複合メディア環境における 「メディア・イベント」概念の射程 · スタジアムやスポーツ・カフェで,もともと無料で 視聴できるはずのテレビ中継を,有料で集団視聴す
私をもっと好きになる...7 私をもっと好きになる...
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私をもっと好きになる先生のためのワークショップガイド
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必要となる教材このワークショップで生徒たちは・・・
•• 作り上げられた理想の見た目と、それに対するプレッシャーがどこから来るのかを理解する
•• 広告や映画、ソーシャルメディアが発信するイメージやメッセージがどのように情報を操作しているかを考え、メディアへの理解を深める
•• 作り上げられた理想の見た目、それに対するプレッシャー、他人と自分を比較することに疑問を持ち、自分自身への自信を構築する
セッション教材
ワークショップガイド
ワークショップ プレゼンテーション
活動シート2枚 (生徒1人につき1セット)
ディスカッションカード (6人の小グループで1ページを使用する)
ディスカッションを促進するための参考映像
••‘ダヴ:ひとつ、変えてみよう’
「見た目を変えたい」という気持ちを持つことはとても自然で、誰もが経験することです。なぜ人々がそう思うのか疑問を投げかける映像です。•
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学習目標と教材
学校で用意するもの
生徒は一人1本ペンを用意する
プロジェクター、ホワイトボード
広告例男子・女子生徒両方に共感される広告を探しましょう。生徒の年齢をターゲットにした製品を有名人が宣伝しているものを2つ以上用意してください。
オプション:••
予備の紙フリップチャートとペン
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全体の概要
•• 画像はどのように加工されている?•• なぜ加工されて作られる?•• それはどんな問題につながる?•• 私たちに何ができる?
プロが作るメディアについて 30分 8ページ
ソーシャルメディア•• これから学ぶこと•• 周りの人と比較することでどんな問題が起きる?•• あなたやあなたの友人がソーシャルメディアにアップするものはどのように加工されている?•• それはどんな問題につながる?•• 私たちに何ができる?
10分 14ページ
ワークショップからの約束•• 今日学んだこと•• 自分から「変化」を起こそう!
5分 19ページ
合計時間:45分
10分 5ページ見た目に対するプレッシャーについて
•• 導入と基本ルール•• 見た目に対するプレッシャーとは?•• プレッシャーはどこからくる?•• メディアとは?•• ワークショップを通じて学ぶこと
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プロが作るメディア
生徒に、プロの作るメディアがエアブラシ、スタイリングなどの技術によってどのように加工されているか理解してもらいます。
>> プロのメディアが発信する画像やメッセージが理想の見た目に対するプレッシャーを作るもととなっていることを説明する。
>•「映像の加工」「情報の操作」はどのような意味があると思いますか?
>• メディアが発信する人々の画像はどのように加工・操作され、変えられていると思いますか?
