Where children grow exhibition, Japanese

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スウェーデン児童文学 ここで 子どもは 成長する

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スウェーデン児童文学

ここで 子どもは 成長する

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「よい文学は子ども達にこの世界での居場所を与えるとともに、彼らの心の中に世界を創造します」とアストリッド・リンドグレーンは言いました。本展示「ここで子どもは成長する」を通じてスウェーデン文化交流協会はスウェーデン児童書研究所との連携を計り児童文学の役割についての意見交換の機会をつくること、また海外への発信を期待しています。

国際的な交流とは、つまりは本が翻訳され、世界の様々な地域の読者が互いの理解と知識を深めることです。

スウェーデンにおいて児童文学は重要な位置づけにあります。スウェーデンには世界最大の児童・青少年文学賞であるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞(ALMA)があります。 スウェーデンではまた児童・青少年文学について様々な研究が行われています。研究者とこの分野に関心のある一般の人の支援のため児童・青少年文学の国立研究機関であるスウェーデン児童書研究所(Sbi)があります。さらにストックホルム大学には児童文化研究学部(CBK)もあり、講座やシンポジウムや学会が開かれたり、児童文化という分野に関する研究誌が発行されたりしています。

全ての子どもが身近に感じられる文学を手に取りやすいものにすることが一つの挑戦です。また子どもや青少年に本を読みたいと思わせることも重要です。児童の権利に関する条約で表現されている通り、子どもには情報を入手し、社会に参加し、文化的生活を送る権利があります。私どもは読書力、創造力の重要性を高めるとともに、文学の喜びと有用性を明示したいと願っています。

作家、イラストレーター、翻訳者、出版社、図書館、研究機関、研究者は、この活動において重要な役割を果たします。本展示「ここで子どもは成長する」でご紹介する作家とイラストレーター、具体的な出版社の連絡先、スウェーデン児童書研究所(Sbi)とアストリッド・リンドグレーン記念文学賞(ALMA)の詳しい情報は次のページをご参照下さい。

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ここで子どもは成長する

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エッマ・アードボーゲ1982年生まれ。イラストレーター、作家。ホーフォシュの漫画学校で教育を受ける。

エッマ・アードボーゲは19歳の時にデビューしました。それ以来20冊ほど作り、他の作家の文章にもイラストをつけています。彼女の絵本では、混沌とした日常や子ども時代の感情の機微がつぶさに描かれています。レーニは外の世界全般、自分のお父さんに特に自分がしっかりしているってことを示したいと思っている小さな女の子です。『レーニのオッレ』は2013年、イラスト賞であるエルサ・ベスコフ賞を受けました。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(レーニ)

クリスティーナ・ディーグマン1959年生まれ。イラストレーター、作家。コペンハーゲンの芸術アカデミーで学ぶ。

児童書のイラストを初めて手がけたのは、サンナ・トーリンゲのVår hemliga trädgård (ぼくらの秘密の庭)でした。またアストリッド・リンドグレーンの童話、『ペーテルとペトラ』(Peter och Petra)の絵本版にもイラストをつけています。さらに初めて文とイラストの両方を手がけた『フローラのにわ』(Floras kulle)は2008年に出版され、スウェーデン作家協会によりSlangbellan(スラングベッラン)新人賞を与えられました。オーサ・リンドのサカリーナと砂のオオカミのシリーズでは、こじんまりとした独特の水彩画によって、哲学的な物語をさらに一段高みへと引き上げています。

出版社:ラーベン&ショーグレン(サカリーナ)

グニッラ・ベリィストロム1942 年生まれ。作家、イラストレーター。ジャーナリストの教育を受ける。

アルフォンス・オーベリについての著作は版を重ね、読み継がれています。1972年に1作目の『おやすみアルフォンス!』(God natt, Alfons Åberg) が出版されて以来、アルフォンスの本はスウェーデンで500万部も出版されています。さらに翻訳も30か国語にされています。アルフォンスは芸術学の博士論文によく用いられ、その名前を冠した賞まで登場し、アニメ-ションにも劇にもなっています。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(アルフォンス・オーベリ)

