瘍

臨床上の問題点

・反復する腹痛,イレウスの原因

 前医でイレウスの原因はS状結腸憩室によるものと

されているが本例は皮膚生検でコレステロール塞栓症

と診断されており,イレウスへのコレステロール塞栓

症の関与があるのか。また,腹痛で腹腔内膿瘍の形成

が認められこれについてもコレステロール塞栓症の影

響があったのか。

・慢性腎不全の急性増悪の原因

 皮膚生検でコレステロール塞栓症が存在しており,

慢性腎不全の増悪原因として考えられるが,腎動脈の

狭窄や弓状動脈にコレステロールクレフトは存在して

いたのか。また入院後単純CTで胸部大動脈に粥状硬化

や潰瘍が指摘されていた。プラークが破綻した形跡は

あるのか。

・他臓器へのコレステロール塞栓症による影響の有無

はどうか。

病理所見

A. 主病変1. 腹腔内膿瘍,腹膜炎

 腹腔左側を中心とする小腸・結腸・腹膜・横隔膜の

強固な癒着を認める。割面上,腹腔内 (特に横隔膜直

下) に膿瘍形成を認め (図1A),腸管漿膜側に線維化,

炎症細胞浸潤を伴う。腸管穿孔を疑うも,穿孔部位は

断定出来ない。近傍には,コレステロール塞栓を散見

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図1. 腹腔内組織組織像 (H&E染色) (A: 膿瘍,B: コレステロール塞栓)

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する (図1B)。

2. コレステロール塞栓症

1) 既往検体

 XXX-YYYYY (皮膚生検): cholesterol crystal embolism

2) 剖検所見

①コレステロール塞栓

 腎 (図2),肝 (図3),脾 (図4),甲状腺,消化管,膵

の小血管にコレステロール塞栓を認める。腎,肝 (図

3D),脾では,小梗塞を多数伴う。

②Blue toe

3. 前立腺ラテント癌

 小領域にGleason score 3 + 4 = 7相当のadenocarcinoma

を認める。5 × 3 mm,pT1a,ly0,v0

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図3. 肝臓 (A: 肉眼像,B: 肉眼像 (割面),C,D: 組織像 (H&E染色))

図2. 腎臓 (A: 肉眼像,B: 組織像 (H&E染色))

図4. 脾臓 (A: 肉眼像,B: 組織像 (H&E染色))

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B. 随伴所見1. 血球貧食症候群。骨髄内に血球貧食マクロファージ

を多数認める (図5)。

2. 大動脈粥状硬化症,高度 (図6)。

3. 腎不全,心不全

1) 肺水腫,軽度

2) 腔水症 (胸水: 400 ml/550 ml,淡黄色。腹水450 ml,

黄色〜軽度混濁)

3) 諸臓器うっ血

4) 両下肢浮腫

5) 左室拡大

C. その他の所見1. 胆石症。

2. 気管支肺炎。

3. 身長160 cm,体重60 kgの一男性屍。

コメント

 剖検では,小〜細動脈内の至る所でコレステロール

塞栓を認めた (embolic shower)。諸臓器にもコレステ

ロール塞栓を認め,腎,肝,脾では梗塞に陥っており,

多臓器不全の状態であった。また,横隔膜下左側を主

体に腸管の頑固な癒着,膿瘍形成を認めた。穿孔部位

は特定できなかったが,コレステロール塞栓による腸

管梗塞・穿孔が疑われた。死因は多臓器不全と思われ

るが,腹膜炎・膿瘍が直接的に大きく関与していた。

司会者のコメント

 本例は,慢性腎不全急性増悪による高カリウム血症

で徐脈性不整脈に陥り,一時的なペースメーカーと高

カリウム血症の是正により徐脈性不整脈は改善した。

一方,入院時の造影CT検査の結果,大動脈に粥状硬化

病変が認められ,更に両足趾にはチアノーゼが認めら

れたことから腎不全急性増悪の原因としてコレステ

ロール塞栓症が疑われ,皮膚生検を施行した結果,コ

レステロール塞栓症の診断が確定した。腎不全に対し

ては血液透析導入の方針となったが,尿路感染症や肺

炎の合併などで病状が安定しないまま,突然の腹痛と

共に腹腔内膿瘍を形成し,抗生剤治療を継続するも回

復せず永眠された。

 剖検の結果,腎,肝,脾,消化管,膵,甲状腺の小

〜細動脈にコレステロール塞栓の多発を認め,腎,

肝,脾には梗塞巣もあり,多臓器不全の状態であっ

た。また,横隔膜下左側には膿瘍形成を認め,穿孔部

は特定出来なかったものの,コレステロール塞栓によ

る腸管梗塞,穿孔が疑われ,死因に大きく関与したこ

とが示唆された。

 コレステロール塞栓症の1年以内の死亡率は65%以上

に上るとの報告もあり,予後不良の疾患である。早期

に診断し保存的治療により改善する場合もあるとされ

ているが,根本的な治療法は未だ確立されていない。

また,コレステロール塞栓症は,本例の様に誘因なく

自然発症する場合もあるが,血管内カテーテル検査や

抗凝固薬投与などが契機となり発症することが多く,

高齢化社会や血管内カテーテル検査などが増えること

により今後の患者数増加が懸念され,臨床上注意すべ

き疾患の一つと考える。

図5. 骨髄組織像 (H&E染色)図6. 大動脈肉眼像