Journal of the Japanese Nursing Association 12 · 018 看護201912 contents 特集1...

7
017 Vol.71 No.15 日本看護協会 021 会長の手帳 ………福井 トシ子 022 副会長活動ダイジェスト ………井伊 久美子・齋藤 訓子・秋山 智弥 023 専務理事からのワークリポート ………勝又 浜子 024 常任理事のマンスリー通信 ………吉川 久美子・熊谷 雅美・荒木 暁子・鎌田 久美子・井本 寛子・岡島 さおり 026 TOPICS 看護基礎教育検討会 報告書について ………安西 恵梨子 052 JNA NEWS 50 回日本看護学会─在宅看護─学術集会が 栃木県 宇都宮市文化会館等で開催 053 50 回日本看護学会─ヘルスプロモーション─学術集会が 長野県 長野県県民文化会館で開催 058 神戸研修センターの窓から 特定行為研修開講式・修了式での研修生代表のあいさつより ………市村 尚子 059 都道府県看護協会事業だより 看護学生に向けてキャリア支援講話を実施 ………宮崎県・江川 千鶴子 060 国際情報のページ 2019 年後半期の ICM 国際助産師連盟の活動 ………谷口 初美 JNA INFORMATION 054 2019 年度 日本看護協会教育計画 055 ★今からでも間に合う! 2019 年度 日本看護協会教育計画(神戸研修センター開催分) 056 2019 年度 JNA ラダー交流会 参加者募集 057 都道府県看護協会ナースセンター研修・イベント情報 12 月号 C O N T E N T S cover illustration by 平岡 日本看護協会機関誌 Journal of the Japanese Nursing Association December 2019 / Vol.71 / No.15 JNA JNA JNA NEWS は、2 カ所の日 本看護学会学術集会をリ ポ ー ト。9 13 14 日に 栃木県で在宅看護が、9 19 20 日に長野県でヘル スプロモーションが開催さ れました。 日本看護協会ホームページ会員専用ページ キャリナース協会重点政策・事業げる 「特集 1 連載 TOPICS など一部のページがられます。閲覧するためには、日本看護協会ホームページ https://www.nurse.or.jp/ のトップページ上部にある キャリナースボタンをクリックしマイページ登録をしてください会員専用ページ 看護の力で健康な社会を! Nursing Nowは、ナイチンゲール生誕 200 年の 2020 年に向け、看護職 が持つ可能性を最大限に発揮し、人々の健康向上に貢献するために行動 する世界的なキャンペーンです。日本看護協会は、日本看護連盟と連携し、 「看護の力で健康な社会を!」をテーマに、キャンペーンに取り組んでいます。 今月の国際情報のページICM (国際助産師連盟)のス ウェーデン、チリ、ナミビ ア、カナダ、イギリスでの 活動報告です。

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Page 1: Journal of the Japanese Nursing Association 12 · 018 看護201912 contents 特集1 看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版) を用いた施設内教育での看護実践能力評価

017Vol.71 No.15

日本看護協会

021 会長の手帳………福井 トシ子022 副会長活動ダイジェスト………井伊 久美子・齋藤 訓子・秋山 智弥023 専務理事からのワークリポート………勝又 浜子024 常任理事のマンスリー通信

………吉川 久美子・熊谷 雅美・荒木 暁子・鎌田 久美子・井本 寛子・岡島 さおり

026 TOPICS 看護基礎教育検討会 報告書について………安西 恵梨子

052 JNA NEWS 第50回日本看護学会─在宅看護─学術集会が 栃木県(宇都宮市文化会館等)で開催

053 第50回日本看護学会─ヘルスプロモーション─学術集会が 長野県(長野県県民文化会館)で開催

058 神戸研修センターの窓から 特定行為研修開講式・修了式での研修生代表のあいさつより………市村 尚子

059 都道府県看護協会事業だより 看護学生に向けてキャリア支援講話を実施………宮崎県・江川 千鶴子

060 国際情報のページ

2019年後半期の ICM(国際助産師連盟)の活動………谷口 初美

JNA INFORMATION

054 2019年度 日本看護協会教育計画055 ★今からでも間に合う! 2019年度 日本看護協会教育計画(神戸研修センター開催分) 他056 2019年度 JNAラダー交流会 参加者募集 他057 都道府県看護協会ナースセンター研修・イベント情報