>> 生徒を小グループに分け、左の画像を見せる。
>> 画像を見せている間に、各グループに6枚の話し合いカードの一枚を、机に伏せて配布する。
>> 配布が終わったら、生徒にカードに書かれた質問を読んでもらいます。画像を見ながら、生徒にその質問について話し合ってもらう。
>> 各グループの話し合いのポイントを順番に確認する。
このセクションを通じて、生徒にプロの作る画像やメッセージがいかに実際と異なり、どのように加工されているのかを知り、メディアへの理解を深めてもらいます。
また、他人と比較することをやめ、プロのメディアにより作られた理想の見た目に疑問をもつことで、理想的な見た目に対するプレッシャーに立ち向かう方法を身につけてもらいます。
20分
メディアでは人の見た目を変えるために編集したり、変更を加えたりしている。
エアブラシ、ライティング、メイクアップが効果的に使われ、何百枚もとった中から、数枚のベストな画像が選ばれている。
生徒の見た目や身体への自信を高めることへの効果が期待されます。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
ガイドの使い方
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5学習のねらい
このセッションを通して、生徒に達成してほしいこと
視聴覚教材とその目的
ワークショップを効果的にすすめるために
期待される生徒の反応
見た目・身体に自信をもつために、ワークショップを通じて生徒の理解が深まっているかを理解するのに役立ちます。
目安となる時間配分
学習の狙いを達成し、生徒に見た目・身体に関する自信を高めてもらうために、各セクションの重要性に合わせて設定された時間配分です。授業時間に合わせて調整ください。
その他
ワークショップの効果を最大化するためのアイディアとガイド3
先生へのガイド
斜字になっていない箇条書き項目は、ワークショップの重要なコンセプトが生徒にしっかりと伝わっているか確認するために有効な質問になります。
斜字で示された文章はワークショップを進めるための指示書になっています。
いつ映像を流すか、シートを使用するかはクラスの特性に合わせてアレンジしてください。
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生徒にワークショップについて理解してもらいます。
生徒にワークショップの基本ルールを理解してもらい、積極的に参加してもらいます。
このセクションを通じて、作り上げられた理想の見た目と、それに対するプレッシャーがどこから来るのかを話し合います。
•> ワークショップを紹介する
•> 協力的で、偏った判断をしない自由な環境をつくるための基本ルールを説明する
10分見た目に対するプレッシャーについて
このルールに協調できるようにぜひ時間をとって説明してください。必要に応じて、クラスに合う形にルールを調整してください。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション生徒に目を閉じてもらい、下記の質問をして手を挙げてもらうエクササイズも効果的です
見た目・身体に対する自信が何を意味するかわかりますか?
自分の見た目・身体に対する自信をどうやったら高められるか知っていますか?
手を高く挙げる生徒ほど、より自信を持っていることがわかります。これらの質問をセクションの最後に行うことで、生徒の理解がどれくらい進んでいるかがわかります。
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時間をこえて変化する「理想の見た目」について説明してください。生徒に「美しさ」「魅惑的」「魅力的」とされる見た目が常に変化するものであり、時代や国、文化によって異なることを理解してもらいます。そして、自分たちが今の時代の理想の見た目に近づくことにプレッシャーを感じていることに気づいてもらいます。
>> >画像を見せる。••• 何を感じましたか?
•> •違いを見つけるように促す。•• どのような違いに気づきましたか?
•> •すべての画像は、その時代時代に理想の見た目(美しい、魅惑的、魅力的)とされていたものであることを説明する。•• •すべての画像は理想の見た目を表しているのにも関わらず、すべて違うように見えるのはなぜでしょう?どうして同じ見た目ではないのでしょうか?
•• 現代でも、私たちは一つの理想の見た目を持ち、それを目指さなくてはいけないというプレッシャーに直面していると思いますか?
生徒に画像の違いについて、具体的にコメントしてもらう。
画像の中の違う部分に注目するように、生徒を促す。
理想の見た目とは
•歴史の中で、それぞれの時代に違う人々を表している。
理想的な見た目とは様々であり、時代、国、文化により変化している。決して同じままではない。
画像の違いを指摘する。例えば:細いウエストと曲線的な身体、フォーマルな服装とカジュアルなシャツ
はい、私たちは今もプレッシャーを感じています。
生徒に美しく、魅力的な見た目であることへのプレッシャーが社会、メディア、家族、友達、仲間など様々な要因から生じていることを理解してもらいます。
•> •まず、クラス全体での話し合いをし、•1〜2人の生徒に質問に答えてもらう。•• •美しくなくてはいけない、魅力的でなくてはいけないというプレッシャーはどこからくると思いますか?
•• •どのような見た目であるべきかという概念は何をみて、何を聞いて作られると思いますか?
