連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年05月号(2016年4月度データ)

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社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、 地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む Dual ComBine Analysis By Dual ComBine Analysis for Data Cognitive Browser 2016年5月号 Vol.2 No.5 内閣府2016年5月12日発表データより 2016/5/31 1 Photo by Akiko 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Transcript of 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年05月号(2016年4月度データ)

社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、

地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む

Dual ComBine Analysis

By Dual ComBine Analysis

for Data Cognitive Browser

2016年5月号 Vol.2 No.5 内閣府2016年5月12日発表データより

2016/5/31 1

Photo by Akiko

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Photo by Akiko

社会情報天気図 ~景気ウオッチャー調査から地域の景気動向を読む~

今月の景気動向には、熊本地震が九州に大きな影響をもたらしている。全国的には、消費増税効果をいったん脱した昨年4月以来一貫してダウントレンドであるが、その影響は他の地域にも及んでおり、景気DIは、変わらずの50ポイントを下回ってほぼ全地域で45ポイント近くに団子状態となっている。

今月から、東京都が南関東から分離したデータとして開示された。消費動向における東京都のポジションは、日本全体の中心に近いが、やや、“良くなっている”方向にあるとはいえDIは前月比-0.3の44.6で全国比+0.1ではあるが、45に届かず、日本同様、小雨模様である。

流通御三家ともいうべき百貨店は、“悪い”典型でいわば氷河期であり、日本の消費の低迷状態を示す大勢はスーパとコンビニで、百貨店とスーパで弱かった衣料関係が、食品や飲食サービス等にも及んで、消費の厳しさを示している。

マシン・ラーニングで潜在的意味空間としての“変わりつつあるゾーン”から割り出された、住宅関係と、通信業関係が、やや良くなっている方向で定置されつつある。これらは、金利や電力の自由化等政策感度の高まりの結果のように思われる。

土地だけでなく物質やエネルギーが労働対象としての価値創造の資源であった時代が終わりをつげ、それらとリンクした通貨金融がマイナス金利を生み出している。住宅関連はその影響を受けて動き出している。しかし、消費税の動向の不確かさが、長期ローンのリスクとなっているコメントもある。

為政者、経営者はもちろん技術ですら得てして数値を絶対的権威として利用する傾向がある。景気も各種の指標が開発されているが、健康度の代替え指標の1つとしてのガンマGTPと同様、絶対的な指標ではない。このDIも、理由や他の諸属性データから、逆補正した方が良い場合もあることも判って来た。質と量の相互関係は、多様で複雑な社会の理解には、大切な挑戦すべき課題であろう。

はじめに

Dual ComBine Analysis

2016/5/31 2 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

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・景気ウオッチャー調査の内、現在の消費者の動きを、全国12地域で、2016年4月度の各業種のビジネスの現場の854人が伝える、地域、業種属性や、市場動向、その理由の説明文等の多様な非構造データを使用。

基本的には3ヵ月前と比較した景気判断(DI)と、背景や属性等の多次元データを、マシンラーニングで情報圧縮し、分けて、判断し、解るため、クラスタ化とプロファイリングのアプローチを採った。

・景気判断のマジョリティは、相変わらず“変わらない”、であり、マイノリティが“良くなった”、“悪くなった”である。今月の動きで、“悪くなった”のは「九州」地域で震災の影響である。業種としての“百貨店”は、“悪くなった”の常連である。

・変化の兆しは、“不動産関係”と、“EC通信関係”が、“変わらない”の逆相関ポジションから読み取れる。これは優れて示唆的である。

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2016年4月の全国の家計DIマップ

全国のDI

◇ 「景気ウオッチャー調査」の2016年4月時点の“現状の家計動向”

・全国平均は、43.5で前月比-1.9ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”となった。昨年8月以来50ポイントを切っている。

・東京都を含め全国12地域中、35-45の“小雨模様”は、北海道、北陸、中国、沖縄を除く全国に広がった。

・特に、九州は、31.2と急落し、前月比-13.4で、対全国比-9.3ポイントと“大雨”模様と悲惨な状況となった。

・過去1年間の全国平均は48.0ポイントで、まだ辛うじて前年同期比0.4ポイント上回っているが、九州以外でも、」増税後の回復時から一貫して下降に向かっている。

北海道I:46.6(+1.9)

(全国平均+3.1)

南関東DI:44.6(+1.7)

(全国平均+1.1)

東北DI:44.5 (-2.8)

(全国平均+1.0)

北関東DI:40.9(-2.9)

(全国平均-2.6)

四国DI:42.0(-3.7)

(全国平均-1.5)

九州:34.2(-13.4)

(全国平均-9.3)

東海DI:44.7(-2.4)

(全国平均+1.2)

沖縄DI:46.9(-1.1)

(全国平均+3.4)

近畿DI:44.1(+0.1)

(全国平均+0.6)

中国DI:46.6(-1.2)

(全国平均+3.1)

北陸I:46.7(+2.3)

(全国平均+3.2)

全国家計“小雨模様” DI:43.5 (前月比-1.9)

65以上 良くなっている(快晴)

55~65 やや良くなっている(晴れ)

45~55 変わらない(曇り)

35~45 やや悪くなっている(小雨)

35未満 悪くなっている(大雨)

Dual ComBine Analysis

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“景気ウオッチャー調査”の定義、凡例

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地域DI:50.0以上

(全国平均比)

地域DI:50.0未満

(全国平均比)

東京都:44.6(-0.3)

(全国平均+1.1)

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

60.0

65.0

20

13年

4月

20

13年

5月

20

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6月

20

13年

7月

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8月

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9月

20

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10月

20

13年

11月

20

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12月

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1月

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2月

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3月

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4月

20

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5月

20

14年

6月

20

14年

7月

20

14年

8月

20

14年

9月

20

14年

10月

20

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11月

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12月

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1月

20

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2月

20

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3月

20

15年

4月

20

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5月

20

15年

6月

20

15年

7月

20

15年

8月

20

15年

9月

20

15年

10月

20

15年

11月

20

15年

12月

20

16年

1月

20

16年

2月

20

16年

3月

20

16年

4月

全国

北海道

東北

北関東

南関東

東京都

東海

家計関連動向DIの地域別推移(1/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の東日本の推移

◇全国平均は、43.5で前月比-1.9ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”となった。昨年8月以来50ポイントを切っている。

