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千葉医学会雑誌 巻第 2 〈昭和 7 日発行〉 原著 前,および,後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と 気道抵抗について 千葉大学医学部第 2 内科学教室⢎瞓농횓ꆏ岘媋뎎r 松石久義 䡉十 奏午䤠 呓啉午䤠 ⢏몘愠 2 日受付〉 はしカまき 䥖⸠ 討論,および,考案 䥉⸠ 実験方法⊂ꢂ 톁䎎삌놑캏 附記 II 実験成績 V まとめ 文,および,図中の略号 肺活量 䙒䌠 機能的残気量⢋䂎掗쪁爀 ┱≖䌠 1 秒率 動脈血酸素飽和度 䌰㈠ 動脈血炭酸ガス含量 動脈血縮期圧 動脈血弛期圧 䤮はしがき 当教室における肺性,ならび 1 乙,心性呼吸困難の 研究については,千葉〈 ω. 川辺 めが気相を,森〈仰 ⶕ碈ä ⠵㜩 は血液相,謝⠵㘩 ・山内 ⠶㜩 は低 O 2 吸引試 験を調べた。その後,教室事情から,肺内の気相分 布や,気相と血液相を結ぶ拡散の問題 優先して, 肺循環力学にかんする一連の業績が行なわれた⢉ ⠱㘩 ⺐䆏벁熍 䖏沒c ⠲㜩 ⺐墎刨仰・宮内〈仙⺒蚑コ ⠴㔩 ・長谷川⠲㐩 ・宇野⠵㠩) 。わたくしは,かよう な研究成果を背景として,呼吸困難民かんする肺の 䑩獡扩汩瑹 を明らかにしようとした。 䑩獡扩汩瑹 は,肺の 䥮獵 捩敮捹 とは,ちがって,このもと 偃洠 肺毛細管平均圧 偁洠 肺動脈平均圧 分時心拍出量 呐删 全肺抵抗 偁删 肺動脈抵抗 䔧瀠 肺動脈容積弾性率 においては,肺のガス交換から見ると,動脈血 O 2 2 が尋常であっても,なお,尋常の状態を営み えない。かような状態は,心性呼吸困難において, とく,ふつうに見る臨床的事実である。 䑩獡b 楴y にかんする知見は,近年,長足の進歩をした呼吸の 力学的検査法によると乙ろが大きい。わが国の内科 がわにおいても,東北大学中村内科教室,大阪府立 成人病センター第一検査部などを,はじめとし,す くやれた業績が発表されている。ⶌ쒋窂첗춊瞂춁䎒e 性,抵抗,および,仕事の 3 種をもととして,呼吸 困難の物理的な分析,それによる診断的分類, さら には,それらに 7 こいする各治療効果の判定などに貢 献した。わたくしは,肺循環,または,右心機能を

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千葉医学会雑誌 第 41巻第2号

〈昭和 40年 7月28日発行〉

原 著

前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と

気道抵抗について

千葉大学医学部第 2内科学教室(指導斎藤十六教授〉

松石 久 義

HISAYOSHI MATSUISHI

(昭和 40年 2月 16日受付〉

目 次

1 はしカまき IV 討論および考案

II 実験方法および実験対象 V 附記

III 実験成績 VI まとめ

文および図中の略号

VC 肺活量

FRC 機能的残気量(機残量〉

1VC 1秒率

Sa02 動脈血酸素飽和度

CaC02 動脈血炭酸ガス含量

Ps 動脈血縮期圧

Pd 動脈血弛期圧

Iはしがき

当教室における肺性ならび1乙心性呼吸困難の

研究については千葉〈ω川辺(2めが気相を森〈仰

-富井(57)は血液相謝(56)山内(67)は低 O2吸引試

験を調べたその後教室事情から肺内の気相分

布や気相と血液相を結ぶ拡散の問題lζ優先して

肺循環力学にかんする一連の業績が行なわれた(遠

藤(16)植松〈削勝田(27)森山(仰宮内〈仙中村

仁(45)長谷川(24)宇野(58))わたくしはかよう

な研究成果を背景として呼吸困難民かんする肺の

Disability を明らかにしようとした Disability

は肺の Insu伍 ciencyとはちがってこのもと

PCm 肺毛細管平均圧

PAm 肺動脈平均圧

Vm 分時心拍出量

TPR 全肺抵抗

PAR 肺動脈抵抗

Ep 肺動脈容積弾性率

においては肺のガス交換から見ると動脈血 O2

CO2 が尋常であってもなお尋常の状態を営み

えないかような状態は心性呼吸困難において

とくふつうに見る臨床的事実である Disabi1ity

にかんする知見は近年長足の進歩をした呼吸の

力学的検査法によると乙ろが大きいわが国の内科

がわにおいても東北大学中村内科教室大阪府立

成人病センター第一検査部などをはじめとしす

くやれた業績が発表されている-呼吸の力学は弾

性抵抗および仕事の 3種をもととして呼吸

困難の物理的な分析それによる診断的分類 さら

にはそれらに7こいする各治療効果の判定などに貢

献したわたくしは肺循環または右心機能を

-138- 千葉医学会雑誌 第 41巻

考慮しつつ乙の方面の研究を試み多少とも知見

を補遺することができた乙のさい肺気腫研究

会および文部省機関研究「肺気腫」斑の数次に

わたる会合でわれわれは本論文の主題の一つで

ある慢性閉塞性肺気腫の重症度分類について発表

し多くの先人の忠言をいただいて現在一応

まとめることができたこの重症度の分類は(24う

まだ未完成のものながら現在まで変化域の広

しっかみどころのないような数値そのものまた

は数値の動向にかんする意味づけをかなり明ら

かにすることができた

II 実験方法および実験対象

A実験装置

実験に用いた装置は日本光電工業株式会社製呼

吸流量計 MFP-l型で ζれはスタチーフ肺

胞内圧測定用圧電変換器呼吸流量測定用差圧式圧

電変換器気流抵抗膜容器呼吸シャッターおよ

びマウスピース導管Kより構成されたものでこ

れに同社製 MP-3A型および AD 2-22型

増幅器抵抗線歪と差動トランス方式による圧電変

換部電気的積分装置および記録装置を組合わ

せこれに内径177cm長さ 60cmのポリエチ

レン管の尖端より 15cmの聞に 多数の側孔をあ

げその部を外界と隔絶するために 直径 1cm

長さ 15cmのゴムバルーンで被った食道内圧用

カテーテ Jレを連結し食道内圧換気気流速度お

よび換気量の同時測定を行なった

B実験方法

被検者は臥位でなく つねに坐位(ときに立

位〉をとらしめ測定前には安静を保たせ深い

呼吸は禁じた 4キシロカイン溶液で鼻腔粘膜を

麻酔させまたは麻酔させずに上述の食道内圧

測定用カテーテルを噴門直上まで挿入した乙のと

き鼻口より ゃく 50cmの位置を目安にして

噴門を通して胃内に挿入しついで噴門上部まで

ひきあげる ゴムパルン内に ゃく 1ccの空

乙l気を入れ差動式圧電変換器に接続し被検者

ゆっくりとしたやや大きな呼吸を行なわせ O5L

の吸気位における食道内圧および換気量から求

めたものをいわゆる静肺圧縮率としまた安静

時の時吸を行なわさせ気流速度 Oの点すなわ

ち呼気と吸気の移行点に相当する食道内圧2点聞

の振幅とそれに相当する換気量とから求めたもの

をいわゆる動肺圧縮率としすくなくとも 5回安

定した波形の得られたものだけを採用した しか

し以下述べる値はいわゆる静肺圧縮率の値だけ

であるがあえてこれを静肺圧縮率とせずrこんに肺圧縮率としたこれは厳密な意味で病

的状態(閉塞性肺疾患においてもまた代償不全

性心疾患においても〉では後述のように静肺圧

縮率の値が求められなかったことによる

気道抵抗は被検者にゆっくりとしたやや大

きな呼吸を行なわせ適当な間隔をおいて気流を止

めこのときの食道内圧の変化を気流阻止直前の

気流速度と対比して求めた

ヒトの肺の機械的な特性を知るために肋膜腔内

に直接針を入れ その圧を測定したのは von

NeergaardK E と WirzK(61)でありつい

で ChristieR V(6)(7)また DaymanH(11)

