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千葉医学会雑誌 第 41巻第2号
〈昭和 40年 7月28日発行〉
原 著
前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と
気道抵抗について
千葉大学医学部第 2内科学教室(指導斎藤十六教授〉
松石 久 義
HISAYOSHI MATSUISHI
(昭和 40年 2月 16日受付〉
目 次
1 はしカまき IV 討論および考案
II 実験方法および実験対象 V 附記
III 実験成績 VI まとめ
文および図中の略号
VC 肺活量
FRC 機能的残気量(機残量〉
1VC 1秒率
Sa02 動脈血酸素飽和度
CaC02 動脈血炭酸ガス含量
Ps 動脈血縮期圧
Pd 動脈血弛期圧
Iはしがき
当教室における肺性ならび1乙心性呼吸困難の
研究については千葉〈ω川辺(2めが気相を森〈仰
-富井(57)は血液相謝(56)山内(67)は低 O2吸引試
験を調べたその後教室事情から肺内の気相分
布や気相と血液相を結ぶ拡散の問題lζ優先して
肺循環力学にかんする一連の業績が行なわれた(遠
藤(16)植松〈削勝田(27)森山(仰宮内〈仙中村
仁(45)長谷川(24)宇野(58))わたくしはかよう
な研究成果を背景として呼吸困難民かんする肺の
Disability を明らかにしようとした Disability
は肺の Insu伍 ciencyとはちがってこのもと
PCm 肺毛細管平均圧
PAm 肺動脈平均圧
Vm 分時心拍出量
TPR 全肺抵抗
PAR 肺動脈抵抗
Ep 肺動脈容積弾性率
においては肺のガス交換から見ると動脈血 O2
CO2 が尋常であってもなお尋常の状態を営み
えないかような状態は心性呼吸困難において
とくふつうに見る臨床的事実である Disabi1ity
にかんする知見は近年長足の進歩をした呼吸の
力学的検査法によると乙ろが大きいわが国の内科
がわにおいても東北大学中村内科教室大阪府立
成人病センター第一検査部などをはじめとしす
くやれた業績が発表されている-呼吸の力学は弾
性抵抗および仕事の 3種をもととして呼吸
困難の物理的な分析それによる診断的分類 さら
にはそれらに7こいする各治療効果の判定などに貢
献したわたくしは肺循環または右心機能を
-138- 千葉医学会雑誌 第 41巻
考慮しつつ乙の方面の研究を試み多少とも知見
を補遺することができた乙のさい肺気腫研究
会および文部省機関研究「肺気腫」斑の数次に
わたる会合でわれわれは本論文の主題の一つで
ある慢性閉塞性肺気腫の重症度分類について発表
し多くの先人の忠言をいただいて現在一応
まとめることができたこの重症度の分類は(24う
まだ未完成のものながら現在まで変化域の広
しっかみどころのないような数値そのものまた
は数値の動向にかんする意味づけをかなり明ら
かにすることができた
II 実験方法および実験対象
A実験装置
実験に用いた装置は日本光電工業株式会社製呼
吸流量計 MFP-l型で ζれはスタチーフ肺
胞内圧測定用圧電変換器呼吸流量測定用差圧式圧
電変換器気流抵抗膜容器呼吸シャッターおよ
びマウスピース導管Kより構成されたものでこ
れに同社製 MP-3A型および AD 2-22型
増幅器抵抗線歪と差動トランス方式による圧電変
換部電気的積分装置および記録装置を組合わ
せこれに内径177cm長さ 60cmのポリエチ
レン管の尖端より 15cmの聞に 多数の側孔をあ
げその部を外界と隔絶するために 直径 1cm
長さ 15cmのゴムバルーンで被った食道内圧用
カテーテ Jレを連結し食道内圧換気気流速度お
よび換気量の同時測定を行なった
B実験方法
被検者は臥位でなく つねに坐位(ときに立
位〉をとらしめ測定前には安静を保たせ深い
呼吸は禁じた 4キシロカイン溶液で鼻腔粘膜を
麻酔させまたは麻酔させずに上述の食道内圧
測定用カテーテルを噴門直上まで挿入した乙のと
き鼻口より ゃく 50cmの位置を目安にして
噴門を通して胃内に挿入しついで噴門上部まで
ひきあげる ゴムパルン内に ゃく 1ccの空
乙l気を入れ差動式圧電変換器に接続し被検者
ゆっくりとしたやや大きな呼吸を行なわせ O5L
の吸気位における食道内圧および換気量から求
めたものをいわゆる静肺圧縮率としまた安静
時の時吸を行なわさせ気流速度 Oの点すなわ
ち呼気と吸気の移行点に相当する食道内圧2点聞
の振幅とそれに相当する換気量とから求めたもの
をいわゆる動肺圧縮率としすくなくとも 5回安
定した波形の得られたものだけを採用した しか
し以下述べる値はいわゆる静肺圧縮率の値だけ
であるがあえてこれを静肺圧縮率とせずrこんに肺圧縮率としたこれは厳密な意味で病
的状態(閉塞性肺疾患においてもまた代償不全
性心疾患においても〉では後述のように静肺圧
縮率の値が求められなかったことによる
気道抵抗は被検者にゆっくりとしたやや大
きな呼吸を行なわせ適当な間隔をおいて気流を止
めこのときの食道内圧の変化を気流阻止直前の
気流速度と対比して求めた
ヒトの肺の機械的な特性を知るために肋膜腔内
に直接針を入れ その圧を測定したのは von
NeergaardK E と WirzK(61)でありつい
で ChristieR V(6)(7)また DaymanH(11)
らであったがとの方法lとはつねに困難と危険を
伴なった LucianiL(30)は食道内圧が肋膜腔
内圧を反映することをみいだしそれ以来空気を
1) et al(2LDFry満たしたゴムバルーンでは
および Mead Jと WhittenbergerL(38)らが
また水を満こしたゴムバルーンでは Dornhorst
や Leathart(14) McI1royや Marshall(40うおよ
び Christie(6)らが測定した
このほか ゴムバルーンの厚さ ゴムパノレー
ンの長短および ゴムパjレーンの容量などの相
違でも肺圧縮率の値が変化すると報告されてい
る
また MeadJ et aiC33)は ゴムパJレーン挿
入の位置にでも値が変わり噴門直上で値が一定に
なることを報告しまた体位により値が変るこ
とも報告されたすなわち AttingerE O et
alωは仰臥位では肺圧縮率が低いことをみ
FerrisBG et al(17)は坐位側臥位および
伏臥位と仰臥位で肺圧縮率の値が異なることをみ
また MeadJ et al(3町立坐位では食道内圧
と肋膜腔内圧の絶体値は一致するが臥位では著
明な差があることなどを報告している
以上の事項を考慮した上でゴムバルーンは
長さ 15cm直径 1cmで うすいものにし空気
を1cc入れ これを噴門直上まで挿入し被検者
は坐位をとらせて測定した
62)1)くK(6WirzとKNeergaard気道抵抗は
のいう気道抵抗であるが MeadJと Whitten
bergerL仰〉らにより のちに食道内圧法によ
り得たものは気道抵抗ではなく粘性抵抗である
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-
ことが述べられている
C実験対象
(1) 尋常例
尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所
見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査
(VCは 80以上 lVCは70以上お
よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機
能に機能的ならびに器質的異常のないものと
し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男
性 27例および女性 21例〉を対象にした
(2) 閉塞性肺疾患例
閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な
らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に
わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で
あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび
に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ
り肺性心と診断された 6例も含まれている
(3) 心疾患例
心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性
心疾患と診断された 52例(男性 30例および女
性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと
どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈
弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった
D実験上の問題点
上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ
ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋
常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞
息の発作時には測定が不可能でありまた代償不
全期にある心疾患例では測定にさいして 非常
に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多
くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸
曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに
限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく
なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で
は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20
例にとどまった
III 実験成績
A尋常例
(1) 姉圧縮率
年令 14才から 61才までの男性 27例 および
年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を
対象にした
(a) 年令
肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率
の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ
うに若年者では平均値以下を示すものが多く
高年者では平均値以上を示すものが多い しか
し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令
者では高くなるかまたは低くなるか不明であ
る
SlotiC o m0Ie
Complionce bull female
LcmHO
025
口 0
o 0
020十 0 ヨ 0 v 《 _u
Mean value Q-
一σ-一瓦o
o_0 0 bullbullbull
bull0015 1 _
0
010L IO 20 30 40 50 60 y
Ag~
Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects
(b) 性
男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女
性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性
にくらべてやや高い値を示す
(c) 肺容量
図2と図 3のように VCおよび FRC にたい
する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい
ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある
(2) 気道抵抗
(a) 年令および性
尋常例では 図4のように 高令になるにつれ
て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値
は21cmH20Lsecで男性および女性の平
5to糾c Cornpliance
LcmHp fem
omole
ale
025 t
020 oOA0
0 0 0 0 00 Q 0
Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一
コ bull 0
o0 0
015 -
010
2000 3000 4000 5000cc
VC
Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects
015
ム一 誌
第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce
ωHTC
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Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー
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0 胃 v 0
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010
1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC
Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-
mal subjects mal subjects
B閉塞性肺疾患例
図7は当教室の RVlVCおよび Sa02
omole
femole
Airwoyrぉisronce
cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮
30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0
a 0 0
0 50-
0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に
W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値
5_ bull 0
0 0
は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低
10 し
Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge
Ltm ロ 司
t 03 崎
Airway Resistance amp Age in nor-
mal subjects
Fig4
弘司o③
000 ogb
均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB
c
θ~ 0~
であるsecL0220 cmH
(b) 肺容量
VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ
者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math
o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女
性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る
傾向をみることに女性ではその傾向が著明で
ある
Ai問 oy開翁知町e
cmHoLf蹴
omole
femole
30
一~~1_n_ _r~J~_~且 --
c
q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-
Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-
ty in patients with obstructive lung
diseases
図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量
(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ
び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ
る図のように尋常例では呼吸数および吸
気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を
保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上
で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1
明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か
2000 3000 4000 CC
5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支
Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低
mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し
20
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-
C帽惨嗣曲
IA開制ρ
larr-Em帥同開 th
03 larr陶仲間blt
~ -11町mO咽民f
02
01
蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷
Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on
lung compliance in nonhal sub-
jects amp in patients with obstruc-
tive lung diseases
Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh
U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0
O 3
02
01
Fig 9 E旺ectof varying duration of in-
spirium on lung compliance in
normal subjects amp in patients
with obstructive lung diseases
て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに
尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ
る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺
圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値
とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉
塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら
れなし
また換気量を同じく制限したときの気道損抗の
変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸
数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな
いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例
よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて
さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では
呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい
わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺
気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長
さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ
一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で
は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく
争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br
60
づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二
40
20 去三と二に三三bull ~__tgt
畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘
Fig 10 Effect of respiratory frequency on
airway resistance of lung in nor-
mal subjects amp in patients with
obstructive lung diseases
22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th
60
40
ー 一修司ー』hellip~一 一
日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺
争-ーー
2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵
Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-
spirium on airway resistance of
lung in normal subjects amp in
patients with obstructive lung
diseases
と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以
上はほぼ一定である
図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺
疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から