・消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈んでいた。1年後の4月に持ち直したが、その後のダウントレンドは変わらない。

・今月から東京都が南関東から切り離され独立し、12地域となった。東京都と東海を含む東日本では、北海道以外全地域で昨10月以来50ポイントを切り、ダウントレンドは変わらず、全地域で45.ポイントゾーンに集中した団子状態である。

・東関東では2014年11月に、消費増税後と同程度の落ち込み現象があるが、通貨変動か消費税の見送り効果か原因は不明。

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2014年4月消費税8%実施

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・マネタリー残の増加率▽40%?

・元の切り下げ?

・消費税見送り効果?

消費税効果

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

60.0

65.0

70.0

20

13年

4月

20

13年

5月

20

13年

6月

20

13年

7月

20

13年

8月

20

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9月

20

13年

10月

20

13年

11月

20

13年

12月

20

14年

1月

20

14年

2月

20

14年

3月

20

14年

4月

20

14年

5月

20

14年

6月

20

14年

7月

20

14年

8月

20

14年

9月

20

14年

10月

20

14年

11月

20

14年

12月

20

15年

1月

20

15年

2月

20

15年

3月

20

15年

4月

20

15年

5月

20

15年

6月

20

15年

7月

20

15年

8月

20

15年

9月

20

15年

10月

20

15年

11月

20

15年

12月

20

16年

1月

20

16年

2月

20

16年

3月

20

16年

4月

全国

北陸

近畿

中国

四国

九州

沖縄

家計関連動向DIの地域別推移(2/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の西日本の推移

◇全国平均は、43.5で前月比-1.9ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”となり、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・特に、熊本の震災で、九州は急落して35ポイントを切った。九州以外でも、消費税ショック時の2014年4月から約1年間沈みこみ昨年4月にいったん持ち直した。しかし再びダウントレンドとなり、45ポイントゾーンに固まった。

・近畿以西で全国平均より、北陸、中国、沖縄は、いずれも3.0ポイント以上高いのが目立つ。(東日本で3.0ポイント以上は北海道)

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2014年4月消費税8%実施

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消費税効果

・マネタリー残の増加率▽40%?

・元の切り下げ?

・消費税見送り効果?

