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2014 12月号 NPO 法人 RASA-Japan SINCE 1985 世のため!人のため!RASA のため! 理事長 藤井 典夫 秋は各地でいろいろなイベントが開催されていま す。 わたしたち RASA も自分の所属教会のバザーで コーナーを頂きフェアトレード品の販売をしました。 その中には、フィリピンの母親たちが地域の子供たち を飢えから守るためや小学校に通わせるため、家族を 養育するために、ヤシの油を主原料にした手作りの石 鹸を作っていますが、それを販売いたしました。 この石鹸は、名古屋の南山教会と膳棚教会のバザーで も販売させていただきました。 RASA の学生団体 MY-PJ は名古屋のオアシス21 で開催された「ワールド・コラボ・フェスタ」という 国際団体が一堂に集まる大会会場でも売りました。 ある支援者がオーストラリア、ベルギー、ドイツ、イ ギリスの知り合いの方にお願いして、大変きれいで、 珍しいクリスマス・カードを大量に取り寄せて下さり それをご寄附くださいました。 大津市の会員の方からは、京都の名所などを背景に した便箋や一筆箋をこの時期になると沢山ご寄附い ただき、貴重な財源確保の一つとなっております。 今年のバザーでは、これらに加えて愛知県瀬戸市のド ミニコ修道会のシスターが食器や台所用品をご寄附 くださいました。RASAのバザー・ブースは大変賑 やかな商品であふれました。 平針教会にはフィリピン人の信者さん方が約10 名おられます。この方々が母国を支援している RASA の助けになればとの思いから、ミサ後のコーヒー・シ ョップをオープンし、その収益を母国への思いを込め RASA に寄付してくださっています。 このようにして、一つ一つの売り上げは100円玉 の世界ですが RASA にとっては大変ありがたい支援 になっております。改めて「100円を消費するの は簡単だけど、100円を稼ぐむずかしさ」を実感し ております。 円安とペソ高の打撃 先回号のニュースレターで私たちの決算報告をさ せて戴きました。その時の1ペソは2.3円でした。 それが現在は、2.8円まで高騰しております。 活動資金が不足気味の RASA にとっては由々しい事 態です。ご寄附いただく方々の節約、努力がその寄付 に込められているに違いありません。 買い物で衝動的に買いそうになったとき、その気持ち を抑えてその分を蓄え、毎月確実に15,000円ご 寄附して下さる方がおられることを知って感激いた しました。事務所には6人のボランティアの方がパソ コンのインプットや、事務処理のために入れ代わり立 ち代わり出勤されています。せめてガソリン代、交通 費だけでも支払いたいと思っている矢先、実現は又も 先送りとなりました。 会員の皆様、ご支援者の皆様のその先には、これま で一日に一食の食事も満足に食べられなかった子供 達がおいしそうに給食を食べる姿があります。 3年前から始めたサウスビルの栄養障害児救済事業 は、24名からスタートしました。物価が上昇した今、 それでもやり方を工夫し、無駄を省き50名の子ども たちが給食に与っております。毎月、体重と身長の記 録を見ていますが、確実に改善されております。 栄養状態が改善されると、命が危険な状況に置かれて いる子供と入れ替えして救っております。危険な状況 が解決すると元の子どもと再度入れ替えます。 餓死寸前の子どもはサウスビルにはまだまだいます。 日本では学校給食が当たり前ですがそれすらありま せん。シーランド名誉理事長ともども頑張りますので、 ご支援をよろしくお願いいたします。 Vol . 1

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2014 年12月号

NPO 法人RASA-Japan SINCE 1985

世のため!人のため!RASA のため!

