ITスキル標準 ITサービスマネジメント 活用実態調査...

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ITスキル標準 ® プロフェッショナルコミュニティ ® ITサービスマネジメント委員会 2009 年 7 月 6 日 ITスキル標準 ® ITサービスマネジメント 活用実態調査報告書 (2008年度版)

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ITスキル標準®

プロフェッショナルコミュニティ®

ITサービスマネジメント委員会

2009 年 7 月 6 日

ITスキル標準®

ITサービスマネジメント

活用実態調査報告書

(2008年度版)

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本報告書に記載されている「ITスキル標準®」および「プロフェッショナルコミュニティ®」は、独立

行政法人 情報処理推進機構(IPA)の登録商標です。また、社名および製品名は、それぞれ

の会社の商標です。なお、本文中では「TM」、「®」は省略しています。

本報告書に記載されているWebページに関する情報(URL等)については、予告なく変更、追

加、削除(閉鎖)等される場合があります。あらかじめご了承願います。

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ITサービスマネジメント活用実態調査報告書(2008年度版)

はじめに

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 ITスキル標準センターでは、第一線で

活躍しているハイレベルのスキルを持つ者が、社内や組織の論理に捕らわれずに建設的に情報交換や議論が

行えるような場を通じて、ITスキル標準の改版、人材育成のあり方等、次世代ITサービスビジネスを担

う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動を行う、「ITスキル標準プロフェッショナルコミュニ

ティ」を創設しました。

ITサービスマネジメント委員会は 2005 年 5 月に、オペレーション委員会として設置された委員会で

あり、職種:ITサービスマネジメントに係わるITスキル標準の改版、人材育成のあり方等、次世代IT

サービスビジネスを担う後進人材のスキルアップに貢献するための諸活動を行なっています。

現在の委員会メンバは下記の通りで、本書は 2007 年度に引き続き(※)2008 年度に行った、ITス

キル標準におけるITサービスマネジメントの活用実態調査を取りまとめた報告書です。

・ITサービスマネジメント委員会メンバ:

2009 年 6 月現在におけるメンバ及び所属は以下の通りです。(五十音順、◎は主査、○は副主査)

上野う え の

耕司こ う じ

新日石インフォテクノ株式会社

應和お う わ

周一しゅういち

野村総合研究所

木屋き や

尾お

良よ し

明あき

株式会社JALインフォテック

佐薙さ な ぎ

俊士し ゅ ん じ

○ NECネクサソリューションズ株式会社

塩田し お た

貞夫さ だ お

日本ヒューレット・パッカード株式会社

島田し ま だ

洋之ひろゆき

◎ 東京海上日動システムズ株式会社

武たけ

直行なおゆき

日立電子サービス株式会社

中山なかやま

孝一こ う い ち

○ 富士通エフ・アイ・ピー株式会社

松本まつもと

邦佳く に よ し

パナソニック株式会社 コーポレート情報システム社

ITサービスマネジメント委員会URL http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/activity/ITSM_com.html

※ 2007 年度の活用実態調査:

以下のURLから 「ITサービスマネジメントの活用実態調査報告書」をクリック下さい。

http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/activity/ITSM_com.html

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ITサービスマネジメント活用実態調査報告書(2008年度版)

目 次

はじめに..................................................................................................................................................................................1

1. 背景..................................................................................................................................................................................3

2. 調査方法.........................................................................................................................................................................4

3. アンケート調査結果.................................................................................................................................................5

(1) 調査対象企業のプロフィール..............................................................................................................5

(2) ITスキル標準(職種:ITサービスマネジメント)活用状況......................................7

(3) 情報処理技術者試験との関係...........................................................................................................13

(4) アンケート結果総括..............................................................................................................................16

4. 訪問インタビュー...................................................................................................................................................17

5. 今後に向けて............................................................................................................................................................19

付録 ........................................................................................................................................................................................21

