1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要...

10
1.母子保健事業 (1 ) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や 市町村相互の連絡調整及び研修を実施している。 妊産婦期 乳児期 幼児期 学童・思春期 年齢 妊娠 1 歳 6ヶ月 3 その他 母と 子の健康づくり事業 *母子健康手帳の交付 *出生届 *乳幼児医療費助成 *妊産婦健康診査 *乳児健診 * 1 6 ヶ月児健診 * 3 歳児健診 *母親学級 *離乳食実習 *育児学級 *思春期保健体験学習 ( 幼児食実習) *育児相談 *乳幼児歯科相談 *予防接種 *妊産婦訪問 *新生児訪問 *乳幼児訪問 *母子保健推進員活動 *親子ふれ あい(発達相談)事業:離島 思春期 連 携 *妊娠中毒症等 *未熟児養育医療 *育成医療 療養援護費 *特定不妊治療費 *小児慢性特定疾患 助成事業 *親子ふれあい(発達相談)事業:離島 4 歳児健康(発達)相談会 *長期療養児療育指導事業 * 思春期保健教室 * ヒ ゚アカウンセラー活動支援 *未熟児訪問 *心身障害児( 長期療養児)訪問 *市町村母子保健担当者会議 *保健・ 医療・福祉連携会議(ひびきの会) *地域療育支援関係者連絡会 *母子保健推進員研修 *市町村職員・ 保健師等への研修

Transcript of 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要...

Page 1: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

1.母子保健事業 (1 ) 概要

母子保健事 業は地域保健法の全 面施行に伴い、 住民に身近な市町 村においては、頻度

の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

市町村相互の連絡調整及び研修を実施している。

妊産婦期

乳児期

幼児期

学童・思春期

年齢 妊娠 出生 1 歳 1歳 6 ヶ月 3 歳

助 成 制 度 健 診 健 康 教 育 ・ 相 談 訪 問 その他

母と子の健康づくり事業 *母子健康手帳の交付 *出生届 *乳幼児医療費助成 *妊産婦健康診査 *乳児健診 *1 歳 6 ヶ月児健診 *3 歳児健診 *母親学級 *離乳食実習 *育児学級 *思春期保健体験学習 (幼児食実習) *育児相談 *乳幼児歯科相談 *予防接種 *妊産婦訪問 *新生児訪問 *乳幼児訪問 *母子保健推進員活動 *親子ふれあい(発達相談)事業:離島

申 請 相 談 療 育 指 導 思春期 保 健 訪 問 連 携 研 修

*妊娠中毒症等 *未熟児養育医療 *育成医療 療養援護費 *特定不妊治療費 *小児慢性特定疾患 助成事業

*親子ふれあい(発達相談)事業:離島 *4 歳児健康(発達)相談会

*長期療養児療育指導事業

* 思春期保健教室 * ピアカウンセラー活動支援

*未熟児訪問 *心身障害児(長期療養児)訪問 *市町村母子保健担当者会議 *保健・医療・福祉連携会議(ひびきの会) *地域療育支援関係者連絡会 *母子保健推進員研修 *市町村職員・保健師等への研修

Page 2: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(2 ) 保健所における母子保健事業

保健所は、未熟児・障害児への訪問をはじめ、心身に障害のある児童等の療育指導、心身の 発達に問題を抱える児のフォローアップ、母子や思春期の健康に関する相談などの支援を実施し ている。 また、保健・医療・福祉・教育等との連携による広域的な地域療育システムの体制づくりや、市 町村支援、母子保健に関わる関係者に対する研修を実施している。

申請事務 (面接相談含む)

療育指導事業

マ ス・ ス ク リー ニン グ

検査事業

思春期保健事業

家庭訪問指導

市町村職員研修

関係機関との連携

・未熟児養育医療申請 ・育成医療申請 ・妊娠中毒症等療養援護費支給事業 ・小児慢性特定疾患治療研究事業 ・小児慢性特定疾患手帳交付事業 ・特定不妊治療費助成事業

・未熟児教室(のびのびっとママ教室) ・親子ふれあい事業 (伊江村・伊平屋村・伊是名村)