理事長 藤井 典夫

秋は各地でいろいろなイベントが開催されていま

す。 わたしたち RASA も自分の所属教会のバザーで

コーナーを頂きフェアトレード品の販売をしました。

その中には、フィリピンの母親たちが地域の子供たち

を飢えから守るためや小学校に通わせるため、家族を

養育するために、ヤシの油を主原料にした手作りの石

鹸を作っていますが、それを販売いたしました。

この石鹸は、名古屋の南山教会と膳棚教会のバザーで

も販売させていただきました。

RASA の学生団体 MY-PJ は名古屋のオアシス21

で開催された「ワールド・コラボ・フェスタ」という

国際団体が一堂に集まる大会会場でも売りました。

ある支援者がオーストラリア、ベルギー、ドイツ、イ

ギリスの知り合いの方にお願いして、大変きれいで、

珍しいクリスマス・カードを大量に取り寄せて下さり

それをご寄附くださいました。

大津市の会員の方からは、京都の名所などを背景に

した便箋や一筆箋をこの時期になると沢山ご寄附い

ただき、貴重な財源確保の一つとなっております。

今年のバザーでは、これらに加えて愛知県瀬戸市のド

ミニコ修道会のシスターが食器や台所用品をご寄附

くださいました。RASAのバザー・ブースは大変賑

やかな商品であふれました。

平針教会にはフィリピン人の信者さん方が約10

名おられます。この方々が母国を支援している RASA

の助けになればとの思いから、ミサ後のコーヒー・シ

ョップをオープンし、その収益を母国への思いを込め

て RASA に寄付してくださっています。

このようにして、一つ一つの売り上げは100円玉

の世界ですが RASA にとっては大変ありがたい支援

になっております。改めて「100円を消費するの

は簡単だけど、100円を稼ぐむずかしさ」を実感し

ております。

円安とペソ高の打撃

先回号のニュースレターで私たちの決算報告をさ

せて戴きました。その時の1ペソは2.3円でした。

それが現在は、2.8円まで高騰しております。

活動資金が不足気味の RASA にとっては由々しい事

態です。ご寄附いただく方々の節約、努力がその寄付

に込められているに違いありません。

買い物で衝動的に買いそうになったとき、その気持ち

を抑えてその分を蓄え、毎月確実に15,000円ご

寄附して下さる方がおられることを知って感激いた

しました。事務所には6人のボランティアの方がパソ

コンのインプットや、事務処理のために入れ代わり立

ち代わり出勤されています。せめてガソリン代、交通

費だけでも支払いたいと思っている矢先、実現は又も

先送りとなりました。

会員の皆様、ご支援者の皆様のその先には、これま

で一日に一食の食事も満足に食べられなかった子供

達がおいしそうに給食を食べる姿があります。

3年前から始めたサウスビルの栄養障害児救済事業

は、24名からスタートしました。物価が上昇した今、

それでもやり方を工夫し、無駄を省き50名の子ども

たちが給食に与っております。毎月、体重と身長の記

録を見ていますが、確実に改善されております。

栄養状態が改善されると、命が危険な状況に置かれて

いる子供と入れ替えして救っております。危険な状況

が解決すると元の子どもと再度入れ替えます。

餓死寸前の子どもはサウスビルにはまだまだいます。

日本では学校給食が当たり前ですがそれすらありま

せん。シーランド名誉理事長ともども頑張りますので、

ご支援をよろしくお願いいたします。

Vol . 18

主な活動(2014 年 7 月~11 月)