社会
メディア
家族
友人
仲間
その時代、文化にも現れる理想の見た目のこと。
見た目に対するプレッシャー
美しく、魅惑的、魅力的に見えるように理想の見た目を実現しなくてはいけないと感じるプレッシャーのこと。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
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生徒に「メディア」とは何なのかを考えてもらいます。メディアの種類をリストアップし、それらを「プロの作るメディア」と「ソーシャルメディア」の2つのカテゴリーに分類してもらいます。
•> •各生徒に一人ずつメディアの例を挙げてもらう。どれくらいの数の例がでてきましたか?
•• どのようなメディアの例を思いつきますか?
•> 生徒の答えを黒板に記録する。
•• メディアのうち、どれがプロの手によって作られたものでしょうか?
• 自分や友達が作るメディアはどれでしょうか?
映画、テレビ番組、広告、特定のソーシャルメディアサイト、雑誌などのメディアの例
TEACHER ACTIONS DESIRED RESPONSES WORKSHOP
生徒に、言葉や写真、動画もメディアの一つであることに気づかせる。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
生徒に、見た目に対するプレッシャーを作り上げるもととなるメディアについての理解を深めてもらいます。
•> 今日生徒が何について学ぶのかを説明する。
写真、ビデオ、コメント、自撮り画像、ポスト・投稿(ソーシャルメディアサイトにみられる)
TV番組、映画、音楽のPV、広告,ゲーム
プロが作るメディア
TV番組、雑誌、広告、映画、音楽PVなどを通じてコミュニケーションを図る、企業や会社が作る画像、メッセージ、動画
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアサイトを含め、自分自身や、友達によって作られる画像、メッセージ、動画
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プロが作るメディア
生徒に、プロの作るメディアがエアブラシ、スタイリングなどの技術によってどのように加工されているか理解してもらいます。
•> プロのメディアが発信する画像やメッセージが理想の見た目に対するプレッシャーを作るもととなっていることを説明する。
••「映像の加工」「情報の操作」はどのような意味があると思いますか?
•• メディアが発信する人々の画像はどのように加工・操作され、変えられていると思いますか?
•> 生徒を小グループに分け、左の画像を見せる。
•> 画像を見せている間に、各グループに4種類の話し合いカードの一枚を、机に伏せて配布する。
•> 配布が終わったら、生徒にカードに書かれた質問を読んでもらいます。画像を見ながら、生徒にその質問について話し合ってもらう。
•> 各グループの話し合いのポイントを順番に確認する。
このセクションを通じて、生徒にプロの作る画像やメッセージがいかに実際と異なり、どのように加工されているのかを知り、メディアへの理解を深めてもらいます。
また、他人と比較することをやめ、プロのメディアにより作られた理想の見た目に疑問をもつことで、理想的な見た目に対するプレッシャーに立ち向かう方法を身につけてもらいます。
20分
メディアでは人の見た目を変えるために編集したり、変更を加えたりしている。
エアブラシ、ライティング、メイクアップが効果的に使われ、何百枚もとった中から、数枚のベストな画像が選ばれている。
生徒の見た目や身体への自信を高めることへの効果が期待されます。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
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生徒に、広告画像がどのように加工され、情報が操作されているかに気づいてもらいます。ヘアスタイルがセットされてメイクアップもしっかりほどこされ、プロのライティングが使われます。何百枚もの写真から一枚選ばれて、顔のしみやニキビが取り除かれ、肌の色、髪のツヤ、歯の白さが加工され、目の大きさやまゆ毛の位置、首の長さまでも手を加えられる。そういう操作が一般的に行われています。その中で、そういったメディアの中の画像と、自分自身を比べることが、どれほど無意味で非現実的なのかを説明できるようになります。
1.広告作成プロセス中で驚いたこと、非現実的だと思ったこと、好ましくないと思ったことはありましたか?それはどのようなことでしたか?
2.このような変化をみることで、どのように感じましたか?
3.あなたは広告の中の非現実的な画像を、不公平で誤解を生むものだと思いますか?それはなぜでしょうか?