らであったがとの方法lとはつねに困難と危険を

伴なった LucianiL(30)は食道内圧が肋膜腔

内圧を反映することをみいだしそれ以来空気を

1) et al(2LDFry満たしたゴムバルーンでは

および Mead Jと WhittenbergerL(38)らが

また水を満こしたゴムバルーンでは Dornhorst

や Leathart(14) McI1royや Marshall(40うおよ

び Christie(6)らが測定した

このほか ゴムバルーンの厚さ ゴムパノレー

ンの長短および ゴムパjレーンの容量などの相

違でも肺圧縮率の値が変化すると報告されてい

また MeadJ et aiC33)は ゴムパJレーン挿

入の位置にでも値が変わり噴門直上で値が一定に

なることを報告しまた体位により値が変るこ

とも報告されたすなわち AttingerE O et

alωは仰臥位では肺圧縮率が低いことをみ

FerrisBG et al(17)は坐位側臥位および

伏臥位と仰臥位で肺圧縮率の値が異なることをみ

また MeadJ et al(3町立坐位では食道内圧

と肋膜腔内圧の絶体値は一致するが臥位では著

明な差があることなどを報告している

以上の事項を考慮した上でゴムバルーンは

長さ 15cm直径 1cmで うすいものにし空気

を1cc入れ これを噴門直上まで挿入し被検者

は坐位をとらせて測定した

62)1)くK(6WirzとKNeergaard気道抵抗は

のいう気道抵抗であるが MeadJと Whitten

bergerL仰〉らにより のちに食道内圧法によ

り得たものは気道抵抗ではなく粘性抵抗である

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-

ことが述べられている

C実験対象

(1) 尋常例

尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所

見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査

(VCは 80以上 lVCは70以上お

よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機

能に機能的ならびに器質的異常のないものと

し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男

性 27例および女性 21例〉を対象にした

(2) 閉塞性肺疾患例

閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な

らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に

わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で

あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび

に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ

り肺性心と診断された 6例も含まれている

(3) 心疾患例

心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性

心疾患と診断された 52例(男性 30例および女

性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと

どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈

弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった

D実験上の問題点

上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ

ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋

常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞

息の発作時には測定が不可能でありまた代償不

全期にある心疾患例では測定にさいして 非常

に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多

くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸

曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに

限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく

なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で

は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20

例にとどまった

III 実験成績

A尋常例

(1) 姉圧縮率

年令 14才から 61才までの男性 27例 および

年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を

対象にした

(a) 年令

肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率

の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ

うに若年者では平均値以下を示すものが多く

高年者では平均値以上を示すものが多い しか

し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令

者では高くなるかまたは低くなるか不明であ

SlotiC o m0Ie

Complionce bull female

LcmHO

025

口 0

o 0

020十 0 ヨ 0 v 《 _u

Mean value Q-

一σ-一瓦o

o_0 0 bullbullbull

bull0015 1 _

0

010L IO 20 30 40 50 60 y

Ag~

Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects

(b) 性

男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女

性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性

にくらべてやや高い値を示す

(c) 肺容量

図2と図 3のように VCおよび FRC にたい

する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい

ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある

(2) 気道抵抗

(a) 年令および性

尋常例では 図4のように 高令になるにつれ

て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値

は21cmH20Lsecで男性および女性の平

5to糾c Cornpliance

LcmHp fem

omole

ale

025 t

020 oOA0

0 0 0 0 00 Q 0

Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一

コ bull 0

o0 0

015 -

010

2000 3000 4000 5000cc

VC

Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects

015

ム一 誌

第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce

ωHTC

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cmHOjLA就 femal femole

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0 0 -020 ~ _ 0 - ロ -11 0

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Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー

30

20 lsquoる0cpl

に制

0 胃 v 0

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10

010

1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC

Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-

mal subjects mal subjects

B閉塞性肺疾患例

図7は当教室の RVlVCおよび Sa02

omole

femole

Airwoyrぉisronce

cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮

30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0

a 0 0

0 50-

0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に

W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値

5_ bull 0

0 0

は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低

10 し

Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge

Ltm ロ 司

t 03 崎

Airway Resistance amp Age in nor-

mal subjects

Fig4

弘司o③

000 ogb

均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB

c

θ~ 0~

であるsecL0220 cmH

(b) 肺容量

VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ

者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math

o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女

性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る

傾向をみることに女性ではその傾向が著明で

ある

Ai問 oy開翁知町e

cmHoLf蹴

omole

femole

30

一~~1_n_ _r~J~_~且 --

c

q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-

Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-

ty in patients with obstructive lung

diseases

図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量

(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ

び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ

る図のように尋常例では呼吸数および吸

気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を

保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上

で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1

明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か

2000 3000 4000 CC

5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支

Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低

mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し

20

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-

C帽惨嗣曲

IA開制ρ

larr-Em帥同開 th

03 larr陶仲間blt

~ -11町mO咽民f

02

01

蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷

Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on

lung compliance in nonhal sub-

jects amp in patients with obstruc-

tive lung diseases

Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh

U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0

O 3

02

01

Fig 9 E旺ectof varying duration of in-

spirium on lung compliance in

normal subjects amp in patients

with obstructive lung diseases

て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに

尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ

る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺

圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値

とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉

塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら

れなし

また換気量を同じく制限したときの気道損抗の

変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸

数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな

いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例

よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて

さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では

呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい

わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺

気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長

さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ

一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で

は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく

争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br

60

づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二

40

20 去三と二に三三bull ~__tgt

畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘

Fig 10 Effect of respiratory frequency on

airway resistance of lung in nor-

mal subjects amp in patients with

obstructive lung diseases

22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th

60

40

ー 一修司ー』hellip~一 一

日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺

争-ーー

2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵

Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-

spirium on airway resistance of

lung in normal subjects amp in

patients with obstructive lung

diseases

と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以

上はほぼ一定である

図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺

疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から

3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け

ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化

を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変

10

冊αl n46

5

iw hrt向山内

Fig 12 Effect of two deep inspirations

on lung compliance in patients

with obstructive lung diseases

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 2: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-138- 千葉医学会雑誌 第 41巻

考慮しつつ乙の方面の研究を試み多少とも知見

を補遺することができた乙のさい肺気腫研究

会および文部省機関研究「肺気腫」斑の数次に

わたる会合でわれわれは本論文の主題の一つで

ある慢性閉塞性肺気腫の重症度分類について発表

し多くの先人の忠言をいただいて現在一応

まとめることができたこの重症度の分類は(24う

まだ未完成のものながら現在まで変化域の広

しっかみどころのないような数値そのものまた

は数値の動向にかんする意味づけをかなり明ら

かにすることができた

II 実験方法および実験対象

A実験装置

実験に用いた装置は日本光電工業株式会社製呼

吸流量計 MFP-l型で ζれはスタチーフ肺

胞内圧測定用圧電変換器呼吸流量測定用差圧式圧

電変換器気流抵抗膜容器呼吸シャッターおよ

びマウスピース導管Kより構成されたものでこ

れに同社製 MP-3A型および AD 2-22型

増幅器抵抗線歪と差動トランス方式による圧電変

換部電気的積分装置および記録装置を組合わ

せこれに内径177cm長さ 60cmのポリエチ

レン管の尖端より 15cmの聞に 多数の側孔をあ

げその部を外界と隔絶するために 直径 1cm

長さ 15cmのゴムバルーンで被った食道内圧用

カテーテ Jレを連結し食道内圧換気気流速度お

よび換気量の同時測定を行なった

B実験方法

被検者は臥位でなく つねに坐位(ときに立

位〉をとらしめ測定前には安静を保たせ深い

呼吸は禁じた 4キシロカイン溶液で鼻腔粘膜を

麻酔させまたは麻酔させずに上述の食道内圧

測定用カテーテルを噴門直上まで挿入した乙のと

き鼻口より ゃく 50cmの位置を目安にして

噴門を通して胃内に挿入しついで噴門上部まで

ひきあげる ゴムパルン内に ゃく 1ccの空

乙l気を入れ差動式圧電変換器に接続し被検者

ゆっくりとしたやや大きな呼吸を行なわせ O5L

の吸気位における食道内圧および換気量から求

めたものをいわゆる静肺圧縮率としまた安静

時の時吸を行なわさせ気流速度 Oの点すなわ

ち呼気と吸気の移行点に相当する食道内圧2点聞

の振幅とそれに相当する換気量とから求めたもの

をいわゆる動肺圧縮率としすくなくとも 5回安

定した波形の得られたものだけを採用した しか

し以下述べる値はいわゆる静肺圧縮率の値だけ

であるがあえてこれを静肺圧縮率とせずrこんに肺圧縮率としたこれは厳密な意味で病

的状態(閉塞性肺疾患においてもまた代償不全

性心疾患においても〉では後述のように静肺圧

縮率の値が求められなかったことによる

気道抵抗は被検者にゆっくりとしたやや大

きな呼吸を行なわせ適当な間隔をおいて気流を止

めこのときの食道内圧の変化を気流阻止直前の

気流速度と対比して求めた

ヒトの肺の機械的な特性を知るために肋膜腔内

に直接針を入れ その圧を測定したのは von

NeergaardK E と WirzK(61)でありつい

で ChristieR V(6)(7)また DaymanH(11)