◆7月4日ボランティア募集説明会

南山ロゴスセンター

7日 同上 南山大瀬戸キャンパス

6日 南山教会にて募金活動

9・11・16・29 日 認定 NPO 法人申請のた

め法務局名古屋市当局に出向き、講習や指導

を受ける。会計担当理事による法的書類の作

成や事務関係の書類整備を行い、申請受付許

可が出るまで、事務所全員で準備を遂行。

11 日 市政記者クラブに給食活動の資金不

足・支援要請記事をリリース

13 日 平針教会にて募金活動

31 日「平和の集い」8 月 3 日のリハーサル

◆8 月 3 日「平和の集い」RASA 後援、MY‐PJ

出演 大盛況

19 日 認定 NPO法人認可申請書類提出

30 日 スタッフ会議

◆9 月 5 日 名古屋市天白区社会福祉協議会誌に

学校建設ボランティア募集記事掲載

20 日 ウイルあいちにて 2013 年度モリコロ

助成金報告会でスピーチ

22 日 ボランティア募集説明会

ロゴスセンター・瀬戸キャンパス

23 日 ジェイク神父帰国で、16 年春建設地

や同地の給食支援の件で情報交換

23~26 日 フィリピンサウスビルへ出張

14 年度サウスビル給食契約と

来年度新たな使用建物確認

9 月 28 日 東京都町田教会の招待で講演会

Fr.Seland 講演、事務局 2 人給食活

動プレゼンテーションを実施、次年

度サウスビルの支援を依頼する。

◆10 月 3 日 スタッフ会議

19 日 平針教会バザー出展

16 日 南山教会バザー出展

13・24 日 募集説明会ロゴスセンター

16・20 日 募集説明会南山大瀬戸キャンパス

23 日~25 日名古屋栄で「ワールド・.コラ

ボ・.フェスタ」に MY-PJ 参加

RASA の活動発表

31 日 モリコロファンド助成金申請

申請まで、3 回市民活動推進センタで

延べ 9 時間の指導の下、準備を進め

申請にこぎつける。(来年 3 月末合否決定)

◆11月 6日 大手新聞社に学校建設ボランティア

募集記事をリリース

10 日 スタッフ会議

サウスビルの契約で、現地と交渉や

手続推進

20 日 オールアイシン助成金申請

18 日 リンダ・滝さんにインタビュー

23 日「手を貸す運動Ⅱ」に改めて、次年度

給食の支援をお願いする。

25 日 JICA 中部・NGO意見交換会出席

~30 日 この間同時進行で建設ボランテ

ィア募集・申込書受理業務

現在学校建設ボランティア参加 56 名予定

トピック!!

カトリック平針教会に通うフィリピン出身の方々が、RASA への募金活動

に協力してくださいました。また、教会で開かれる日曜日の喫茶では、毎月

第 1 日曜を担当し手作りのお菓子を持ち寄ったりし、売り上げの一部(各回

数千円)を RASA に寄付してくれています。慣れない日本での生活、子育な

ど、様々な困難を乗り越えたうえでのご協力に、心より感謝申し上げます。

9月 28 日(日曜日)1 時半より、東京・町田教会に招かれて、シーラン

ド名誉理事長と藤井夫妻が話をして来ました。その後お茶会で質疑応答も。

■2013 年学校建設地カンドンの小学校の児

童 30 人に対し、2014 年度から、「手を貸す

運動Ⅱ」のご協力で給食が行われています。代表の佐藤氏が所属する町田教

会を会場に、シーランド名誉理事長がここに至るまでの歴史を 1 時間半にわ

たり講演し、藤井夫妻が RASA で行う給食事業についてパワーポイントを使

って説明しました。■「手を貸す運動Ⅱ」では、直接現地を視察していない

ため、支援者への報告を兼ねて企画されたものです。ライオンズクラブ、ロータリークラブのメンバーを始

め、たくさんの方が聞きに来てくださいました。思いがけず、教会の小学校低学年のお子さんが「私たちが

作った物が売れたので」と RASA に寄付をくださいました。大変感激し、ありがたく頂戴しました。■当

日参加されたイラストレーター池永廣美氏が講演の内容をまとめ、会報に掲載されたルポの転載許可をいた

だきましたので、照会します。

特別企画

なごや国際交流団体協議会 会長

セントラル ジャパン インターナショナル ソサイエティー 議長

◆フィリピンから日本に来られ、大活躍をされてきた

リンダさんですが、まずお生まれは?

ルソン島北部のバギオで生まれました。父は会計士、

母は幼稚園の先生をしていました。兄が一人います。

フィリピンにしては、兄弟は少ない方ですね。母は、

スペイン系できびしい人でした。小学校は歩いて 10

分ほどの所でしたが、原住民に襲われないかいつも心

配していました。バギオは爽やかで気候が良く、避暑

地としても有名な所なんですよ。

◆のびのびと幼少期を過ごされた?

いいえ。小学校2年生のときからピアノを習い始め、

毎日練習ばかりしていました。遊ぶ暇はなかったです

ね。小学校といっても、授業は英語で公用語はタガロ

グ語もありますし、地元では全く違う言語を話してい

ます。3 種類の言語を使っていました。

◆その後もバギオで暮らしたのですか?

