Kotatsu-Model in Openthology

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コタツモデル再考 Openthology2.0 AAWG 石沢

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オープンコミュニティ「要求開発アライアンス」の2008年3月定例勉強会の発表資料。 要求開発方法論Openthologyにおける、ステークホルダーの関係性のメタファー「コタツモデル」に関する話です。

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コタツモデル再考

Openthology2.0 AAWG石沢

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今回の発表の目的

• 「コタツモデル」についての「ふりかえり」• アンチパターン

– 「皆さんのアンチパターン」を聞きます• プラクティス

– 「皆さんのプラクティス」を聞きます• 皆さんに「気づき」を持ち帰ってもらいたい

• Openthology 2.0への収録の準備

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コタツモデルとは

• 要求開発におけるメタファー• 合意形成のための関係性

• 「コタツモデル」では、ビジネスオーナーと業務担当者、システム開発者が問題の視覚化(モデル)と改善プロセスによる活動を行うことによって、「正しい要求の獲得」を行います。

• 意外なことに、書籍「要求開発(Openthology Ver 1.0)では言及されていませんでした。

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要求開発とは–正しい要求の獲得と合意のための活動

ビジネスオーナの論理

システム開発者の論理 業務担当者の論理

業務理念を統制し、業務効率化を図るための業務とは○○あるべきだ、しかし現実は△△だから、それをどう改善できるか現場と話し合ってみよう。

我々のやり方がベストだと思っていたけど、見方を変えれば欠点が多いね。問題分析ツリーでもう少し業務のあるべき姿を考えてみよう。

あの業務は、○○パッケージや○○フレームワークを使って開発すればよさそうだ、しかし、本当に求められている業務の姿を明確にして3者で合意しなければ、真の要求など獲得できるはずがないね。 問題の視覚化(モデル)と

改善プロセスによる活動

開発された要求(システム要件)

コタツコタツモデルモデル

要求開発とは–正しい要求の獲得と合意のための活動

ビジネスオーナの論理

システム開発者の論理 業務担当者の論理

業務理念を統制し、業務効率化を図るための業務とは○○あるべきだ、しかし現実は△△だから、それをどう改善できるか現場と話し合ってみよう。

我々のやり方がベストだと思っていたけど、見方を変えれば欠点が多いね。問題分析ツリーでもう少し業務のあるべき姿を考えてみよう。

あの業務は、○○パッケージや○○フレームワークを使って開発すればよさそうだ、しかし、本当に求められている業務の姿を明確にして3者で合意しなければ、真の要求など獲得できるはずがないね。 問題の視覚化(モデル)と

改善プロセスによる活動

開発された要求(システム要件)開発された要求(システム要件)

コタツコタツモデルモデル

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Part.1 コタツについて考える

コタツとはいったい何か?

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Wikipedia:火燵(こたつ)

炬燵(火燵、こたつ)とは日本の暖房器具のひとつである。熱源(古くは木炭、豆炭、練炭、現在は電気装置)の上に炬燵櫓(炬燵机とも称する)を組み、こたつ布団(炬燵掛けとも)を掛けたもので、布団の中に足を入れて暖をとる。

床を数10cm下げて足を曲げられるようにした掘り炬燵(切り炬燵ともいう)と床が平面のままの置き炬燵に分けられる。

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Wikipedia:火燵(こたつ)

炬燵(火燵、こたつ)とは日本の暖房器具のひとつである。熱源(古くは木炭、豆炭、練炭、現在は電気装置)の上に炬燵櫓(炬燵机とも称する)を組み、こたつ布団(炬燵掛けとも)を掛けたもので、布団の中に足を入れて暖をとる。

床を数10cm下げて足を曲げられるようにした掘り炬燵(切り炬燵ともいう)と床が平面のままの置き炬燵に分けられる。

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コタツの要素

• 熱源• こたつ布団• ミカン

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熱源

• コタツを暖めるためには、装置としての「熱源」が必要

• コタツモデルにおける熱源とは–要求開発実施の目的が明確である。–要求開発の実施が同意されている。

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こたつ布団

• こたつ布団の効果–足を入れる–足を隠す

• 足を入れる–要求開発参加に対する覚悟

• 足を隠す– フォーマルな世界だけではなく、インフォーマルな世界もあわせて価値を作る

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インフォーマルな世界

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ミカン

• 食べ物• 見ることや触ることができるモノ

• コタツモデルにおける、共有・議論・合意する「見えるもの」–視覚化された問題–視覚化されたプロセス、構造–ビジネスモデル

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Part.2 アンチパターン

既存のアンチパターンの整理と新しいアンチパターンについて

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既知のアンチパターン

• 全員コタツの外 Outside with Kotatsu Pattern

• 利用者不在 Users Absence Pattern• オーナー不在 Owner Absence Pattern※英語部分に意味はありません。

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全員コタツの外 Outside with Kotatsu