4.プロのメディアが発信する加工・操作された画像と自分や自分の友達を比較することは、非現実的で不公平だと思いますか?それはなぜでしょうか?
最初に出てきたモデルと、広告の写真があまりにも違って、大きな変更を加えられていることに驚いた。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション話し合いカードはセッションの中でいろいろな視点をもたらすいい機会になります。カードをきって、グループに机に伏せて渡してください。配り終わったら、生徒にカードを表に向けてもらってください。
普通の・一般のモデルではない人には、完璧に見せてくれるためのメイクアップアーティストやヘアスタイリスト、プロの写真編集者達はいないので、一般の人とメディアの人を比べるのはおかしい。
人々は加工や操作前の画像をみることはないので、メディアが見せているものが本当だと思ってしまう。
今まで騙されて、勘違いさせられてきたことに驚き、怒りを感じる。
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•> 広告が作られるプロセスをスライドに要約し、共有する。•
•> クラス全体に最後の質問を投げかける。
•• 作られたメディアの画像と自分自身を比較するべきではないと友達に説得するのに、どのように言えばいいと思いますか?
•> 生徒に「プロの作るメディアに対しての意識を変える」ことを約束してもらう。クラス全体で投票してもらう。
•• では、今日学んだことに対して、何をしたいと思いますか?プロが作るメディアに対しての意識を変えることを約束できる人は手を挙げてください。
メディアの画像は現実のものとは違い、注意深く作られ、加工されている。そういった画像と比較するのは無意味である。どの程度メディアで加工編集がされているかインターネットで調べてみよう。「現実の人々」をみて、一人一人がどれくらい違っていて、個性があることを再確認し、それがどれだけ素晴らしいことなのか感じよう。
生徒に、プロの作るメディアがエアブラシ、スタイリングなどの技術によってどのように加工されているか理解してもらいます。
生徒に、プロの作るメディア(特に広告)は製品やサービスを売るために作られた理想の見た目を表していることに気づいてもらいます。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
スライドと一緒に、選んだ広告を見せてください。2ページの用意するものリストに広告の種類に関する詳細が書かれているので、参照してください。
•> プロの作るメディアで画像がいかに加工され、操作されているかを見たが、同時にそこにはメッセージが一緒につけられていることを説明する。
> クラスに広告を見せる。
•> すぐに重要な質問をそれぞれの広告に対して行い、クラス全体に回答を求める。
投票することは、生徒にメディアの利用の仕方、メディアに対する意識を変えることを約束してもらうことに役立ちます(例えば、メディアのイメージと自分を比較しない等)。個人レベルで約束をすることは個々人の考え方や行動を変えるのに役立ちます。
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•• この広告では何を売りこんでいますか?
• 誰に向けての広告でしょうか?
• なぜこの広告では、このような人を起用しているのでしょうか?
• なぜ広告の人を加工して理想的に見せているのでしょうか?
•• この広告で伝えていることはどのようなメッセージでしょうか?
•> 2つ目の広告に対して、同じ質問を繰り返す。
少なくとも2つの広告に対して、どのような意図でこの広告が作られているのか考察するのに十分な時間を与えながら、すべての質問に答えてもらってください。
生徒に、広告の多くは広告の中の人と自分自身を比較するように作られていることに気づいてもらいましょう。広告は多くの場合非現実的で加工・操作された画像を使っているにも関わらず、製品を使用することでその理想に近づけるというメッセージを暗示しています。
生徒の反応は選んだ広告によって変わります。•広告に出ている人は魅力的な見た目でこの製品のターゲットになる人たちに人気の人である。
製品をうるための広告はその製品(例えば、髪のトリートメントやニキビ用クリーム)が広告でうたっている機能性があるとみせるため、または理想的なライフスタイルを達成するのに効果的だと思わせるために作られている。
•この広告のメッセージは「この製品を買えば、理想の見た目に近づける、または理想的なライフスタイルに近づける」ということである。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
生徒に、自分自身や友達の見た目をメディアの画像と比較することは最終的に否定的な結果をもたらすことに気づいてもらいます。
•> 生徒にペアになってもらい、考えて、意見を交換するように伝える。生徒が自分一人で考える時間を与えずに、まず質問を投げかけ、ペアで話し合いをしてもらい、クラス全体に共有してもらう。
•• あなたと同年代の人がこの加工・操作された画像を見たら、自分自身をどのように感じると思いますか?