ハイスクールに入る時に、母と二人でマニラに引っ

越しました。高校でもピアノを続け、高校 2 年のとき

には、コンサートを開くまでになっていました。その

ときのピアノの先生とは、のちに日本で運命的再会を

します。今考えても、本当に不思議な気持ちになりま

す。

◆どんな再会でしたか?

主人と結婚し名古屋で暮らすようになったある

日、警察から電話がかかってきたのです。「フィリ

ピン人女性が捕まっているが、強制送還するにも金

を持っていない。保証人になってくれないか。」個

人では背負いきれないと思い、東京のフランシスカ

ン修道院に相談すると、引き受けてくれました。夫

が仕事を休み台風の近づく日に東京まで車で連れ

て行き、シスターに引き渡したのです。すると、何

とそのシスターが私のピアノの先生だったのです。

お互いフィリピンを離れ、日本で暮らしていたので

した。この広い世界でこんなかたちで再会するとは、

考えてもみませんでした。

◆国際交流活動の始まりですね。

本当にたくさんの問題と関わりました。皆それぞ

れの事情をかかえています。で

も後で分かったのですが、お金が無いと言っていた

その女性は、一万円札をタバコのようにきっちりと

巻いて 10 本も持っていたのです。1980 年代には、

ジャパユキさんという言葉がありました。日系二世

を装い偽造パスポートを買って日本に出稼ぎに来

るのです。

◆リンダさんとご主人との出会いは?

皆さん知りたがります(笑)。1974 年のこと、夫

は名古屋大学の大学院生でしたが、日本の歯科医師

の団体と一緒にバギオに観光に来ていました。私も

丁度、カナダ在住の友だち二人が観光をしたいと言

うので案内していました。私はすでに大学を卒業し、

マニラで働いていましたが、恥ずかしがりやでボー

イフレンドもいませんでした。観光の先々で一緒に

なる日本人達に、カメラのシャッターを押すように

頼まれたりしていたので、友だちは「彼らに誘われ

たら、はい、と言うのよ。」とけしかけました。観

光の最終日に、今の夫と電話や住所の交換をしたの

です。それから、夫からたくさんの手紙が来ました。

一年後には、お母さんと一緒にフィリピンにやって

来たのです。

◆すんなりと結婚に?

二カ月間、どうするべきか神に祈りました。まわ

りの人は、「私の親族は日本兵に殺された。何で日

本人と結婚するのか」「仏教徒と結婚していいのか」

など、色々言いました。でも、海外で暮らしたいと

いう夢もあったのです。英語が得意とはいえない夫

と、日本のことは何も知らない私が結婚にいたりま

した。

◆日本に来て苦労もあったのでは?

たくさんありました。初めて住んだのは二間きりの

アパートで、玄関を入るとすぐ台所とお風呂、その先

に6畳と4畳半があるだけでした。日本語も文化も料

理も知らず、苦労の連続でした。夫は優しくしてくれ

ましたが、フィリピンの音楽をかけたり、ニンニクを

たくさん使った料理をすると、近所の人に不審がられ

ましたね。 (つづく)

連載 RASA の生い立ちと歩み(6)

