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Information-technology Promotion Agency, Japan Software Reliability Enhancement Center Copyright © 2017 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement Center IoTシステム開発を支える 主要プロセスの解説と共通フレームの概要 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) 技術本部ソフトウェア高信頼化センター(SEC) 連携委員 TIS株式会社 生産革新本部 生産革新部 室谷 2/22 SECセミナー

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Information-technology Promotion Agency, Japan

Software Reliability Enhancement CenterCopyright © 2017 IPA, All Rights Reserved

S o f t w a r e R e l i a b i l i t yEn h an c emen t Cen t er

IoTシステム開発を支える主要プロセスの解説と共通フレームの概要

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)技術本部ソフトウェア高信頼化センター(SEC) 連携委員

TIS株式会社 生産革新本部 生産革新部

室谷 隆

2/22 SECセミナー

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2Copyright © 2017 IPA, All Rights Reserved Software Reliability Enhancement Center共通フレーム2013

プロローグ:IoTシステム開発

出典:「つながる世界の開発指針」 第4章よりhttp://www.ipa.go.jp/sec/reports/20160511_2.html

大項目 指針

方針

つながる世界の安全安心に企業として取り組む

指針1 安全安心の基本方針を策定する

指針2 安全安心のための体制・人材を見直す

指針3 内部不正やミスに備える

分析

つながる世界のリスクを認識する

指針4 守るべきものを特定する

指針5 つながることによるリスクを想定する

指針6 つながりで波及するリスクを想定する

指針7 物理的なリスクを認識する

設計

守るべきものを守る設計を考える

指針8 個々でも全体でも守れる設計をする

指針9 つながる相手に迷惑をかけない設計をする

指針10 安全安心を実現する設計の整合性をとる

指針11 不特定の相手とつなげられても安全安心を確保できる設計をする

指針12 安全安心を実現する設計の検証・評価を行う

保守

市場に出た後も守る設計を考える

指針13 自身がどのような状態かを把握し、記録する機能を設ける

指針14 時間が経っても安全安心を維持する機能を設ける

運用

関係者と一緒に守る

指針15 出荷後もIoTリスクを把握し、情報発信する

指針16 出荷後の関係事業者に守ってもらいたいことを伝える

指針17 つながることによるリスクを一般利用者に知ってもらう

必要なリスク対策をライフサイクルの各段階で,着実に実装

つながりのパターンの整理

守るべきものの整理

リスク箇所の整理

つながる世界のリスク分析

つながる世界のリスクの想定 リスク事例を想定する根拠に活用

対策の検討、整理

分析 設計 保守 運用方針

実装

「共通フレーム」の理解と活用

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ソフトウェアエンジニアリングとは

1.ソフトウェアの開発、運用および保守に対して、システマティックで

よく訓練された定量化可能なアプローチを適用すること、すなわち、

エンジニアリング(工学)をソフトウェアに適用すること。

2.1.で示したアプローチに関する研究である。とされている。

つまり

体系化し、

それに従った手順を作成し作業し、

データを収集して、フィードバックすること。

松本吉弘訳 ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系V3.0-SWEBOKV3.0 2013-:オーム社 より

はじめに

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共通フレーム2013の概要

1.共通フレームとは

2.共通フレーム2013の経緯

3.なぜ、プロセスが重要なのか

4.共通フレームの特徴

5.共通フレームの構造

6.共通フレームとガイダンスの見方

7.共通フレームのプロセス体系

8.規定例 - 「5.1 プロジェクト計画プロセス」

9.各プロセスの概要

10.テーラリング(修整)の適用について

11.テーラリング方法

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1.共通フレームとは 共通フレームとは

ソフトウェアの構想から開発、運用、保守、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じて必要な作業項目、役割等を包括的に規定した共通の枠組み。

何を実施するべきかが記述されている、

「ITシステム開発の作業規定」である。

その目的は

ソフトウェア開発に関係する人々(利害関係者)が、

「同じ言葉で話す」ことが出来るようにするため。

ソフトウェア開発方法論との関係は

ウォーターフォール、スパイラル、プロトタイプ、

アジャイル系すべての開発方法論に共通したもの。

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JIS化X 0160-1996

共通フレーム98(1998年)

