Scratchベースで動かそう! う。「ボードへの書き …72 2016.12 2016.12 73...

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2016.12 71 70 2016.12 「コカねっと!」 スペシャルページで復習しよう www.kodomonokagaku.com/magazine/studuino/ 「A0」のボタンを押して、「A がつながれた」モニターが「いいえ」 から「はい」に、離すと再び「いいえ」に変われば、動作確認は成 功だ。「B」には「A1」、「C」には「A2」、「D」には「A3」がセッ トされているので、同じように試してみよう。 Scratchベースで動かそう! みんなは「P i c o B o a r d(ピ コボード)」って知 ってる? 現 げん じつ かい の情 じょう ほう を、Scratchで使 つか えるようにするセンサーボードなんだ。今 こん かい は、これと同 おな じもの(つまり互 かん だね)を、 Studuinoと電 でん ひん を使 つか ってつくって みるぞ。PicoBoard互 かん があれば、 S c r a t c h のゲームと連 れん どう する、自 ぶん けのオリジナルコントローラーだってつくれ ちゃうぞ! Scratch 1.4インストール 起動 PicoBoardとは まずは、StuduinoをPicoBoard 互換機にするためのスケッチ を、下の URL からダウンロードしよう。 www.kodomonokagaku.com/magazine/studuino/ ダウンロードした「Studino4Scratch.zip」を、適当な場所(例 えばデスクトップ)に展開したら、「Studino4Scratch.ino」とい うスケッチがあることを確認する。StuduinoをUSBケーブルで パソコンにつなぎ、Arduino IDEを起動したら、「ファイル」メニュー の「開く…」から、「Studino4Scratch.ino」を開こう。このとき、 次のようなダイアログが開いたら「OK」で大丈夫だ。 スケッチ書き込み 第12 回 オリジナルPicoBoard 監修・原案/青山学院大学客員教授 阿部和広 協力/NPO法人 CANVAS 文/塩野祐樹 「調べる」カテゴリーに切り替えて(①)、ブロックパレットの一番 下にある「ボタンが押された▼」の「▼」をクリックして、「A がつ ながれた」を選ぼう(②)。この A には Studuino のボタン「A0」 がセットされている。次に、「A がつながれた」の左にある四角い チェックボックスをクリックしてチェックすると(③)、画面右上にあ るステージの左上に、「A がつながれた」の状態がわかるモニター が表示される(④)。 PicoBoard互換機動作確認 スケッチが開いたら、「→」のボタンをクリックして、Studuinoに書き込も う。「ボードへの書き込みが完了しました」と表示されたら成功だ。 PicoBoardはMITメ ディアラボが、Scratch 用に開発したセンサー ボードだ。その名前の通 り、いろいろなセンサー が小さなボード(基板)の 上に用意されている。 ①スライダー:ボリューム。 アナログコントローラー として使える ②光センサー:周りの明 るさを調べられる ③音センサー:周りの音 の大きさを調べられる ④プッシュボタン:押しボ タンスイッチ ⑤抵抗センサー:抵抗値 を調べられる。A、B、 C、Dの4つがある これらのセンサーの値 は、Scratch の「調べる」 カテゴリーにある、「〜セ ンサーの値」、「ボタンが押された」、「〜がつながれた」のブロッ クで使うことができる。もちろん、他のブロックと組み合わせたプ ログラムを書くこともできるぞ。 また、「ScratchBoard 監視板」を使うと、各センサーの値を 調べることができる。これは、Studuino のブロックプログラミン グ環境とよく似ているけど、もともとScratch の機能なんだ。 ミニ USBコネクター エラーが出るときは… エラーメッセージが表示されたら、USB ケーブルの接続を チェックしよう。また、「ツー ル 」メニュー の「 ボード」で 「Studuino (3.3V, 8 MHz) w/ ATmega168」が選ばれ ていること、同じく「ツール」メニューの「シリアルポート」で 正しいポートが選ばれていることを確認してから、もう一度 書き込んでみよう。 「WinMacScratch1.4.zip」をダウンロードして、適当な場所 に展開しよう。すると、「WinMacScratch1.4」というフォルダー ができる。Windowsを使っている人は、このフォルダーの中の 「Scratch.exe」を、Macを使っている人は「Scratch.app」を ダブルクリックすると、Scratch が起動するぞ。 Scratchには、パソコンにインストールして使う1.4と、Web ブラウザーで動かせる2.0がある。PicoBoardは、1.4と2.0の 両方に対応しているけど、StuduinoやArduinoでつくる互換機 は、ハードウェアに違いがあるため、通常の方法では1.4でしか 使うことができない。まだインストールしていない人は次の方法で インストールしよう。Scratch 1.4は以下からダウンロードしてね。 http://ec.nikkeibp.co.jp/nsp/2013seminar2/ WinMacScratch1.4.zip 起動!