18 新聞記事の威力

シーランド神父は南山大学の構内にあるロゴスセ

ンターのボランティア団体の顧問をしていた。

できるなら彼らにフィリピンの実情を見せてやりた

いと常々思ってきた。

2年前はタイの学校建設現場に数名の学生を連れ

て行った。しかし現在のボランティア団体には外国で

の活動を経験させてはいない。週二回、ホームレスへ

の炊き出しをしているマザーテレサ修道会のシスタ

ーたちの手伝いを主な活動としていた。

ある日のミーティングの時、シーランド神父は自分

の思いを彼らに話してみた。

「フィリピンの貧しい田舎に学校を作ってあげたい

と思っている。」学生たちの目が一瞬光ったように感

じた。「学校がないために字も書けなければ読むこと

もできない。まして、計算なんかとんでもない。

だから、彼らは貧困から抜け出すことが出来ないのだ

ろうと思う。そこの子どもたちは成長して大人になっ

ても、今のままでは、この現実は変わらない。何とか

しようと思う人は大変無謀なことだが、借金で旅費を

作り、セブやマニラの都会目指してより良い生活を求

めて田舎から脱出する。都会に出てみるとそこには、

同じ思いで田舎や離れ島を飛び出した無数の人であ

ふれかえっていた。

読み書き計算ができない文盲にできる仕事があろ

うはずがなかった。文盲でなければ、出身地の田舎で

も生活はできているのだが・・。」

みんなは黙って、静まり返って、少し身を乗り出すよ

うにして、神父の話に集中しているのであった。

「こうして物乞いをしながらの路上生活が始まるの

である。中には犯罪に手を染める人も後を絶たないそ

うである。そのうちの、特に家族がある人はゴミ捨て

場に生活を求めて、ペット・ボトルや段ボール、空き

缶などの換金物をあさるようになる。家族を食べさせ

るためである。一日百円か二百円にもならない稼ぎ。

今ゴミの山で暮らしている人の数はマニラだけで二

万人とも三万人とも言われている。私は一人でも二人

でも、こんな無謀と思える人たちの行動を抑えたいと

思っている。そのためには、文盲を防がなければこの

悪循環は永遠に続くと同時に、増える一方であると私

は思う。」

シーランド神父は、自分がこれまで抱いてきた自分の

夢の実現に向かって、一種の自己陶酔に陥ったかのよ

うに、一気に学生たちに訴えた。そして続けた。

↑テント教室で勉強する子どもたち

「だけども、学校を作るには多額の建設費がかかる。

私は、建設資金を集めたい。寄付して下さる方々を募

ってフィリピンの子どもたちを救いたい。だが、まだ

その方法が見つかっていない。残念ですが・・・・。」

ここまで一気に訴えるようにしゃべった。

話し終えて、しばらく全員が呆然としたような雰囲気

で静まり返っていた。

どれほどの時間が流れたか、一人の女子学生がぽつり

と言ったような発言をした。

「先生!私の親戚に地方有力新聞社の記者がいます。

今伺った話をしてもいいでしょうか?」

この発言がきっかけとなって、いろいろなアイデアが

出された。結論は、ボランティア団体の活動として、

“寄付をしてくださるスポンサー探し”、

“スポンサー紹介のビラの作成と配布。”

“ポスターを数枚作成して、校内に掲示する活動。”