共通フレーム2013

共通フレーム2007(第1版,’07年10月)

JIS化X0170:2004

ISO/IEC15288:2002

ISO 追補2 (2004)JIS X 0160:2007追補1(ISO追補1,2

を含む)

ISO 追補1 (2002)

ISO/IEC12207:1995

追補1、2のJIS原案

共通フレーム2007(第2版,’09年10月)

12207:2008 JIS X 0160:

2012

最新版

15288:2008 JIS X 0170:2013

【システムライフサイクルプロセス】

【ソフトウェアライフサイクルプロセス】超上流の本

ISO20000、ISO29148(要求工学)などのスタンダード

主にISO/IEC15504で使用するプロセスを定義

2013/3/4

経営者が参画する要求品質の確保

2.共通フレーム2013の経緯

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3.なぜ、プロセスが重要なのか

プロダクトの品質はプロセスの品質から

(工学(エンジニアリング)の基本)

プロセス :インプットをアウトプットに変換する,

相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。

(JIS Q 9000:2006)

(処理する、加工する、手を加える)

・共通フレームはプロセスを役割の観点でまとめている。

例 開発プロセス、運用プロセス、保守プロセス

・What to do(何をするか)であり、

How to do(どのようにするか)は決めていない。

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4.共通フレームの特徴

(1)超上流の重視

(2)モジュール性の採用

(3)責任の明確化

(4)責任範囲の明確化

(5)工程、時間からの独立性

(6)開発モデル、技法、ツールからの独立性

(7)ソフトウェアを中心としたシステム関連作業までを包含

(8)システムライフサイクルプロセスとの整合性

(9)文書の種類、書式を規定しない

(10)修整(テーラリング)の採用

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5.共通フレームの構造

・・・

タスク

注記

アクティビティ

タスク

注記

アクティビティ

注記

プロセス

アクティビティ

タスク

注記

注記

●次の図のように、4つの要素が階層化されている。

目的および成果

■プロセス

システム開発作業を役割の観点でまとめたもの

■ アクティビティ相関の強いタスクをまとめたタスクの集合

■ タスクアクティビティを構成する個々の作業

■ 注記タスクを構成する要素例示としている。

■目的:プロセスを実行する高水準の目標及びプロセスの効果的実施によって見込みある成果

■成果:プロセスの目的の達成に成功することによって観察できる結果

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6.共通フレームとガイダンスの見方(本体の形式)

2.3.5.2.1 システム適格性確認テストの準備

システムの適格性確認の各要件に対して,システム適格性確認テストを行うた

め,一連のテスト,テストケース(入力,出力及びテスト準備など)及びテスト手順を作成し,文書化する。開発者は,結合したシステムに対してシステム適格性確認テストの準備が終わっていることを確実にする。

テスト実施にあたって各種マスタファイルのデータ,トランザクションデータを作成し,テスト環境に登録する。

注記 変更したときにシステムを再テストするために適用する回帰テスト戦略を作成することが望ましい。

2.3.5.2.1:データは、できる限り本稼働で用いるデータに近いものを設定する。現行システムのデータが存在する場合は,セキュリティを考慮した上で、それを移行して利用する。

ガイダンス

(青色の囲み) 共通フレーム定義体 を表す。(文字種) 国際標準:太字、日本で追加、変更した部分:細字。(ガイダンス) 日本で追加した解説を表す。

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7.共通フレーム2013のプロセス体系(1/2)