12月号

C O N T E N T S

cover illustration by 平岡 瞳

日本看護協会機関誌Journal of the Japanese Nursing Association

December 2019 / Vol.71 / No.15

JNA

JNA

JNA NEWSは、2カ所の日本看護学会学術集会をリポート。9月13・14日に栃木県で在宅看護が、9月19・20日に長野県でヘルスプロモーションが開催されました。

★ 日本看護協会ホームページ内の会員専用ページ「キャリナース」で協会の重点政策・事業を取り上げる「特集 1」や連載「TOPICS」など一部のページが見られます。閲覧するためには、日本看護協会ホームページ(https://www.nurse.or.jp/)のトップページ上部にある「キャリナース」ボタンをクリックし、マイページ登録をしてください。

会員専用ページ

看護の力で健康な社会を!Nursing Nowは、ナイチンゲール生誕200年の2020年に向け、看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、人々の健康向上に貢献するために行動する世界的なキャンペーンです。日本看護協会は、日本看護連盟と連携し、

「看護の力で健康な社会を!」をテーマに、キャンペーンに取り組んでいます。

今月の国際情報のページはICM(国際助産師連盟)のスウェーデン、チリ、ナミビア、カナダ、イギリスでの活動報告です。

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018 看護 2019.12

C O N T E N T S

特集1

看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を用いた施設内教育での看護実践能力評価032 総論

地域包括ケアを支える看護師の 人材育成システムの基軸となるJNAラダー………荒木 暁子

036 事例1

JNAラダーを活用した救急看護領域における施設内教育 ………浅香 えみ子・川合 いずみ・玉井 純子

040 事例2

「滋賀県版訪問看護師クリニカルラダー」の活用方法や課題を 県内のステーションで共有………駒井 和子

044 事例3

医療・介護施設グループによる JNAラダーに基づいた評価の取り組み………戸張 真弓

048 Q&A

JNAラダーをもっと活用するために………日本看護協会教育研究部継続教育課

特集2

思わず行動を起こす仕掛けづくり看護に生かす「ナッジ」の考え方064 解説1:理論編 ナッジ入門 無関心層を動かすアプローチ………大竹 文雄070 解説2:実用編 ナッジの活用 看護現場をよりよくする仕掛け………小池 智子

077 事例ナッジの実践 「残業したくなくなる」仕掛け………藤原 聡子

JNA

あらゆる場で、看護師の人材育成システムの基軸となることが期待されているJNAラダー。その活用が広がりを見せる中、評価の仕方に悩む管理者も多いとのこと。特集1では、現場からの疑問に答え、取り組み事例も紹介します。

意思決定を支える力

ニーズを とらえる力

働する力 ケアする力

核となる実践能力:看護師が論理的な思考と正確な看護技術を基盤に、ケアの受け手のニーズに応じた看護を臨地で実践する能力

4つの力は密接に関連し、どの場においても発揮される

ケアの受け手が立ち会う場面(治療、最期の迎え方等)において、その人らしい選択ができるための意思決定を支える

ケアの受け手を中心に、情報やデータを多職種間で共有し、ケアの方向性を検討、連携する

ケアの実施・評価を行う(PDCAサイクルや看護過程の展開)

ケアの受け手をとらえ、判断し、その人に適した方略を選択する

環境省や経済産業省でも取り組みが始まっている「ナッジ」。聞いたこと、ありますか? 医療分野でも勤務環境や、患者教育などでの応用が始まりつつあります。特集2では、その基本的な考え方や、実践例をご紹介します。

