NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

23
1 Dragon designed by Jerry Wang from the Noun Project リーン・スタートアップ入門 Lean for Social Startup Basic Seminar in Tokyo 2014527日(火) NPOサポートセンター Lean Start-up Coordinator 笠原孝弘

description

Social Startup Accelerator Program SUSANOO 1st Batch スクール第1回講義資料 http://susanoo.strikingly.com/

Transcript of NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

Page 1: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

1

Dragon designed by Jerry Wang from the Noun Project

リーン・スタートアップ入門

Lean for Social Startup

Basic Seminar in Tokyo

2014年5月27日(火)

NPOサポートセンター

Lean Start-up Coordinator 笠原孝弘

Page 2: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

meganehara

笠 原 孝 弘

特定非営利活動法人 NPOサポートセンター

Lean Start-up Coordinator

プロフィール : http://about.me/meganehara

Twitter : https://twitter.com/meganehara

講演資料 : http://www.slideshare.net/meganehara/

2

Page 3: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

NPOxリーン・スタートアップをテーマに記事を書いています

最新記事

https://medium.com/@meganehara/

8341f72cd3d1

Lean for Nonprofits

リーン・スタートアップ(高速仮説検証プロセス)はNPOに応用できるか?

https://medium.com/@meganehara/

30b564d8de23

Lean Canvas for Nonprofits

NPOも使える「ビジネスモデル・キャンバス」と「リーン・キャンバス」

3

Page 4: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

他、NPOxITを中心テーマに海外記事50本をブログ発信しています

NPOサポートセンターブログ

http://blog.canpan.info/nposc/category_28/

4

Page 5: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

5

新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによっ

て顧客にとって価値のないものを作ってしまうことに伴う、時間、

労力、資源、情熱のムダをなくし、時代が求める製品・サービス

を、より早く生みだし続けるための方法論。

――エリック・リース『リーン・スタートアップ』(日経BP社)

© Kevin Hale リーン・スタートアップとは

Page 6: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

正しい人から、正しい答えをもらい

「構築-計測-学習(Build-Measure-Learn)」を繰り返し

最も最適なプランを導き出す 6

アイディア

データ 製品

計測する

構築する 学習する

速度

プランB,C..

リーン・スタートアップは正しいフィードバックループを回し続けること

Page 7: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

7

携帯電話のショートメッセージで市場価格を情報提供。インドの

農家を支援する「Fasal」。現在、世界で75万人が使い、ユー

ザーの収入は平均15~20%増加。

© ciat ソーシャルビジネス事例

Page 8: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

プロトタイプで仮説検証

8

事例:「Fasal」のリーン・スタートアップ

農家がいつどこで販売しているかのインタビュー実施後、携帯電話のサービスを始める前にショートメッセージの構成を、紙にして農民に情報提供し反応を確認。

プランBに方向転換 自動で毎日3通情報を送信していたが、情

報過多になっていた。農家が情報をほしい時に受取ることが出来るよう、「プッシュ型」から「プル型」のサービスへ方向転換。

参考記事: Farmers Get Tech (Or Should We Say Text) Savvy In India – Lean Techniques At Work | LEAN IMPAT

http://www.leanimpact.org/lean-methodology-helps-farmers-in-india/

Page 9: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

9

ビジネスモデルのどこが「思い込み」か。

リスクが不確実になっている状態はどこか。

「リーン・キャンバス」を活用して明確化する。

© Sebastiaan ter Burg

リーン・スタートアップ を実践する

Page 10: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

10

正しい人に、正しいフィードバックをもらう仮説検証のポイント、基準をみつけるのに役立つのが「リーン・キャンバス」

Page 11: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

11

リーン・キャンバス活用≠リーン・スタートアップ成功

プランA リーン・キャンバス作成

リスクの高い部分抽出

インタビュー

プロトタイプ

計測

構築

学習

プロトタイプ アイディア

データ

プランB プランC プランD

●●●

正しい答えをもらえる

フィードバックループ

Page 12: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

12

ソーシャルスタートアップ版「リーン・キャンバス」は、 11の部

品に分解されたビジネスモデルを順番に埋めていきます。完璧な

答えを見つけられなくても、空欄部分があってもOK。作成した

仮説の検証ポイントを押さえて、改善点を見つけ、素早く更新し

ていくのが大切です。

リーン・キャンバス解説 © Sebastiaan ter Burg

Page 13: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

Unfair Advantage (圧倒的な優位性)