共通フレームの修整

「システム監査」プロセス

文書化プロセス

支援プロセス

ライフサイクルモデル管理プロセス

インフラストラクチャ管理

プロセス

プロジェクトポートフォリオ

管理プロセス

人的資源管理

プロセス

品質管理プロセス

知識管理プロセス

ソフトウェア再利用プロセス

組織のイネーブリングプロセス

問題解決プロセス

品質保証プロセス

検証プロセス

妥当性確認プロセス

共同レビュープロセス

監査プロセス

企画・要件定義の視点

運用プロセス

運用・サービスプロセス

システム開発プロセス

開発・保守の視点

企画プロセス

要件定義プロセス

取得プロセス

供給プロセス

合意プロセス

合意・契約の変更

管理プロセス

:規格部分 :共通フレームで拡張した部分

修整プロセス

テクニカルプロセス

ソフトウェア実装プロセス

ユーザビリティプロセス

プロセスビュー

プロジェクト計画

プロセス

プロジェクトアセスメント及び制御プロセス

意思決定管理

プロセス

リスク管理

プロセス

構成管理プロセス

情報管理プロセス

測定プロセス

廃棄プロセス

サービスマネジメントプロセス

保守プロセス

ハードウェア実装プロセス

プロジェクトプロセス

ソフトウェア構成管理プロセス

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7.共通フレーム2013のプロセス体系(2/2)

テクニカルプロセス

システム開発プロセス

企画・要件定義の視点

システム適格性確認テストプロセス

実装プロセス

システム要件定義プロセス

企画プロセス

システム化構想の立案プロセス

要件定義プロセス

保守プロセス

開発・保守の視点

システム化計画の立案プロセス

ハードウェア実装プロセス

システム受入れ支援プロセス

システム導入プロセス

システム結合プロセスシステム方式設計プロセス

開始の準備プロセス(システム開発)

ソフトウェア実装プロセス

ソフトウェア受入れ支援プロセス

ソフトウェア導入プロセスソフトウェア適格性確認テストプロセス

ソフトウェア結合プロセス

ソフトウェア構築プロセス

ソフトウェア詳細設計プロセス

ソフトウェア方式設計プロセス

ソフトウェア要件定義プロセス

プロセス開始の準備プロセス(ソフトウェア実装)

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8.規定例 - 「5.1 プロジェクト計画プロセス」 (1/2)

目的 :

プロジェクト計画プロセスは,効果的で実行可能なプロジェクト計画を作成し,伝達することを目的とする。

このプロセスは,プロジェクト管理及び技術的活動の範囲を決定し,プロセスの出力,プロジェクトのタスク及び納入物を識別し,達成基準を含むプロジェクトのタスク実施のスケジュール及びプロジェクトのタスクを達成するために必要な資源を確立する。

成果 :プロジェクト計画プロセスの実施が成功すると次の状態になる。a)プロジェクトの作業範囲が定義さ

れている。b)利用可能な資源及び制約をもつ

プロジェクトの目標を達成することの実現可能性が評価されている。

c)作業を完了するために必要な,タスク及び資源の規模が調べられ,見積もられている。

d)プロジェクト内の要素間インタフェース並びに他のプロジェクト及び組織の構成単位とのインタフェースが識別されている。

e)・・・・・・・

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8.規定例 - 「5.1 プロジェクト計画プロセス」 (2/2)

アクティビティ及びタスク

管理者は,プロジェクト計画プロセスに関して,該当する組織の方針及び手順に従って,次のアクティビティを実施する。

a) プロジェクトの開始

b) プロジェクト計画

c) プロジェクトの始動

5.1.1 プロジェクトの開始

5.1.1.1 プロジェクトの要求の確立

5.1.1.2 プロジェクトの実現可能性の確認

5.1.1.3 プロジェクトの要求の変更

5.1.2 プロジェクト計画

5.1.2.1 プロジェクト実行計画の策定

3.1.2.2 プロジェクト実行計画の共同レビューの実施

5.1.3 プロジェクトの始動

5.1.3.1 プロジェクト実施の承認の取得5.1.3.2 資源の依頼5.1.3.3 プロジェクト計画の実行

5.1.2.1 プロジェクト実行計画の策定管理者は,プロジェクト実行のための計画を作成する。プロジェクトの実行に関連する計画は,関連するアクティビティ及びタスクの記述,並びに提供されるシステム又はソフトウェア製品の識別を含む。これら

の計画は次を含むが,それに限定されない。

(a) タスクが適時に完了するためのスケジュール(b) 作業量見積り(c) タスクを実行するために適切な資源・・・

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9.各プロセスの概要(1/22)