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1. 背景

ITスキル標準プロフェッショナルコミュニティITサービスマネジメント委員会(旧オペレーション委

員会)では、2005 年度の発足以来、主に次のような活動を行なってまいりました。

【2005 年度】

・ 今日的なシステム運用業務の明確化

・ 上記を前提とした職種、専門分野の見直しの提言

【2006 年度】

2005 年度の提言内容を踏まえ、ITスキル標準の職種:オペレーションから職種:ITサービスマネジメ

ントへの改訂を中心に活動し、次のような成果物を作成しました。

・ 「ITスキル標準V2 2006」

・ 「ITサービスマネジメント研修ロードマップ」

・ 「育成ハンドブック」

【2007 年度】

以下の4点をテーマに委員会活動し、成果物として「ITサービスマネジメントの活用実態調査報告書」を

作成しました。

・ ITスキル標準・職種ITサービスマネジメントの知名度・認知度の向上

・ 利用者の声の収集・反映

・ ITサービスマネジメントに係わる動向調査・研究

・ 各種定義書の見直し、充実

この間も、技術進化に伴い各ビジネスのシステムへの依存度は高まり、システムの安定性、安全性の維持・

確保などITサービスマネジメントの重要性についての社会的認識はますます高まり、各企業においてはI

Tサービスマネジメントの整備・構築が焦眉の急の課題となってきました。それを実現させるためにも、I

Tサービスマネジメントを司る人材の育成が重要であり、そこに本スキル標準が有効に活用されることが期

待されました。

本スキル標準が本職種の人材育成やプロフェッショナルのスキル向上に寄与できるかどうかは、単に策

定・公開されているというだけでなく、いかに広く活用されるかにかかっていると認識しています。このた

め、社会動向を把握しながら継続的に利用者の声を収集し反映していくことが重要であると考えています。

そこで本年度、本プロフェッショナルコミュニティでは、社会動向の把握を行いながら、各種定義書の改

善・充実に向かっての検討を進めるとともに、昨年度に引き続き、ITスキル標準:職種「ITサービスマ

ネジメント」の知名度・認知度を高められるように「ITサービスマネジメント」のITスキル標準が、ど

れほど/どのように利用されているのか、利用されているとしたら何が良いのか、利用されていないとした

ら何が課題でそれを解決するためにはどうすべきなのかを把握するべく、活用実態の調査を試みました。

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2. 調査方法

ITスキル標準全般の活用実態については、既に IPA により何回か調査が行なわれています。

①「ITスキル標準と研修ロードマップの活用状況調査」(H17.3.3.1)

②「ITスキル標準の活用動向に関する調査」(H18.7.31)

③「IT人材市場動向予備調査」(H20.1-2)

④「IT人材市場動向調査 調査概要版」(H21.2-4)

⑤「IT人材白書 2009」(H21.5)

しかしながら、これらの調査はITスキル標準全般の活用実態の把握を目的としたもので、特定の職種に

ついての活用状況を調査するものではありませんでした。

そこで、本調査では、職種ITサービスマネジメントに関するITスキル標準の活用実態や人材育成に特

化して行ないました。調査を行なうにあたっては、より進んだ活用状況が確認でき、先進的な取り組み状況

を把握出来るように、当委員会との意見交換会などでつながりのある企業などに対してアンケートを依頼し

ました。

その結果、20数社から貴重な回答を得ることが出来ました。なお、具体的なアンケートの質問内容は付

録に示す通りです。

また、アンケート回答企業のうち、職種ITサービスマネジメントにおいてITスキル標準を積極的に活

用している 2 社について、訪問インタビューを行って、より具体的な活用状況や課題をうかがい、それらの

内容を基に本報告書をまとめました。

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3. アンケート調査結果

(1) 調査対象企業のプロフィール

Q1.2 に示すように、年間売上高 10 億円~100 億円と回答した企業が、調査対象の約 60%、また Q2.1

に示すように運用系技術者の人数は 100 名未満と回答した企業が、調査対象の約 80%に達します。

Q1.2-アンケート回答企業の年間売上高

10億円未満

10億円~100億円

100億円~1,000億円

1,000億円以上

Q2.1-運用系技術者の人数

30名未満

30~100名未満

100~300名未満

300名~

Q2.1-運用系技術者と開発系技術者の割合

運用系技術者のほうが多い

開発系技術者のほうが多い

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Q2.2-運用系技術者一人当たりの年間教育コスト

10万円未満

10~30万円未満

30万円~

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(2) ITスキル標準(職種:ITサービスマネジメント)活用状況

Q3.1 に示すように調査対象企業の約 90%がITスキル標準を認識していると回答しています。また

Q3.2 に示すように調査対象企業の約 80%が IT サービスマネジメント職種を知っていると回答しており、

IT スキル標準や IT サービスマネジメント職種への高い認知度がうかがえます。

Q3.1-ITスキル標準をご存知ですか?

認識している(V3既知)

認識している(V3未知)

認識しているV3 2008既知

認識しているV3 2008未知

認識していない

Q3.2-ITスキル標準におけるITサービスマネジメント職種をご存知ですか?

認識している

認識していない

Q3.3-ITサービスマネジメント職種の名称変更についてご存知ですか?

「オペレーション」職種時代から認識

「ITサービスマネジメント」職種への変更後に認識

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Q3.4-御社にはITサービスマネジメント職種に該当する人材はいますか?

人材有

人材無

ITスキル標準の活用状況については、Q3.5 に示すように調査対象企業の約 70%が人事制度の評価項

目に IT スキル標準を活用中もしくは活用予定ありと回答しています。これを ITSM 職種に絞ると、調査対

象企業の約半数が活用中もしくは活用予定と回答しており、他の職種に比べ低い割合となっています。

一方で Q3.6 に示すように調査対象企業の約 80%が IT スキル標準を人材育成制度に活用している、もし

くは活用予定と回答しています。ITSM 職種だけに絞っても、調査対象企業の約 70%に上る企業が、人事

制度に活用もしくは活用予定と回答しており、高い活用実態がうかがえます。

Q3.5-人事制度の評価項目にITスキル標準を活用されていますか?(全体)

活用している

活用予定

活用予定無

Q3.5-人事制度の評価項目にITスキル標準を活用されていますか?(ITSM職種)

