みかがみ様 -...

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!! インセイン 現代日本シナリオ スクールライフ みかがみ様 Ver.2.0(20P) 作:GMJ ◎目次 1.プリプレイ用トレーラー ・・・P.1 3.導入フェイズ ・・・・・・・・・・ P.3 4.メインフェイズ ・・・・・・・・・ P.4 5.クライマックスフェイズ ・・・P.7 7.ハンドアウト ・・・・・・・・・・・P.9 おまけコラム ・・・・・・・・・・・・P.17 怪奇現象シーン表 ・・・・・・・・P.20 1.プリプレイ用トレーラー 『みかがみさま、みかがみさま、哀れな私の願いをお聞きくださいませ。哀れな私に素晴らしき天国 の景色をお見せくださいませ』。貴船の高校のどこかにあるという『大鏡』。夕方5時55分ちょうどに その鏡の前に立ち、呪文を唱えると、死後の世界を見ることができるという。だが、その『大鏡』がどこ にあるのか。それは誰も知らない……。 ある有力な情報を得た私たちは、好奇心から大鏡の捜索に乗り出した。 このときの私たちは、まだ知らなかった。この鏡の捜索は、地獄への入り口だということを……。 2.レギュレーションの確認 このシナリオでは、以下のレギュレーションで行うことを確認する。 ・このシナリオはPL3〜4人用に作成されている。 ・このシナリオは「インセイン」基本ルールブックのみ使用することを想定して作成されている。 ・PC本人の秘密は導入フェイズ終了時に閲覧が可能になる。 ・本シナリオは協力型に近い特殊型シナリオとなっている。 ・「プライズ」を獲得したキャラクターは、「プライズ」の秘密を自動的に獲得することができる。 この時、感情を持つ相手への情報共有も発生する。 ・所持していない「プライズ」は、「プライズ」が公開されていれば、 調査によって秘密を獲得することができる。 ・ただし秘密の獲得について条件がつけられている場合は、そちらの指示に従う。 ・双方の合意があれば「プライズ」の受け渡しは可能とする。 ・「場所」や「情報」の『居所』は調査できない。 ・このシナリオには「怪異度」というパラメータが設定されている。 ・PL4人の場合、このシナリオのリミットは3である。 PL3人の場合、このシナリオのリミットは4である。 ・このシナリオに登場する人物、団体は実在のものとは一切関係がない。 ―――――――――――――――――― 1――――――――――――――――――

Transcript of みかがみ様 -...

  • !!  インセイン 現代日本シナリオ スクールライフ

       みかがみ様 Ver.2.0(20P)  

    作:GMJ  

      ◎目次

        1.プリプレイ用トレーラー ・・・P.1    3.導入フェイズ ・・・・・・・・・・ P.3    4.メインフェイズ ・・・・・・・・・ P.4    5.クライマックスフェイズ ・・・P.7    7.ハンドアウト ・・・・・・・・・・・P.9    おまけコラム  ・・・・・・・・・・・・P.17    怪奇現象シーン表 ・・・・・・・・P.20

    1.プリプレイ用トレーラー

     『みかがみさま、みかがみさま、哀れな私の願いをお聞きくださいませ。哀れな私に素晴らしき天国の景色をお見せくださいませ』。貴船の高校のどこかにあるという『大鏡』。夕方5時55分ちょうどにその鏡の前に立ち、呪文を唱えると、死後の世界を見ることができるという。だが、その『大鏡』がどこにあるのか。それは誰も知らない……。ある有力な情報を得た私たちは、好奇心から大鏡の捜索に乗り出した。 このときの私たちは、まだ知らなかった。この鏡の捜索は、地獄への入り口だということを……。

    2.レギュレーションの確認

     このシナリオでは、以下のレギュレーションで行うことを確認する。   ・このシナリオはPL3〜4人用に作成されている。   ・このシナリオは「インセイン」基本ルールブックのみ使用することを想定して作成されている。

    ・PC本人の秘密は導入フェイズ終了時に閲覧が可能になる。・本シナリオは協力型に近い特殊型シナリオとなっている。・「プライズ」を獲得したキャラクターは、「プライズ」の秘密を自動的に獲得することができる。

    この時、感情を持つ相手への情報共有も発生する。・所持していない「プライズ」は、「プライズ」が公開されていれば、 調査によって秘密を獲得することができる。・ただし秘密の獲得について条件がつけられている場合は、そちらの指示に従う。・双方の合意があれば「プライズ」の受け渡しは可能とする。・「場所」や「情報」の『居所』は調査できない。・このシナリオには「怪異度」というパラメータが設定されている。

      ・PL4人の場合、このシナリオのリミットは3である。   PL3人の場合、このシナリオのリミットは4である。  ・このシナリオに登場する人物、団体は実在のものとは一切関係がない。

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  • 3.プリプレイ

    PL用:シナリオ開始前に開示するギミック

    1.このシナリオでは数度の戦闘発生が予測される。2.ドラマシーンを行うシーンプレイヤーは、シーンを決定する際、 ダイス目に「怪異度」を加えてシーン表を参照する。 シーン表は、このシナリオ特有の「怪奇現象シーン表」を用いる。3.1サイクル3日程度。導入フェイズは上限の月の頃。 リミット終了時に満月が昇り、クライマックスフェイズに突入する。 メインフェイズの展開次第で、クライマックスの内容は変化する。4.本シナリオではインセインルールブックで提示されている狂気のうち、  「疑心暗鬼」「広がる恐怖」「挙動不審」「盲目」「言葉を失う」「パニック」  「行き過ぎた思い」「絶叫」「異言」「現実逃避」「記憶喪失」「恐怖症」「失踪」  「陰謀論」「超現実主義」(世界設定の現代日本に記載) を、使用する。恐怖判定に失敗した際、獲得する狂気をランダムで決める。5.PLが3人の場合は「PC1」はNPCとなる。