らであったがとの方法lとはつねに困難と危険を

伴なった LucianiL(30)は食道内圧が肋膜腔

内圧を反映することをみいだしそれ以来空気を

1) et al(2LDFry満たしたゴムバルーンでは

および Mead Jと WhittenbergerL(38)らが

また水を満こしたゴムバルーンでは Dornhorst

や Leathart(14) McI1royや Marshall(40うおよ

び Christie(6)らが測定した

このほか ゴムバルーンの厚さ ゴムパノレー

ンの長短および ゴムパjレーンの容量などの相

違でも肺圧縮率の値が変化すると報告されてい

また MeadJ et aiC33)は ゴムパJレーン挿

入の位置にでも値が変わり噴門直上で値が一定に

なることを報告しまた体位により値が変るこ

とも報告されたすなわち AttingerE O et

alωは仰臥位では肺圧縮率が低いことをみ

FerrisBG et al(17)は坐位側臥位および

伏臥位と仰臥位で肺圧縮率の値が異なることをみ

また MeadJ et al(3町立坐位では食道内圧

と肋膜腔内圧の絶体値は一致するが臥位では著

明な差があることなどを報告している

以上の事項を考慮した上でゴムバルーンは

長さ 15cm直径 1cmで うすいものにし空気

を1cc入れ これを噴門直上まで挿入し被検者

は坐位をとらせて測定した

62)1)くK(6WirzとKNeergaard気道抵抗は

のいう気道抵抗であるが MeadJと Whitten

bergerL仰〉らにより のちに食道内圧法によ

り得たものは気道抵抗ではなく粘性抵抗である

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-

ことが述べられている

C実験対象

(1) 尋常例

尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所

見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査

(VCは 80以上 lVCは70以上お

よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機

能に機能的ならびに器質的異常のないものと

し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男

性 27例および女性 21例〉を対象にした

(2) 閉塞性肺疾患例

閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な

らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に

わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で

あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび

に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ

り肺性心と診断された 6例も含まれている

(3) 心疾患例

心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性

心疾患と診断された 52例(男性 30例および女

性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと

どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈

弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった

D実験上の問題点

上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ

ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋

常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞

息の発作時には測定が不可能でありまた代償不

全期にある心疾患例では測定にさいして 非常

に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多

くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸

曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに

限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく

なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で

は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20

例にとどまった

III 実験成績

A尋常例

(1) 姉圧縮率

年令 14才から 61才までの男性 27例 および

年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を

対象にした

(a) 年令

肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率

の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ

うに若年者では平均値以下を示すものが多く

高年者では平均値以上を示すものが多い しか

し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令

者では高くなるかまたは低くなるか不明であ

SlotiC o m0Ie

Complionce bull female

LcmHO

025

口 0

o 0

020十 0 ヨ 0 v 《 _u

Mean value Q-

一σ-一瓦o

o_0 0 bullbullbull

bull0015 1 _

0

010L IO 20 30 40 50 60 y

Ag~

Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects

(b) 性

男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女

性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性

にくらべてやや高い値を示す

(c) 肺容量

図2と図 3のように VCおよび FRC にたい

する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい

ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある

(2) 気道抵抗

(a) 年令および性

尋常例では 図4のように 高令になるにつれ

て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値

は21cmH20Lsecで男性および女性の平

5to糾c Cornpliance

LcmHp fem

omole

ale

025 t

020 oOA0

0 0 0 0 00 Q 0

Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一

コ bull 0

o0 0

015 -

010

2000 3000 4000 5000cc

VC

Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects

015

ム一 誌

第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce

ωHTC

m

v

M

1

u

n

i

2

m

P

5

e

む打口 Ie o male

cmHOjLA就 femal femole

o

0 0 -020 ~ _ 0 - ロ -11 0

_r on

Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー

30

20 lsquoる0cpl

に制

0 胃 v 0

Oa-

- ハV

- 0

10

010

1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC

Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-

mal subjects mal subjects

B閉塞性肺疾患例

図7は当教室の RVlVCおよび Sa02

omole

femole

Airwoyrぉisronce

cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮

30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0

a 0 0

0 50-

0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に

W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値

5_ bull 0

0 0

は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低

10 し

Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge

Ltm ロ 司

t 03 崎

Airway Resistance amp Age in nor-

mal subjects

Fig4

弘司o③

000 ogb

均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB

c

θ~ 0~

であるsecL0220 cmH

(b) 肺容量

VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ

者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math

o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女

性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る

傾向をみることに女性ではその傾向が著明で

ある

Ai問 oy開翁知町e

cmHoLf蹴

omole

femole

30

一~~1_n_ _r~J~_~且 --

c

q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-

Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-

ty in patients with obstructive lung

diseases

図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量

(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ

び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ

る図のように尋常例では呼吸数および吸

気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を

保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上

で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1

明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か

2000 3000 4000 CC

5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支

Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低

mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し

20

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-

C帽惨嗣曲

IA開制ρ

larr-Em帥同開 th

03 larr陶仲間blt

~ -11町mO咽民f

02

01

蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷

Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on

lung compliance in nonhal sub-

jects amp in patients with obstruc-

tive lung diseases

Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh

U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0

O 3

02

01

Fig 9 E旺ectof varying duration of in-

spirium on lung compliance in

normal subjects amp in patients

with obstructive lung diseases

て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに

尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ

る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺

圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値

とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉

塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら

れなし

また換気量を同じく制限したときの気道損抗の

変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸

数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな

いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例

よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて

さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では

呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい

わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺

気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長

さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ

一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で

は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく

争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br

60

づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二

40

20 去三と二に三三bull ~__tgt

畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘

Fig 10 Effect of respiratory frequency on

airway resistance of lung in nor-

mal subjects amp in patients with

obstructive lung diseases

22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th

60

40

ー 一修司ー』hellip~一 一

日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺

争-ーー

2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵

Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-

spirium on airway resistance of

lung in normal subjects amp in

patients with obstructive lung

diseases

と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以

上はほぼ一定である

図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺

疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から

3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け

ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化

を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変

10

冊αl n46

5

iw hrt向山内

Fig 12 Effect of two deep inspirations

on lung compliance in patients

with obstructive lung diseases

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

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In normal sub-1erentbody position百di

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第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-

18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)

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41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

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42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

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43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

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-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

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57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

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58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

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59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

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12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 3: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-