全国 北海道 東北 北関東 南関東 東京都 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄

2013年4月 56.5 57.1 54.1 53.5 57.6 59.3 57.1 57.3 59.6 55.6 55.4 56.0 54.9

2013年5月 55.7 53.3 54.0 54.2 56.7 57.6 54.5 58.7 58.7 55.3 53.0 56.9 54.8

2013年6月 53.0 58.9 51.4 50.4 52.7 53.6 51.9 54.9 54.9 53.9 51.9 51.7 50.0

2013年7月 52.3 58.3 49.0 49.3 51.8 53.2 52.4 51.5 53.2 54.0 50.8 53.6 53.0

2013年8月 51.2 56.2 49.5 47.9 50.0 50.6 51.5 50.5 51.4 51.6 52.1 51.8 60.4

2013年9月 52.8 56.1 48.8 49.2 53.6 54.2 53.0 53.8 54.6 52.7 51.1 53.7 60.6

2013年10月 51.8 55.7 47.9 48.5 50.8 51.6 52.6 53.8 52.8 53.0 51.0 53.5 54.9

2013年11月 53.5 52.8 50.7 51.0 51.3 52.2 56.2 52.8 55.8 54.6 53.9 55.8 50.6

2013年12月 55.7 55.6 52.9 53.0 55.6 57.2 58.4 55.8 56.1 56.9 57.8 56.1 51.3

2014年1月 54.7 54.6 52.1 52.5 55.3 54.9 56.6 52.0 55.6 56.4 54.3 55.3 56.3

2014年2月 53.0 56.0 50.0 45.2 50.5 51.1 54.6 54.5 56.3 56.7 54.1 53.4 60.1

2014年3月 57.9 53.3 57.8 53.9 58.5 60.8 57.0 54.5 60.8 58.5 63.2 58.3 63.8

2014年4月 41.6 41.4 40.0 38.3 44.5 45.4 43.2 41.3 43.6 39.3 38.6 40.4 46.4

2014年5月 45.1 42.5 41.4 43.4 47.8 48.7 44.9 46.8 45.9 43.1 45.2 45.9 53.7

2014年6月 47.7 48.0 44.4 46.0 48.4 50.2 47.9 48.5 47.9 47.4 47.5 48.8 56.9

2014年7月 51.3 50.6 51.1 50.6 51.7 55.0 50.8 51.3 51.4 51.8 50.3 49.9 60.8

2014年8月 47.4 48.2 45.9 47.8 47.3 48.7 49.2 46.5 49.3 45.7 45.7 45.9 47.6

2014年9月 47.4 46.3 46.9 46.1 48.0 49.8 48.0 44.6 49.4 45.4 47.1 48.7 49.4

2014年10月 44.0 43.6 41.7 41.1 42.3 43.9 44.5 45.8 47.0 42.3 43.3 46.4 51.2

2014年11月 41.5 36.0 39.5 38.1 39.3 42.8 41.2 41.8 45.4 42.9 44.7 45.1 46.4

2014年12月 45.2 40.0 42.4 40.7 45.5 48.1 47.3 46.4 47.6 44.7 45.3 48.5 51.3

2015年1月 45.6 45.3 43.6 41.7 45.8 47.0 47.8 46.7 47.8 43.9 47.8 44.4 51.8

2015年2月 50.1 49.3 47.0 46.9 50.2 49.2 50.6 51.3 53.3 48.6 52.2 50.5 56.1

2015年3月 52.2 52.7 49.6 48.4 51.8 54.4 51.0 55.1 54.6 51.7 52.2 54.8 56.9

2015年4月 53.6 56.0 51.7 50.3 53.2 54.7 52.5 59.9 54.9 52.0 53.6 55.4 52.4

2015年5月 53.3 53.1 51.4 50.4 54.2 57.0 53.2 59.0 53.1 52.8 53.7 53.2 56.9

2015年6月 51.0 53.0 50.0 48.4 52.6 55.1 50.3 52.0 53.3 49.5 50.0 49.9 51.8

2015年7月 51.6 54.3 51.0 49.9 50.5 52.1 51.6 52.3 52.4 51.5 53.1 51.8 54.6

2015年8月 49.3 51.6 47.1 46.6 49.1 49.4 49.2 53.0 51.4 48.8 48.6 48.6 53.8

2015年9月 47.5 48.5 46.8 44.6 45.5 47.1 45.8 50.8 50.5 47.0 48.0 48.7 55.8

2015年10月 48.2 45.4 46.1 46.7 48.4 50.7 48.3 46.4 49.9 48.8 47.5 50.0 57.9

2015年11月 46.1 44.6 43.9 44.5 45.5 46.5 47.7 47.9 46.8 49.3 44.5 45.6 50.0

2015年12月 48.7 48.5 46.8 44.5 49.3 50.0 49.5 47.7 49.2 52.7 48.6 49.5 47.4

2016年1月 46.6 48.2 47.7 45.2 44.9 44.2 47.6 46.5 47.1 49.0 41.1 45.9 53.8

2016年2月 44.6 43.8 43.1 42.1 42.8 42.6 45.6 43.4 45.9 46.6 43.6 46.4 54.7

2016年3月 45.4 44.7 47.3 43.8 42.9 44.9 47.1 44.4 44.0 47.8 45.7 47.6 48.0

2016年4月 43.5 46.6 44.5 40.9 44.6 44.6 44.7 46.7 44.1 46.6 42.0 34.2 46.9

年平均 48.0 48.5 47.1 45.6 47.5 48.7 48.4 49.2 49.0 49.2 47.2 47.6 52.6前年の年平均 47.6 46.5 45.4 45.1 47.6 49.4 48.0 48.7 49.5 46.6 47.9 48.7 52.9対前年平均差 0.4 2.0 1.7 0.5 -0.1 -0.7 0.4 0.5 -0.6 2.6 -0.7 -1.1 -0.2

対前年同月差 -10.1 -9.4 -7.2 -9.4 -8.6 -10.1 -7.8 -13.2 -10.8 -5.4 -11.6 -21.2 -5.5対前月差 -1.9 1.9 -2.8 -2.9 1.7 -0.3 -2.4 2.3 0.1 -1.2 -3.7 -13.4 -1.1対全国差 0.0 3.1 1.0 -2.6 1.1 1.1 1.2 3.2 0.6 3.1 -1.5 -9.3 3.4

◆ 「景気ウオッチャー調査」の2016年3月の“現状の家計動向”

◇全国平均は、43.5で前月比-1.9ポイントで、45.ポイントにも届かず“小雨模様”となり、昨年8月以来50ポイントを切っている。

・全国平均の過去1年間平均は48.0ポイントで、前年同期比+0.4ポイントではあるが、消費税効果のダメージから抜けられない.

・地域別の過去1年間平均が50ポイントを超えていたのは、北海道、北陸、沖縄の3地域だったが、今月は沖縄のみとなった。

景気ウオッチャーのDI

2016/5/31 7

Dual ComBine Analysis

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「景気ウオッチャー調査」のデータ

ヒートマップから

・消費増税ダメージを脱した昨年4月は、北海道と沖縄によるインバウンド効果も貢献していた。

・また北陸新幹線効果は、北陸と東京や、隣接していた北関東や近畿等に広がっていたようにも見える。

・今月から分離された東京都は、ほぼ全国平均と似た動きをしている。

・全国平均を3.0ポイント以上上回っているのは、北海道、北陸、中国、沖縄で、インバウンド効果と思われる。

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/5/31 8

・家計動向に関する景気ウオッチャーのクラスタリング

今回は、2016年4月の単月データで、景気動向判断DIと、その地域要因、業種要因、市場要因、およびDIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性*)で5クラスタに分類

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*連環性(Degree of Dual Combine)は、連環でータ分析(Dual ComBine

Analysis)で使われる表側と表頭の各アイテムの類似性を表す非負の数字

やや良くCL.1 変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(1/6)・・・4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・日本の2016年4月の景気動向を、消費者の現場のビジネスに従事している12地域の854人が良くなっているから悪くなっている等5段階で判断したオーディナル・データと、その説明文章のノミナル・データをマシンラーニングで統合解析し5クラスタに分類した。

・個別のデータは、地域、景気判断DI、業種、市場要因の4要員、および説明のキーワード属性の5枚のクロス表を統合し解析した。

・左上方向が「悪い」で、右下に「良い」の景気軸。左下が「不変」で、右上が「変化」の変化軸の構成マップが出現した。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

2016/5/31 9

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景気ウオッチャーを5クラスタに類型化

5つのクラスタと空間構成

・ウオッチャーの地域別、業種別、市場因子別、景気DI別、およびその説明文等の変数の統合的相関性(連環性)を知るため、次元圧縮して俯瞰マップ化。5つにクラスタリング。

・結果主要なクラスタがDIと相関を持って現れた。

・CL.1.「やや良くなっている」

・CL.2.「良くなっている」

・CL.3.「変わらない」

・CL.4.「やや悪くなっている」

・CL.5.「悪くなっている」

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(2/6)・・・ 4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・「良くなっているCL.2」に、東海がある。今月から登場した東京都もややその方向ではあるが、やはり日本の中心に位置している。

