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THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS TECHNICAL REPORT OF IEICE. WBS2003-82 (2003-12) DS-CDMA における変 わせに する デー ッド アサノ 380-8553 4-17-1 大学 あらまし から 帯域変 トレードオフに する ってきた。 して M GOLD いた 較を った。また、 帯域変 CPFSK(Continuous Phase Frequency Shift Keying) GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying) いた 較について した。スペクトル拡 帯域 しくする いう シミュレーション により CPFSK GMSKM GOLD わせ 較する。 して、 GOLD GMSK わせが した。 キーワード CDMA, GMSK, CPFSK, GOLD , , 帯域 , ット Performance Evaluation of Modulation and Spreading Code Combinations in DS-CDMA Systems Michihiro Ichikawa David ASANO Department of Information Engineering Shinshu University 4-17-1 Wakasato, Nagano, 380-8553 Japan Abstract In previous research, we evaluated the tradeoff between narrowband modulation and the length of the spreading code. In this paper, the performance of maximal-length sequences and GOLD sequences is examined. We also compare the performance of CPFSK(Continuous Phase Frequency Shift Keying) and GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying). The performance of combinations of CPFSK, GMSK, maximal-length sequences and GOLD sequences is compared by waveform analysis using computer simulations with the constraint that the bandwidth after spreading is the same. Results show that the combination of GMSK and GOLD sequences has the best performance. Keywords CDMA, GMSK, CPFSK, GOLD sequences, processing gain, bandwidth, bit error rate — 13 —

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社団法人 電子情報通信学会THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS

信学技報TECHNICAL REPORT OF IEICE.WBS2003-82 (2003-12)

DS-CDMAにおける変調方式と拡散符号系列の組み合わせに関する一検討

市川 通洋 デービッド アサノ

†〒 380-8553 長野市若里 4-17-1

信州大学 工学部 情報工学科

あらまし 以前から狭帯域変調方式と拡散符号長のトレードオフに関する研究を行ってきた。本稿では拡散符

号としてM系列とGOLD符号を用いた場合の性能比較を行った。また、狭帯域変調方式CPFSK(ContinuousPhase Frequency Shift Keying)と GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying) を用いた場合の性能比較について考察した。スペクトル拡散後の帯域幅を等しくするという条件の下、計算機シミュレーション

の波形解析により CPFSKと GMSK、M系列と GOLD符号の組み合わせの性能を比較する。結果として、GOLD符号と GMSKの組み合わせが最も良い性能を示した。

キーワード CDMA, GMSK, CPFSK, GOLD符号, 処理利得, 帯域幅, ビット誤り率

Performance Evaluation of Modulation and Spreading Code

Combinations in DS-CDMA Systems

Michihiro Ichikawa David ASANO

Department of Information Engineering

Shinshu University

4-17-1 Wakasato, Nagano, 380-8553 Japan

Abstract In previous research, we evaluated the tradeoff between narrowband modulation and the lengthof the spreading code. In this paper, the performance of maximal-length sequences and GOLD sequencesis examined. We also compare the performance of CPFSK(Continuous Phase Frequency Shift Keying)and GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying). The performance of combinations of CPFSK,GMSK, maximal-length sequences and GOLD sequences is compared by waveform analysis using computersimulations with the constraint that the bandwidth after spreading is the same. Results show that thecombination of GMSK and GOLD sequences has the best performance.

Keywords CDMA, GMSK, CPFSK, GOLD sequences, processing gain, bandwidth, bit error rate

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1 はじめに

現在、移動体通信において代表的な通信方式となった

CDMA(Code Division Multiple Access)を用いたセルラ移動電話のサービスが開始されて以来、(99年に IDOとDDIセルラーが発売した cdmaOne をはじめ、NTTドコモの FOMA などがある) 本来の目的である通話だけでなく、静止画像、動画像などのデータ通信が行われるよう

になった。伝送されるデータ量が増加するために、より

高速、かつ高品質なシステムが求められている。

本研究室ではこれまで、DS-CDMAにおいて現存のシステムよりも狭帯域なディジタル変調方式を用いて、拡

散率を上げる方が優れた性能を示すのではないかと予測

し、現在日本のセルラ移動電話の通信方式で使用されて

いる QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの位相変調 (PSK)と、CPM(Continuous Phase Modulation)を DS-CDMAに用いた性能比較が行われてきた。[1][2]

本稿では、DS-CDMAにおいての拡散符号 (M系列とGOLD 符 号) に 着 目 し 、変 調 方 式 と し て

CPFSK(Continuous Phase Frequency Shift Keying) 及び GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)を用いてシステムを構成し、それぞれを組み合わせてその