エヴァ・エリクソン1949年生まれ。イラストレーター、作家。コンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学び、画家教師の教育を受ける。

エヴァ・エリクソンはマックスやきかんぼぼうや、赤ちゃんやみみりんといった一連の現代の古典的な作品にイラストをつけてきました。また彼女は自身の絵本も手がけました。彼女の温かでユーモラスなイラストは、様々な作家の文と調和します。彼女はイラストレーター賞のエルサ・ベスコフ賞、文学賞のヘッファクルンペン賞、また三回の権威あるアウグスト賞受賞と、幾度となくその功績を讃えられてきました。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(マックス)

Smultron! Det växte smultron på markenmellan buskarna, och det var verkligen ingavanliga små smultron. Det var de största, derödaste, de läckraste smultron som Zackarinanågonsin hade sett. De var så blanka och glän-sande att det lyste om dem. Och hon kändedoften, kunde nästan känna smaken.

Åh, vilka smultron!

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Vilken otur.Nu är ballongen trasig.

I_Pom_och_Pim.indd 24 2012-05-22 08:44

アン・フォッシュリンド1953年生まれ。イラストレーター、作家。コンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)でイラストの講師をしている。

アン・フォッシュリンドは他の作家の絵本にイラストをつけたり、絵本の文とイラスト両方を自身で手がけたりしてきました。彼女の創作活動は赤ちゃん絵本、就学前児童向けの絵本、児童や青少年向けの色彩学や絵の描き方についての3冊のノンフィクションなど多岐に渡ります。"赤ちゃん"の絵本では、赤ん坊の視点からとらえた日常が描かれています。アン・フォッシュリンドは簡潔な文章と余計なものが削ぎ落とされたイラストの両方で最初から最後まで一貫して赤ちゃんの思考や感情を描き出します。アン・フォッシュリンドは2001年にイラスト賞であるエルサ・ベスコフ賞を受けました。

出版社:アルファベータ出版(赤ちゃん)

レーナ・ランドストローム1943年生まれ。イラストレーター、作家。ベックマン・デザイン大学で学ぶ。

レーナ・ランドストロームは夫のオロフ・ランドストロームと一緒にたくさんの本を作ってきました。2人はニッセやムーやんメーやんのような、有名な絵本のキャラクターを輩出してきました。ポムとピムのシリーズは乳幼児を対象にしています。レーナ・ランドストロームは少ない言葉で、乳幼児の思考や感情を繊細に表現しています。ランドストローム夫妻はともに文学賞であるアストリッド・リンドグレーン賞とヘッファクルンペンを授与されました。レーナ・ランドストロームはまた自分または他の作家の絵本の文章にもイラストをつけています。

出版社:リッラ・ピラート出版(ポムとピム)

ペール・グスタフソン1962年生まれ。イラストレーター、作家。芸術産業大学で学ぶ。

ペール・グスタフソンは1995年に絵本Stoppa bollen(ボールを止めて)で作家デビュー。お姫様についての本の1巻目、Så gör Prinsessor(お姫様はそうする)は2003年に出版されました。ペール・グスタフソンはエネルギッシュなお姫様を描くことで、茶目っ気たっぷりに古い女性像に疑問を投げかけます。お姫様を主人公にした本はこれまで9冊、När prinsar stannar hemma(王子様が家に残る時)のような番外編も数冊出されています。ペール・グスタフソンは2014年にイラスト賞のエルサ・ベスコフ賞を受けました。

出版社:ナトゥール&クルトゥール(王子様とお姫様)

エヴァ・エリクソン1949年生まれ。イラストレーター、作家。コンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学び、画家教師の教育を受ける。

オロフ・ランドストロームは様々な作家と、とりわけ妻のレーナ・ランドストロームと多く共作してきました。その本の多くからは彼がアニメーションの制作に深く関わってきたことが分かります。赤ちゃん絵本、ポムとピムはアニメーション的な場面で成り立っています。イラストは細部までは余り描かれておらず、中心的なのは感情の変化を投影したポムの仕草や表情です。ランドストローム夫妻は2人で文学賞、アストリッド・リンドグレーン賞とヘッファクルンペンを獲得しました。