活用している

活用予定

活用予定無

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Q3.6-人材育成制度にITスキル標準を活用されていますか?(全体)

活用している

活用予定

活用予定無

Q3.6-人材育成制度にITスキル標準を活用されていますか?(ITSM職種)

活用している

活用予定

活用予定無

今年度の調査で「活用している」もしくは「活用予定がある」と回答した企業から寄せられた内容と、「活

用予定が無い」と回答した企業から寄せられた理由等を示します。

Q3.5-人事評価における活用事例

・ 人事制度上での専門職域定義の能力の参考として利用

・ 親会社(ベンダー系)の認定制度を活用し、認定者については、評価の加点要素としている

・ 半期に一度設定する「個人目標」で資格取得のスキルアップを行うよう指導し、成果を賞与に反映さ

せる

・ キャリアパスは、IT スキル標準の職種をベースに策定

・ IT スキル標準から自社向けにアレンジした評価項目を作成して利用

・ 人事評価において、成果面での役割・責任の発揮度合いを評価する際の参考情報としている

Q3.5-人事評価における活用予定

・ 人材育成施策やキャリアパスとの整合について検討したいと考えている

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Q3.5-人事評価で利用しない理由

・ IT 子会社にアウトソースしており、評価の視点がマッチしにくく、公平な評価を維持するための具体

的な基準の設定が難しい

・ ITスキル、業務スキルの両建てとして人材育成制度を策定しており、ITスキルに関してITスキ

ル標準をベースにしているが人事制度の評価項目とする予定はない

・ UISS をカスタマイズして活用することを検討している

・ 研修体系が未整備

・ インフラ、運用関係は人員も少なく細分化の予定なし

・ 人事制度の職種として採用するだけの売上規模ではなく、また経営上も重要戦略の位置付けにない

・ UISS を活用しているため

Q3.6-人材育成における活用事例

・ ITスキル標準を基準とした社内スキル標準の作成

・ スキルチェック結果と研修ロードマップを基に個人研修計画の作成

・ 親会社(ベンダー系)のキャリアフレームワークにより、教育、認定制度を活用している

・ 技術者のスキルの程度を判断する指導のひとつとして活用し、今までは「ITSS レベルチェック」を実

施してきた

・ 「ITSS レベルチェッカー」を毎年受講し、スキルレベルを確認その上で必要な研修を選択、実施して

いる

・ スキルの棚卸を実施し、職制との育成面談で活用

・ IT 子会社において独自に技術者人材育成制度を構築し、その中で IT スキル標準の内容を加味している。

当社の IT 部門として要求されるキャリアフレームおよびレベルに絞り込み、また IT 戦略の企画立案フ

ェーズ支援の観点で UISS の一部も取り入れている

・ 技術研修体系は IT スキル標準に準拠

・ スキル習得度を判断して、育成のメジャーメントとして活用

・ 毎年、年度当初に個人の教育計画を作成し、下期に見直しを行っているが、その際にスキル診断を行

うと共に、その結果を受けて教育を計画している

・ スキル標準ならびに研修ロードマップを参考に、社内能力基準を作成し、技術者教育ならびに社内認

定を実施している

Q3.6-人材育成における活用予定

・ ユーザ企業の情報部門であるため、従来はどちらかといえば UISS を活用。今後専門技術育成について

は活用も検討

・ 今年度より人材育成に IT スキル標準を活用する予定。個人が取得している情報処理資格によりレベル

付け(1~4 まで)を行う

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Q3.6-人材育成で利用しない理由

・ 資格取得推奨を含め、目安として活用できるかも。(ただし、運用部隊では「ISO/IEC20001 の認証

取得をしており、IT サービスマネジメントを実施している。」)

・ UISS を使用しているため

Q3.7-活用するにあたって障害になったこと

・ 複雑なレベル定義、知識項目を噛み砕いて自社に適用することが難しい

・ 研修ロードマップに沿ったトレーニングの検索は各種教育機関で用意されている場合とそうでない場

合があり、目的のトレーニングを探しにくい

・ 業界全体のデータベース化ができればよい

・ 複数の職種に該当するような業務を担当している技術者について、どの職種を適用するか、など個々

の業務と標準での内容とが微妙に一致しない

・ 小規模な企業では、そのまま活用するのは難しい

・ IT スキル標準で定められた職種、レベルが当社の業務の実態と整合しないこと

・ IT スキル標準の定義と業務実態との関係性に関する解説に苦労している

Q3.8 の回答が示すように、ITサービスマネジメント職種にレベルの概念を取り入れているところは調

査対象企業の約25%程度に留まります。なお、ITスキル標準を自社に展開している企業への聞き取り調

査から、IT サービスマネジメント職種は各社固有のアプリケーションシステム等への密着度が強く、レベル

の概念の適用にあたっては IT スキル標準の概念と自社環境との摺り合わせに大きな労力を要し、これが障壁

となっている可能性が高いと推察されます。

Q3.8-御社において、ITサービスマネジメント職種にレベルの概念を取り入れています

か?