    GM用:シナリオ上に明記されていないギミック

    1.「怪異度」は以下の上限によって増減する。   条件1:隠し部屋が開放された=(+1)   条件2:サイクルが進んだ=(0→+1→+2と上昇する)   条件3:「大鏡」が健在である=(+1)→破壊された場合=(0)   条件4:「黄泉の鏡」が健在である=(+1)→破壊された場合=(0)   (※つまり、オープニング終了時の「怪異度」は合計3である。)

    2.1サイクル3日程度。導入フェイズは上限の月の頃。 リミット終了時に満月が昇り、クライマックスフェイズに突入する。 以下のような条件により、クライマックスの内容は変化する。   ケース1:「大鏡」「黄泉の鏡」が両方とも破壊されている     ドッペルゲンガーが現れ戦闘となる。   ケース2:「大鏡」「黄泉の鏡」のどちらか1枚が破壊されている     苦しみに満ちた亡者が高校中にあふれる。亡者の群れと戦闘になる。   ケース3:「大鏡」「黄泉の鏡」の両方が健在     「みかがみ様」が出現し、戦闘になる。

    3.PC1がNPCとして登場する場合の、PC1の挙動について。 ・他のPCはドラマシーン中、「PC1から「古ぼけた冊子」を譲ってもらう」ことが可能。 ・だが、「PC1が「秘密」を獲得していないPC」には「古ぼけた冊子」を渡してくれない。 ・その際、「ごめん。あなたの本当のことがわからないと、信用できなくて……」と言う。

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  • 3.導入フェイズ

    導入フェイズ シーン1  みかがみ様

    発生時期:最初 登場キャラ: なし

    「貴船の高校のどこかにあるという『大鏡』。夕方5時55分ちょうどにその鏡の前に立ち、『みかがみさま、みかがみさま、哀れな私の願いをお聞きくださいませ。哀れな私に素晴らしき天国の景色をお見せくださいませ』と唱えると、死後の世界を見ることができる。」どの高校にも学校の怪談というものがある。市立貴船高等学校には、このような「みかがみ様」という怪談が伝わっていた。しかし、この高校に、怪談が伝えるような『大鏡』はない。なのに、なぜこんな怪談が伝わっているのか。それ自体が貴船高校の七不思議の1つとされていた。

    導入フェイズ シーン2  古ぼけた冊子

    発生時期:シーン1終了後 登場キャラ:PC1

     PC1は、教師から資料室の整理を言いつけられていた。粛々と整理をこなすPC1は、資料の山の中から、やたらと古ぼけた冊子を見つけ出す。文字がかすれていて読みにくいが、そこにはこう書かれているのが読み取れた。「……貴船浦の………建物に大鏡を……した。……合わせることで……黄泉路(よみじ)つながる…」オカルトに興味があるPC1は、この文献と「みかがみ様」を結びつけ、「みかがみ様」の「大鏡」を探しだそうと決心する。・「歴史」判定に成功すれば、この文献が昭和初期あたりのものとわかる。・PC1は「プライズ:古ぼけた冊子」を獲得する。

    導入フェイズ シーン3  捜索隊結成

    発生時期:シーン2終了後 登場キャラ:全PC

    PC1は「大鏡」を探すための「捜索隊」を結成した。このシーンは、集まったメンバーが改めて自己紹介するシーンとなる。各PCが自己紹介して、主張したいことを主張し終わったらこのシーンは終了となる。

    導入フェイズ シーン4  「大鏡」の発見

    発生時期:シーン3終了後 登場キャラ:全PC

     過程を一気に飛ばして、貴船高校の「隠し部屋」を発見するシーンとなる。「隠し部屋」への入り口は2階側の壁にある。と言っても、外から塗料で塗り固められているので、つるはしなどで亀裂を入れる必要はある。亀裂さえ入れば、あとは簡単に隠し扉が開く(ここまでGMが適当に進行してよい)。 内側に開いた隠し扉から中に入ると、天井から睨みつけるように、丸い大きな鏡がぶら下がっているのに気がつく。と、ほぼ同時に、PCたちが入ってきた入り口から夕日が差し込み、その鏡に反射する。まぶしさに目が眩むPCたち。その一瞬、彼らは見た。鏡の中に、自分たちでない、何者かの姿がうつっている。その顔が、彼らの方をしっかりと見据え、ニヤリと笑った。 反射光とは思えないほどの光が、鏡からほとばしる。あまりの光量に目が眩み、気を失ってしまうPCたち。薄れゆく意識の中、誰かがこう言っているのを耳にした。「もっと光を! 狂おしき黄昏に染まった光を!!」

    ・「隠し部屋」「器物:大鏡」のハンドアウトを公開する。

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  • 3.導入フェイズ(前頁からの続き)

    導入フェイズ シーン5  動き出す影

    発生時期:シーン4終了後 登場キャラ:なし

    校内のトイレ。洗面所に並ぶ鏡。鏡の奥にほんのりと映る。黒い影。甲高い、人間のものとは思えない声で、歓喜に湧く声がこだまする。「ひらいたぞ。よみのみちがひらいたぞ」

