MAbPac RP カラム - Thermo Fisher...
Transcript of MAbPac RP カラム - Thermo Fisher...
軽鎖還元DTT
CHROMATOGRAPHY CONSUMABLES
重鎖
Pro
du
ct Sp
ecification
s
Thermo Scientific™ MAbPac™ RPカラムは逆相クロマトグラフィー用カラムで、モノクローナル抗体、軽鎖(LC)と重鎖(HC)、FcとFab、scFcとF(ab’)2といったモノクローナル抗体のフラグメントを分析することが可能です。このカラムはLC/
UVやLC/MSに用いることができ、ユニークな固定相であるため幅広いpH範囲、カラム温度、移動相で使用することが可能です。
製品の特長
・モノクローナル抗体と類縁物質に対する優れた分離能
・高いカラム効率と低いキャリーオーバー
・質量分析計で使用可能
・pHの範囲は0~ 14
・カラム温度は最高110 ºCまで使用可能
・ハイスループット
はじめにモノクローナル抗体は分子標的薬として有効であるため、近年、急速に市場が拡大しています。抗体医薬品は主に哺乳動物の細胞から生成されており、翻訳後修飾の違いによる変異体が含まれるため、それらの種類や量比は製品によってさまざまです。酸化といった変異は、製造段階において発生します。そのためmAbの凝集体やバリアントの濃度を測定することは、抗体医薬品の認可やこれに続く製造段階で非常に重要です。QC段階において、高分解能の質量分析計を用いてmAb
の糖鎖情報およびインタクトmAbの質量を測定する要望が高まっています。質量分析計で軽鎖と重鎖、FcとFab、scFc
とF(ab’)2といったmAbのフラグメント分析を行うと、変異の位置や構造を測定することが可能です。多くのQCセクションでは、 これに加えてLC/UVによるmAbフラグメントのハイスループット分析が行われています。
カラムテクノロジーMAbPac RPは逆相クロマトグラフィー用カラムで、特にインタクトのモノクローナル抗体(mAbs)やmAbのフラグメント分析用にデザインされています。固定相は、質量分析計で用いるアセトニトリルやイソプロパノールといった有機溶媒、トリフルオロ酢酸やギ酸といった低pHの移動相にも耐久性があります。粒子径4 µm、pH範囲0~ 14、カラム温度は110 ºCまで使用可能で、ワイドポアのポリマー充塡剤はキャリーオーバーを抑制し、タンパク質を効果的に分離できるように最適化されています。
MAbPac RP カラム
ハイパフォーマンスのモノクローナル抗体分析用逆相カラム
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
0.500.00 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00
0
-20
13
25
38
50
63
75
88
100
113
125
140
1
2
3
4
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
1.0 3.0 6.0 9.0 12.0 15.0
50
-10
100
50
-10
90
50
-10
80-20
140 mAb
Fc
Fab
scFc
(a)
(b)
(c)
(d) F(ab’)2
軽鎖
重鎖
Papain digestion
Fab Fab
Fc
Reduction
IdeS
IgG
DTT
HC
LC
(ab')F2
IgG scFc
2 アプリケーションインタクトのタンパク質/mAbの高速分離MAbPac RPカラムは、タンパク質を高分離および高速分離できるようにデザインされたカラムです。ハイスループットおよび高分離分析の用途によってグラジエントの勾配や流速を調整することができます。ハイスループットを実現する粒子径4 µmのワイドポアのポリマー充塡剤は、キャリーオーバーを抑制しインタクトのタンパク質/mAbを分離するといった特長があります。図1は、ribonuclease
A、cytochrome C、lysozyme、mAbの4
種類のタンパク質をMAbPac RP 2.1 ×
50 mmのカラムで3分以内に分析した例です。
mAbのフラグメント分離モノクローナル抗体の試料には、変異したさまざまなタンパク質が混ざっています。脱アミド、C末端リジンのトランケーション、N末端のピログルタミン化、メチオニンの酸化、グリコシル化といった変異を分析するには、mAbを完全に消化して、ペプチドマッピングを行う必要があります。しかしペプチドマッピングは、非常に時間がかかります。よりシンプルかつダイレクトにmAbのバリアントや変異を測定するには、化学的に還元、もしくは酵素で消化して逆相カラムで分析します。図2は、インタクトの trastuzumabとフラグメントを分析したときのクロマトグラムです。MAbPac RP カラム 3.0 × 50
mmのカラムで重鎖と軽鎖(図2 b)、FcとFab (図2 c)、scFcとF(ab’)2(図2 d)の10分間のグラジエント分析を行い、すべての成分においてベースライン分離することができました。重鎖と軽鎖はDTTを用いて還元を行い、FcとFabはパパインで消化を行い、Fc(scFc)およびF(ab’)2はIdeS消化を行いました。
図2:mAbおよびmAbフラグメントの分離
図1:インタクトのタンパク質およびmAbの高速分離
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 2.1 × 50 mm移動相 A : H
2O/TFA (99.9 : 0.1 v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/TFA (90: 9.9 :0.1 v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 80 20 2.5 50 50 2.7 50 50 2.8 80 20 4.0 80 20流速 : 0.6 mL/min注入量 : 1 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : 1. Ribonuclease A (0.5 mg/mL) 2. Cytochrome C (0.5 mg/mL) 3. Lysozyme (0.5 mg/mL) 4. mAb (1 mg/mL)