・「悪くなっているCL.5」に、九州は際立ってポジショニングされた。「やや悪くなっているCL.4」には近畿がある。

・「変らずCL.3」に東北、中国がある。隣接して「やや良くなっているCL.1」には、南北関東や北海道があるが明確ではない。

・今月は、「変わる」クラスタが現れなかった。あるとすれば、良くなる方向か悪くなる方向であるが、強いていえば、東京都である。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

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5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップに、地域を布置。

・マジョリティは「変らずCL.3」で、27%である。

・マイノリティは、「悪くなっているCL.5」の20%と、「良くなっているCL2」の17%である。前者は九州で、後者は東海である。

・ 「良い悪い」の両方向への変わる[可能性を持った「変わるクラスタは今月現れなかったが、強いて言えば東京都であるがそれほど明確でない。

やや良くCL.1 変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

「景気動向DI+地域因子」

クラスタウオッチャー

(人)ウオッチャー

(%)

CL1 169 19.8CL2 145 17.0CL3 231 27.0CL4 141 16.5CL5 168 19.7

計 854 100

2016/5/31

◆景気動向とその構成要因:(3/6)・・・ 4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・景気ウオッチャーの業種を、景気マップに布置し、景気の良否や変化の動静を見る.「良くなっているCL.2」に、旅行行楽観光と、介護教育生活サービスがある。ただしそう強くはない。

・「やや良くなっているCL1」に、住宅関連が強く、その他専門店、および通信ICTサービスも存在感がある。

・「悪くなっているCL5」は百貨店が際立って定番で、食品サービスもある。「やや悪くなっているCL4」には、ホテル・旅館がある。

・「変らずCL.3」はスーパ、コンビニ、自動車が定番。逆に「変化」は、タクシー・輸送サービスが変化の方向を伺っている。

Dual ComBine Analysis

11

クラスタ別特徴

2016/5/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、業種別アイテムを布置。

・悪い方向に、百貨店(前回からスーパと分離した)が突出した氷河期、スーパ、コンビニは「変わらない」方向で塩付。

・住宅関連家具がやや良い方向で強く、マイナス金利の影響か?通信ECサービスは料金規制や電力小売等、 、その他専門店は、ライフスタイルの多様化と関連しているように思われる。

・「変化軸」の方向では、タクシー・輸送サービスが「良くなっている」方向に近く、商店街と食品飲料販売は明確ではないものの「悪くなる」方向へ向かっている。

やや良くCL.1

変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

◆景気動向とその構成要因:(4/6)・・・ 4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の景気動向に、市場要因として、“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・「良くなっているCL2」はお客の様子があり、「やや良くなっているCL1」では、販売量の動きがある。

・「悪くなっているCL5」では、その他競争相手の様子がある。「やや悪くなっているCL.4」では来客数の動きがある。

・「変わらずCL.3」では、単価の動きがある。変化軸の変化の方向には、お客様の様子がある。

Dual ComBine Analysis

12

クラスタ別特徴

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

「景気動向DI+市場因子」

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・マジョリティの「変わらず軸」の方向には、単価の動きがある。逆に「変わる軸」には、お客様の様子がある。

・「良い方法軸」と販売量の動きに相関があるのは当然。

・「悪い方向軸」では、その他競争相手の様子と来客数の動きがあり、流通業態の変化もあろう。

やや良くCL.1 変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

2016/5/31

◆景気動向の構成要因:(5/6)・・・ 4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、地域、業種と市場の各因子を重ねて、それらの綜合的関係性(連環性)を代表する具体像を抽出する。

・「良くなっているCL.2」は、東海で、旅行行楽関係の、お客様の様子が良くなっている方向ではるが弱い。

・「悪くなっているCL5」は、九州が極端で、百貨店の食品サービス関係は全国的な定番である。

・「変らず軸」は東北で、コンビニ、スーパ、単価の動きである。「変わる軸」では、タクシー・輸送サービスのお客様の様子である。

Dual ComBine Analysis

13

クラスタ別特徴

2016/5/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+地域因子+業種因子+

市場因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、地域因子、業種因子、市場因子を布置。

・日本のマジョリティは、相変わらず「変わらず軸方向」で、スーパ、コンビニ、乗用車関係で、地方としての代表は東北である。

・九州は極端に「悪くなっている」。相関が強いのは、飲食サービス、商店街等である。

・「変化軸方向」で良い方向と相関が高い地方は無いが、強いて言えば東京都で、タクシー・輸送サービスである。

・「良い軸方向」では、東海地方で、その他および専門店、通信ECサービス関連で、サミットが影響しているか?

やや良くCL.1

変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

◆景気動向の構成要因:(6/6)・・・ 4月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、景気ウオッチャーの説明文のキーワードを布置し、景気動向の内容を見る.

・「良い」方向には、“住宅”、“契約”、“物件” 、“増え” 、サミット等がある。

・逆に「悪くなっている」方向には、“地震”、“キャンセル”、 “影響”、“九州”、“発生” 、“相次いで”等がある。

Dual ComBine Analysis

14

クラスタ別特徴

2016/5/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

「景気動向DI+キーワード

やや良くCL.1 変らずCL.3

やや悪くCL4

悪くなってCL.5

良くなってCL.2

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、キーワードを布置。

・ 「悪くなっているCL5」には、明確に、九州の地震の大きな影響がある。

・良い方向軸には、サミット等のインバウンド効果もあるが、マイナス金利を受けて、住宅関係が動き始めている。

・悪い方向軸では、“食料”、“衣料”、“婦人”等があり、女性の消費の落ち込みが大きい。

・変化方向軸には、九州の地震に関係する言葉が相関も、特徴も、「悪くなっているCL5」の方向に強く出ている。

・日本のマジョリティは、不変方向軸で、“来客数”、“前年”、“買い上げ点数”、“客単価”、“減少”等がある。

景気動向ペルソナ抽出 Dual ComBine Analysis

2016/5/31 15 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

・家計動向DIの5ランク判断のペルソナ分析

今回は、2016年4月の単月データについて、1)景気動向判断DIと、 2)地域要因、3)業種要因、4)市場要因、および、5)DIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)を、マシーンラーニングによる情報圧縮法で、意味空間座標を造り、景気DI