・4 歳児健康(発達)相談会

・長期療養児療育指導事業

・先天性代謝異常検査事業

・思春期保健教室(学校、市町村との連携) ・ピアカウンセラー活動支援

・未熟児・障害児等訪問指導

・市町村母子保健担当者会議 ・市町村母子保健推進員研修会及び交流会 ・市町村母子担当職員・保健師等への研修

・療育関係者会議 ・保健、医療、福祉の連携会議(ひびきの会)

Page 3: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(3) 養育医療

出生体重 2,000 グラム以下の未熟児、又は運動、体温、呼吸及び循環器系、強度の黄疸等の

機能に未熟な児が対象であり、このような未熟児に対しその養育に必要な医療の給付が行われ

ている。

表(3)‐ 1 市町村別・年度別給付状況 表(3)‐ 2 全出生数に対する給付率の推移

( H17 年度給付件数について、転院により新規申

請となった 20 件は件数に含めてはいない)

図(3)‐ 1 給付状況推移(名護市と他町村との比較) 図(3)‐ 2 給付率の状況推移(管内と県との比較)

表(3)‐ 3 未熟児養育医療給付状況 図(3)‐ 3 年次別・出生体重別給付状況

表(3)‐ 4 医療機関別状況

* H17 年度の管内給付件数は減少しているが、出生体重 1,000g

以下が 4 件あった。

医療機関別では約 8 割が県立中部病院となっている。(県立北 部

病院の産科休止に伴い県立中部病院での出産が増え、県立中部

病院から県立北部病院へ転院となった児が 20 件あった。)

H13 H14 H15 H16 H17県合計 529 438 404 472

管内合計 46 43 29 38 30

名護市 28 30 19 24 23国頭村 1 4 1 1 0大宜味村 4 0 0 0 0東村 2 0 0 0 1

今帰仁村 2 1 4 5 2本部町 8 7 2 6 1伊江村 0 1 1 1 1伊平屋村 1 0 1 0 1伊是名村 0 0 1 1 1

2324

19

3028

714

101318

0

10

20

30

40

H13 H14 H15 H16 H17

名護市 その他の町村件

0

10

20

30

40

50

H13 H14 H15 H16 H17

1000g以下 1001~1500 1501~20002001~2500 2501g以上 計

4.0 3.9

2.83.6

2.6

3.12.6 2.5

2.9

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

H13 H14 H15 H16 H17

管内 県%

H172

24121

30合計たまき産婦人科

県立北部病院県立中部病院

沖縄赤十字病院那覇市立病院

H13 H14 H15 H16 H17管内出生数 1,153 1,102 1,030 1,055 1,152給付件数 46 43 29 38 29給付率 4.0 3.9 2.8 3.6 2.5県出生数 17,169 16,571 16,303 16,363給付件数 529 438 404 472給付率 3.1 2.6 2.5 2.9