3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け
ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化
を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変
10
冊αl n46
5
iw hrt向山内
Fig 12 Effect of two deep inspirations
on lung compliance in patients
with obstructive lung diseases
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
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Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
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I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
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-138- 千葉医学会雑誌 第 41巻
考慮しつつ乙の方面の研究を試み多少とも知見
を補遺することができた乙のさい肺気腫研究
会および文部省機関研究「肺気腫」斑の数次に
わたる会合でわれわれは本論文の主題の一つで
ある慢性閉塞性肺気腫の重症度分類について発表
し多くの先人の忠言をいただいて現在一応
まとめることができたこの重症度の分類は(24う
まだ未完成のものながら現在まで変化域の広
しっかみどころのないような数値そのものまた
は数値の動向にかんする意味づけをかなり明ら
かにすることができた
II 実験方法および実験対象
A実験装置
実験に用いた装置は日本光電工業株式会社製呼
吸流量計 MFP-l型で ζれはスタチーフ肺
胞内圧測定用圧電変換器呼吸流量測定用差圧式圧
電変換器気流抵抗膜容器呼吸シャッターおよ
びマウスピース導管Kより構成されたものでこ
れに同社製 MP-3A型および AD 2-22型
増幅器抵抗線歪と差動トランス方式による圧電変
換部電気的積分装置および記録装置を組合わ
せこれに内径177cm長さ 60cmのポリエチ
レン管の尖端より 15cmの聞に 多数の側孔をあ
げその部を外界と隔絶するために 直径 1cm
長さ 15cmのゴムバルーンで被った食道内圧用
カテーテ Jレを連結し食道内圧換気気流速度お
よび換気量の同時測定を行なった
B実験方法
被検者は臥位でなく つねに坐位(ときに立
位〉をとらしめ測定前には安静を保たせ深い
呼吸は禁じた 4キシロカイン溶液で鼻腔粘膜を
麻酔させまたは麻酔させずに上述の食道内圧
測定用カテーテルを噴門直上まで挿入した乙のと
き鼻口より ゃく 50cmの位置を目安にして
噴門を通して胃内に挿入しついで噴門上部まで
ひきあげる ゴムパルン内に ゃく 1ccの空
乙l気を入れ差動式圧電変換器に接続し被検者
ゆっくりとしたやや大きな呼吸を行なわせ O5L
の吸気位における食道内圧および換気量から求
めたものをいわゆる静肺圧縮率としまた安静
時の時吸を行なわさせ気流速度 Oの点すなわ
ち呼気と吸気の移行点に相当する食道内圧2点聞
の振幅とそれに相当する換気量とから求めたもの
をいわゆる動肺圧縮率としすくなくとも 5回安
定した波形の得られたものだけを採用した しか
し以下述べる値はいわゆる静肺圧縮率の値だけ
であるがあえてこれを静肺圧縮率とせずrこんに肺圧縮率としたこれは厳密な意味で病
的状態(閉塞性肺疾患においてもまた代償不全
性心疾患においても〉では後述のように静肺圧
縮率の値が求められなかったことによる
気道抵抗は被検者にゆっくりとしたやや大
きな呼吸を行なわせ適当な間隔をおいて気流を止
めこのときの食道内圧の変化を気流阻止直前の
気流速度と対比して求めた
ヒトの肺の機械的な特性を知るために肋膜腔内
に直接針を入れ その圧を測定したのは von
NeergaardK E と WirzK(61)でありつい
で ChristieR V(6)(7)また DaymanH(11)
らであったがとの方法lとはつねに困難と危険を
伴なった LucianiL(30)は食道内圧が肋膜腔
内圧を反映することをみいだしそれ以来空気を
1) et al(2LDFry満たしたゴムバルーンでは
および Mead Jと WhittenbergerL(38)らが
また水を満こしたゴムバルーンでは Dornhorst
や Leathart(14) McI1royや Marshall(40うおよ
び Christie(6)らが測定した
このほか ゴムバルーンの厚さ ゴムパノレー
ンの長短および ゴムパjレーンの容量などの相
違でも肺圧縮率の値が変化すると報告されてい
る
また MeadJ et aiC33)は ゴムパJレーン挿
入の位置にでも値が変わり噴門直上で値が一定に
なることを報告しまた体位により値が変るこ
とも報告されたすなわち AttingerE O et
alωは仰臥位では肺圧縮率が低いことをみ
FerrisBG et al(17)は坐位側臥位および
伏臥位と仰臥位で肺圧縮率の値が異なることをみ
また MeadJ et al(3町立坐位では食道内圧
と肋膜腔内圧の絶体値は一致するが臥位では著
明な差があることなどを報告している
以上の事項を考慮した上でゴムバルーンは
長さ 15cm直径 1cmで うすいものにし空気
を1cc入れ これを噴門直上まで挿入し被検者
は坐位をとらせて測定した
62)1)くK(6WirzとKNeergaard気道抵抗は
のいう気道抵抗であるが MeadJと Whitten
bergerL仰〉らにより のちに食道内圧法によ
り得たものは気道抵抗ではなく粘性抵抗である
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-
ことが述べられている
C実験対象
(1) 尋常例
尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所
見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査
(VCは 80以上 lVCは70以上お
よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機
能に機能的ならびに器質的異常のないものと
し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男
性 27例および女性 21例〉を対象にした
(2) 閉塞性肺疾患例
閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な
らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に
わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で
あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび
に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ
り肺性心と診断された 6例も含まれている
(3) 心疾患例
心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性
心疾患と診断された 52例(男性 30例および女
性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと
どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈
弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった
D実験上の問題点
上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ
ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋
常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞
息の発作時には測定が不可能でありまた代償不
全期にある心疾患例では測定にさいして 非常
に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多
くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸
曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに
限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく
なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で
は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20
例にとどまった
III 実験成績
A尋常例
(1) 姉圧縮率
年令 14才から 61才までの男性 27例 および
年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を
対象にした
(a) 年令
肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率
の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ
うに若年者では平均値以下を示すものが多く
高年者では平均値以上を示すものが多い しか
し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令
者では高くなるかまたは低くなるか不明であ
る
SlotiC o m0Ie
Complionce bull female
LcmHO
025
口 0
o 0
020十 0 ヨ 0 v 《 _u
Mean value Q-
一σ-一瓦o
o_0 0 bullbullbull
bull0015 1 _
0
010L IO 20 30 40 50 60 y
Ag~
Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects
(b) 性
男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女
性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性
にくらべてやや高い値を示す
(c) 肺容量
図2と図 3のように VCおよび FRC にたい
する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい
ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある
(2) 気道抵抗
(a) 年令および性
尋常例では 図4のように 高令になるにつれ
て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値
は21cmH20Lsecで男性および女性の平
5to糾c Cornpliance
LcmHp fem
omole
ale
025 t
020 oOA0
0 0 0 0 00 Q 0
Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一
コ bull 0
o0 0
015 -
010
2000 3000 4000 5000cc
VC
Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects
015
ム一 誌
第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce
ωHTC
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Meanvalue ハ~ 0 門叩 ~~~----__-~Q~~-~ーωー-一ー一一 一一一一 _ (J口内v一一一ー 一一一一一日「す-Q-一一一一ーー一一ー
30
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に制
0 胃 v 0
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- 0
10
010
1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC
Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-
mal subjects mal subjects
B閉塞性肺疾患例
図7は当教室の RVlVCおよび Sa02
omole
femole
Airwoyrぉisronce
cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮
30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0
a 0 0
0 50-
0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に
W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値
5_ bull 0
0 0
は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低
10 し
Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge
Ltm ロ 司
t 03 崎
Airway Resistance amp Age in nor-
mal subjects
Fig4
弘司o③
000 ogb
均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB
c
θ~ 0~
であるsecL0220 cmH
(b) 肺容量
VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ
者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math
o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女
性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る
傾向をみることに女性ではその傾向が著明で
ある
Ai問 oy開翁知町e
cmHoLf蹴
omole
femole
30
一~~1_n_ _r~J~_~且 --
c
q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-
Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-
ty in patients with obstructive lung
diseases
図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量
(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ
び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ
る図のように尋常例では呼吸数および吸
気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を
保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上
で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1
明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か
2000 3000 4000 CC
5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支
Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低
mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し
20
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-
C帽惨嗣曲
IA開制ρ
larr-Em帥同開 th
03 larr陶仲間blt
~ -11町mO咽民f
02
01
蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷
Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on
lung compliance in nonhal sub-
jects amp in patients with obstruc-
tive lung diseases
Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh
U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0
O 3
02
01
Fig 9 E旺ectof varying duration of in-
spirium on lung compliance in
normal subjects amp in patients
with obstructive lung diseases
て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに
尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ
る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺
圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値
とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉
塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら
れなし
また換気量を同じく制限したときの気道損抗の
変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸
数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな
いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例
よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて
さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では
呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい
わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺
気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長
さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ
一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で
は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく
争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br
60
づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二
40
20 去三と二に三三bull ~__tgt
畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘
Fig 10 Effect of respiratory frequency on
airway resistance of lung in nor-
mal subjects amp in patients with
obstructive lung diseases
22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th
60
40
ー 一修司ー』hellip~一 一
日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺
争-ーー
2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵
Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-
spirium on airway resistance of
lung in normal subjects amp in
patients with obstructive lung
diseases
と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以
上はほぼ一定である
図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺
疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から
3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け
ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化
を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変
10
冊αl n46
5
iw hrt向山内
Fig 12 Effect of two deep inspirations
on lung compliance in patients
with obstructive lung diseases
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