出版社:リッラ・ピラート出版(ポムとピム)

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När Gittan tappar bort sitt dagis hittar hon gråvargarna. Gittan är den roligaste lekkamraten gråvargarna haft. Ingen leker så roliga lekar och ingen sjunger så sorgliga sånger som Gittan. ”Mångfacetterad och crazy”, Stina Zethraeus, DN. ”Färgstark och kraft-full”, Lena Kåreland, SvD. ”Klurig, rolig och fräckt illustrerad”, Pia Huss, Förskolan. ”Mästerliga bilder”, Cecilia Nelson”, Göteborgs Posten. ”Begåvat, konstnärligt, nyskapande!”, Ingeborg Ahlanader, Nerikes Allehanda. ”Att varmt rekommendera”, Suzanne B Friberg, Sydsvenska Dagbladet.

Augustpriset 2000

オーサ・リンド1958年生まれ。作家。ニュッケルヴィーク芸術専門学校とストックホルムでジャーナリズムを学ぶ。

オーサ・リンドはラジオ放送用の童話を200作以上描いた後、本という形式で1995年にデビューしました。それ以来、児童と青少年向けに20冊ほどの本を描いてきました。最も有名なのは想像力に富んだ少女サカリーナとその友である砂のオオカミにまつわる哲学的で詩的な読み物です。2003年にデビュー作が出版されるや文学賞、ニルス・ホルゲション賞を受けました。続編のMera Sandvargen(もっと砂のオオカミ)はアウグスト賞にノミネートされました。彼女の本は15ヶ国語に翻訳されています。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(サカリーナ)

アストリッド・ リンドグレーン1907–2002年。作家、編集者。

スウェーデンでずば抜けて有名で、最も多く翻訳されている作家。彼女の本は総計90言語に翻訳されています。2作目の『長くつ下のピッピ』(Pippi Långstrump)は彼女の出世作となりました。アストリッド・リンドグレーンは様々な年齢の読者に向け、おとぎ話もリアリスティックな話もファンタジーも描く作家でした。彼女はその生涯において子どもの権利を訴え続け、数え切れないほどの賞と名誉博士号を何度も受けました。彼女の名を冠した賞は相当数ありますが、中でもとりわけ有名なのは、文学賞のアストリッド・リンドグレーン記念文学賞です。この賞は彼女が亡くなった2002年にスウェーデン政府により創設されました。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(長くつ下のピッピ)

ピア・リンデンバウム1955年生まれ。イラストレーター、作家。コンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学ぶ。

ピア・リンデンバウムは1990年に自身が文とイラストの両方を手がけたElse-Marie och småpapporna(エルセ・マリーと小さくなったパパ)を発表する前の数年間、他の作家の本にイラストをつけていました。ピア・リンデンバウムの本は独特なユーモアで特徴づけられ自立心の強い女の子がしばしば描かれています。例えば、向こう見ずであると同時に慎重なギッタンです。Gittan och gråvargarna(ギッタンと灰色オオカミ)は2000年にアウグスト賞を受けました。ミッケとマンネについての赤ちゃん絵本では、日常の些細な出来事が中心的に描かれています。ピア・リンデンバウムはスウェーデン国内に留まらず、ドイツ児童文学賞など国際的に名誉を称えられてきました。彼女の本は複数の言語に翻訳されています。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(ギッタン)、ボニエル・カールセン(ミッケとマンネ)

バルブロ・リンドグレーン1937年生まれ。作家。コンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)の広告コースと芸術アカデミーで学ぶ。