ことが述べられている

C実験対象

(1) 尋常例

尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所

見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査

(VCは 80以上 lVCは70以上お

よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機

能に機能的ならびに器質的異常のないものと

し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男

性 27例および女性 21例〉を対象にした

(2) 閉塞性肺疾患例

閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な

らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に

わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で

あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび

に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ

り肺性心と診断された 6例も含まれている

(3) 心疾患例

心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた

り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性

心疾患と診断された 52例(男性 30例および女

性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと

どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈

弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった

D実験上の問題点

上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ

ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋

常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞

息の発作時には測定が不可能でありまた代償不

全期にある心疾患例では測定にさいして 非常

に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多

くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸

曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに

限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく

なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で

は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20

例にとどまった

III 実験成績

A尋常例

(1) 姉圧縮率

年令 14才から 61才までの男性 27例 および

年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を

対象にした

(a) 年令

肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率

の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ

うに若年者では平均値以下を示すものが多く

高年者では平均値以上を示すものが多い しか

し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令

者では高くなるかまたは低くなるか不明であ

SlotiC o m0Ie

Complionce bull female

LcmHO

025

口 0

o 0

020十 0 ヨ 0 v 《 _u

Mean value Q-

一σ-一瓦o

o_0 0 bullbullbull

bull0015 1 _

0

010L IO 20 30 40 50 60 y

Ag~

Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects

(b) 性

男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女

性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性

にくらべてやや高い値を示す

(c) 肺容量

図2と図 3のように VCおよび FRC にたい

する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい

ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある

(2) 気道抵抗

(a) 年令および性

尋常例では 図4のように 高令になるにつれ

て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値

は21cmH20Lsecで男性および女性の平

5to糾c Cornpliance

LcmHp fem

omole

ale

025 t

020 oOA0

0 0 0 0 00 Q 0

Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一

コ bull 0

o0 0

015 -

010

2000 3000 4000 5000cc

VC

Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects

015

ム一 誌

第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce

ωHTC

m

v

M

1

u

n

i

2

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P

5

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む打口 Ie o male

cmHOjLA就 femal femole

o

0 0 -020 ~ _ 0 - ロ -11 0

_r on

Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー

30

20 lsquoる0cpl

に制

0 胃 v 0

Oa-

- ハV

- 0

10

010

1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC

Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-

mal subjects mal subjects

B閉塞性肺疾患例

図7は当教室の RVlVCおよび Sa02

omole

femole

Airwoyrぉisronce

cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮

30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0

a 0 0

0 50-

0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に

W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値

5_ bull 0

0 0

は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低

10 し

Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge

Ltm ロ 司

t 03 崎

Airway Resistance amp Age in nor-

mal subjects

Fig4

弘司o③

000 ogb

均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB

c

θ~ 0~

であるsecL0220 cmH

(b) 肺容量

VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ

者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math

o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女

性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る

傾向をみることに女性ではその傾向が著明で

ある

Ai問 oy開翁知町e

cmHoLf蹴

omole

femole

30

一~~1_n_ _r~J~_~且 --

c

q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-

Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-

ty in patients with obstructive lung

diseases

図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量

(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ

び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ

る図のように尋常例では呼吸数および吸

気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を

保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上

で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1

明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か

2000 3000 4000 CC

5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支

Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低

mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し

20

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-

C帽惨嗣曲

IA開制ρ

larr-Em帥同開 th

03 larr陶仲間blt

~ -11町mO咽民f

02

01

蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷

Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on

lung compliance in nonhal sub-

jects amp in patients with obstruc-

tive lung diseases

Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh

U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0

O 3

02

01

Fig 9 E旺ectof varying duration of in-

spirium on lung compliance in

normal subjects amp in patients

with obstructive lung diseases

て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに

尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ

る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺

圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値

とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉

塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら

れなし

また換気量を同じく制限したときの気道損抗の

変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸

数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな

いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例

よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて

さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では

呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい

わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺

気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長

さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ

一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で

は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく

争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br

60

づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二

40

20 去三と二に三三bull ~__tgt

畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘

Fig 10 Effect of respiratory frequency on

airway resistance of lung in nor-

mal subjects amp in patients with

obstructive lung diseases

22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th

60

40

ー 一修司ー』hellip~一 一

日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺

争-ーー

2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵

Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-

spirium on airway resistance of

lung in normal subjects amp in

patients with obstructive lung

diseases

と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以

上はほぼ一定である

図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺

疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から

3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け

ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化

を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変

10

冊αl n46

5

iw hrt向山内

Fig 12 Effect of two deep inspirations

on lung compliance in patients

with obstructive lung diseases

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 4: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

015

ム一 誌

第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce

ωHTC

m

v

M

1

u

n

i

2

m

P

5

e

む打口 Ie o male

cmHOjLA就 femal femole

o

0 0 -020 ~ _ 0 - ロ -11 0

_r on

Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー

30

20 lsquoる0cpl

に制

0 胃 v 0

Oa-

- ハV

- 0

10

010

1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC

Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-

mal subjects mal subjects

B閉塞性肺疾患例

図7は当教室の RVlVCおよび Sa02

omole

femole

Airwoyrぉisronce

cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮

30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0

a 0 0

0 50-

0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に

W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値

5_ bull 0

0 0

は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低

10 し

Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge

Ltm ロ 司

t 03 崎

Airway Resistance amp Age in nor-

mal subjects

Fig4

弘司o③

000 ogb

均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB

c

θ~ 0~

であるsecL0220 cmH

(b) 肺容量

VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ

者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math

o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女

性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る

傾向をみることに女性ではその傾向が著明で

ある

Ai問 oy開翁知町e

cmHoLf蹴

omole

femole

30

一~~1_n_ _r~J~_~且 --

c

q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-

Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-

ty in patients with obstructive lung

diseases

図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量

(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ

び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ

る図のように尋常例では呼吸数および吸

気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を

保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上

で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1

明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か

2000 3000 4000 CC

5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支

Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低

mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し

20

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-

C帽惨嗣曲

IA開制ρ

larr-Em帥同開 th

03 larr陶仲間blt

~ -11町mO咽民f

02

01

蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷

Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on

lung compliance in nonhal sub-

jects amp in patients with obstruc-

tive lung diseases

Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh

U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0

O 3

02

01

Fig 9 E旺ectof varying duration of in-

spirium on lung compliance in

normal subjects amp in patients

with obstructive lung diseases

て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに

尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ

る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺

圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値

とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉

塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら

れなし

また換気量を同じく制限したときの気道損抗の

変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸

数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな

いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例

よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて

さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では

呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい

わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺

気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長

さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ

一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で

は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく

争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br

60

づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二

40

20 去三と二に三三bull ~__tgt

畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘

Fig 10 Effect of respiratory frequency on

airway resistance of lung in nor-

mal subjects amp in patients with

obstructive lung diseases

22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th

60

40

ー 一修司ー』hellip~一 一

日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺

争-ーー

2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵

Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-

spirium on airway resistance of

lung in normal subjects amp in

patients with obstructive lung

diseases

と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以

上はほぼ一定である

図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺

疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から

3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け

ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化

を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変

10

冊αl n46

5

iw hrt向山内

Fig 12 Effect of two deep inspirations

on lung compliance in patients

with obstructive lung diseases

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

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向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

M S The mechanics of breathing in

In normal sub-1erentbody position百di

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57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

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58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

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59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

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66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

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67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 5: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-

C帽惨嗣曲

IA開制ρ

larr-Em帥同開 th

03 larr陶仲間blt

~ -11町mO咽民f

02

01

蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷

Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on

lung compliance in nonhal sub-

jects amp in patients with obstruc-

tive lung diseases

Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh

U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0

O 3

02

01

Fig 9 E旺ectof varying duration of in-

spirium on lung compliance in

normal subjects amp in patients

with obstructive lung diseases

て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに

尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ

る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺

圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値

とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉

塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら

れなし

また換気量を同じく制限したときの気道損抗の

変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸

数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな

いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例

よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて

さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では

呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい

わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺

気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長

さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ

一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で

は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく

争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br

60

づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二

40

20 去三と二に三三bull ~__tgt

畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘

Fig 10 Effect of respiratory frequency on

airway resistance of lung in nor-

mal subjects amp in patients with

obstructive lung diseases

22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th

60

40

ー 一修司ー』hellip~一 一

日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺

争-ーー

2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵

Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-

spirium on airway resistance of

lung in normal subjects amp in

patients with obstructive lung

diseases

と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以

上はほぼ一定である

図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺

疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から

3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け

ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化

を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変

10

冊αl n46

5

iw hrt向山内

Fig 12 Effect of two deep inspirations

on lung compliance in patients

with obstructive lung diseases

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 6: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-50

-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻

化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場

合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度

および 3度では 60分後の再測定を行なった 7

例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか

ら再現性のある測定を行なうためには測定前か

らの換気量を調整しておく必要があることがわか

+20

ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私

Fig 13 Effect of two deep inspirations on

airyvay resistance in patients with

obstructive lung diseases

図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける

閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す

O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している

が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少

の程度が少ない

llt

15

10

5

士宮

Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung

compliance in patients with ob-

structive lung diseases

σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)

図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする

薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-

terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前

後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋

常例 (n48)では平均十104の増加であるが

O度および 1度ではそれぞれ平均 +139

および +125の増加であり 2度および 3

度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ

平均 +67および +35の増加となる右心

不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ

は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ

るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝

性線維症が著明化することも大きな因子であると思

われる

+ 40

-100

-200

3infin

Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway

resistance in patients with ob-

structive lung diseases

特 withAlevaire 20 cc

+ Asthpul 03 cc

図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ

る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり

気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり

症例によっては 14以下記減っているものもある

が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少

の程度が少ない

図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02

97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも

ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO

で以下 Sa02

の程度が低下するにつれて肺圧

縮率の平均値は上昇しSa02

9694の群は 021L

cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな

るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平

均値は 020LcmH20 rc低下する

図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気

管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮

率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく

に一定の傾向がない治療に 酸素 または

Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか

ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血

液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血

症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑

さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz

値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 7: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

bull bull

第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-

Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧

3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた

s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患

l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ

る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20

bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03

bull

025 bull bullbull

疾患の特質として代償不全が現われやすい反面

0

のものは治療後のものより 明らかに低値を示

す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた

θAua

他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000

θ

と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ

00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ

θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総

えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ

ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ

ともありうると思われるしたがって ここにあげ

た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示

G

θ--

OI ー

Normol 96-94 93~89 88ミ

5002

Fig16 Static compliance amp Sa02

Stotic compliance Emphys th

o Asthmo brItcmHO

O3 bull bullbull

bull bull

ーー

e- bull 025

EO -bull bull

しているかどうかは rcわかに結論できないであ

ろう

図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を

示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m

呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの

うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも

Sfatic Compfionce Before Digitolization

Ljcm凡0 o After Oigitolizotion

0 20

g幹 015

8笠-ー 8 0

ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r

の慢世什国昭

一場客

010bull 0 0 ~

白 白

同》

O nνmv

c015 G

o

005 ー

Meanbull

bull o 14 012 009OI

Mitrol Aortic COlllbil1ed

15 20 25 mM1

COcobull

Valveiseose VaIyenle Disease

Valve Disease

Fig 17 Static compliance amp CaC02

Fig18 Static Compliance in Patients

with various Heart Diseases

144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

qA日xゎ

010 十口舘 --~-

010

ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

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67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

