Kotatsu-Model in Openthology
-
Upload
kent-ishizawa -
Category
Documents
-
view
4.355 -
download
3
description
Transcript of Kotatsu-Model in Openthology
コタツモデル再考
Openthology2.0 AAWG石沢
2
今回の発表の目的
• 「コタツモデル」についての「ふりかえり」• アンチパターン
– 「皆さんのアンチパターン」を聞きます• プラクティス
– 「皆さんのプラクティス」を聞きます• 皆さんに「気づき」を持ち帰ってもらいたい
• Openthology 2.0への収録の準備
3
コタツモデルとは
• 要求開発におけるメタファー• 合意形成のための関係性
• 「コタツモデル」では、ビジネスオーナーと業務担当者、システム開発者が問題の視覚化(モデル)と改善プロセスによる活動を行うことによって、「正しい要求の獲得」を行います。
• 意外なことに、書籍「要求開発(Openthology Ver 1.0)では言及されていませんでした。
4
要求開発とは–正しい要求の獲得と合意のための活動
ビジネスオーナの論理
システム開発者の論理 業務担当者の論理
業務理念を統制し、業務効率化を図るための業務とは○○あるべきだ、しかし現実は△△だから、それをどう改善できるか現場と話し合ってみよう。
我々のやり方がベストだと思っていたけど、見方を変えれば欠点が多いね。問題分析ツリーでもう少し業務のあるべき姿を考えてみよう。
あの業務は、○○パッケージや○○フレームワークを使って開発すればよさそうだ、しかし、本当に求められている業務の姿を明確にして3者で合意しなければ、真の要求など獲得できるはずがないね。 問題の視覚化(モデル)と
改善プロセスによる活動
開発された要求(システム要件)
コタツコタツモデルモデル
要求開発とは–正しい要求の獲得と合意のための活動
ビジネスオーナの論理
システム開発者の論理 業務担当者の論理
業務理念を統制し、業務効率化を図るための業務とは○○あるべきだ、しかし現実は△△だから、それをどう改善できるか現場と話し合ってみよう。
我々のやり方がベストだと思っていたけど、見方を変えれば欠点が多いね。問題分析ツリーでもう少し業務のあるべき姿を考えてみよう。
あの業務は、○○パッケージや○○フレームワークを使って開発すればよさそうだ、しかし、本当に求められている業務の姿を明確にして3者で合意しなければ、真の要求など獲得できるはずがないね。 問題の視覚化(モデル)と
改善プロセスによる活動
開発された要求(システム要件)開発された要求(システム要件)
コタツコタツモデルモデル
5
Part.1 コタツについて考える
コタツとはいったい何か?
6
Wikipedia:火燵(こたつ)
炬燵(火燵、こたつ)とは日本の暖房器具のひとつである。熱源(古くは木炭、豆炭、練炭、現在は電気装置)の上に炬燵櫓(炬燵机とも称する)を組み、こたつ布団(炬燵掛けとも)を掛けたもので、布団の中に足を入れて暖をとる。
床を数10cm下げて足を曲げられるようにした掘り炬燵(切り炬燵ともいう)と床が平面のままの置き炬燵に分けられる。
7
Wikipedia:火燵(こたつ)
炬燵(火燵、こたつ)とは日本の暖房器具のひとつである。熱源(古くは木炭、豆炭、練炭、現在は電気装置)の上に炬燵櫓(炬燵机とも称する)を組み、こたつ布団(炬燵掛けとも)を掛けたもので、布団の中に足を入れて暖をとる。
床を数10cm下げて足を曲げられるようにした掘り炬燵(切り炬燵ともいう)と床が平面のままの置き炬燵に分けられる。
8
9
10
コタツの要素
• 熱源• こたつ布団• ミカン
11
熱源
• コタツを暖めるためには、装置としての「熱源」が必要
• コタツモデルにおける熱源とは–要求開発実施の目的が明確である。–要求開発の実施が同意されている。
12
こたつ布団
• こたつ布団の効果–足を入れる–足を隠す
• 足を入れる–要求開発参加に対する覚悟
• 足を隠す– フォーマルな世界だけではなく、インフォーマルな世界もあわせて価値を作る
13
インフォーマルな世界
14
ミカン
• 食べ物• 見ることや触ることができるモノ
• コタツモデルにおける、共有・議論・合意する「見えるもの」–視覚化された問題–視覚化されたプロセス、構造–ビジネスモデル
15
Part.2 アンチパターン
既存のアンチパターンの整理と新しいアンチパターンについて
16
既知のアンチパターン
• 全員コタツの外 Outside with Kotatsu Pattern
• 利用者不在 Users Absence Pattern• オーナー不在 Owner Absence Pattern※英語部分に意味はありません。
17
全員コタツの外 Outside with Kotatsu
• 最悪のシナリオ• ビジネスオーナー、業務ユーザー、エンジニアの間に壁がある。(コタツに入ってない)
• 合意形成が行われない。
• 最初の企画案などをベースに、検証をせずに「間違った」システムを「正しく」作ることになるが、結局使われない。
• 無駄な投資に終わる。
18
利用者不在 Users Absence
• うまくいきそうでダメなシナリオ(1)
• オーナーの意見「あるべき業務の姿」を聞いてシステムを開発
• 業務ユーザーから大クレーム結局は使われないシステムに。
19
オーナー不在 Owner Absence
• うまくいきそうでダメなシナリオ(2)
• 業務ユーザに要件をヒアリングして、開発をする。
• 現状業務にあわせてしまう。結果として、業務の改善や標準化はできなかった。
• 要求が発散してしまった。• 仕様変更により、システムがキメラ化する。
20
新しいアンチパターンの提言
• 寒い! Cold Pattern• ミカンがない Without Mikan Pattern• ミカンがマズい Bad Mikan Pattern• 鍋奉行 Nabe-bugyo Pattern• これはコタツではない Not Kotatsu Pattern• 密約 Huddle Pattern
21
寒い! Cold!