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019Vol.71 No.15

連載

003 かお がん患者の全人的苦痛の中にある「暮らしの困りごと」を “看護 ”として支援する………賢見 卓也さん

006 SPECIAL BOOK GUIDE

新媒体「Nusing Todayブックレット」続々刊行中!008 病院・高齢者施設で活用できる 『認知症plus回想法』刊行061 WHO NEWS………兵庫県立大学地域ケア開発研究所・WHO協力センター

079 編集部のオススメBOOKs 大学院での研究成果を臨床現場に還元する

080 発信力を高める文章講座 書き始める前に考えること(7) 述べる事実の「意義」を示すこと! ………因 京子

083 これでワンランクUP! 相手も自分も責めないコミュニケーション術(36) 超画期的! 人事評価に「コーチング力」や「ハラスメント予防」の項目………奥山 美奈

086 看護管理者が元気になる! 看護と人事の協働で実現するWLB(44) 年代別ピラミッドを意識すると組織は安定する ………竹中 君夫

088 人も組織も、つぶれない、つぶさない 理論に基づき人と組織を育てる方法(20) すべての人は可能性を有する―ストレングスモデル………中島 美津子

092 医療安全TOPICS(109) 医療安全情報No.152、153 「手術時のガーゼの残存」について………井上 純子

094 医療行政なるほど塾 424の公立・公的病院のリストを公表 再編統合の検討を求める………「社会保険旬報」編集部

096 厚生行政ウォッチング………柳屋 有里

098 日本訪問看護財団からのお知らせ 099 総目次109 「看護」FAXご注文票 110 読者FAXシート111 読者プレゼントBOOKS+ 112 次号予告 /編集後記

★ 本誌内容の無断複写・転載は著作権法で禁じられています。本誌に掲載された著作物の複写・複製・転載・翻訳・データベースへの取り込み、および送信(送信可能化権を含む)・上映・譲渡に関する許諾権は、株式会社日本看護協会出版会が保有しています。

SPECIAL BOOK GUIDEは、新媒体『Nursing Todayブックレット』として刊行された最新刊3冊と、『認知症plus回想法』のご紹介です。

〈出版者著作権管理機構 委託出版物〉本書の無断複製は著作権法上での例外を除き禁じられています。複製される場合は、その都度事前に一般社団法人出版者著作権管理機構(電話 03-5244-5088、FAX 03-5244-5089、email: [email protected])の許諾を得てください。

かおは、NPO法人がんと暮らしを考える会理事長で訪問看護ステーション副管理者も務める賢見卓也さん。看護の視点からがん患者の暮らしを支えています。

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S p e c i a l F e a t u r e 1

特 集 1

JNA

Japanese Nursing Association

Special Feature 1日本看護協会

2016年に公表された「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」( JNAラダー)は、「活用のための手引き」も示され、あらゆる場での活用が広まってきています。その中で、導入した施設からは、JNAラダーを用いた「看護実践能力評価」や「評価者の育成」に関する質問・意見が多く寄せられています。特集 1では、Q&Aでこれらの疑問点に回答。さらにJNAラダーを用いた施設内教育と評価に取り組む施設が、その実践と取り組みの中で見えてきた課題を報告します。

看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を用いた施設内教育での看護実践能力評価

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036 看護 2019.12

特集 1

救急部門の看護師は予防や生活への対応といった視点が不足しがちなため、救急の場面でのそのような視点の看護の実践力にも着目しました。 また、救急部門で行われた実践力評価が部署異動後に生かされていない状況が確認され、救急看護師の育成と看護師の育成が乖離することのない実践力評価ツールの必要性が検討されました。 そこで、看護師の実践力を表したJNAラダーを救急場面の実践に適応させることで、救急看護実践力を看護実践力として評価できるクリニカルラダーの改定に着手しました。2. 経過 救急看護の実践を特徴づける性質を明らかにする必要があり、「救急看護」の定義に立ち戻りました。救急看護の定義は学会の継続課題であり、第 1次として 2010年に提案されたものに、時代の変化をふまえ第2次案として「突然かつ急激に生じる健康問題を扱う看護の分野」と定義を改定。それが表す救急看護が臨