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2016.12 7170 2016.12

「コカねっと!」のスペシャルページで復習しようwww.kodomonokagaku.com/magazine/studuino/

「A0」のボタンを押して、「Aがつながれた」モニターが「いいえ」から「はい」に、離すと再び「いいえ」に変われば、動作確認は成功だ。「B」には「A1」、「C」には「A2」、「D」には「A3」がセットされているので、同じように試してみよう。

Scratchベースで動かそう!

みんなは「PicoBoard(ピコボード)」って知

ってる? 現げん

実じつ

世せ

界かい

の情じょう

報ほう

を、Scratchで使つか

えるようにするセンサーボードなんだ。今こん

回かい

は、これと同おな

じもの(つまり互ご

換かん

機き

だね)を、Studuinoと電

でん

子し

部ぶ

品ひん

を使つか

ってつくってみるぞ。PicoBoard互

換かん

機き

があれば、Scratchのゲームと連

れん

動どう

する、自じ

分ぶん

だけのオリジナルコントローラーだってつくれちゃうぞ!

Scratch 1.4のインストールと起動PicoBoardとは

まずは、StuduinoをPicoBoard互換機にするためのスケッチを、下のURLからダウンロードしよう。

www.kodomonokagaku.com/magazine/studuino/

ダウンロードした「Studino4Scratch.zip」を、適当な場所(例えばデスクトップ)に展開したら、「Studino4Scratch.ino」というスケッチがあることを確認する。StuduinoをUSBケーブルでパソコンにつなぎ、Arduino IDEを起動したら、「ファイル」メニューの「開く…」から、「Studino4Scratch.ino」を開こう。このとき、次のようなダイアログが開いたら「OK」で大丈夫だ。

スケッチの書き込み

第12回 オリジナルPicoBoard

監修・原案/青山学院大学客員教授 阿部和広協力/NPO法人 CANVAS 文/塩野祐樹

「調べる」カテゴリーに切り替えて(①)、ブロックパレットの一番下にある「ボタンが押された▼」の「▼」をクリックして、「Aがつながれた」を選ぼう(②)。このAにはStuduinoのボタン「A0」がセットされている。次に、「Aがつながれた」の左にある四角いチェックボックスをクリックしてチェックすると(③)、画面右上にあるステージの左上に、「Aがつながれた」の状態がわかるモニターが表示される(④)。

PicoBoard互換機の動作確認

スケッチが開いたら、「→」のボタンをクリックして、Studuinoに書き込もう。「ボードへの書き込みが完了しました」と表示されたら成功だ。

PicoBoardはMITメディアラボが、Scratch用に開発したセンサーボードだ。その名前の通り、いろいろなセンサーが小さなボード(基板)の上に用意されている。①スライダー:ボリューム。

アナログコントローラーとして使える

②光センサー:周りの明るさを調べられる

③音センサー:周りの音の大きさを調べられる

④プッシュボタン:押しボタンスイッチ

⑤抵抗センサー:抵抗値を調べられる。A、B、C、Dの4つがある

これらのセンサーの値は、Scratchの「調べる」カテゴリーにある、「〜セ

ンサーの値」、「ボタンが押された」、「〜がつながれた」のブロックで使うことができる。もちろん、他のブロックと組み合わせたプログラムを書くこともできるぞ。

また、「ScratchBoard監視板」を使うと、各センサーの値を調べることができる。これは、Studuinoのブロックプログラミング環境とよく似ているけど、もともとScratchの機能なんだ。

ミニUSBコネクター

① ④

②③

エラーが出るときは…

エラーメッセージが表示されたら、USBケーブルの接続をチェックしよう。また、「ツール」メニューの「ボード」で

「Studuino (3.3V, 8 MHz) w/ ATmega168」が選ばれていること、同じく「ツール」メニューの「シリアルポート」で正しいポートが選ばれていることを確認してから、もう一度書き込んでみよう。

「WinMacScratch1.4.zip」をダウンロードして、適当な場所に展開しよう。すると、「WinMacScratch1.4」というフォルダーができる。Windowsを使っている人は、このフォルダーの中の

「Scratch.exe」を、Macを使っている人は「Scratch.app」をダブルクリックすると、Scratchが起動するぞ。

Scratchには、パソコンにインストールして使う1.4と、Webブラウザーで動かせる2.0がある。PicoBoardは、1.4と2.0の両方に対応しているけど、StuduinoやArduinoでつくる互換機は、ハードウェアに違いがあるため、通常の方法では1.4でしか使うことができない。まだインストールしていない人は次の方法でインストールしよう。Scratch 1.4は以下からダウンロードしてね。

http://ec.nikkeibp.co.jp/nsp/2013seminar2/ WinMacScratch1.4.zip

起動!