満28週未満 4 0 0 0 0 4満28~31週 0 10 1 0 0 11満32~36週 0 2 10 2 0 14満37週以上 0 0 1 0 0 1

計 4 12 12 2 0 30名護市 4 8 9 2 0 23国頭村 0 0 0 0 0 0

大宜味村 0 0 0 0 0 0東村 0 1 0 0 0 1

今帰仁村 0 1 1 0 0 2本部町 0 1 0 0 0 1伊江村 0 1 0 0 0 1

伊平屋村 0 0 1 0 0 1伊是名村 0 0 1 0 0 1

計 4 12 11 2 0 30

2001~2500

2501g以上

計1000g以下

1001~1500

1501~2000

Page 4: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(4) 育成医療

18 歳未満で身体 に障害をもっている児童、また は現存す る疾患 を放置すると将来障害を残す

おそれの ある児童で 、手術など の 治療で 比較的短期 間に その 障害を除去、あるいは軽減 できる

見込み のある場 合、育成医療 の給 付が 行われている。ま た、必要に 応じて補装 具の 支給、移送

費の支給も行われる。

表(4 )‐ 1 市町村別・年度別給付状況 図(4 )‐ 1 管内年次別給付状況の推移

表(4 )‐ 2 H17 年度医療機関別給付状況

*管内の年次別給付状況はやや増加している。

*医療機関別給付状況では琉球大学医学部附属病院が30件、

県立北部病院が 26 件となっている。

*疾患別給付状況では、内臓疾患の「その他」が 33 件と多く、次

いで、肢体不自由 12 件、音声機能障害、内臓疾患「心臓」が 各

々 11件、視覚機能障害 10件の順となっている。

内臓疾患「その他」の内訳をみると、 ソケイヘルニアが 19件で 半

数以上となっている。

表(4 )‐ 3 H17 年度市町村別・疾患別給付状況

(5) 妊娠中毒症等療養援護費支給事業

表(5 )‐ 1 年度別・疾患別給付状況

*妊娠中毒症等に罹患している妊産婦が必要な医療

を受けるため7日以上入院した場合、費用の一部を支

給。(助産制度を活用した場合対象とならない)

H13 H14 H15 H16 H171 ,25 5 1,2 41 1,187 1,169

8 6 77 75 77 874 9 39 45 49 501 3 3 7 4 61 1 0 0 03 2 1 3 25 9 5 5 77 7 12 11 125 11 1 3 61 3 3 2 42 2 1 0 0伊是名村

県合計

管内合計

本部町

名護市

伊江村伊平屋村

国頭村大宜味村

東村今帰仁村

H17

302614421201313

87

浦添総合病院那覇市立病院

中部徳州会病院北部地区医師会病院

合計

中頭病院

沖縄整肢療護園

山内矯正歯科クリニック

県立那覇病院

昭和大学藤が丘病院

医療機関名

県立北部病院県立中部病院

琉球大学医学部附属病院

心臓 腎臓 その他11 2 33 877 0 18 500 0 3 60 0 0 00 0 0 20 0 5 73 0 6 121 0 1 60 2 0 40 0 0 00伊是名村 0 0 0