動向をクラスタリングし、それらの典型的な事象を抽出した。

今月は、九州で大きな地震があり、その影響を知ること、また今月から東京都が南関東から独立したが、そのポジションは、日本全体でどのような位置づけとなるかを知ること。

Dual ComBine Analysis

◆ “良くなったCL.1“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・「良くなったCL.1」クラスタは、地域は東海。ペルソナを見る限りEC通信業界、理由を読むとDI判定は控えめであることが判る。

・業種としては、住宅販売で、市場要因は販売量の動きである。EC通信も動きがある。

・典型的なペルソナは東海の住宅販売で、“新築、持家住宅及び分譲マンションが増えない。ただ、住宅及び商業施設等のリフォーム工事や改装工事、民間企業及び公共工事の大規模改修は増えている”。CIは変わらないであるが、理由からは過小評価である。

16 2016/5/31

“良い、やや良CL.1“のペルソナ

良くなったCL.1

“良い、やや良“

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特異事象は、低金利下による住宅販売で、全国的な広がりがある。しかし、消費税増税への懸念が先行きのローンの負担のリスクを感じている面もある。通信関連も政策的低価格化が、動きを良くしている。

NO. 地域 DI 業種 市場 理由1 東北 やや良く 住宅販売会社(経営者) 販売量の動き ・小規模な分譲地を開発しているが、造成完成前にほぼ完売している状況である。

2 東海 変わらない 通信会社(企画担当) 販売量の動き・前月は過去最高の契約数となり、4月もほぼ同じペースである。しかし、契約内容をみると明らかに低価格化が進んでおり、景気は決して良いとはいえない状況である。

3 東北 やや良く 一般小売店[医薬品](経営者) 販売量の動き ・販売量が3か月前と比較して105%と顕著に良くなっており、売上も伸びている。

4 東海 変わらない 住関連専門店(営業担当) 販売量の動き・新築、持家住宅及び分譲マンションが増えない。ただ、住宅及び商業施設等のリフォーム工事や改装工事、民間企業及び公共工事の大規模改修は増えている。

5 東京都 やや良く コンビニ(エリア担当) 販売量の動き ・直近では好天に恵まれ、飲料を中心とした気温の影響を受ける商材の売行きが好

6 東海 変わらない 通信会社(営業担当) 販売量の動き・全体的に、NGN(次世代ネットワーク)の増加が落ち着いてきた。当面は、現状程度の増加が続くと見込まれる。

7 近畿 やや良く コンビニ(経営者) 販売量の動き ・イートインコーナーを利用する客が増え、ファーストフードや弁当類の販売が増加傾

8 北陸 やや良く 住宅販売会社(従業員) 販売量の動き・受注は、年明けから先月まで順調に伸びていたにもかかわらず、目標に対し未達であり、前年同月実績に比べても減少した。消費税増税について、先行きの見通しが読めない状況が影響したかも知れない。ただし、通期では前年比で増加している。

9 四国 やや良く 住宅販売会社(従業員) 販売量の動き ・受注棟数が増加している。

10 北陸 やや良く 乗用車販売店(経理担当) 販売量の動き・4月の販売量は前年同月比115%の見込みである。28年1月の販売量は前年同月比100%だったので、3か月前と比較して上向きである。

キーワード住宅契約増加新築年度効果マンション分譲過去良く増税工事マイナス金利全体的問い合わせ受注キャンペーン販売量注文税飲料

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◆ “やや良くなっているCL.2のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや良くなっているCL.2”の地域は東海、東京都で、DIは“やや良くなっている”クラスター。

・業種としては、タクシー、テーマパーク、住宅販売、通信会社等分散して来ており、市場因子は“お客様の様子”である。

・ペルソナは、東京都のタクシーで、DIは“やや良くなっている”とし、理由は“・ゴールデンウィークを控えている4月前半は、ここ数十年変わらず活気がなく、空車も目立っていたが、連休前日にはどこの盛り場へ行っても空車タクシーの不足が数時間続いている”。

17 2016/5/31

“変らずCL.2“のペルソナ

“変わるCL.2 “

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やや良くなっているCL.2

このクラスタは、業種も地域も分散しており、やや良くなっている要因は連休、サミット、インバウンド、新年度、大河ドラマ等多様である。しかし、住宅販売や通信関係、商店でも可愛い美味しい等キャラが目立っている。

No. 地域 DI 業種 市場 理由

1 東京都 やや良く タクシー運転手 お客様の様子・ゴールデンウィークを控えている4月前半は、ここ数十年変わらず活気がなく、空車も目立っていたが、連休前日にはどこの盛り場へ行っても空車タクシーの不足が数時間続いている(東京都)。

2 東海 やや良く テーマパーク(職員) お客様の様子 ・インバウンドの団体客が増えている。

3 東海 やや良く 一般小売店[土産](経営者) お客様の様子・伊勢志摩サミットの報道が増えると、関係する地域を避ける傾向がある。知名度は上がるが、本格的な効果はサミット後となる。

4 東海 やや良く 商店街(代表者) お客様の様子・かわいいとかおいしいと感じる商品が気に入られ、販売量が増えている。場所によっても販売量が増加している店もあり、全体的に少し良くなっている。

5 北海道 やや良く 美容室(経営者) お客様の様子・客の来店周期が若干ではあるが短くなってきている。関連商材にも動きが出てきている。

6 近畿 やや良く タクシー運転手 お客様の様子・京都は修学旅行生が多く、毎日貸切りで回っているが、流し営業での利用は横ばいである。

7 東海 やや良く 住宅販売会社(従業員) お客様の様子 ・リフォーム、外壁の塗り替えやカーポート増設等の仕事が増えてきた。8 東京都 やや良く 通信会社(経営企画担当) お客様の様子 ・2~3か月先の案件予想から、やや良くなっている(東京都)。

9 北関東 良く 商店街(代表者) 来客数の動き・大河ドラマ効果は絶大で、平日はドラマ館見学の団体バスで道路が渋滞、関連イベントでは街全体がテーマパークのような人出である。