 日本救急看護学会では、救急看護に携わる看護師のラダーを独自に開発し運用してきました。救急看護実践に必要な知識とスキルを学ぶトレーニングコースや能力を認証する資格制度を 5段階のラダーにしたもので、救急領域における研修企画や、個人や部署の学習目標として広く活用されてきましたが、このラダーを3年間かけて JNAラダーと整合性を持つように改定しました。 本稿では、救急看護師のクリニカルラダーの改定と、救命救急センターにおけるその活用を報告します。

日本救急看護学会「救急看護師のクリニカルラダー」改定

1. 背景 疾病の発症や重症化予防から急性期・慢性期・在宅療養に至るすべての健康段階で切れ目のない看護提供システムが不可欠な時代において、救急看護を実践する看護師は、実践を通して、その能力を育成していくことが必要だと考えました。そして

床の看護師の声と乖離していないかを調査しました。 JNAラダーが示す実践能力がその救急看護の実践力の説明と整合性があるかも検証しました。その結果、「突然かつ急激」すなわち緊急性を表す内容は多様に確認され、JNA

ラダーによる「ニーズをとらえる力」「ケアする力」「協働する力」「意思決定を支える力」の 4つの力によって救急看護の実践が表現できることを確認できました。さらに、救急看護における倫理的視点やチーム力の開発、転帰を見すえたアセスメントと実践の繰り返しなど、臨床現場の実情や課題に非常に近く、救急看護の特殊性を十分に盛り込みながらそれぞれに対応させることができるとの意見に至りました。 この調査において救急看護師がイメージする救急看護実践を説明する内容をカテゴライズした結果では、「場」「状況」「対象」そして「実践」に特徴を見いだすことができ、これを基に JNAラダーの読み替え作業を開始。現場の看護師の意見を集約しつつ改定を加え、救急看護師のクリニカルラダー(図表 1)を構築し、行動目標の内容がイメージしやすいよう別表には実践例も示しました。

事例1

JNAラダーを活用した救急看護領域における施設内教育

日本救急看護学会は JNAラダーを受けて「救急看護師のクリニカルラダー」を改定。救命救急センターのクリニカルラダーは実践能力を救急看護師の内容に置き換えた。ラダーの活用で専門性のレベルアップと看護師の基本能力の向上を統合できる。

浅香 えみ子獨協医科大学埼玉医療センター看護副部長/日本救急看護学会教育委員会担当理事

川合 いずみ同センター救命救急センター師長

玉井 純子同センター救命救急センター副主任

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037Vol.71 No.15

看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)を用いた施設内教育での看護実践能力評価

JNA

Japanese Nursing Association

Special Feature 1日本看護協会

救急看護師のクリニカルラダーの活用

1. 獨協医科大学埼玉医療センターのクリニカルラダー運用状況

 当センターではクリニカルラダーを用いた人材育成システムを 2009

年より開始し、2014年からは獨協

医科大学内 3病院共通のクリニカルラダー(以下:共通ラダー)の運用を開始しました。JNAラダーが提示された時点で、共通ラダーを構成する「基盤能力」「実践能力」「組織的役割遂行能力」「キャリア形成能力」のうち、実践能力の内容を JNAラダー

