【2.健康寿命の延伸に関する状況 (1)平均寿命 …...12...
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【2.健康寿命の延伸に関する状況 (1)平均寿命の推移と高齢化の実態】 日本の平均寿命は、平成 25年現在、男性 80.21年、女性 86.61年を示し(図 22)、世界でも有数の長寿国で
ある(図23)。また、高齢化も急速に進展することが見込まれている(図24)。 さらに、日常生活が制限されることなく生活できる期間を示す健康寿命は、平成25年時点で男性が71.19年、
女性が74.21年となっており、それぞれ平成 13年と比べて延びているものの、平成 13年から平成25年までの健康寿命の延び(男性 1.79年、女性 1.56 年)は、同期間における平均寿命の延び(男性 2.14年、女性 1.68年)と比べて小さい(図25)。
資料:昭和25年及び平成25年は厚生労働省「簡易生命表」、昭和35年から平成22年までは厚生労働省「完全生命表」、
平成32年以降は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・
死亡中位仮定による推計結果
(注)昭和45年以前は沖縄県を除く値である。0歳の平均余命が「平均寿命」である
出典:内閣府「平成27年版高齢社会白書」
図22 平均寿命の推移と将来推計
資料:UN「Demographic Yearbook」等
(注)1990年以前のドイツは、旧西ドイツの数値。
出典:厚生労働省「平成26年簡易生命表の概況」
図23 主な国の平均寿命の推移
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図25 健康寿命と平均寿命の推移
8.67年
9.02年
○年
12.4年
資料:平均寿命:平成13・16・19・25年は、厚生労働省「簡易生命表」、平成22 年は「完全生命表」
健康寿命: 平成13・16・19・22年は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の
費用対効果に関する研究」、平成25年は厚生労働省が「国民生活基礎調査」を基に算出
出典:内閣府「平成27年版高齢社会白書」
図24 世界の高齢化率の推移
資料:UN,World Population Prospects: The 2012 Revision
ただし日本は、2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来
推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。
(注)先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。
開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアから
なる地域をいう。
出典:内閣府「平成27年版高齢社会白書」
12.28年
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【2.健康寿命の延伸に関する状況 (2)栄養・食生活に関する状況の実態】 エネルギー摂取量の平均値はこの 50年間で減少傾向にある。また、エネルギー摂取量に占める脂質の割合は
増加する一方で、エネルギー摂取量に占める炭水化物の割合は減少している(図26)。 炭水化物の摂取割合については、いずれの年代でも、日本人の食事摂取基準(2015年版)における目標量(50
~65%)の範囲内にある(図 27)。また、脂肪の摂取割合については、20歳代女性を除いた世代で目標量(20~30%)の範囲内にあり(図28)、食塩摂取量の平均値は10.0g(男性10.9g、女性9.2g)であり、この10年間でみると、総数、男女共に有意に減少している(図29)。 1日の野菜類摂取量の平均値は 292.3g(男性 300.8g、女性 285.0g)であり、この10年間でみると、総数、
男女共に有意な変化はみられなかった(図30)。
図26 エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素の構成割合の推移
資料:厚生労働省「国民栄養調査」・「国民健康・栄養調査」
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図30 野菜類摂取量の平均値の年次推移 (20歳以上)
図29 食塩摂取量の平均値の年次推移 (20歳以上)
出典:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」 出典:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」
図27 炭水化物エネルギー比率の状況(20歳以上、性・年齢階級別)
図28 脂肪エネルギー比率の状況(20歳以上、性・年齢階級別)
○男性
○女性
○女性
○男性
資料:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」、「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書」
(注)「DG」(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases)とは、生活習慣病の予防を目的として、特定の集団において、その疾患のリスクや、
その代理指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定された現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
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【2.健康寿命の延伸に関する状況 (3)体型や生活習慣病の実態】 肥満者(BMI≧25kg/m2)の割合は男性で 28.7%、女性で 21.3%であり、この 10年間で見ると、有意な変化は
見られない(図31)。 やせの者(BMI<18.5 kg/m2)の割合は男性 5.0%、女性10.4%である。この10 年間でみると、男性では変化
はみられず、女性では有意に増加している。また、65 歳以上の低栄養傾向(BMI≦20 kg/m2)の高齢者の割合は17.8%であり、この10年間でみると有意な変化はみられない(図32)。 朝食摂取頻度について、成人では、男女共に 60歳代及び 70歳以上で「ほとんど毎日食べる」と答えた人の割
合が高くなっている一方、男性の 20歳代から40歳代で「ほとんど食べない」と答えた人は約2割となっている(図33)。子供では、平成22年度の結果では、「必ず毎日食べる」と答えた人は、小学生は、男子89.9%、女子91.1%、中学生は、男子85.9%、女子 87.3%であり、10年前と比べるとその割合は上昇している(図34)。 朝食摂取状況と就寝時刻の関係では、朝食を「必ず毎日食べる」児童生徒の就寝時刻は、欠食がある児童生徒
の就寝時刻よりも早い傾向が見られた(図 35)。
図31 肥満者の割合の年次推移(20歳以上)
図32 やせの者及び低栄養傾向の者の割合の年次推移(20歳以上)