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 3.0 × 50 mm移動相 A : H
2O/FA/TFA (99.88 : 0.1:0.02 v/v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/FA/TFA (90: 9.88 :0.1:0.02 v/v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 80 20 1.0 80 20 11.0 55 45 12.0 55 45 14.0 80 20 15.0 80 20
流速 : 0.5 mL/min注入量 : 5 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : (a) Trastuzumab (5 mg/mL) (b) Trastuzumab + DTT (4 mg/mL) (c) Trastuzumab + Papain (2 mg/mL) (d) Trastuzumab + IdeS (2 mg/mL)
Rela
tive
Abun
danc
e
m/z
Time (min)
29352930 2940 2945 2950 2955 2960 2965 2970 2975 2980 2985 2990 2995 30000
10
0
20
30
40
50
60
70
80
90
100
0
8.26
8.44
12.748.6310.5310.339.888.97 9.729.377.395.935.685.43 6.095.134.47 6.996.74 7.64
2965.42
2968.61
2962.22
2971.87
2959.34 2974.96
2996.302953.05 2993.072936.54
2977.492956.452933.53 2980.99 2986.82
2939.753002.66
2200
Rela
tive
Abun
danc
eRe
lativ
e Ab
unda
nce
2000
5.05.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.0 11.5 12.0 12.5 13.0
2400 2600 2800
3223.203088.92 3294.80
3369.643154.64
3025.91
2965.42 3447.98
2907.273530.09
3616.142851.39
3706.502797.55
3801.53
2745.82
2695.912647.76
3901.542601.372513.18
2471.322430.80
2394.25
2283.772183.132057.49
3917.63
3994.21
3000 3200 3400 3600 3800 4000
m/z
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100 TIC
マススペクトル
50価のイオンのデコンボリューション
3インタクトおよびフラグメントmAbのLC/MS分析Thermo Scientific Q Exactive™ 四重極-Orbitrapハイブリッド質量分析計といった高分解能の質量分析計で分析を行うと、mAbのような大きな生体分子の正確な質量情報が得られます。MAbPac RPカラムは、質量分析計に用いることができるカラムです。通常、TFA(トリフルオロ酢酸)はタンパク質の分析において非常に高分離が得られるイオンペア試薬ですが、LC/
MSのインターフェイスではイオンサプ
レッションを起こし、感度を低下させる原因となります。このような問題は、TFA
を0.02%、ギ酸を0.1%にした移動相で解決することができます。図3は質量分析計でインタクトの trastuzumabを分析したときのデータで、マススペクトルはm /z 2 ,000 ~ 4 ,000の範囲で取りました。図3の下段は trastuzumabの拡大スペクトルで、50価のチャージを示しています。 このスペクトルでは、trastuzumabのグリコシル化を示唆しています。
図3:LC/MSによるインタクトmAbおよびグリコシル化のプロファイル
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 3.0 × 50 mm移動相 A : H
2O/FA/TFA (99.88 : 0.1:0.02 v/v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/FA/TFA (90: 9.88 :0.1:0.02 v/v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 80 20 1.0 80 20 11.0 55 45 12.0 55 45 14.0 80 20 15.0 80 20流速 : 0.5 mL/min注入量 : 1 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : Positive-ion mode質量分析計 : Q Exactive Plus 成分名 : Trastuzumab (5 mg/mL)
m/z
1200 1300 1400 1500 1600 18001700 1900 2000 2100 2200 2300 2400
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
Time (min)
3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 11.00
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
Rela
tive
Abun
danc
eAb
sorb
ance
(AU)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
Rela
tive
Abun
danc
e
0
100
8.287.43
8.58 8.86 10.7710.373.943.63 9.114.793.2310.02
4.349.76
5.20 5.50 5.95 6.10 7.956.416.96
8.28