10 北陸 やや良く タクシー運転手 来客数の動き・新年度に入り、気候も良くなってきているので、観光客が増えてきている。特に外国人の観光客が増えている。

11 北関東 やや良く その他サービス[葬祭業](経営者)お客様の様子 ・葬儀の問い合わせがとても増えており、依頼につながっている。

キーワード本格話サミット伊勢志摩良い増え仕事予想良く方向問い合わせ連休公共短く年度利用改修効果改装工事活気感じる案件

Dual ComBine Analysis

◆ “変わらないCL.3“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わらないCL.3”は、地域は、東北、中国、北関東である。

・業種としては、コンビニ、スーパなどが定番で、市場因子は来客数の動き、販売量の動きである。

・ペルソナは、“・天候等による来客数の変動はあるが、客単価に大きな変動はないようなので、あまり変化がない。 ”

18 2016/5/31

“変わらないCL.3“のペルソナ

“変わらないCL

.3“

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変わらないCL.3

日本の消費の代表的“変わらない”クラスタで、スーパとコンビニが定着している。地域は東北、中国、関東などで、単価の動きや販売量の動きが変わらない要因としているが、単価を下げても売り上げは増えないとの理由もある。。

NO 地域 DI 業種 市場 理由

1 北関東 変わらない コンビニ(店長) 単価の動き・天候等による来客数の変動はあるが、客単価に大きな変動はないようなので、あまり変化がない。

2 中国 変わらない スーパー(販売担当) 販売量の動き

・一回の来店時の購入量が減少傾向で苦戦が続いている。ただし当月に限れば、熊本地震関係で被災地の親族宛てに大量購入する客もおり、思わぬところで助けられている面がある。それも考慮すると総体的に景気は横ばいである。

3 北関東 変わらない スーパー(総務担当) 販売量の動き・売上は前年と同じで、衣料品と食料品はよく売れているが、住まいの品が不振である。生活準備品が売れる時期だけに大きい。

4 中国 変わらない スーパー(総務担当) 単価の動き・前年の客単価より緩やかに上昇しているが、数か月単位では変わらない。

5 北関東 変わらない コンビニ(経営者) 来客数の動き・今年は大河ドラマゆかりの地ということで、街全体では前年比で4倍近く来客数が増加している状況が1月から続いているものの、当店はそれほど増えていない。もう少し増えても良いと思う。

6 南関東 変わらない コンビニ(経営者) 来客数の動き

・来客数は、前年比98%くらいで推移している。例年3月末から4月初めにかけて、近隣の事業所、販売店等、客の転勤、転入があり、がらっと客の顔ぶれが変わる時がある。今年に限れば、来客数が減少しており、転勤する常連客と新しく転入してくる客の比率では、出て行った客が多い。

7 東北 変わらない スーパー(経営者) 単価の動き

・4月は1品単価、来客数共に前年並みで推移しているが、安売りで買上点数が増加したため、売上は前年をクリアしている。客はより価格に敏感な印象であり、財布のひもが固い状態が続いている。そのため、消費傾向に変化はない。

8 沖縄 変わらない スーパー(販売企画担当)単価の動き・今月も1品単価アップにより売上は前年比アップとなる。客数はあまり変わらない。

9 東京都 変わらない スーパー(店長) 販売量の動き・来客数は前年並みに推移しているものの、ある程度の価格を打ち出しても以前ほどの販売量増加につながらず、まだ財布のひもは固いように感じる(東京都)。

10 東北 変わらない 美容室(経営者) 単価の動き・客単価はここ数か月横ばいで推移しており、前年と比較しても動きに変化はない。

キーワード単価変動買上点数安売り並み比較天候変化既存店限れ前年上がっ印象少々推移売上数値つながら客単価全体考える共に1月来客変わら

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◆ “やや悪くなったCL.4“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや悪くなったCL.4”は、地域としては、九州を除くほぼ全国な広がりとなっている。

・業種としてはレストランで、スーパで、消費の停滞が衣料だけでなく、食料にも及び、市場因子は、圧倒的に“来客数の動き”である。

・ペルソナは、“来客数の前年比は、今年に入って低下傾向が続いている。それまで多かった土日の来客数も、ディナー、ランチの順に減少がみられる。4月の前半は、前年と比較して花見の期間が長く、天候も良好で好調となったが、後半はそれ以上の低下が続いている”

19 2016/5/31

“やや悪くなったCL.4“のペルソナ

“悪くなったCL.4“

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やや悪くなっているCL.4

日本の現状を代表する“やや悪くなった”業種は、レストランとスーパで、その市場要因は圧倒的に、来客数の動きとしており、スーパにも広がっている。

No 地域 DI 業種 市場 理由

1 近畿 やや悪く 一般レストラン(企画) 来客数の動き

・来客数の前年比は、今年に入って低下傾向が続いている。それまで多かった土日の来客数も、ディナー、ランチの順に減少がみられる。4月の前半は、前年と比較して花見の期間が長く、天候も良好で好調となったが、後半はそれ以上の低下が続いている。

2 近畿 悪く スーパー(店長) 来客数の動き・当店の南と北にある競合店が共にリニューアルオープンしたため、車での移動が苦にならない人はそちらに出かけている。人口減少の影響も含め、来客数が大幅に減少している。

3 東北 やや悪く 一般レストラン(経営者)来客数の動き・東日本大震災の年を除き、こんなに暇な4月は初めてというくらいに来客数が少ない。昼の客も少ないが、夜の客が1人も来ない日があったりと、非常に厳しい状態が続いている。

4 近畿 やや悪く スーパー(企画) 来客数の動き・昨年秋から個人消費は踊り場に入り、衣料品、生活関連品は苦戦していたが、食料品は好調であった。年明け以降は下降局面へ突入し、春先からは食料品にまで買い渋りがみられる。