2伊平屋村 2 0 0 0伊江村 1 0 1

0本部町 0 2 1 0今帰仁村 1 1 0

0東村 0 2 0 0大宜味村 0 0 0

9国頭村 3 0 0 0名護市 5 5 6

音 声機能障害

内臓疾患 計

合計 12 10 8 11

肢 体不自由

視  覚機能障害

聴 覚機能障害

H13 H14 H15 H16 H17妊娠中毒症 0 1 1 0 0糖尿病 0 0 0 0 0合計 0 1 1 0 0

8777

7586 77

0

20

40

60

80

100

H13 H14 H15 H16 H17

管内合計件

Page 5: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(6) 特定不妊治療費助成事業

医 療 保 険 の 適 応 外 で あ る 体 外 受 精 及 び 顕 微 授 精 に つ い て 、 治 療 に 要 す る 費 用 の 一 部 を 助 成

す る。平成 17 年度 から事業 が開始( 6 月から申 請受付開 始)され、管内の申 請件数 は5件であ

った。

(7) 小児慢性特定疾患治療研究事業について

小児慢性特定疾患治療研究事業とは、小児がん等小児慢性特定疾患に罹患している児童に対し治療

  の普及促進を図り、併せて患者の医療費を助成する事業である。平成17年度の新規申請件数38件、更新

  申請件数72件(受給者証の自動更新)、申請時面接相談件数は50件であった。

    平成16年11月に児童福祉法に位置づけられ、対象疾患の見直しや自己負担の導入等、平成17年度

  より制度が改正された。対象疾患群は、喘息が慢性呼吸器疾患へ変更、新たに慢性消化器疾患群が

  加わった。

表(7)-1  年度別疾患毎給付状況 件数

年度 計悪性新生物

慢性腎疾患

慢性呼吸器疾患

慢性心疾患

内分泌疾患

膠原病 糖尿病先天性代謝異

血液疾患

神経・筋疾患

慢性消化器疾患

平成12年度 107 23 8 9 9 31 3 6 4 10 3

平成13年度 100 23 3 14 6 27 1 8 5 12 1

平成14年度 117 16 5 13 9 43 1 10 7 12 1

平成15年度 99 20 3 5 3 39 3 12 6 8 0

平成16年度 107 18 8 1 6 43 2 14 5 7 0 3

平成17年度 110 12 5 6 13 40 6 13 4 6 2 3

*慢性呼吸器疾患は、平成12~15年度まで喘息が対象であったが、疾患群の見直しにより、気管狭窄

等による気管切開の場合なども含む。

*内分泌疾患が最も多く、次に糖尿病、心疾患と続く。内分泌疾患では、成長ホルモン分泌不全性

低身長症が約半数を占める。

*糖尿病は、新規申請4件のうち3件が学校検診からの発見となっている。

 1型糖尿病は7件、2型糖尿病は6件である。

*慢性心疾患は、新規申請が12件で、前年より増えている。

図(7)-1 対象疾患群別年次推移

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

平成12年度

平成13年度

平成14年度

平成15年度

平成16年度

平成17年度

悪性新生物 慢性腎疾患 慢性呼吸器疾患 慢性心疾患 内分泌疾患 膠原病

糖尿病 先天性代謝異常 血液疾患 神経・筋疾患 慢性消化器疾患

Page 6: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

件数悪 性 慢 性 慢性呼吸 慢 性 内分泌 先天性 血液 神経・ 慢性消化

新生物 腎疾患 器疾患 心疾患 疾患 代謝異常 疾患 筋疾患 器疾患

合 計 110 12 5 6 13 40 6 13 4 6 2 3

名 護 市 67 8 1 3 9 25 4 8 2 4 1 2

国 頭 村 6 0 0 0 1 4 0 0 1 0 0 0

大 宜 味 村 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0

東 村 2 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0

今 帰 仁 村 16 2 3 1 0 6 0 4 0 0 0 0

本 部 町 11 2 0 1 1 1 1 0 1 2 1 1

伊 江 村 4 0 0 0 1 2 1 0 0 0 0 0

伊 平 屋 村 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0

伊 是 名 村 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0

表(7)-3 受診医療機関状況件数

38

1

1

19

2

7

22

11

2

4

1

1

1 *医療機関別では、県立北部病院の占める割合は34.5%。

110  *年齢別では、6才~15才が約半数を占めている。

  0歳では、前年の2%から12%に増え、新規の心疾患は  8件であった。

(8)乳児マス・スクリーニング検査

    先天性代謝異常検査

       フェニールケトン尿症等の先天性代謝異常及び甲状腺機能障害は、放置すると精神薄弱等の

     症状をきたすので、新生児について血液によるマス・スクリーニング検査を行い、異常を早期に

     発見することにより、後の治療と相まって障害の発現を防止することを目的とする。

       要精査者は、平成11年度~14年度の間に10人おり、うち2人は小児慢性特定疾患治療研究事業

     により治療中である。平成15年度、16年度、17年度においては、要精査者は出ていない。

表(7)-2 市町村別・疾患群別給付状況                   平成17年度

合計 膠原病 糖尿病

県 立 中 部 病 院

ち ば な ク リ ニ ッ ク

県 立 那 覇 病 院

琉球大学医学部附属病院

ぐ し け ん 小 児 科

田 仲 医 院

浦 添 総 合 病 院

那 覇 市 立 病 院

医療機関名

県 立 北 部 病 院

安 謝 小 児 ク リ ニ ッ ク

み や ぎ 小 児 科

北 部 地 区 医 師 会 病 院

名 護 療 育 園

図(7)-2 受給者年齢別状況

1~5歳23%

0歳12%

18~19歳5%16~17歳

8%

10~15歳34%

6~9歳18%

Page 7: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(9) 療育指導事業

平 成 12年 10月 か ら 北 部 圏 域 を 対 象 に 名 護 療 育 園 に お い て 、 障 害 児 (者 )地 域 療 育 等 支 援 事 業

が 開 始 さ れ た 。 そ れ に 伴 い 、 乳 幼 児 健 康 診 査 等 か ら 発 達 面 で 気 に な る 児 (要 精 査 )等 の フ ォ ロ ー

や 、 児 か ら 者 ま で 相 談 が 受 け られ る よ う に な っ た 。 保 健 所 で は 、 北 部 圏 域 の 療 育 シ ス テ ム づ く り と

し て 、 平 成 12~ 14年 度 の 3年 間 モ デ ル 事 業 を 実 施 し 、 関 係 機 関 と の 連 携 等 ネ ッ ト ワ ー ク を つ く る