バルブロ・リンドグレーンは子ども向けの本を中心に100冊ほどの作品を描いてきました。初期はイラストも自分で手がけてきましたが、1980年以降は様々なイラストレーターと共作するようになりました。マックスの本では極限まで削ぎ落とされた彼女の文章に、エヴァ・エリクソンがイラストをつけました。彼女は曖昧な要素で成るユーモラスな散文を用い、死や孤独のような難しいテーマにもひるみません。世界を一貫して子どもの視点でとらえる能力は、舌を巻くほどです。彼女はたくさんの賞を与えられ、その功績を讃えられました。2014年スウェーデンの作家として初めて文学賞、アストリッド・リンドグレーン賞を受けました。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー(マックス)

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© Ingrid Vang Nyman / Saltkråkan

サーラ・ルンドベリ1971年生まれ。イラストレーター。アメリカとスウェーデンで教育を受ける。

サーラ・ルンドベリは様々な作家の本にイラストをつけた後の2009年、Vita streck (ヴィータ・ストレック)でデビューしました。彼女の詩的な語りと効果的な対照を成す大胆な色使いが情緒的で想像力に満ちた物語と対比しています。続編のVita streck och Öjvind(ヴィータ・ストレックとエイヴィンド)はアウグスト賞にとその北欧協会児童青少年文学賞にノミネートされました。2013年には3冊目のÖjvind och världens ände(エイヴィンドと世界の終わり)で文学賞ヘッファクルンペンを獲得しました。2009年にアウグスト賞を受けた、創作に関する本Skriv om och om igen(何度も書き直す)のイラストも彼女が手がけたものです。

出版社:アルファベータ出版(ヴィータ・ストレックとエイヴィンド)

イングリッド・ヴァン・ ニイマン1916–1959年。イラストレーター。コペンハーゲンの芸術アカデミーで学ぶ

イングリッド・ヴァン・ニイマンは長くつ下のピッピの本のイラストレーターとして知られています。彼女はアストリッド・リンドグレーンをはじめとする他の作家の本だけでなく、自身の作品にもイラストをつけました。アストリッド・リンドグレーンは彼女の絵についてどう思っているか聞かれたことは一度もなかったようですが、非常に満足していたようです。イングリッド・ヴァン・ニイマンはスウェーデンの児童書界にモダニズムをもたらした、デンマーク出身の新鋭芸術家でした。現代のイラストレーターの多くは、影響を受けた作家として彼女の名前を挙げます。スウェーデンの読者は彼女の名前を聞くと、ピッピのイラストを思い浮かべます。翻訳された本の多くではその国のイラストが使われています。

出版社:ラベーン&ショーグレン・エージェンシー (長くつ下のピッピ)

スヴェン・ノードクヴィスト1946年生まれ。イラストレーター、作家。建築家の教育を受ける。

スヴェン・ノードクヴィストは広告や教科書などにイラストをつけ、1983年にAgaton Öman och alfabetet(アガトン・エーマンとアルファベット)が出版社オーパルの絵本コンクール入選。転機となったのは、ペットソンというおじいさんとネコのフィンドゥスのシリーズ1作目『フィンドゥスの誕生日』(Pannkakstårtan)でした。イラストには文章で決して語らえることのない、楽しいディテールがたくさん見られます。イラストの隅のあらゆる場所に、作家が"ムックロル"と呼ぶ小さなキャラクターが出てきます。2007年には『おねえちゃんはどこ?』(Var är min syster?)でアウグスト賞を受けました。

出版社:オーパル(フィンドゥス)

ウルフ・スタルク1944年生まれ。作家。

ウルフ・スタルクは児童・青少年文学、絵本、映画の脚本を書いてきました。彼はユーモアとシリアスを組み合わせる独特の能力の持ち主です。死や悲しみは友情と同じように、小さな子ども向けの本でも繰り返し描かれるテーマです。En stjärna vid namn Alex och Systern från havet(アヤックスという名の星)とAlex och Systern från havet(海の向こうから来た姉妹)にイラストをつけたのはスティーナ・ヴィルセンです。どちらの本も悲しみと友情がテーマになっています。ウルフ・スタルクは1996年に『おねえちゃんは天使』(Min syster är en ängel)でアウグスト賞を受けました。彼はまた文学賞のヘッファクルンペンとニルス・ホルゲション賞とドイツ児童文学賞を受けました。

出版社:ボニエル・カールセン(ヨハンとアヤックス、シルッカとマルガレータ)

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– Men hur gick det till? frågar Lasse. Vi har väl inte tänt några tändstickor?