9.1合意プロセス

取得プロセス

業務システム、ソフトウェア製品、ならびにサービスを取得する組織の契約関連のプロセス。

供給プロセス

業務システム、ソフトウェア製品、ならびにサービスを供給する組織の契約関連のプロセス

合意・契約の変更管理プロセス

業務システム、ソフトウェア製品、ならびにサービスを取得及び供給する組織の契約関連を変更管理するプロセス。

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ユーザ(取得)

ベンダ(供給)

9.各プロセスの概要(2/22)

業務部門(取得)

情シ部門(供給)

※ユーザ(取得者)の中にも業務部門(取得者)と情シ部門(供給者)が存在する。

一次ベンダ(取得)

二次ベンダ(供給)※ベンダ(供給者)の中にも

一次ベンダ(取得者)と二次ベンダ(供給者)が存在する。

取得、供給プロセス

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合意・契約の変更管理プロセス

ソフトウェア開発においては、時の経過に伴って「要件は変わるもの」であり、ユーザとベンダとが事前にルールを策定し合意(確定)しておかないと、いざトラブルが発生した時に、速やかな対応が取れない。

9.各プロセスの概要(3/22)

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9.各プロセスの概要(4/22)

9.2企画要件定義の視点

企画プロセス

経営・事業の目的,目標を達成するために必要なシステムに関係する要件の集合とシステム化の方針,及び,システムを実現するための実施計画を得るプロセス。

・システム化構想の立案プロセス

経営課題を解決するための新たな業務とシステムの構想を

立案する。

・システム化計画の立案プロセス

システム化構想を具現化するための,システム化計画及び

プロジェクト計画を具体化し,利害関係者の合意を得る。

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プロセス拡張のねらいITシステムは、事業(ビジネス)又は業務で使われるために開発される。

事業/業務における利用目的を明らかにし、その利用目的に応じて、システムに

対する要求事項を定義することが非常に重要である。

事業又は業務レベル全体におけるシステム利用(人による活動も含む)に対する要求事項を明確に定義する。事業(ビジネス)

業務

システム

ソフトウェア

システム(HW+SW)に対する要求事項を定義する。

ソフトウェアに対する要求事項を定義する。

9.各プロセスの概要(5/22)

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9.各プロセスの概要(6/22)

要件定義プロセス

取得者の業務要件,ならびに取得者がシステムに求める要件

(機能要件,非機能要件)を明確にするプロセス。

ISO/IEC 12207:2008(JIS X0160:2012)における利害関係者

要求定義プロセスのこと。

共通フレーム2013では利害関係者要求定義プロセスを要件定

義プロセスと名称変更し,運用シナリオの概念を

ISO/IEC/IEEE 29148(JIS X0166:2014 要求エンジニアリン

グ)から取り入れ拡張。

まず最初にビジネスとシステムの運用方法を考える事で、

要件が出てくる。(運用ファースト)

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9.各プロセスの概要(7/22)

StRS:ステークホルダ要求 SyRS:システム要求SRS:ソフトウェア要求

「要件」の4階層(JIS X0166より)

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9.各プロセスの概要(8/22)

9.3 開発保守の視点

システム開発プロセス

以前は,ソフトウェア開発の一部分にシステムの概念が入っていた程度であったものを,システム開発プロセスという括りで明確にした。

・システム開発プロセス開始の準備プロセス

・システム要件定義プロセス

・システム方式設計プロセス

・実装プロセス(ソフトウェア開発、ハードウェア開発)

・システム結合プロセス

・システム適格性確認テストプロセス

・システム導入プロセス

・システム受入れ支援プロセス

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9.各プロセスの概要(9/22)

ソフトウェア実装(開発)プロセス

・ソフトウェア実装プロセス開始の準備プロセス

・ソフトウェア要件定義プロセス

・ソフトウェア方式設計プロセス

・ソフトウェア詳細設計プロセス

・ソフトウェア構築プロセス

・ソフトウェア結合プロセス

・ソフトウェア適格性確認テストプロセス

・ソフトウェア導入プロセス

・ソフトウェア受入れ支援プロセス

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9.各プロセスの概要(10/22)