取 り 組 み を し て い る 。 平 成 15年 度 よ り 、 「 5項 目 の 提 言 」 の 「 3 . と ぎ れない 支 援 が で き る しく み を つ

く ろ う 」 の 取 り 組 み の ひ と つ と し て 、 4 歳 児 健 康 ( 発 達 ) 相 談 会 を 市 町 村 や 療 育 施 設 と の 連 携 に よ

り実施している。

≪5項目の提言≫

「障 害 児 の 総 合 的 な 保 健 福 祉 サ ー ビ ス の 実 態 と 今 後 の あ り 方 に 関 す る モ デ ル 事 業 : H12~ 14年 度 」 よ り

図(9)-1

ア 4歳児健康(発達)相談会

H15 年度は名護市をモデルに新規事業として実施。 H16 年 度は、名護市と今帰仁村、 H17 年

度 は 名護 市 、 今帰 仁 村、 本 部 町を 対象 に 実 施し た 。対 象 児を 、軽 度 の発 育 発 達の 遅 れ が 気に な

る 児 と し 、 入 園 ・ 就 学 前 に 専 門 的 な 発 達 相 談 等 を 行 う こ と に よ り 、 保 護 者 の 不 安 や 悩 み の 軽 減 を

図り、適正就学に向けての支援体制の充実を目指して実施している。

(ア)実施状況(年 2 回実施) 図(9)-2

日時:平成 17 年 12 月 2 日 (金)、 14 日(水)

午後 1 時~ 5 時 30 分

場所:北部福祉保健所 多目的室

スタッフ:医師(名護療育園)

心理士(在宅及び関係施設職員)

歯科医師・栄養士(北部保健所)

保健師(名護市・今帰仁村・本部町

・北部保健所)

2.

検討しよう

本人

児童相談所

= 望ましい地域療育システム

1.やんばるのすべての地

域で継続的に療育が行え

る体制を築こう

ライフステージごとに利用者の ニーズを的確に把握し対策を 検討しよう

2.

とぎれない支援が

できるしくみをつくろう 3. 利用者のニーズに基づくケア計

画を実現するための支援体制を

地域で確立しよう

4.

障害者や家族が意見を 発表し、仲間の活動を強化 しよう

5.

療育施設地域住民

ボランティア

保育所

学校

作業所

事業所

市町村役場教育委員会 社会福祉

協議会

病院 企業

福祉保健所

地域

北部圏域

生活支援センター

支援費サービス

事業者

障害児(者)が安心して暮らせる地域づくり

家族

*相談会終了後、スタッフミーティング実施

受付・身体計測

発達相談

保健相談

歯科相談 心理判定栄養相談 *必要時

Page 8: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

表(9)-1

保 護 者 か ら 、 ADHD傾 向 等 の あ る 事 例 で は 「 子 ど も へ の 対 応 方 法 に 気 付 かさ れ た 」 、 特 に 問 題

の な か っ た 事 例 で は 「気 に な っ て い る こ と を相 談 で き てよかっ た 」 「安 心 し た 」 と いう 声 が あっ た 。

ス タ ッ フ か ら は 、 3歳 児 健 診 か ら の 要 経 過 観 察 児 の フ ォ ロ ー ア ッ プ の 場 と し て 活 用 で き る 、 ま た 、

市 町村 保 健 師や こと ばの 教 室 、療 育 園医 師 等 との 連携 を 図 る こ とが で き つ つ ある と の意見が あっ

た。

イ 離島における療育相談(親子ふれあい事業)

専 門 職 に よ る 相 談 の 機 会 の 少 な い 離 島 に お い て 、 乳 幼 児 の 発 達 相 談 や 療 育 訓 練 及 び 親 と 子

の 育 児 上 の 悩 み や 不 安 等 に つ い て 個 別 相 談 を 実 施 し てい る 。ま た 、 療 育 に つ い て 、親 や 関 係 者

を 交 え て の 調 整 及 び 体 制 づ く り の 検 討 等 を 行 っ て い る 。 ( 本 事 業 は 、 村 の 母 子 保 健 事 業 、 名 護 療