の内容に置き換えました。この共通

ラダーを基に、実践力評価、学習課題抽出と教育計画を進めています。2. 救命救急センター教育計画に救急看護師のクリニカルラダーを導入

1) 救命救急センター用のクリニカルラダーを作成

 共通ラダーの実践能力の領域を日

救急看護師のクリニカルラダー (日本救急看護学会)図表1

定義

レベル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

レベル毎の定義基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する

標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する

ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する

幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する

より複雑な状況において、ケアの受け手にとって最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する

看護の核となる実践能力

ニーズをとらえる力

【レベル毎の目標】

助言を得てケアの受け手や状況(場)のニーズをとらえる

ケアの受け手や状況(場)のニーズを自らとらえる

ケアの受け手や状況(場)の特性を踏まえたニーズをとらえる

ケアの受け手や状況(場)を統合しニーズをとらえる

ケアの受け手や状況(場)の関連や意味を踏まえニーズをとらえる

【救急看護行動目標】

□助言を受けながら健康問題に緊急性のあるケアの受け手に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる□助言を受けながらケアの受け手の状況から緊急度を捉えることができる

□自立してケアの受け手に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる□得られた情報を元に、ケアの受け手の全体像としての課題をとらえることができる

□自立してケアの受け手に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から個別性を踏まえ必要な情報収集ができる□得られた情報から優先度・緊急度の高いニーズをとらえることができる

□予測的な状況(場・緊急性・重症度)の判断のもと身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる□意図的に収集した情報を統合し、ニーズをとらえることができる

□緊急かつ複雑な状況を把握し、ケアの受け手を取り巻く多様な状況やニーズの情報収集ができる□ケアの受け手や周囲の人々の価値観に応じた判断ができる

ケアする力

【レベル毎の目標】

助言を得ながら、安全な看護を実践する

ケアの受け手や状況(場)に応じた看護を実践する

ケアの受け手や状況(場)の特性をふまえた看護を実践する

様々な技術を選択・応用し看護を実践する

最新の知見を取り入れた創造的な看護を実践する

【救急看護行動目標】

□指導を受けながら看護手順に沿ったケアが実施できる□看護手順やガイドラインに沿って基本的看護技術を用いて看護援助ができる□ケアの受け手に異常を察知したときは、他者に伝えることができる□指導を受けながらケアの受け手や状況(場・緊急性・重症度)に合わせて基本的援助ができる

□ケアの受け手の状況から回復や悪化への変化を予測することができる□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)を判断し初期対応をすることができる□ケアの受け手に対してケアを実践する際に必要な情報を得ることができる□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)に応じた援助ができる□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)、個別性を考慮しつつ標準的な看護計画に基づきケアを実践できる 

□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)から回復や悪化への変化を予測し、その予後への対応の優先度を判断できる□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)を判断し、適切なケアを選択し実践できる□ケアの受け手の個別性をとらえ、看護実践に反映できる□ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症性)から回復や悪化への変化を予測し、顕在的・潜在的ニーズを抽出したケアに工夫ができる

□情報収集を繰り返し、ケアの受け手の状況(場・緊急性・重症度)から心身の危機的状況の変化を含む幅広い視野で回復や悪化への変化を判断することができる□予防的介入を実践し評価することができる□ケアの受け手の顕在的・潜在的なニーズにこたえるため、幅広い選択肢の中から適切なケアを実践できる□ケアの受け手の個別性を考慮して根拠に基づく看護を実践できる□幅広い視野でケアの受け手をとらえ、起こりうる課題や問題に対して予測的および予防的な看護実践と評価ができる

□ケアの受け手の複雑なニーズに対応するためあらゆる知見(看護および看護以外の分野)を動員し、ケアを実践・評価・追及できる□複雑な問題をアセスメントし、最適な看護を選択できる

協働する力

【レベル毎の目標】

関係者と情報共有ができる 看護の展開に必要な関係者を特定し情報交換ができる

ケアの受け手やその関係者、他職種との連携ができる

ケアの受け手を取り巻く他職種の力を調整し連携できる

ケアの受け手の複雑なニーズに対応できるように、他職種の力を引き出し連携に活かす

【救急看護行動目標】

□助言を受けながらケアの受け手を看護していくために必要な情報が何かを考え、その情報を関係者と共有することができる□情報を収集するに当たって急を要するものは何か考え共有することができる□助言を受けながらチームの一員としての役割を理解できる□助言を受けケアに必要と判断した情報を関係者から収集することができる□ケアの受け手を取り巻く関係者の多様な価値観を理解できる□連絡・報告・相談ができる