    導入フェイズ シーン6  なにごともなかったかのように

    発生時期:シーン1終了後登場 登場キャラ:全PC

    PCたちが目を覚ますと、日はとっくにくれていた。さっきまで何が起きていたのか、よく思い出せない。記憶に混乱を感じる。

    ・PCたちはこの段階で初めて自身の秘密を確認する。

    しかし、大事なことは忘れていないようだし、じきに思い出すだろうという結論になる。「『大鏡』は見つけることができたことだし…」と、いったんこの場は解散となる。

    4.メインフェイズ

    メインフェイズ 第1サイクル  上弦

    発生時期:導入フェイズ終了後 登場キャラ: 全PC

    期間は「上弦〜十日夜」の間。およそ3日間。サイクル開始時に、「別の表情をする鏡の中の自分」のシーンが描写される。

    メインフェイズ 第2サイクル  十日夜

    発生時期:第1サイクル終了後 登場キャラ: 全PC

    期間は「十日夜〜宵待月」の間。およそ3日間。サイクル開始時に、「鏡から抜け出てくる亡者」のシーンが描写される。

    メインフェイズ (リミット4の場合の)第3サイクル  宵待月

    発生時期:第2サイクル終了後 登場キャラ: 全PC

    期間は「宵待月〜満月」の間。およそ1日。特別な描写は入れなくてよい。

    メインフェイズ 最終サイクル  満月

    発生時期:第2サイクル終了後 登場キャラ: 全PC

    期間は「満月」の日の朝〜夕方まで。第3サイクルが終了すると、満月が昇ることを宣言しておく。サイクル開始時に、「鏡の奥で沸き立つ怪異の大群」のシーンが描写される。

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  • 4.メインフェイズ(前頁からの続き)

    ●シーン1〜4は、各サイクルの開始、終了時に発生する。

    メインフェイズ シーン1  別の表情をする鏡の中の自分

    発生時期:第1サイクル開始時 登場キャラ: 登場不可

    ある生徒がトイレの後に手を洗っている。ふと洗面所の鏡を除くと自分の顔がうつっている。しかし、自身は笑っていないのに、鏡の中の自分はニヤニヤと笑いかけてくるのだ……。

    メインフェイズ シーン2  鏡から抜け出てくる亡者

    発生時期:第2サイクル開始時 登場キャラ:登場不可

    無人の夜の校舎。校内の鏡の中から手が伸びてきて、人ならぬ存在が「こちら側」に出てこようとする…。

    メインフェイズ シーン3  鏡の奥で沸き立つ怪異の大群

    発生時期:最終サイクル開始時 登場キャラ:登場不可

    校内の鏡という鏡の奥から賑やかな声が聞こえる。大量の怪異が、鏡の向こう側で「なにか」を待ち望んでいるのだ……。

    メインフェイズ シーン4  嵐の前夜

    発生時期:第3サイクル終了直前 登場キャラ:任意

    「なにか」が起こりそうな日の夕暮れ。不安を感じるPCたちは集合することにする。自分の情報を差し出すもよし、自分たちがどうするか、相談するもよし。不安を抱えながらも、日は沈み、満月が昇ろうとしていた。

    ●シーン5〜9は、各条件が整った場合に割り込んで発生する。

    メインフェイズ シーン5  愛の目覚め

    発生時期:PC3が誰かに「愛情」を抱いた 登場キャラ:PC3。登場を希望するPC。

    PC3は新しい「愛」に目覚めることができた。その瞬間、悪い夢であったかのように、今まで執着していた「最愛の人」への気持ちが失われていく。『新たに目覚めた「愛」こそが本物だ。この「愛情」を失ってはならない。この人こそ、本当の「最愛の人」だ』と、「PC3」は思った。・PC3は、「愛情」を持っているキャラクター1人を「最愛の人」として選択する。 ただし器物を「最愛の人」として指定することはできない。・PC3は「PC3追加ハンドアウト」を獲得する。・PC4は「PC4追加ハンドアウト」を獲得する。

    メインフェイズ シーン6   タカフネ様から見える景色

    発生時期:PCの誰かが「黄泉の鏡」の居所を調査する 登場キャラ:割り込んだシーンにならう

    シーンは「タカフネ様」になる。通常のシーン表の代わりに割り込む。貴船湾に浮かぶ小島に立つ小さなおやしろ「タカフネ様」。「黄泉の鏡」はその中にあった。タカフネ様からは貴船灣と貴船高校が良く見える。貴船高校が、貴船湾に移りこむ景色は、芸術的ですらあった。

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  • 4.メインフェイズ(前頁からの続き)

    メインフェイズ シーン7   昔を知るもの

    発生条件:「NPC:福来吉人」の秘密をPCの誰かが獲得している。 登場キャラ: 「NPC:福来吉人」の 秘密を所持しているPC。 ゾーキングを行ったPC。

    発生時期:条件を見たしている場合最終サイクルに自動的に発生する。 ※発生条件さえみたしていれば、「昔のことを知る人」を  ゾーキングすることで、最終サイクル以前にも発生する。

    貴船高校の過去について調べていると、近所の偏屈な爺さん「川畑権造」がやってくる。「なんだお前らは。あまり昔のことを嗅ぎ回らないことだ。それがお前たちのためだ……」と、権造は言う。「この場所の、血なまぐさい歴史なんぞ、埋もれてしまえばいいのだ」「彼が命を賭けて封じた『福来』の呪いを、いたづらに掘り出すものではない」と、思わせぶりに語る。・「福来の助手について」のハンドアウトを公開する。

    メインフェイズ シーン8   大いなる異形の影

    発生時期:2枚目の「鏡」破壊時に割り込む。 登場キャラ:割り込んだシーンにならう

    怪奇現象の原因と思われる鏡は破壊したが、貴船高校を取り巻く不穏な空気は収まる様子をみせない。そのときPCたちは、貴船灣に映る異形の影を見る。シーンに登場しているPCは全員「混沌」で恐怖判定を行う。異界への道……黄泉路は完全には塞がっていない。近いうち、良くないものが出てくると悟る。

    メインフェイズ シーン9   よみがえる記憶

    発生時期:PC2が「プライズ:古ぼけた冊子」と「古ぼけた冊子」の秘密の両方を獲得した瞬間。

    登場キャラ:PC2。登場を希望するPC。

    どこかでみたことがある古い冊子。そして、その冊子に書かれた中身。それを見たとき、PC2は自分自身のことを思い出す。自分はすでに人間ではない。「福来吉人」という邪悪な研究者によって開かれた「異界の扉」を閉じるため、自分の命と記憶を犠牲にして、「封印の儀式」に臨んだのだ。

