5.振幅変調(AM)・周波数変調(FM)に関する実験moriya/class/5SCE_Exp/...H30...

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H30 年度エレクトロニクス応用実験 5.振幅変調(AM)・周波数変調(FM)に関する実験 1. 目的 振幅変調および周波数変調された信号を発生させ、被変調信号波の観測やそのスペクト ルの測定を通して、変調に重要な特徴量を明らかにする。 2. 変調(modulation)の目的 放送や無線通信では、信号をより高い周波数の信号波に乗せて電波で送る。この波を搬 送波という。その結果、情報を含むこれらの信号の周波数帯域は、周波数軸上で高域にシフ トすることとなり、これによりアンテナ長を短くすることができる利点が生まれる。また、 用途によってさまざまな変調方式が考案されている。変調方式によって、使用する帯域ある いは伝送する信号の品質に差がある。本実験では、伝統的かつ基本的な変調について取り扱 う。 3. 振幅変調(Amplitude Modulation(1)AMAmplitude ModulationAM 変調は情報(信号)を搬送波の強 弱で伝達する変調方式である。この変 調方式は、送信したい情報(入力アナ ログ信号)を、搬送波の振幅方向の強 弱を利用して伝送するものである。 AM 変調は、最も基本的な変調方式 である。用途として代表的なのは、 AM ラジオ放送や VHF/UHF 航空無 線、アマチュア無線、短波業務無線等 である。現在はサービスが停止した が、地上波アナログ・テレビ放送(映 像信号)も AM 変調を採用していた。 AM 変調の利点は、送信機や受信機の回路構成が比較的簡単な点にある。このため、小 型化や低コスト化が比較的容易である。その一方で欠点もある。ノイズに弱く、高い音質 が得にくいことである。 (2)AM の理論 搬送波および信号をそれぞれ vc および vs とすれば、それらを次式のように書き表すこと ができる。 t V v C C C cos (1)

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H30 年度エレクトロニクス応用実験

5.振幅変調(AM)・周波数変調(FM)に関する実験

1. 目的

振幅変調および周波数変調された信号を発生させ、被変調信号波の観測やそのスペクト

ルの測定を通して、変調に重要な特徴量を明らかにする。

2. 変調(modulation)の目的

放送や無線通信では、信号をより高い周波数の信号波に乗せて電波で送る。この波を搬

送波という。その結果、情報を含むこれらの信号の周波数帯域は、周波数軸上で高域にシフ

トすることとなり、これによりアンテナ長を短くすることができる利点が生まれる。また、

用途によってさまざまな変調方式が考案されている。変調方式によって、使用する帯域ある

いは伝送する信号の品質に差がある。本実験では、伝統的かつ基本的な変調について取り扱

う。

3. 振幅変調(Amplitude Modulation)

(1)AM(Amplitude Modulation)

AM 変調は情報(信号)を搬送波の強

弱で伝達する変調方式である。この変

調方式は、送信したい情報(入力アナ

ログ信号)を、搬送波の振幅方向の強

弱を利用して伝送するものである。

AM 変調は、最も基本的な変調方式

である。用途として代表的なのは、

AM ラジオ放送や VHF/UHF 航空無

線、アマチュア無線、短波業務無線等

である。現在はサービスが停止した

が、地上波アナログ・テレビ放送(映

像信号)も AM 変調を採用していた。

AM 変調の利点は、送信機や受信機の回路構成が比較的簡単な点にある。このため、小

型化や低コスト化が比較的容易である。その一方で欠点もある。ノイズに弱く、高い音質

が得にくいことである。

(2)AM の理論

搬送波および信号をそれぞれ vcおよび vsとすれば、それらを次式のように書き表すこと

ができる。

tVv CCC cos (1)

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tVv SSS cos (2)

また、被変調波(変調された搬送波)vaを次式で表わす。

tVv CCa cos' (3)