取り入れている

取り入れていない

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Q3.9 に調査対象企業から得られたでレベル別人数の分布状況を示します。特徴的な点としては、レベル

3がレベル 1、2 よりも多いと回答した企業が複数見られるところでしょう。回答した企業の業務範囲やア

ウトソーシングの内容、また、レベル認定の内容などにより人材の育成に特徴が生じているものと推察され

ます。

Q3.9-ITSM職種のレベル別人数分布

0%

20%

40%

60%

80%

100%

レベル6,7 レベル4,5 レベル3 レベル1,2

A社

B社

C社

D社

E社

F社

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(3) 情報処理技術者試験との関係

Q4.2 の回答結果より、ITサービスマネジメント人材に対しては現時点でも大多数の企業が情報処理技

術者試験を推奨していることが確認できました。また Q4.2 の回答結果から、調査対象企業の、ほぼ全てが

2009 年春より情報処理技術者試験制度が新しくなったことを知っていると回答しており、その高い認知度

を裏付ける結果をなっています。

2009 年度からITスキル標準レベル1~3の評価を基本的に情報処理技術者試験の合格をもって判定

することについては、Q4.3 に示すように調査対象企業の約半数が情報処理技術者試験との関連付けにより

IT スキル標準が活用しやすくなると回答しています。後述のように試験という客観的な評価指標を評価する

一方で、業務実態と試験の内容との乖離を指摘する声もあがっており、今後の課題と捉える必要があります。

Q4.2-ITサービスマネジメント人材に対し情報処理技術者試験やベンダー試験を 推奨

していますか?

両方推奨

情報処理技術者試験のみ推奨

ベンダー試験のみ推奨どちらも推奨していない

Q4.2-2009年春から情報処理技術者試験制度が新しくなったことをご存知ですか?

認識している

認識していない

Q4.3-レベル1~3の評価を基本的に情報処理技術者試験の合格をもって判定することにより、ITスキル標準は使いやすくなると思います

か?

活用しやすくなる

活用しにくくなる

変わらない

わからない

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Q4.4-情報処理技術者試験を活用しやすいのは、ITサービスマネジメントのどの専門分野ですか?

運用管理

システム管理

オペレーション

サービスデスク

活用しやすい

活用しにくい

Q4.4-活用しやすい理由

・ C/S向上から

・ 管理者の育成

・ 個人の持つスキルが試験により判定しやすい分野と思われる

・ 従来の「オペレーション」という職種から連想するサービスではモチベーションは低い。職種名称

を変更しただけでも、高いスキル取得へ誘導しやすい。

・ 技術的な分野では活用しやすい

・ 運用管理、システム管理について、どの程度、把握しているのかの判断材料になるとは思う

・ IT サービスマネージャ試験は旧システム管理試験の後継でもあり、運用管理・システム管理の分

野において、情報処理技術者試験を活用しやすい

・ システムを運用・管理する上での基本行動・考えを客観的に判断でき、かつ実務で知識が活用しや

すい

・ IT サービスマネージャを目標としてスキル形成がしやすい

・ 運用に関するベース知識・技能の客観的レベルを評価できるため

・ システム監査技術者や IT サービスマネージャ試験があり、IT スキル標準のレベルを判定しやすい

・ 基本的な知識・スキルの保有度合いを客観的に測定でき、かつ個人的な目標となっている点で、効

果的

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Q4.4-活用しにくい理由

・ 職種的に難しい

・ サービスデスクは、対応力など試験で判定しにくい分野と思われる

・ 求められるスキルに対する資格が見つからない(わからない)