•> クラスの意見を黒板に書く。
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•• なぜ気分を害する人がいるんだろう? 悲しくなり、自分は価値がないもののように思え、不安で自分は十分ではないと思ってしまうから。•
メディアの画像と自分の見た目を比較しないのは難しい。比較することで理想の見た目とのギャップを感じ、嫌な気持ちになる。実はその画像は加工され、操作されたものであることを知ると、騙された気持ちになり、達成できないものを目指していたことに気づき、嫌な気持ちになる。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
生徒に下記を実感してもらいましょう。変化する理想の見た目を追い続ける必要はない。みんな同じ見た目になることを目指すのは決していいことではない。他人と比較するよりも、自分の個性をみとめそれを大切にすることが素晴らしいことである。
生徒に「作り上げられた画像に疑問を持ち、立ち向かうことは変化の約束のために大切なステップである」ことに同意する場合は挙手してもらってください。
加工されて、操作された画像は本物ではないにも関わらず、それと自分の見た目を比較して嫌な気持ちになってしまうので、作り上げられたイメージに立ち向かうべきだ。広告は作られた理想をみせることで、その製品やサービスを買わせようとしている。
生徒は下記のようなアイディアをあげるかもしれません。雑誌の中で宣伝されている製品を買わない、友達に広告は偽物で誤解を生むものであると伝える、製品を使用するのをやめる、苦情の手紙を企業やメディア機関に対して書く、適切な広告を出している製品を買う、等々。
•> クラスで投票を行う。
•• メディアに加工・操作された画像に対して立ち向かう必要があると思う人は手を挙げてください。なぜそう思いますか?
•> 生徒の意見を黒板に書く。
•• 理想の見た目を強調するようなプロのメディアに賛同できないことを示すために何ができるでしょうか?
•> 生徒にペアで話し合いをしてもらう。
生徒に、プロのメディアによって作られる理想的な見た目に対するプレッシャーに立ち向かう方法を考えてもらいます。まず、何ができるのか、そして比較するプロセスを見直すことで、メディアに対してより批判的・懐疑的な見方ができるようになります。
例を共有するのも効果的です。アメリカで14歳のジュリアがオンラインで嘆願書をつくった結果、人気のあるティーン向け雑誌がモデルの身体や顔を加工しないということを約束しました。
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生徒がこれまで何を学んだかをまとめ、次に何を学ぶのかを伝えます。
このセクションの最後には、日々の生活の中で、他人と比較することをやめ、見た目に対するプレッシャーに打ち勝つことを学びます。
ソーシャルメディアがいかに加工・操作されていてるのかを理解し、自分自身に自信を持てるようになります。
•> 1〜2人の生徒に代表して学んだことを話してもらう。
•> これから何を学ぶのか説明する。
10分ソーシャルメディア
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション 生徒がこれまでに学んだことを確認し、進捗を理解しましょう。「ソーシャルメディア」の定義に関して再度確認するのも効果的です。
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誰しも他人と見た目を比較してしまいがちだが、実はそうすることで気持ちが沈んでしまうことがあることを理解してもらいます。
•> 人はメディアにでてくる画像と自分を比較するだけではなく、日々の生活の中でも比較していることを説明する。
> ‘ダヴ:ひとつ、変えてみよう’の映像を流す。•https://youtu.be/BiAIu97VhhA
•• 映像の中で、どのように私たちは自分を他人と比較していますか?
