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Vol. 15, No. 2   神奈川県立生命の星・地球博物館  Jun., 2009

2009 年 6 月 15日発行 年 4 回発行 通巻 57 号 ISSN 1341-545X

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フクロウのすむ樹洞

加か と う

藤ゆき (学芸員)

 この木 (スダジイ) の樹じ ゅ ど う

洞でフクロウ

が最初に発見されたのは 2008 年 12月のこと、 木の近くを歩いていたら洞

う ろ

から飛び出てきた、 と同僚の学芸員か

ら報告されました。 それから 4 ヶ月ほど

洞を利用していましたが、 サクラの花が

咲くころ姿を消しました。 冬の間のねぐ

らにしていたのか、 もしかしたら子育て

の場所として利用しようとしたのかもしれ

ません。

 フクロウは、 留りゅうちょう

鳥として沖縄をのぞく

日本各地の林で見られます。 神奈川

県でも、 一年をとおして平地から山地

にかけての林に生息し、 寺社林や里山

など、 身近な環境でもみられます。 し

かし、 森林伐ばっさい

採や宅た く ち

地開発などにより

林が減少し、 フクロウがねぐらや営えいそう

場所として利用できる洞のある大木が

少なくなりました。 近年は、 フクロウの

姿をみかけるのはまれになりました。

 この木は博物館のすぐ近くにありま

す。 身近な場所で、 フクロウがくらせる

ような洞のある木を見られるのは、 大変

すばらしいことです。