浜松地区 耐性菌サーベイランス報告

2019年度 浜松地区 感染対策地域連携を考える会2020年2月6日

浜松医科大学医学部附属病院 感染対策室

概要

• 平成19年4月に施行された改正医療法により、すべ

ての医療機関において管理者の責任の下で院内感

染対策のための体制の確保が義務化されました。

• 本サーベイランスは、静岡県浜松地区（浜松市・湖

西市）における薬剤耐性菌の分離状況や薬剤感受

性の状況を調査し、各医療機関における院内感染

対策に有用な情報の還元等を行うことを目的として

います。

公開情報

• 微生物検査により各種検体から検出される、薬剤

耐性菌における分離状況および特定菌種の薬剤感

受性率を継続的に集計・解析し、全参加医療機関

のデータをまとめて公開します。

サーベイランス実施体制

• 浜松医科大学医学部附属病院感染対策室は、参

加医療機関（感染防止対策加算1・2算定施設）の検

査システム等から抽出されたデータを集計し、解析

評価を加えた情報を定期的（年1回）に還元します。

• 本サーベイランスによって収集されたデータは、医療機関における院内感染対策を支援する等の目的以外には使用しません。

耐性菌サーベイランスの参加施設（23施設）

加算１ 加算２

JA静岡厚生連 遠州病院 引佐赤十字病院

国立病院機構 天竜病院 十全記念病院

聖隷三方原病院 市立湖西病院

聖隷浜松病院 神経科浜松病院

浜松医科大学医学部附属病院 すずかけセントラル病院

浜松医療センター 浜名病院

浜松赤十字病院 浜松北病院

労働者安全機構 浜松労災病院 浜松市リハビリテーション病院

浜松南病院

北斗わかば病院

松田病院

丸山病院

三方原病院

その他施設

佐久間病院

天竜すずかけ病院

調査内容および方法

薬剤耐性菌 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）

基質拡張型β-ラクタマーゼ（ESBL）産生菌

• Escherichia coli

• Klebsiella pneumoniae

• Proteus mirabilis

多剤耐性緑膿菌（MDRP）

多剤耐性アシネトバクター属（MDRA）

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌（CRE）

特定菌種の薬剤感受性率 Pseudomonas aeruginosa

Acinetobacter spp.

Haemophilus influenzae

Streptococcus pneumoniae

対象

2013年1月～2019年12月に提出された検体

耐性菌は「厚生労働省院内感染対策サーベイランス

薬剤耐性菌判定基準（Ver.3.2）」、感受性の判定は

「CLSI M100」に準拠して判断し、1患者1株として集計

を行った。

方法

期間

調査内容および方法

MRSAの検出状況

36.9%63.1%

MRSAの分離比率 2019年

加算１

外来

加算２

n=1,797

45.3%54.7%

入院

62.3%37.7%

MRSA

MRSA

29.3%70.7%

MRSA

MRSAMSSA

MSSA

MSSA

MSSA

n=1,999

n=393n=140

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

入院

外来

MRSA分離率の推移（加算１）

AMRアクションプラン成果指標

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

入院 外来

MRSA分離率の推移（加算２）

AMRアクションプラン成果指標

MRSA分離率の比率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

外来

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

MRSA分離率の比率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

入院

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

MRSA分離率の比率（加算２）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

I施設 J施設 K施設 L施設 M施設 N施設 O施設 P施設 Q施設 R施設 S施設 T施設 U施設 V施設 W施設

外来

2017年 2018年 2019年

MRSA分離率の比率（加算２）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

I施設 J施設 K施設 L施設 M施設 N施設 O施設 P施設 Q施設 R施設 S施設 T施設 U施設 V施設 W施設

入院

2017年 2018年 2019年

ESBL産生菌の検出状況

ESBL産生菌の検出件数（加算１）

0

200

400

600

800

1000

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

検出件数

E.coli K.pneumoniae P.mirabilis

0%

10%

20%

30%

40%

E.coli K.pneumoniae P.mirabilis

加算1 加算2

ESBL産生菌検出率の比較 2019年

n=3,029

n=1,293

n=237

n=45

n=180

n=613

ESBL産生菌検出率の推移

0%

10%

20%

30%

40%

加算1 加算2

E. coli

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

0%

10%

20%

30%

40%

加算1 加算2

K. pneumoniae

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

Escherichia coli のLVFX感受性率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=1447

2006年n=1553

2007年n=1776

2008年n=1810

2009年n=1778

2010年n=1739

2011年n=2070

2012年n=2452

2013年n=2407

2014年n=2497

2015年n=2606

2016年n=2642

2017年n=2900

2018年n=3029

2019年

Escherichia coli 全株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL非産生株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL産生株

Klebsiella pneumoniae のLVFX感受性率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL非産生株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL産生株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=758

2006年n=658

2007年n=825

2008年n=740

2009年n=935

2010年n=964

2011年n=1078

2012年n=1269

2013年n=1189

2014年n=1141

2015年n=1094

2016年n=1189

2017年n=1282

2018年n=1293

2019年

Klebsiella pneumoniae 全株

Proteus mirabilis のLVFX感受性率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=140