    大鏡に、黄泉の鏡からの反射光があたったことで、封印はとけてしまった。とけた封印とともに、「福来吉人」とPC2の魂も解き放たれた。しかし、封印を解いてしまった他のPCたちとの間で記憶の混線が発生してしまい、PC2は自分のことをこの時代の人間と思い込んでいたようだ。

    再び開かれてしまった「異界の扉」をなんとかしなければ……。PC2は強くそう思った。

    ・儀式シート「黄泉路の封印」を公開する。  ※「黄泉路の封印」のフレーバーについては、P20の「おまけ」を参照。

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  • 5.クライマックスフェイズ

    クライマックスフェイズ 共通冒頭   現れる水鏡

    発生条件:最終サイクル終了後 登場キャラ:全員

    満月の日の黄昏時、大引き潮となった貴船湾は、丸い湖のような形となる。これこそが、「黄泉の鏡」の力を最大限に引き出す「水鏡」に他ならない。  →「PCが水鏡からやってくるなにかに対抗する場合」:シーン2 or 3 or 4 へ  →「PCが水鏡からやってくるなにかに対抗しない場合」:エピローグ2 or 3 or 4 へ

    クライマックスフェイズ シーン1   隣りの世界

    発生条件:「大鏡」と「黄泉の鏡」の両方を破壊している。 登場キャラ:全員

    ほとんどの力を失ってしまった「水鏡」からは、PC達自身が現れる。だが、姿は同じでも、中身は化物そのものだ。「PCの欲望」を口にしつつ、PCたちを殺して成り代わろうとする。・ドッペルゲンガー(P245)×3体 と戦闘になる。「自主敗北」を妨害する。  →「PCが戦闘に勝利した場合」or「儀式に成功した場合」:エピローグ1へ  →「PCが戦闘に敗北した場合」:エピローグ2へ

    クライマックスフェイズ シーン2   亡者の世界

    発生条件:「大鏡」か「黄泉の鏡」を破壊している。 登場キャラ:全員

    「水鏡」からは、亡者の大群が姿を表す。高校中の鏡からも次々と姿を表す。亡者を止めなければ、貴船一帯は死の世界と化してしまうだろう。・歩く死者(P245)×5体 と戦闘になる。「自主敗北」を妨害しない。  →「歩く死者が5体撃退された場合」:シーン4へ  →「儀式に成功した場合」:エピローグ1へ  →「PCが戦闘に敗北した場合」:エピローグ3へ

    クライマックスフェイズ シーン3   みかがみ様の世界

    発生条件:「大鏡」も「黄泉の鏡」も破壊していない。 登場キャラ:全員

    「水鏡」からは、巨大な「神」が姿を表す。シーンに登場しているPCは全員「終末」で恐怖判定を行う。・「みかがみ様」と戦闘になる。「自主敗北」を妨害しない。  →「PCが戦闘に勝利した場合」:GMが、好きにエンディングを演出してください。  →「儀式に成功した場合」:エピローグ1へ  →「PCが戦闘に敗北した場合」:エピローグ4へ

    クライマックスフェイズ シーン4   みんなの戦い

    発生条件:「歩く死者」を5体撃退した。 登場キャラ:全員

    なんとか亡者たちを撃退できているものの、さすがに数が多すぎる。そう思っていたが、学校に残っている教師や生徒、さらには近所の爺さん(川畑権造)などが、亡者退治に加勢してくれる。亡者は、皆の手により、やがて殲滅されていく。そして、やがて完全に日は暮れて、平穏な夜が訪れる。  →エピローグ1へ。

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  • 6.エピローグ

    エピローグ1   日常への回帰

    発生:水鏡から来た怪異を撃退した。 登場PC:全員登場

    水鏡を抜けて異界からやってきた怪異を、鏡の向こう側へと押し返すことに成功した。日が沈んで黄昏の光が届かなくなると、今まで周囲を覆っていた瘴気も感じられなくなった。すべては終わったのだ。貴船高校には普通の日常が帰ってきた。しかし、その普通の日常を一番強く願っていた人間(PC2)の姿は、もうどこにも見当たらない。「あの人は、自分が本当にいるべき世界に帰ったのだ……」と、PCたちは思うのだった。

    【終わり】

    エピローグ2   違和感だらけの日常

    発生:PCたちがドッペルゲンガーに敗北した。 登場PC:なし

    貴船高校では、今までどおりのような日常が続いている。しかし、何か雰囲気がおかしい。違和感だらけの高校生活。PCたちをはじめ、生徒たちの目の奥があやしく光っているような気がする。

    市立貴船高校。そこでは今日もまた不可思議な事件が発生していた……。【終わり】

    エピローグ3   死の世界

    発生:PCたちが亡者に敗北した。 登場PC:なし

    貴船と呼ばれた地域があった。今は「近づいてはならない場所」として日本地図から抹消されてしまった。うわさでは、この一帯には、大量のゾンビがうろついているという。さらに、そんなゾンビだらけの中に、人間が1人だけ住んでいるという噂もある。その人はこう呟きながら生活しているという。

    「……いつまでも一緒だよ。私の最愛の人。」【終わり】

    エピローグ4   黄泉の国

    発生:PCたちが「みかがみ様」に敗北した。 登場PC:全員登場

    貴船と呼ばれた地域があった。今、そこは、ただ海が広がるだけ。何もない。

    一方、PCたちは不思議な空間にいる。上も下もわからない。そもそも自分の輪郭すらわからない。いや、そもそも自分とはなんだったろうか。人間とはなんだったろうか。私とは? あなたとは? もはやなにも分からない。