Channels (チャネル)

Problem(課題)

既存の代替商品

Solution (ソリューション)

Unique Value Propositions (独自の価値提案)

Customer Segments (顧客セグメント) アーリーアダプター

Cost Structure(コスト構造)

The Social Startup Lean Canvas

Impact(社会的影響)

Vision

Key Metrics (主要指標)

Financial Sustainability(持続的な収益の流れ)

(c) SUSANOO , CC BY-SA 3.0

(c) meganehara , CC BY-SA 3.0

名前: 日付:

1

2 3 4 5

6

7 8

9

10

11

Page 14: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

⑩Unfair Advantage

(圧倒的な優位性)

他が簡単にコピーや購入が出来ないものは何か。この欄が最も記入が難しいでしょう。空欄でもOK。

③Problem(課題) 顧客が抱える課題を上位3つは何か。

既存の代替商品

満足はしていないものの、顧客が活用している既存の代替サービスや商品はなにか。

⑤Solution (ソリューション)

それぞれの顧客が抱える課題に対してあなたの「実行可能な」施策の上位3つの機能を記入。

④Unique Value

Propositions (独自の価値提案)

あなたの活動が他に比べて注目、差別化できるポイントは何か。明確で印象に残る説得力のあるメッセージを記入。 「正しい」答えは出ないかもしれません。まずは心に浮かんだ言葉でOK。

②Customer Segments

(顧客セグメント)

ターゲットにする顧客は誰か。サービスの受益者、商品購入者など。 ボランタリー人材や、寄付者の属性なども記入。

アーリーアダプター

顧客への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれるアーリーアダプターは誰か。

⑧Cost Structure(コスト構造) 顧客に価値提供するために発生するコスト(「固定費」と「変動費」)は何か。

The Social Startup Lean Canvas

⑪Impact(社会的影響) 活動により社会にどのような変化が起きるか

①Vision 誰がどうなっている、どんなことになっているかの具体的なシナリオを簡潔に。

⑨Key Metrics (主要指標)

あなたの活動が成功するために必要な数字は何か。計測する主要活動のKPIを記

入。

⑦Financial Sustainability(持続的な収益の流れ)

事業継続のために収益の流れをつくることが必要。顧客からどんな方法で金銭的成果、非金銭的成果を生み出すか。 ※金銭的成果例:寄付、助成金、販売売上、対価、定期会員化(それぞれプライシングの設計が必要) ※非金銭的成果例:行動変容、ミッションの中間目標達成、支援者化、キャンペーンの広がり、メディア取材・報道

(c) SUSANOO , CC BY-SA 3.0

(c) meganehara , CC BY-SA 3.0

名前: 日付:

⑥Channels(チャネル) 顧客へ認知度向上、評価を受ける・フィードバック、購入プロセス、サービスを届ける、フォロー・サポートのそれぞれの方法について、無料 / 有料ツールの活用など。

Page 15: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

15

個人ワーク:●●分

グループ共有:●●分

ワークショップ① 「リーン・キャンバス」の作成

Page 16: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

16

「リーン・キャンバス」が完成したら、顧客の反応から仮説検証

をし、学び続け、キャンバスを更新していきます。仮説検証の方

法はステージごとに実験(顧客インタビュー)するポイントが異

なります。顧客インタビューのポイントは、製品リスク、顧客リ

スク、市場リスクのそれぞれの不確実な部分に着手していきます。

ビジネスモデルの最も リスクの高い部分は? © Sebastiaan ter Burg

Page 17: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

Unfair Advantage (圧倒的な優位性)