性能をを検討していく。

DS-CDMAの性能を検討するにあたり、拡散系列符号、ユーザ数をパラメータとし、通進路には、ガウス近似に基

づく理論式に従う熱雑音のみを考慮した回路でビット誤

り率を算出する方法が良く用いられている。そこで、本

稿でも同様の方法を用いた。「スペクトル拡散後の帯域幅

を等しくする」という条件下で拡散系列長 (処理利得)を決定し、通進路にガウス雑音を用いて、計算機シミュレー

タの波形解析により、性能比較を行う。

2 システムの概要

2.1 DS-CDMA送信機

図 1にDS-CDMA方式の送信機のシステム構成を示す。

このシステムにおいて各ユーザはシンボル間隔 T にお

いて log2 M ビットを送信するために符号の数 M が割り

当てられる。拡散系列は N チップから成り立ち、k 番目

のユーザには拡散系列:α(k)1 , · · ·, α(k)

M で与えられる。k 番

目のユーザにおいて j 番目のビットの i 番目のチップを

α(k)j,i とする。この拡散符号は α

(k)j,i ∈ {1,−1} である。本

稿では 2値の入力データ a(k)n ∈ {1,−1} として考えてい

る。それゆえに M = 2 となり各ユーザは 2値の拡散符号系列が割り当てられる。

まず入力データ a(k)n ∈ {1,−1} が 1ビット入力される

と拡散符号 α(k)j の系列によって拡散され (拡散符号のチッ

Spreading

Transmitter

SpectrumInputData

FMModulator

Transmitted Signal

0.( ) dt

T

0.( ) dt

T

0.( ) dt

T

s(t)

...cos(2π f t + θ

cos(2π f t + θ1

2c

c ( t ))

( t )) ...

cos(2π fc t + θ

Receiver

Μ ( t ))

図 1: DS-CDMA送受信機

プ間隔は Tc = T/N) 、チップ間隔 Tc の方形波パルス信

号 dj,i となる。

dj,i = aj · αi,j (1)

本稿ではCPFSK及びGMSKを用いるため、以降よりそれぞれを DS-CDMAに用いたシステムの概要を示す。

2.1.1 CPFSK

次に位相連続関数がつくられる。k番目のユーザで j番

目のコードであったとすれば、この関数は

φ(t, α(k)j ) = 2πh

N−1∑

i=0

α(k)j,i q(t− iT c) (2)

となる。このとき hは変調指数であり、特に h = 0.5のときをMSKと呼ぶ。この式を全ビットに結合した関数が以下の式である。

θ(t) =∑

j

φ(t− jT, β(k)j ) (3)

ここで β(k)j ∈ {α(k)

1 , · · ·, α(k)M }である。搬送周波数 fc で

変調されたスペクトル拡散後の CPFSK信号は

s(t) = Acos[2πfct + θ(t)] (4)

と表せる。ここで Aは信号の振幅である。図 2に BPSK及び CPFSKの電力スペクトル密度を示す。

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( f - f c ) Tc� � � � � � � � �

� �� � ���

� ��

����

� � � �� � � � � � � ! " # $ %� � � � � � � ! " & $ %

' ( !

' ) !

! * #

!

' # !

図 2: BPSK,CPFSKの電力スペクトル密度

2.1.2 GMSK

GMSKでは、(1)式で表された信号がガウスフィルタに送られる。位相の連続性を示す関数 g(t)は、次式で与えられる。

g(t) = K{erf [cBb(t +Tc

2)]− erf [cBb(t− Tc

2)]} (5)

B T = 0.75b

2.50.5 2.0

c(f − f )T

Po

wer

Sp

ectr

al D

ensi

ty (

dB

)

0.5

0.25

0

−10

−20

0 1.51.0−60

−50

−40

−30

図 3: GMSK(BbT=0.25,0.3,0.75)の電力スペクトル密度

このとき c は定数 c = π√

2/ln2 、Bb は g(t) を生成する時に用いるガウスフィルタの 3dB 帯域幅 (片側)であり、K は g(t) の面積が 1/2 となるような定数をとる。

図 3に BbT の各値による電力スペクトル密度を示す。

この図 3からもわかる通り、 BbT が小さくしてなるにし

たがって、より良好なスペクトル特性が得られる。この

ガウスフィルタによりデータ信号 dj,i に帯域制限がかけ

られ、位相連続関数 θ(t) が変調指数 h = 0.5の周波数変調により作られ、

θ(t) = 2πh

N−1∑

i=0

d(k)j,i

∫ t

iTc

g(τ − iTc)dτ (6)