    彼らはみかがみ様のしろしめす空間で、いつまでも静かに暮らしましたとさ……。【終わり】

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  • 7.ハンドアウト

    ●マスター用データ(エネミーデータ)

    モブ管理シート 集団名 黄泉の国支配者名

    脅威度

    属性 好奇心・特技 アビリティ

    みかがみ 10

    怪異/神

    怪異《緊縛》《戦争》《魔術》《夢》《死》《情景》

    基本攻撃《魔術》大暴れ《緊縛》召喚 可変神性(装備)※P261参照

    生命力

    150

    優先順位

    モブ名脅威度

    属性 好奇心・特技 アビリティ

    1 亡者A

    2生物

    暴力《破壊》《味》《死》

    生命力:6基本攻撃《死》強打《破壊》

    2 亡者B

    3 亡者C

    4 亡者D

    5 亡者E

    NPC:福来 吉人 脅威度3 怪異 生命力10

    好奇心:情動 特技:《焼却》《恨み》            《物理学》《霊魂》 アビリティ  基本攻撃 (攻撃)《恨み》  報復   (サポ)《物理学》  取り憑き (サポ)《霊魂》 ※このデータは怨霊(P245)の流用改変です。

    NPC:大鏡 脅威度0 器物 生命力1

    好奇心:知覚  特技《情景》 アビリティ  置物   (装備) ※バッティングしない。

    NPC:黄泉の鏡 脅威度2 器物/怪異 生命力1

    好奇心:怪異  特技《夢》《暗黒》《死》 アビリティ  基本攻撃 (装備) 《暗黒》  召喚   (攻撃)  可変  置物   (装備) ※バッティングしない。

    ドッペルゲンガ 脅威度3 怪異 生命力10

    好奇心:知覚 《手触り》《物音》《罠》《混沌》 アビリティ  基本攻撃 (装備) 《混沌》  危険感知 (サポ) 《手触り》  ものまね (サポ) 《混沌》 ※P245参照

    ●儀式シート

    儀式シート 儀式名 黄泉路の封印段階 手順名 指定特技 参加条件 ペナルティ

    1 鏡を準備する 《情景》 誰でも可能 生命力-1

    2 術式を展開する 《魔術》 誰でも可能 正気度-1

    3 魂を捧げる 《死》 誰でも可能 成功すると「行動不能」に

    4 光を遮断する 《埋葬》 誰でも可能 なし

    5 ー ー ー ー

    6 - - - -

    ――――――――――――――――――9――――――――――――――――――

  • PC                 

    PC1        私は「大鏡」の捜索に参加することにした。 そもそも「黄泉の鏡」の捜索隊を結成したのは、この私である。

     私は怪談が大好きだ。

     私は独自に入手した情報によると、貴船高校に伝わる怪談の1つ「みかがみ様の大鏡」は、実在する可能性が高いようだ。

     ぜひ実物を拝まねばならない。

     私の【使命】は『怪談の真偽を明らかにする』ことだ。

    秘密               SHOCK 全員               

     私は覚えている。「大鏡」の捜索隊は自分含めて3人だったことを。

     しかし、いつの間にやらメンバーが1人増えて4人になってしまっている。増えたメンバーが誰なのか、私はなぜか思い出すことができない。

     どうやら、怪奇現象に巻き込まれているようだ。

     私の【真の使命】は『怪奇現象を解決する』ことである。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    PC                 

    PC2        私は「大鏡」の捜索に参加することにした。

     私は実のところ現実主義者であり、「怪談などに夢中になるよりも、もっと有意義な活動があるだろうに」と、思っている。

     だが、口ばかりで度胸がない人間と思われるのもしゃくにさわる。この怪談が噂に過ぎないことを証明してみせようじゃないか。

     私の【使命】は『怪談の真偽を明らかにする』ことだ。

    秘密               SHOCK なし              

     私は実のところ外面に反して信心深く、臆病なのである。平穏な日常が一番だ。 PC3の「死人に会いたいという気持ち」は危険なものだと思い警戒している。

     怪談が本当だとか嘘だとかどうでもいい。ただ、「貴船高校で起きている異常事態を早く鎮めなければならない」という思いがある。

     私の【真の使命】は『異変を鎮め、貴船高校の日常を取戻す』ことだ。

    心の闇               この情報は自分から           開示することはできない。        

    ――――――――――――――――――10――――――――――――――――――

  • PC                 

    PC3        私は「大鏡」の捜索に参加することにした。

     私は最近「最愛の人」を亡くしてしまった。けれど、なんとしても、もう一度「最愛の人」に会いたい。

     死者が映るという「みかがみ様の大鏡」を探しだすことができれば、「最愛の人」と再会することができるかもしれない。

    私の【使命】は『「最愛の人」とコンタクトをとる』ことだ。

    秘密               SHOCK  全員               大鏡の幽霊は、私にだけ、こう囁いた。『下弦月の日まで「大鏡」と「黄泉の鏡」を守りぬけ。そうすれば、お前の求めているモノを得ることができるだろう』と。 そして自分の身に、普通でない力が宿っていることに気づいた。 私は「プライズ:呪文」を所持している。

    「プライズ:呪文」(*この「プライズ」に秘密は無い)このプライズは、戦闘時に以下のアビリティとして使用できる。・攻撃アビリティ・指定特技:怪異分野から任意に選ぶ・目標を1人選択し、命中判定を行う。 成功した場合、使用者の正気度が1減少し  目標はマイナス3のペナルティで回避判定  を行う。目標が回避判定に失敗した場合、  目標に2D6のダメージを与える。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    PC                 