I_Brandkarsmysteriet.indd 20 2014-11-21 14:05

Hon ger Sirkka en kram. När tanten med armbindeln säger att de måste gå,

vänder mamma sig bort ett ögonblick. Så ger hon Sirkka sin näsduk. Den är fuktig.

– Om du behöver snyta dej, säger hon. Kom ihåg att vara snäll och prata deras språk.

Mamma ser efter hennes röda rosett.

I_Systern_fran_havet.indd 15 2014-11-11 16:23

マッティン・ビードマルク1961年生まれ。作家。小学校中・高学年の教員。

マッティン・ビ-ドマルクの20冊を超えるラッセとマヤのたんていじむしょシリーズはスウェーデンの図書館の年間貸出数の調査でトップの常連です。シリーズは30もの言語に翻訳されています。またモンスター・エージェント・ネリー・ラップのシリーズも大変人気があります。マッティン・ビードマルクは子どもの読書推進活動に精力的に取り組み、読みやすいと同時に質の高い本を描く技術を備えています。ストックホルムで童話のテーマパークを運営するユニバッケンとともに、2012年に「読むクラス」というプロジェクトを立ち上げました。2014年に「卓越した作家性と子どもと青少年の読書推進を活気づかせる活動」に対し、スウェーデン政府から勲章を与えられました。

出版社:ボニエル・カールセン(ラッセマヤ)

スティーナ・ヴィルセン1968年生まれ。イラストレーター、作家。ニュッケルヴィーク芸術専門学校とコンストファック(スウェーデン王立芸術工芸大学)で学ぶ。

スティーナ・ヴィルセンはダーゲンス・ニュヘテル紙でイラストレーターとして勤務した後、フルタイムの児童書イラストレーター、作家になりました。赤ちゃん向けのだれのシリーズやブロキガ・シリーズなど数々のシリーズを産み出すとともに、他の作家の文章にもイラストをつけました。ウルフ・スタルクとともにEn stjärna vid namn Ajax(アヤックスという名の星)やAjax och Systern från havet(海の向こうから来た姉妹)といった情緒的で悲しみと友情をともにテーマにしているけれど、性質は非常に異なる2冊の本を作っています。Ajax och Systern från havet(海の向こうから来た姉妹)の水彩画が具体的であるのに対し、En stjärna vid namn Ajax(アヤックスという名の星)のイラストはより詩的です。スティーナ・ヴィルセンはイラスト賞であるエルサ・ベスコフ賞と文学賞のヘッファクルンペンを授与されています。

出版社:ボニエル・カールセン(ヨハンとアヤックス、シルッカとマルガレータ)

ヘレナ・ビリス1964年生まれ。イラストレーター、作家。ニュッケルヴィーク芸術専門学校とベックマン・デザイン大学で学ぶ。

ヘレナ・ビリスはマッティン・ビードマルクのラッセとマヤのたんていじむしょにイラストをつけました。全ページに配された彼女のイラストは、このシリーズにオリジナリティを出すのに一役買っています。Olga kastar lasso(オルガが投げ縄をする)は2007年にスウェーデンのイラストレーターのコンクール" Kolla!"(注目!)で銀メダルを獲得しました。ヘレナ・ビリスはまた荒涼とした西部劇風の舞台で繰り広げられる、オルガという名前の好奇心旺盛なカウガールと彼女の飼うおしゃべるができる馬の絵本の文とイラスト両方を手がけています。ユーモラスでかくかくしたイラストには、想像力溢れるディテールが満載です。

出版社:ボニエル・カールセン(ラッセマヤ)

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Brevet till månen (Laiškas mėnuliui), Emma Virke.

Blixtslukaren (Žaibų rijikas), Jonatanas Brännströmas ir Joanna Hellgren.

Dom som är kvar (Paliktieji), Karin Saler ir Siri Ahmedas Backströmas.