となり、送信信号 s(t)は搬送波周波数 fc にのせられ、(4)式と同様に表せる。

このスペクトル拡散された送信信号 s(t) の帯域幅は 拡散系列長によって決定される。拡散符号系列長 N による

処理利得を G とする。(G = N)。送信されたデータは雑音と他ユーザの干渉を受け、受

信側に受け取られる。受信側では、送信側と同じ波形を

用意し受信波形との相関をとる。相関値が最も大きなも

のを送信信号と判定する。

3 性能評価の条件

性能評価をするにあたって、本稿では「拡散後の帯域幅

を等しくする」という条件をもうけた。つまり拡散前の

帯域幅 B と処理利得 Gとすると、以下の式が成り立つ。

BG = constant (7)

一般に、帯域幅の広い信号はビット誤り率が良い。し

かしスペクトル拡散システムにおいては、(8)式からもわかる通り広帯域の信号に比べ、狭帯域の信号にはより大

きい拡散系列長をかける (拡散率を上げる)ことが可能である。

そのためには、それぞれの変調方式の帯域幅を求め、

さらに処理利得を求める。本稿では、処理利得を求め

る際に BPSK の拡散系列 (=処理利得) を基準としてCPFSK,GMSKの処理利得を求めることとする。求めた処理利得を用いて伝送路を同時に使用するユーザ数をパ

ラメータとして計算機シミュレーションを行い、誤り率

特性を検討する。

3.1 帯域幅

帯域幅は本来無限大に広がっているため、どこまでを

帯域幅とするかを定義しなければならない。本稿では全

電力のうち 90%を含む帯域幅を 90%帯域幅 (B90%)とし、99%を含んだ帯域幅を 99%帯域幅 (B99%)として定義することにする。

電力密度から変調方式の帯域幅が求められるので、そ

れぞれの 90%、99%帯域幅を表 1に示す。

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表 1 帯域幅

変調方式 B90% B99%

BPSK 0.849 10.29QPSK 0.424 5.156CPFSK(h=0.25) 0.184 0.449MSK(h=0.5) 0.388 0.591CPFSK(h=0.75) 0.498 0.928GMSK(BbT=0.5) 0.345 0.517GMSK(BbT=0.3) 0.300 0.457GMSK(BbT=0.25) 0.281 0.426GMSK(BbT=0.2) 0.257 0.396

3.2 処理利得

表 1に示した帯域幅より処理利得が決定される。(8)式より CPFSK及び GMSKの拡散系列長 GCPFSK,GMSK

は BPSKの拡散系列長 GBPSK を基準にして、以下のよ

うに求められる。

GCPFSK,GMSK =BBPSK

BCPFSK,GMSKGBPSK (8)

この (9)式に、B90%のときのBPSK,CPFSK(h=0.25)の値を代入すると、

GCPFSK = 4.6141×GCPFSK (9)

となり B90% においては CPFSK(h=0.5) は BPSKの 4.6141 倍の処理利得を得ることができる。すなわち、BPSK の拡散系列長の 4.6141 倍の拡散系列長をCPFSK(h=0.5) に用いることが可能ということである。同様にしてその他のB90%、B99% について BPSKに対しての QPSK、CPFSK、GMSKの処理利得の比率を求めたものが表 2である。

表 2 BPSKに対しての処理利得の比率

変調方式 B90% B99%

QPSK 2.0024 1.9957CPFSK(h=0.25) 4.6141 22.9176MSK(h=0.5) 2.1881 17.4112CPFSK(h=0.75) 1.7048 11.0884GMSK(BbT=0.5) 2.4609 19.9226GMSK(BbT=0.3) 2.8300 22.5411GMSK(BbT=0.25) 3.0214 23.9581GMSK(BbT=0.2) 3.3035 25.9848

4 性能評価

本稿では、通信路中の雑音として白色ガウス雑音

(AWGN)を用い、干渉ユーザは 6とした。また、拡散符号系列として M系列と GOLD符号を用い計算機シミュ

レーションの波形解析により CPFSKとGMSK、M系列と GOLD符号の組み合わせの性能を比較する。

4.1 拡散符号

M系列 (Maximal-length sequences)とは、ある長さのシフトレジスタとフィードバックで形成される拡散系列

のうち、その周期が最長になる系列をいう。Lを系列長、

nをシフトレジスタの個数とすると、Lは以下の式で表される。

L = 2n − 1 (10)

GOLD符号は、同期のとれた 2種類のM系列の排他的論理和をとることで合成される。M系列のシフト加法性によりM系列とそれをシフトさせた系列の排他的論理和は元のM系列をシフトさせた別の系列となる。したがって初期のオフセット値を与えることにより様々なGOLD符号が得られることになる。例えばGOLD符号発生器の一方のM系列を固定しておいても他方の (周期 2n− 1の)M系列の初期状態を 2n − 1通りに変化させ加算させることができる。つまり、2つの M系列発生器間の系列位相差によって、1種類のGOLD符号発生器から 2n− 1通りの系列を作ることができる。以上の加算回路によって得ら

