Niの表面拡散によるはんだぬれ性への影響 および酸化膜の調査CO P Ni Ni Ni Ni...

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無電解Ni/Auめっきにおける Niの表面拡散によるはんだぬれ性への影響 および酸化膜の調査 1

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無電解Ni/AuめっきにおけるNiの表面拡散によるはんだぬれ性への影響および酸化膜の調査

1

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背景

2

■無電解Ni/Auめっきのはんだぬれ不良の原因

①異物付着②ブラックパッド③他(微⼩ボイド,P濃化層,Au厚 等)

④Niの表⾯拡散および酸化膜形成⇒はんだぬれ不良との因果関係が不明確

はんだぬれ不良発⽣原因

cm-1

4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000

% T

0.7

0.8

0.9

1

濡れ不良部 異物 

①異物付着 ②ブラックパッド

アクリル系樹脂の付着

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⽬的

3

③Niの表⾯拡散

Ni表⾯拡散及び酸化膜形成とはんだぬれ不良との因果関係の明確化

目的

0.00 1.50 3.00 4.50 6.00 7.50 9.00 10.50 12.00

keV

002

0

1.50

3

4.50

6

7.50

9

10.50

12

13.50

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CPS

CO

P

Ni

Ni

Ni

Ni

Cu

Au

Au

Au Au

0.00 1.50 3.00 4.50 6.00 7.50 9.00 10.50 12.00

keV

002

0

1.50

3

4.50

6

7.50

9

10.50

12

13.50

15

CPS

CO

P

Ni

Ni

Ni

Ni

Cu

Au

Au

Au Au

酸素を強く検出

分析箇所

EDS

XPS

NiO,NiOHを検出

はんだぬれ不良箇所にNiの酸化物および⽔酸化物の存在を確認。

はんだぬれ不良との因果関係の調査が必要。

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はんだぬれ不良再現サンプルの作製

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サンプルへのめっき⽔準1)無電解Ni-P/置換Au (30nm)2)無電解Ni-P/置換Au(15nm)

恒温恒湿試験85℃85RH%初期,1,2,3,4週間

はんだSn-3Ag-0.5Cu はんだペースト

印刷エリア:1mm□メタルマスク厚:150μm

めっき直後

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初期 1週間放置 2週間 3週間 4週間

Au 15 nm

-

Au 30nm -

初期、試験後のはんだぬれ性確認

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0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

0 1 2 3 4 5

濡れ

広が

り⾯

積[m

m2 ]

放置期間[週間]

Au 15nmAu 30nm

はんだぬれ広がり⾯積

6

エラーバー:±3σ

印刷後の⾯積

Au 15nm 2週間以降では印刷後の⾯積の半分程度→はんだ溶融時に弾かれていると推察

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成分分析装置の選定

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AES(表層数nm)XPS(表層数nm、結合状態)

約1~3µmEDS(B~U)

装置 分析深さ 結合状態の分離 導電性

ED S 1~3µm 不可 要

A ES 数nm 不可 要

X PS 数nm 可能 不要

表層分析および結合状態の分離が可能なXPSを使⽤

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XPSデータ 無電解Ni-P/置換Au (30nm)

8

初期

1週間放置

2週間

3週間

4週間

85℃/85%放置により、Niの表⾯拡散および酸化膜形成が進み、酸化膜が厚くなった。

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XPSデータ 無電解Ni-P/置換Au (15nm)

9

初期

1週間放置

2週間

3週間

4週間

85℃/85%放置により、Niの表⾯拡散および酸化膜形成が進み、酸化膜が厚くなった。

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XPSデータ⽐較

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4週間-Au (30nm) 4週間-Au (15nm)

◇Pは表層には拡散していない

◇Auめっき15nmの⽅がAuめっき中のNiの存在が多い

P

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まとめと確認試験

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■まとめNiの酸化膜とはんだぬれ不良に相関があることが分かった。

■確認調査

表層のNiの酸化膜を除くとはんだぬれ性は復帰するか︖

XPSで元素の信号を⾒ながら表層をエッチング

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XPS装置による再エッチング実験

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A

B

C

D

A: Ni:O=1:1となる点B: Ni:Au=1:1となる点C: Ni=20%となる点D: Ni=10%となる点

A B C D

A B C D

Au30nm

Au15nm

85℃/85%RH×4週間放置した無電解Ni/Auの表層をA-Dの位置までエッチング

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4週間放置 Aまでエッチング B C D

Au 15 nm

Au 30nm

再エッチング実験後 はんだぬれ性確認

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0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

スパッタ前 A B C D

濡れ

広が

り⾯

積[m

m2 ]

Au 15nmAu 30nm

はんだぬれ広がり⾯積(再エッチング実験後)

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印刷後の⾯積

Au15nmではD点で、Au30nmではC点でそれぞれ初期と同程度のぬれ広がり⾯積に回復→スパッタによるはんだぬれ性の回復が確認された

Au15nm 初期

Au30nm 初期

A:Ni:O=1:1B:Ni:Au=1:1C:Ni=20%D:Ni=10%

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まとめ

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◎Ni酸化膜とはんだぬれ不良に相間があることが分かった

◎Ni酸化膜を除去するにつれてはんだがぬれ性が向上

NiのAu表⾯への拡散及び酸化膜形成により、はんだ付け性が悪くなることが確認できた

■今後の課題Niの表⾯拡散および酸化膜形成を防ぐためにはどうすればよいのか