□ケアの受け手を取り巻く関係者の立場や役割の違いを理解した上でそれぞれと積極的に情報交換ができる□看護の展開に必要な関係者を特定できる□ケアの受け手を取り巻く関係者と密にコミュニケーションをとることができる□看護の方向性や関係者の状況を把握し、情報交換できる

□緊急性のあるケアの受け手の個別的なニーズに対応するために、その関係者と協力し合いながら多職種連携を進めていくことができる□ケアの受け手と実施するケアについて意見交換ができる□ケアの受け手のニーズの優先順位を考え多職種と共有することができる□積極的に多職種に働きかけ、協力を求めることができる

□ケアの受け手が置かれている状況(場・緊急性・重症度)を広くとらえ、結果を予測しながら多職種連携の必要性を見極め、主体的に多職種と協力し合うことができる□多職種間の連携が機能するように調整できる□多職種の活力を維持・向上させる関わりができる

□複雑な状況(場・緊急性・重症度)の中で見えにくくなっているケアの受け手のニーズに適切に対応するために、自立的な判断のもと関係者に積極的に働きかけることができる□多職種連携が十分に機能するよう、その調整的役割を担うことができる□関係者、多職種間の中心的役割を担うことができる□目標に向かって多職種の活力を引き出すことができる

意思決定を支える力

【レベル毎の目標】

ケアの受け手や周囲の人々の意向を知る

ケアの受け手や周囲の人々の意向を看護に活かすことができる

ケアの受け手や周囲の人々の意思決定に必要な情報提供や場の設定ができる

ケアの受け手や周囲の人々の意思決定に伴うゆらぎを共有でき、選択を尊重できる

複雑な意思決定プロセスにおいて、他職種も含めた調整的役割を担うことができる

【救急看護行動目標】

□助言を受けながら、危機的状況にあるケアの受け手や周囲の人々の思いや考え、希望を知ることができる

□危機的状況にあるケアの受け手や周囲の人々の思いや考え、希望を意図的に確認することができる□ケアの受け手や周囲の人々がそれまで生活してきた背景と思いとの関連を意図的に確認することができる□確認した思いや考え、希望をケアに関連づけることができる

□危機的状況にあるケアの受け手や周囲の人々が意思決定を行うために必要な場を整えることができる□ケアの受け手や周囲の人々が意思決定をする際に必要な情報を共に整理しながら提供することができる□危機的状況にあるケアの受け手や周囲の人々が意思決定を行うにあたって意向の違いがあることを理解できる□ケアの受け手や周囲の人々の意向の違いをメンバーや多職種に代弁できる□ケアの受け手や周囲の人々の思いや考えを関連づけたケアをチームに働きかけることができる

□危機的状況にあるケアの受け手や人々の意思決定プロセスに看護職の立場で参加し、適切な看護ケアを実践できる□ケアの受け手や周囲に人々の意向の違いを調整し、チーム内でコンセンサス得ることができる□意思決定とそのプロセスを倫理的に考え、ケアの受け手や周囲の人々の状況(場・緊急性・重症度)を考慮しながらケアを展開できる□意思決定のプロセスや決定後の揺らぎに寄り添うことができる□決定意思には医療者が全面的に支援することを表明することができる

□適切な資源を積極的に活用し、危機的状況にあるケアの受け手や周囲の人々の意思決定プロセスを支援できる□法的および文化的配慮など多方面からケアの受け手や周囲の人々を擁護した意思決定プロセスを支援できる□ケアの受け手や周囲の人々の人生観と意思決定を統合的にとらえることができる

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編 集 後 記

日本看護協会 機関誌 Vol. 71 No. 15 December 2019

2019

12

発行・発売: 2019年11月20日

発 行 所: 株式会社日本看護協会出版会

東京都渋谷区神宮前5 - 8 - 2 日本看護協会ビル4階

Tel.0436 - 23 - 3271(コールセンター:ご注文)

