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「すざく」による HESS J1837-069の観測 穴田貴康 海老沢研、堂谷忠靖、馬 場彩 (ISAS/JAXA) 2007 秋期天文学会 @ 岐阜大学 2007 秋期天文学会 @ 岐阜大学

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「すざく」によるHESS J1837-069の観測

穴田貴康海老沢研、堂谷忠靖、馬

場彩 (ISAS/JAXA)

2007 秋期天文学会 @ 岐阜大学2007 秋期天文学会 @ 岐阜大学

IntroductionIntroduction

放射起源は不明 (PWN? SNR? 他?)ASCA(0.7-10 keV, Bamba et al. 2003)やINTEGRAL(20-100 keV, Malizia et al. 2005)でTeVの放射領域内にX線源を検出

• (AX J1838.0-0655 ←対応天体?)

HESS J1837-069 Aharonian et al. (2006)

(l,b) = (25.18,-0.11)

HESS望遠鏡による銀河面探査によりたくさんのTeV天体が発見された

多くは他波長で未同定その起源が高エネルギー天文学の大きな問題

Malizia et al. 2005

Bamba et al. 2003あすか GIS (0.7-7 keV)

INTEGRAL IBIS (20-100 keV)

すざくでHESS J1837-069をポインティングし、42 ksの観測を行った。(2007/03/05-06)

(1997/10/14 12ks)(1999/09/28 37ks)

AX J1838.0-0655

過去の観測過去の観測

XIS imageXIS image

HESS天体の両側がX線で明るい

明るい方は6.6分、暗い方は4.7分のオフセット

明るい方は点源+diffuse?

6.6’

Suzaku (XIS 0+1+3)0.4 - 10 keV 強度マップ

赤十字:HESSイメージのピーク赤楕円:HESS天体から放射された>250GeVのフォトンの68%が含まれる領域

AX J1837.3-0652

AX J1838.0-0655

4.7’

Chandra (ACIS 0-3)0.4 - 10 keV 強度マップ

2007/08/19にarchive

Spectra(SRC1)Spectra(SRC1)

SRC1

SRC2

BGD

NH = 5.4 (±0.5) ×1022 /cm2

Γ = 1.3 (±0.1)F (2-10 keV) = 10.1 (±0.6) ×10-12 erg/cm2/s (系統誤差3%を仮定)

ハードな非熱的放射

(ASCAのデータからの有意な変動はなし)

SRC1

SRC2

BGD

Spectra(SRC2)Spectra(SRC2)

(ASCAのデータからの有意な変動はなし)

NH = 4.0 ( ) ×1022 /cm2

Γ = 2.0 (±0.3)F (2-10 keV) = 1.7 (±0.3) ×10-12 erg/cm2/s (系統誤差3%を仮定)

+1.2-0.8

非熱的放射

パルスサーチパルスサーチPWNなら対応するパルサーがあるはず

HXD-PIN(時間分解能61μs)のデータを使ってタイ

ミング解析を行った。

S/Nをよくするため、10-20 keVのみを使用

結果:有意な周期パルスは見つからなかった

FFTを用いてパワースペクトルを作った。

(1bin=5ms, T=10ks)

パワースペクトルは100bin毎に平均と最

大値をプロット

解析結果 まとめ解析結果 まとめ

TeV放射のピークから数分ずれた位置に2つの対応候補天体の存在

スペクトルは構造のないべき型→非熱的放射

フラックスに有意な長期変動は見られない

今回は周期的パルスは見つからなかった

スペクトルは典型的なPWNの特徴と一致→他のHESS天体のうち、PWNと考えられてい

る天体と比較してみる。

TeVとXのフラックス比TeVとXのフラックス比Name Type Γ(TeV) F (1-10TeV)

erg/s/cm2 対応候補天体 Γ(X) F (2-10keV)erg/s/cm2

F (TeV) / F (X)

1 AX J1838.0-0655(SRC1) 1.3 1.0×10-11 1.4

2

HESS J1837-069 ? 2.3 1.4×10-11

AX J1837.3-0652(SRC2) 2.0 1.7×10-12 8.2

3 HESS J0534+220 PWN 2.4 5.6×10-11 Crab Nebula 2.1 2.1×10-8 2.7e-3

4 HESS J0835-456 PWN 1.7 6.8×10-12 Vela Pulsar 1.4 3.0×10-11 0.2

5 HESS J1418-609 PWN 2.2 7.7×10-12 G313.3+0.1 1.7 7.3×10-12 1.1

6 HESS J1420-607 PWN 2.2 1.1×10-11 PSR J1420-

6048 1.4 4.8×10-12 2.2

7 HESS J1514-591 PWN 2.3 1.6×10-11 PSR B1509-

58 2.0 3.2×10-11 0.5

TeV v.s. XTeV v.s. X

33

445566

771122

TeVとXのフラックスの関係は他のPWNと矛盾しない

TeV放射とX線源の位置のオフセットTeV放射とX線源の位置のオフセット

HESSピーク

AX J1837.3-0652

AX J1838.0-0655

4.7’

6.6’

HESS J1837-069

TeV放射ピークとX線パルサー位置のオフセットTeV放射ピークとX線パルサー位置のオフセット

HESS J1514-591

PSR J1420-6048PSR J1420PSR J1420--60486048

PSR B1509-58 Vela PulsarVela PulsarVela Pulsar

HESS J0835-456HESS J0835HESS J0835--456456

HESS J1418-609HESS J1418HESS J1418--609609

HESS J1420-607HESS J1420HESS J1420--607607

G313.3+0.1G313.3+0.1G313.3+0.1

Crab Nebula = HESS J0534+220

3.1’3.13.1’’

3.1’3.13.1’’

8.2’8.28.2’’

26’2626’’

考察、まとめ考察、まとめ

HESS J1837-069とはずれた位置に明るいX線源 スペクトルは非熱的放射の形をしており、有意な長期変動はない

「すざく」でHESS J1837-069を観測

PWNであると考えるのがもっともらしい

周期パルスは見つからなかった

PWNであることを検証するにはさら

なる観測が必要

↑典型的なPWNの性質と矛盾しない

Chandra のHRCを用いて点源に絞ったパルサーサーチを行う