•• 人と見た目を比較することにどのような影響があると思いますか?
•> 簡単に投票を行う。
•• ソーシャルメディアの中での見た目へのプレッシャーを減らしたいと思う人は手を挙げてください。
気持ちが落ち込むこともあるし、誰も幸せにならない、無意味なことだと思う。みんな自分にないものがほしいから。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション メディアであれ、日常生活であれ、自分と他人を比較するのはとても自然なことであることを説明する。生徒に、比較することは、誰も幸せにせず、自分の見た目に満足が得られるわけでもないので、非常に無意味だということを納得してもらい、それに応じた反応を引き出す。
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生徒に、ソーシャルメディアで自分自身や友人が作った画像は加工・操作されている可能性があることを理解してもらいます。
•> 生徒のソーシャルメディアが見た目に対するプレッシャーの原因になり、他人との比較を助長するものであることを説明する。•
•> 生徒に目を閉じてもらい、考えてもらう。
•• あなたや友達、一般的な若者はソーシャルメディアの中でどのように画像を加工・操作しますか?
•> 生徒に手をあげてもらう、もしくは発言してもらう。
•> 出てきた意見を黒板に書く。
•> 生徒に目を開けてもらい、何か漏れている項目があれば追加してもらう。
•• あなたや友達がシェアするソーシャルメディアは実際のリアルな日常生活を表していると思いますか?
自撮りの角度、フィルターの使用、特定の写り方、写真を選択してベストなものを選ぶ、見た目のうつりの良さを基準に選んでいる・・・等の答えが予測されます。
これらの画像は現実的ではなく、修正されている可能性があります。また、日常生活とは違い、注意深く選んだ生活のごく一部を表しているにすぎません。
生徒に目を閉じてもらうことで、自意識を減らすことができます。
できるだけたくさんの答えを挙げてもらうことで、理解を深められます。
「プロの作るメディア」の中で生徒が挙げた加工・操作の方法と比較することで、ソーシャルメディアの中でどのように画像、動画、メッセージを使うかを再考させるきっかけになります。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
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生徒に、ソーシャルメディアがいかに見た目へのプレッシャーをつくりあげ、自分自身を否定的に捉えたり、見た目を過剰に意識させるかに気づいてもらいます。•
実際の日常生活を表していない、非現実的なソーシャルメディアの世界と、自分自身を比較することは無意味であることを理解してもらいます。
•> 小グループで話し合いをさせる。質問を投げかけ、最初にグループで話し合いをしてもらい、その後クラス全体に共有してもらう。
•• ソーシャルメディア上の画像を見たとき、どのような気持ちになりますか?
•• 画像をみることで、自分の見た目に関して、どのように感じるでしょうか?
•• 自分の見た目とソーシャルメディア上の画像を比較することで、なぜ嫌な気持ちになるのでしょうか?