AM では、搬送波の振幅を信号の時間変化に合わせて変化させる(搬送波の振幅を信号で変

調する)。いま、変調された搬送波すなわち被変調波を vaとし、その振幅を VC’とする。

tVkVV SSaCC cos' (4)

これを(3)式に代入する。

ttmV

ttkVVv

CSaC

CSSCa

cos)cos1(

cos)cos(

(5)

ここで、k は比例定数であり、次式で定義される変調度 maを用いている。

C

Sa

V

Vkm (6)

この被変調波(変調された搬送波)vaの波形を図 1 に示す。

図 1 において、キャリアの振幅

が信号 vs によって時間的に緩やか

に変化しているのがわかる(信号は

非変調波の包絡線に相当する)。信

号の情報はこのキャリアの振幅の

時間変化に転換されているとみな

すことができる。

変調度 maが小さい場合は、被変調

波 va に含まれる信号成分は少な

く、ma=1(ma=100%)のときに最大

になる(0<ma<1)。

図 1 AM 信号波形(被変調波)

(4)式の maの定義と図 1 で定義される電圧幅 A および B の関係から、次式が成立する。

BA

BAma

(7)

式(3)の右辺を展開すれば、次式を得る。

tmV

tmV

tV

ttmVtV

ttmVv

SCaC

SCaC

CC

CSaCCC

CSaCa

)cos(2

)cos(2

cos

coscoscos

cos)cos1(

(8)

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図 2 に(1)式、(2)式、および(7)式で示される各信号のスペクトルの模式図を示す。

図 2 信号、搬送波および被変調波の周波数成分(AM)

被変調波に含まれる各信号成分の電力 P は、各成分の実効値の二乗に比例する(交流回路

における高調波の電力と同様である)。これより次式が成立する。すなわち、

222

22

1

22

1

2

CaCaC VmVmV

P (9)

まとめると表 1 のようになる。この表では抵抗分を 1とした相対電力を表しているが、各

成分の相対的な電力を求める場合にはこれが問題とはならない。

表 1 AM 波の電力(相対値)

下側帯波 P1 搬送波 PC 上側帯波 P2

2

22

1

CaVm

2

2

CV

2

22

1

CaVm

搬送波電力に対する側帯波電力の割合

2

212

//

a

CC

mPPPP (10)

一方、各電力を単位 dBm で求めると次のようになる。

mW1log10 1

_1

PP dBm 、

mW1log10 2

_2

PP dBm 、

mW1log10_

CdBmC

PP

よって 𝑃𝐶‐𝑑𝐵𝑚 − 𝑃1−𝑑𝐵𝑚=10log𝑃𝐶

𝑃1 (11)

が成立する。搬送波と側帯波の電力(単位 dBm)を比較、すなわち(9)式および(10)式から

変調度が求められる。

表 2 AM に関連する特徴量

信号周波数 搬送波周波数 変調度

fS fC ma

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周波数変調(Frequency Modulaton)

(1)FM(Frequency Modulation)

FM 変調は情報を搬送波の周波数の

変化で伝達する変調方式である。この

変調方式も AM 変調と同様に、最も基

本的な変調方式の 1 つで、応用分野は

広い。FM ラジオ放送や、アマチュア無

線、ワイヤレス・マイクロフォン、消防

無線、タクシー無線などの用途で使わ

れている。この他、現在はサービスが

停止している地上アナログ・テレビ放

送でも、音声伝送に FM 変調が使われ

ていた。

FM 変調の最大のメリットは、外来

ノイズ(雑音)の影響を受けにくい点にある。仮に、伝送信号に振幅方向のノイズがのっ

てしまっても、その影響を内部回路で除去できる。さらに、変調に利用する周波数の変化

(周波数偏移)を大きく設定すれば、ダイナミック・レンジ*や占有帯域幅が広がり、信

号対ノイズ比(SN 比)を高くすることができる。この結果、伝送信号の品質をさらに高

められる。FM ラジオ放送の音質が AM ラジオ放送に比べて高く、ワイヤレス・マイク

ロフォンに採用されたりしている。

(*)ダイナミックレンジ(dynamic range):識別可能な信号の最小値と最大値の比率を

いう。 信号の情報量を表すアナログ指標のひとつである。

(2)FM の理論

搬送波および信号をそれぞれ vcおよび vsとすれば、それらを次式のように書き表すことが

できる。

tVv CCC sin (12)

tVv SSS cos (13)