ハードウェア実装(開発)プロセス(定義体のみ)

システムとは,ソフトウェアとハードウェアの集合。

システム開発,ソフトウェア実装として明確に分離し、

ソフトウェアと対を成すハードウェア関連のプロセスを定義。

ハードウェア実装プロセスは大枠の定義体のみであり,詳細の

プロセスは定義していない。

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9.4 運用サービスプロセス

運用・サービスプロセスは,運用者が行うアクティビティ

及び タスクを含む。このプロセスは,開発の終了した

システム,ソフトウェア製品,サービスなどの運用作業。

・運用プロセス

・廃棄プロセス

・サービスマネジメントプロセス

9.各プロセスの概要(11/22)

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9.各プロセスの概要(12/22)

9.5 組織のプロジェクトイネーブリングプロセス

プロジェクトを支援するために必要な資源及び基盤を提供し,

組織目標及び確立された合意を満足させることを確実にする。

ライフサイクルモデル管理プロセス

組織が,自らのライフサイクルプロセス(開発標準)を

確立,測定,制御,評価,改善する。

インフラストラクチャ管理プロセス

開発のための基盤となる構造を確立する。

人的資源管理プロセス

組織に必要な人的資源を提供し,要員の能力を開発する。

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9.各プロセスの概要(13/22)

プロジェクトポートフォリオ管理プロセス

優先順位づけや成果を明確化し,組織の戦略的目標を満たす

ための資源を割当てるとともに,プロジェクトが計画に則って

進行しているかどうかを評価する。

品質管理プロセス

製品及びサービス,ならびにそれらの作成プロセスが組織の品

質目標に合致し,顧客満足を達成することを保証する。

知識管理プロセス

組織を通じて個人の知識,情報及びスキルが集約され,共有さ

れ,再利用され,改善されることを確実にする 。

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9.6 プロジェクトプロセスプロジェクト計画プロセス効果的で実行可能なプロジェクト計画を作成し,伝達する。

工業製品の品質を左右するのは設計図、システム(ソフト)の品質を左右するのはPJ計画。-目的の明確化-QCDSSに関して明確な戦略(方針)を決める-Iotの場合、要件は常に変化し、進化することを前提として計画する必要があるウォーターフォールは適さない→スパイラル、アジャイルアジャイル→要件を出す側がPJの中心となる計画に当初計画から大幅に変更になる場合があり、契約の変更管理は必須

-開発体制(人的資源)

9.各プロセスの概要(14/22)

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9.各プロセスの概要(15/22)

プロジェクトアセスメント及び制御プロセス

プロジェクトの状態を見定め,プロジェクトを計画及びスケジ

ュールに従って,予測された予算内で遂行しそれが確実に技

術目標を満足すること。(進捗管理)

意思決定管理プロセス

代替手段がある場合,プロジェクトとして最も有益な進路を

選定する。

測定プロセス

測定プロセスは,成果物及び実施したプロセスに関するデータ

を収集し,分析し,報告する。

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9.各プロセスの概要(16/22)

リスク管理プロセス

リスクを継続的に識別し,分析し,取り扱い,監視する。

構成管理プロセス

システムの構成管理を実施する。

ソフトウェア構成管理プロセス

ソフトウェアの構成管理を実施する。

情報管理プロセス

システムライフサイクルの期間中,関連する情報(安全な,妥

当な,適時の,機密の)を提供する

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9.各プロセスの概要(17/22)

9.7 支援プロセス

他のプロセスの活動を支援し、プロジェクトの成功と品質の

向上に貢献する。各プロセスから呼び出されて使用される。

文書化管理プロセス

ライフサイクルプロセスで生産された情報を記録する。

品質保証プロセス

ソフトウェア製品及びその作成過程が規定要求事項に従い、

確定した計画どおりであることを客観的に保証する。

共同レビュー、監査、検証及び妥当性確認プロセスを、品質

保証の手法として使用してもよい。

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9.各プロセスの概要(18/22)