(注)1.やせの者は「BMI<18.5 kg/m2」、低栄養傾向の者は「BMI≦20 kg/m2」。
2.20 代女性のやせの者の割合の年次推移は、移動平均により平滑化した結果から作成。
出典:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」
4.7 4.3 4.7 4.2 4.3 4.4 4.6 4.6 4.2 4.7 5.0
9.8 9.9 9.110.7 10.8 11.0 11.0 10.4 11.4 12.3
10.4
18.016.2 15.4 16.0 16.5 17.1 17.4 18.2
16.5 16.8 17.8
22.5 21.9 23.1 23.1 23.3
24.6 24.4 24.2 22.5
20.2
17.4
0
10
20
30
40
50
平成
16年
17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年
男性 女性
65歳以上の低栄養傾向の
高齢者の割合
20歳代女性の
やせの者の割合
(%)
(注)肥満者は「B≧25kg/m2」。妊婦は除外している。
出典:厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査」
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○男性 ○女性
図33 成人の朝食摂取頻度
図35 朝食摂取状況と就寝時刻の関係
○小学生 ○中学生
資料:内閣府「食育に関する意識調査」(平成27年10月)
資料:独立行政法人日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活実態調査」(平成22年度)
図34 子供の朝食摂取状況頻度
資料:平成12年度は特殊法人日本体育・学校健康センター「児童生徒の食生活等実態調査」、平成17年度及び平成19年度は
独立行政法人日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活等実態調査」、平成22年度は独立行政法人日本スポーツ
振興センター「児童生徒の食生活実態調査」
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【3.食料資源の状況 (1)国内外における食料問題の現状】 世界の食料事情は、現在、約8億人の人々が飢餓や栄養不足で苦しんでおり、活動的で健康的な生活を送るた
めの十分な食料を得ることができない人々の割合を示す栄養不足人口の割合は10.8%となっている(図 36)。 国連サミットで採択された「持続可能な開発のための 2030アジェンダ」においても、飢餓の撲滅や小売・消
費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料廃棄の半減等が目標として掲げられている(図37)。 各事業者からの回答等に基づき推計した結果、平成 24 年度の食品産業全体の食品廃棄物等の発生量約 1916
万トンのうち、可食部の量は 331万トン(食品ロスに相当する量)、不可食部の量は 1585万トンとなっている。また、家庭系食品廃棄物の推計発生量 885万トンのうち、可食部の量は推計 312万トンとなっている(図 38)。
資料:国際連合食糧農業機関(FAO)「FAOSTAT」
目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
2.1 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にあ
る人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する(抜粋)
12.3 2030 年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、
収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。
図36 世界の飢餓人口
図37 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ(抜粋)【仮訳】
資料:持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年9月国連サミットにて採択)
(注)国連文書A/70/L.1を基に外務省で作成した仮訳。
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図38 食品廃棄物等の利用状況等
資料:農林水産省「平成24年度食料需給表」、農林水産省「食品廃棄物等の発生量及び再生利用等の内訳(平成24年度実績)」
農林水産省委託事業「平成26年度食品産業リサイクル状況等調査委託事業報告書」、環境省請負調査「平成26年度食品循環資源に関する実施状況調査等業
務報告書」、事業系廃棄物及び家庭系廃棄物の量は、環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況、産業廃棄物の排出及び処理状況」を基に環境省廃棄物・リサ
イクル対策部において推計。
(注)1.事業系廃棄物の「食品リサイクル法における再生利用」のうち「エネルギー化等」とは、食品リサイクル法で定めるメタン、エタノール、炭化の過程を
経て製造される燃料及び還元剤、油脂及び油脂製品の製造である。
2.ラウンドの関係により合計と内訳の計が一致しないことがある。
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【3.食料資源の状況 (2)国内の食料自給率及び食料自給力】 カロリーベースの食料自給率は昭和 40年度の73%から大きく低下し、近年 40%前後で推移している。また、
生産額ベースの食料自給率も、低下傾向で推移し、直近は 64%となっている。日本の食料自給率(カロリーベース)は、先進国(カナダ258%、オーストラリア205%、フランス129%、アメリカ127%)と比べると、最低の水準となっている(図39)。 食料自給率が平成9年度以降 18年間40%前後(横ばい)で推移している中、食料自給力(日本の食料の潜在
生産能力)は近年低下傾向にあり、将来の食料供給能力の低下が危惧される状況にある。平成 26年度の食料自給力指標を見ると、現実の食生活とは大きく異なるいも類中心型(パターンC・D)では、推定エネルギー必要量等に達するものの、より現実に近い米・小麦・大豆中心型(パターンA・B)では、これらを大幅に下回る結果となっている(図40)。
図39 食料自給率
資料:農林水産省「食料需給表」
資料:農林水産省「食料需給表」、FAO“Food Balance Sheets”等を基に農林水産省で試算(アルコール類等は含まない)。(注)
1.数値は暦年(日本は年度)。スイスのデータ
2.生産額ベースの試算における、各品目の国産単価及び輸入単価については、FAO(国際連合食糧農業機関)のPrice STAT及びTrade STAT等により算
出。
3.畜産物及び加工品については、輸入飼料・輸入原料を考慮。
○国内
○国際比較
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図40 食料自給力指標とその推移
資料:農林水産省大臣官房政策課食料安全保障室調べ