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Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
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015 寸
-鎗 最
01号
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事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
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In normal sub-1erentbody position百di
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5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack
with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-
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42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
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43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
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56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
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402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
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59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
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fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
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eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
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uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
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amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
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lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
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54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
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trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -139-
ことが述べられている
C実験対象
(1) 尋常例
尋常例とは既往歴理学的所見胸部レ線的所
見心電曲線所見 ならびに 簡単な肺機能検査
(VCは 80以上 lVCは70以上お
よび Sa02は97以上〉所見からして心肺機
能に機能的ならびに器質的異常のないものと
し年令 13才より 61才にわたる健常者 48例(男
性 27例および女性 21例〉を対象にした
(2) 閉塞性肺疾患例
閉塞性肺疾患例は 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科にて気管支瑞息な
らびに肺気腫と診断された年令 18才から 68才に
わたる 94例(男性 67例 および 女性 27例)で
あり乙のなかには自覚症理学的所見ならび
に右心力テーテノレ検査を含めた心肺機能検査によ
り肺性心と診断された 6例も含まれている
(3) 心疾患例
心疾患例はやはり 1960年から 1964年にわた
り千葉大附属病院第 2内科に入院し代償不全性
心疾患と診断された 52例(男性 30例および女
性 22例〉であるが実際用いえた波形は 20例にと
どまった ζの内訳は 僧帽弁膜症 13例 大動脈
弁膜症4例ならびに連合弁膜症3例であった
D実験上の問題点
上述のようなゴムバルーンのついたポリエチレ
ン管を鼻口より噴門直上部まで挿入するため尋
常例でも相当の苦痛を訴えるまして気管支瑞
息の発作時には測定が不可能でありまた代償不
全期にある心疾患例では測定にさいして 非常
に苦痛と困難を伴なったこのため試みた数多
くの症例のうちすくなくとも 5回安定した呼吸
曲線および食道内圧曲線がえられたものだけに
限定したため検査対象となしえナこ症例数は少なく
なっている ζ とに代償不全期にある心疾患例で
は 52例のうち 検査対象となりえたものは 20
例にとどまった
III 実験成績
A尋常例
(1) 姉圧縮率
年令 14才から 61才までの男性 27例 および
年令 13才から 56才までの女性 21例合計 48例を
対象にした
(a) 年令
肺圧縮率と年令との関係を図 11[示す肺圧縮率
の平均値は 0178LcmHzOで図より明らかなよ
うに若年者では平均値以下を示すものが多く
高年者では平均値以上を示すものが多い しか
し 60才台の例は 2例にすぎず これ以上の高令
者では高くなるかまたは低くなるか不明であ
る
SlotiC o m0Ie
Complionce bull female
LcmHO
025
口 0
o 0
020十 0 ヨ 0 v 《 _u
Mean value Q-
一σ-一瓦o
o_0 0 bullbullbull
bull0015 1 _
0
010L IO 20 30 40 50 60 y
Ag~
Fig 1 Static Compliance amp Age in normal subjects
(b) 性
男性 27例の平均値は 0187LcmHzOまた女
性 21例の平均値は 0169LcmHzuで男性は女性
にくらべてやや高い値を示す
(c) 肺容量
図2と図 3のように VCおよび FRC にたい
する肺圧縮率の関係ではそれぞれ容量の大きい
ものほど肺圧縮率も高い値を示す傾向がある
(2) 気道抵抗
(a) 年令および性
尋常例では 図4のように 高令になるにつれ
て気道抵抗も高くなる傾向がある全例の平均値
は21cmH20Lsecで男性および女性の平
5to糾c Cornpliance
LcmHp fem
omole
ale
025 t
020 oOA0
0 0 0 0 00 Q 0
Meon voぷ一一一一一一一一-77-rτ-o--o一一一一
コ bull 0
o0 0
015 -
010
2000 3000 4000 5000cc
VC
Static Compliance amp VC in normal 2 Fig subjects
015
ム一 誌
第 41巻-140- 千 医 学 A 雑葉 Airwoyresistonce
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010
1000 2000 3000cc 1000 2000 3000FRC FRC
Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-
mal subjects mal subjects
B閉塞性肺疾患例
図7は当教室の RVlVCおよび Sa02
omole
femole
Airwoyrぉisronce
cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮
30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0
a 0 0
0 50-
0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に
W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値
5_ bull 0
0 0
は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低
10 し
Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge
Ltm ロ 司
t 03 崎
Airway Resistance amp Age in nor-
mal subjects
Fig4
弘司o③
000 ogb
均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB
c
θ~ 0~
であるsecL0220 cmH
(b) 肺容量
VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ
者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math
o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女
性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る
傾向をみることに女性ではその傾向が著明で
ある
Ai問 oy開翁知町e
cmHoLf蹴
omole
femole
30
一~~1_n_ _r~J~_~且 --
c
q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-
Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-
ty in patients with obstructive lung
diseases
図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量
(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ
び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ
る図のように尋常例では呼吸数および吸
気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を
保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上
で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1
明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か
2000 3000 4000 CC
5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支
Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低
mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し
20
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-
C帽惨嗣曲
IA開制ρ
larr-Em帥同開 th
03 larr陶仲間blt
~ -11町mO咽民f
02
01
蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷
Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on
lung compliance in nonhal sub-
jects amp in patients with obstruc-
tive lung diseases
Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh
U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0
O 3
02
01
Fig 9 E旺ectof varying duration of in-
spirium on lung compliance in
normal subjects amp in patients
with obstructive lung diseases
て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに
尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ
る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺
圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値
とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉
塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら
れなし
また換気量を同じく制限したときの気道損抗の
変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸
数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな
いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例
よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて
さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では
呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい
わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺
気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長
さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ
一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で
は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく
争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br
60
づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二
40
20 去三と二に三三bull ~__tgt
畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘
Fig 10 Effect of respiratory frequency on
airway resistance of lung in nor-
mal subjects amp in patients with
obstructive lung diseases
22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th
60
40
ー 一修司ー』hellip~一 一
日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺
争-ーー
2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵
Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-
spirium on airway resistance of
lung in normal subjects amp in
patients with obstructive lung
diseases
と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以
上はほぼ一定である
図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺
疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から
3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け
ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化
を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変
10
冊αl n46
5
iw hrt向山内
Fig 12 Effect of two deep inspirations
on lung compliance in patients
with obstructive lung diseases
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
o
005 ー
Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
qA日xゎ
010 十口舘 --~-
010
ム議 ー一ーーーー
事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
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向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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Fig3 Static Compliance amp FRC in nor-Fig~ 6 Airway Resistance amp FRC in nor-
mal subjects mal subjects
B閉塞性肺疾患例
図7は当教室の RVlVCおよび Sa02
omole
femole
Airwoyrぉisronce
cmHpLleι の値から定めた閉塞性肺疾患の重症度(24)と肺圧縮
30 率の関係を示す図のように重症度の高いもの0
a 0 0
0 50-
0 に 肺圧縮率の高いものが多い しかし 3度に
W棚田~~__ __________~_9_~______O__~_~_ ~9_ ~_ ~_ 20 ~-~--=otildeotilde~i~~~-~atilde--------- -v 0 は右心不全を伴なう症例が含まれており乙の値
5_ bull 0
0 0
は 明らかに 右心不全を伴なわないものより低
10 し
Stotic 10 20 30 40 50 60 Yrs 2 3compilAge
Ltm ロ 司
t 03 崎
Airway Resistance amp Age in nor-
mal subjects
Fig4
弘司o③
000 ogb
均値はそれぞれ 22cmH20Lsecおよび 02 g ぷGG③3KθB
c
θ~ 0~
であるsecL0220 cmH
(b) 肺容量
VCおよび FRCと気道抵抗の関係では 日リ
者すなわち図 51乙は特定の関係がないしか bull E噌句$8math
o A討拘nCl br し後者すなわち図 61ζは男性および女
性ともに FRCが増すにつれて気道抵抗が減る
傾向をみることに女性ではその傾向が著明で
ある
Ai問 oy開翁知町e
cmHoLf蹴
omole
femole
30
一~~1_n_ _r~J~_~且 --
c
q9 _~__-0 豆-8一一一ι o g~--ouml-
Fig 7 Static compliance ampGrade of severi-
ty in patients with obstructive lung
diseases
図8と図 9は換気量喜子自然呼吸の一回換気量
(300 cc-400cc)に制限したときの呼吸数およ
び吸気時間の長さの変化と肺圧縮率の関係であ
る図のように尋常例では呼吸数および吸
気時聞が変化しでも肺圧縮率はほぼ一定の値を
保つが肺気腫および気管支瑞息の症例ではo 0 0 () 0 呼吸数が分時 11回以下および分時 26回以上
で肺圧縮率は低下しことに肺気腫例では著0 1
明な低下を示す ζれを吸気時間の長さの変化か
2000 3000 4000 CC
5000 vc らみると図 9のように肺気腫および気管支
Fig 5 Airway Resistance amp VC in nor- 端息例では吸気時聞が尋常以下のとき著明に低
mal Subjects 下していた肺圧縮率が尋常値になると急lζ増し
20
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-
C帽惨嗣曲
IA開制ρ
larr-Em帥同開 th
03 larr陶仲間blt
~ -11町mO咽民f
02
01
蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷
Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on
lung compliance in nonhal sub-
jects amp in patients with obstruc-
tive lung diseases
Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh
U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0