検証プロセス

ソフトウェアプロジェクトが必要とするレベルに応じて、

ソフトウェア製品を検証する。

検証 :

1.規定要求事項が満たされていることを、客観的根拠の調

査及び提出によって確認すること。(JIS X 0160)

2.設計・開発からのアウトプットが、設計・開発へのイン

プットで与えられている要求事項を満たしていることを

確実にする。(JIS Q 9001)

3.正しく製品を作っているか。(Boehm)

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9.各プロセスの概要(19/22)

妥当性確認プロセス

ソフトウェアプロジェクトが作成したソフトウェア製品の

妥当性を確認する。

妥当性確認 :

1.所定の使用方法に対応した特定の要求事項が満たされて

いることを、客観的根拠の調査及び提出によって確認す

ること。(JIS X 0160)

2.結果として得られる製品が指定された用途又は意図され

た用途に応じた要求事項を満たし得ることを確実にする。

(JIS Q 9001)

3.正しい製品を作っているか。(Boehm)

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V&V(検証&妥当性確認)の適用場面

図4-xx 検証(Verification)と妥当性確認(Validation)の適用場面

詳細設計・作成詳細設計・作成

利害関係者要件(要件定義)

利害関係者要件(要件定義)

システム結合システム結合

運用テスト(運用)

運用テスト(運用)

ソフトウェア要件定義(ソフトウェア適格性確認要求事項)

ソフトウェア要件定義(ソフトウェア適格性確認要求事項) ソフトウェア適格性確認テストソフトウェア適格性確認テスト

IT

投資効果,業務効果(運用)

投資効果,業務効果(運用)

システム化構想,計画(企画)

システム化構想,計画(企画)

ソフトウェア層

システム適格性確認テストシステム適格性確認テスト

ソフト方式設計ソフト方式設計 ソフトウェア結合ソフトウェア結合

凡例 :検証 :妥当性確認

システム要件定義(システム適格性確認要求事項)

システム要件定義(システム適格性確認要求事項)

システム方式設計システム方式設計

※1

※1:事業目標,経営戦略との妥当性確認を示す

詳細設計・作成詳細設計・作成

利害関係者要件(要件定義)

利害関係者要件(要件定義)

システム結合システム結合

運用テスト(運用)

運用テスト(運用)

ソフトウェア要件定義(ソフトウェア適格性確認要求事項)

ソフトウェア要件定義(ソフトウェア適格性確認要求事項) ソフトウェア適格性確認テストソフトウェア適格性確認テスト

IT

投資効果,業務効果(運用)

投資効果,業務効果(運用)

システム化構想,計画(企画)

システム化構想,計画(企画)

ソフトウェア層

システム適格性確認テストシステム適格性確認テスト

ソフト方式設計ソフト方式設計 ソフトウェア結合ソフトウェア結合

凡例 :検証 :妥当性確認

システム要件定義(システム適格性確認要求事項)

システム要件定義(システム適格性確認要求事項)

システム方式設計システム方式設計

※1

※1:事業目標,経営戦略との妥当性確認を示す

9.各プロセスの概要(20/22)

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9.各プロセスの概要(21/22)

共同レビュープロセス

活動の状況及び生産物を評価する。

監査プロセス

要求事項、計画、及び契約に適合しているかどうかを判断する。

問題解決プロセス

開発、運用、保守、又はその他のプロセスで発見された問題

(不適合を含む)を、原因又は性質にかかわらず分析し取り

除く。

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9.各プロセスの概要(22/22)

9.8 テーラリング(修整)プロセス

共通フレーム2013をテーラリング(修整)する。

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10.テーラリング(修整)の適用について(1/2)

■テーラリング(修整)とは

共通フレームをそのまま適用するのではなく、組織(企業)やプロジェクトの特性(例えば開発モデル)に合わせて、共通フレームで規定されているプロセス/アクティビティ/タスクを取捨選択したり、繰り返し実行できるように、又は複数を一つに括って実行できるように組み替えたりする作業をいう。