5 四国 やや悪く その他飲食[ファーストフード](経営者)来客数の動き ・来客数が減少傾向にある。6 近畿 やや悪く 一般レストラン(経営者)来客数の動き ・平日の来客数が厳しい。

7 東北 やや悪く 高級レストラン(支配人)来客数の動き・気温の上昇に伴い、外食をする客が増えることを期待していたが、来客数は前年に比べて下回っている。特にディナー時の法人利用の低迷が大きく影響しており、予約状況も今一つ伸びていない。

8 北陸 やや悪く その他小売[ショッピングセンター](統括)来客数の動き

・買上率、客単価などをみると客の購買意欲自体は大きく変わっていないようにみられるが、昨年度からの金沢駅前含め周辺競合環境の影響により来客数の減少がみられる。特に昨年度に自店で実施したリニューアルで、入替えが多かった業種のアパレルや飲食店の影響によるものが大きい。

9 北海道 やや悪く 商店街(代表者) 来客数の動き・月初めは来客数、客単価共に前年の80%程度で推移した。後半になり少しは持ち直してはいるが、前年の90%にも届かない状況である。

10 東北 やや悪く スーパー(経営者) 来客数の動き・熊本地震を機に、ごちそうを控えめにするなど、買物が少し抑え気味になっている様子がうかがえる。

キーワード食料衣料苦戦高額大きく低下鈍く減少状況買上回復服婦人来客数比較的特選続い昨年後半下回る特に宝飾

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◆ “悪くなったCL5“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“悪くなったCL5.”ののDIは、 今月は、地域としては、圧倒的に九州となった。

・業種としては、百貨店、観光ホテル、タクシー、レストラン等あらゆる業種に広がっている。市場因子も通常とは異なっている。

・ペルソナは、百貨店の、“熊本地震が発生した。今後しばらくは客を含めて、被災者を中心に生活の建て直しが第一優先となる。食品、生活に関するリビング商品の需要が高まりそうであるが、ファッション商品の回復には時間が掛かりそうだ。”

20 2016/5/31

“悪くなったCL5“のペルソナ

“やや悪CL

5“

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悪くなった

CL5

今月悪くなったクラスタは、九州地域が際立った。業種は百貨店、レストラン、観光ホテル、タクシー、美容室等広範に渡っている。悪くなった日本の定番の百貨店はもちろん、レストランなど飲食サービスはもちろん、食品などまどまで広がっている。

NO 地域 DI 業種 市場 理由

1 九州 やや悪く 百貨店(業務担当) お客様の様子・熊本地震が発生した。今後しばらくは客を含めて、被災者を中心に生活の建て直しが第一優先となる。食品、生活に関するリビング商品の需要が高まりそうであるが、ファッション商品の回復には時間が掛かりそうだ。

2 九州 悪く 観光ホテル(総務) それ以外 ・熊本地震による影響が出ている。

3 九州 やや悪く タクシー運転手 来客数の動き・駅周辺の大型商業施設の開業等があったものの、熊本地震により当地においても観光客のキャンセルなど沈滞ムードが漂っている。

4 九州 悪く 衣料品専門店(店長) 来客数の動き ・景気そのものには関係ないが、熊本地震の影響で客の動きが鈍い。

5 九州 悪く 高級レストラン(専務) 来客数の動き・熊本地震で鉄道、飛行機などの交通網に影響が出ており、県外、アジアからの客が減って、大変な状態になってきている。客数が地震前の10分の1ぐらいになっている。

6 九州 悪く 一般レストラン(スタッフ) それ以外 ・一時的、局地的なことであるが、熊本地震の影響で観光客が減少している。

7 九州 悪く 高級レストラン(経営者) 来客数の動き・熊本地震以降、入っていた客の予約はすべてキャンセルになった。客もほとんど来ることがなく売上がガタ落ちとなった。

8 九州 悪く 美容室(経営者) 来客数の動き ・熊本地震で店の被害もあり、悲惨な目に遭っている。

9 九州 悪く 観光型ホテル(専務) それ以外・熊本地震の影響で長崎県もまるで被害があったかのような風評被害を受けている。キャンセルが相次いでおり、余震が収まるまで影響が続くと見込んでいる。

10 近畿 やや悪く 百貨店(売場マネージャー) お客様の様子・株安や熊本地震の影響を受けてか、高価格帯の商品の動きが厳しく、買い控えが増えている。特に、年配客にその傾向が強く感じられる。

キーワードキャンセル熊本地震影響今後受け九州発生余震以降被害相次い風評被害落ち込んムード道しばらく中止店客数減っ大変バウンド当地中心厳しく

入力データと構成 Dual ComBine Analysis

2016/5/31 21 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

全国の景気動向の政府の見解 Dual ComBine Analysis

◆今月の内閣府の見解

・内閣府は、“4月の現状判断DIは、前月比1.9ポイント低下の43.5となった。家計動向関連DIは、サービス関連な

どが低下したこと等から低下した。”としている。

先月は、 “家計動向関連DIは、サービス関連などが上昇したこと等から上昇した。”としていたので、上昇の説明となった。

•“今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、消費動向等への懸念に加え、熊本地震によるマインド面の下押しもあり、引き続き弱さがみられる。”

2016/5/31 22

内閣府の見解

平成27年3月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査

4月の現状判断DIは、前月比1.9ポイント低下の43.5

となった。

家計動向関連DIは、サービス関連などが低下したこと等から低下した。企業動向関連DIは、製造業及び非製造業が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、低下した。

4月の先行き判断DIは、前月比1.2ポイント低下の45.5となった。

家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが低下した。

なお、季節調整値でみると、現状判断DIは前月比1.6

ポイント低下の40.0となり、先行き判断DIは前月比2.4ポイント低下の42.9となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、消費動向等への懸念に加え、熊本地震によるマインド面の下押しもあり、引き続き弱さがみられる。先行きについては、観光需要や設備投資増加への期待等がある一方、熊本地震に伴う先行き懸念が多く表明されていることから、今後の動向が、企業、家計のマインド等に与える影響に留意する必要がある」とまとめられる。

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http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0512watcher/bassui.html

「景気ウオッチャー調査」データから処理の概要~ Dual ComBine Analysis

◆データ処理の概要

1.入力データ

・内閣府の「景気ウォッチャー調査」 データ.