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144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻

static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨

LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe

Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e

Zロ

015 寸

-鎗 最

01号

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010 十口舘 --~-

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ム議 ー一ーーーー

005 005 Meon

016 010 009 008

I E E

11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy

帽He 明

Fig 19 Static Compliance amp Grades of

Dyspnea in Patients with Heart

Diseases

のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし

て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と

した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で

016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009

LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重

症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1

度 2度および 3度の平均値はあまり大きな

差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き

な差がある

図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との

関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York

Heart Association の分類(46)により 1度は労

作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労

o Mitrol Valveαsωse

口 A町f ease抱 Valve Dis

d Con曲ledVal咽Diseose

5000

0000 日

am日80

A 一企Fー

Mean

015 010 009 007

2 3 4

作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静

時息切れとどうきがあるときそして 4度は100

絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80

における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60

cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj

cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40

重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している

乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ

るが 2度以上にはそれほど大きな差がない

20

Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of

Congestive Heart Failure in Pa-

tients with Heart Diseases

S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og

fu

eOschr時Be

O2

015

01

Mean 014 14nO目個Mn009附帽

Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

引b Beforlalizalion伊

同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge

M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前

Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with

率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 9: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー

ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽

和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L

jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平

均十392 また軽快退院前は平均十414増

しジギタリス治療により肺うつ血がとれると

肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ

ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす

なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響

を与えている

S酎お C肺移lsquo問

0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO

A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲

015

010

Irl 10 VrI2 4 6 8

C剖a明10幅制

義務 before digitalization

oimmediately after digitalization

⑥ before discharge

Fig 22 Static Compliance amp Course of

Heart Diseases before amp after

Digitalization

図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査

を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治

図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第

らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ

ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により

著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので

は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う

つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して

いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと

思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜

症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの

でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜

症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室

左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか

らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の

剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ

る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生

じやすいけれども治療にも反応しやすいまた

-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに

くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全

な再代償を来7こしていないとも思われるさらに

乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では

より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考

えるべきであろう

創刊咽yRe創加nce

自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n

Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge

80同

10

8

6

4

2

Mean 476 M M似 聞 367 an 356

Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

8e1o時 8e1岡陶 italization

Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30

-50

ーパ)()

132Mean150ー

Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ

リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変

化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj

Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽

快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ

ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平

均 -321また軽快退院前は平均一386と

なる明らかに治療前に比較して飽和直後では

気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前

を比較すると一定の傾向をみない

図24はジギタリス治療前後の各時期において

安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率

に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき

では ほとんど変化をみないが治療後のもので

は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均

58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ

た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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20 FrittsH W et al E百ects of acute

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thoraxCirculation22216-2191960

21 FryD LStead W W EbertR V

LubinRIamp WellsH S The measure-

ment of intraesophageal pressure and its

Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral

stenosisClin Sci 13137-1441954

33 MeadJMcIlory M BSelverstone

N J amp KrieteB C Measurement of

ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o

7491-4951955

34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal

and pleural pressure in manupright and

relationship to intrathoracic pressureJ

Lab and Clin Med40664-6731952

22 HarriaP amp HeathD The human

pulmonary circulation127-134 E amp S

Livingstone LtdLondon1962

23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of

London1955

24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定

とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医

会誌 40427-4501964

25 HerzogH Expiratory stenosis of the

trachea and main bronchi in cases of

14lPhysio 1AppJsupine

35 MeadJ et al Mechanical factors in

the distribution of venti1ation during

short-term volume cycles Federation

Proc13981954

36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A

The mechanical properties of the lungs

in emphysemaJ Clin Invest341005-

10161955

37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford

Jr E P Surface tension as a factor in

pulmonary volume-pressure hysteresisJ

81-831959

pulmonary emphysemaTriangle (The

Sandoz J of medical science)685-93

1963

G TShiresampJHolmanH EHeyer26

The diminished efficiency and altered

dynamics of respiration in experimental

pulmonary congestionAmer Heart J

35463-4791948

10lPhysio 1App

38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical

properties of human lungs measured

1AppJduring spontaneous respiration

779-7961Physio 5 1953

39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-

tion of airway interruption technique as

a method for measuring pulm~nary airfiow

191-1961957

27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416

力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35

2085-21071960

28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と

くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-

8521958

29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird

IL Tracheal constriction in the dog

411-4151PhysioJAmer 191 1957

30 LucianiL Arch Sc Med 21771878

cited by ldquoThe human pulmonary circu-

1954

40 McIloryM BM arshallR amp Christie

R V The work of breathing in normal

subjectsClin Sc13127-1361954

41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

誌 38500-5151963

42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

研究千葉医会誌 32886-9121957

43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

臨床的意義について千葉医会誌 351627-

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 10: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-146 千葉医学会雑誌 第 41巻

5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽

加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge

LjtmHO

O 2

015

o 1

血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣

Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations

on Compliance of Lung in Patients

with Heart Diseases

くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮

率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて

はじめて深吸気による影響が現われてくる

敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e

cmHCYLjs凪

ao

60

40

20

Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations

on Airway Resistance in Patients

with Heart Diseases

図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道

抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療

前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3

例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と

気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に

低下していた

staticCompl畑町

8efore 日ef邸宅

Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge

O 2

015

O 1

Bet町 Imm輔副eIY afer

出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz

+10

+ 5

|胸 an08 Mean t99 Mean1-100

Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司

pliance of Lung in Patients with

Heart Diseases

図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc

と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮

率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽

快退院前では それぞれ 平均 +99および

+100の増加をみたがジギタリス治療前では

平均一08でほとんど変化しない

図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管

支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時

期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均

212飽和直後は平均 374そして 軽快退院

Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore

Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec

10

5

Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway

Resistance in Patients with Heart

Diseases

Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore

Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge

+20

- 50

-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回

Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway

pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart

Heart Diseases Diseases

005

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 11: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

02

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-

0 mpensated属 Heart Disease

D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧

σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率

民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-

)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01

-〆 I~ i晶lsquo

4~- λ h -~ yen 一温 x気

lsquo~ x lsquo

x

14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8

日開athing Rote

Fig28 E百ectof Respiratory Frequency

on Compliance of Lung in Normal

Subjects amp in Patients with con-

gestive Heart Diseases

図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に

ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と

肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では

呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心

疾患例では分時 14回以下および分時 23回以

上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下

の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再

代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある

乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求

められない

図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図

にみるように心疾患例では一定の関係がみられ

ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい

ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ

ないのであろうと思われる

め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺

圧縮率を測定したものも含めた

Static Compllance

o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis

CS Mltrol Valve Dise四ses

bull - 030十も

025 1bull F

0

20 0 1

k

0 IJ 】 a

ll lsquo--~

015

ヨ主lsquo

10 20 30 40 mmHII PCm

Fig 30 Static Compliance amp PCm

前は平均 306である しかし 治療前著明l乙

気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は

104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存

在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し

て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入

にでも低下するが うつ血が存在するときには気

道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下

しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに

大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ

リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ

をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも

低下することはありえずこのとき交感神経親和

性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい

うことも理解できょう しかし かようなこと

は i考えられる」ことだけであり実際にはジ

ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による

と思われる

C割引plionc渇

LanHO o Norm剖 SubJects

03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s

51司tic

Complionce

LcmHρ1

020 十

18

815

010

005

15 20 25 30

L

FRC

Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-

tients with Heart Diseases

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

M S The mechanics of breathing in

In normal sub-1erentbody position百di

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2 BaylissL E amp RobertsonG W The

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3 BondurantSHickamJ B amp Isley

J K Pulmonary and circulatory e妊ects

of acute pulmonary vascular engorgement

in normal subjectsJ Clin Invest36

59-661957

4 BrownC CFryD L amp EbertR V

The mechanics of pulmonary ventilation

in patients with heart diseaseAmerJ

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6 ChristieR V amp MclntoshC A The

measurement of intrapleural pressure in

man and its significanceJ Clin Invest

13279-2941934

7 ChristieR V amp MeakinsJ C The

intrapleural pressure in congestive heart

fai1ure and its clinical signi五cance J

Clin Invest13323-3451934

8 Cloetta M Untersuchungen uber die

Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-

tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch

339-3641ges Physiof 152 1913

9 CherniackR M The physical properties

of the lung in chronic obstructive pul-

monary emphysemaJ Clin Invest35

396-4031955

10 DawesG S amp MottJ C Refiex of

respiratory activity in the newborn rabbit

85-971J Physio 145 1959

11 DaymanH Mechanics of airfiow in

health and in emphysemaJ Clin Invest

11951175-119030

12 DeanR B amp VisscherM B The

J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o

134450-4681941

13 DexterL et al Studies of the pul-

monary circulation in man at restJ

Clin Invest29602-6131950

14 DornhorstA C amp L~athart G L A

method of assessing the mechanical proper-

ties of lung and air passageLancet2

109-1111952

15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V

The pulmonary vascular responses to

short-term hypoxia in human subjects

Circulation5263-2701952

16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺

高血圧について千葉医会誌 35552-593

1959

17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank

NR E百ectof body position on esopha-

geal pressure and measurement of pul-

Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14

5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-

18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)