O 3
02
01
Fig 9 E旺ectof varying duration of in-
spirium on lung compliance in
normal subjects amp in patients
with obstructive lung diseases
て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに
尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ
る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺
圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値
とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉
塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら
れなし
また換気量を同じく制限したときの気道損抗の
変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸
数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな
いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例
よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて
さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では
呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい
わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺
気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長
さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ
一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で
は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく
争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br
60
づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二
40
20 去三と二に三三bull ~__tgt
畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘
Fig 10 Effect of respiratory frequency on
airway resistance of lung in nor-
mal subjects amp in patients with
obstructive lung diseases
22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th
60
40
ー 一修司ー』hellip~一 一
日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺
争-ーー
2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵
Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-
spirium on airway resistance of
lung in normal subjects amp in
patients with obstructive lung
diseases
と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以
上はほぼ一定である
図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺
疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から
3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け
ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化
を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変
10
冊αl n46
5
iw hrt向山内
Fig 12 Effect of two deep inspirations
on lung compliance in patients
with obstructive lung diseases
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
o
005 ー
Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
qA日xゎ
010 十口舘 --~-
010
ム議 ー一ーーーー
事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o
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39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-
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29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird
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42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
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とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
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47 ObenourR ASalzmanH ASieker
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48 OtisA B amp McKerrowC Possible
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55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
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56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
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402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
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50 PryorW W amp PageE B Changes in
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166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
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61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
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62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
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trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道描抗について 一141-
C帽惨嗣曲
IA開制ρ
larr-Em帥同開 th
03 larr陶仲間blt
~ -11町mO咽民f
02
01
蜘114 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 骨酬明刷
Fig 8 E旺ectof respiratory frequency on
lung compliance in nonhal sub-
jects amp in patients with obstruc-
tive lung diseases
Conlpllonc トーfIiI帥抑制na lh
U町内 トーUIIImo釦 ltr側冒m刷刷0
O 3
02
01
Fig 9 E旺ectof varying duration of in-
spirium on lung compliance in
normal subjects amp in patients
with obstructive lung diseases
て Plateauを作ったのち吸気時間がさらに
尋常以上に延びるとふたたび低下する傾向にあ
る一回換気量を 300400cc 1[制限した場合肺
圧縮率は尋常例ではいわゆるldquo staticな値
とldquo dynamic な値とは ほぼ同じであるが閉
塞性肺疾患例ではいわゆるldquostaticな値はえら
れなし
また換気量を同じく制限したときの気道損抗の
変化は図 10と図 11のように尋常例では呼吸
数が変化しでも気道抵抗はほとんど変化しな
いが ij市気腫および気管支瑞息例では尋常例
よりも高い値でありかつP 呼吸数の増加につれて
さらに上昇する傾向を示す気管支晴息例では
呼吸数の増加により気道抵抗が急に上昇するい
わゆるldquocriticalな部分がみられるけれども肺
気腫例ではこのことがみられない吸気時間の長
さの変化でも図 11のように尋常例ではほぼ
一定であるが 肺気腫 および気管支晴息例で
は吸気時聞が尋常より短いものから尋常に近ずく
争rarr E崎町圃闇 h 開叫J回e -~ Altt咽 br
60
づ〈ヌぞ三 j--プ手ごとて二王ジ多ニζ三 二
40
20 去三と二に三三bull ~__tgt
畑14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 11 8 B帽岨明間拘
Fig 10 Effect of respiratory frequency on
airway resistance of lung in nor-
mal subjects amp in patients with
obstructive lung diseases
22品蝿 C叫ゆ1え ゆ_EI酬明酬明 th
60
40
ー 一修司ー』hellip~一 一
日 時一回 ~-- 20 hellip _--一 b 寺
争-ーー
2 3 4 5 8 輔 h剛咽冒Yt柵
Figlsquo11 E妊ectof varying duration of in-
spirium on airway resistance of
lung in normal subjects amp in
patients with obstructive lung
diseases
と気道抵抗は低下しゃく 3秒になるとそれ以
上はほぼ一定である
図 12は 2回の深吸気の前後における閉塞性肺
疾患の重症度別の肺圧縮率の変化を示す O度から
3度まで 3度のなかの右心不全を伴う症例を除け
ばいずれも尋常値+63 (n48)前後の変化
を示した右心不全を伴う症例ではほとんど変
10
冊αl n46
5
iw hrt向山内
Fig 12 Effect of two deep inspirations
on lung compliance in patients
with obstructive lung diseases
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
o
005 ー
Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
qA日xゎ
010 十口舘 --~-
010
ム議 ー一ーーーー
事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
-50
-142ー 千葉医学会雑誌 第 41巻
化しないしかし 30分後の再測定で 0度の場
合は全例に深吸気の影響がとれていたが 2度
および 3度では 60分後の再測定を行なった 7
例全例に深吸気の影響が残っていたこのことか
ら再現性のある測定を行なうためには測定前か
らの換気量を調整しておく必要があることがわか
る
+20
ー100 m欄1 - 134 1 1同開22511m蜘 1801 1 moon 82私
Fig 13 Effect of two deep inspirations on
airyvay resistance in patients with
obstructive lung diseases
図13は同じく 2回の深吸気の前後はおける
閉塞性肺疾患の重症度別の気道抵抗の変化を示す
O度から 2度まで ほぼ同様の減少を示している
が 3度ことに右心不全を伴う症例では減少
の程度が少ない
llt
15
10
5
士宮
Fig14 E旺ectof nebulization発 on lung
compliance in patients with ob-
structive lung diseases
σWith Alevaire 20cc + Asthpul 03 cc)
図 14は界面活性薬 Saperinon を主体とする
薬剤 (Alevaire)20 ccと気管支拡張薬 Isopro-
terenol hydrochloride (Asthpul) 03 cc吸入前
後における重症度別の肺圧縮率の変化を示す尋
常例 (n48)では平均十104の増加であるが
O度および 1度ではそれぞれ平均 +139
および +125の増加であり 2度および 3
度では右心不全を伴う症例を除くとそれぞれ
平均 +67および +35の増加となる右心
不全を伴う症例ではほとんど変化しないがこれ
は うつ血による非可逆的で解剖学的所見であ
るいわゆる慢性間質性肺臓炎と肺胞細気管枝
性線維症が著明化することも大きな因子であると思
われる
+ 40
-100
-200
3infin
Fig15 E旺ectof nebulization者 onairway
resistance in patients with ob-
structive lung diseases
特 withAlevaire 20 cc
+ Asthpul 03 cc
図 15は 同じく界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管枝拡張薬 Asthpul03 ccの吸入前後におけ
る気道抵抗の変化である図より明らかなとおり
気管枝鴨息例では気道抵抗の著明な低下があり
症例によっては 14以下記減っているものもある
が肺気腫ことに右心不全を伴う例では減少
の程度が少ない
図 16は肺圧縮率と Sa02の関係を示す Sa02
97以上の尋常範囲内のものは肺圧縮率でも
ほぼ尋常範囲内にあり平均値は 017 LcmHzO
で以下 Sa02
の程度が低下するにつれて肺圧
縮率の平均値は上昇しSa02
9694の群は 021L
cmH20また 9389の群は 025LcmH20とな
るが 88以下の群では 点の分布が広くなり平
均値は 020LcmH20 rc低下する
図17は 肺圧縮率と CaC02の関係を示す気
管支瑞息例では CaC02が上昇すると肺圧縮
率も高くなる傾向にあるが 肺気腫例では とく
に一定の傾向がない治療に 酸素 または
Acetazoleamide (Diamox) などを用いていたか
ら多分l乙修飾された値ではあるが換気障害rarr血
液相での障害(低酸症rarr低炭酸血症rarr過炭酸血
症〉rarr肺高血圧というように 図表化しえない複雑
さがあると思われる本来ならば CaCO が低いz
値より尋常範囲の値にある肺気腫例の肺圧縮率は高
bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
o
005 ー
Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
qA日xゎ
010 十口舘 --~-
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ム議 ー一ーーーー
事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
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67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
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bull bull
第 2号 松石 前および後毛細管性肺疾患におけるIl市圧縮率と気道抵抗について -143-
Emphvs th く以下徐々に CaCOZが増すにつれて 肺圧
3 品川町 br縮率は低下する傾向にあるものと思われた
s1tiにcompliance o Normsubj C 代償不全性心疾患
l毛mHρ 図18では肺圧縮率を心疾患別に比較しであ
る各群の平均は 僧帽弁膜症で 014LcmH20
bullbullbull bull 大動脈弁膜症で 012LcmH20 そして連合弁膜bullbull bull bull 症では 009LjcmH20 となるジギタリス治療前03
bull
025 bull bullbull
疾患の特質として代償不全が現われやすい反面
0
のものは治療後のものより 明らかに低値を示
す僧帽弁膜症群には純粋の狭窄症もありまた
θAua
他群よりも容易に再代償しうることなどを考える8θ 000
θ
と平均値がより尋常値に近い理由を理解しうるg 00002 θ
00 0 と思われる犬動脈弁膜症群では 症例も少ないOθθ
θθ80 が乙の疾患の性質上発病および経過から考02総
伊
えてこの群の患者は来院時すでに重症である015 θ
ことが多いために僧帽弁膜症群より低値となるこ
ともありうると思われるしたがって ここにあげ
た数値は大動脈弁膜症群における真の平均値を示
G
θ--
OI ー
Normol 96-94 93~89 88ミ
5002
Fig16 Static compliance amp Sa02
Stotic compliance Emphys th
o Asthmo brItcmHO
O3 bull bullbull
bull bull
ーー
e- bull 025
ー
EO -bull bull
しているかどうかは rcわかに結論できないであ
ろう
図 19は肺圧縮率と呼吸困難の程度との関係を
示す呼吸困難の程度は教室の植松Kより〈m
呼吸困難のないものを O度呼吸困難のあるものの
うち持続的lζ水平仰臥位をとることができるも
Sfatic Compfionce Before Digitolization
Ljcm凡0 o After Oigitolizotion
0 20
g幹 015
8笠-ー 8 0
ーーマラー一o 0002 -00 e匂 288r
の慢世什国昭
一場客
010bull 0 0 ~
白 白
同》
O nνmv
c015 G
o
005 ー
Meanbull
bull o 14 012 009OI
Mitrol Aortic COlllbil1ed
15 20 25 mM1
COcobull
Valveiseose VaIyenle Disease
Valve Disease
Fig 17 Static compliance amp CaC02
Fig18 Static Compliance in Patients
with various Heart Diseases
144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
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ム議 ー一ーーーー
事
005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
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144- 千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻
static Complionce static Compl抱nc8 oMI同 1VoIYl αec謁骨
LcmHρ| ロAorticVal糟DiIeaIe
Lyencam助 制湘咽 D骨蝿e
Zロ
015 寸
-鎗 最
01号
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005 005 Meon
016 010 009 008
I E E
11向cono i art鮒deof行時伽 骨骨pn事Grode of Oy
帽He 明
Fig 19 Static Compliance amp Grades of
Dyspnea in Patients with Heart
Diseases
のを 1度半ベットを必要とするものを 2度そし
て正坐または前伏の位置をとるものを 3度と
した各群における肺圧縮率の平均値は 0度で
016 LjcmHzO 1度で 010LjcmHzO2度で 009
LjcmH20そして 3度で 008LjcmH20で 重
症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している 1
度 2度および 3度の平均値はあまり大きな
差を示さないが 0度と 1度とのあいだには大き
な差がある
図20は肺圧縮率とうつ血性心不全の程度との
関係を示すうつ血性J心不全の程度は New York
Heart Association の分類(46)により 1度は労