2006年n=145

2007年n=155

2008年n=152

2009年n=154

2010年n=172

2011年n=188

2012年n=261

2013年n=238

2014年n=234

2015年n=242

2016年n=257

2017年n=279

2018年n=237

2019年

Proteus mirabilis全株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL非産生株

0%

20%

40%

60%

80%

100%

ESBL産生株

ESBL産生Escherichia coliの検出率（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

CREの検出状況

CREの検出件数（加算１）

菌種 総件数施設

A B C D E F G H K L O

Escherichia coli 2 1 1

Klebsiella pneumoniae 17 10 3 1 1 1 1

Enterobacter spp. 17 1 10 1 2 1 1 1

Serratia marcescens 0

他の腸内細菌科細菌 29 1 21 2 3 1 1

材料別 件数

呼吸器 34

泌尿生殖器 17

血液 3

消化器 3

その他 5

2019年

Klebsiella pneumonia には、CPEの株も含まれ

る。

他の腸内細菌では、Klebsiella aerogenes が多

数。

特定菌種の薬剤感受性率

• Pseudomonas aeruginosa

• Acinetobacter spp.

• Haemophilus influenzae

• Streptococcus pneumoniae

感受性率 Pseudomonas aeruginosa

2019年

0%

20%

40%

60%

80%

100%

PIPC CAZ CFPM IPM MEPM CPFX LVFX AMK

感受性率

加算1 n=841 加算2 n=211

Pseudomonas aeruginosa 感受性率の推移（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=971

2013年n=951

2014年n=894

2015年n=812

2016年n=851

2017年n=764

2018年n=841

2019年

感受性率

PIPC

CFPM

MEPM

LVFX

Pseudomonas aeruginosa 感受性率の推移（加算２）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=284

2013年n=231

2014年n=285

2015年n=306

2016年n=286

2017年n=260

2018年n=211

2019年

感受性率

PIPC

CFPM

MEPM

LVFX

施設別感受性率（加算１） Pseudomonas aeruginosa

0%

20%

40%

60%

80%

100%

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

PIPC

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

施設別感受性率（加算１） Pseudomonas aeruginosa

0%

20%

40%

60%

80%

100%

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

CFPM

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

施設別感受性率（加算１） Pseudomonas aeruginosa

0%

20%

40%

60%

80%

100%

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

MEPM

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

施設別感受性率（加算１） Pseudomonas aeruginosa

0%

20%

40%

60%

80%

100%

A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設

LVFX

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

Pseudomonas aeruginosa の耐性化傾向

IPM（MEPM）耐性

AMK耐性CPFX（LVFX）耐性

96

（7.5%）

2

（0.2%）

6

（0.5%）

1

（0.1%）

20

（1.6%）

56

（4.4%）4

（0.3%）

2019年（加算１）1,282株

Pseudomonas aeruginosa の耐性化傾向

IPM（MEPM）耐性

AMK耐性CPFX（LVFX）耐性

11

（4.4%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

20

（8.0%）1

（0.4%）

2019年（加算２）292株

0%

2%

4%

6%

8%

10%

n=1319

2013年n=1318

2014年n=1215

2015年n=1236

2016年n=1223

2017年n=1180

2018年n=1282

2019年

検出率

2剤耐性（IPM+CPFX）

2剤耐性（IPM+AMK）

2剤耐性（CPFX+AMK）

3剤耐性（MDRP）

Pseudomonas aeruginosa の2剤・3剤耐性（加算１）

Acinetobacter spp. の耐性化傾向

4

（1.6%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

18

（7.2%）0

（0%）

2019年（加算１）IPM（MEPM）耐性

AMK耐性CPFX（LVFX）耐性

249株

Acinetobacter spp. の耐性化傾向

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）

0

（0%）0

（0%）

2019年（加算２）IPM（MEPM）耐性

AMK耐性CPFX（LVFX）耐性

25株

Acinetobacter spp. の2剤・3剤耐性（加算１）

0%

2%

4%

6%

8%

10%

n=278

2013年n=241

2014年n=256

2015年n=216

2016年n=229

2017年n=252

2018年n=249

2019年

検出率

2剤耐性（IPM+CPFX）

2剤耐性（IPM+AMK）

2剤耐性（CPFX+AMK）

3剤耐性（MDRA）

Haemophilus influenzae 感受性率の推移（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=1007

2013年n=1078

2014年n=1173

2015年n=958

2016年n=1007

2017年n=895

2018年n=842

2019年

感受性率

ABPC

CTRX

MEPM

LVFX

CAM

Streptococcus pneumoniae 感受性率の推移（加算１）

0%

20%

40%

60%

80%

100%

n=906

2013年n=842

2014年n=868

2015年n=657

2016年n=662

2017年n=551

2018年n=550

2019年

感受性率

PCG

CTX

MEPM

LVFX

問い合わせ

浜松医科大学医学部附属病院感染対策室

〒431-3192

静岡県浜松市東区半田山1-20-1

電話：053-435-2799