L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack

with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-

2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947

monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie

young adultsJ App

1956

20 FrittsH W et al E百ects of acute

hypoxia on the volume of blood in the

thoraxCirculation22216-2191960

21 FryD LStead W W EbertR V

LubinRIamp WellsH S The measure-

ment of intraesophageal pressure and its

Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral

stenosisClin Sci 13137-1441954

33 MeadJMcIlory M BSelverstone

N J amp KrieteB C Measurement of

ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o

7491-4951955

34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal

and pleural pressure in manupright and

relationship to intrathoracic pressureJ

Lab and Clin Med40664-6731952

22 HarriaP amp HeathD The human

pulmonary circulation127-134 E amp S

Livingstone LtdLondon1962

23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of

London1955

24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定

とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医

会誌 40427-4501964

25 HerzogH Expiratory stenosis of the

trachea and main bronchi in cases of

14lPhysio 1AppJsupine

35 MeadJ et al Mechanical factors in

the distribution of venti1ation during

short-term volume cycles Federation

Proc13981954

36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A

The mechanical properties of the lungs

in emphysemaJ Clin Invest341005-

10161955

37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford

Jr E P Surface tension as a factor in

pulmonary volume-pressure hysteresisJ

81-831959

pulmonary emphysemaTriangle (The

Sandoz J of medical science)685-93

1963

G TShiresampJHolmanH EHeyer26

The diminished efficiency and altered

dynamics of respiration in experimental

pulmonary congestionAmer Heart J

35463-4791948

10lPhysio 1App

38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical

properties of human lungs measured

1AppJduring spontaneous respiration

779-7961Physio 5 1953

39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-

tion of airway interruption technique as

a method for measuring pulm~nary airfiow

191-1961957

27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416

力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35

2085-21071960

28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と

くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-

8521958

29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird

IL Tracheal constriction in the dog

411-4151PhysioJAmer 191 1957

30 LucianiL Arch Sc Med 21771878

cited by ldquoThe human pulmonary circu-

1954

40 McIloryM BM arshallR amp Christie

R V The work of breathing in normal

subjectsClin Sc13127-1361954

41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

誌 38500-5151963

42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

研究千葉医会誌 32886-9121957

43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

臨床的意義について千葉医会誌 351627-

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 12: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

bull bull

bull bull

千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU

() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄

症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor

管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis

が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH

塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance

bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e

bullbullbull bull

025

bull

O

bull titgt yen020

会Ayeno

025 bull

コヨ

A 015 0 A

ーゐtl-

020 t tt

b

O目+t

E

200 400 600 800 dy同腸ccms

TPR

Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-

10 20 30 mmHg

nary Resistance

PAm

Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce

図31のように PAm と肺圧縮率との関係も

PCmの場合と同様である

つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮

率と TPRおよび PAR との関係についても

やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1

をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また

は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら

を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし

ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明

できょうこのことは PARとの関係についても

moth同CI8

lプcmHOハ

bull MitralVolvDise08es

chialeAslhmo br加()

Emphys

bull bull

025

bull

c 十020

色同様にいえる -lsquo a

また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十

4主企

a ー

には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で

いずれも一定の変化方向をみない

図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの

関係を示すとくに一定の関係はない

IV 討論および考案

肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって

行なわれているこの一連の過程 (Energycost)

を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡

d

100 200 300 400 500 dyneccms

PAR

Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary

Arterial Resistance

がなければならない尋常例では呼吸の仕事は

もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に

4

bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

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向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

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bull bull bull bull bull

bull bull

第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-

Aslhmobronchiol~

bull Emphymo thorocil

d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance

ヤemH20

o Il 島

02 t A

bull

oAa a oo a

01

日)0 1000 1500 dynecm-

Ep

Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA

Statlcαmpliance

oAsthmo bronchlal 切mH20

Emphysema愉oroclS

A Mltrul Volve Olos bull

030 bull

bull

A

025 bull

20

a 色 d

a Il

15 002

6 8 10 L加4

Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm

くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ

を使わないままの状態でいるが しかし もしも

呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には

大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ

て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的

活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく

なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性

抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ

び肺気腫では仕事の大部分が気道および

肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため

に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の

増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的

にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く

し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼

吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな

るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交

換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困

難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの

で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼

吸数で換気するようになる

肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの

因子すなわち胸腔内圧気流速度および換

気量を知る必要がありこれらの測定値からある

一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち

肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸

素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ

ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の

論文では扱わなかった

図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1

は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必

要があるということであるすなわち気管支瑞息

では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや

来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では

前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ

りこれら無症状のものは来院しないために検査

の対象とならないこともあるしたがってわたく

しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫

例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ

る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の

間隔発作の重さまたは治療による反応の変化

などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度

Kはいりうるということである占そして3 この他

l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による

機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの

図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して

いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった

時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに

とどめた

3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下

を来たすことは以前から知られており Stead

W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると

述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 14: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

150一 千葉医学会雑誌 第 41巻

性肺臓炎によると考えられている

BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら

により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは

観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは

とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常

例でこのことを述べているまた Cherniack

RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気

腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は

増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを

っくりそれ以上では一定になることを述べた

また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f

腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫

例で もっとも高いことを述べている MeadJ

(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺

圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので

ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の

抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した

がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘

性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率

が低下すると述べているしかし換気量を自発

換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に

は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の

症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau

を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定

にはならず低下するまた図 11のように気道

抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒

以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す

る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定

した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10

cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる

Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制

限した点によると思うが尋常例は別にしてこの

1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で

ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お

よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺

内ガス分布異常は space factorと timefactor

により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分

的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞

の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的

ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして

いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道

系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため

に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが

考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility

の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内

さぎ

圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic

centre の問題があるが図でも明らかな Cとく

尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して

も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis

がよく働いているためであると思われる

気道抵抗についても同様の乙とがいえる

n 38

10 20 30 40 50 PAm mmH司

Fig 36 Mean pulmonary artery pressure

amp Sa02

co叫

30 mM1 n31

25

20 匂 amp8

0

0000

10 20 30 40 50m附句 PAm

Fig 37 Mean pulmonary artery pressure

ampCaC02

図36と図 37は PAmとSa02

および CaCOz

との関係を示す概括的に前者では Sa02の低

下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上

昇により PAmが上昇するといえる FrittH W

(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに

つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化

しなかったという (15)(64)また central blood

volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも

Sa02

が低下すると PAmが上昇する傾向にあ

払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす

る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm

が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定

の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高

いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

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向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

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Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

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on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

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heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

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56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

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57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

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50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

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166061954

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62 von NeergaardK Neue Auffassungen

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changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

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52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

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54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

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65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 15: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー

尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu

P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ

り密接な関係をもっといい さらに HarrisP

(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に

もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める

という

1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ

血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて

以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな

されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧

縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで

もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に

また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈

圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ

が肺圧縮率を低下させることも認められたま

こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC

(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回

換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙

低下する ζ とを示した

肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困

難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な

ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは

呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた

肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力

学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺

脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因

となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ

せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進

すると考えられる

図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて

肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ

び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度

のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困

難のある状態ならば その程度が大であれ小であ

れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個

々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち

であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに

は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ

の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で

肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる

つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率

を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう

に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから

しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ

ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ

は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり

ついで肺血流量の変化が生じるため)および

肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな

るが深吸気による影響(図 24) および気管支

拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な

どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う

つ血が存在する場合には表面張力などの影響が

ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ

と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に

はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾

患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧

縮率に影響をおよぼすようである

また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に

ついて NadelJA と TierneyD H (44)は

尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である

が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ

り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ

ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの

増加によって平滑筋が延びることによるか また

圧縮率には関係がないとされている Obenour

RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮

率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気

および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道

抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC

には改善を示さないが lVCおよび MBC

には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ

せる症例であったまた BrownC Cゆらは

組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗

から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと

くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司

あると述べているしかし VC の減少と肺弾性

の変化の方がこの成因としてはより重要である

と註をつけている

つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張

しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が

おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換

の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし

ぼみ そして透過性は低下する Breuer の

Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな

わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な

るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion

は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい

てここでは細気管支もつぶれしたがって惨

出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

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resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 16: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻

の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが

つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先

天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の

ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲

の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原

因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた

り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響

が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭

窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような

関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞

性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く

含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく

なると思われる

Ep との関係では PCmPAmTPRおよ

び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で

は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を

主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な

り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな

いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と

一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち

がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ

には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内

圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と

して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな

ければならない点に作用形式の相違がある肺脈

管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし

れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた

め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経

壁圧として働く したがって 図34のように

定の関係を見出せないのであろうと思われる

Ms

hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『

係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異

なった反応態度をとるのではないかと思われる所見

円凪 320

rat

向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均

陶 11-開問~伊叫~凶ゆd

知 Pd ωi 1副話路地開

-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr

Fig 38 The effect of Dextran Infusion

は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右

房庄および右室圧などがすべて上昇したと報

告しているしかしこの実験では肺圧縮率K

ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関

があった

肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく

とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか

ったと思われる

4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも

かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc

前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす

ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように

人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易

にはえられない

最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら

はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか

に肺気腫および気管支哨息のように直接

または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記

人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が

低下することは前述のように多くの人がみてい

わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る

5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例

には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例

には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応

の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時

に行なう予定であった

対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁

狭窄症1例であった

図38は乙のときの 心拍数 血圧および

場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄

が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率

および気道抵抗を考える場合これらの点をも考

慮すべきであろうと思う

VI と め

A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気

腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を

測定した

方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく

りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸

気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か

ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺

肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

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107-1081954

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50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

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166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

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62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 17: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー

の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の

論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号

427頁-450頁〉

結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固

換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお

よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし

かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸

数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも

肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも

のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以

上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな

わちこの状態では静肺圧縮率は求められない

このことは気道抵抗についても同様のことがい

える

2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも

2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化

を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変

化しなかった

3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度

O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増

加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど

の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん

ど変化しなかった

4 右心不全および肺線維症の著明な症状が

なければ Sa02

が低下するにつれて肺圧縮率は

増加する傾向がある

5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると

肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー

定の傾向がない

要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で

は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す

る肺はより弾性を失なtそのために換気の

仕事が増大する OBayer法および R Knebel

法により調べてみると肺高血圧症が存在すると

き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の

ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下

するようである

Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき

たしているものについてジギタリス治療前ジギ

タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に

肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの

は52例であったが 代償不全期にある症例では

安定した曲線を得ることが困難であるため対象と

なりえたものは 20例にとどまった

1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ

リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は

それぞれ 009014および 014 LcmH20で

これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である

2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な

った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ

る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて

から 3年以内のものはジギタリス治療により著明

な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少

なし0

大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧

縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の

ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い

という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加

させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症

では一度代償を失なうと再代償しにくくその

ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので

あろう

3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お

よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比

較して飽和直後は平均一321そして軽快退

院前は平均一386となる

4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治

療前ではほとんど変化をみないが治療後では

飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平

均 +121増加した

同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向

はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50

低下している例は深吸気でも低下していた

5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入

では ジギタリス飽和直後および軽快退院前

でそれぞれ平均 +99および +100肺圧

縮率は増加したが治療前では平均一08で

ほとんど変化しなかった

6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵

抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす

むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集

る傾向がある

ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界

面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治

療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが

治療後ではともに改善されている

7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺

圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が

変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

M S The mechanics of breathing in

In normal sub-1erentbody position百di

jects II Cardiopulmonary diseaseJ Clin

Invest35904-9201956

2 BaylissL E amp RobertsonG W The

viscoelastic properties of the lungsQuart

27-471] Exper Physio 29 1939

3 BondurantSHickamJ B amp Isley

J K Pulmonary and circulatory e妊ects

of acute pulmonary vascular engorgement

in normal subjectsJ Clin Invest36

59-661957

4 BrownC CFryD L amp EbertR V

The mechanics of pulmonary ventilation

in patients with heart diseaseAmerJ

医会誌 32624-6461956

6 ChristieR V amp MclntoshC A The

measurement of intrapleural pressure in

man and its significanceJ Clin Invest

13279-2941934

7 ChristieR V amp MeakinsJ C The

intrapleural pressure in congestive heart

fai1ure and its clinical signi五cance J

Clin Invest13323-3451934

8 Cloetta M Untersuchungen uber die

Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-

tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch

339-3641ges Physiof 152 1913

9 CherniackR M The physical properties

of the lung in chronic obstructive pul-

monary emphysemaJ Clin Invest35

396-4031955

10 DawesG S amp MottJ C Refiex of

respiratory activity in the newborn rabbit

85-971J Physio 145 1959

11 DaymanH Mechanics of airfiow in

health and in emphysemaJ Clin Invest

11951175-119030

12 DeanR B amp VisscherM B The

J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o

134450-4681941

13 DexterL et al Studies of the pul-

monary circulation in man at restJ

Clin Invest29602-6131950

14 DornhorstA C amp L~athart G L A

method of assessing the mechanical proper-

ties of lung and air passageLancet2

109-1111952

15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V

The pulmonary vascular responses to

short-term hypoxia in human subjects

Circulation5263-2701952

16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺

高血圧について千葉医会誌 35552-593

1959

17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank

NR E百ectof body position on esopha-

geal pressure and measurement of pul-

Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14

5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-

18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)

L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack

with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-

2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947

monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie

young adultsJ App

1956

20 FrittsH W et al E百ects of acute

hypoxia on the volume of blood in the

thoraxCirculation22216-2191960

21 FryD LStead W W EbertR V

LubinRIamp WellsH S The measure-

ment of intraesophageal pressure and its

Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral

stenosisClin Sci 13137-1441954

33 MeadJMcIlory M BSelverstone

N J amp KrieteB C Measurement of

ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o

7491-4951955

34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal

and pleural pressure in manupright and

relationship to intrathoracic pressureJ

Lab and Clin Med40664-6731952

22 HarriaP amp HeathD The human

pulmonary circulation127-134 E amp S

Livingstone LtdLondon1962

23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of

London1955

24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定

とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医

会誌 40427-4501964

25 HerzogH Expiratory stenosis of the

trachea and main bronchi in cases of

14lPhysio 1AppJsupine

35 MeadJ et al Mechanical factors in

the distribution of venti1ation during

short-term volume cycles Federation

Proc13981954

36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A

The mechanical properties of the lungs

in emphysemaJ Clin Invest341005-

10161955

37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford

Jr E P Surface tension as a factor in

pulmonary volume-pressure hysteresisJ

81-831959

pulmonary emphysemaTriangle (The

Sandoz J of medical science)685-93

1963

G TShiresampJHolmanH EHeyer26

The diminished efficiency and altered

dynamics of respiration in experimental

pulmonary congestionAmer Heart J

35463-4791948

10lPhysio 1App

38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical

properties of human lungs measured

1AppJduring spontaneous respiration

779-7961Physio 5 1953

39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-

tion of airway interruption technique as

a method for measuring pulm~nary airfiow

191-1961957

27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416

力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35

2085-21071960

28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と

くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-

8521958

29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird

IL Tracheal constriction in the dog

411-4151PhysioJAmer 191 1957

30 LucianiL Arch Sc Med 21771878

cited by ldquoThe human pulmonary circu-

1954

40 McIloryM BM arshallR amp Christie

R V The work of breathing in normal

subjectsClin Sc13127-1361954

41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

誌 38500-5151963

42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

研究千葉医会誌 32886-9121957

43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

臨床的意義について千葉医会誌 351627-

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 18: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻

心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23

以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ

るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった

要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上

昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血

圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら

に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も

肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ

び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見

がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増

し したがって肺圧縮率が低下するのである

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と

厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に

厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆

教授が主宰される肺気腫研究会および昭和

38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら

びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま

すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者

諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます

本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本

胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本

胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸

と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉

肺気腫研究会で報告した

文 献

1AttingerEOMongoeR G amp Segal

M S The mechanics of breathing in

In normal sub-1erentbody position百di

jects II Cardiopulmonary diseaseJ Clin

Invest35904-9201956

2 BaylissL E amp RobertsonG W The

viscoelastic properties of the lungsQuart

27-471] Exper Physio 29 1939

3 BondurantSHickamJ B amp Isley

J K Pulmonary and circulatory e妊ects

of acute pulmonary vascular engorgement

in normal subjectsJ Clin Invest36

59-661957

4 BrownC CFryD L amp EbertR V

The mechanics of pulmonary ventilation

in patients with heart diseaseAmerJ

医会誌 32624-6461956

6 ChristieR V amp MclntoshC A The

measurement of intrapleural pressure in

man and its significanceJ Clin Invest

13279-2941934

7 ChristieR V amp MeakinsJ C The

intrapleural pressure in congestive heart

fai1ure and its clinical signi五cance J

Clin Invest13323-3451934

8 Cloetta M Untersuchungen uber die

Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-

tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch

339-3641ges Physiof 152 1913

9 CherniackR M The physical properties

of the lung in chronic obstructive pul-

monary emphysemaJ Clin Invest35

396-4031955

10 DawesG S amp MottJ C Refiex of

respiratory activity in the newborn rabbit

85-971J Physio 145 1959

11 DaymanH Mechanics of airfiow in

health and in emphysemaJ Clin Invest

11951175-119030

12 DeanR B amp VisscherM B The

J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o

134450-4681941

13 DexterL et al Studies of the pul-

monary circulation in man at restJ

Clin Invest29602-6131950

14 DornhorstA C amp L~athart G L A

method of assessing the mechanical proper-

ties of lung and air passageLancet2

109-1111952

15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V

The pulmonary vascular responses to

short-term hypoxia in human subjects

Circulation5263-2701952

16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺

高血圧について千葉医会誌 35552-593

1959

17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank

NR E百ectof body position on esopha-

geal pressure and measurement of pul-

Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14

5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-

18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)