・ オペレーションは操作手順書が整備されていれば、業務は可能。サービスデスクも同様。

・ IT サービスマネジメントの資格を取得しても実務では活用できないと考える

・ IT サービスマネジメントは「定められた手順に沿って、IT システムの監視・操作・状況連絡を実

施」するという内容であり、情報処理技術者試験との関連付けが難しいと思われる

・ システムに特化したヘルプデスクならば活用できるが、現実的には業務面でのサポートトが中心な

ため

・ スキルレベルが合うのが IT パスポートしかなく、IT サービスマネージャでは相当のスキルが必要

となるため

・ 業務の実態と試験の内容の整合性が不明

・ 直接的に該当する試験区分がないため

・ IT技術者としての共通的な(ベースとなる)知識やスキルを保有することを、国家資格として保

障して頂けることは大歓迎。しかし、合格をもってレベル1~3 の評価とすることは、実務上で難

しいと考える

Q4.5-レベル1~3 の評価を基本的に情報処理技術者試験の合格を持って判定することに関する要望

・ より汎用的なスキルを求める試験内容、レベル1~3ではITサービスマネジメント/開発系技術

者双方のスキルを保持すべきと考えるため

・ 営業系、IT サービス系が応用情報技術者試験を取得することは難しい

・ IT スキル標準では全ての職種を網羅しているが、情報処理技術者試験はそうではない「ベンダー

系で補え」と言う事だろうが・・・

・ 「試験に受かるための知識」と「業務に役立つ知識」は必ずしも同じとは限らないと考えますが、

それらをふまえた上で、今後もより良い制度に整備していただければと思います

・ レベルを試験の合否だけで判定するのは難しく、あくまでも目安という事が妥当かと思われる

・ レベルを試験という客観的な判断基準で判定することは理解できる

・ このような動きの中で、会社の評価基準が試験合格者という一面だけで判断するようになることは

避けていただきたい

・ IT サービスマネジメント人材における育成過程で、レベル 3 としての評価になる応用情報技術者

試験ではなく ITIL などをベースとした IT サービスマネジメントとしての初期評価ができる試験を

設けてもらいたい

・ レベル判定が可能となると、本試験の社会的ステータスもあがる事になる。この場合、漢字検定協

会のような運用にならない様、社会的に牽制する仕組みが必要と思われる

・ 机上論に頼りすぎる頭でっかちの技術者が多発しないかが不安である。IT サービスマネジメント

には、実技で得られる技術が大変重要であるが、最近の業務実態では、重要な事態を経験できる場

が極端に減少している。実技による技術習得をどのようにしていくかが課題となる

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(4) アンケート結果総括

各社からのアンケート回答内容から、「ITスキル標準への関心・活用度」および「試験制度の活用」に

ついて、次のようなことが読み取れます。

■ITスキル標準への関心・活用度

今回の調査対象企業はITスキル標準への理解度、関心も高く、人事制度の評価項目にITスキル標準を

活用中あるいは活用予定ありとする企業は 70%を超えています。また、人材育成制度にITスキル標準を

活用中あるいは活用予定ありとする企業は 80%を超える高さで、総じて、ITスキル標準への理解度、関

心度の高い企業群が調査対象となったことがうかがえます。

一方で、ITスキル標準では、これを参照しながら、各社のビジネス戦略に基づく職種やレベル設定を行な

うべきとしています。しかしながら、今回の調査対象企業の多くでは独自の職種やレベル設定を行なってい

るとの回答は得られておらず、活用フェーズにおける大きな課題といえます。

■試験制度の活用

調査対象企業の 80%以上がITサービスマネジメントの人材に対し、情報処理技術者試験やベンダー試

験を推奨しています。併せて調査対象企業のほぼ全てが 2009 年春より情報処理技術者試験制度が新しくな

った事を認識しており、情報処理技術者試験制度が確実に浸透している様子がうかがえます。特に、運用管

理とシステム管理の専門分野では、情報処理技術者試験を活用しやすいと回答している企業が大半を占めま

す。その一方で、サービスデスクとオペレーションの専門分野に関しては、情報処理技術者試験を活用しに

くいと回答している企業が大半を占めています。これらの専門分野は、各企業の固有なシステム環境が反映

しやすく、企業が期待するスキルと情報処理技術者試験の内容に乖離があるものと考えられます。これらの

専門分野への活用を促進するために、適用しようとする各企業が納得できるスキルレベル設定をしてゆくこ

とが必要でしょう。

アンケートではレベル1~3の評価を、基本的に情報処理技術者試験の合否で判定することについては、

半数の企業がITスキル標準を活用しやすくなると回答しています。企業の期待する共通スキルレベルを情

報処理技術者試験に反映し、改訂してゆくことが、ITスキル標準をより活用しやすくすることにつながる

と考えられます。

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4. 訪問インタビュー

上記のアンケート回答企業の中から、特にITスキル標準を人材育成に活用している企業 2 社について、

訪問インタビューを行い、具体的な活用状況をうかがいました。

その結果、両社いずれもITスキル標準を活用するにあたっては、概ね次のような手順を踏んでいること

が確認できました。

①ITスキル標準の理解

②活用目的の明確化

③適用範囲の確定

④キャリアマップ・パスの明確化

⑤知識/スキル内容の明確化

⑥基本的研修ロードマップの作成

⑦スキル診断表の作成

⑧スキル熟達度診断の実施

⑨個人ごとのキャリア計画作成

⑩上記プロセスの継続的スパイラル構築

また、両社の訪問インタビューからは次の考察をするに至りました。

ITスキル標準の資料は、その目的から汎用的な表現を用いています。そのため、実際に活用する際に

は、より具体的なガイドやドキュメンテーションを作成する必要があります。このガイドやドキュメン

テーション作成に手間を要し、なかでも知識/スキル内容とスキル熟達度調査資料の作成に大きな手間

がかかっているようです。しかしながら、人材育成制度の定着・推進には現場の理解と協力が不可欠で

あり、そのためには各社の状況に即したカスタマイズは不可欠なようです。

【両社から出された主な意見】

人材育成計画は、あくまで事業を成功に導くためにあるという明確な目的・軸の徹底

ITスキル標準を参照しながら、業務実績に軸をおいた独自の評価基準の策定。特に職種に求められ

る知識とスキルの概念を整理しており、実務者の立ち位置や習得すべき知識、スキルが明確となるキ

ャリアパスの策定

現場を支える従事者のモチベーションに十分に配慮した手続き、運営体制

なお、両社からお聞きできた「活用の手順」や「コメント」について次頁以降に記します。(本内容の開

示にあたっては、それぞれ両社からご承諾を得たものです)