    PC4        私は「大鏡」の捜索に参加することにした。

     私は人からの頼みごとを断れない。そんな星の下に生まれているらしい。PC1からの頼みをどうしても断りきれず、「大鏡」の捜索に参加することになった。

     何事もなければいいのだが……。

     私の【使命】は『貴船高校の日常を守る』ことだ。

    秘密               SHOCK 全員              

     私はPC3が言う「最愛の人」というのが、PC3の妄想の産物だと知っている。 そして、妄想の「最愛の人」など忘れ、実在の人物に愛情を向けて欲しいと思ってる。

     私の【真の使命】は『PC3に、PCの誰かに対して 「愛情」の感情を持ってもらう』ことだ。

     この秘密をPC3が獲得してしまった場合、PC3は狂気を1枚獲得し、PC3の【使命】は『黄泉の国へ到達する』に変化する。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    ――――――――――――――――――11――――――――――――――――――

  • NPC                 

     器物:大鏡     貴船高校の隠し部屋に設置されていた 直径1mほどの円形の大きな鏡。

     謎の人影が映っていたような気がするが、 気のせいだったのだろうか。 今はおかしなものは映っていないようだ。

    秘密               SHOCK  なし             

     なんの変哲もない鏡だが、なにか「ほかの力」の媒介となっているようだ。1ダメージでも受ければ破壊されてしまうだろう。

     しかし、大鏡は高いところに飾られているため、戦いを挑むためには脚立(=「器物:大鏡」の居所)が不可欠だろう。

    《器物:大鏡の戦闘時データ》好奇心:知覚  特技《情景》 アビリティ  置物(装備)=バッティングしない。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    NPC                 

     器物:黄泉の鏡    「福来義人」が研究していた鏡。 「みかがみ様」の怪談のモトネタと思われる。

     黄泉の国を映すという噂だが……。

    秘密               SHOCK  全員              

    黄泉の鏡について、以下のことが分かる。

    ・この鏡と別の鏡を向かい合わせ、「合わせ鏡」にすることで「異界への道」をつなげることができる。・黄昏の光が差込むときに、最大の力を発揮する。・満月の日に出現する「さらに強力な鏡」と組み合わせることで、はるか遠くの異界への道を開くことができる。・黄泉の鏡は1ダメージでも受けた場合、破壊される。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。        

    ――――――――――――――――――12――――――――――――――――――

  • 場所                 

     隠し部屋      貴船高校に隠されていた部屋。 大鏡が設置されている。  大鏡の周囲は怪しげな文様が赤い塗料でかかれており、古ぼけた資料がその上に散乱している。

    秘密               SHOCK なし                 

    【拡散情報】 この資料には以下のことが書かれている。 ・この建物は軍事研究施設だった。 ・「黄泉の鏡」の研究をしていた。 ・研究責任者の名は「福来吉人」 ・「福来」には優秀な助手がいたらしい。

    「器物:黄泉の鏡」「NPC:福来吉人」のハンドアウトを公開する

    心の闇               この情報は自分から           開示することはできない。        

    NPC                

    福来 吉人 (ふくらい よしひと)    戦時中に貴船高校のもとになった研究施設で研究員をやっていたらしい。

    秘密               SHOCK  なし              

     私は黄泉の鏡を研修し、異界から不死身の兵士を召喚する研究をしていた。その研究の一環として「大鏡」を作りだした。だが、途中で助手が裏切った。命を賭けた助手の術式により、私は「大鏡」に封印されたのだ。 亡霊として大鏡に取り付いており、大鏡が戦闘を仕掛けられたら、戦闘に乱入する。

    《福来吉人の戦闘時データ》好奇心:情動 特技:《焼却》《恨み》            《物理学》《霊魂》 アビリティ  基本攻撃 (攻撃)《恨み》  報復   (サポ)《物理学》  取り憑き (サポ)《霊魂》

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。        

    ――――――――――――――――――13――――――――――――――――――

  • プライズ               

      古ぼけた冊子   貴船高校の資料室で見つかった古い冊子。

    「……貴船浦の……建物に大鏡を……した。 …合わせることで……黄泉路つながる…」

     という一文は何とか読むことができる。

    秘密               SHOCK  全員              

     別のページに、「『大鏡』は、『黄泉路』と呼ばれる『異界への道』を作る装置……の一部である」と、書いてある。

     「『大鏡』を壊すことで、開いてしまった『黄泉路』を縮小することができる」とも書いてある。

     これ以上の内容は、この冊子を書いた本人が、このプライズを手にしない限り、知ることができない。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。        

    情報                 

    福来の助手について  昔、この地に「福来吉人」という研究者がいたらしい。そして「福来吉人」には優秀な助手がいた。

     福来の助手は、信心深く臆病な性格だったという。平穏な日常が一番だとよく言っていた。

     彼の居た研究所では怪奇現象が発生していたらしく、これを鎮めるために行動していたという。

    秘密                SHOCK  なし              

     昔、この地に「福来吉人」という研究者がいた。 福来の助手は、「PC2」と同姓同名である。 

     彼は死ぬ前に、自分の研究を記したノートを残したと言われている。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    ――――――――――――――――――14――――――――――――――――――

  • 情報                 

    PC3追加ハンドアウト  とある条件を満たした場合に、このハンドアウトをPC3のみに公開する。このハンドアウトの秘密は「PC3の秘密」として扱い、情報共有は通常の秘密同様に発生する。また、このハンドアウト公開前に、PC3の秘密を獲得していた人に向けても、この秘密に対する情報共有が発生する。

    【獲得条件】 PC3が、誰かに「愛情」の感情を持つ。 ただし、器物に「愛情」を持った場合は 例外として獲得条件にならない。

    秘密                SHOCK  なし              

     このハンドアウト獲得したをPC3の【使命】は『愛する人の【使命】を達成すること』になる。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    情報                 