FM ではこの搬送波周波数を信号で変調する。すなわち、 (12)式の位相(角)Ct だけ

が、(13)式によって決定される点に注意せよ。よって、被変調波(変調された搬送波)vf

は次式で表わすことができる。すなわち、fは定数ではなく時間の関数となる。

)(sin)(sin tVttVv fCfCf (14)

一方、各周波数f はキャリアの各周波数を中心に信号の瞬時値に比例した分だけ変化され

るのが FM となる。すなわち、

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tt SCf cos)( (15)

と書き表せる。ここでは、fがCを中心に最大に変化する幅に相当する点に注意す

る。位相角の時間変化は各周波数に等しい、すなわち、

fdttd /)( (16)

より

tt

tt

dtt

dttt

S

S

C

t

S

S

C

t

SC

t

ff

sin

'sin'

')'cos(

')'()(

0

0

0

以上のことから

ttVv S

S

CCf

sinsin (17)

が求められる。

ここで、変調指数 mfを定義する。すなわち、

SS

ff

fm

(18)

を用いれば、

tmtVv SfCCf sinsin (19)

が得られる。mfが大きいほど信号の S/N 比が向上するが、占有する帯域は広くなる。

次に、(18)式から FM 波(周波数変調された搬送波)の周波数成分を求める。

(18)式より

)sinsin(cos)sincos(sin tmttmtVv SfCSfCCf (20)

一方、第一種ベッセル関数 Jn(x)について、次式が成立する

tnmJtm S

n

fnSf cos)()sincos(

(21a)

tnmJtm S

n

fnSf sin)()sinsin(

(21b)

また、第一種ベッセル関数には次式で表わされる性質がある。すなわち、

)()( xJxJ nn (22)

が成立する。

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tnmJV

ttntntnmJV

ttnmJtntnmJVv

SC

n

fnC

CSCS

n

fnC

CS

n

fnCS

n

fnCf

)sin()(

cossinsincos)(

cossin)(sincos)(

(23)

vfの周波数成分は、Cを中心にS間隔で無数の側帯波を生じることを意味する。

図 3 被変調波の周波数成分(FM)

式(23)に示されるように理論上は、vf の伝送には無限大の帯域幅が必要となる。しかし

ながら、ベッセル関数 Jn(x)は x≫1 のときほぼ零とみなすことができるため、有限の帯

域幅を考えることができる。これれを占有帯域幅 Bといい次式で表わされる。

)1(2

)(2

fS

S

mf

ffB

(24)

Bには、搬送波および側帯波それぞれの電力の総計の 99%含まれる。

表 3 FM に関連する特徴量

信号周波数

(変調周波数)

搬送波周波数 最大周波数

偏移

変調指数 占有帯域幅

fS fC f mf 2fS(1+mf)

mfが与えられれば、各周波数成分の電力(相対値)については AM の場合と同様に求め

ることができる。すなわち、式(23)に含まれる各成分の振幅の二乗(ベッセル関数 Jn(mf)

の二乗)に比例する。

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0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

J n(x

)

x

J0(x)

J1(x)

J2(x)

J3(x)

J4(x)

J5(x)

J6(x)

J7(x)

J8(x)

J9(x)

図 4 第一種ベッセル関数 Jn(x)