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■訪問2社のコメント 会社 AA 社 BB 社

ITSM適用範囲 全社(約400名) ソリューション要員(約250名)

実施上のポイント

・ IT スキル標準を参照しながらレベル

定義の人材像を定義した。

・ 実際の業務においては、情報処理技

術者試験等で評価できる知識よりも

コミュニケーション等の実務的なス

キルが重要と考えた。

・ この枠組みを定着・推進するには現

場の推進力が鍵であり、現場と密接

に連携してレベル診断のフレームワ

ークを構築した。

・ レベル評価については実務的な達成

度をもとにマネジメント層で協議・

認定する。

・ 先ずはプロジェクトマネジメント職

種からはじめ、他の職種に展開した。

・ 今後は運用を委託している子会社に

も適用したい。

・ IT スキル標準は、その性格から網羅性を

必要とするため、どうしてもスキルレベ

ルや達成度指標が不明確となる。また情

報処理技術者試験との連動性を維持する

と、知識に重点を置いた能力評価になり

がち。

・ 一方で技術者の市場価値を評価できる枠

組みも残しておきたかった。

・ そこでスキル評価と実務成果を連動させ

た、独自の評価指標を策定した。

・ この評価指標の目的は運用技術者のモチ

ベーション向上と運用業務の品質向上な

らびに生産性向上にあり、評価を優先し

たものではない

・ 技術者自身が理解しやすい仕組みと確実

なPDCAサイクルの運用をねらい、極力、

客観的に評価できるように知識と実務成

果を数値化(可視化)して評価できる枠

組みとした。

・ 技術者の実務能力を測るべく、技術者と

して最低限知るべき知識と、経験や知識

の組み合わせによるスキルを知識項目や

スキルを細分化した。

効果・感想

・ 自らのキャリア像が見えてきたと

語る技術者が多い。

・ キャリア認定の客観的な指標とし

て活用できる。

・ プロトタイプ検証では平均約 19%の業

務生産性の向上が認められた。

・ 技術者が新たな業務に取り組む事で、キ

ャリアパスの拡充が期待できる。

ITスキル標準への意見・感想

・ IT スキル標準を、そのまま適用する

のは難しい。各社の事業・業務に即

した内容にしなくてはならない。

・ 情報処理技術者試験は知識のレベル認

定、そしてスキルのレベル認定は現場で

創出した熟達度評価というように知識と

スキルのすみわけを明確にしてくれる

と、さらに使いやすいものになろう。

今後の予定 ・ 運用を委託している子会社への適

・ 運用系職種から適用したが、これを開発

系職種に展開する予定である。

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5. 今後に向けて

アンケートの結果にもみられるように、回答企業の多くがITスキル標準を自社の人材育成に利用したい

と考えています。また、実際にITスキル標準を自社のIT部門に展開中の先進的活用企業における聞き取

り調査の結果から、次のような共通項が見受けられます。

“ITスキル標準をそのまま適用としているわけではなく、自社の環境に合わせて利用している。”

これは、多くの企業がITサービスマネジメントに関しては、各社が固有の環境を有していることをうかが

わせます。この自社環境との擦り合わせや社内のコンセンサスに大きな労力を必要としており、この労力が

障害となって活用が進まない企業もあることも否定できません。しかしながら、自社の環境に合わせて策

定・適用した企業では、技術者が有するスキルや今後、習得すべきスキルの位置が明確になり、スキル習得

のおおきな原動力になりつつあるようです。

今後も継続して、活用実態を調査しながら、その活用事例をご紹介すると共に、多くの企業にとって有効

活用できる、現場の実装に役立つITスキル標準の提供を目指していく所存です。併せて、共通フレームワ

ークとしての有用性を失わないよう、世の中の各種ガイドなどをリファレンスとしてウォッチしながら、適

切な改訂を継続したいと思っています。

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(注)ITサービスマネジメント委員会でウォッチしているリファレンス

1 ITIL2 CobiT3 CMMI4 PMBOK5 ISO/IEC 20000(サービスマネジメト)6 ISO/IEC 27000(セキュリティ)7 ISO9000(品質マネジメント)8 ISO/IEC 25999(事業継続管理)9 ISO/IEC38500 (ITガバナンス)10 ISO/IEC 19770(ソフトウェア資産管理)11 JIS Q 10002(品質マネジメント-顧客満足)12 シックス・シグマ13 ITバランススコアカード14 MOF(Microsoft Operations Framework)