プロが作るメディアと同様、悲しい気持ちになり、自分に価値がないような気持ちになる。
生徒にソーシャルメディア上の画像は加工・操作されているので、それと比較することは気持ちを落ち込ませたり、とても危険なことであるということを理解できるように促す。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
ソーシャルメディア上の画像よりも実際が劣っていると感じてしまう。自分自身や中身よりも見た目が一番大切だと思ってしまう。
ソーシャルメディア上の画像と現実は違うので、嫌な気持ちになったり、どうして違うんだろうと考えてしまう。
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私をもっと好きになる
生徒にソーシャルメディアから生まれる見た目へのプレッシャーに打ち勝つ方法を考えてもらいます。
•> 他人と見た目を比較することがどれだけ危険であるかを理解してもらい、ソーシャルメディアから生まれる見た目へのプレッシャーにどのように立ち向かうか考えさせる。それにより、見た目の比較をすることから離れることができる。
•> クラスで投票を行う。
•• 自分たちで作る・使うメディアの中で、「人からこう見られるべきだ」という見た目に対するプレッシャーを減らすべきだと思う人は手を挙げてください。
•> まずクラス全体でアイディアをだす。その後にペアになってもらい、メモを取りながらディスカッションを進めてもらう。最終的には活動シート1に個別にメモをとってもらう。
•> 何組かのペアにそれぞれのアイディアをクラス全体に発表してもらう。
アイディア例:もっと生活の中でのいろいろなシーンをあげる。例えば、一番写りのいいもの、一番楽しんでいるところ、かっこいい場所にいったところ、ちょっとアートな写真等。いつもベストなものをあげるのではなく、もっと思い付きで何気ない写真をあげる。友達があげた写真に見た目ではなく、それぞれの特徴をほめるようなコメントをする。否定的なコメントやからかうようなコメントには擁護するコメントをする。•
人が見た目だけに固執しなくなる。友達もすべての画像が完璧である必要はないことを理解してくれて、オンラインでサポートしてくれる。ソーシャルメディア上の見た目と実際の自分を比較しなくてよくなる。非現実的な理想の見た目を追求しなくてもよくなり、気持ちが楽になる。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
行動を起こすため、変化を生み出すための彼らの役割を認識してもらうために、挙手をしてもらうことはとても重要なステップになります。
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ワークショップからの約束
生徒に今日のセッションから学んだことをシェアしてもらう。
このセクションを通じて、生徒に、今までの学びをいかし、容姿への自信を持つために一つの具体的な行動をとることを約束してもらいます。
ワークショップを通じて、下記を身につけます。••• 広告や映画、ソーシャルメディアの中でいかに画像やメッセージが現実からかけ離れたものであるかを知り、メディアの理解を深める。•• 広告に出てくる画像の多くは、製品やサービスの購入を促進するために非現実的な理想の見た目を見せているので、その画像と自分を比較することは無意味であることを理解する。••• 理想の見た目を打ち出すメディアの画像やメッセージに立ち向かい、否定する方法を生み出す。
•> •ワークショップを通じて学んだことを数人の生徒に発表してもらう。•
•• 今日どのようなことを学びましたか?
•> •スライドの中の重要な学習ポイントを読み上げてもらい、何か見落としている部分がないか確認する。
5分
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
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私をもっと好きになる
生徒に、今日学んだことをもとに起こす行動を「自分の約束」として作成してもらうことで、自分や周りの人の容姿への自信を高める行動をとることを促進する。
•• あなたや、あなたの友達が受けている見た目に対するプレッシャーに対して、どのような行動がとれると思いますか?
•> 1〜2人の生徒に意見を言ってもらう。
•> このセッションを通じて、行動を起こそうと思うこと、変えようと思うことを一つ考えてもらい、個別に活動シート2に記入してもらう。
•> 1〜2人の生徒に発表してもらう。
•> ワークショップに参加した生徒に感謝の気持ちを伝える。
•> 今日得た知識や理解したことを、今日から生活の中で活かすようにアドバイスする。
生徒のアイディアは多岐にわたるでしょう。例えば:プロの作るメディアの使い方を変える。ソーシャルメディアの使い方を変える。理想の見た目の存在を認識し、立ち向かう。
生徒に「自分の約束」は実際にアクションに落とせるように、具体的でシンプルなものにするように促す。
可能であれば、このセッションで取り扱ったことに関して、残って、または別の機会を設けて生徒と話すのも効果的です。
先生へのガイド 期待される生徒の反応プレゼンテーション
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私をもっと好きになる
私をもっと好きになる:自分の容姿に対する自信を高めるワークショップで行われた話し合いは、学校全体、ひいては生徒や先生の家庭での生活にも影響を与えます。生徒のさらなる理解を促進し、先生や保護者の方の理解を深める教材を、dove.com/selfesteemに掲載させていただいておりますので、ご一読ください。
最後に
self-esteem project
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