L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack

with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-

2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947

monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie

young adultsJ App

1956

20 FrittsH W et al E百ects of acute

hypoxia on the volume of blood in the

thoraxCirculation22216-2191960

21 FryD LStead W W EbertR V

LubinRIamp WellsH S The measure-

ment of intraesophageal pressure and its

Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral

stenosisClin Sci 13137-1441954

33 MeadJMcIlory M BSelverstone

N J amp KrieteB C Measurement of

ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o

7491-4951955

34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal

and pleural pressure in manupright and

relationship to intrathoracic pressureJ

Lab and Clin Med40664-6731952

22 HarriaP amp HeathD The human

pulmonary circulation127-134 E amp S

Livingstone LtdLondon1962

23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of

London1955

24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定

とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医

会誌 40427-4501964

25 HerzogH Expiratory stenosis of the

trachea and main bronchi in cases of

14lPhysio 1AppJsupine

35 MeadJ et al Mechanical factors in

the distribution of venti1ation during

short-term volume cycles Federation

Proc13981954

36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A

The mechanical properties of the lungs

in emphysemaJ Clin Invest341005-

10161955

37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford

Jr E P Surface tension as a factor in

pulmonary volume-pressure hysteresisJ

81-831959

pulmonary emphysemaTriangle (The

Sandoz J of medical science)685-93

1963

G TShiresampJHolmanH EHeyer26

The diminished efficiency and altered

dynamics of respiration in experimental

pulmonary congestionAmer Heart J

35463-4791948

10lPhysio 1App

38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical

properties of human lungs measured

1AppJduring spontaneous respiration

779-7961Physio 5 1953

39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-

tion of airway interruption technique as

a method for measuring pulm~nary airfiow

191-1961957

27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416

力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35

2085-21071960

28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と

くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-

8521958

29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird

IL Tracheal constriction in the dog

411-4151PhysioJAmer 191 1957

30 LucianiL Arch Sc Med 21771878

cited by ldquoThe human pulmonary circu-

1954

40 McIloryM BM arshallR amp Christie

R V The work of breathing in normal

subjectsClin Sc13127-1361954

41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

誌 38500-5151963

42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

研究千葉医会誌 32886-9121957

43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

臨床的意義について千葉医会誌 351627-

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 19: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-

18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)

L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack

with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-

2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947

monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie

young adultsJ App

1956

20 FrittsH W et al E百ects of acute

hypoxia on the volume of blood in the

thoraxCirculation22216-2191960

21 FryD LStead W W EbertR V

LubinRIamp WellsH S The measure-

ment of intraesophageal pressure and its

Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral

stenosisClin Sci 13137-1441954

33 MeadJMcIlory M BSelverstone

N J amp KrieteB C Measurement of

ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o

7491-4951955

34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal

and pleural pressure in manupright and

relationship to intrathoracic pressureJ

Lab and Clin Med40664-6731952

22 HarriaP amp HeathD The human

pulmonary circulation127-134 E amp S

Livingstone LtdLondon1962

23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of

London1955

24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定

とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医

会誌 40427-4501964

25 HerzogH Expiratory stenosis of the

trachea and main bronchi in cases of

14lPhysio 1AppJsupine

35 MeadJ et al Mechanical factors in

the distribution of venti1ation during

short-term volume cycles Federation

Proc13981954

36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A

The mechanical properties of the lungs

in emphysemaJ Clin Invest341005-

10161955

37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford

Jr E P Surface tension as a factor in

pulmonary volume-pressure hysteresisJ

81-831959

pulmonary emphysemaTriangle (The

Sandoz J of medical science)685-93

1963

G TShiresampJHolmanH EHeyer26

The diminished efficiency and altered

dynamics of respiration in experimental

pulmonary congestionAmer Heart J

35463-4791948

10lPhysio 1App

38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical

properties of human lungs measured

1AppJduring spontaneous respiration

779-7961Physio 5 1953

39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-

tion of airway interruption technique as

a method for measuring pulm~nary airfiow

191-1961957

27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416

力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35

2085-21071960

28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と

くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-

8521958

29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird

IL Tracheal constriction in the dog

411-4151PhysioJAmer 191 1957

30 LucianiL Arch Sc Med 21771878

cited by ldquoThe human pulmonary circu-

1954

40 McIloryM BM arshallR amp Christie

R V The work of breathing in normal

subjectsClin Sc13127-1361954

41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会

誌 38500-5151963

42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的

研究千葉医会誌 32886-9121957

43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その

臨床的意義について千葉医会誌 351627-

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

Page 20: twG - Chiba U...twG 41 ェ 2 号 qコa 40N 7 月 28 ュsr エ OCィムCムラヌォxセウノィッxウkヲニ CケRノツ「ト tww 2ネwウコ(wアヨ。¥Zウr シホv` HISAYOSHI

-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻

16471959

44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof

a previous deep inspiration on airway

resistance in manJ Appl Physiol 16

717-7191961

45 中村仁肺循環系における Peaking現象

とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉

医会誌 37170-1961962

46 The Criteria Committee of the New York

Heart Association Diseases of the heart

and blood vessels Nomenclature and

criteria for diagnosisVI ed LittleBrown

amp CoBoston112-1131964

47 ObenourR ASalzmanH ASieker

HO amp GreenJL Effects of surface-

active aerosols and pulmonary congestion

on lung compliance and resistanceCircu-

lation28888-8921963

48 OtisA B amp McKerrowC Possible

mechanism contributing to uneven pul-

ship of pulmonary compliance to pulmo

nary vascular pressures in patients with

heart diseaseJ Clin Invest 35611-618

1954

55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V

The elastic properties of the lung in

normal men and in patients with chronic

pulmonary emphysemaJ Lab and Clin

乱1ed40674-6811952

56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血

行力学に対する影響千葉医会誌 33373-

402 1958

57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに

臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957

58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺

毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉

医会誌 41158-1861965

59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および

循環動態について千葉医会誌 351983-2012

1960

monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit

107-1081954

49 OtisA B amp BombowerW C The

effect of gas density on resistance to

respiratory gas flow in manJ Appl

Physiol 2300-3061949

50 PryorW W amp PageE B Changes in

lung compliance associated with pulmo-

nary vascular changesAmer J Med

166061954

fragen 1 81-152Vienna Schnitzler

1887

61von N eergaardK amp羽TirzK Uber

eine Methode zur Messung der Lungen-

elastizitat am lebenden Menschen in-

sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin

Med10535-501927

62 von NeergaardK Neue Auffassungen

uber einen Grundbegriff der Atemmecha-

W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge

amp PageE B E妊ect of circulatory

changes on the pulmonary compliance of

normal subjects and patients with mitral

stenosisCirculation15721-725 1957

52 PryorW WHickamJ BPageE B

amp SiekerH 0 Factors influencing

pulmonary compliance in heart disease

AmerJ Med19149-1501955

53 RainerW G et al Major airway col-

lapsibility in the pathogenesis of obstruc-

tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas

Surg46559-5671963

54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL

HaynesF amp WalkerC The relation-

abhangig von der Oberflachenspannung in

den AlveolenZtshr ges Exper Med

66373-3941929

63 WerkoL Pulmonary circulation An

International Symposium263-272 1958

Grune amp Stratton1959

64 WestcottR N et al Anoxia and human

pulmonary vascular resistanceJ Clin

Invest30957-9701951

65 羽TiddicombeJ G Receptors in the

trachea and -bronchi of the catJ Physiol

12371-1041954

66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W

Lung compliance in patients with mitral

第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953

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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-

stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary

67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory

-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary

に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32

誌 351755-17871959 130-1371953