作時軽い息切れとどうきがあるとき 2度は労
o Mitrol Valveαsωse
口 A町f ease抱 Valve Dis
d Con曲ledVal咽Diseose
切
5000
0000 日
am日80
A 一企Fー
Mean
015 010 009 007
2 3 4
作時息切れとどうきがあるとき 3度は安静
時息切れとどうきがあるときそして 4度は100
絶体安静時息切れとどうきがあるときである各群 80
における肺圧縮率の平均値は 1度で 015 Lj 60
cmHzO2度で 010LjcmH20 3度で 009Lj
cmH20そして 4度で 007LjcmH20であり 40
重症度が増すにつれて肺圧縮率も低下している
乙の場合にも 1度と 2度のあいだに大きな差をみ
るが 2度以上にはそれほど大きな差がない
20
Heart AssoclationNYthetoordinllinfin Fig20 Static Compliance amp Grades of
Congestive Heart Failure in Pa-
tients with Heart Diseases
S旭ticCompli創刊 Before Immediatelyofter LcrnHO Digita6z醐伺 Digitalizotion og
fu
eOschr時Be
O2
015
01
Mean 014 14nO目個Mn009附帽
Fig 21 a E百ectof Digitalization on Com-
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
引b Beforlalizalion伊
同制lat剖yaft町 Bef町e OigiaUzatぬn Discl咽rge
M師 1 392 Mean414 図21aおよび図 21 bは7ギタリス治療前
Fig21 b E妊ectof Digitalization on Com-yギタリス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮 pliance of Lung in Patients with
率の変化を示す肺圧縮率の平均値はそれぞれ Heart Diseases
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
M S The mechanics of breathing in
In normal sub-1erentbody position百di
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3 BondurantSHickamJ B amp Isley
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in normal subjectsJ Clin Invest36
59-661957
4 BrownC CFryD L amp EbertR V
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in patients with heart diseaseAmerJ
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6 ChristieR V amp MclntoshC A The
measurement of intrapleural pressure in
man and its significanceJ Clin Invest
13279-2941934
7 ChristieR V amp MeakinsJ C The
intrapleural pressure in congestive heart
fai1ure and its clinical signi五cance J
Clin Invest13323-3451934
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第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
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42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
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43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
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56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
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402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
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61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
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62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
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amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
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lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
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Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -145ー
ジギタリス治療前 009 LjcmH20 ジギタリス飽
和直後 014LcmH20 そして軽快退院前 014L
jcmHzOで治療前を Oとすると飽和直後は平
均十392 また軽快退院前は平均十414増
しジギタリス治療により肺うつ血がとれると
肺圧縮率は著明に上昇するが一度肺うつ血がとれ
ると》それ以後の変化はすくないととがわかるす
なわち うつ血そのものが肺圧縮率に大きな影響
を与えている
S酎お C肺移lsquo問
0 崎和aIVωwOi輔0園LI酬 HO
A宮前cValwe 0輔 副O 2 ロcor明以内0lt1_0iIltlt掲
015
010
Irl 10 VrI2 4 6 8
C剖a明10幅制
義務 before digitalization
oimmediately after digitalization
⑥ before discharge
Fig 22 Static Compliance amp Course of
Heart Diseases before amp after
Digitalization
図22は 肺うつ血の症状が現われてから検査
を行なった時点までの経過の長さとジギタリス治
図で明ζ1療による肺圧縮率の変化とを示す第
らかなように肺うつ血症状が現われてから ほ
ぼ 3年以内のものではジギタリス治療により
著明な改善をみるがそれ以上経過しているもので
は改善度が少ないすなわち長い経過に肺う
つ血をくり返している症例では肺の剛性が増して
いて治療によっても肺圧縮率の改善が少ないと
思われる第 2Kζ こにみるかぎり大動脈弁膜
症の肺圧縮率は低くまた経過の比較的短いもの
でも改善は悪い乙れは前述のように僧帽弁膜
症と比較して大動脈弁膜症では大動脈左室
左房を経てはじめて肺うつ血が現われることか
らして肺うつ血を生じたときにはすでに肺の
剛性が増すほどの経過をもつためであろうと思われ
る乙の点僧帽弁膜症では一般にうつ血が生
じやすいけれども治療にも反応しやすいまた
-tこん代償を失なった大動脈弁膜症は再代償しに
くい性質をもつためジギタリス治療後でも完全
な再代償を来7こしていないとも思われるさらに
乙exflAortico-pulmonary re大動脈弁膜症では
より気管枝筋の緊張允進もおこりうることをも考
えるべきであろう
創刊咽yRe創加nce
自efore 闘争lPLi輔C D切italizat嗣n
Immdiatty affD岡崎olizotion Dischorge
80同
10
8
6
4
2
Mean 476 M M似 聞 367 an 356
Fig23 a E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
8e1o時 8e1岡陶 italization
Immdlalely affer D略目liz剖拘n 町S功9+30
-50
ーパ)()
132Mean150ー
Fig 23 b E百ectof Digitalization on Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
図23aと図 23bは ジギタリス治療前Pギタ
リス飽和直後および軽快退院前の気道抵抗の変
化を示す各時期の平均値は治療前 476cmHzOj
Lsec飽和直後 367cmHzOjLjsecおよび軽
快退院前 356cmHzOLsecであり これは ジ
ギタリス治療前の値を Oとすると飽和直後は平
均 -321また軽快退院前は平均一386と
なる明らかに治療前に比較して飽和直後では
気道抵抗は低下しているが飽和直後と軽快退院前
を比較すると一定の傾向をみない
図24はジギタリス治療前後の各時期において
安静呼吸について行なった 2回の深吸気が肺圧縮率
に及ぼす影響を示す治療前の肺うつ血を伴うとき
では ほとんど変化をみないが治療後のもので
は いずれも 2回の深吸気で飽和直後は平均
58 また 軽快退院前は平均 121の増加をみ
た前述の閉塞性肺疾患の右心不全を伴う群と同じ
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
-146 千葉医学会雑誌 第 41巻
5101lc Before Imr咽d咽旬lyaflOf Befo帽
加咽幅四 Digilo旧atiorl Dlgitolizotion Di5choge
LjtmHO
O 2
015
o 1
血叩2Af相I岨R岬間同百 回W世嗣
Fig24 E妊ect of Two Deep Inspirations
on Compliance of Lung in Patients
with Heart Diseases
くジギタリス治療前においては深吸気で肺圧縮
率は大した影響を受けない肺うつ血が除かれて
はじめて深吸気による影響が現われてくる
敵国V向阻s飯田曲 eefore Imm剖副Iy 0行8f 8efore D甲lalil国ion Dgllaliz国ion Oischan~e
cmHCYLjs凪
ao
60
40
20
Fig25 E旺ectof Two Deep Inspirations
on Airway Resistance in Patients
with Heart Diseases
図 25は ジギタリス治療前後で 深吸気が気道
抵抗iζ及ぼす影響を示す特定の傾向はない治療
前気道抵抗が深吸気により著明に低下している 3
例があるこれらの症例は後述する界面活性薬と
気管支拡張薬の吸入によっても気道抵抗が著明に
低下していた
staticCompl畑町
8efore 日ef邸宅
Lj白nHO D咽同Jiz ahα ()IschOrge
O 2
015
O 1
Bet町 Imm輔副eIY afer
出町 防gitalJz回ron +15 1 1 Digitaliz
+10
+ 5
|胸 an08 Mean t99 Mean1-100
Fig 26 b E旺ectof Nebulization on Com司
pliance of Lung in Patients with
Heart Diseases
図26aと図 26bは界面活性薬 Alevaire20 cc
と気管支拡張薬 Asthpul03 cc吸入前後の肺圧縮
率の変化を示すジギタリス飽和直後および軽
快退院前では それぞれ 平均 +99および
+100の増加をみたがジギタリス治療前では
平均一08でほとんど変化しない
図27aと図 27bは同じく 界面活性薬と気管
支拡張薬の吸入による気道抵抗の変化を示す各時
期の気道抵抗の減少は ジギタリス治療前は平均
212飽和直後は平均 374そして 軽快退院
Airway Re割引once Before 1m同 diafl均 at1er 8efore
Oigrlolization Oigitolizo針n DIS曲rge cnせてQILsec
10
5
Fig 27 a Effect of Nebu日zationon Airway
Resistance in Patients with Heart
Diseases
Belo帽 Immd剖Iyatl町 Sfore
Digitalizat同拘 Oigitaliza制n Dischltrge
+20
- 50
-100 愉岨11 -吉74晶M 誌212n-回
Fig 26 a E妊ectof Nebulization on Com- Fig 27 b E妊ectof Nebulization on Airway
pliance of Lung in Patients with Resistance in Patients with Heart
Heart Diseases Diseases
005
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
02
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -147-
0 mpensated属 Heart Disease
D右心カテーテノレ法によってえた諸数値と肺圧
σ 一 一-ー一ーーー__ 縮率
民派-句 一ldquo 一_x 右心カテーテノレ法と同時に記録した症例は少いたて-ー-一一ー~bull-
)t-JOx -~ __f---------λ X ユダコま=一二三l予号 01
-〆 I~ i晶lsquo
4~- λ h -~ yen 一温 x気
lsquo~ x lsquo
x
14 17 20 23 26 29 32 35 38 41 44 47 50 1m 11 8
日開athing Rote
Fig28 E百ectof Respiratory Frequency
on Compliance of Lung in Normal
Subjects amp in Patients with con-
gestive Heart Diseases
図28は 1回換気量を 自発呼吸の換気量に
ほぼ一致させて行なった場合の呼吸数の変化と
肺圧縮率の関係を示す図のように尋常例では
呼吸数が変化しでも肺圧縮率は一定であるが心
疾患例では分時 14回以下および分時 23回以
上で肺圧縮率は低下しているしかもその低下
の程度は代償不全期のものが もっとも悪く再
代償をえたものは尋常例との中聞の位置にある
乙のことから心疾患においても静肺圧縮率は求
められない
図 29は肺圧縮率と FRCとの関係を示す図
にみるように心疾患例では一定の関係がみられ
ないこれは心疾患では脈管側の因子が大きい
ために FRC とのあいだに一定の関係が現われ
ないのであろうと思われる
め 右心カテーテル法施行の前 12時聞に 肺
圧縮率を測定したものも含めた
Static Compllance
o Aslhma bronial lプcmHO bull Emphysema IllOracis
CS Mltrol Valve Dise四ses
bull - 030十も
025 1bull F
0
20 0 1
k
0 IJ 】 a
ll lsquo--~
015
ヨ主lsquo
10 20 30 40 mmHII PCm
Fig 30 Static Compliance amp PCm
前は平均 306である しかし 治療前著明l乙
気道指抗が減少した 3例を除くと その平均値は
104の減少にとどまるすなわち肺うつ血の存
在しないときは肺うつ血の存在するときに比較し
て吸入前の気道抵抗の平均値は低くかつ吸入
にでも低下するが うつ血が存在するときには気
道抵抗の平均値も高くかつ吸入によっても低下
しないこのことは心性呼吸困難のおこりかたに
大切な点の一つであると思われる (4)またジギタ
リス治療によって副交感神経緊張が高まることだけ
をとりあげれば気管支筋の緊張度は少なくとも
低下することはありえずこのとき交感神経親和
性物質の吸入が気道抵抗の低下の方向に働くとい
うことも理解できょう しかし かようなこと
は i考えられる」ことだけであり実際にはジ
ギタリスの臨床薬理学的な複雑な原因結果による
と思われる
C割引plionc渇
LanHO o Norm剖 SubJects
03 x Rec併npensated Heort Dis朗 s
51司tic
Complionce
LcmHρ1
020 十
18
815
010
005
15 20 25 30
L
FRC
Fig 29 Static Compliance amp FRC in Pa-
tients with Heart Diseases
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会
誌 38500-5151963
42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
bull bull
bull bull
千葉 医 学 会 雑 誌 第 41巻QU
() AlIthmo bronぬiol図30は閉塞性肺疾患群 および 僧帽弁狭窄
症を主体とする僧帽弁膜症群での肺圧縮率と肺毛細Static Compiionce EmphysDmothor
管平均圧との関係を示す僧帽弁膜症群では PCm ハ MitrolVolve Dis
が上昇すると肺圧縮率が低下する傾向にあるが閉 LcmH
塞性肺疾患群には一定の傾向がない 030thmabronchle旧のAsStatic Compliance
bull Emphysema thor bull 合 MitralValve Di韓国e
bullbullbull bull
025
bull
O
bull titgt yen020
会Ayeno
025 bull
コヨ
A 015 0 A
ーゐtl-
020 t tt
b
O目+t
品
E
200 400 600 800 dy同腸ccms
TPR
Fig32 Static Compliance amp Total Pulmo-
10 20 30 mmHg
nary Resistance
PAm
Fig 31 Static Complianceamp PAm Stotlc Complionce
図31のように PAm と肺圧縮率との関係も
PCmの場合と同様である
つぎに図 32および図 33のように 肺圧縮
率と TPRおよび PAR との関係についても
やはり同様のことがいえる TPRは肺毛細管1
をはさむ圧勾配であり圧勾配は肺の上下また
は表面と中央部などで異なるが TPRはこれら
を総合的にみたものであるゆえこの点だけからし
ても閉塞性肺疾患に一定の傾向がない理由を説明
できょうこのことは PARとの関係についても
moth同CI8
lプcmHOハ
bull MitralVolvDise08es
chialeAslhmo br加()
Emphys
bull bull
025
bull
c 十020
色同様にいえる -lsquo a
また図 34のように肺圧縮率と Epのあいだ 015十
4主企
a ー
には閉塞性肺疾患群および僧帽弁膜症群で
いずれも一定の変化方向をみない
図35は肺圧縮率と Fick法による Vmとの
関係を示すとくに一定の関係はない
IV 討論および考案
肺換気は きわめてせん細なメカニズムによって
行なわれているこの一連の過程 (Energycost)
を保持するには必要な代謝上の需要と供給に平衡
d
100 200 300 400 500 dyneccms
PAR
Fig 33 Static Compliance amp Pulmonary
Arterial Resistance
がなければならない尋常例では呼吸の仕事は
もっとも経済的に行なわれており体の他の部分に
4
bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
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bull bull bull bull bull
bull bull
第 2号 松石前および後毛細管J性肺疾患における肺圧縮率と気道話抗について -149-
Aslhmobronchiol~
bull Emphymo thorocil
d Mltrol Valve Oiseosel StaticCompliance
ヤemH20
o Il 島
02 t A
bull
oAa a oo a
01
日)0 1000 1500 dynecm-
Ep
Fig 34 Static Compliance amp Volume Elasticity of PA
Statlcαmpliance
oAsthmo bronchlal 切mH20
Emphysema愉oroclS
A Mltrul Volve Olos bull
030 bull
bull
A
025 bull
20
a 色 d
a Il
15 002
6 8 10 L加4
Fig 35 Static Compliance amp Vm (Fick) Vm
くらべてエネ jレギーに大きな予備力がありこれ
を使わないままの状態でいるが しかし もしも
呼吸が非能率的に行なわれると呼吸の仕事には
大きなエネ Jレギーを消費することになるしたがっ
て患者は呼吸困難に耐えるかまたは生理的
活動を減らすかどちらかを撰ばなければならなく
なる尋常では呼吸の仕事はおもに肺の弾性
抵抗に打ち勝つために費やされ気管支端息およ
び肺気腫では仕事の大部分が気道および
肺の摩擦抵抗および機械的抵抗に打ち勝つため
に費やされるそして心疾患では呼吸の仕事の
増しは弾性的な仕事の増しでありこれを経済的
にするには まず 呼吸の涼さを浅くすべく働く
し このとき気道に障害がなければ 乙の浅い呼
吸は呼吸数を増加させるという形をとるようにな
るこのため最小のエネノレギーで充分なガス交
換ができるまた閉塞性肺疾患にもとづく呼吸困
難のあるときははじめ早く呼吸すると苦しいの
で 1回換気量の大きなそしてゆっくりした呼
吸数で換気するようになる
肺のメカニックスを研究するのにつぎの三つの
因子すなわち胸腔内圧気流速度および換