早速、来週の会合時に全員がそれぞれ図案と校内で呼

びかけるビラのコピーを持ち寄って作成に入ること

に決まった。

それから幾日か過ぎた。仕事を終え、宿舎に帰った

とき「新聞社から電話がかかってきましたよ」といい

ながら係の女性からメモを渡された。

そこには地元の有力な新聞社の名前と、記者の名前、

連絡先が記されていた。

先日のミーティングの時の、一人の女学生が早速動

いたのだろうと感じた。すでに時間的には就業時間を

経過していたが、はやる気持ちと、期待する気持ちと

ですぐに電話のダイヤルを回した。

サウスビル給食プログラム報告

RASA 独自の予算でどうにか始めた 2014 年度

サウスビルでの給食事業ですが、またも大問題が

発生してしまいました。何と、給食場所として無

料で使わせてもらっていた建物を、親の職業支援

事業拡大をするために明け渡すように求められて

しまったのです。しかも、9月が期限だというの

です。突然給食が無くなってしまうなどいうこと

は、食べられなくなる子ども達が可哀そうで、3

月まで使えるように何とか交渉しました。

同時に現地責任者のエマさんに連絡し、至急給

食場所として使えそうな物件を探すよう依頼。す

ると、コンピュータハウスとして使われていたも

のの、現在休業している建物を借りられる目途が

つきました。家主も「本来は月額 5,000 ペソだが、

給食に使うなら 3,000 ペソの家賃でよい」と好意

的です。

早速 9 月 23~26 日に、サウスビルに出張して

きました。14 年度の正式契約書を取り交わすのも

休業中のコンピュータハウス↓ もう一つの目的でした。

候補の建物は、道

路に面した立地条

件のよいところで

したが、ブロック

塀にトタンの屋根

を乗せただけの、

簡単な造りでした。給食を行うには大改装が必要

です。調理場、水回り、屋根、防犯のため窓の交

換など一式を、業者に見積もってもらいました。

今まで使っていた椅子、テーブル、冷蔵庫など

の引っ越しは、地域の人々が人力で行ってくれそ

うです。そもそも、地

元には引っ越し業者の

ようなものは存在しな

いのです。

もう一つの問題は、

今年度経費節減のため ↑候補建物の内部

現地スタッフのエマさんと直接契約をしました

が、自宅にはパソコンもなく電話もいつつなが

るか分からないような状態で、連絡に非常に苦

労しています。郵便では当然日数がかかります

し、事業遂行や資金の使用状況の把握、領収

証の確認などのためにどうしてもパソコンが

必要になってきたのです。そのため、パソコン・

プリンタ購入費、ネット接続費用も見積もりま

した。

合計 216,736 円。RASA にとっては大きな出費

ですが、もし、このプロジェクトが成功すれば、

専用の施設を持つことになります。給食の時間帯

以外は、この地区のコミュニティーセンターとな

り、子どもの居場所・親の情報交換の場として、

生活向上の大きな助けとなることが期待されるの

です。そうなれば、本も置いてあげたい、鍵盤ハ

ーモニカのような簡単な楽器やボールなどもあれ

ば、どんなにいいだろうと夢は広がります。

いきなりの退去依頼に本当に動揺しましたが、

ラグ作りの場所に間借りするよりは、ホコリっぽ

さもなくなり、衛生的にもなります。この建物を

最大限利用して、彼らの生活が向上し自立に向か

ってくれるよう願ってやみません。

本日のメニュー みんなで食べると嬉しい 年の割に小さな子ども ノートで管理です。

地域の交流の場を、子ども達の居場所を作りたい!

子ども達の命・未来・笑顔をまもるため、給食を続けたい!

皆さまのお力を贈ってください。 栄養を考えた、お替りができる食事が 1 食 78 円

2014 年度学校建設ボランティア予定

今年度から学校建設ボランティアは、従来の夏休み時期から春休み時期に変更しています。台風などの

影響を受けないよう、安全に配慮してのことです。今回の建設地は、フィリピン北部の山間の地域で例年

以上に日本での生活とは異なる経験ができることと予想されます。実施予定は以下の通りです。

期間:2015 年 2 月 14 日(土)~3 月 3 日(火)18 日間

場所:南イロコス州ガリムヨド市ビトン小学校

規模:3 教室新築(トイレ付)

参加者:約 50 人

建設ボランティア実施報告は、次号のニュースレターに

掲載します。お楽しみに! 新校舎完成予想図

MY-PJ 学校建設の募集説明会を開催しました!

南山大学瀬戸キャンパスでは 10 月 16, 20 日、名古屋キャンパスでは 10 月 17, 21 日に学校建設ボランティア

説明会を開催しました。この説明会では春の説明会と同様に、スライドや地図と共に学校建設での活動内容や体

験談などを紹介しました。2 日間を通して多くの方に説明会に参加していただきました。

ワールド・コラボ・フェスタに参加しました!

10 月 25, 26 日オアシス 21 銀河の広場にて開催された、ワールド・コラボ・フェスタ 2014 に参加しました。

このイベントは、中部地域の国際交流・国際協力・多文化共生の活動をする市民, NPO, 企業, 行政が協力して

「学び、考え、行動する場」をつくるというものです。

私たち MY-PJ は、フィリピンの教育現場などの現状を紹介すると共に、そ

れに対して RASA がどのような活動を行っているかをブースに来ていただい

た方々に説明をしました。その中で学校建設ボランティアの参加者の募集も

行いました。また、フィリピンで作られた石鹸「シーランドソープ」の販売

もしました。

2 日間で多くの方が RASA のブースに足を運んでくださり、RASA の活動

を知っていただき、学校建設ボランティアに興味を持っていただくことができました。

MY-PJ では、いつでも新メンバーを募集しています! 大学に関わらず、興味がある方はお気軽に

[email protected] までメールしてくださいね!