れる 2n− 1通りの系列と、元となる 2種類のM系列を加えて、合計で (2n − 1) + 2 = 2n + 1通りの異なった系列がこの回路で実現できる。この多数の符号系列を持つ点

がM系列では得られない GOLD符号の最大の特長といえる。

4.2 拡散系列長

基準となる BPSKの処理利得を GBPSK = 31 として、前述の表 2よりそれぞれの変調方式の処理利得を算出したものを表 3に示す。これをもとに計算機シミュレーションをおこない、誤り率特性を求める。

表 3 GBPSK = 31のときの拡散系列長

変調方式 GB90% GB99%

QPSK 62 61CPFSK(h=0.25) 143 710MSK(h=0.5) 67 539CPFSK(h=0.75) 52 343GMSK(BbT=0.5) 76 618GMSK(BbT=0.3) 88 698GMSK(BbT=0.25) 94 743GMSK(BbT=0.2) 102 806

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4.3 シミュレーション結果

表 3に従い、各変調方式とそれに対応した拡散率を用いて、SN比に対するビット誤り率特性を出力した。図 4,図 5に拡散符号として M系列を使用したときの

CPFSK,GMSKの 90%及び 99%帯域幅での誤り率を示す。

図 4: ユーザ数 7,M-code,B90%

図 5: ユーザ数 7,M-code,B99%

一般に通話品質の維持に最低限必要な誤り率とされて

いる 10−2 において、図 4の 90%帯域幅ではQPSKが高い性能を示した。これは、拡散時において 90%帯域幅ではCPFSKはQPSKに対し 1~2倍程度、GMSKは 1.5倍程度の処理利得しか得られないためではないかと考えられ

る。これに対し、図 5の 99%帯域幅ではCPFSK(h=0.25)を除くすべてのCPFSK,GMSKにおいてQPSKの性能を上回った。これは 99%帯域幅では、CPFSK及び GMSKが QPSKに対し 10倍以上のの処理利得を得られるためである。中でも、グラフの傾向から GMSK(BbT = 0.3)が最も誤り率が良いと考えられる。

図 6, 図 7 は拡散符号に GOLD 符号を用いた場合のCPFSK,GMSKの誤り率のシミュレーション結果である。

図 6: ユーザ数 7,GOLD-code,B90%

図 7: ユーザ数 7,GOLD-code,B99%

図 6は 90%帯域幅、図 7は 99%帯域幅での誤り率を示している。M系列を使用したときと同じく、90%帯域幅ではQPSK、99%帯域幅では CPFSK,GMSKが良い性能を示した。理由はM系列の場合と同じと考えられる。

どの図においても、CPFSK(h=0.25)は多少の変化はみられたものの、他のものと比べて非常に誤り率が悪い。こ

れは、変調の際の位相差間隔が小さすぎるために、デー

タの復調が難しいことが原因と思われる。

グラフより、全体的に GMSK(BbT = 0.2, 0.25, 0.3)が性能が良いことが見てとれる。とくに 99%帯域幅では、SNR(dB)=8~9 前後において GMSK(BbT =0.2, 0.25, 0.3)は誤り率がほぼ等しくなる。

以上より、CPFSKよりもGMSKがDS-CDMAには有効であると思われる。

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図 8,図 9は各変調方式において SNR=7(dB)のときのM系列と GOLD符号の誤り率を比較したものである。

図 8: M系列とGOLD符号との比較 (SNR=7dB):CPFSK

図 9: M系列とGOLD符号との比較 (SNR=7dB):GMSK

図からもわかるとおり、全体的にM系列よりもGOLD符号のほうが誤り率が良い。以上より、GOLD 符号とGMSK の組み合わせがよく、DS-CDMA において有効であると思われる。

5 まとめ

本稿ではDS-CDMAにおいてスペクトル拡散後の帯域幅を等しくするという条件の下、計算機シミュレーション

の波形解析により CPFSKと GMSK、M系列と GOLD符号の組み合わせの性能比較をおこなった。全体的にM系列よりも GOLD 符号、CPFSK(MSK) よりも GMSKが良い性能を示した。結果として、GOLD符号とGMSK

の組み合わせが比較的高性能であり、DS-CDMAにおいて有効であると推測することができる。

参考文献

[1] 荒井 宣人, デービッド アサノ, ”DS-CDMA におけるGMSK変調方式の性能に関する一検討,” 信学技報SST2001-45(2001-10), pp. 25-29.

[2] 雨宮 学, デービッド アサノ, ”DS-CDMA におけるCPFSK 変調方式の基礎検討,” 信学技報 SST2001-44(2001-10), pp. 19-23.

[3] 横山 光雄, “スペクトル拡散通信システム”, 科学技術出版社, 東京都, 1988.

[4] J.G.Proakis and M.Salehi, Contemporary Communi-cation Systems, PWS Publishing Company, North-eastern University, pp.165-216, 1998.

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