• 最悪のシナリオ• ビジネスオーナー、業務ユーザー、エンジニアの間に壁がある。(コタツに入ってない)

• 合意形成が行われない。

• 最初の企画案などをベースに、検証をせずに「間違った」システムを「正しく」作ることになるが、結局使われない。

• 無駄な投資に終わる。

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利用者不在 Users Absence

• うまくいきそうでダメなシナリオ(1)

• オーナーの意見「あるべき業務の姿」を聞いてシステムを開発

• 業務ユーザーから大クレーム結局は使われないシステムに。

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オーナー不在 Owner Absence

• うまくいきそうでダメなシナリオ(2)

• 業務ユーザに要件をヒアリングして、開発をする。

• 現状業務にあわせてしまう。結果として、業務の改善や標準化はできなかった。

• 要求が発散してしまった。• 仕様変更により、システムがキメラ化する。

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新しいアンチパターンの提言

• 寒い! Cold Pattern• ミカンがない Without Mikan Pattern• ミカンがマズい Bad Mikan Pattern• 鍋奉行 Nabe-bugyo Pattern• これはコタツではない Not Kotatsu Pattern• 密約 Huddle Pattern

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寒い! Cold!

• 電気が切れてる(熱源がない)

• 要求開発を進める為の熱意(目的)が無い状態。

• または、全員が何をやっていいのかわからない。リーダーシップが不在である。

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ミカンがない Without Mikan • 合意するためのミカン(モデル)がない為、議論ができない。

• または、ミカンを準備することが誰もできない。

• 単なる井戸端会議となってしまう。

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ミカンがマズい Bad Mikan• 噛んで美味しい戦略がない。

• モデルが悪く議論にならない。

• しらけてしまう。

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鍋奉行 Nabe-bugyo• 特定の参加者の声が

大きく、結果として議論が不完全に。

• 議論への不満が残る。• 強引な合意形成。

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これはコタツではない Not Kotatsu

• こたつ布団がない(これは机である)

• 議論がフォーマルすぎて、適切な議論や合意形成ができない。(言うべきことが言えない)

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密約 Huddle • コタツの外で合意が行われる。

• コタツモデルにおける、合意形成が適切ではなくなる。

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皆さんのアンチパターン皆さんの経験によるアンチパターンがあれば、ぜひとも教えてください!

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Part.3 プラクティス

コタツモデルを形成するためのアイデアと提言

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プラクティス

• 事前準備のプラクティス–ステークホルダー分析

– GE式ワークアウトに学ぶ

–プレモデルの活用

• プロセス内のプラクティス– ファシリテーション– 非日常を演出する

• 皆さんのプラクティス

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(1)ステークホルダー分析

• 参加者の利害関係を分析する• ポイント

–参加者は何を代表しているのか?(利用者の代表、部門の代表、顧客の代表)

– 権威勾配は適切か?• 操縦室内権威勾配(Trans-cockpit Authority Gradient)• 参加者の権威差があるかどうかに注目する

–参加者は何を望んでいないのか?

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(2)ワークアウトに学ぶ

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(2)ワークアウトに学ぶ

• 組織横断的チームによる変革プロセス→要求開発と位置づけが類似している。

• 経営幹部によるイントロダクション

• 基本原則– 聖域をつくらない– 縄張り争いの禁止– 非難はしない–マネージャはその地位を悪用しない– 愚痴の禁止– 解決策に焦点を当てる

• グループワークについての様々なアイデア

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(3)プレモデルの活用

• 戦略マップ、要求ツリー、概念モデルについて事前情報と仮説のもとに、プレモデルを作成して要求開発に望む。

• ざっくりとモデリング 「ざくモデ」• 要求開発の序盤にスピード感を出す。• 参加者に、慣れるための時間を作る。• 空中戦になりがちな序盤を早く終わらせ、地上

戦に持ち込む。

• 鍋奉行パターンに注意

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(4)ファシリテーション

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(4)ファシリテーション

• 議論を円滑にすすめるための道具集として• コタツモデルで活用できそうなツール

– 各種の思考フレームワーク– インテグレーション・ミーティング

–制御可能 vs 制御不能

– 賛成(プロ) vs 反対(コン)• ホワイトボード等を活用した議論の「見える化」

– ファシリテーション・グラフィック

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(5)非日常を演出する

• 日常業務が議論の妨げとなる場合がある。–有識者は忙しい

• 日常業務から距離を置く– 終日ミーティング– 会議室以外でミーティング– 専用会議室(ウォールーム)–現地現物、現場でミーティングする– ゲストを呼ぶ

• 研修会場から将来のユーザーを呼ぶ• 長老を呼ぶ

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発想を豊かに

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皆さんのプラクティス

皆さんの経験によるプラクティスがあれば、ぜひとも教えてください!

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ご清聴ありがとうございました。