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「調べる」の「スライダー▼センサーの値」の「▼」をクリックして、「明るさ」に変えよう。チェックボックスにチェックを入れてから、懐中電灯などで光を明るさセンサーに当てて、値が変わることを確認しよう。同じように、「ボタンが押された」もチェックして、タクトスイッチを押すと、「はい」、「いいえ」が切り替わるか見てみよう。これらを使った追加のプログラムはこんな感じだ。

明るさセンサーの値を2倍にしているのは、色の効果の範囲が0から200なのに対して、センサーの値は0から100までなので、それに合わせるためだ。

緑の旗をクリックして、プログラムを実行すると、明るさでネコの色が変わり、タクトスイッチを押すと巨大化するよ。他のセンサーと組み合わせて、いろいろな動きをさせてみよう。

ボタンでネコを動かそうでは、Studuino基板のボタンを使って、画面の右上にいるネコ

を、上下左右に動かしてみよう。

スライダーでネコを回そうスライダーは可変抵抗器、いわゆるボリュームだ。このスライ

ダーをアナログコントローラーとして使って、ネコを回してみよう。スライダーの配線は、下の写真のようにメス-メスのジャンパー

ケーブル3本で行う。スライダーの「1」をStuduinoの「A6」の真ん中(V)、「2」を上(I/O)、「3」を下(G)につなごう。スライダーのピンとジャンパーケーブルのソケットは、ゆるい向きと固い向きがあるので、固い向きを探して差し込もう。

配線ができたら、「調べる」カテゴリーの「スライダー▼センサーの値」の左のチェックボックスにチェックを入れて、モニターを見ながら、スライダーのつまみを動かしてみよう。0から100の範囲でちゃんと値が変わるかな。

他のセンサーをつなぐには今回は、音センサーを接続していない。また、ここで紹介した

もの以外に、Studuino用のセンサーや自作のセンサーをつなぐこともできる。「Studino4Scratch.ino」では、以下の表のように割り当てている。表示される名前とは一致しないけど、例えば、音センサー用の「A4」に、赤外線フォトリフレクタをつないでも大丈夫だ。スケッチを書き換えれば、割り当てを変えたり、加速度センサーや超音波距離センサーなど、もっといろいろなセンサーに対応させることも可能だ。

Scratchのセンサー名 Studuinoのピン番号音センサー A4明るさセンサー A5スライダー A6抵抗-A A0抵抗-B A1抵抗-C A2抵抗-D A3ボタン A7

Scratchのプログラムはこんな感じだね。緑の旗をクリックして実行しよう。「A0」ボタン(A)を押すとネコが右に動くはずだ。同じように、「A3」ボタン(D)なら左に、「A1」ボタン(B)なら上に、「A2」ボタン(C)なら下に、ネコが動くよ。

おわりに1年

ねん

間かん

に渡わた

って、Studuinoを使つか

った電でん

子し

工こう

作さく

とプログラミングを遊あそ

びながら学まな

んできた。Lチカから始はじ

まって、あっち向

いてホイマシンや、ラーメンタイマー、シャクトリムシロボット、電

でん

子し

金きん

庫こ

など、いろいろなものをつくることができたね。このように、プログラムをうまく使つか

えば、基き

本ほん

的てき

な部ぶ

品ひん

の組く

み合あ

わせで、いろいろな役

やく

割わり

をするものをつくることができる。 純

じゅん

粋すい

な電でん

子し

工こう

作さく

と比くら

べて、ちょっとした改

かい

造ぞう

をするのにハードを変か

えることなく、プログラムや数

すう

値ち

の変へん

更こう

だけですむことが多

おお

いのもソフトの特とく

徴ちょう

だ。みんなにはこの両

りょう

方ほう

を学まな

んで、自じ

分ぶん

のアイディアを自

力りき

で実じつ

現げん

できるようになってほしい。いつかどこかで、みんなの作

さく

品ひん

を見み

ることを楽たの

しみにしているよ。

では、この値を使って、ネコを回すプログラムを書いてみよう。緑の旗をクリックすると、スライダーの数値に応じて、ネコの回転スピードが変わるね。

このとき、ボタンとスライダーを同時に操作できるはずだ。ブロックプログラミング環境では、同時に1つのことしかできなかったけど、Scratchでは、このように複数のことを同時に行うことができる。これを並行プログラミングと呼ぶよ。

明るさセンサーで色を変えタクトスイッチで巨大化するさらに、第9回の「冷蔵庫閉め忘れ防止オルゴール」で使った明

るさセンサー(フォトトランジスターSFH309。上から見て黄色くない方)と、第10回の「暗証番号で開く秘密金庫」で使ったボタン(タクトスイッチ)を追加して、色と大きさを変えてみるよ。

ブレッドボードとジャンパーケーブルを使って、下の配線図のように部品を配線しよう。明るさセンサーは「A5」、ボタンは「A7」につないでいる。

配線図

スライダー

このとき、Studuinoの基板上にあるオレンジ色のLEDが高速に点滅して、接続中であることを示しているはずだ。こうならないときは、「Aがつながれた」を右クリックして、「Scratch-Board監視板」を開き、右ボタンメニューの「シリアルかUSBのポートを選択」を使って、正しいポートを手動で選ぼう。

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A6上(I/O)へA6下(G)へ

A6真ん中(V)へ

ピンの場所はA6で、上からI/O、V、Gの位置。