気量を知る必要がありこれらの測定値からある
一定の換気量にたいする呼吸の仕事量すなわち
肺圧縮率と機械的抵抗を測定できるこのとき酸
素の摂取量が同時に測定できたら呼吸のエネルギ
ー消費をきめるのに役立ったと思われるが乙の
論文では扱わなかった
図7 f乙は 多くの問題を含んでいるその第 1
は気管支噛息と肺気腫の取り扱いかたを変える必
要があるということであるすなわち気管支瑞息
では発作とともに苦痛がおこるため患者はずくや
来院し検査の対象となりやすいが肺気腫では
前者と異なり苦痛を伴なわない無症状のものもあ
りこれら無症状のものは来院しないために検査
の対象とならないこともあるしたがってわたく
しの集めた例には 0度および 1度K肺気腫
例がないかまたは少ない傾向をとったと思われ
る第 2は気管支晴息発作の時点と検査の時点の
間隔発作の重さまたは治療による反応の変化
などで気管支鴨息ではすく1乙異なった重症度
Kはいりうるということである占そして3 この他
l乙急性肺膨脹の存在の有無また過換気による
機械的死腔量などの問題もでてくるゆえにこの
図が これらの疾患の本質的なものを充分表現して
いるとはいいがたいここでは諸検査を行なった
時点における肺圧縮率の値と重症度を plotするに
とどめた
3度での右心不全を伴う症例で肺圧縮率の低下
を来たすことは以前から知られており Stead
W Wet a1(55)は肺うつ血と肺線維症によると
述べ今日でも肺胞細気管支線維症と慢性間質
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
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67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
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誌 351755-17871959 130-1371953
150一 千葉医学会雑誌 第 41巻
性肺臓炎によると考えられている
BaylissLE (2)らおよび DeanR B (12)ら
により呼吸数が増せば肺のかたきが増すととは
観察されていたがその後 OtisA Bく48)らは
とのことを模型肺でまた MeadJ(35)らも尋常
例でこのことを述べているまた Cherniack
RM仰は肺気麗および右心不全を伴う肺気
腫例で吸気時聞が長くなるにつれて肺圧縮率は
増し吸気時聞がゃく 5秒になると Plateauを
っくりそれ以上では一定になることを述べた
また粘性抵抗は尋常例で もっとも低く 肺気f
腫例ではやや高くそして右心不全を伴う肺気腫
例で もっとも高いことを述べている MeadJ
(36)らはこの説明として呼吸数の変化による肺
圧縮率の変化は粘性抵抗の不均等性によるもので
ありゆるやかな吸気では粘性因子が除かれ肺の
抵抗の高い部分も低い部分も換気にあずかり した
がって肺圧縮率は増し逆Iζ吸気が早いと粘
性抵抗の低い肺の部分に過膨脹を来Tこし肺圧縮率
が低下すると述べているしかし換気量を自発
換気の 1回換気量 300-400cc に制限した場合に
は図 9のように肺気腫および気管支鴨息の
症例では吸気時間 2-3秒で肺圧縮率は Plateau
を形成するが さらに 3-4秒に延ばすと 一定
にはならず低下するまた図 11のように気道
抵抗では吸気時聞が長くなると低下しゃく 3秒
以上になるとほぼ一定になる右心不全を合併す
る症例ではいずれも呼吸困難を伴うため安定
した曲線がえられず割愛したが 気道抵抗は 8- 10
cmHzOLsec程度の高い値であったと思われる
Cherniack らの結果と異なったのは 換気量を制
限した点によると思うが尋常例は別にしてこの
1回換気の量が病的状態の症例では適当な量で
ないのかもしれなtまた FowlerW S(18)お
よび OtisA Bと BembowerW Cω〉とは肺
内ガス分布異常は space factorと timefactor
により生じるとし吸気で肺が膨脹するとき部分
的に膨脹する大きさが異なるほかにたとえ肺胞
の大きさが同じでもそれに出入する気流の時間的
ずれにより肺内ガス分布は異常となりうるとして
いるすなわち肺気腫ではことに各肺胞気道
系の時定数(肺圧縮率times粘性抵抗〉が異なるため
に呼吸数の増加により肺圧縮率が低下することが
考えられる肺の「ふくらみかたJDistensibility
の Homeostasis1[は末梢すなわち肺胞の内
さぎ
圧と容量の問題と中枢すなわち Pneumotaxic
centre の問題があるが図でも明らかな Cとく
尋常例では呼吸数または吸気時聞が変化して
も肺圧縮率が一定であるのはこの Homeostasis
がよく働いているためであると思われる
気道抵抗についても同様の乙とがいえる
n 38
10 20 30 40 50 PAm mmH司
Fig 36 Mean pulmonary artery pressure
amp Sa02
co叫
30 mM1 n31
25
ず
20 匂 amp8
0
0000
10 20 30 40 50m附句 PAm
Fig 37 Mean pulmonary artery pressure
ampCaC02
図36と図 37は PAmとSa02
および CaCOz
との関係を示す概括的に前者では Sa02の低
下により PAmが上昇し後者では CaC02 の上
昇により PAmが上昇するといえる FrittH W
(20)らは低酸素吸入により Sa02 が低下するに
つれて PAmは上昇したが Wedge 圧は変化
しなかったという (15)(64)また central blood
volume の変化もみないという (15)(20)図 36でも
Sa02
が低下すると PAmが上昇する傾向にあ
払図 31にみるととし僧帽弁狭窄症を主体とす
る僧帽弁膜症群では肺圧縮率が低いものは PAm
が高い傾向にあるしかし閉塞性肺疾患群は一定
の傾向を示さないけれども肺圧縮率が尋常より高
いものに PAm の高いものが多く (52う肺圧縮率が
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
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向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -151ー
尋常のものは PAm も尋常であるまた Yu
P N(68)らは PA圧が Sa02よりも CaC02とよ
り密接な関係をもっといい さらに HarrisP
(22)は肺動脈高血圧症の一部が胸腔内圧の上昇に
もとづきまた慢性低酸素症も血流抵抗を高める
という
1887年 von Basch(舶により肺循環系のうつ
血が肺の弾性に影響をおよぼすことが述べられて
以来肺うつ血と肺弾性にかんする多くの研究がな
されてき Tこ動物実験における肺うつ血でも肺圧
縮率が低下することは認められた(23)(26)(31)ヒトで
もアルブミン溶液の注入や大腿動脈の圧迫を急に
また体表面への急激な加〉50はずすことにより〈
圧などにより〈3〉肺内血流量の増加を来たしこれ
が肺圧縮率を低下させることも認められたま
こ 1934年 ChristieR V と MeakinsJC
(7)は うつ血性心不全患者で動的胸腔内圧と 1回
換気の変化を同時に測定して肺の膨脹性が著明l乙
低下する ζ とを示した
肺54xm〉〈29〉〈65は部分的には反射によるためで〈心不全でのもっとも重要な症状の一つは呼吸困
難でありこの呼吸困難をおこさせる因子の重要な
ものの一つは肺の膨脹性の低下でありこれは
呼吸の仕事の増加にもとずく (3わといわれてきた
肺脈管が血液で満たされるとすなわち肺血行力
学的変化により脈管はさらに硬くなりこれが肺
脈管床を変化させて呼吸性努力をおこさせる一因
となり また この膨脹性の減少が VCを減らさ
せそして肋間腔で惨出液の形成されかたを促進
すると考えられる
図 19のように呼吸困難の度がすすむにつれて
肺圧縮率の平均値は低下するが 1度 2度ぉょ
び 3度では大きな差はないしかし 0度と 1度
のあいだには大きな差があるすなわち呼吸困
難のある状態ならば その程度が大であれ小であ
れいずれも肺圧縮率はすでに低下を来こす個
々の症例における呼吸困難の感じかたはまちまち
であり種々の機能検査の数値と自覚症のあいだに
は臨床的K相当のくいちがいがおこりうるこ
の場合でも呼吸困難を感ずる状態はそれ自体で
肺圧縮率に悪い影響をおよぼすと思われる
つぎに肺うつ血そのものがいかに肺圧縮率
を低下させるかは図 21aおよび図 21bのよう
に肺うつ血がとれると著明な上昇をみることから
しても理解できるこの他肺圧縮率に影響をおよ
ぼす因子として表面張力(37う気道の狭窄(これ
は気道狭窄より胸腔内圧の振れの増大がおこり
ついで肺血流量の変化が生じるため)および
肺内ガス分布の異常(18)などが臨床的に問題とな
るが深吸気による影響(図 24) および気管支
拡張薬と界面活性薬の吸入による影響〈図 26)な
どより明らかなようにジギタリス治療前で肺う
つ血が存在する場合には表面張力などの影響が
ほとんど現われないけれどもうつ血がとれたあ
と すなわち ジギタリス飽和直後以降の場合に
はこれらの効果が現われてくる代償不全性心疾
患例では うつ血そのものがもっとも大きく肺圧
縮率に影響をおよぼすようである
また ヒトにおける深吸気の気道抵抗への影響に
ついて NadelJA と TierneyD H (44)は
尋常例なら深吸気lとより気道抵抗は不変である
が気管支痘撃が存在するときには深吸気によ
り気道抵抗は一時的ながら著明に低下すると述ベ
ナここれは経気道庄 TransairwayPressureの
増加によって平滑筋が延びることによるか また
圧縮率には関係がないとされている Obenour
RA(47)らは深吸気で気道抵抗が低下し肺圧縮
率が増すことをみたジギタリス治療前深吸気
および界面活性薬と気管支拡張薬の吸入で気道
抵抗が著明に低下した 3例は肺機能検査で VC
には改善を示さないが lVCおよび MBC
には著明な改善をみ心性気管支控室撃の存在を思わ
せる症例であったまた BrownC Cゆらは
組織抵抗は無視できるが気流速度にたいする抵抗
から肺の動きにたいする抵抗が生じこれはと
くに心疾患で著明であり心性鴨息の成因の一つで司
あると述べているしかし VC の減少と肺弾性
の変化の方がこの成因としてはより重要である
と註をつけている
つぎにうつ血のあると乙ろでは毛細管が怒張
しており膜性因子の透過性は上昇し惨出現象が
おこりうるしかし肺胞毛細管におけるガス交換
の悪いところでは 肺胞内圧は低下し 肺胞はし
ぼみ そして透過性は低下する Breuer の
Pneumonose はいうまでもなく 機能的すな
わち物理化学的現象であり肺線維症とは異な
るまた僧帽弁狭窄症における Vasculariza tion
は特有で基部は太くなり末梢は細くなってい
てここでは細気管支もつぶれしたがって惨
出現象なしでも肺うつ血はおこりうる Breuer
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
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42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
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57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
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58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
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第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
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67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
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に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
-152- 千 葉 学医 A Z又 雑 誌 第 41巻
の Pneumonoseは珪肺や肺臓炎でもおこるが
つねに慢性の肺うつ血でみられる現象である先
天性異常のあるものでは PCm40mmHg以上の
ものもあるが Dexter(13)らは Wedge圧が血撲
の惨透圧である 25mmHgをこえると肺水腫の原
因となりうるというおそらく肺胞がつぶれた
り液体成分のちょ溜などによる物理化学的影響
が血管に反映しやすい状態にあるため僧帽弁狭
窄症を主体とする僧帽弁膜症では図 30のような
関係がえられたと思われるこれにたいして閉塞
性肺疾患ことに肺気腫においては空気を多く
含む肺胞層を介するだけでも血管に作用しにくく
なると思われる
Ep との関係では PCmPAmTPRおよ
び PARの場合と同じように閉塞性肺疾患で
は一定の変化方向はないまた僧帽弁狭窄症を
主体とする僧帽弁膜症では脈管力学的因子と異な
り Epと肺圧縮率のあいだには特定の関係がな
いようであるすなわち Ep にかかる経壁圧と
一部の肺圧縮率を左右する経壁庄の作用の形式がち
がう ζ とを思わせる胸腔内圧と肺圧縮率のあいだ
には明らかな反応形式があるが EFpが胸腔内
圧に左右されるにはすなわち Epの経壁圧と
して胸腔内圧が働くためには肺の組織圧を介さな
ければならない点に作用形式の相違がある肺脈
管だけをとりだせばある特定な関係をうるかもし
れないしかし肺脈管の周囲には肺組織があるた
め胸腔内圧はいろいろに修飾されそして経
壁圧として働く したがって 図34のように
定の関係を見出せないのであろうと思われる
Ms
hellip一一一一yen一一一一一一斗手11mt ---下~ナ『
係などからして僧帽弁狭窄症では他の症例と異
なった反応態度をとるのではないかと思われる所見
円凪 320
rat
向乍120~ IPs炉問ヤ閉伊問叫均
陶 11-開問~伊叫~凶ゆd
知 Pd ωi 1副話路地開
-手--ー十rarrrzllt larr-40111旬ーrarr
Fig 38 The effect of Dextran Infusion
は肺内流血量の著明な上昇とともに PA圧右
房庄および右室圧などがすべて上昇したと報
告しているしかしこの実験では肺圧縮率K
ほとんどその影響をみなかったしかし血圧関
があった
肺圧縮率に著明な低下がなかったのですくなく
とも Wer凶法では肺うつ血が完成きれなか
ったと思われる
4例はいずれにも検査前排尿せしめたにも
かかわらず点滴開始後 2040分にして 300 cc
前後の排尿を全例にみた血量調節のたくみさはす
ばらしい協研者富井(57)も指摘しているように
人為的なうつ血肺という病的状態はそれほど容易
にはえられない
最後に Herzog(25)らおよび Rainer(53)ら
はこれまで述べられていた細気管支の痘撃のほか
に肺気腫および気管支哨息のように直接
または間接K呼気性の気道抵抗が高まっているv 附 記
人為的に肺うつ血をおこさせると肺の膨脹性が
低下することは前述のように多くの人がみてい
る
わたくしは Werk L (63)の方法にしたがい る
5ブドー糖溶液を 分時 25ccの割りで 尋常例
には 60分間肺気腫例 および 僧帽弁狭窄症例
には 40分間持続的に点滴した この実験で 一応
の目安をつけその後lζ右心カテーテル法と同時
に行なう予定であった
対象は尋常 2例肺気腫 1例 および僧帽弁
狭窄症1例であった
図38は乙のときの 心拍数 血圧および
ま
場合気管および主気管支にふ呼気性の狭窄
が著明に存在すると述べている今後肺圧縮率
および気道抵抗を考える場合これらの点をも考
慮すべきであろうと思う
VI と め
A気管支哨息69例 および 慢性閉塞性肺気
腫 25例について肺圧縮率 および気道抵抗を
測定した
方法 日本光電社製呼吸流量計を用い ゆっく
りとしたやや大きな呼吸を行なわせ 05Lの吸
気位における肺圧縮率を測定しまた気流阻止法か
ら気道抵抗を測定した当教室で定めた閉塞性肺
肺圧縮率の時間の経過による変化を示す Werko 疾患の重症度の分類にしたがい 0度から 3度まで
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
M S The mechanics of breathing in
In normal sub-1erentbody position百di
jects II Cardiopulmonary diseaseJ Clin
Invest35904-9201956
2 BaylissL E amp RobertsonG W The
viscoelastic properties of the lungsQuart
27-471] Exper Physio 29 1939
3 BondurantSHickamJ B amp Isley
J K Pulmonary and circulatory e妊ects
of acute pulmonary vascular engorgement
in normal subjectsJ Clin Invest36
59-661957
4 BrownC CFryD L amp EbertR V
The mechanics of pulmonary ventilation
in patients with heart diseaseAmerJ
医会誌 32624-6461956
6 ChristieR V amp MclntoshC A The
measurement of intrapleural pressure in
man and its significanceJ Clin Invest
13279-2941934
7 ChristieR V amp MeakinsJ C The
intrapleural pressure in congestive heart
fai1ure and its clinical signi五cance J
Clin Invest13323-3451934
8 Cloetta M Untersuchungen uber die
Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-
tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch
339-3641ges Physiof 152 1913
9 CherniackR M The physical properties
of the lung in chronic obstructive pul-
monary emphysemaJ Clin Invest35
396-4031955
10 DawesG S amp MottJ C Refiex of
respiratory activity in the newborn rabbit
85-971J Physio 145 1959
11 DaymanH Mechanics of airfiow in
health and in emphysemaJ Clin Invest
11951175-119030
12 DeanR B amp VisscherM B The
J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o
134450-4681941
13 DexterL et al Studies of the pul-
monary circulation in man at restJ
Clin Invest29602-6131950
14 DornhorstA C amp L~athart G L A
method of assessing the mechanical proper-
ties of lung and air passageLancet2
109-1111952
15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V
The pulmonary vascular responses to
short-term hypoxia in human subjects
Circulation5263-2701952
16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺
高血圧について千葉医会誌 35552-593
1959
17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank
NR E百ectof body position on esopha-
geal pressure and measurement of pul-
Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14
5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack
with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-
2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947
monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie
young adultsJ App
1956
20 FrittsH W et al E百ects of acute
hypoxia on the volume of blood in the
thoraxCirculation22216-2191960
21 FryD LStead W W EbertR V
LubinRIamp WellsH S The measure-
ment of intraesophageal pressure and its
Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral
stenosisClin Sci 13137-1441954
33 MeadJMcIlory M BSelverstone
N J amp KrieteB C Measurement of
ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o
7491-4951955
34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal
and pleural pressure in manupright and
relationship to intrathoracic pressureJ
Lab and Clin Med40664-6731952
22 HarriaP amp HeathD The human
pulmonary circulation127-134 E amp S
Livingstone LtdLondon1962
23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of
London1955
24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定
とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医
会誌 40427-4501964
25 HerzogH Expiratory stenosis of the
trachea and main bronchi in cases of
14lPhysio 1AppJsupine
35 MeadJ et al Mechanical factors in
the distribution of venti1ation during
short-term volume cycles Federation
Proc13981954
36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A
The mechanical properties of the lungs
in emphysemaJ Clin Invest341005-
10161955
37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford
Jr E P Surface tension as a factor in
pulmonary volume-pressure hysteresisJ
81-831959
pulmonary emphysemaTriangle (The
Sandoz J of medical science)685-93
1963
G TShiresampJHolmanH EHeyer26
The diminished efficiency and altered
dynamics of respiration in experimental
pulmonary congestionAmer Heart J
35463-4791948
10lPhysio 1App
38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical
properties of human lungs measured
1AppJduring spontaneous respiration
779-7961Physio 5 1953
39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-
tion of airway interruption technique as
a method for measuring pulm~nary airfiow
191-1961957
27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416
力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35
2085-21071960
28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と
くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-
8521958
29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird
IL Tracheal constriction in the dog
411-4151PhysioJAmer 191 1957
30 LucianiL Arch Sc Med 21771878
cited by ldquoThe human pulmonary circu-
1954
40 McIloryM BM arshallR amp Christie
R V The work of breathing in normal
subjectsClin Sc13127-1361954
41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会
誌 38500-5151963
42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
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52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患lとおける肺圧縮率と気道抵抗lとついて ~153ー
の4群に分類したこの詳細は協研者長谷川の
論文民記載しである(千葉医学会雑誌 40巻 4号
427頁-450頁〉
結果 1尋常例では換気量を自然呼吸のー固
換気量 300-400cc K制限すると 吸気の長さお
よび呼吸数を変えても肺圧縮率は変化しないし
かし気管支晴息例および肺気腫例では呼吸
数が尋常範囲以下でもまた尋常範囲以上でも
肺圧縮率は低下した乙の傾向は重症度の高いも
のほど著明であった肺気腫では吸気がある値以
上に延長すると肺圧縮率はさらに低下したすな
わちこの状態では静肺圧縮率は求められない
このことは気道抵抗についても同様のことがい
える
2 重症度 O度から 3度までいずれの群でも
2回の深吸気により肺圧縮率は尋常値前後の変化
を示したが右心不全を伴う症例ではほとんど変
化しなかった
3 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で重症度
O度および 1度では肺圧縮率は尋常に近い増
加を示し 2度および 3度では尋常の 12ほど
の増加を示した右心不全を伴う症例ではほとん
ど変化しなかった
4 右心不全および肺線維症の著明な症状が
なければ Sa02
が低下するにつれて肺圧縮率は
増加する傾向がある
5 気管支鳴息例では CaC02が上昇すると
肺圧縮率も高くなる傾向があるが肺気腫ではー
定の傾向がない
要約 閉塞性肺疾患 ことに 重症の肺気腫で
は間質性肺線維症のためlζ 肺圧縮率が低下す
る肺はより弾性を失なtそのために換気の
仕事が増大する OBayer法および R Knebel
法により調べてみると肺高血圧症が存在すると
き血管は肺実質内であたかも骨組みの組織の
ように働らくらしいそのために肺圧縮率が低下
するようである
Bつぎι 各種心疾患例のうち代償不全をき
たしているものについてジギタリス治療前ジギ
タリス飽和直後および軽快退院前の各時期に
肺圧縮率と気道抵抗を測定した実際は測定したの
は52例であったが 代償不全期にある症例では
安定した曲線を得ることが困難であるため対象と
なりえたものは 20例にとどまった
1 各種心疾患でのジギタりス治療前ジギタ
リス飽和直後および軽快退院前の肺圧縮率は
それぞれ 009014および 014 LcmH20で
これは治療前に比較して飽和直後は平均 +392また軽快退院前は平均 +414の増加である
2 肺うつ血の症状が現われてから検査を行な
った時点までの経過の長さとジギタリス治療によ
る肺圧縮率の変化をみた肺うつ血症状が現われて
から 3年以内のものはジギタリス治療により著明
な改善をみるがそれ以上経過していると改善が少
なし0
大動脈弁膜症では僧帽弁膜症と比較して肺圧
縮率が低いがこれは胸腔内での著明な心拡大の
ほかに発病から代償不全になるまでの経過が長い
という大動脈弁膜症の特徴の一つが肺の剛性を増加
させるのであろうと思われるまた大動脈弁膜症
では一度代償を失なうと再代償しにくくその
ためにこの疾患では肺圧縮率が改善しにくいので
あろう
3 ジギタリス治療前ジギタリス飽和直後お
よぴ軽快退院前での気道抵抗の値は治療前に比
較して飽和直後は平均一321そして軽快退
院前は平均一386となる
4 2回の深吸気が肺圧縮率に及ぼす影響は治
療前ではほとんど変化をみないが治療後では
飽和直後は平均 +58そして軽快退院前は平
均 +121増加した
同じく気道抵抗に及ぼす影響には特定の傾向
はないが気管支拡張薬の吸入で気道抵抗が 50
低下している例は深吸気でも低下していた
5 気管支拡張薬 03ccと界面活性薬 20cc吸入
では ジギタリス飽和直後および軽快退院前
でそれぞれ平均 +99および +100肺圧
縮率は増加したが治療前では平均一08で
ほとんど変化しなかった
6 気管支拡張薬と界面活性薬の吸入で気道抵
抗には著明な変化はみられなかったが治療がすす
むにつれて広く分布しでいた値は尋常範囲に集
る傾向がある
ジギタリス治療前後における気管支拡張薬と界
面活性薬の吸入により肺圧縮率と気道抵抗は治
療前ではただ気道抵抗だけの改善だけであるが
治療後ではともに改善されている
7 尋常例および心疾患例での呼吸数が肺
圧縮率に及ぼす影響をみた尋常例では呼吸数が
変化しでも肺圧縮率はほとんど変化しないが
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
M S The mechanics of breathing in
In normal sub-1erentbody position百di
jects II Cardiopulmonary diseaseJ Clin
Invest35904-9201956
2 BaylissL E amp RobertsonG W The
viscoelastic properties of the lungsQuart
27-471] Exper Physio 29 1939
3 BondurantSHickamJ B amp Isley
J K Pulmonary and circulatory e妊ects
of acute pulmonary vascular engorgement
in normal subjectsJ Clin Invest36
59-661957
4 BrownC CFryD L amp EbertR V
The mechanics of pulmonary ventilation
in patients with heart diseaseAmerJ
医会誌 32624-6461956
6 ChristieR V amp MclntoshC A The
measurement of intrapleural pressure in
man and its significanceJ Clin Invest
13279-2941934
7 ChristieR V amp MeakinsJ C The
intrapleural pressure in congestive heart
fai1ure and its clinical signi五cance J
Clin Invest13323-3451934
8 Cloetta M Untersuchungen uber die
Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-
tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch
339-3641ges Physiof 152 1913
9 CherniackR M The physical properties
of the lung in chronic obstructive pul-
monary emphysemaJ Clin Invest35
396-4031955
10 DawesG S amp MottJ C Refiex of
respiratory activity in the newborn rabbit
85-971J Physio 145 1959
11 DaymanH Mechanics of airfiow in
health and in emphysemaJ Clin Invest
11951175-119030
12 DeanR B amp VisscherM B The
J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o
134450-4681941
13 DexterL et al Studies of the pul-
monary circulation in man at restJ
Clin Invest29602-6131950
14 DornhorstA C amp L~athart G L A
method of assessing the mechanical proper-
ties of lung and air passageLancet2
109-1111952
15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V
The pulmonary vascular responses to
short-term hypoxia in human subjects
Circulation5263-2701952
16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺
高血圧について千葉医会誌 35552-593
1959
17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank
NR E百ectof body position on esopha-
geal pressure and measurement of pul-
Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14
5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack
with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-
2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947
monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie
young adultsJ App
1956
20 FrittsH W et al E百ects of acute
hypoxia on the volume of blood in the
thoraxCirculation22216-2191960
21 FryD LStead W W EbertR V
LubinRIamp WellsH S The measure-
ment of intraesophageal pressure and its
Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral
stenosisClin Sci 13137-1441954
33 MeadJMcIlory M BSelverstone
N J amp KrieteB C Measurement of
ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o
7491-4951955
34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal
and pleural pressure in manupright and
relationship to intrathoracic pressureJ
Lab and Clin Med40664-6731952
22 HarriaP amp HeathD The human
pulmonary circulation127-134 E amp S
Livingstone LtdLondon1962
23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of
London1955
24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定
とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医
会誌 40427-4501964
25 HerzogH Expiratory stenosis of the
trachea and main bronchi in cases of
14lPhysio 1AppJsupine
35 MeadJ et al Mechanical factors in
the distribution of venti1ation during
short-term volume cycles Federation
Proc13981954
36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A
The mechanical properties of the lungs
in emphysemaJ Clin Invest341005-
10161955
37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford
Jr E P Surface tension as a factor in
pulmonary volume-pressure hysteresisJ
81-831959
pulmonary emphysemaTriangle (The
Sandoz J of medical science)685-93
1963
G TShiresampJHolmanH EHeyer26
The diminished efficiency and altered
dynamics of respiration in experimental
pulmonary congestionAmer Heart J
35463-4791948
10lPhysio 1App
38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical
properties of human lungs measured
1AppJduring spontaneous respiration
779-7961Physio 5 1953
39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-
tion of airway interruption technique as
a method for measuring pulm~nary airfiow
191-1961957
27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416
力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35
2085-21071960
28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と
くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-
8521958
29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird
IL Tracheal constriction in the dog
411-4151PhysioJAmer 191 1957
30 LucianiL Arch Sc Med 21771878
cited by ldquoThe human pulmonary circu-
1954
40 McIloryM BM arshallR amp Christie
R V The work of breathing in normal
subjectsClin Sc13127-1361954
41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会
誌 38500-5151963
42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
-154- 千葉 医学 会雑 誌 第 41巻
心疾患例では呼吸数が分時 14以下 および 23
以上で著明l乙低下するしかし再代償が得られ
るにつれて肺圧縮率の低下は少なくなった
要約 種々の心疾患における肺循環系の圧の上
昇があると肺の抵抗は増加しつづいて肺高血
圧症がおこる肺循環系の形態学的変化が さら
に血流分布への抵抗を高める肺胞-毛細管膜も
肥厚し うつ血性心不全の発病により肺胞およ
び間質の浮腫が生じるこういった病理学的所見
がすべて蓄積しそして肺は さらに剛性を増
し したがって肺圧縮率が低下するのである
稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と
厳正な御校閲を賜わった恩師斎藤十六教授に
厚く御礼申し上げますまた東北大学中村隆
教授が主宰される肺気腫研究会および昭和
38年度文部省総合研究ldquo肺気腫の基礎的なら
びに臨床的研究班の御援助に感謝いたしま
すおわりに千葉大学第 2内科教室の協研者
諸兄姉の御指導御協力に御礼申し上げます
本論文の要旨は 第 3回(昭和 38年〉日一本
胸部疾患学会総会第 4回(昭和 39年〉日本
胸部疾患学会総会第 37回〈昭和 37年〉呼吸
と循環談話会 および 第 7回(昭和 39年〉
肺気腫研究会で報告した
文 献
1AttingerEOMongoeR G amp Segal
M S The mechanics of breathing in
In normal sub-1erentbody position百di
jects II Cardiopulmonary diseaseJ Clin
Invest35904-9201956
2 BaylissL E amp RobertsonG W The
viscoelastic properties of the lungsQuart
27-471] Exper Physio 29 1939
3 BondurantSHickamJ B amp Isley
J K Pulmonary and circulatory e妊ects
of acute pulmonary vascular engorgement
in normal subjectsJ Clin Invest36
59-661957
4 BrownC CFryD L amp EbertR V
The mechanics of pulmonary ventilation