    PC4追加ハンドアウト  とある条件を満たした場合に、このハンドアウトをPC3のみに公開する。このハンドアウトの秘密は「PC4の秘密」として扱い、情報共有は通常の秘密同様に発生する。また、このハンドアウト公開前に、PC4の秘密を獲得していた人に向けても、この秘密に対する情報共有が発生する。

    【獲得条件】 PC3が、誰かに「愛情」の感情を持つ。 ただし、器物に「愛情」を持った場合は 例外として獲得条件にならない。

    秘密                SHOCK  なし              

     PC4の【真の使命】は消失する。 PC4のハンドアウトの表側に書かれた【使命】こそが、PC4の【真の使命】となる。

    心の闇               この情報は自分から          開示することはできない。       

    ――――――――――――――――――15――――――――――――――――――

  • 各種イメージ図

    「貴船高校の隠し部屋」 「タカフネ様内部」

    「『貴船』周辺地図」 「『貴船』周辺地図(大引き潮)」

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    「三鏡」の位置関係の概要図(18:00)

  •  おまけコラム     

     「ライナーノート」とか「シナリオチャート」とかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ○ライナーノート(妄言です) シナリオの縦軸は、「怪奇現象を解決すること」にあり、その周辺に「最愛の人」絡みの話があり、ストーリーを厄介にしてくれている。 オープニングで怪現象加速スイッチ(隠し部屋開放)が入ってしまうので、怪異を抑止して、怪談の真相にたどり着くことでグッドエンドとなる。 PC3、PC4はそれだけでは、グッドエンドに至れない。出口としては、PC4をPC3の新しい「最愛の人」とする方法があり、これにたどりつかないと、全体的に詰む。PC4超がんばれ。

     「周辺地図」や「鏡の配置イメージ」などを用意している(ヘタですまん)ので、必要に応じてPLに開示してほしい。開示タイミングはシナリオ上では指定しない。めんどくさいから。

    ○シナリオチャート(あくまで参考程度にね) ■オープニング ・「古ぼけた冊子」を獲得するシーン。 ・「捜索隊」が集まったシーン。 ・「隠し部屋」にたどり着いたシーン。  丸い大鏡から、黄色い光とともに飛び出す。  PCたちはそのままその場で気を失う。起きると、そこには大鏡があるだけ。 ▼メインフェイズ挙動予測(てきとー)  ■第1サイクル   PC1⇒PC2の秘密 PC2⇒大鏡の秘密 PC3⇒大鏡感情 PC4⇒PC3居所  ■第2サイクル   PC1⇒PC3の秘密 PC2⇒隠し部屋  PC3⇒黄泉感情 PC4⇒PC3戦闘  ■第3サイクル  PC1⇒黄泉鏡秘密 PC2⇒福来吉人  PC3⇒鏡居所 PC4⇒鏡戦闘

     (クライマックス前に、皆で集まるシーンを作って情報交換を促すのがよい)   ⇒「助手について」によりPC2を特定。論文渡し、対策法を知る。

     ▼情報フロー ・「隠し部屋」⇒<高校の過去>⇒「器物:黄泉の鏡」「福来吉人」 ・「器物:黄泉の鏡」⇒<いま起きている事件真相> ・「福来吉人」⇒<助手いいひと>→「助手について」→<研究者の名前は「PC2」> ・「器物:大鏡」⇒<鏡の破壊の仕方>

    ○エンディングパターン ・パターン1:鏡を破壊して、出てきた小物怪異を日が暮れる前に押し返す。 ・パターン2:儀式を行って、黄泉路を封印する。 ・パターン3:黄泉路を解き放ち、黄泉の世界へと至る。

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  •  シナリオ背景     

     「貴船高校できごと年表」(※おまけです。読まなくてもシナリオは進行できます)

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    ○紀元前 プレアデス人がその地を選んだのは、「通路」としてふさわしい湖があったからに他ならない。この湖をプレアデス星団の「セラエノ」へ通じるための通路にするために、彼らは2つの装置を置いた。1つが今で言う、「黄泉の鏡」であり、もう一つが「失われた鏡」である。機能はどちらも同じだ。 彼らはこれらを使い、セラエノとこの地を自由に行き来していたが、やがて、この地を訪れることはなくなり、鏡は置き去りとなった。 ときは過ぎ、湖は「貴船浦」となり、海上にとりのこされた「黄泉の鏡」は、朽ちることなく残り続け、陸上の「失われた鏡」はどこかへと失われた。

    ○第2次世界大戦前 「貴船浦」のほとりには、ヨミと呼ばれる村ができていた。死者の国と思しき「異世界」を映し出す鏡を祭り、たまに死者を映し出して、死者を引きずる人に踏ん切りをつけるための儀式をしていた。 だが、過去にいろいろと試してみた者がいたのだろう。「鏡を、他の鏡と向かい合わせにしてはならぬ」という言い伝えだけは残っていた。江戸時代頃には、「ヨミ」という音を嫌い、「キセン」という符丁でこの村は呼ばれることになる。 福来吉人はキセン村の青年だった。彼は子供のころに好奇心から黄泉の鏡を合せ鏡にしてしまい、黄泉路を開いてしまった。村人は犠牲を出しつつも、鏡から出現した亡者を撃退することに成功するが、吉人少年は村から追放されてしまう。