15 FISCガイドライン16 システム管理基準17 情報セキュリティ管理基準18 JIS Q 15001(プライバシーマーク制度)

19情報システムの信頼性向上に関するガイドライン 経済産業省平成18年6月

20 COSOフレームワーク21 CobiT for SOX

22関連省庁の各種ガイドシステム管理基準追補版(財務報告に係るIT統制ガイダンス)(案)経済産業省 平成19年1月19日など

23 ITIL Foundation24 ITIL Service Manager25 ITIL Practioner26 PMP27 CobiT Foundation28 CISA/CISM29 MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)30 MCSE(マイクロソフト認定エンジニア)オープン系 Windows31 RHCE(Red Hat Certified Engineer)32 Oracle Master Platinum(データベース)33 Oracle Master Gold(データベース)34 Oracle Master Silver(データベース)35 CCNA/CCDA/CCENT(シスコ技術者認定資格)36 CCIE(シスコ技術者認定資格エキスパート)37 CISSP(セキュリティの認定資格)38 HDI国際認定(コールセンター要員の認定資格)39 ITSMS(ISO20000)認証40 ISMS認証41 ISO9000認証42 HDIサポートセンター国際認定43 COPC-2000(コールセンター業務)44 KT法(ケプナー ・トリゴー分析)45 石川ダイアグラム(フィッシュボーン図)46 CFIA(コンポーネント障害インパクト分析)47 FTA(故障の木解析)48 CRAMM(CCTAリスク分析と管理手法)

個人向け認定

組織向け認証

その他手法

制度

関連フレームワーク

ガイドライン

内部統制がらみのフレームワーク&ガイドライン

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付録

(「ITスキル標準におけるITサービスマネジメント活用実態調査」アンケート)

独立行政法人 情報処理推進機構

IT人材育成本部 ITスキル標準センター

「ITスキル標準におけるITサービスマネジメント活用実態調査」

(アンケート調査)へのご協力のお願い

拝啓 ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

ITスキル標準センター プロフェッショナルコミュニティではITスキル標準の改訂、人材育成のあり

方等、次世代ITサービスビジネスを担う後進人材のスキルアップに貢献するために、職種毎の委員会活動

を含む諸活動を行っております。

現在、ITサービスマネジメント委員会において、標題の通り、ITスキル標準におけるITサービスマ

ネジメントの活用実態調査を実施しております。本調査は、ITサービスマネジメント職種における活用実

態を把握し、その結果を踏まえて、ITスキル標準の活用促進のために、ITスキル標準の改善提案を行う

ことを目的としております。

この度、活用実態調査の一環として、各社におけるITサービスマネジメントの活用実態の概要把握を目

的として、アンケート調査を実施させて頂く運びとなりました。

つきましては、ご多用の折、大変恐縮ではございますが、御社におかれましても、本調査の趣旨をご理解

頂き、ぜひともご協力賜りますよう、お願い申し上げます。

敬具

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Q1.御社の概要について

Q1.1 従業員数について

□100 名未満 □100 名以上 300 名未満 □300 名以上 1,000 名未満 □1,000 名以上

Q1.2 年間売上高について

百万円

Q1.3 企業タイプについて

□IT サービス利用会社(ユーザ企業)

□コンピュータシステム運用業務をアウトソーシングしている

□コンピュータシステム運用業務をアウトソーシングしていない

□IT サービス提供会社(運用サービスを含む)

Q2.御社における運用系技術者の状況について

Q2.1 運用系技術者と開発系技術者のおおよその人数をご記入ください。

運用系技術者: 名 開発系技術者: 名

Q2.2 技術者一人当たりの年間教育コスト(2007 年度実績)をご記入ください。

運用系技術者: 円 開発系技術者: 円

Q2.3 運用系技術者が受講している主な研修内容をご記入ください。

御社にて実施している研修:

他社にて実施している研修:

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Q3.御社における IT スキル標準の活用状況について

Q3.1 IT スキル標準をご存知ですか。

□認識している □認識していない(→アンケートは終了です)

□2008 年 3 月 31 日に IT スキル標準 V3 が公開されたことを認識している

□2008 年 3 月 31 日に IT スキル標準 V3 が公開されたことは認識していない

Q3.2 IT スキル標準における IT サービスマネジメント職種をご存知ですか。

□認識している □その職種は認識していない(→アンケートは終了です)

Q3.3 IT サービスマネジメント職種の名称変更についてご存知ですか。

□IT スキル標準 V2 まではオペレーション職種であったことを認識している

□IT スキル標準 V2 2006 にて IT サービスマネジメント職種に変更されてから認識した

Q3.4 御社には IT サービスマネジメント職種に該当する人材はいますか。

□該当する人材がいる □該当する人材はいない

Q3.5 人事制度の評価項目に IT スキル標準を活用されていますか。また、IT サービスマネジメント

職種についてはいかがですか。活用しているあるいは予定がある場合は具体的な活用内容、活用予定

がない場合は、活用しない理由も合わせてご記入ください。

<<IT スキル標準全体として>>

□活用している

□今後活用する予定

□活用予定はない

<<IT サービスマネジメント職種について>>

具体的な活動内容 または 活用しない理由:

具体的な活動内容 または 活用しない理由:

□活用している

□今後活用する予定

□活用予定はない

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Q3.6 人材育成制度に IT スキル標準を活用されていますか。また、IT サービスマネジメント職種について

はいかがですか。活用しているあるいは予定がある場合は具体的な活用内容、活用予定がない場合は、

活用しない理由も合わせてご記入ください。

<<IT スキル標準全体として>>

□活用している

□今後活用する予定

□活用予定はない

<<IT サービスマネジメント職種について>>

具体的な活動内容 または 活用しない理由:

具体的な活動内容 または 活用しない理由:

□活用している

□今後活用する予定

□活用予定はない

Q3.7 活用するにあたって、何か障害になったことがあればご記入ください。

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<ご参考> IT スキル標準V3より

【IT サービスマネジメントの専門分野について】

運用管理: ITサービスマネジメントの全般に関わり、リスクに対する予防処置を施し、サービスを安定提供するための各プロセスを実施することを担う。また、その実施に関わる関係者を指揮し、サービスレベル管理をはじめとするサービス提供の責任を担う。上位レベルの技術者は運用管理の責任者として、顧客に対して IT サービスマネジメントの統括責任を負う。また、運用ガイドラインの策定、およびその遵守の徹底を図る。

システム管理: 共通運用基盤と位置づけられる部分について、IT 基盤の設計・構築・維持管理を担う。(IT 基盤とは、ネットワーク/LAN、運用管理ツール、メインフレームおよびサーバのハード/OS/ミドルウェア、アプライアンス製品)また、IT基盤に関するシステム受入れ基準を策定する。

オペレーション: IT システムを安定稼動させるため、定められた手順に沿って、IT システムの監視・操作・状況連絡を実施する。実施内容は全て記録・保管する。

サービスデスク:対象となるITサービスのユーザからの問い合わせ・申請等に対して窓口機能を担う。対応内容については全て記録・保管する。

【レベルについて】

レベル 6,7:世界で通用するプレーヤー、または、国内のハイエンドプレーヤー

レベル 4,5:企業内のハイエンドプレーヤー

レベル 3:上位者の指導がなくても、独力で業務を遂行できる人材

レベル 1,2:上位者の指導の下で、業務を遂行できる人材

Q3.8 御社において、IT サービスマネジメント職種にレベルの概念を取り入れていますか。

□取り入れている □取り入れていない(→Q4.1 へ)

Q3.9 御社における IT サービスマネジメント職種の分布について想定される人数等をご記入ください。

運用管理 システム管理 オペレーション サービスデスク 合計

専門分野全体の

人数 人 人 人 人 人

レベル 6,7 の

人数 人 人 人

レベル 4,5 の

人数 人 人 人 人 人

レベル 3の

人数 人 人 人 人 人

レベル 1,2 の

人数 人 人

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Q4.IT スキル標準と情報処理技術者試験について

<ご参考>

【ITスキル標準 V3 の改訂について】

レベル 1、2 の職種については、各専門分野の基礎知識を共通化し、指標を統一しました。また、客観的な

人材評価メカニズムの構築を可能にするため、レベル 1~3 の評価手段として、情報処理技術者試験の位置

づけを明確にしました。(レベル1~3にITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験

をそれぞれ対応付け、各レベルに対応する試験の合格をもって該当するレベルの入り口に立ったと見做すこ

ととする。)

【情報処理技術者試験 新試験制度について】

新試験と現行試験の対応関係はおおむね以下の通りです。

詳しい情報については以下の URL よりダウンロードしてご覧ください。

http://www.jitec.jp/1_00topic/topic_20080422_shinshiken.html

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Q4.1 御社では、現在、IT サービスマネジメント人材に対し情報処理技術者試験やベンダー試験を

推奨していますか。

<<情報処理技術者試験>>

□推奨している □推奨していない

理由:

推奨している試験名:

<<ベンダー試験>>

□推奨している □推奨していない

推奨している試験名:

□初級シスアド試験

□基本技術者試験

□ソフトウェア開発技術者試験

□テクニカルエンジニア試験 (システム管理) □その他の試験

Q4.2 2009 年春から情報処理技術者試験制度が新しくなることをご存知ですか。

□認識している □認識していない(→アンケートは終了です)

Q4.3 レベル1~3 の評価を基本的に情報処理技術者試験の合格をもって判定することにより、

IT スキル標準は使いやすくなると思いますか。

□活用しやすくなる □活用しにくくなる □変わらない □わからない

Q4.4 情報処理技術者試験を活用しやすいのは、IT サービスマネジメントのどの専門分野ですか。

<<活用しやすい専門分野>>

□運用管理 □システム管理 □オペレーション □サービスデスク

理由:

<<活用しにくい専門分野>>

□運用管理 □システム管理 □オペレーション □サービスデスク

理由:

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Q4.5 レベル1~3 の評価を基本的に情報処理技術者試験の合格を持って判定することに関して、要望があ

ればご記入ください。(社内の IT サービスマネジメント人材を想定してご回答ください。)

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ITスキル標準 ITサービスマネジメント

活用実態調査報告書(2008年度版)

2009 年 7 月6日 初版

著作・監修 ITスキル標準 プロフェッショナルコミュニティ

ITサービスマネジメント委員会

発行者 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

ITスキル標準センター 〒113-6591 東京都文京区本駒込 2-28-8

文京グリーンコート センターオフィス 15 階 TEL:03-5978-7544/FAX:03-5978-7516

http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/index.html

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