in patients with heart diseaseAmerJ
医会誌 32624-6461956
6 ChristieR V amp MclntoshC A The
measurement of intrapleural pressure in
man and its significanceJ Clin Invest
13279-2941934
7 ChristieR V amp MeakinsJ C The
intrapleural pressure in congestive heart
fai1ure and its clinical signi五cance J
Clin Invest13323-3451934
8 Cloetta M Untersuchungen uber die
Elastizitat der Lunge und deren Bedeu-
tung fur die ZirkulationP宜ugers Arch
339-3641ges Physiof 152 1913
9 CherniackR M The physical properties
of the lung in chronic obstructive pul-
monary emphysemaJ Clin Invest35
396-4031955
10 DawesG S amp MottJ C Refiex of
respiratory activity in the newborn rabbit
85-971J Physio 145 1959
11 DaymanH Mechanics of airfiow in
health and in emphysemaJ Clin Invest
11951175-119030
12 DeanR B amp VisscherM B The
J PhysirAmekinetics of venti1ation 1o
134450-4681941
13 DexterL et al Studies of the pul-
monary circulation in man at restJ
Clin Invest29602-6131950
14 DornhorstA C amp L~athart G L A
method of assessing the mechanical proper-
ties of lung and air passageLancet2
109-1111952
15 DoyleJ TWilsonJ S ampWarrenJ V
The pulmonary vascular responses to
short-term hypoxia in human subjects
Circulation5263-2701952
16遠藤博肺循環にかんする研究 とくは肺
高血圧について千葉医会誌 35552-593
1959
17 Ferris B G Jr MeadJ amp Frank
NR E百ectof body position on esopha-
geal pressure and measurement of pul-
Med16438-4461954 Physi1J App monary compliance 1o 14
5 千葉悦郎 肺機能 ことに気相の問題 千葉 521-5241959
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack
with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-
2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947
monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie
young adultsJ App
1956
20 FrittsH W et al E百ects of acute
hypoxia on the volume of blood in the
thoraxCirculation22216-2191960
21 FryD LStead W W EbertR V
LubinRIamp WellsH S The measure-
ment of intraesophageal pressure and its
Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral
stenosisClin Sci 13137-1441954
33 MeadJMcIlory M BSelverstone
N J amp KrieteB C Measurement of
ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o
7491-4951955
34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal
and pleural pressure in manupright and
relationship to intrathoracic pressureJ
Lab and Clin Med40664-6731952
22 HarriaP amp HeathD The human
pulmonary circulation127-134 E amp S
Livingstone LtdLondon1962
23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of
London1955
24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定
とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医
会誌 40427-4501964
25 HerzogH Expiratory stenosis of the
trachea and main bronchi in cases of
14lPhysio 1AppJsupine
35 MeadJ et al Mechanical factors in
the distribution of venti1ation during
short-term volume cycles Federation
Proc13981954
36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A
The mechanical properties of the lungs
in emphysemaJ Clin Invest341005-
10161955
37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford
Jr E P Surface tension as a factor in
pulmonary volume-pressure hysteresisJ
81-831959
pulmonary emphysemaTriangle (The
Sandoz J of medical science)685-93
1963
G TShiresampJHolmanH EHeyer26
The diminished efficiency and altered
dynamics of respiration in experimental
pulmonary congestionAmer Heart J
35463-4791948
10lPhysio 1App
38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical
properties of human lungs measured
1AppJduring spontaneous respiration
779-7961Physio 5 1953
39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-
tion of airway interruption technique as
a method for measuring pulm~nary airfiow
191-1961957
27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416
力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35
2085-21071960
28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と
くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-
8521958
29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird
IL Tracheal constriction in the dog
411-4151PhysioJAmer 191 1957
30 LucianiL Arch Sc Med 21771878
cited by ldquoThe human pulmonary circu-
1954
40 McIloryM BM arshallR amp Christie
R V The work of breathing in normal
subjectsClin Sc13127-1361954
41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会
誌 38500-5151963
42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前および後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗lとついて -155-
18 FowlerW S Uneven pulmonary venti- lation (22)
L N KatzampMGrossman1lation in normal subjects and in patients 31 Mack
with pulmonary diseaseJ App Physi1 1o The effect of pulmonary vascular con-
2283-2991949 gestion on the distensibi1ity of the lung 654-6601 AmerJ PhysioMeasurement of pul-N R et al Frank19 150 1947
monary compliance in seventy healthy 32 MarshallRMcIloryM B amp Christie
young adultsJ App
1956
20 FrittsH W et al E百ects of acute
hypoxia on the volume of blood in the
thoraxCirculation22216-2191960
21 FryD LStead W W EbertR V
LubinRIamp WellsH S The measure-
ment of intraesophageal pressure and its
Physi1 1o 938-42 R V The work of breathing in mitral
stenosisClin Sci 13137-1441954
33 MeadJMcIlory M BSelverstone
N J amp KrieteB C Measurement of
ApplPhysiJintraesophageal pressure 1o
7491-4951955
34 MeadJ amp GaenslerE A Esophageal
and pleural pressure in manupright and
relationship to intrathoracic pressureJ
Lab and Clin Med40664-6731952
22 HarriaP amp HeathD The human
pulmonary circulation127-134 E amp S
Livingstone LtdLondon1962
23 HarrisP Ph D ThesisUn versity of
London1955
24 長谷川鎮雄 慢性閉塞性肺気腫の重症度設定
とそれにもとづいた肺血行力学的観察千葉医
会誌 40427-4501964
25 HerzogH Expiratory stenosis of the
trachea and main bronchi in cases of
14lPhysio 1AppJsupine
35 MeadJ et al Mechanical factors in
the distribution of venti1ation during
short-term volume cycles Federation
Proc13981954
36 MeadJLindgrenIamp GaenslerE A
The mechanical properties of the lungs
in emphysemaJ Clin Invest341005-
10161955
37 MeadJ WhittenbergerL amp R adford
Jr E P Surface tension as a factor in
pulmonary volume-pressure hysteresisJ
81-831959
pulmonary emphysemaTriangle (The
Sandoz J of medical science)685-93
1963
G TShiresampJHolmanH EHeyer26
The diminished efficiency and altered
dynamics of respiration in experimental
pulmonary congestionAmer Heart J
35463-4791948
10lPhysio 1App
38 MeadJ amp WhittenbergerL Physical
properties of human lungs measured
1AppJduring spontaneous respiration
779-7961Physio 5 1953
39 MeadJ amp WhittenbergerL Evalua-
tion of airway interruption technique as
a method for measuring pulm~nary airfiow
191-1961957
27勝田恒夫 肺気腫の呼吸機能および血行 resistanceJ App Physi1 1o 6408-416
力学にかんする知見補遺千葉医会誌 35
2085-21071960
28 川辺兼美 心肺疾患の呼吸機能の研究と
くに循環動態との関係千葉医会誌 34787-
8521958
29 LoofbourrowG NWoodWB amp Baird
IL Tracheal constriction in the dog
411-4151PhysioJAmer 191 1957
30 LucianiL Arch Sc Med 21771878
cited by ldquoThe human pulmonary circu-
1954
40 McIloryM BM arshallR amp Christie
R V The work of breathing in normal
subjectsClin Sc13127-1361954
41宮内法城 右心力学的数値の吟味 千葉医会
誌 38500-5151963
42森澄夫低酸素症の臨床的ならびに実験的
研究千葉医会誌 32886-9121957
43森山典男 肺動脈容積弾性率 および その
臨床的意義について千葉医会誌 351627-
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
-156- 千葉医学会雑誌 第 41巻
16471959
44 NadelJ A amp TierneyD F E旺ectof
a previous deep inspiration on airway
resistance in manJ Appl Physiol 16
717-7191961
45 中村仁肺循環系における Peaking現象
とくに肺循環力学的因子を中心にして千葉
医会誌 37170-1961962
46 The Criteria Committee of the New York
Heart Association Diseases of the heart
and blood vessels Nomenclature and
criteria for diagnosisVI ed LittleBrown
amp CoBoston112-1131964
47 ObenourR ASalzmanH ASieker
HO amp GreenJL Effects of surface-
active aerosols and pulmonary congestion
on lung compliance and resistanceCircu-
lation28888-8921963
48 OtisA B amp McKerrowC Possible
mechanism contributing to uneven pul-
ship of pulmonary compliance to pulmo
nary vascular pressures in patients with
heart diseaseJ Clin Invest 35611-618
1954
55 Stead羽T羽TFry D L amp EbertR V
The elastic properties of the lung in
normal men and in patients with chronic
pulmonary emphysemaJ Lab and Clin
乱1ed40674-6811952
56謝 照 光 高低容量酸素吸引試験特に其血
行力学に対する影響千葉医会誌 33373-
402 1958
57 富井信明 急性肺水腫の実験的 ならびに
臨床的研究千葉医会誌 32707-7331957
58 宇野一真 肺動脈の Eky分析 とくに前肺
毛細管性障害による肺高血圧を考慮して千葉
医会誌 41158-1861965
59植松 哲心性呼吸困難の呼吸動態および
循環動態について千葉医会誌 351983-2012
1960
monary ventilationFederation Proc13 60 von BaschS Klinische Zeit und Streit
107-1081954
49 OtisA B amp BombowerW C The
effect of gas density on resistance to
respiratory gas flow in manJ Appl
Physiol 2300-3061949
50 PryorW W amp PageE B Changes in
lung compliance associated with pulmo-
nary vascular changesAmer J Med
166061954
fragen 1 81-152Vienna Schnitzler
1887
61von N eergaardK amp羽TirzK Uber
eine Methode zur Messung der Lungen-
elastizitat am lebenden Menschen in-
sbesondere beim EmphysemaZtshr Klin
Med10535-501927
62 von NeergaardK Neue Auffassungen
uber einen Grundbegriff der Atemmecha-
W WPryor 15 HickamJBSiekerH O nik Die Retraktionskraft der Lunge
amp PageE B E妊ect of circulatory
changes on the pulmonary compliance of
normal subjects and patients with mitral
stenosisCirculation15721-725 1957
52 PryorW WHickamJ BPageE B
amp SiekerH 0 Factors influencing
pulmonary compliance in heart disease
AmerJ Med19149-1501955
53 RainerW G et al Major airway col-
lapsibility in the pathogenesis of obstruc-
tive emphysemaJ Thor amp Cardiovas
Surg46559-5671963
54 SaxtonG ARobinowitzMDexterL
HaynesF amp WalkerC The relation-
abhangig von der Oberflachenspannung in
den AlveolenZtshr ges Exper Med
66373-3941929
63 WerkoL Pulmonary circulation An
International Symposium263-272 1958
Grune amp Stratton1959
64 WestcottR N et al Anoxia and human
pulmonary vascular resistanceJ Clin
Invest30957-9701951
65 羽TiddicombeJ G Receptors in the
trachea and -bronchi of the catJ Physiol
12371-1041954
66 WhiteH CButlerJ amp DonaldK W
Lung compliance in patients with mitral
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953
第 2号 松石前およびp 後毛細管性肺疾患における肺圧縮率と気道抵抗について -157-
stenosisClin Sci17667-6791958 68 YuP N et al Studies of pulmonary
67 山内弘久 10および 75酸素吸引が心 hypertension 1 Pulmonary circulatory
-脈管および呼吸機能に及ぼす影響 とく dynamics in patients with pulmonary
に狭心症の診断的価値について千葉医会 emphysema at restJ Clin Invest32
誌 351755-17871959 130-1371953