振替00190 - 8 -168557

東京都文京区関口2- 3 -1

Tel.03 - 5319- 8017(編集直通)

発 行 人: 井部俊子

編集委員: 勝又浜子・橋本美穂・吉村浩美・長田晋一・

伊藤雄介(日本看護協会)

アドバイザー委員

(五十音順):角田直枝(茨城県立中央病院)・佐藤美子(川崎市立多摩病院)・

塩田美佐代(湘南医療大学)・杉原幸子(君津中央病院)・

鈴木恵美子(横浜メディカルグループ本部)・田巻宏之(医療法人社

団碧水会長谷川病院)・中島美津子(東京医療保健大学/大学院看護学

研究科)・東めぐみ(日本赤十字北海道看護大学)

編 集 長: 濵田拓男

編 集 者: 米丸未央子・阿部真里子・田中美紗子

D T P : 今村陽子・浜中葉子

表紙イラスト: 平岡瞳

本文イラスト: しおたまこ

表紙デザイン: 新井田清輝

本文デザイン: 齋藤久美子(kumdesign)・新井田清輝・

手塚久美子(mono)

印   刷: 三報社印刷株式会社

定   価: 本体1,600円+税

●ナッジを紹介した特集2はいかがでしたか。人の意思決定の特性をうまく利用し行動変容を促す仕掛けは、仕事に限らずプライベートでもすぐに生かせそうです。私は手始めに、ついつい食べ過ぎてしまうのを防ぐナッジを設計したいと思います。とはいえ、秋の味覚を前に生じる現在バイアスはあまりにも強力です…。(田中)

●ラグビーのワールドカップも終盤。関係者ではありませんが、多くのアイルランドの方と接する機会がありました。なんだか素朴で優しく、愛らしいお人柄。ラグビーだけでなく、アイルランドのにわか?ファンに。来年は東京オリンピック。スポーツの祭典を通して人と人との交流がますます盛んになるといいですね。(阿部)

●医療用ウィッグのための「ヘアドネーション」の認知度が高まっているとのこと。私もチャレンジ“だけ”なら試みた経験があるものの、既定の長さまで髪を伸ばせず挫折……。看護学生が髪を寄付した話は目にしたこともありますが、最近では男の子までやり遂げたというニュースも聞きました。スゴイ!の一言に尽きます。(米丸)

●次号の特集1(訪問看護師倍増)の企画立案にあたって、あらためて何が必要なのかを見直しましたが、大規模化、24時間対応、医療機関における訪問看護人材の確保、新卒看護師採用、など日本看護協会が取り組んできたことがほとんど。これらの取り組みの大切さをもっと知ってもらうことが必要だと感じました。(濵田)

次 号 予 告

1月号12月20日発行・発売

 サーバントリーダーシップとは何か、今なぜサーバントリーダーシップが必要なのかを解説し、獲得のための支援モデルを提示して現場での取り組みを報告。各界で活躍するサーバントリーダーの活動やメッセージも紹介します。

創造的に支え合うサーバントリーダーシップ

総特集

※予告内容は変更になる場合があります。

11月臨時増刊号

好評発売中

特集 1

訪問看護師倍増に何が必要か 日本看護協会の訪問看護師倍増に向けた方策や国への提言を示すとともに、訪問看護ステーションをはじめ、病院、地域、行政がそれぞれどのような役割を果たしていくべきなのかを解説。さらに訪問看護師倍増に資する先駆的な取り組み事例を紹介します。

特集 2

離島・へき地の暮らしを支える“応援ナース” 看護職員確保が困難な地域に、都市部の看護職や潜在看護職が短期〜長期で就業する事業等が各地・各団体で行われています。こうした応援事業の内容および“応援ナース”の活動・成果を紹介します。

112 看護 2019.12