    ○大戦中 遠い親戚の家に預けられた吉人は、長じて軍属の研究者となる。研究内容は「不死の兵士」。「黄泉の鏡」の秘密とともに「不死の兵士」計画の論文を提出する。晴れて、軍からのお墨付きを得た吉人はキセン村をまるごと接収する。反発する村人はもちろん殺された。 こうして接収したキセン村を、吉人は「貴船」という字を宛てて表現した。「きふね」の誕生である。 「黄泉の鏡」を使って実験を繰り返す吉人。貴船浦が「水鏡」となること、それを合わせ鏡に組み入れ「三鏡(みかがみ)」とすることで、鏡の力が増幅することを発見する。そして、「黄泉の鏡」と「水鏡」がもっとも力を発揮する場所に「大鏡」を設置するべく、厳重な研究施設を建設する。この時に増員として呼ばれたうちの1人が「PC2」である。「PC2」はこの研究に危険なものを感じており、「黄泉路」を封じる方法を密かに研究していた。 吉人が大鏡を完成させ、黄泉路を開こうとしたその日、大鏡の部屋で吉人と二人にきりになる。さらに腹心の部下(川畑権造)に、合図とともに部屋を埋めてしまうように伝える。「PC2」は自身が見つけた技法により、「自分」と「福来吉人」の命を犠牲にすることで、「黄泉路」の力を大鏡の中に封じ込めたのだ。

    ○第2次世界大戦後 その事件が終わった後、研究施設は打ち捨てられる。戦況も悪くなっており、失敗した研究に構う暇はなかったのだ。そして戦争後、ほそぼそと戻ってきた貴船村の住人と、事件で死んだように見せかけて土着した研究員などにより、朽ちた研究施設は有効的に利用されるようになる。最初こそは役所のようにも使われていたが、そのうち他にまともな建物もできてきたため、最終的な用途は「学校」に落ち着いた。そして、その「学校」はやがて貴船高校となる。何度となく改装されるが、隠し部屋だけは触らないように、そしてより目立たないようにと改装されていった。

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  •  シナリオ背景     

     「貴船高校の現状」(※おまけです。読まなくてもシナリオは進行できます)

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    ○黄泉の鏡 沖に立つ小さなお社「貴船様」にまつられているのが「黄泉の鏡」。 異界の魔力をおびており、異界の門としての力がある。 合わせ鏡や、「三鏡」にすることで、はるか彼方の異界への回廊(黄泉路)をつなげられる。 今は貴船高校の大鏡が隠し部屋に封印されているので、黄泉路が繋がっていないが、 探索の途中に隠し部屋の窓を開けることで、黄昏の光が差込み、 黄泉路が再稼働することになる。ただし、黄泉(異界都市カルコサ)に つながるためには水鏡の力が最大になる大引き潮の日をまたねばならない。

     伝説では、黄泉の国へ行った者の姿を映し出し、 黄昏時に覗き込んでしまった者は黄泉の国へと連れ去られてしまうとされている。

    ○貴船高校で日常的に発生する怪奇現象 「貴船様」にある「黄泉の鏡」に高校全体が映り続けている関係上、 貴船高校は常に異界と接している状況にある。 たまに異界の住人が高校内の鏡を通してこちらの世界に来ているのだ。

    ○PC2 の正体 戦時中に「黄泉の鏡」を研究していた、「福来吉人の助手」の幽霊。 彼は研究のなかで、魔導と科学が入り混じった「心霊科学」を体得し、その研究をノートに残した。 PC たちが隠し部屋にたどりつき、黄泉路の封印が解かれたことで、 いけにえとなっていた PC2 の心霊もいっしょに蘇った。 だが、復活時の衝撃で封印をといた PC たちと記憶が混線。 「自分が何もであるか」も「心霊科学」による封印術も忘れてしまい、 自分のことを現代の人間であると誤認していた。

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    ○「黄泉の鏡」の封印方法  0.黄泉の鏡の力が最大になる時(満月の日の黄昏時)に、  1.封印用の鏡を用意し、  2.正しい術式を配置し、  3.そこに人の魂を生贄に捧げる。   すると、封印用の鏡に「力ある光」が溜まるので、  4.日が暮れ終わるまでの間に、その鏡を光から断絶する。

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    ○というわけで実は このシナリオは「クトゥルフ神話シナリオ」であることを意識して作ってあったりします。 シナリオを作るうえでは、「みかがみ様」の正体は「黄衣の王」ハスターと意識していますが、 GMするときは、そんなこと意識しなくてもシナリオは進むのでまったく気にしないでOKです。

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  • 怪奇現象シーン表

    3 夢。黄泉の世界で死人と戯れて暮らす私。そんな夢を見たのだ。狂気1枚獲得

    4 教室。よく知っている友人。その影が、異様な形をしているように見える。

    5 図書室。過去の研究資料を発見。それは想像以上に残酷な内容だった。

    6 校門。友人との会話がかみ合わない。約束していないことを約束したと言われたり……。

    7 海辺。この世のものとは思えない、名状し難い声を確かに聞いた。恐怖判定「物音」

    8 廊下。通りかかった窓ガラスを覗くと、ミイラのように朽ちた誰かの姿が見えた。

    9 体育館。ポルターガイスト!? 無数のボールが自分めがけて飛んでくる。生命力−1

    10 教室。「もうすぐ、帰れる」と声がする。あちこちの「光るもの」から聞こえるようだ。

    11 理科室。天井から赤い液体が落ちてくる。見上げると……。恐怖判定「情景」

    12 トイレ。手を洗っていると、鏡の中の私が手を伸ばしてくる。恐怖判定「手触り」

    13 屋上。夜空に輝く赤い星から、恐ろしい化け物が襲来する姿を幻視する。狂気 1 枚獲得

    14 廊下。合わせ鏡のようにいつまでも続く廊下。「追跡」判定。失敗するとシーン終了

    15以上

    海辺。海の奥から、何か巨大で恐ろしいものがこちらを見ている。狂気 2枚獲得

     写真素材:Free Photo Material

      http://free-photo-material.com/

     シナリオ作成:GMJ (WEBサイト「GaMeCreature」)

      http://gmcmaster.blog119.fc2.com

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    インセイン 現代日本シナリオ スクールライフ

        みかがみ様      (Ver.2.0)