Channels (チャネル)

Problem(課題)

既存の代替商品

Solution (ソリューション)

Unique Value Propositions (独自の価値提案)

Customer Segments (顧客セグメント) アーリーアダプター

Cost Structure(コスト構造)

The Social Startup Lean Canvas

Impact(社会的影響)

Vision

Key Metrics (主要指標)

Financial Sustainability(持続的な収益の流れ)

(c) SUSANOO , CC BY-SA 3.0

(c) meganehara , BY-SA 3.0

名前: 日付:

仮説検証のステージ

ステージ1:顧客の課題を理解する

ステージ2:ソリューションを決定する

ステージ3:定性的に検証する

ステージ4:定量的に検証する

Page 18: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

18

ステージ1:顧客の課題を理解する

製品リスク 解決に値する課題かどうか確認

顧客リスク 課題を持つ人、 支援者を特定

市場リスク 既存の代替品の特定

製品リスク:課題

解決に値する課題か。顧客はどのようにしてこちらが仮説にした上位3つの課題に優先順位をつけたか。

顧客リスク:顧客セグメント

課題を持つ人、支援者を特定。誰が困っているのか。それは実用的な顧客セグメントか。

市場リスク:既存の代替品

既存の代替品から競合他社を特定。競合は誰なのか。今はその課題をどのように解決しているか。

Page 19: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

ステージ2:ソリューションを決定する

製品リスク 最小限の

ソリューションの決定

顧客リスク 製品を今すぐ欲しいと思うアーリーアダプターは誰か

製品リスク:ソリューション

最小限のソリューションの決定。どのように課題解決するか。サービスリリースに必要最低限の機能は?

顧客リスク:アーリーアダプター

製品を今すぐ欲しいと思うアーリーアダプターに範囲を狭める。誰が困っているか。

どうやってアーリーアダプターを発見するか。

市場リスク:持続的な収益の流れ

顧客の声を聞いて、価格をテスト。どのような価格モデルにするか。

顧客はソリューションにお金を払うか。いくらなら寄付するか。

市場リスク 顧客の声を聞いて、価格をテスト

19

Page 20: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

ステージ3:定性的に検証する

製品リスク 最小限のソリューションを構築して小規模に検証

顧客リスク 既存のチャネルで顧客を集めることが出来るか

製品リスク:独自の価値提案

製品の魅力は何か。要改善ポイントはどこか。

構築した小規模のソリューションは独自の価値を提示できているか。

顧客リスク:チャネル

既存のチャネルでさらに顧客を集めることが出来るか。十分な顧客はいるか。

市場リスク:持続的な収益の流れ

顧客の行動を見て、価格をテスト。価格は適正か。顧客はソリューションにお金を払ってくれるか。

市場リスク 顧客の声を聞いて、価格をテスト

20

Page 21: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

21

ステージ4:定量的に検証する

製品リスク 大規模に検証

市場リスク コスト構造の 最適化

製品リスク:主要指標

大規模に検証。行動につながる指標(Actionable Metrics)の設定など。

顧客リスク:チャネル

少しずつ拡大可能な無料チャネルを構築 / 開発。早ければ早いほどいい。

市場リスク:コスト構造

ビジネスモデルがうまくいくように、コスト構造を最適化する。

顧客リスク 少しずつ拡大可能な無料チャネルを構築/開発

Page 22: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

22

個人ワーク:●●分

グループ共有:●●分

ワークショップ② 「仮説検証」を行うポイントをみつける

Page 23: NPO / ソーシャルビジネスのためのリーン・スタートアップ入門

23

個人ワーク:●●分

グループ共有:●●分

ワークショップ③ 「顧客課題インタビュー」に向けた仮説整理