育 園 の 障 害 児 ( 者 ) 地 域 療 育 等 支 援 事 業 、 福 祉 保 健 所 の 親 子 ふ れ あ い 事 業 と し て 3 者 共 同 で 実 施 )

表(9)-2

* ス タ ッ フ : 医 師 、 理 学 療 法 士 、

言 語 聴 覚 士 、 心 理 士 、 コーディネ

ーター、 村 母 子 保 健 担 当 、 村 保

健師、保健所保健師

ウ のびのびっと!ママ教室(未熟児教室)

未 熟 児 を出 産 し た 母 親 が 児 を 健 や か に 育 て る こ と が で き る よ う に 、 親 同 士 が 話 し 合 え る 場 や 交

流 等 を 通 し て育 児 不 安 の 軽 減 を 図 る こと を 目 的と し 、児 の発 達 ・ 発 育 に対 す る 正 しい 知 識 の習 得

や育児に必要な社会資源を知る機会とし活用することもできる。

(ア)実施状況(年1回実施:1クール4回)

日 程:平成 17 年 8 月 8 日、 8 月 15 日、 8 月 22 日 、 9 月 12 日

参加者:実人員 10 人(子ども 11 人 )、延人員 20 人 ・・・(養育医療受給者へ通知)

保 育:名護市母子保健推進員へ依頼

内 容:*子どもの健康のお話

*絵本を通して育児を考える

*ベビーマッサージ

*先輩ママの体験談・交流会

(イ)フォローアップ教室の実施(年 1 回)

日 程:平成 18 年 2 月 27 日

参加者: 7 人(子ども 7 人)・・・H16年度、H17年度教室参加者へ通知

内 容:交流会(情報交換)

H17.6.3 8件 実施後ミーティング   10名H17.8.12 7件 実施後ミーティング    9名

H17.12.16 6件 実施後ミーティング   10名H17.6.17 6件 実施後ミーティング   6名

H17.11.11 5件 実施後ミーティング    5名H17.12.9 5件 実施後ミーティングH18.2.10 5件 実施後ミーティング

スタッフ参加数

伊江村

伊平屋村

伊是名村    7名   7名

村名 実施月日個別相談

件数事例検討及び研修会

対象事例 紹介者 主な主訴 支援の方向性H15年度 5名H16年度 7名H17年度 4名

*市町村保健師*ことばの教室指導員*保育所

*ことばが遅い、発語が聞きとりにくい*吃音が気になる*1人で遊ぶ事が多い*パニックをおこす*人見知りがある

*発達の遅れのある事例・ADHD傾向等のある事例については、療育機関やことばの教室、地域の保育所などへの紹介及び保健師等の個別支援へ繋げている。

Page 9: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(10) 思春期保健事業

思春期保健における性教育については、市町村の母子保健事業や学校での総合的な学

習の時間などで、学校、市町村、保健所の連携により一部実施している。保健所では、学校

や市町村での事業実施、充実への支援を目的としており、実施内容の企画についての相談

が増えてきている。

ア 学校における性教育

表(10)-1 実施状況

学校数 対象 方法及び内容

(回数)

1 中学3年生 ・思春期の心と身体、性感染症に関する知識などの講話(スラ

(1) 131名 イド使用)、コミュニケーションスキル

1 中学3年生 ・事例紹介、グループワーク及び発表

(1) 38名 テーマ:十代の妊娠

1 高校生1~3年 ~彼、彼女、友人の立場だったらどうする?~

(1) 生 531名

*性教育実施の企画についての相談状況(性教育実施校含む)