7.42
8.859.10
7.736.806.636.35
Rela
tive
Abun
danc
e
m/z
16101600 1620 1630 1640 1650 1660 1670
1638.29
1633.01
1643.60
1631.64
1640.08
1634.91
1628.28
1625.61
1646.93
1671.37
1624.16
1661.33
1605.32
1608.89
1666.591653.79
1620.16
1600.00
1615.28
31価
Rela
tive
Abun
danc
e
軽鎖 重鎖
1638.291539.03
1692.831493.851751.18
1446.471813.69
1410.901880.81
1953.111368.362031.28
2115.811336.67
2200.692308.14
2253.372358.10
2418.02
1269.96
1238.96
2472.971180.58
2158.66
1954.16
1803.88
2131.631675.14
1563.47 2344.74
1465.80
1379.681303.03 1967.87 2146.62
1234.47 1687.01 2361.042233.121575.62
1819.281478.76
1762.962095.001392.8610
20
30
40
50
60
70
80
90
0
100
10
20
30
40
50
60
70
80
90
TIC
UV
LC
HC
4 mAbは特性解析をしている間でも重鎖と軽鎖に還元され、これらのフラグメントを質量分析計で分析すると、迅速に変異の位置を特定することが可能です。図4は、trastuzumabの重鎖と軽鎖をMAbPac
RPカラム 3.0 × 50 mmを用いて分離したときのクロマトグラムです。質量分析計の全イオンクロマトグラムと280 nm
のUV吸光度クロマトグラムでは、それぞれほぼ同じ保持時間に重鎖と軽鎖を検出することができました。マススペクトルの解析結果より、軽鎖ではシングルのペプ
チドによる複数のチャージが検出され、重鎖では複数のグリコシル化が検出されたことが分かります。
図4:LC/MSによるmAbのフラグメント分析
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 3.0 × 50 mm移動相 A : H
2O/FA/TFA (99.88 : 0.1:0.02 v/v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/FA/TFA (90: 9.88 :0.1:0.02 v/v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 80 20 1.0 80 20 11.0 55 45 12.0 55 45 14.0 80 20 15.0 80 20流速 : 0.5 mL/min注入量 : 1 µL カラム温度 : 80 ºCUV検出 : 280 nmMS検出 : Positive-ion mode質量分析計 : Q Exactive Plus 成分名 : 還元したtrastuzumab (4 mg/mL)
Rela
tive
Abun
danc
eRe
lativ
e Ab
unda
nce
2460 2480 2500 2520 2540 2560 2580 2600 26200
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
32 4 5 6 7 8 9 10 11 120
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
Fd’10.42
LC8.35
10価2541.99
scFc7.37
酸化scFc7.16
2525.60
2524.08
10.1010.79 11.90
5.074.87
6.285.825.524.21
3.919.633.45 6.483.25 9.38
8.922.852.50 7.79
2525.60
2557.972529.45
2510.982545.66 2560.15
2521.752502.76
2566.26
2524.08
2540.38
2509.45 2527.98 2544.22 2556.93
2501.48 2520.11 2560.782585.84
m/z
Time (min)
2525.60
2524.08
図5:LC/MSによる酸化scFcの分析
5酸化したバリアントを含むmAbフラグメントの LC/MS分析バイオ医薬品のハイスループットな特性解析は急速に広まっており、 そのメソッド開発は非常に重要です。酸化したmAbは生産方法の最適化、製剤の開発、および安定性試験においてモニターされ、DTT還元および IdeS酵素を使用すると、scFc、軽鎖、Fd’フラグメントに分かれます。図5 aは trastuzumabのscFc、軽鎖、Fd’フラグメントのクロマトグラムで、すべての成分をベースライン分離できています。このサンプルは先に過酸化水素水(H2 O2)で処理を行い、Fcに結合しているメチオニンを酸化しました。メチオニンを酸化したFcのペプチドマッピングを行い確認しましたが、 ここではデータを示していません。酸化したscFcは、変異していないscFcよりも早く溶出します。図5 bは酸化したscFcのm/z 2,525.60における10価のチャージを示し、図5 cは酸化していないscFcのm/z 2,524.08における10価のチャージを示しています。酸化したscFcと酸化していないscFcの質量差は、一つの酸素原子の質量と等しいです。この分析例は、scFc、軽鎖、Fd’で起こる酸化を同時にモニターできることを示唆し、mAbを消化してペプチドマッピングを行わなくても、scFc、軽鎖、Fd’で起こる酸化を分析できることを示しています。MAbPac
RPカラム、およびQ Ecactive Plusといった高分解能の質量分析計を使用した還元/酸化mAbのフラグメント分析において、本アプリケーションで紹介した方法はハイスループットスクリーニング用途で利用できます。
ADC(抗体薬物複合体)の分析ADCは、がん治療に有効であることが判明しており、結合している医薬品の数はさまざまであるため、DAR(薬物抗体比)の確認が重要です。MAbPac