ただし、この調査には家計動向関連、企業動向関連、製造業、および雇用関連DIの3種があるが、家計動向関連の現状判断のみを扱う.

2.前処理手法

・景気の動きを観察できる人々からインタビューした景気動向に関する具体的状況の説明文を解析し、地域を11の景気影響要因により特徴付ける.それをもとに、各地域の代表的な景気動向に関する具体的状況の説明文とキーワードを抽出する.

3.連環データ分析による処理

・地域、季節影響要因、キーワード、説明文の関係をクロス表に表現.連環データ分析により、機械学習とAIルールで、情報圧縮し、DCBマップに展開して、意味を抽出.

データ例 処理

◆「景気ウオッチャー調査データ」例

・例:北海道の一部のみ掲載.“3ヵ月くらい前”に比べ景況感を訊ね、その理由を訊いている.

・“良くなっている”、“やや良くなっている”、“変わらない”、“やや悪くなっている”、“悪くなっている”

◆データ処理の概要

2016/5/31 23 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

全国の景気動向の構成

景気ウオッチャー調査

調査の目的:地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域。

調査客体:家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を調査客体とする

調査期間:毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25日から月末である。

調査事項:景気の現状に対する判断(方向性) 、その理由 、および追加説明及び具体的状況の説明

調査客体数:平成13年8月調査以降は2,050人(全国11地域)。ただし、家計の景気動向ウオッチャーは840人程度。

DIの算出方法 :景気の現状、または、景気の先行きに対する5段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて、DIを算出している。

評価 良くなっている やや良くなっている 変わらない やや悪くなっている 悪くなっている評価 良くなる やや良くなる 変わらない やや悪くなる 悪くなる評価 (良い) (やや良い) (どちらともいえない) (やや悪い) (悪い)

点数 100.0 75.0 50.0 25.00 0.0

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

・内閣府の定義 ・連環データマガジンでは、18業種に独自に再分類している。

小売関連 商店街・一般小売店 商店街代表者一般小売店経営者・店員

百貨店 百貨店売場主任・担当者スーパー スーパー店長・店員

コンビニエンスストア コンビニエリア担当・店長衣料品専門店 衣料品専門店経営者・店員家電量販店 家電量販店経営者・店員

乗用車・自動車備品販売店 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員その他小売店 住関連専門店経営者・店員

その他専門店経営者・店員その他小売の動向を把握できる者

飲食関連 高級レストラン経営者・スタッフ一般レストラン経営者・スタッフスナック経営者その他飲食の動向を把握できる者

サービス関連 旅行・交通関連 観光型ホテル・旅館経営者・スタッフ都市型ホテル・旅館経営者・スタッフ旅行代理店経営者・従業員タクシー運転手

通信会社 通信会社社員レジャー施設関連 観光名所、遊園地、テーマパーク職員

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Dual ComBine Analysis

景気ウオッチャーのジャン

2016/5/31 25 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

あとがき

今月も 2016年4月度単独のデータを分析したが、量的順序変数である景気ウオッチャーの景気判断DIと、質的変数であるその説明文、地域、業種、市場動向等の諸属性を、連環データ分析で分析した。連環データ分析は、量的変数と質的変数をデータフュージョンして解析できる世界に先駆けたセルフサービスBI.のAI.ツールで、次元圧縮による情報圧縮で5類型化した。さらにそのプロファイリングを行い、その5類型を代表するいわばペルソナもAIで抽出した。

AIでも、問題をえぐり出し、課題をデザインする正解のない問題への挑戦は、まだまだ手着かずである。それは、現状の理解と、あるべき姿の理解の共有、そして何よりそこに至る道筋の可能性の理解と共有が必須だからである。それはイノベーション・プロセスと似て、AIとしても大きな挑戦的課題である。

現在、US、EU,中国などでは、マシンラーニングの理論開発と利用が急速に進められている。その多くは、ビッグデータに対し情報圧縮を使ってパターン抽出を行うデープラーニングと、基準を持った規範的問題に対する強化学習の組合せである。技術とは、長らく、物質とエネルギーの不確実性を軽減できる意味のある情報のことであった。しかし、いまや人々の生活の価値を高めるのに、物資とエネルギーとは、その役割を記号に地位を奪われてしまいつつある。通貨に近い国債等の金融の仕組からマイナス金利が広がっているという事実は重たい。

技術こそは、役立つ知識であり、知識とは意味のある情報のことであり、意味のある情報がリアルワールドを数値や言葉等のデータモデルの実装転写された記号データ形式で表現されたバーチャルモデルであるという事実は大切である。つまり、情報の背後には、日本語なら日本語の自然なネットワーク構造に絡め取られた乱雑性(エントロピー)が基盤であり、そこに照らして始めて、意味を浮かび上がらせることができる唯一の基盤なのである。

英国の優れた科学を含む哲学の多くのパラダイムシフトや産業革命ばかりでなく、発展をシーリングしないコモンズローの法体系も、大英帝国コーパスの存在と決して無縁ではないのではなかろうか。応用統計学はナイチンゲールの層別の概念から生まれ、進化行動学も、データ解析や確率統計は、全ての技術の文法となった。 日本語コーパスを提供する知識サーバがGoogle一社に独占され、かつ自由なアクセスが許されていない現状は、悲惨である。その根源には、日本の曖昧な著作権法があることを広く理解される必要がある。国立国語研究所のような限られた規模の力だけでは、後世に悔いが残る。

広く皆さまからのご批判やアドバイス、コメントなどを頂戴できれば幸いです。 平成28年5月31日

Dual ComBine Analysis

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2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

発行 データ・ケーキベーカ 株式会社

編集 連環データ分析研究会

イラスト Hisam. Chyan

Photo T. Hirata & Aki . kara

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