共通フレーム

組織(企業)標準

技法,ツール特性別(領域別)標準

プロジェクト標準

第2レベル

第3レベル

第4レベル

第5レベル

例) 事務処理系,制御系など 例)DOA,OO,アジャイル

(注1) DOA : データ中心のアプローチ(注2) OO : オブジェクト指向の方法論,技法など

テーラリング

テーラリング

テーラリング

規格第1レベル

テーラリング

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テーラリングのポイント

1.「共通フレームで規定されている事を、すべて実施しなけ ればならない」ということではない。

2.「共通フレームで規定されている事」を、妥当と判断した場合には、省略してもよい。

(組織(企業)標準やプロジェクト標準に加えなくてもよい、ということ)

3.「共通フレームで規定していないこと」を、組織(企業)標準やプロジェクト標準に追加してもよい。→ 組織やプロジェクトの特性に合わせて、できるだけ

最適と思われる作業の組み立て(プロセス設計)を行うために必要な活動が、テーラリングである。

10.テーラリング(修整)の適用について(2/2)

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11.テーラリング方法(1/4)

1.作業工程を定義する

・時間軸(管理の区切り)を取り入れて、組織やプロジェク

トの作業に必要なプロセス、アクティビティ、タスクを時

間軸にマッピングして工程定義を行う。

・他のプロセス、アクティビティ、タスクとの関連を時間軸

で表現する。(手順を決める)-特に複数の企業が開発に携わる場合、当該工程に含まれるアクティ

ビティやタスクを詳細に定義する。このことにより、言葉の統一が図

られ認識のズレを防ぐことができる。

-開発規模や特性に応じて、工程の中のアクティビティやタスクをまと

めたり、細分化したり、また削除したりする。

-支援プロセス(共同レビュー、検証など)を手順の中に盛り込む。

-運用プロセスの移行・準備作業は、開発工程が終了した後の運用工程

でから始めるのではなく、開発工程内で実施する。

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11.テーラリング方法(2/4)

2.作業成果物を決める

・工程のアウトプットとしての作業成果物を決める。

3.開発モデルを選択する

・開発モデルに依存していないため、プロジェクトの特性に

応じた開発モデルを選択し、共通フレームにあるタスクを

組み立てる。-プロジェクト全体では、ウォーターフォールモデルを採用するが、企

画・要件定義段階では、繰り返し型や一部プロトタイピング型の開発

モデルを使ってシステム化の実現性を調査する。

開発モデルが異なっていても、実施するタスクは同じである。

どの時点でどう実施するのかの違いである。

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11.テーラリング方法(3/4)

4.プロセスの利用者を具体化する

・共通フレームは、各プロセスの実施をどういった立場や資

質の人間がなすべきかを適用主体者として定義している。

・実際の利用では、これを参考に組織から利用者を選定する

必要がある。-企画プロセスの利用者は企画者であるが、実際の組織に当てはめると、

業務部門であったり、企画部門であったりする。

・誰の責任で実施すべきか、どのタスクを誰がいつ実施すべ

きかを、組織、プロジェクト、開発モデルの特性に合わせ

る。

各プロセスには、それぞれ「プロセス開始の準備」というアクティビティが定義されているので参照されたい。

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工程名称 要件定義 内部設計コーディング/

テスト結合テスト システムテスト

共通Fのプロセス、アクティビティ、タス

ク要件定義

SYS要件定義SW要件定義

SYS方式設計SW方式設計

SW詳細設計コーディング/

テスト

SW結合/SW適格性確認

テスト

SYS結合/SYS適格性確認テスト/運用テ

スト

A社 外部設計 内部設計 プログラミング SWテスト システムテストB社 要件定義 詳細設計 製造 テスト 結合テスト

外部設計

要件定義

基本設計

11.テーラリング方法(4/4) 適用例

外部委託した場合・同じ工程名でも、実施内容が異なる。・同じ実施内容でも、工程名称が異なる。

このような場合、共通フレームの用語を使い、お互いの認識を一致させる。

また、複数ベンターを使う場合も、全てのベンダーに同じ用語を使ってもらう。

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ご清聴ありがとうございました