• 電気が切れてる(熱源がない)
• 要求開発を進める為の熱意(目的)が無い状態。
• または、全員が何をやっていいのかわからない。リーダーシップが不在である。
22
ミカンがない Without Mikan • 合意するためのミカン(モデル)がない為、議論ができない。
• または、ミカンを準備することが誰もできない。
• 単なる井戸端会議となってしまう。
23
ミカンがマズい Bad Mikan• 噛んで美味しい戦略がない。
• モデルが悪く議論にならない。
• しらけてしまう。
24
鍋奉行 Nabe-bugyo• 特定の参加者の声が
大きく、結果として議論が不完全に。
• 議論への不満が残る。• 強引な合意形成。
25
これはコタツではない Not Kotatsu
• こたつ布団がない(これは机である)
• 議論がフォーマルすぎて、適切な議論や合意形成ができない。(言うべきことが言えない)
26
密約 Huddle • コタツの外で合意が行われる。
• コタツモデルにおける、合意形成が適切ではなくなる。
27
皆さんのアンチパターン皆さんの経験によるアンチパターンがあれば、ぜひとも教えてください!
28
Part.3 プラクティス
コタツモデルを形成するためのアイデアと提言
29
プラクティス
• 事前準備のプラクティス–ステークホルダー分析
– GE式ワークアウトに学ぶ
–プレモデルの活用
• プロセス内のプラクティス– ファシリテーション– 非日常を演出する
• 皆さんのプラクティス
30
(1)ステークホルダー分析
• 参加者の利害関係を分析する• ポイント
–参加者は何を代表しているのか?(利用者の代表、部門の代表、顧客の代表)
– 権威勾配は適切か?• 操縦室内権威勾配(Trans-cockpit Authority Gradient)• 参加者の権威差があるかどうかに注目する
–参加者は何を望んでいないのか?
31
(2)ワークアウトに学ぶ
32
(2)ワークアウトに学ぶ
• 組織横断的チームによる変革プロセス→要求開発と位置づけが類似している。
• 経営幹部によるイントロダクション
• 基本原則– 聖域をつくらない– 縄張り争いの禁止– 非難はしない–マネージャはその地位を悪用しない– 愚痴の禁止– 解決策に焦点を当てる
• グループワークについての様々なアイデア
33
(3)プレモデルの活用
• 戦略マップ、要求ツリー、概念モデルについて事前情報と仮説のもとに、プレモデルを作成して要求開発に望む。
• ざっくりとモデリング 「ざくモデ」• 要求開発の序盤にスピード感を出す。• 参加者に、慣れるための時間を作る。• 空中戦になりがちな序盤を早く終わらせ、地上
戦に持ち込む。
• 鍋奉行パターンに注意
34
(4)ファシリテーション
35
(4)ファシリテーション
• 議論を円滑にすすめるための道具集として• コタツモデルで活用できそうなツール
– 各種の思考フレームワーク– インテグレーション・ミーティング
–制御可能 vs 制御不能
– 賛成(プロ) vs 反対(コン)• ホワイトボード等を活用した議論の「見える化」
– ファシリテーション・グラフィック
36
(5)非日常を演出する
• 日常業務が議論の妨げとなる場合がある。–有識者は忙しい
• 日常業務から距離を置く– 終日ミーティング– 会議室以外でミーティング– 専用会議室(ウォールーム)–現地現物、現場でミーティングする– ゲストを呼ぶ
• 研修会場から将来のユーザーを呼ぶ• 長老を呼ぶ
37
発想を豊かに
38
皆さんのプラクティス
皆さんの経験によるプラクティスがあれば、ぜひとも教えてください!
39
ご清聴ありがとうございました。