RPカラムは、mAbとADCの分離にも利 用できます。 図6は、変 異させたbeta-galactosyltransferase酵素を用いて、mAbのFc部分にある糖鎖と末端のアジド基を活性化させたときのス
(a) TIC
(b) 酸化scFc
(c) scFc
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 3.0 × 50 mm移動相 A : H
2O/FA/TFA (99.88 : 0.1:0.02 v/v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/FA/TFA (90: 9.88 :0.1:0.02 v/v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 75 25 1.0 75 25 11.0 63 37 12.0 63 37 14.0 75 25 15.0 75 25
流速 : 0.5 mL/min注入量 : 2 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : positive-ion mode質量分析計 : Q Exactive Plus 成分名 : 酸化trastuzumab、DTTで還元したtrastuzumab、 およびIdeSで消化したtrastuzumab (1 mg/mL)
ß-1,4-Galactosidase
37 °C, 5 hr 25 °C, ON
mAb
N³
N³N³
N³MMAEMMAE
MMAEMMAE
DIBO-MMAE
37 °C, ON
GalT(Y289L) UDP-GalNAzに添加
アジド基が活性化したmAb(長期間安定)
末端のGalを開裂 ADC (抗体薬物複合体)
図6:ADC(この図のADCは結合部位を選択)
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0
5.0
-2.0
10.0
14.0
2.0
-1.0
4.0
6.0
9.0 (a)
(b)
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
0.00 0.50 2.001.501.00 2.50 3.00
-60
-80
-40
-20
0
20
40
60
80
100
120
#901#801#701#651#501#401#301#201#101
1
2
3
4
#1101
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
0.50 1.00 1.50
NaOH洗浄前
2.00 2.50 3.00 3.50
0
-20
13
25
38
50
63
75
88
100
113
125
140
1
2
3
4
80℃、0.8 mol/LのNaOHで6時間洗浄後
図8:PEG化タンパク質
図9:優れた再現性
図10:優れた化学的安定性
6 キームです。アジド基が活性化した抗体に、活性化したdibenzocyclooctyne
(DIBO)-Val-Cit-PAB-Monomethyl
Auristatin E (MMAE)を結合させて、薬物を結合させない抗体と、一つから四つ結合させた抗体を生成しました。図7で示すように、まったくMMAEが結合していないDAR0から四つ結合したDAR4
を、MAbPac RPカラムで分離することができました。
PEG化タンパク質の分析PEG化タンパク質は、抗体の安定性を向上させ、抗体医薬品の抗原性を抑制することが知られています。PEG化タンパク質に結合しているPEGの数はさまざまです。 図8 aおよび 図8 bは、それぞれPEG化したタンパク質とPEG化していないタンパク質のクロマトグラムです。この分析ではMAbPac RP 2.1 × 50
mmのカラムを使用しており、少なくとも8種類のPEG化タンパク質を分離することができました。
優れた再現性と堅牢性カラムの堅牢性は、正確で再現性の良いデータを得るために非常に重要です。MAbPac RPカラムは、厳密な手順に従って充塡されており、充塡剤の優れた安定性およびピークの対称性が得られるように管理されています。図9は80ºCで1000回注入を行ったときのクロマトグラムで、再現性の良い保持時間、良好なピーク形状、そして高い分離度が得られました。また、保持時間の%RSDは<0.535
が得られました。MAbPac RPカラムの固定相の修飾は、優れた化学安定性と幅広いpH範囲を提供します。図10で示すように、80ºCで0.8
mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を6時間送液した後も、MAbPac RPカラムは優れたパフォーマンスを発揮しました。シリカ基材、organo-silicaハイブリッド粒子といった基材ではこのような塩基性条件に耐えることができませんが、ポリマーベースのMAbPac RPカラムは厳しい条件でも優れた性能を発揮します。
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 3.0 × 50 mm移動相 A : H
2O/TFA (99.9 : 0.1 v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/TFA (90: 9.9 :0.1 v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 55 45 1.0 55 45 11.0 25 75 12.0 25 75 14.0 55 45 15.0 55 45流速 : 0.5 mL/min注入量 : 10 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : (a) PEG化タンパク質 (11 mg/mL) (b) PEG化していないタンパク質 (1.24 mg/mL)
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 2.1 × 50 mm移動相 A : H