【FM 信号のスペクトルを描く演習】

設定した変調指数 mfについて、キャリア(搬送波)の振幅 VCを 1 としたときの、vfの周

波数成分を下図に描け。

※(注意)縦軸は電力ではなく電圧となる。電力のスペクトルを求める場合には、電圧の

二乗をとればよい。

周波数成分の大きさ

C

S

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4. 使用機器

・2 現象観測デジタルオシロスコープ

KEYSIGHT DSO1072B

・低周波発振器

LEADER LAG-120B

・ファンクションジェネレータ

NF 回路設計ブロック WF1947

・スペクトラムアナライザ

HEWLETT PACKARD 8590L

【注意】

スペクトラムアナライザは大変重いため、棚からの出し入れや移動の際には十分に周り

や足元に注意すること、また、高価な機器なので取り扱いには十分注意すること。

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5. 実験手順(AM)

Ⅰ)図 5 を参考に機器の接続を行う。

図 5 接続図

※T 型コネクタは機器と一緒に保管する。

※オシロスコープの接続には BNC 用のアダプタを使用すること。

Ⅱ)信号波(変調波)の設定を行う。低周波発振器の出力をオシロスコープで測定し、

出力電圧の振幅が±1V になるように設定を行う。周波数は表 4 に従い設定すること。

表 4 信号波(変調波)周波数

記号(番号) A(0) B(1) C(2) D(3) E(4)

信号波周波数 25kHz 50kHz 50kHz 25kHz 50kHz

搬送波周波数 5MHz 5MHz 10MHz 15MHz 15MHz

実験実施日を 5 で除算しその余りと等しい番号を使用する。

Ⅲ)本実験ではファンクションジェネレータに信号波(変調波)を入力し、その入力に

対しファンクションジェネレータ内部で発生させた搬送波による変調を行う。【付録.機

器操作資料】を参考にファンクションジェネレータに以下の設定を行う。

搬送波周波数[Frequency] :表 1 に従う

振幅[Amplitude] :0.5Vp-p

動作モード[MODE] :振幅変調[AM] AM(SC)ではない

変調度[Depth] :0%

信号波(変調波)[Source] :外部入力[EXT]

1

2

3

4

5

6

7

8

A B C D E F G H I J K

1

2

3

4

5

6

7

8

A B C D E F G H I J K

スペクトラムアナライザ

ファンクションジェネレータオシロスコープ

低周波発振器

CH1 CH2

T字コネクタ

OUT MOD

【注意】

ファンクションジェネレータの外部変調信号入力端子の最大許容電圧(±2V)を超え

てしまうため、低周波発振器の電源は出力が最低になっていることを確認後、電源を投

入すること。

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Ⅳ)ファンクションジェネレータの出力を ON にし、生成された被変調波(AM 波)を

出力する。

Ⅴ)被変調波を、オシロスコープを用いて観測し最大電圧と最低電圧を測定する。

Ⅵ)同様にスペクトラムアナライザを用いて搬送波および信号波(変調波)の電力[dBm],

周波数[Hz]を観測する。

Ⅶ)同様に変調度[Depth]を 20%刻みで 0%~100%まで増加させ測定を繰り返す。

Ⅷ)測定終了後はファンクションジェネレータの出力を OFF にする。

6. 実験手順(FM)

Ⅰ)信号波(変調波)の設定を行う。低周波発振器の出力をオシロスコープで測定し、

出力電圧の振幅が±1V になるように設定を行う。周波数は表 5 に従い設定すること。

表 5 信号波(変調波)周波数

記号(番号) A(0) B(1) C(2)

信号波周波数 10kHz 15kHz 20kHz

実験実施日を 3 で除算しその余りと等しい番号を使用する。

Ⅱ)【付録.機器操作資料】を参考にファンクションジェネレータに以下の設定を行う。

搬送波周波数[Frequency] :表 6 に従う

振幅[Amplitude] :0.5Vp-p

動作モード[MODE] :周波数変調[FM]

最大周波数偏移[Deviation] :50kHz

信号波(変調波)[Source] :外部入力[EXT]

表 6 搬送波周波数

記号(番号) A(0) B(1) C(2)