Snöret, fågeln och jag (Virvutė, paukščiukas ir aš), Ellen Karlsson ir Eva Lindström.

新しい世代 スウェーデン児童書界に新しい世代が登場してきています。彼達は作家やイラストレーターで、中には文とイラストの両方を手がける人もあります。彼達はテーマの面でも、何より芸術的な面でも独創的です。

これらの新星達はグラフィック・デザインやデザインのしっかりとした教育を受けていることが多いです。しっかりとした教育を受けた絵本の芸術家が自身の文章、または他の人の文章にイラストをつけているのです。もしくは他の芸術家と互いの文にイラストを付け合うこともあります。彼らの作品には意識的かつ独創的なイディオム、文とイラストの大きな融合が見られます。

そういう人達は今日のスウェーデン社会を特徴づける多文化を示すかのように、あらゆる人達を作品に登場させようという意欲を持っています。そういった作品は大半が小規模出版社から出されているに関わらず、注目を浴び、賞を受けています。面白い作家やイラストレーターはたくさんいて、そういう人達を発掘しようと私達は考えているのです。

若手絵本芸術家の多くにとって先駆者であり、お手本でもあるのは、数多くの独創的な絵本を作ったエヴァ・リンストロームです。彼女は新人のエレン・カールソンとともにSnöret, fågeln och jag(スノーレットと鳥とわたし/ヒッポ-出版)という読み聞かせの本で、2013年のアウグスト賞を受賞しました。死と悲しみはシリ・アーメド・バックストロームとカーリン・サレルのDom som är kvar(遺された人達/ウラックス出版)のテーマです。エマ・ヴィルケの絵本、Brevet till Månen(月への手紙/アルヴィーナ出版&製作)は、月が寂しいのではないかと心配するモアという女の子の話です。ファンタジーはヨナタン・ブレンストロームの文とヨアンナ・ヘルグレーンのイラストによる絵本、Blixtslukaren(稲光吸い取り機/ナトゥール&クルトゥール社)においても重要な要素です。

スウェーデン児童書研究所(Sbi) 児童青少年文学の国立研究機関。この研究所は児童・青少年文学の学習、研究を様々な次元で推進することなどを責務としています。研究所はまたスウェーデンと国外における児童・青少年文学の認知を高めることを目的としています。研究所の図書館は全ての人が利用可能で、スウェーデンで出版された全ての児童青少年文学だけでなく、スウェーデンと諸外国の研究書も集められています。

研究所はまたスウェーデン・リサーチ・カウンシルの支援を受け、スウェーデン唯一の児童文学の学術誌で『児童書――児童文学研究誌』を発行しています。この研究誌はwww.barnboken.netでダウンロードできます。

研究所はもう一つ研究誌を出していて、そこでスウェーデンの新しい研究を発表しています。また現在包括的なスウェーデン児童文学史を発表するプロジェクトも進行中です。

スウェーデン児童文学研究所は教育省とストックホルム市の出資により、1965年に設立されました。

www.sbi.kb.se

アストリッド・リンドグレーン記念文学賞(ALMA)Sbi)世界最大の児童・青少年文学賞です。作家、イラストレーター、語り手、読書推進団体が受賞対象者となります。この賞の目的は、世界中で児童・青少年文学への関心を高めることです。活動の根底にあるのは、児童の権利に関する条約と児童の文化的権利です。世界中の研究所、組織から推薦された候補者から、専門審査員が受賞者を選びます。アストリッド・リンドグレーン記念文学賞は、2002年にスウェーデン政府により創設され、スウェーデン文化庁により運営されています。

自国の児童・青少年文学と読書推進活動を紹介する機会を世界の全ての国が得られるよう、全ての国に候補作を推薦する権利が与えられています。推薦者は児童書研究機関、作家・イラストレーター協会、国立図書館などの児童書部門や児童書中央局といった国際的または国立、もしくは地域の機関でなくてはなりません。本賞事務局は優れた推薦者の新たな提案をお待ちしています。

www.alma.se

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