MY-PJ 一同

特定非営利活動法人 RASA-Japan 理事長 藤井典夫

事務局 〒468-0014 愛知県名古屋市天白区中平2-2627 TEL・FAX 052-803-1649

E-mail: [email protected] HP: http://rasa-japan.com ゆうちょ銀行:00890-4-31185

RASA の活動は、皆さまからの会費や寄付によって支えられています。

平成26度会費の納入をお願いいたします。寄付もお待ちしております。

平成26度会費の納入をお願いいたします。寄付もお待ちしております。

ボランティア紹介 ◆杉山 宏さん

私は、藤井理事長さんの奥さまと高校の同級生です。昨年同級会があり、藤井様から

RASA の活動のお話しをお聞きしました。 今年8月にお手伝いをお願いできないかとい

う旨のお電話をいただきました。趣味や別のボランティアもあり、迷いましたが、64

歳までパソコンを使っていましたので、少しの日数で、事務的な仕事ならばお手伝いが

できると思ってお引き受けいたしました。足手まといになるかも知れませんが、よろし

くお願いいたします。

編集後記

RASA は今困っています。資金不足です。どう

か資金援助をお願いいたします。数人の方から大

きなご支援をいただける外は、件数、平均額とも激減。

募金や喫茶活動の寄付で収入獲得の活動を継続しており

ます。資金不足にもかかわらず始めた栄養障害児救済活

動の資金 3 か月分、奨学金とセブ給食資金 3 か月分、移

転場所改造費 22 万計 104 万必要ですが、今年度 67 万円

不足しています。出費は極力抑えて努力しています。事

務所スタッフの通勤費、ガソリン代自己負担、人件費ボ

ランティア、印刷物はすべて事務所で、外注はせず、事

務用品はネットで安価なもの探す。来年の学校建設資金

は別会計のため手を付けるわけにはいきません。

認定 NPO 法人の申請完了

■2009 年 10 月に、NPO 法人に登録、その後約 5 年後

の 8 月に名古屋市指導の下、認定 NPO 法人へ登録を勧

められ、2 年以上かけて、体制整備や経理処理の準備を

進めてまいりました。現在書類審査中で判定期間は、6

か月から 1 年近くかかる厳しいものです。RASA は支援

者の高齢化、日本や外国の巨大災害などで、どうしても

支援がそちらにシフトしたのが主な要因でご寄付が減っ

てきています。

法人の収入を増やす 1 策として RASA は、国の企業の社

会貢献活動を評価し推進するために設けた「認定 NPO

法人」税制に適合する NPO 法人になる道を目指したの

です。1 月半ば事務所に調査が入ってから現地審査です。

活動内容や持続性が重視され本当に厳しい審査と聞いて

います。個人や企業の皆様のご理解とご支援を願ってや

みません。スタッフ一同熱い思いで、現地審査とその結

果を待っております。

フィリピンへの思い

■国民の大多数が、人として生きる衣食住の充足や安全、

衛生の確保生活には、ほど遠い状態です。フィリピンの

支援を中断するわけにはいきません。2015 年 2 月の学校

建設に続き 2016年、2017の学校建設依頼も来ています。

1人当たり、(富裕層含め)GDPが日本の 20分の一以下、

大多数の貧しい人達は更にもっと低い収入で、中にはそ

の日の暮らしがやっとという将来展望のない生活を送っ

ているのです。片やマニラの中心は、巨大モールが次々

できる不思議さです。これをみるととても発展途上国と

いえない一方で、田舎や都市の裏側では、貧しい人が、

ひしめき合って暮らしています。開発途上国の特徴で、

富んでいる人は貧しい人に分配する感覚は持っていない

ようで、貧しい人達は国や政治を当てにせず、相互扶助

で、「何とかなるよ」と明るく楽観的な国民性です。彼ら

の最も大事なものは家族なのです。根本的な改善が進む

には、まだまだと外からの眺めではありますが、温かい

優しい国民性は、今の日本に学ぶところが大きいです。

RASA のスタッフ募集

■事務所スタッフ 6 人の平均年齢は 68 歳ですが、おか

げで、一丸となって、生き生き日々が過ごせております。

気力は十分ですが健康も維持しなくてはなりません。人

が財産です。認定を取得できたら、忙しくなりそうです。

どうぞRASAのためにお知恵と時間を提供してください。

一人でも多くのスタッフの参加をお待ちしています。