搬送波周波数 0.5MHz 1MHz 2MHz

(実験実施日+月)を 3 で除算しその余りと等しい番号を使用する。

Ⅲ)ファンクションジェネレータの出力を ON にし、被変調波(FM 波)を出力する。

Ⅳ)スペクトラムアナライザにより測定可能な電力レベルのスペクトルを全て測定する。

Ⅴ)オシロスコープで変調された波の粗密がわかる状態を撮影し記録する。

Ⅵ)測定終了後はファンクションジェネレータの出力を OFF にする。

【注意】

ファンクションジェネレータの外部変調信号入力端子の最大許容電圧(±2V)を超え

てしまうため、低周波発振器の電源は出力が最低になっていることを確認後、電源を投

入すること。

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7. 課題

AM について

1) AM 変調信号のオシロスコープによる波形観測

(a)波形から変調度を求める

2) AM 変調信号のスペクトル測定

(a) 搬送波および側帯波のスペクトル測定からから変調度を求める

(b) 隣接スペクトルの周波数と変調信号周波数を比較する

3) F.G.で設定した変調度と、上記 1)および 2)で得られた変調度と比較する

FM について

4) 変調指数を求める

5) 占有帯域幅を求める

6) 占有帯域幅内の電力の合計が全測定値の電力の合計に対して 99%以上を占めるこ

とを確認する。

8. 考察

1)変調度および変調指数について設定値と実測値との比較を行う

2) 実測して分かった理論との違いについて述べよ。

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付録:機器操作資料

【ファンクションジェネレータ WF1947】

・変調モードへの切替

「MODE」キーを押し、LCDパネル(液晶)下部に表示されるソフトキーの中

から「MODU」を選ぶ。本体左側の MODE 欄に MODU が点灯していればファン

クションジェネレータは変調モードになっている。変調モードの設定画面は 2 ペ

ージ分で構成されている。「NEXT」キーを押すことで 1 ページ目⇔2 ページ目の

表示を切り替えることが可能である。

・パラメータの変更

本体の「カーソル」キーを使用して項目・値の変更を行うパラメータにカーソル

を移動させ「ENTER」キーで選択する。項目を変更する場合は画面下部のソフト

キーもしくは、テンキーの上に点灯する波形から目的の項目を探し選択する。値を

入力する場合は値を入力し「ENTER」で決定する。

例)AM 変調に設定する場合

設定画面 2 ページ目に表示される「TYPE」にカーソルを合わせ「ENTER」

キーで選択する。選択すると画面下部のソフトキーから「AM」キーを選択する。

・出力の ON⇔OFF

「OUTPUT」キーを押し ON と橙に点灯している場合が ON、消灯時が OFF

カーソル

電源

ソフトキー

NEXT 出力端子

EXT

テンキー

動作モード

ENTER

MODE

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【スペクトラムアナライザ 8590L】

・中心に表示する周波数を決定する。

[Frequency]キーを押す。画面に「Center」と表示されるので設定する

周波数をテンキーから入力する。

・表示の幅を決定する

[Span]キーを押す。画面に「Span」と表示されるので設定する周波数

をテンキーから入力する。

・表示

[Amplitude]キーを押す。画面に「AMP」と表示されるので設定する周

波数をテンキーから入力する。

・表示の平均化

[BW]キーを押す。画面右側にソフトキーが表示されるので、「VID AVG」

の項目を[OFF]から[ON]へ変更する。変更後、画面に[AVG]と表示される

ので 30 程度を設定する。

・マーカー値の表示およびピーク値の表示

[MKR]キーを押す。画面に「MARKER」と表示されその下にマーカー

がある地点での周波数および電力が表示される。電力のピーク地点を測

定したい場合には、[PEAK SEARCH]キーを押すことで電力の最大値の

場所にマーカーが設定される。隣接するスペクトルの頂点を測定したい

場合はソフトキー部分に表示される「NEXT PK RIGHT」および「NEXT

PK LEFT」を押すことで隣のスペクトル頂点へとマーカーが移動する。

SPAN

ソフトキー

測定値

電源

入力端子

RESET

MKR

BW

PEAK SEARCH

テンキー