中学校5校、高等学校3校について、性教育の実施について、内容構成や教材の

検討、事業実施における教職員間の共通理解へ向けての取り組み等、また講師等と

して、管内で若者のピアカウンセリング活動を行っている自主活動組織を紹介する

など、相談支援を実施した。

主な関係者は、学校(養護教諭、校長、学級担任)、市町村(保健師等)、保健所(母子

担当、感染症担当)、自主活動組織(「はぴこむ」)である。

イ 地域における性教育

知的障がいをもち、北部地域でグループホームなどで自立した生活を送っている方

々を対象に、自らが性に関する被害者や加害者にならないための学習の場のひとつと

して、セクシュアリティー講座を実施した。平成16年度、17年度の2年間、地域の生活支

援事業所と連携しながらモデル的に実践し、平成18年度以降は、生活支援事業所が主

体となって実施する予定である。

表(10)-2 セクシュアリティー講座実施状況

目的:知的障害者が性について学び語り合い、性の自己決定能力を高める機会とする

ねらい 参加数

1)自分の体の名称やしくみを知り自分の身体に関心を向ける

2)仲間づくりを通して、女性と男性の違いや大切な場所(プライベートゾー ン)に気づかせる

1)性交、避妊、性感染症について知る

2)妊娠について命が育まれることを知る

日 程

第3回2月5日(日)AM10~12時

 自分の意志を上手に伝える方法を具体的に学び、日常生活の中で活かしていく

8人

10人

10人

第1回H18年

1月15日(日)AM10~12時

第2回1月22日(日)AM10~12時

Page 10: 1.母子保健事業...1.母子保健事業 (1) 概要 母子保健事業は地域保健法の全面施行に伴い、住民に身近な市町村においては、頻度 の高い一次的サービスを実施し、保健所では、広域的・専門的な母子保健サービスの提供や

(11) 関係機関との連携

母子保健(地域療育を含む)業務を遂行するために、市町村・医療機関・療育施設等と連絡会

を開催している。

表 (11)-1 実施状況

連絡会 回数 対 象 内 容

市町 村母 子 ・市町村母子保健担当 ・管内母子保健推進員研修会・交流会について

保健 担当 者 年 者 ・市町村、保健所の母子保健の課題及び重点事

会議 3回 ・市町村保健師 業について(評価について)

・保健所保健師 ・若年妊産婦支援マニュアルの活用について

・市町村母子保健活動について ・情報交換

「ひびきの会」 ・病院 (医師 ,看護師長 ) *急性期医療から療育事業への移行の円滑化、

県 立北部病 毎月 ・療育園(医師 ,コーデ ィネ 障害児・長期療養児の保護者への支援の強化を

院・ 名護療育 1回 ーター ,看護師) ・保健所 図る。(主な内容:長期入院児、障害児等の情報

園・ 北部福祉 (地域保健課保健師 ,健 交換、保健・福祉・療育等の情報提供及び意見

保健所と の連 康推進課職員)等 交換)

絡会

地域 療育 支 ・当事者及び家族、保 テーマ:発達がちょっと気になる子ども達への支援

援連絡会 年 健(市町村等)、医療、 の試み~4歳児健康(発達)相談を通して みえ

1 回 福祉(市町村・保 育所 たこと~

等)、教育関係者等 *基調講話

・参加:76名 *4歳児健康(発達)相談会報告*地域での取り組み紹介

(12) 管内母子保健推進員研修会及び交流会管内の母子保健推進員が日頃の母子保健推進員活動の意見交換を行い、母子保健推進員の

力量の向上と市町村間の交流を図ることを目的に、平成7年度から実施している。

表 (12)-1 実施状況

年度 実施場所 内 容 人数

H15年度 沖 縄 県 立 名 ・講演 テーマ「病院からみた妊産婦の現状」

護青年の家 県立北部病院産婦人科助産師 伊波 幸子 107

・母子保健推進員活動紹介(9市町村) 人

・管内の母子保健の現状 <母子保健統計資料から>

H16年度 ( 1 回目 ) 伊 是 ・講演 テーマ「伊是名村のむし歯予防の取り組みと成果」 59

名村 産業 支援 伊是名村立歯科診療所 所長 中島 健 人

センター ・母子保健推進員活動報告

( 2 回 目 ) 北部 ・講演 テーマ「沖縄県の乳幼児虐待の実態」 38

福祉保健所 北部福祉保健所副所長 長浜 直子 人

H17年度 今帰仁村コミュ ・講演 テーマ「お母さんと赤ちゃんの命を守ろう!」

ニティーセンタ ~県立北部病院への母体搬送状況~ 86

ー 県立北部病院小児科医師 伊佐 真之 人

・寸劇 『飛び込みお産はいいことないよー!』

出演:今帰仁村、名護市母子保健推進員