2O/TFA (99.9 : 0.1 v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/TFA (90: 9.9 :0.1 v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 80 20 2.5 50 50 2.7 50 50 2.8 80 20 4.0 80 20流速 : 0.6 mL/min注入量 : 1 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : 1. Ribonuclease A (0.5 mg/mL) 2. Cytochrome C (0.5 mg/mL) 3. Lysozyme (0.5 mg/mL) 4. mAb (1 mg/mL)
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 2.1 × 50 mm移動相 A : H
2O/TFA (99.9 : 0.1 v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/TFA (90: 9.9 :0.1 v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 85 15 2.5 50 50 2.7 50 50 2.8 85 15 5.0 85 15流速: 0.6 mL/min注入量 : 1 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : 1. Ribonuclease A (0.5 mg/mL) 2. Cytochrome C (0.5 mg/mL) 3. Lysozyme (0.5 mg/mL) 4. mAb (1 mg/mL)
ピーク 1 2 3 4
保持時間%RSD 0.535 0.262 0.225 0.123
Abso
rban
ce (m
AU)
Time (min)
1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00
0.0
-5.0
5.0
10.0
DAR0
DAR1
DAR4
DAR2
& D
AR3
15.0
20.0
25.0
図7:MMAEを結合したtrastuzumabのADC
カラム : MAbPac RP、4 µmカラムサイズ : 2.1 × 50 mm移動相 A : H
2O/TFA (99.9 : 0.1 v/v)
移動相 B : MeCN/ H2O/TFA (90: 9.9 :0.1 v/v/v)
グラジエント : Time (min) %A %B 0.0 65 35 0.5 65 35 4.5 45 55 5.0 45 55 5.5 65 35 6.0 65 35流速 : 0.6 mL/min注入量 : 2 µL カラム温度 : 80 ºC検出 : UV (280 nm) 成分名 : Trastuzumab-MMAE
7再現性MAbPac RPカラムは、カラム間およびロット間の再現性が良好となるように製造されています。それぞれのカラムは厳しいテストを経て出荷されており、出荷時にレポートが添付されます。
カラムデータカラム固定相 Phenyl
基材 球状、ポリマー粒子径 4 µm
細孔径 1,500 Å
カラム材質 ステンレス
オーダーインフォメーション製品番号 製品名 粒子径088644 MAbPac RP、Analytical、3.0 × 100 mm 4 µm088645 MAbPac RP、Analytical、3.0 × 50 mm 4 µm088646 MAbPac RP、Guard、3.0 × 10 mm 4 µm088647 MAbPac RP、Analytical、2.1 × 100 mm 4 µm088648 MAbPac RP、Analytical、2.1 × 50 mm 4 µm088649 MAbPac RP、Guard、2.1 × 10 mm 4 µm
仕様と推奨パラメーター
カラム カラム内径(mm)
推奨流速 (mL/min)
耐圧 (psi)
最大使用温度(℃) pH 範囲
MAbPac RP 3.0 0.40~1.00 4,000(27 MPa) ≦ 110 0~14
MAbPac RP 2.1 0.20~0.60 4,000(27 MPa) ≦ 110 0~14
Pro
du
ct Sp
ecification
sA
pp
lica
tion
No
te C
C2
09
78
TEL 0120-753-670 FAX 0120-753 -671
〒221-0022 横浜市神奈川区守屋町3 -9
E-mail : [email protected]
www.thermoscientific.jp
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社分析機器・消耗品に関するお問い合わせはこちら
Ⓒここに記載されている会社名、製品名は各社の商標、登録商標です。ここに記載されている内容は、予告なく変更することがあります。詳細については、販売代理店にお問い合わせください。
販売店E1501
まとめ・ Accucore C18とAccucore Polar Premiumカラムを使用して、AOAC Official Method
983 .15に記載のある食用油脂中の酸化防止剤の分析を行いました。
・ 食品のマトリックスは非常に複雑なため、マトリックスによる影響を考慮して分析を行う必要があります。このため、固定相の構造が異なるC18カラムを試すことが重要です。
参考文献[1] US Food and Drug Administration, 21CFR172 Subpart B (Preservatives). [2] D.L. Madhavi, S.S. Deshpande, D.K. Salunkhe, “ Food Antioxidants:
Technological, Toxicological and Health Perspectives,” p. 160-190 , Marcel
Dekker, Inc. NY (1996). [3] AOAC Official Methods of Analysis, Method 983 .15 , Phenolic Antioxidants
in Oils, Fats and Butter Oil (1994).
2015 Thermo Fisher Scientific Inc. 無断複写・転載を禁じます。
CCS022_A1504SO
Ⓒ2013
CCS032_A1507SO
Ⓒ2015